(1) 経営方針
(経営理念)
―共創と革新―
HARADAはベストを追求するプロフェッショナル集団であり続けます。
(経営基本方針)
1.HARADAは、永遠に存続・発展し続けます。
2.HARADAは、顧客満足を第一義とした経営を実践し続けます。
3.HARADAは、常に社会的貢献を追求し続けます。
4.HARADAは、プロ社員が活躍できる場を常に提供し続けます。
5.HARADAは、活力あふれる組織風土を持ち続けます。
常に顧客、社員、株主、取引先、地域社会に必要とされる存在価値をもって時代を超えて永遠に存続、発展していくことを基本とし、株主の投資に報い、市場・顧客との共創と独自の技術力、創造力によって、顧客の真のニーズに応え続け、取引先との共存、共栄を図り、地球環境と人にやさしく、安全性の高い商品・サービスを開発し、常に社会的貢献を追求していくこと、また、各従業員に対し能力が発揮出来る場を提供し、一流のチームワークにより主体的、創造的に革新に挑戦する活力あふれる組織風土を持ち続けることを基本方針としております。
(行動指針)
明るく、楽しく、真剣に!
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは経営目標として売上高の増加、売上高営業利益率など成長性及び収益性の改善はもちろんのことでありますが、当社グループの課題である経営の安全性を高めるため財務体質を改善すべく、有利子負債の削減、たな卸資産の圧縮、自己資本の充実等に努めてまいります。
2020年3月期から2023年3月期の4か年を期間とする中期経営計画「NEW GROWTH」では、財務体質の健全性の確保、経営資源の最大限の有効活用、利益の最大化、企業価値・株主価値の向上を目指し、現状の資本コストを上回るROE10%以上の安定的な確保を目標としております。
また、2020年3月期の業績目標は売上高415億円、営業利益12億円、経常利益10億円、親会社株主に帰属する当期純利益6億50百万円と設定いたしました。
(3) 経営環境、経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の世界経済及び日本国内経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により極めて不透明な状況となっており、当社グループの属する自動車業界におきましても、世界の自動車生産台数の減少が見込まれております。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、2021年3月期の一定期間に亘って継続するものと想定しております。
このような外部環境の変化に鑑み、コスト競争力を強化するため、新たに「第二次コスト構造改革計画」を2020年4月に策定し、収益力の向上に取り組んでまいります。「第二次コスト構造改革計画」では、2016年4月~2018年3月の2か年で取り組んでまいりました第一次コスト構造改革計画の施策を更に深堀りすると共に、施策の範囲を広げ、一段上の抜本的なコスト構造の改革を断行してまいります。
一方、中長期的な視点では、車載通信の多様化、自動運転の普及、自動車の所有から共有へといった自動車価値の変化等当社グループが属する自動車業界を取り巻く環境が大きく変化しております。
このような外部環境の変化に鑑み、当社は次のとおり中長期経営の方向性を定め、コネクテッドが実現する豊かなカーライフに貢献することを目指し、2019年4月~2023年3月までの中期経営計画「NEW GROWTH」を推進してまいります。
中期経営計画「NEW GROWTH」の概要は以下のとおりであります。
(中長期経営の方向性)
<目指す姿>
当社は、車載アンテナのトップ企業であり続けます。加えて、事業の幅を広げることにも挑戦し、成長性・収益性・安全性の高い企業を目指します。
<組織風土のあり方>
変化に対応できる企業であるために、チャレンジ精神を尊重し、コミットメントを重視したスピード感のある業務運営を行います。
<基本戦略>
新たな成長への挑戦
(中期経営計画)
中期経営計画「NEW GROWTH」では、次の3つの戦略を掲げ、財務体質の健全性を確保すると共に、限られた経営資源を最大限有効活用し、利益の最大化、企業・株主価値の向上等を目指し、現状の資本コストを上回るROE10%以上の安定的な確保に努めてまいります。
① 車載アンテナビジネスの強化
既存事業強化の源泉として「5Gなど高度通信時代を牽引する製品開発の強化」、「自動運転時代到来に向けたものづくりの高度化」、「コスト構造改革の更なる進化」を行い、「シェア拡大への弛まぬ挑戦」をとおしてその強化を推進してまいります。
各施策の取組み事項は下記のとおりであります。
「5Gなど高度通信時代を牽引する製品開発の強化」
・イノベーション創出型開発の推進
・グローバル開発の最適化
「自動運転時代到来に向けたものづくりの高度化」
・製造現場を支える現場管理強化
・次世代技術に適応した高品質水準の確立
「コスト構造改革の更なる進化」
・材料費削減活動の活性化
・工場の生産性改革の推進
「シェア拡大への弛まぬ挑戦」
・顧客・販路拡大
・車1台当たりの搭載製品の増加
② 新しい価値づくり、新しい顧客創造
「車載アンテナ発展ビジネス」として、技術資源を応用し、車載通信の高度化に貢献する製品の提供と「新規ビジネス」として、保有技術や組織能力を活用した新たなビジネスの確立を目指します。
③ 更なる成長の土台となる組織基盤の強化
「環境変化に対応するための企画機能の強化」、「新たな目標管理手法の導入によるスピード感のある企業風土の醸成」、「将来を見据えた人材確保と人材育成強化のための新たな教育体系の構築」、「本社とグループ各社の連携等によるグループ総合力の強化」、「経営を促進する経営管理手法確立のための管理会計の高度化」、「事業拡大を見据えたグローバルガバナンス体制の強化」を推進してまいります。
特に重要な施策の取組み事項は下記のとおりであります。
「環境変化に対応するための企画機能の強化」
・情報収集・企画機能の強化
「新たな目標管理手法の導入によるスピード感のある企業風土の醸成」
・目標管理手法の刷新、変化やチャレンジを評価する企業風土の醸成
「将来を見据えた人材確保と人材育成強化のための新たな教育体系の構築」
・戦略的な人材補強
・教育体系の見直し並びに教育、研修形態の充実及び多様化
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、主要なリスクは、影響度・損害規模と発生頻度の観点から抽出しております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 特定の製品・業界への依存
当社グループの主たる事業はアンテナ製品及び附帯機器の製造・販売であります。また、その大半を自動車産業向けに製造・販売しております。既存事業である「車載アンテナビジネスの強化」を計画しており、今後も特定の取引先に偏らない販売活動を展開してまいりますが、取引先の生産及び販売状況や、世界の自動車生産台数の著しい減少等により、受注が大幅に減少する可能性があります。この結果、製造・販売が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(2) 海外事業展開
当社グループは、日本国内のほか、中国、フィリピン、ベトナム、メキシコ、米国、英国、タイ等に拠点があり、北米、欧州、アジア等の各地域に製品を供給しており、今後とも各拠点における設備投資の拡充や特定の地域における販売網の強化等を行っていく方針であります。当社グループは、生産・販売拠点のある国の経済・政治・社会的状況に加え、事業に関連する各国法規制の情報を日々収集し、必要な対応を行っております。しかしながら、各地域の政治や経済の動向、予期しない法律又は規制の変更、移転価格税制等の国際税務リスク、テロ、戦争、疫病等により、事業活動を計画通りに行えず、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(3) 為替レートの変動
当社グループの生産拠点は、日本、中国、フィリピン、ベトナム、メキシコにあり、主な販売拠点は日本、米国、英国、タイにあります。最近の海外売上高比率は60%超と高い水準で推移し、定常的に外貨建て取引が発生しており、為替レートの変動の影響を受けやすい状況にあります。当社グループは、外貨建ての債権と債務のバランスを考慮することにより、その影響を限定することができると考えておりますが、為替レートの変動は、外貨建ての売上や仕入に影響を及ぼします。また、連結決算における海外連結子会社の財務諸表の円換算額にも影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(4) 価格競争等
当社グループは、世界各国へ販売しているため、常に各国の競合他社等と価格面等での競争があります。当社グループは、価格競争力を維持・確保するため、材料費改善活動の活性化や工場の生産性改革の推進等の施策を通じ、コスト低減に努めておりますが、価格競争が激化した場合には、売上高の減少や収益の悪化等、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(5) 部品・原材料の仕入れ
当社グループは、当社グループ外から原材料を仕入れ基幹部品等を生産し、一部の部品を当社グループ外から仕入れております。具体的な当社グループ製品の主たる原材料はアンテナ及び中継ケーブル等で使用する銅線、樹脂等であります。当社グループは、「車載アンテナビジネスの強化」のもと、複数の仕入先との取引による安定した仕入れの確保、現地調達や集中購買等による材料費の低減等に努めておりますが、当社グループでは管理できない仕入先の事情による部品・原材料の仕入れの停滞や原材料市況の高騰による仕入値の上昇等により原価率が上昇し、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(6) 製品の品質保証
当社グループは、顧客の品質基準にあわせた製品を日本、中国、フィリピン、ベトナム、メキシコで生産をしております。当社グループでは、「自動運転時代到来に向けたものづくりの高度化」として、製造現場を支える現場管理強化や次世代技術に適応した高品質水準の確立に取り組んでおり、品質管理は自動車産業の品質マネジメントシステムの認証を受け、万全を期しております。これまでに、当社グループに対しての製造物責任法に基づく訴訟やリコール等は発生しておりませんが、今後、当社グループの製品に関する訴訟等が発生した場合には多額の損害賠償費用の発生や当社グループの製品に対しての信用の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(7) 税務に関するリスク
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、連結売上高の大部分を海外売上高が占めております。当社グループは、「事業拡大を見据えたグローバルガバナンス体制の強化」を推進しており、税務については、各国の税法に準拠して税額を計算し、適正に納税を行い、法令順守に努めております。また、適用される各国の移転価格税制等の国際税務リスクについては、第三者の税務に関する専門家を活用する等細心の注意を払っておりますが、税務当局との見解の相違により、取引価格が不適切である等の指摘を受ける可能性があります。さらに政府間協議が不調となる等の場合、結果として二重課税や追徴課税を受ける可能性があります。
(8) 知的財産権侵害の可能性
当社グループは、「5Gなど高度通信時代を牽引する製品開発の強化」へ向け、イノベーション創出型開発の推進、グローバル開発の最適化等の施策に取り組んでおります。これに伴い、積極的な特許出願を行うとともに、第三者からの特許侵害訴訟を未然に防止するため、当社及び特許事務所を通じた特許調査を随時行っております。しかしながら、第三者の特許権を侵害していないことを完全に調査し確認することは極めて困難であり、現時点において当社グループが認識していない第三者の特許等の知的財産権が存在する可能性は完全に否定できず、また今後、当社グループが第三者より特許権その他知的財産権の侵害を理由として訴訟提起を受けないという保証はありません。当社グループが第三者から訴訟提起等を受けた場合には、当社は、弁理士及び弁護士等と相談の上、個別具体的な対応を行っていく方針でありますが、その対応において多大な費用と時間を要する可能性があります。その結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(9) たな卸資産について
当社グループでは、財務体質の健全性を確保すると共に、限られた経営資源を最大限有効活用することを目指しておりますことから、顧客の需要予測等を常に把握し、適正な在庫水準の維持と滞留在庫の発生を防止するよう努めておりますが、市場の変化等により予測した需要が実現せず過剰在庫となり評価損の計上や廃棄処分を余儀なくされた場合、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(10) 技術の陳腐化
当社グループでは、「5Gなど高度通信時代を牽引する製品開発の強化」へ向け、イノベーション創出型開発の推進、グローバル開発の最適化等の施策に取り組んでおり、現在製造している製品に係る技術や将来の事業に必要な要素技術獲得のための開発活動を行い、競争力強化を図っております。しかしながら、将来的に当社グループが製造している製品の陳腐化や当社グループにおける技術革新が進行しなかった場合には、当社グループの製品が競合他社の製品と比較して競争力を獲得できないことにより、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(11) 災害等による影響
地震・台風等の自然災害の発生等によって、当社グループの製造拠点・販売拠点における生産能力の低下、情報インフラの断絶及び二次的災害等、当社の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、永遠に存続・発展し続けることを経営基本方針に掲げており、災害対策マニュアルや事業継続計画の策定、従業員の安否確認システムの構築等の対策を講じておりますが、自然災害による被害を完全に排除できるものではなく、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(12) 新型コロナウイルス感染症に関するリスク
当社グループでは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、いち早く「コロナウイルス対策会議」を設置し、全ての従業員とその家族の健康維持を最優先として、在宅勤務の導入、執務エリア内でのマスク着用の徹底、社内外会議のオンライン化や毎日の従業員の体調確認等新型コロナウイルスの感染拡大抑制への対応を行っております。
加えて、事業活動を維持、確保するための取組みとして、各国、地域の行政指針・ガイドライン、国内外における仕入先・販売取引先の稼働状況、サプライチェーン並びに当社の連結子会社の稼働を含めた総合的な状況を適宜把握し、適切な判断、対応を講じております。
当社グループは、永遠に存続・発展し続けることを経営基本方針に掲げておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞、事業活動への制約増大、また、当社グループに関連する感染者の発生等により、当社グループの販売能力、生産能力が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績等の状況
当連結会計年度における世界経済は、一部では緩やかな回復傾向を示す地域もありましたが、総じて減速基調となる中、年明け以降の新型コロナウイルスの感染拡大により世界全体の経済が深刻な影響を受け、景気は不安定に推移いたしました。
当社グループの属する自動車業界におきましては、こうした景気の減速基調により、自動車の生産台数が日本、アジア、北中米、欧州全ての市場で減産となり、世界の自動車生産台数は前年同期に比べ、減産となりました。
このような状況のもと、当社グループはコネクテッドが実現する豊かなカーライフに貢献することを目指し、「新たな成長への挑戦」を基本戦略とした4か年(2019年4月~2023年3月)の中期経営計画「NEW GROWTH」に基づき、各施策の実行に注力してまいりました。「NEW GROWTH」の中では、「車載アンテナビジネスの強化」、「新しい価値づくり、新しい顧客創造」、「更なる成長の土台となる組織基盤の強化」の3つの戦略を掲げ、これまで実施してまいりましたコスト構造改革の更なる進化による一層の収益力の向上に加え、自動運転時代到来に向けたものづくりの高度化等、特に「車載アンテナビジネスの強化」に係る諸施策を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を含む世界の自動車生産台数の減少及び為替の影響等により411億36百万円(前年同期比4.6%減)となりました。利益面につきましては、売上高の減少や第4四半期連結会計期間において、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う対応を図ったこと等により、下期以降改善の傾向にあった売上原価率が上昇し、営業利益は6億83百万円(同60.7%減)となりました。また、経常利益は営業利益額の減少に伴い4億87百万円(同66.2%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2億円(同78.6%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(イ) 日本
自動車生産台数の減少等により、外部売上高は151億69百万円(同2.3%減)、セグメント間の内部売上高は26億66百万円(同25.5%減)、第4四半期連結会計期間において新型コロナウイルスの感染拡大による一部の海外連結子会社の操業停止に伴う対応を図ったこと等により、営業損失は66百万円(前年同期は営業利益7億21百万円)となりました。
(ロ) アジア
中国、アセアン市場での大幅な自動車生産台数の減少や為替の影響により、外部売上高は86億25百万円(前年同期比23.3%減)、セグメント間の内部売上高は152億87百万円(同10.1%増)、営業利益は2億9百万円(同53.6%減)となりました。
なお、当該セグメントに属する海外連結子会社は、いずれも12月決算であるため、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、当連結会計年度への影響はありません。
(ハ) 北中米
北中米市場における自動車生産台数の減少や為替の影響があったものの、拡販活動等により、外部売上高は129億54百万円(同4.3%増)、セグメント間の内部売上高は64百万円(同30.0%減)、営業利益は2億5百万円(同26.2%減)となりました。
なお、当該セグメントに属する海外連結子会社は、いずれも12月決算であるため、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、当連結会計年度への影響はありません。
(ニ) 欧州
欧州市場の自動車生産台数の減少や為替の影響があったものの、拡販活動等により、外部売上高は43億87百万円(同11.3%増)、セグメント間の内部売上高は13億12百万円(同34.1%増)、営業利益は2億98百万円(同15.3%増)となりました。
なお、当該セグメントに属する海外連結子会社は、12月決算であるため、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、当連結会計年度への影響はありません。
なお、セグメントの売上については外部顧客に対する売上高とセグメント間の内部売上高を記載しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比較して10億7百万円減少し、58億63百万円(前連結会計年度比14.7%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、「法人税等の支払額」14億56百万円等の減少要因がありましたが、「売上債権の減少額」12億17百万円、「減価償却費」10億9百万円等の増加要因により、5億20百万円の収入(前連結会計年度は1億68百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、「有形固定資産の取得による支出」11億85百万円等の減少要因により、13億16百万円の支出(前連結会計年度は13億21百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、「短期借入れによる収入」405億11百万円等の増加要因がありましたが、「短期借入金の返済による支出」402億90百万円の減少要因により、79百万円の支出(前連結会計年度は7億10百万円の収入)となりました。
なお、当企業集団のキャッシュ・フローの関連指標の推移は下記のとおりであります。
|
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
39.9 |
39.8 |
39.7 |
39.2 |
39.86 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
14.3 |
53.3 |
71.5 |
51.2 |
52.42 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(債務償還年数) |
5.8 |
4.4 |
4.8 |
76.8 |
24.9 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
13.6 |
20.5 |
15.7 |
0.8 |
1.9 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
5.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を2019年3月期の期首から適用しており、2018年3月期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
③ 生産、受注及び販売の実績
(イ) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
585 |
45.6 |
|
アジア(百万円) |
27,009 |
93.1 |
|
北中米(百万円) |
13,174 |
115.1 |
|
欧州(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
40,768 |
97.7 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比 (%) |
|
日本 |
15,051 |
97.1 |
271 |
69.7 |
|
アジア |
8,634 |
73.9 |
1,276 |
100.7 |
|
北中米 |
12,960 |
104.6 |
381 |
101.8 |
|
欧州 |
4,423 |
113.1 |
216 |
119.7 |
|
合計 |
41,069 |
94.5 |
2,146 |
97.0 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ハ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
15,169 |
97.7 |
|
アジア(百万円) |
8,625 |
76.7 |
|
北中米(百万円) |
12,954 |
104.3 |
|
欧州(百万円) |
4,387 |
111.3 |
|
合計(百万円) |
41,136 |
95.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対す
る割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
Ford Motor Company |
2,988 |
6.9 |
4,448 |
10.8 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ) 経営成績の分析
当連結会計年度の業績は、売上高は411億36百万円(前連結会計年度比4.6%減)となり、営業利益は6億83百万円(同60.7%減)、経常利益は4億87百万円(同66.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億円(同78.6%減)となりました。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、411億36百万円(前連結会計年度431億35百万円)となり、19億99百万円減少いたしました。
また、セグメントの売上高は次のとおりであり、外部顧客に対する売上高を記載しております。
日本
自動車生産台数の減少等により、外部売上高は151億69百万円(前連結会計年度155億33百万円)となり、3億63百万円減少いたしました。
アジア
中国、アセアン市場での大幅な自動車生産台数の減少や為替の影響により、外部売上高は86億25百万円(前連結会計年度112億47百万円)となり、26億22百万円減少いたしました。
北中米
北中米市場における自動車生産台数の減少や為替の影響があったものの、拡販活動等により、外部売上高は129億54百万円(前連結会計年度124億14百万円)となり、5億39百万円増加いたしました。
欧州
欧州市場の自動車生産台数の減少や為替の影響があったものの、拡販活動等により、外部売上高は43億87百万円(前連結会計年度39億40百万円)となり、4億47百万円増加いたしました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、6億83百万円(前連結会計年度17億37百万円)となり、10億53百万円減少いたしました。
主に売上高の減少や第4四半期連結会計期間において新型コロナウイルスの感染拡大に伴う対応を図ったことによる売上原価率の上昇によるものです。
(営業外収益)
当連結会計年度における営業外収益は、1億66百万円(前連結会計年度1億51百万円)となり、15百万円増加いたしました。
主に当期における「受取保険金」の計上によるものであります。
(営業外費用)
当連結会計年度における営業外費用は、3億62百万円(前連結会計年度4億44百万円)となり、82百万円減少いたしました。
主に「為替差損」の減少によるものであります。
(特別利益)
当連結会計年度における特別利益は3百万円(前連結会計年度1億36百万円)となり、1億32百万円減少いたしました。
主に「固定資産売却益」の減少によるものです。
(特別損失)
当連結会計年度における特別損失は17百万円(前連結会計年度18百万円)となり、0百万円減少いたしました。
主に「固定資産除却損」の減少ならびに「減損損失」の増加によるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は2億円(前連結会計年度9億36百万円)となり、7億36百万円減少いたしました。
当社の連結子会社である大連原田工業有限公司が中国税務当局より受けていた移転価格税制に係る調査に関し、負担見込額を未払法人税等として計上しておりました。2005年から2014年に係る更正決定通知を受領したことに伴い、納付すべき税額が確定いたしましたが、確定した税額が2019年3月期までに見積計上した未払法人税等の金額を下回ったため、未払法人税等の一部を取り崩し、過年度法人税等戻入額として計上しております。また、本更正を基礎とし、2015年から2018年における当社及び当社の連結子会社との取引に関し、発生の可能性が高いと予想される追徴税の負担見込額を過年度法人税等として計上しております。
(ロ) 財政状態の分析
当社グループは財務体質の改善目標として営業利益率など収益性の改善ももちろんのことでありますが、当社グループの課題である経営の安全性を高めるため、有利子負債の削減、たな卸資産の圧縮、自己資本の充実等に努めてまいりました。この結果、次のとおりの財政状態となりました。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は248億84百万円(前連結会計年度末269億24百万円)となり、20億40百万円減少いたしました。これは主に「受取手形及び売掛金」が12億68百万円、「現金及び預金」が10億7百万円減少したことによるものであります。固定資産は95億53百万円(前連結会計年度末83億11百万円)となり、12億41百万円増加いたしました。これは主にIFRS第16号「リース」の適用に伴う会計方針の変更等により、「有形固定資産」が13億84百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は344億37百万円(前連結会計年度末352億36百万円)となり、7億98百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は188億65百万円(前連結会計年度末199億26百万円)となり、10億61百万円減少いたしました。これは主に「1年内返済予定の長期借入金」が5億円増加し、「未払法人税等」が10億81百万円、「支払手形及び買掛金」が5億79百万円減少したことによるものであります。固定負債は18億45百万円(前連結会計年度末15億6百万円)となり、3億39百万円増加いたしました。これは主にIFRS第16号「リース」の適用に伴う会計方針の変更により、新たにリース負債を計上し、固定負債の「その他」が7億91百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は207億11百万円(前連結会計年度末214億33百万円)となり、7億21百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は137億26百万円(前連結会計年度末138億3百万円)となり、76百万円減少いたしました。これは主に「利益剰余金」が37百万円増加し、「退職給付に係る調整累計額」が47百万円、「為替換算調整勘定」が42百万円、「その他有価証券評価差額金」が23百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご確認ください。
当社グループの資金の源泉は、「現金及び現金同等物」、「営業活動によるキャッシュ・フロー」等であります。当社グループの事業活動における資金需要は主に運転資金と設備投資資金であり、自己資金を充当することを基本とし、必要に応じて金融機関からの借入れによる資金調達を行っております。
その結果、当連結会計年度末における長期借入金は5億円、1年内返済予定の長期借入金は10億円、短期借入金は114億61百万円となり、有利子負債総額は129億61百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は58億81百万円となりました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響につきましては、現時点では見通せない状況でありますが、手許資金については十分に確保しており、必要に応じて金融機関等から機動的な資金調達が可能な体制を整えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績及び現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる事項)」に記載しております。また、特に以下の重要な会計方針及び見積りの適用が、その作成において用いられる見積り及び予測により、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
(イ) 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得に関するものを含めた様々な予測・仮定に基づいて繰延税金資産を計上しており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。また、将来の課税所得に関する予測・課税に基づいて、当社又は子会社が繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご覧ください。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご確認ください。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
「経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社グループは経営目標として売上高の増加、売上高営業利益率など成長性及び収益性の改善はもちろんのことでありますが、当社グループの課題である経営の安全性を高めるため財務体質を改善すべく、有利子負債の削減、たな卸資産の圧縮、自己資本の充実等に努めております。
2020年3月期から2023年3月期の4か年を期間とする中期経営計画「NEW GROWTH」では、財務体質の健全性の確保、経営資源の最大限の有効活用、利益の最大化、企業価値・株主価値の向上を目指し、現状の資本コストを上回るROE10%以上の安定的な確保を目標としております。
また、2020年3月期の業績目標は売上高415億円、営業利益12億円、経常利益10億円、親会社株主に帰属する当期純利益6億50百万円と設定いたしました。
当連結会計年度における売上高に関しましては、世界の自動車生産台数の低迷に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もありましたが、拡販活動等により概ね計画通りに推移し、411億36百万円となりました。利益面につきましては、売上原価率が下期以降改善の傾向にあったものの、第4四半期連結会計期間において新型コロナウイルスの感染拡大に伴う対応を図ったこと等により、売上原価率及び販管費率が計画を下回り、営業利益は6億83百万円となりました。経常利益は営業利益額の減少、為替差損等の影響により4億87百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2億円となりました。なお、当連結会計年度のROEは1.5%であります。
また、有利子負債の削減、たな卸資産の圧縮、自己資本の充実等の財務体質の改善についても、経営の安全性を高めるべく、改善を図ってまいります。
該当事項はありません。
自動車産業は「CASE」と呼ばれるコネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化や、MaaS(Mobility as a Service)など、ICT革新により安全で利便性の高い新しいクルマがもたらすモビリティ社会への移行に向けて進んでいます。特にコネクテッドは他の技術と密接につながっていて、つながるクルマ=コネクテッドカーの開発が急速に進められています。
それを踏まえ、当社グループにおいては自動車関連機器、自動車を主とする移動体用通信関連機器を中心に製品の開発に取り組んでおります。各市場のニーズに合わせた開発体制とするため、日本、英国、米国、中国(上海)に研究開発部門を設置し、互いの連携を密に迅速な新製品開発を行っております。また競争力及び将来の事業に必要な要素技術獲得を目的とした開発機能の強化を図るため、アドバンスドテクニカルセンターを新設いたしました。アドバンスドテクニカルセンターでは、社内だけでなく社外との連携も視野に入れ、5年~10年先の市場が求めるものを製品化(商品化)する事を目標とし、次世代技術開発を加速させていきます。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、
自動車アンテナ分野においては、ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)関連製品の開発に重点を置き、自動運転技術に必要な各種アンテナ及び関連製品の開発に着手しております。とりわけコネクテッドカーの実現に必要とされるDSRCやセルラーV2X(C-V2X)の車車間、路車間通信用アンテナ、車載用として需要が見込まれる第5世代移動通信システム(5G)に用いるアンテナに関しては、各OEMメーカーへ試作品アンテナを提供し、共同にて実験を進めており、実用化に向け着々と準備を進めています。また、複数の衛星測位システムのデータを組み合わせ、高精度で位置情報を取得可能とするためのマルチGNSS(Global Navigation Satellite System)に対応可能なアンテナや各種GNSSの需要に対応させたアンテナを開発中です。さらに、スマートフォンなどの機器との融合利用増加を見据え、Wi-Fi、bluetooth等に対応するアンテナシステムの開発を進めております。
次世代アンテナ分野では、アンテナの統合化、小型・軽量化、無突起化がさらに進む見込みであることから、複合型シャークフィンアンテナ、スポイラー/バンパー内蔵アンテナ、インパネ内蔵型アンテナ、その他各種埋め込み型アンテナの開発を行っています。
また、基礎研究開発として、未来型アンテナ構想の開発が進んでおり、この基礎開発研究により、将来に向けた「新コンセプトアンテナ」、「アンテナチューナー一体化による性能、品質向上」、「ノイズによる劣化を抑えたアンテナ」、「最適化受信システム」、「マルチメディアチューナー対応マルチバンドアンテナ」等の市場投入が可能となります。
さらに、昨今の環境保全に対する取組みとして、同軸ケーブル内製の強みを活かし開発した軽量同軸ケーブルを、自動車メーカーの燃費低減活動に対する提案として行っており、既に客先に対して量産納入を開始しております。
加えて、ケーブル内製技術を応用し車載機器間の通信に使用される高速データ伝送ケーブルの開発を進めており、各客先に対し量産納入を開始しております。
自動車を主とする移動体用通信関連機器開発においては、社会動向と将来のトレンドを考え「大容量高速通信サービスの自動車・移動体への活用」を目標に掲げ、将来型アンテナの開発を引き続き推進して参ります。