当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「豊かな自然環境の保護・存続を使命とし、技術革新に努め、生産活動を通じて、広く社会に貢献する。」という経営理念の下、社会インフラ向けの情報通信機器及び関連サービスを提供する企業グループとして、社会の安定・発展に貢献し、企業価値の向上を目指すことで、持続的成長を遂げてまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、大井電気㈱及びオオイテクノ㈱が主に情報通信機器製造販売事業を、日本フィールド・エンジニアリング㈱及び日本テクニカル・サービス㈱が主にネットワーク工事保守事業を営んでおります。各社の自立経営を基本としつつ、グループ間でのシナジーを発揮することで、グループ全体での事業規模・利益拡大を図ってまいります。
各セグメントの経営戦略は以下のとおりです。
(情報通信機器製造販売)
情報通信機器業界は、事業環境の変化が激しく、特に成長分野においては競争が激化する傾向にあることから、将来を見据えた研究開発・人材育成を着実に推進するとともに、コスト競争力の強化に取組むことで、中長期的な事業規模の拡大・利益成長を目指してまいります。
社会インフラ(電力、鉄道、官公庁、通信キャリア等)向けの情報通信機器については、シェアの拡大を図るとともに、第5世代移動通信システム(5G)の普及、インターネット利用拡大によるデータトラヒックの増大を背景としたOTN(*1)プラットフォーム機器を主力とした「光多重伝送システム事業」、IoT関連に利用されるLPWA(*2)事業等の昨今の通信インフラの多様化・効率化ニーズに対応した「IoTシステム事業」、主に地方自治体向けの「防災・減災ソリューション事業」の3事業を成長ドライバーとして事業規模の拡大を図りつつ、エネルギーマネジメントシステム関連事業等の社会的ニーズの高い新規事業に積極的に取組んでまいります。
*1 Optical Transport Network
*2 Low Power Wide Area
(ネットワーク工事保守)
ネットワーク工事保守事業につきましては、安全確保を大前提に、従来から実施している事業の着実な展開に加え、品質調査から設計・工事・保守までを一気通貫に行える技術・要員・体制の整備をさらに進め、携帯基地局工事を始めとする事業領域の拡大・利益成長に取組んでまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
① 2022年度を最終年度とする中期経営計画の達成状況について
当社グループは、2022年度を最終年度とする3年間の中期計画を策定し、その達成に向け事業活動を推進して参りました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大や全世界規模の部材調達問題の影響等の事業環境の変化により、計画最終年度の目標を連結売上高、連結営業利益共に大きく下回る結果となりました。
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単位:百万円 |
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2022年度 |
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(中期計画最終年度) |
(実績) |
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連結売上高 |
28,000 |
22,926 |
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連結営業利益 |
1,100 |
△466 |
② 2025年度を最終年度とする中期経営計画について
前中期計画の結果を受け、当社グループは、「独自の技術力をもって世の中に貢献する」を中期経営計画のビジョンとし、社会インフラを支える情報通信の分野で、独自の技術力をもって特長のある製品やサービスによって価値を提供し続けることを通し、成長に向けた経営基盤を確立することを新たな中期経営計画の基本方針と致しました。
この基本方針のもと、情報通信機器製造販売セグメントにつきましては、多様化するお客様ニーズへの着実な対応や生産体制の最適化による生産性向上といった取組みによる現行主力製品群の強化と、2025年以降の市場拡大が見込まれる次世代スマートメーター向け通信機器事業を2つの事業を柱とした収益力強化を実現してまいります。ネットワーク工事保守セグメントにつきましては、5Gのインフラ整備に向け基地局工事の増加が見込まれる中で、多種多様な設備の調査・設計から施工、保守まで一気通貫で実施することにより、安定成長を実現してまいります。
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単位:百万円 |
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2023年度計画 |
2024年度計画 |
2025年度計画 |
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連結売上高計画 |
26,400 |
27,700 |
29,000 |
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連結営業利益計画 |
500 |
700 |
1,000 |
(4) 経営環境
当社グループの属する情報通信機器業界は、第5世代移動通信システム(5G)に代表される新たな情報通信ニーズ、増大する通信トラヒックへの対応として通信インフラへの設備投資が拡大基調にあること、IoT技術の利用による未開拓分野への情報通信技術の適用拡大を背景に、情報通信機器市場のより一層の拡大が期待されています。加えて企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展やSDGs達成のためのデジタル技術の活用等が情報通信設備の需要を後押ししております。
一方で情報通信技術の発展に伴う技術の更なる高度化、情報通信機器のコモディティ化が進展しており、これに対応するためには技術力及び製品付加価値の継続的な向上が必須であります。また、新型コロナウイルス感染症拡大やその他複合的な要因から、世界的な半導体不足を始め部材調達において不透明な状況が発生しております。当社の製造計画に及ぼす影響のみならず、顧客の投資計画が流動的となる可能性についても注視する必要があると考えております。
当社グループといたしましては、こうした環境変化に対応して、安定的な収益基盤の構築を図り、成長分野に向け、引き続き以下の具体的施策の展開を推進してまいります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 経営体質の強化
当社グループは、電力会社・官公庁等の事業の関係から下半期に売上計上が集中し、また、顧客の調達方針の変化等が業績に与える影響も大きいことから、収益規模変動に柔軟に対応できる経営体質を確保してまいります。具体的には、生産性向上活動の推進や事業性を吟味した設備投資、原価低減に資する生産・調達方式の検討・実践、そのために必要な資金調達手段の確保等に取組んでまいります。
② 企業価値向上に向けた取組み
コア技術や将来方向を見据えた人的資源の配置と人材育成に努めるとともに、コンプライアンス、環境等の社会的責任課題に対して、全体最適の観点から企業価値向上に取組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 基本的な考え方及び方針
当社グループは、経営理念である「豊かな自然環境の保護・存続を使命とし、技術革新に努め、生産活動を通じて広く社会に貢献する」ことを、事業活動を通じて実践することで持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めてまいりました。当社は、この基本的な考え方のもと、以下3つの行動指針を「サステナビリティ方針」としております。
サステナビリティ方針
・最先端の通信技術を追求し、お客さまを始めとする社会に必要とされる価値の創造を目指します。
・事業活動を通じて、環境・社会課題の解決やSDGs達成に貢献することを目指します。
・ステークホルダーと対話を通じた信頼関係を構築し、その要請や期待に応えることで、自らの活動を常に見直します。
(2) ガバナンス
当社は、2022年3月24日開催の取締役会において、経営会議の内部委員会として、サステナビリティ委員会を設置することを決議し、同日に第1回サステナビリティ委員会を開催致しました。
サステナビリティ委員会は、サステナビリティ関連のリスクと機会の議論を通じて、サステナビリティに関する基本方針の策定、重要課題の抽出、重要課題に対する達成すべき目標やこれを評価する指標の設定を審議し、取締役会へ報告いたします。
(3) リスク管理
当社は、リスク管理委員会の活動を通じて全社の事業上の重要リスクの抽出、評価及びその対応策を審議しており、サステナビリティ委員会は、リスク管理委員会との間で、抽出された全社の事業上の重要リスクのうち、サステナビリティ関連のリスクを共有しております。
(4) 人的資本に関する取組
① 人材育成方針
当社を取り巻く昨今の経営環境は、IT技術の急速な発展や、少子高齢化による労働人口の減少、グローバル化等の要因により日々変化しております。変化が激しいこれからの時代に対応していくためには、従業員一人ひとりが主体的に考え、自己成長していくことが不可欠であり、当社としても各々が期待される役割を認識し、個々の能力を発揮できる環境を提供することはもちろん、自律的な学びを促進する仕組みづくりが重要であると認識しております。
このような状況下で、当社は以下4つの人材育成方針を掲げ、それらを実現するために各種施策を推進しております。
・創業理念(和と協調の精神、採算意識の徹底、目標達成に対する強い責任感)の継承
・マインド及びスキル研修やOJT等を通じてプロ組織集団への成長を目指す
・自己研鑽、キャリア形成への支援
・環境に応じた諸制度(人事・評価・賃金等)の変革
② 社内環境整備方針
当社は、従業員一人ひとりの力を最大限に発揮できる組織を目指し、多様な人材が相互に活発なコミュニケーションを取りながら、心身ともに健康で安心して働くことのできる職場環境の整備に取り組むことを基本方針としております。
当社は、ダイバーシティに配慮した雇用制度の設計、従業員の適正なワークライフバランスを前提とした働き方改革の推進、従業員の安全と健康を確保する労働安全衛生に関する取組みを通して上記の方針を実現してまいります。
③ 指標及び目標
女性管理職率、非正規雇用労働者の経験者採用率、定年退職者雇用率
人材の育成及び社内環境整備に関する方針についての指標は以下のとおりです。方針に基づく目標の設定につきまして、現時点では未策定ですが、今後当社のサステナビリティ委員会の活動をとおして策定を進めてまいります。
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指標 |
2022年度実績 |
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女性管理職率 |
3.4% |
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非正規雇用労働者の経験者採用率 |
32% |
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定年退職者雇用率 |
90.9% |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 一部顧客への依存
当社グループ事業は電力や通信キャリア関連の一部の顧客への依存度が高く、顧客ニーズの把握、収集が充分できず、魅力ある製品やサービスを提供できない場合は、将来の成長と収益性を低下させ、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
特に、大規模自然災害の発生や重大な社会情勢の変化等に伴う顧客の設備投資計画の見直し等によっては、当社グループの財政状態及び業績に多大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業拡大
当社グループは、第5世代移動通信システム(5G)の普及、インターネット利用拡大によるデータトラヒックの増大、IoTデバイスの急速な普及等に対応した新たな製品や工事・保守受託業務を含めたシステム提案等の展開により、事業規模を拡大していく方針ですが、以下のようなリスクが含まれています。
① 当社グループが、情報通信機器やインターネット市場等の動向の急激な変化を正確に予測できるとは限らず、開発した製品の販売が必ず成功するとの保証はありません。事業の戦略的提携先やOEM供給先の業績不振や戦略変更等によってもその影響を受けることがあり、計画どおりの収益規模が確保できなくなる場合があります。また、与信管理には十分留意をしておりますが、売掛債権の回収リスクが生じ、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 情報通信機器市場は、当社グループ以外にもメーカーや商社等多くの企業が参入してきており、その一部は当社グループよりも多くの経営資源を有しております。こうした競合先が同種の製品・サービス等をより低価格で提供すること等によっては、当社製品・サービスが必ず差別化できるという保証はありません。その場合は、計画どおりの収益をあげることができない可能性があります。
③ 情報通信機器市場は技術の急激な進歩と市場のニーズの変化により、製品開発中に新技術の出現や規格が変更され当社グループ製品が市場投入前から陳腐化する可能性があります。
また、市場の急激な変動によっては、開発製品の投入遅れやサービス対応要員の不足が生じないという保証はなく、需要に対応できず市場でのシェア拡大の機会を逃してしまう可能性があります。
(3) 製品・サービスの品質と責任について
当社グループが販売する製品や提供するサービスは、その一部を外部の会社に委託する場合を含め、製品やサービスの品質管理については品質保証の専任部署を設置し、取引先に対して品質が維持できるように努めております。しかし、提供した全ての製品やサービスに欠陥が発生しないという保証はありません。不測の事態で大規模な欠陥等の問題が発生した場合には、当社グループとして、そのことによって生じた損害の責任を負う可能性があります。
(4) 資金調達に関するリスク
当社グループは主に金融機関から資金の調達を行っておりますが、金融機関の方針変更等により資金調達が不十分あるいは不調に終わった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 退職給付債務
当社の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率で算出されます。
実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合は、その影響額が累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の割引率の低下や運用利回りの変化により、退職給付費用が増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(6) 自然災害等の突発性事象の発生リスク
当社グループは、大規模な地震等の自然災害、火災、戦争、テロ及び暴動等が発生した場合は、当社グループや仕入先、顧客の主要設備への損害等により、生産活動や資材調達等に支障が生じ、また、これらの災害等が政治不安又は経済不安を引き起こすことにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響をもたらす可能性があります。
(7) 繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性は、将来収益力に基づく課税所得によって判断しております。当連結会計年度における繰延税金資産については十分な回収可能性があると判断しておりますが、経営成績等により、その回収可能性に見直しが必要となった場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 工事損失の発生に関するリスク
手持ち受注工事のうち、損失の発生が見込まれ、かつ金額を合理的に見積もることのできる受注工事について、損失見積り額を工事損失引当金として計上することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 部材調達について
世界的に流行している新型コロナウイルス感染症の影響、ロシア・ウクライナ情勢等によるサプライチェーンの混乱を原因として、半導体を中心とした供給不足による部材調達の長納期化問題が生じており、当社製品の生産能力に影響を及ぼしております。
現況においても、特に情報通信機器製造販売セグメントにおいて、主要部材の長納期化により一部製品の売上に遅延が生じる等の影響が発生しており、今後このような状況が継続するか引続き十分に注視する必要があります。
(10) 固定資産の減損に係る会計基準の適用について
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当該基準適用に伴い、資産価値の下落及び経営環境の著しい悪化等により収益性が低下した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、情報通信機器製造販売において部材長納期化問題の影響を強く受けております。そのため、生産に必要な一部主要部材確保の目処が立たないこと等により生産活動が停滞し、売上が大幅に減少した結果、2期連続で営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上いたしました。
このような厳しい外部環境が今後も当社グループの事業へ多大な影響を与えることが予想され、当社グループについて、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。
このような状況に対して、当社グループは当該事象又は状況を解消又は改善するため、重要な大型受注案件の確実な売上確保、増加コストの販売価格への転嫁や人件費・経費等のコスト削減の推進を中心とした収益基盤の施策実行に加え、部材在庫の適正管理により資産効率を高める等の財務基盤の健全化施策を推進し、取引先金融機関とも緊密な関係を維持してまいります。
これらの諸施策の実施により、当社グループにおいて、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、各種感染症対策や新生活様式の定着により、経済活動は緩やかに持ち直しの動きが継続しました。しかしながら、世界的なインフレや米国の金融不安問題、各国の金融引き締め政策の影響、地政学リスク等が、原材料・資材・エネルギー価格やサプライチェーンに与える影響等により、景気先行き感は依然として不透明な状況が続いております。当社グループをとりまく市場動向につきましては、第5世代移動通信システム(5G)の普及、巣ごもり需要や企業のDX投資等を背景としたデータトラヒックの増大、IoTデバイスの急速な普及等により、当社ビジネス参入機会の拡大が見込まれております。
このような状況下、当社グループにおいては、世界的な供給不足及び極度の需給逼迫による部材調達納期の長期化等の問題を受け、特に情報通信機器製造販売において、部材の長納期化に対応した先行手配の実施、比較的入手が容易な部材への切り替え、そのために必要な再開発・再設計の実施、調達先拡大によるマルチソース化の一層の推進等の対応を進めて参りましたが、依然として一部製品の売上に遅延が生じる等の影響が継続しております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億62百万円減少し、216億33百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6億57百万円増加し、150億48百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ8億20百万円減少し、65億84百万円となりました。
ロ.経営成績
当社の当連結会計年度の売上高につきましては、情報通信機器製造販売が減少した結果、229億26百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
損益につきましては、営業損失は4億66百万円(前年同期比3億52百万円損失減)、経常損失は4億39百万円(前年同期比3億55百万円損失減)、親会社株主に帰属する当期純損失は8億11百万円(前年同期比2億11百万円損失減)となりました。
以下、セグメントの概況をご報告いたします。
〔情報通信機器製造販売〕
光波長多重化伝送装置を中心に昨年度に引き続き一定の引き合いがあるものの、部材調達問題に起因する生産への影響が長期化しており、生産に必要な一部主要部材確保の目処が立たないこと等により生産活動が停滞した結果、売上高は113億81百万円(前年同期比10.3%減)となりました。セグメント損益につきましては、コスト増分の製品価格への転嫁や、人件費削減を含む全社的なコスト見直し施策の実施等による利益確保に向けた対応を行って参りましたが、部材調達問題に起因する売上の減少により6億72百万円の損失(前年同期比4億78百万円損失減)となりました。
〔ネットワーク工事保守〕
主に電力向け通信線路工事が増加したものの、部材長納期化問題の影響等により全般的な売上規模が減少したため、売上高は115億45百万円(前年同期比4.2%減)となりました。セグメント損益につきましては売上の減少及び原材料価格の高騰等による原価率の悪化により2億8百万円(前年同期比32.3%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ14億27百万円減少(前年同期比40.3%減)し、当連結会計年度末には21億13百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は15億18百万円(前年同期は11億2百万円の減少)となりました。
これは主に、減価償却費が4億13百万円、工事損失引当金の増加が1億95百万円、仕入債務の増加による資金の増加が1億55百万円あったものの、棚卸資産の増加による資金の減少が14億19百万円、税金等調整前当期純損失が4億12百万円、賞与引当金の減少が2億21百万円あったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は2億76百万円(前年同期は10億65百万円の減少)となりました。
これは主に、固定資産の売却により資金が92百万円増加、投資有価証券の売却により資金が51百万円増加したものの、固定資産の取得により資金が4億11百万円減少したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は3億67百万円(前年同期は27億1百万円の増加)となりました。
これは主に、長期借入金の返済により資金が1億12百万円減少したものの、短期借入れの実行により資金が5億円増加したことによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
情報通信機器製造販売(千円) |
11,566,323 |
90.7 |
|
ネットワーク工事保守(千円) |
- |
- |
|
合計 |
11,566,323 |
90.7 |
(注)1.上記生産実績は、製造会社における生産実績を販売価格により表示しております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
ロ.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
情報通信機器製造販売 |
15,119,241 |
114.9 |
10,916,402 |
152.1 |
|
ネットワーク工事保守 |
10,057,788 |
77.4 |
1,407,143 |
48.6 |
|
合計 |
25,177,029 |
96.3 |
12,323,456 |
122.3 |
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
情報通信機器製造販売(千円) |
11,381,057 |
89.7 |
|
ネットワーク工事保守(千円) |
11,545,666 |
95.8 |
|
合計 |
22,926,723 |
92.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
KDDI株式会社 |
5,347,337 |
21.6 |
4,920,060 |
21.5 |
|
東京電力パワーグリッド株式会社 |
3,217,142 |
13.0 |
3,559,018 |
15.5 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、当連結会計年度における当社グループの経営成績等に、新型コロナウイルス感染症に起因する生産能力や工事力確保等について重要な影響は発生しておりません。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ18億8百万円減少し(7.3%減)、229億26百万円となりました。売上高が減少した主な要因は、情報通信機器製造販売において半導体に代表される世界的な部材不足及びこれに伴う極度の需給逼迫の影響を受けた部材調達の遅れ等により、売上時期の延伸、受注の見送り、顧客側の発注計画変更等があったことによります。
b. 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ3億52百万円増益となり、4億66百万円の損失となりました。営業利益が減少した主な要因は、主に情報通信機器製造販売において、部材調達に起因する売上の減少、部材価格上昇等による原価率の悪化があったことによります。
なお販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2億32百万円増加し、45億3百万円となりました。
c. 経常利益
営業利益の減益に伴い、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ3億55百万円増益となり、4億39百万円の損失となりました。
d. 親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益の減益に伴い、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ2億11百万円増益となり、8億11百万円の損失となりました。
ロ.財政状態の分析
a. 資産
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1億62百万円減少し216億33百万円となりました。これは主に、商品及び製品が3億5百万円増加、仕掛品が4億67百万円増加、原材料及び貯蔵品が6億46百万円増加したものの、現金及び預金が14億27百万円減少したことによります。
b. 負債
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ6億57百万円増加し150億48百万円となりました。これは主に、賞与引当金が2億21百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が2億26百万円増加、短期借入金が5億円増加、工事損失引当金が1億95百万円増加したことによります。
c. 純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ8億20百万円減少し65億84百万円となりました。これは主に、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純損失の計上により8億12百万円減少したことによります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況の分析等
a. キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の35億40百万円から14億27百万円減少し、21億13百万円となりました。これは営業活動によるキャッシュ・フローでは、工事損失引当金の増加、仕入債務の増加がありましたが、棚卸資産の増加、賞与引当金の減少、税金等調整前当期純損失等により差引き15億18百万円の資金が減少し、投資活動によるキャッシュ・フローでは、固定資産の売却、投資有価証券の売却、固定資産の取得等で差引き2億76百万円の資金が減少、財務活動によるキャッシュ・フローでは、短期借入れの実行、長期借入れの返済等により差引き3億67百万円の資金が増加したことによります。
b. キャッシュ・フロー指標のトレンド
当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
|
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
|
自己資本比率 (%) |
27.7 |
23.6 |
|
時価ベースの自己資本比率 (%) |
14.3 |
16.2 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年) |
- |
- |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍) |
- |
- |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
5.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
6.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
7.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
8.2022年3月期及び2023年3月期については、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません。
ロ.資本の財源及び資金の流動性
a. 資金需要の主な内容
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料費、労務費、製造経費及び外注費から構成される製品製造費用及び工事原価費用があります。
その他に販売費及び一般管理費からなる営業費用があり、営業費用の主なものは、人件費及び販売活動費用であります。また、当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されております。
また、設備資金需要としましては、製品製造や品質向上のための設備投資として、有形及び無形の固定資産の購入があります。
b. 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入で、設備投資等の長期資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における短期借入金の残高は65億30百万円、長期借入金の残高は5億83百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に当たっては、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に関して、必要な見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断には不確実性が伴うことから、実際の結果は見積り及び判断と異なる場合があります。
イ.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を判断するに当たっては、将来の課税所得等の慎重な見積りを行い検討しますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
ロ.退職給付に係る負債
当社グループでは確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度及び退職一時金制度を採用しており、退職給付費用及び退職給付債務は数理計算に使用される前提条件に基づいて算出しております。その前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の期待運用収益率等の重要な見積りが含まれております。
実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、その影響は数理計算上の差異として把握され、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
ハ.工事損失引当金
当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、手持ち受注工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見積り額を工事損失引当金として計上しておりますが、当初予想しえなかった見積りを超える追加原価等により損失が発生した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。
ニ.固定資産の減損
当社グループは、減損の兆候のある資産又は資産グループについて、回収可能価額に基づき減損の判定を行っております。固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しております。従って、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、減損損失が発生する可能性があります。
④ 経営上の目標の達成・進捗状況
2020年6月25日提出の有価証券報告書の「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の中期経営計画(2020年度~2022年度)の3年目である2022年度の実績は以下のとおりです。
売上高については、通信キャリア向け光伝送機器等において部材長納期化問題に起因する生産への影響が長期化しており、生産に必要な一部主要部材確保の目途が立たないこと等により生産活動が停滞した結果、計画最終年度である2022年度の売上目標を18.1%下回る結果となりました。
営業利益については、情報通信機器製造販売における部材調達に起因する売上の減少、部材価格上昇等による原価率の悪化により、目標を大きく下回る結果となりました。
単位:百万円
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中期3年計画最終年度 (2022年度) |
2022年度 実績 |
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連結売上高 |
28,000 |
22,926 |
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連結営業利益 |
1,100 |
△466 |
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発は主として当社が行っております。当社における研究開発体制は、中長期を展望した基盤技術を担当する研究部門と、主として製品開発を担当する水沢製作所開発部門とで構成されます。
当期の研究開発費総額は1,124,835千円であり、受託開発型から提案型中心への構造改革を推進しています。
キャリアNW製品群において5G関連需要に適する400GbE対応や広域中継網の冗長ネットワークに適する切替機能付メディアコンバータの製品開発、LPWA(Low Power Wide Area)製品群においてガス・水道検針やエレベータ保守端末の製品開発、電力各社需要に適するIP型伝送装置の製品開発他、それぞれ2023年度に製品リリースを計画しています。
サブスクリプションやDX(デジタルトランスフォーメーション)等の市場の変化に追従し、新たなビジネスモデルのひとつとして、また付加価値創出に向けて、ソフトウェアビジネスに傾注していきます。そのための投資に着手しました。
部材長納期化問題で改善が見込めない部材において製品再開発を推進しました。
中長期視点では、コアテク戦略と称して、急峻な技術革新に追従するために投資してまいります。次世代電力スマートメータ需要とBCP(Business Continuity Plan)対策を考慮したマルチソース化端末試作、テラビット級デジタルコヒーレント技術、IoT需要に適するクラウドプラットフォームへの接続技術、5G無線端末や同コアネットワーク技術、AI活用による予測・分析技術、高速化・大容量化に伴う放熱技術、それぞれのコアテクノロジーの習得を目指しています。
なお、当連結会計年度における研究開発費をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
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情報通信機器製造販売 |
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ネットワーク工事保守 |
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合計 |
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(注) 上記金額は、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費のセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。