第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりです。

なお、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

 

(14) 重要な訴訟について

(削除箇所)

このほか、当社および関係する連結子会社は、液晶ディスプレイの価格カルテル嫌疑に基づき、米国の取引先などから民事訴訟を提起されています。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結などはありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

当第2四半期連結累計期間における経済環境を顧みますと、景気は総じて緩やかな回復基調が続きました。地域別に見ますと、米国では個人消費の増加や雇用環境の改善を背景に回復が続きました。欧州においては、英国のEU離脱問題による影響が限定的であったことや失業率の低下を背景に緩やかに回復しました。一方、中国や中南米においては減速傾向が続いています。日本は、消費者マインドの持ち直しや雇用環境の改善により緩やかな回復基調が続きました。

このような状況の中、エプソンの主要市場につきましては、以下のとおりとなりました。

インクジェットプリンターの需要は、日本でのコンシューマー向け市場の大幅な縮小が継続し、北米でも縮小しました。一方で、他社の参入による認知度向上効果もあり、大容量インクタンクモデルに対する需要は堅調に拡大しました。大判インクジェットプリンターの需要は、北米・日本が堅調に推移しましたが、中国および南米では景気減速の影響により低調でした。シリアルインパクトドットマトリクスプリンター(SIDM)の需要は、中国の「営改増」施行による徴税市場での特需があり堅調に推移しましたが、米州・欧州での縮小が継続しました。

プロジェクターの需要は、日本での教育・企業向け需要が拡大し、欧州での大型スポーツイベントによる需要増加がありましたが、南米での景気減速影響、北米リテール市場の在庫調整、欧州の教育関係需要の低迷により低調でした。

電子デバイス製品の主要なアプリケーションの市場では、携帯電話の需要は従来型の減速が続いた一方、スマートフォンの需要は中国を中心とした新興国メーカーが成長したことで堅調に推移しました。デジタルカメラ市場の需要は低調でした。ウオッチの需要は、欧州ではおおむね堅調に推移しましたが、日本でのインバウンド需要の減速および中国・北米の需要減に加え、ウオッチムーブメントも市況悪化により需要が大幅に低下しました。産業用ロボットの需要は、欧州・米州で堅調に推移し、日本でも自動車産業向けが堅調に推移しました。

以上のような状況のもとで、エプソンは、『「省・小・精の価値」で、人やモノと情報がつながる新しい時代を創造する』と定めた長期ビジョン「Epson 25」の実現に向け、当連結会計年度より「Epson 25 第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)」(以下「第1期中期計画」という。)を開始いたしました。第1期中期計画では、これまで実現してきた戦略をベースに、「転換と開拓」の成果を継続させることと同時に、製品開発の仕込みや必要な投資を積極的に行い、強固な基盤を整備していきます。

当第2四半期連結累計期間の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ105.29円および118.15円と前年同期に比べ、米ドルでは14%の円高、ユーロでは13%の円高で推移しました。また、米ドル、ユーロ以外の為替レートも円高で推移し、特に人民元、英ポンド、一部の中南米通貨については景気減速などの影響により、米ドルやユーロを超える円高で推移しました。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は4,875億円(前年同期比10.2%減)、事業利益(※)は257億円(同36.1%減)、営業利益は277億円(同33.4%減)、税引前四半期利益は270億円(同32.5%減)、四半期利益は186億円(同28.9%減)となりました。

 

 ※ 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。

 

報告セグメントごとの業績は、次のとおりです。

(プリンティングソリューションズ事業セグメント)

プリンター事業の売上収益は減少となりました。製品別の内容は以下のとおりです。

インクジェットプリンターは、大容量インクタンクモデルが他社参入による市場認知度向上効果もあり、大幅に販売数量が増加したことで売上の拡大が継続しました。一方、インクカートリッジモデルが市場規模縮小の中で販売数量は前年同期並みを維持しましたが、平均販売単価下落および為替影響により減収となり、全体では売上減少となりました。また消耗品は、販売数量が減少したものの、単価の高いオフィス向け消耗品の比率が高まり、商品構成の改善が進んでいますが、為替による減収影響により売上減少となりました。

ページプリンターは、高付加価値製品中心へ販売を絞り込んだことにより数量減少となった結果、売上減少となりました。

SIDMは、中国の徴税市場での特需が継続したものの、為替による減収影響により売上減少となりました。

プロフェッショナルプリンティング事業の売上収益は減少となりました。製品別の内容は以下のとおりです。

大判インクジェットプリンターは、成長市場であるサイネージ分野では新製品が好調だったことに加え、テキスタイル分野でも経済不振の影響を受けたものの堅調に推移し売上が拡大しましたが、既存市場であるフォト・グラフィックス分野で競合他社との価格競争激化による売上減少となり、全体では為替による減収影響もあり売上減少となりました。また消耗品についても、本体の販売数量減少、為替による減収影響により売上減少となりました。

POSシステム関連製品は、欧州で低価格モデルが堅調に推移したものの、前年同期のような日本・北米での大型案件が発生しなかったことによる数量減少、為替による減収影響により、売上減少となりました。

プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益につきましては、インクジェットプリンターの大容量インクタンクモデルの売上増加により利益増加となりましたが、大判インクジェットプリンターの売上減少、中期的な成長のための投資と費用の戦略的な投下および為替影響などにより減益となりました。

以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は3,186億円(前年同期比10.7%減)、セグメント利益は339億円(同22.9%減)となりました。

 

(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)

ビジュアルコミュニケーション事業の売上収益は減少となりました。

液晶プロジェクターは、欧州での大型スポーツイベントにともなう中普及価格帯モデルの需要増加および高光束分野での新製品販売開始にともなう販売数量増加により売上増加となりましたが、欧州での教育市場縮小および北米・南米での市場縮小の継続、為替による減収影響により、全体では売上減少となりました。

ビジュアルコミュニケーション事業セグメントのセグメント利益につきましては、販売数量増加にともない利益増加となりましたが、中期的な成長のための投資と費用の戦略的な投下および為替影響などにより減益となりました。

以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は877億円(前年同期比7.8%減)、セグメント利益は71億円(同18.8%減)となりました。

 

(ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント)

ウエアラブル機器事業の売上収益は、ウオッチでの国内市場向けにおいて新製品を発売したことによる平均販売単価上昇効果がありましたが、インバウンド需要の減速および海外市場向けの低調な推移により数量が減少となったことに加え、ウオッチムーブメントでの市況悪化の影響、為替による減収影響により、全体では売上減少となりました。

ロボティクスソリューションズ事業の売上収益は減少となりました。産業用ロボットは中国を中心としたロボット需要を取り込み売上増加となりましたが、ICハンドラーがスマートフォン向け平均販売単価下落の影響により売上減少となったことに加え、為替による減収影響により、全体では売上減少となりました。

マイクロデバイス事業の売上収益は減少となりました。水晶デバイスは、携帯電話などのパーソナル機器向けの数量減、為替による減収影響により売上減少となりました。半導体は、ファンドリー需要の増加により販売数量が増加となりましたが、車載用大口顧客向けの数量減少、為替による減収影響などにより売上減少となりました。

表面処理加工事業は新規顧客開拓の進展があり、また金属粉末事業はモバイル機器向け高機能材料粉末が堅調に推移しましたが、為替の減収影響により売上減少となりました。

ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントのセグメント利益につきましては、マイクロデバイス事業、ウエアラブル機器事業の売上減少により減益となりました。

以上の結果、ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントの売上収益は810億円(前年同期比11.4%減)、セグメント利益は39億円(同55.6%減)となりました。

 

(その他)

その他の売上収益は6億円(前年同期比4.9%増)、セグメント損失は2億円(前年同期は3億円のセグメント損失)となりました。

 

(調整額)

報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る費用を中心とした販売費及び一般管理費の計上などにより、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△190億円(前年同期の調整額は△213億円)となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、332億円の収入(前年同期は270億円の収入)となりました。これは四半期利益が186億円であったのに対し、棚卸資産の増加156億円、法人所得税の支払額101億円などによる減少要因があった一方で、減価償却費及び償却費の計上210億円、仕入債務の増加176億円などによる増加要因があったことによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形資産の取得による支出349億円などにより、371億円の支出(前年同期は369億円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入497億円があった一方で、短期借入金の純減140億円、社債の償還による支出300億円、配当金の支払額107億円および自己株式の取得による支出103億円などがあったことにより、156億円の支出(前年同期は419億円の支出)となりました。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の四半期末残高は、2,011億円(前年同期は1,905億円)となりました。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、エプソンが対処すべき課題について重要な変更はありません。

なお、当社は、財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めており、その内容など(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、次のとおりです。

 

①基本方針の概要

当社は、当社の株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えます。したがって、当社の財務および事業の方針の決定を支配することが可能な数の株式を取得する買付提案に応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご意思に委ねられるべきものと考えます。

当社は、企業価値や株主共同の利益を確保・向上させていくためには、役職員が一体となって価値創造に向けて取り組むことや、創業以来の風土を大切にしながら創造と挑戦を続けていくこと、お客様の信頼を維持・獲得していくことが不可欠と考えております。

しかし、株式の大量取得行為のなかには、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることにならないものも存在します。当社は、このような不適切な株式の大量取得行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当ではなく、このような者による大量取得行為に対しては必要かつ相当な手段をとることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

②基本方針の実現に資する取組みの概要

1)基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、2016年度から2025年度の10年間において目指す姿を示した長期ビジョン「EPSON 25」(以下「EPSON 25」という。)と、当該ビジョンの実現に向けた2016年度を初年度とする3カ年の中期経営計画「EPSON 25 第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)」(以下「第1期中期計画」という。)を2016年3月に制定いたしました。

EPSON 25の実現に向けた第1段階である第1期中期計画では、これまで実現してきた戦略をベースに、「転換と開拓」の成果を継続させることと同時に、製品開発の仕込みや必要な投資を積極的に行い、強固な基盤を整備してまいります。

 

2)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、2008年6月の定時株主総会において導入し、2011年6月の定時株主総会において更新した当社株式の大量取得行為に関する対応策について、2014年6月24日の定時株主総会において、旧対応策を形式的な文言の修正をしたうえで更新することについて株主の皆様のご承認をいただきました(以下、更新後のプランを「本プラン」という。)。

本プランは、当社株券等に対する大量買付が行われた際に、当該買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な時間および情報を確保するとともに、株主の皆様のために、大量買付者と協議交渉などを行うことを可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止することを目的としております。具体的には、当社の発行済株式総数の20%以上となる株券等の買付または公開買付けを実施しようとする買付者に、意向表明書ならびに株主の皆様の判断および特別委員会の評価・検討などのため必要かつ十分な情報を事前に当社取締役会へ提出すること、本プランに定める手続きを遵守することを求めております。そのうえで、当該買付行為が、本プランに従わない場合や、当社の企業価値・株主共同の利益を侵害する買付であると判断された場合は、当該買付行為を阻止するための対抗措置を発動するプランとなっております。

一方、当社取締役会は、対抗措置の発動について、取締役会の恣意的判断を排除するため、独立性の高い社外者などから構成される特別委員会の判断を経ることとしております。特別委員会は、買付内容の検討、当社取締役会への代替案などの情報の請求、株主の皆様への情報開示、買付者との交渉などを行います。特別委員会は、対抗措置発動の要否を当社取締役会に勧告し、当社取締役会はその勧告を最大限尊重し、対抗措置の発動または不発動に関する決議を速やかに行うこととしております。

 

③具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

上記② 1)に記載した取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。

また、本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入(更新)されたものであり、上記①に記載した基本方針に沿うものです。特に、本プランは、株主総会において株主の皆様のご承認を得たうえで導入(更新)されたものであること、その内容として合理的な客観的発動要件が設定されていること、当社経営陣から独立性の高い者のみから構成される特別委員会が設置されており、対抗措置の発動に際しては必ず特別委員会の判断を経ることが必要とされていること、特別委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を得ることができるとされていること、有効期間が導入(更新)から約3年と定められたうえ、取締役会によりいつでも廃止できるとされていることなどにより、その公正性・客観性が担保されており、高度の合理性を有し、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

(4)研究開発活動

当第2四半期連結累計期間におけるエプソンの研究開発活動の金額は262億円です。

なお、当第2四半期連結累計期間において、エプソンの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。