第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結などはありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在においてエプソンが判断したものです。

 

(1)業績の状況

当第3四半期連結累計期間における経済環境を顧みますと、景気は総じて緩やかな回復基調が続きました。地域別に見ますと、米国では個人消費の増加や雇用環境の改善を背景に着実に回復が続きました。中南米および欧州においては緩やかに回復し、中国では持ち直しの動きがみられました。日本は、堅調な雇用・所得情勢を受けて個人消費が底堅く推移したことにより、緩やかな回復基調が続きました。

このような状況の中、エプソンの主要市場につきましては、以下のとおりとなりました。

インクジェットプリンターの需要は、日本および欧州では縮小が継続しましたが、米州では前年同期並みに推移しました。大容量インクタンクモデルに対する需要は堅調に拡大しました。大判インクジェットプリンターの需要は、堅調に推移しました。シリアルインパクトドットマトリクスプリンター(SIDM)の需要は、中国での前年度の「営改増」施行による徴税市場における特需がなくなり、米州および欧州でも縮小が継続しました。

プロジェクターの需要は、前年度の欧州での大型スポーツイベントによる需要増加がなくなったこと、および北米リテール市場の低迷継続により縮小しました。

電子デバイス製品の主要なアプリケーションの市場において、スマートフォンの需要は、中国では市場の成熟化により、前年同期並みに推移しました。ウオッチの需要は、日本では需要が緩やかに回復しました。ウオッチムーブメントの需要は堅調に推移しました。産業用ロボットの需要は、中国を中心に拡大しました。

 

以上のような状況のもとで、エプソンは、『「省・小・精の価値」で、人やモノと情報がつながる新しい時代を創造する』と定めた長期ビジョン「Epson 25」の実現に向け、2016年3月に「Epson 25 第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)」(以下「第1期中期計画」という。)を策定しました。第1期中期計画では、これまで実現してきた戦略をベースに、「転換と開拓」の成果を継続させることと同時に、製品開発の仕込みや必要な投資を積極的に行い、強固な基盤を整備していきます。

当第3四半期連結累計期間の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ111.67円および128.48円と前年同期に比べ、米ドルでは5%の円安、ユーロでは9%の円安に推移しました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上収益は8,334億円(前年同期比8.8%増)、事業利益(※)は584億円(同8.1%増)、営業利益は522億円(同8.8%減)、税引前利益は510億円(同11.1%減)、四半期利益は347億円(同26.3%減)となりました。

 

 ※ 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。

 

報告セグメントごとの業績は、次のとおりです。

(プリンティングソリューションズ事業セグメント)

プリンター事業の売上収益は増加となりました。製品別の内容は以下のとおりです。

インクジェットプリンターは、大容量インクタンクモデルが新興国を中心に販売数量が大幅に増加したことに加え、先進国においても市場認知度の高まりから販売数量が増加し、売上の拡大が継続しました。また、為替による増収影響もあり、全体では売上増加となりました。消耗品は、日本などにおいて、流通在庫調整があったものの、為替による増収影響もあり、前年同期並みに推移しました。

ページプリンターは、高付加価値製品へ販売を絞り込んだことにより、本体販売の減少に加えて消耗品販売も落ち込んだ結果、売上減少となりました。

SIDMは、中国徴税市場での特需があった前年同期に対して売上減少となりました。

プロフェッショナルプリンティング事業の売上収益は増加となりました。製品別の内容は以下のとおりです。

大判インクジェットプリンターは、既存市場であるフォト・グラフィックス分野で売上が伸長したことに加え、成長市場であるサイネージ分野、テキスタイル分野およびラベル分野でも好調に推移したことで売上が拡大し、為替による増収影響もあり、全体では売上増加となりました。また消耗品についても、本体の販売数量増加、為替による増収影響もあり、売上増加となりました。

POSシステム関連製品は、北米での案件獲得などによる販売数量の増加、為替による増収影響もあり、売上増加となりました。

 

 

プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益につきましては、ページプリンターやSIDMでの売上減少があったものの、インクジェットプリンターの大容量インクタンクモデルや大判インクジェットプリンターの売上増加、為替による影響もあり、増益となりました。

以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は5,537億円(前年同期比8.4%増)、セグメント利益は711億円(同8.2%増)となりました。

 

(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)

ビジュアルコミュニケーション事業の売上収益は増加となりました。

液晶プロジェクターは、高光束分野でのレーザー光源モデルが好調に推移したことで高付加価値製品の販売数量が大幅に増加し、為替による影響もあり、全体では売上増加となりました。

ビジュアルコミュニケーション事業セグメントのセグメント利益につきましては、高光束分野での販売数量の増加、為替による影響もあり、増益となりました。

以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は1,508億円(前年同期比12.9%増)、セグメント利益は183億円(同54.5%増)となりました。

 

(ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント)

ウエアラブル機器事業の売上収益は、為替による増収影響がありましたが、ウオッチの販売数量が減少したことで、売上減少となりました。

ロボティクスソリューションズ事業の売上収益は増加となりました。産業用ロボットが中国を中心としたロボット需要を取り込み売上増加となったことに加え、ICハンドラーが中国製のスマートフォン向けの販売が好調だったことで売上増加となりました。また、為替影響による増収影響もあり、全体では売上増加となりました。

マイクロデバイス事業の売上収益は、増加となりました。水晶デバイスは、為替による増収影響がありましたが、携帯電話などのパーソナル機器向けの数量減少により売上減少となりました。半導体は、車載用大口顧客向けの数量減少がありましたが、為替による増収影響、ファンドリー需要の増加による販売数量の増加により、売上増加となりました。

ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントのセグメント利益につきましては、ウエアラブル機器事業での売上減少があったものの、ロボティクスソリューションズ事業の売上増加、為替による影響もあり、増益となりました。

以上の結果、ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントの売上収益は1,286億円(前年同期比6.5%増)、セグメント利益は67億円(同3.7%増)となりました。

 

(その他)

その他の売上収益は6億円(前年同期比36.4%減)、セグメント損失は4億円(前年同期は4億円のセグメント損失)となりました。

 

(調整額)

報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る費用の計上などにより、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△373億円(前年同期の調整額は△296億円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、490億円の収入(前年同期は609億円の収入)となりました。これは四半期利益が347億円であったのに対し、売上債権の増加217億円、棚卸資産の増加146億円などによる減少要因があった一方で、減価償却費及び償却費の計上371億円、法人所得税費用の計上163億円、仕入債務の増加86億円などによる増加要因があったことによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形資産の取得による支出563億円などにより、579億円の支出(前年同期は482億円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額211億円、社債の償還による支出100億円などがあったのに対し、社債の発行による収入198億円、短期借入金の増加192億円などがあったことにより、77億円の収入(前年同期は329億円の支出)となりました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の四半期末残高は、2,237億円(前年同期は2,093億円)となりました。

 

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、エプソンが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、エプソンが対処すべき課題について重要な変更はありません。

なお、当社は、財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めており、その内容など(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、次のとおりです。

 

①基本方針の概要

当社は、当社の株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えます。したがって、当社の財務および事業の方針の決定を支配することが可能な数の株式を取得する買付提案に応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご意思に委ねられるべきものと考えます。

当社は、企業価値や株主共同の利益を確保・向上させていくためには、役職員が一体となって価値創造に向けて取り組むことや、創業以来の風土を大切にしながら創造と挑戦を続けていくこと、お客様の信頼を維持・獲得していくことが不可欠と考えております。

しかし、株式の大量取得行為のなかには、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることにならないものも存在します。当社は、このような不適切な株式の大量取得行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当ではなく、このような者による大量取得行為に対しては必要かつ相当な手段をとることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

②基本方針の実現に資する取組みの概要

1)基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、2016年度から2025年度の10年間において目指す姿を示した長期ビジョン「Epson 25」(以下「Epson 25」という。)と、当該ビジョンの実現に向けた2016年度を初年度とする3カ年の中期経営計画「Epson 25 第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)」(以下「第1期中期計画」という。)を2016年3月に制定いたしました。

第1期中期計画では、これまで実現してきた戦略をベースに、「転換と開拓」の成果を継続させることと同時に、製品開発の仕込みや必要な投資を積極的に行い、強固な基盤を整備してまいります。

 

2)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、2014年6月の定時株主総会において更新した当社株式の大量取得行為に関する対応策について、2017年6月28日の定時株主総会において、旧対応策の適正性、透明性を一層高めるための修正をしたうえで更新することについて株主の皆様のご承認をいただきました(以下、更新後のプランを「本プラン」という。)。

本プランは、当社株券等に対する大量買付が行われた際に、当該買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な時間および情報を確保するとともに、株主の皆様のために、大量買付者と協議交渉などを行うことを可能とすることを目的としております。具体的には、当社の発行済株式総数の20%以上となる株券等の買付または公開買付けを実施しようとする買付者に、意向表明書ならびに株主の皆様の判断および特別委員会の評価・検討などのため必要かつ十分な情報を事前に当社取締役会へ提出すること、本プランに定める手続きを遵守することを求めております。そのうえで、当該買付行為が、本プランに従わない場合や、当社の企業価値・株主共同の利益を侵害する買付であると判断された場合は、対抗措置を発動するプランとなっております。

一方、当社取締役会は、対抗措置の発動について、取締役会の恣意的判断を排除するため、独立性の高い社外取締役のみから構成される特別委員会の判断を経ることとしております。特別委員会は、買付内容の検討、当社取締役会への代替案などの情報の請求、株主の皆様への情報開示、買付者との交渉などを行います。特別委員会は、対抗措置発動の要否を当社取締役会に勧告し、当社取締役会はその勧告に従い(ただし、取締役の善管注意義務に違反するおそれがあると判断する場合を除く。)、対抗措置の発動または不発動に関する決議を速やかに行うこととしております。

 

③具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

上記② 1)に記載した取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。

また、本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入(更新)されたものであり、上記①に記載した基本方針に沿うものです。特に、本プランは、株主総会において株主の皆様のご承認を得たうえで導入(更新)されたものであること、その内容として合理的な客観的発動要件が設定されていること、当社経営陣から独立性の高い社外取締役のみから構成される特別委員会が設置されており、対抗措置の発動に際しては必ず特別委員会の判断を経ることが必要とされていること、特別委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を得ることができるとされていること、有効期間が導入(更新)から約3年と定められたうえ、取締役会によりいつでも廃止できるとされていることなどにより、その適正性・客観性が担保されており、高度の合理性を有し、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるエプソンの研究開発活動の金額は373億円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において、エプソンの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。