文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在における予想や一定の前提に基づくものであり、これらの記載は実際の結果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。
(1)経営の基本方針
エプソンは、創業当時からの独自の強みである「省・小・精の技術」を基盤として、自らの常識やビジョンを超えて果敢に挑戦しイノベーションを生むことにより、画期的なお客様価値を継続的に創造し、より良い社会の実現に「なくてはならない会社」として中心的な役割を果たすことを目指しています。
そして、以下の経営理念およびグローバルタグラインのもと、お客様の期待を超える価値の創出に向けて、全社員が価値観を共有のうえ総合力を発揮し自律的に行動することにより、目指す姿の実現に努めてまいります。
経営理念
お客様を大切に、地球を友に、
個性を尊重し、総合力を発揮して
世界の人々に信頼され、社会とともに発展する
開かれた、なくてはならない会社でありたい。
そして社員が自信を持ち、
常に創造し挑戦していることを誇りとしたい。
EXCEED YOUR VISION
私たちエプソン社員は、
常に自らの常識やビジョンを超えて挑戦し、
お客様に驚きや感動をもたらす
成果を生み出します。
(2)中長期的な経営戦略および対処すべき課題
エプソンは、将来の目指す姿を示した長期ビジョン「Epson 25」(以下「Epson 25」という。)の実現に向けて、2019年度を初年度とする3カ年の中期経営計画「Epson 25 第2期中期経営計画(2019年度~2021年度)」(以下「第2期中期計画」という。)を2019年3月に策定しました。
エプソンを取り巻く経営環境は、予断を許さない厳しい状況が継続する見通しではありますが、今後、以下の諸施策を着実に推進することにより、持続的成長および中長期的な企業価値の向上の実現に取り組んでまいります。
①第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)の振り返り
2016年に策定した「Epson 25」においては、2025年に向けたエプソンが進むべき方向性として、“「省・小・精の価値」で、人やモノと情報がつながる新しい時代を創造する”を掲げ、私たちの強みを生かせる4つの領域でイノベーションを起こし、持続可能で豊かな社会をつくり出すことを目指しています。
この「Epson 25」の実現に向けた、第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)の3カ年では、将来成長に向けて大きく進展した取り組みがあった一方で、計画に対する遅れや十分な成果に結びついていない取り組みなどもありました。さらに想定を上回る外部環境の変化にも影響を受け、最終年度の業績は第1期中期経営計画で掲げた目標に対して未達となりました。
(第1期中期経営計画における主な成果と課題)
・コア技術の強化や生産能力の増強、将来成長の核となる商品の投入などは成果があったものの、スピード感を持った取り組みに課題
・販売面で、日本・西欧の販売体制整備や顧客知見の蓄積は進展するも、その他の地域での販売体制整備の遅れや、顧客知見を生かした商品・サービスの提供と提案手法の確立に遅れ
・経営資源は、成長分野での積極的な設備投資や研究開発を実施した一方、全体としてのメリハリが不十分
②第2期中期計画の基本的な考え方
上記の振り返りを踏まえ、第2期中期計画では、引き続き「Epson 25」で目指す姿は堅持し、環境変化や社会課題に対応したメリハリのある経営により、高い収益を生み出す事業運営に改革します。
(第2期中期計画の基本方針)
1)資産の最大活用と協業・オープンイノベーションによる成長加速
・ソリューション提案型ビジネスの強化
・協業も含め商品ラインアップの迅速な強化
・コアデバイスを用いた外販ビジネスとオープンイノベーションの強化
・ロボティクスへ経営資源を投下し主柱事業化に向け成長を加速
2)本社からのコントロールによる、グローバルオペレーションの強化
・強化すべき事業領域・地域の選択と集中
・提案型 BtoB 営業力強化に向けた組織整備と人材投入
・全社統合IT基盤の整備
3)経済環境、戦略の実効性を踏まえた規律ある経営資源の投入
・メリハリをつけた商品ポートフォリオの再構築
・財務規律の強化
③第2期中期計画および「Epson 25」業績目標
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項 目 |
2021年度目標 |
2025年度目標 |
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売上収益 |
1兆2,000億円 |
1兆7,000億円 |
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事業セグメント |
プリンティングソリューションズ |
7,800億円 |
- |
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ビジュアルコミュニケーション |
2,250億円 |
- |
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ウエアラブル・産業プロダクツ |
1,950億円 |
- |
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事業利益(※1) |
960億円 |
2,000億円 |
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ROS(売上収益事業利益率) |
8% |
12% |
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ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) |
継続的に10%以上 |
15% |
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為替レート USD/EUR/他通貨(※2) |
110円/125円/92 |
115円/125円/100 |
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※1 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費および一般管理費を控除して算出
※2 その他通貨の各レートを為替ボリュームに応じて加重平均した値について、2025年度目標を100とした指数
④今後の取り組み
(4つのイノベーションに向けた取り組み)
<インクジェットイノベーション>
・ホーム・SOHO/オフィス共有(※)分野では、大容量インクタンクモデルや高速ラインインクジェット複合機など、大容量インクモデルのインクジェットプリンターにより、レーザープリンターやインクカートリッジモデルからの置き換えを加速させ、消耗品に依存したビジネスモデルからの転換を進める。
※当社分類カテゴリーの1つ。高プリントボリュームオフィス向けプリンター。
・商業・産業分野では、プラットフォーム化と協業により高生産性商品のラインアップを一気に拡大する。
さらに、プリントヘッド外販とオープンイノベーションで多種多様なニーズに対応し、ビジネスを拡大する。
・社会の急速なデジタル化によって生まれるニーズをとらえ、協業・オープンイノベーションにより、新たなプリンティングサービスを創出する。
<ビジュアルイノベーション>
・レーザー光源エンジンを核としたプラットフォームのさらなる進化により、高光束モデルをはじめとしたラインアップを効率的に拡大し、プロジェクターの提供価値を向上させる。
・ライティングモデルによる空間演出需要の創出や、小型プロジェクターの商品化などにより、新市場の開拓を進める。
・スマートグラスは、PCやスマートフォンとの接続を可能とするインターフェースモデルの拡充や、光学エンジンモジュールの外販により、オープンイノベーションを加速させ用途拡大を図る。
<ウエアラブルイノベーション>
・独創の技術を生かした付加価値の高いアナログウオッチ領域に経営資源集中を継続する。
<ロボティクスイノベーション>
・エプソンの技術基盤を土台として、積極的に協業も行うことで、商品力とソリューション提案力をさらに強化し、将来の主柱事業とするべく成長を加速させる。
・AI活用によるさらなる使い勝手向上や、ヒト協調市場への参入を実現する。
(営業機能の強化)
・グローバル視点での販売戦略の実行と、管理機能を強化するために、本社による統制力を強化すると同時に、BtoB ビジネスへのシフトに向け、顧客密着型・ソリューション提案型の営業への転換を進める。
(持続可能な社会の実現に向けて)
・持続可能な社会の実現に対する期待の高まりをビジネスチャンスと捉え、印刷性能・環境性能・インク対応性などに強みを持つインクジェット技術によるイノベーションを加速させ、持続可能な社会の実現に貢献する。
⑤第2期中期計画財務目標
1)キャッシュ・フロー
・着実な利益成長、効率的なオペレーションを実現し、キャッシュ・フロー創出力を回復します。
・創出したキャッシュは、メリハリを付け成長投資へ優先配分したうえで、健全な財務構造を維持しながら、株主還元を実施します。
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項目 |
第1期中期経営計画(実績) |
第2期中期経営計画 |
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営業キャッシュ・フロー |
3年間累計:2,581億円 |
3年間累計:3,700億円程度 |
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フリー・キャッシュ・フロー |
3年間累計:249億円 |
3年間累計:1,700億円程度 |
2)研究開発費・設備投資
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項目 |
第1期中期経営計画(実績) |
第2期中期経営計画 |
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研究開発費 |
3年間累計:1,613億円 |
Epson 25実現に必要な新商品・要素開発 などに積極的に投下 |
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設備投資 (リース除く) |
3年間累計:2,368億円 |
3年間累計:2,000億円程度 (生産体制強化・新商品対応など) |
(3)会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を次のとおり定めております。
①基本方針の概要
当社は、当社の株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えます。したがって、当社の財務および事業の方針の決定を支配することが可能な数の株式を取得する買付提案に応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご意思に委ねられるべきものと考えます。
当社は、企業価値や株主共同の利益を確保・向上させていくためには、役職員が一体となって価値創造に向けて取り組むことや、創業以来の風土を大切にしながら創造と挑戦を続けていくこと、お客様の信頼を維持・獲得していくことが不可欠と考えております。
しかし、株式の大量取得行為のなかには、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることにならないものも存在します。当社は、このような不適切な株式の大量取得行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当ではなく、このような者による大量取得行為に対しては必要かつ相当な手段をとることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
②基本方針の実現に資する取組みの概要
1)基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、2016年3月に、2025年におけるエプソンの目指す姿を示した長期ビジョン「Epson 25」を策定しました。
「Epson 25」の実現に向けた、第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)の3カ年では、将来成長に向けて大きく進展した取組みがあった一方で、計画に対する遅れや十分な成果に結びついていない取組みなどもありました。さらに想定を上回る外部環境の変化にも影響を受け、最終年度の業績は第1期中期経営計画で掲げた目標に対して未達となりました。
2019年3月に策定した第2期中期経営計画(2019年度~2021年度)では、引き続き「Epson 25」で目指す姿は堅持し、環境変化や社会課題に対応したメリハリのある経営により、高い収益を生み出す事業運営に改革します。
2)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、2014年6月の定時株主総会において更新した当社株式の大量取得行為に関する対応策について、2017年6月28日の定時株主総会において、その適正性、客観性を一層高めるための修正をしたうえで更新することについて株主の皆様のご承認をいただきました(以下、更新後のプランを「本プラン」という。)。
本プランは、当社株券等に対する大量買付が行われた際に、当該買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な時間および情報を確保するとともに、株主の皆様のために、大量買付者と協議交渉などを行うことを可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止することを目的としております。具体的には、当社の発行済株式総数の20%以上となる株券等の買付または公開買付けを実施しようとする買付者に、意向表明書ならびに株主の皆様の判断および特別委員会の評価・検討などのため必要かつ十分な情報を事前に当社取締役会へ提出すること、本プランに定める手続きを遵守することを求めております。そのうえで、当該買付行為が、本プランに従わない場合や、当社の企業価値・株主共同の利益を侵害する買付であると判断された場合は、対抗措置を発動するプランとなっております。
一方、当社取締役会は、対抗措置の発動について、取締役会の恣意的判断を排除するため、独立性の高い社外取締役のみから構成される特別委員会の判断を経ることとしております。特別委員会は、買付内容の検討、当社取締役会への代替案などの情報の請求、株主の皆様への情報開示、買付者との交渉などを行います。特別委員会は、対抗措置発動の要否を当社取締役会に勧告し、当社取締役会はその勧告に従い、対抗措置の発動または不発動に関する決議を速やかに行うこととしております(ただし、取締役の善管注意義務に違反するおそれがあると判断する場合を除く。)。
③具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
上記② 1)に記載した取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。
また、本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって更新されたものであり、上記①に記載した基本方針に沿うものです。特に、本プランは、株主総会において株主の皆様のご承認を得たうえで更新されたものであること、その内容として合理的な客観的発動要件が設定されていること、当社経営陣から独立性の高い社外取締役のみから構成される特別委員会が設置されており、対抗措置の発動に際しては必ず特別委員会の判断を経ることが必要とされていること、当社取締役会は、対抗措置発動に関する特別委員会の勧告に従うとされていること(ただし、取締役の善管注意義務に違反するおそれがあると判断する場合を除く。)、特別委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を得ることができるとされていること、買付者等による買収意向表明後の各プロセスにおいて要する期間が特定されていること、非適格者から新株予約権を取得する場合、金銭等の経済的利益の交付は行わないことが明確になっていること、有効期間が更新から約3年と定められたうえ、取締役会によりいつでも廃止できるとされていることなどにより、その適正性・客観性が担保されており、高度の合理性を有し、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、エプソンは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針です。
また、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてエプソンが判断したものです。
(1)プリンターの売上変動による経営成績への影響について
2019年3月期におけるプリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益7,236億円は、エプソンの連結売上収益1兆896億円の約3分の2を占めており、そのなかでもホーム市場向けのほか、オフィス市場向けや商業・産業向けのインクジェットプリンターを中心とする各種プリンターと、これらの消耗品が売上収益および利益の多くを占めています。したがって、これらのプリンターおよび消耗品の売上収益が変動した場合には、エプソンの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2)他社との競合について
(販売における影響)
エプソンの主力製品であるプリンターやプロジェクターをはじめとする製品全般について、他社との競合の激化により、販売価格の低下や低価格品への需要のシフトおよび販売数量の減少などの影響を受けることがあります。
エプソンでは、これらの状況に対して、各市場での顧客ニーズに対応した製品や高付加価値製品およびサービスの提供に取り組むとともに、設計・開発の効率化やコストダウンなどにより製造コストの削減に努め、かかる販売価格の低下や低価格品への需要のシフトおよび販売数量の減少などに対処していく方針です。
しかしながら、今後、これらの施策が成功する保証はなく、エプソンがかかる販売価格の低下などに効果的に対応できない場合には、エプソンの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(テクノロジーにおける影響)
エプソンの販売する一部の製品については、他社のテクノロジーと競合しており、例えば、次のような事例があります。
・インクジェットプリンターにおけるエプソンのマイクロピエゾ方式(※1)と他社のサーマルインクジェット方式(※2)との競合
・プロジェクターにおけるエプソンの3LCD(三板透過型液晶)方式(※3)と他社のDLP方式(※4)などとの競合ならびにエプソンのプロジェクターと他社のFPD(フラットパネルディスプレイ)(※5)との競合
エプソンは、これらのエプソンの製品において採用している方式について、現時点では競合他社の方式に対する技術的な競争優位性があると考えていますが、消費者によるエプソンの技術に対する評価が変化した場合や、エプソンの技術と競合するほかの革新的な技術が出現した場合などには、エプソンの技術的な競争優位性が損なわれ、エプソンの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
※1 マイクロピエゾ方式とは、ピエゾと呼ぶ圧電素子を伸縮させて、インク滴をノズルから噴射させるエプソン独自のインクジェット技術をいいます。
※2 サーマルインクジェット方式とは、インクに熱を加えることで発生する気泡の圧力により、インク滴を噴射する技術をいいます。なお、バブルジェット方式といわれることもあります。
※3 3LCD(三板透過型液晶)方式とは、ライトバルブに高温ポリシリコンTFT液晶パネルを用いる方式であり、光源から出射された光を特殊な鏡を使って赤・緑・青の3原色に分離し、各色専用のLCDで映像を作った後、無駄なく再合成し投影します。
※4 DLP方式とは、表示デバイスにDMD(Digital Micromirror Device)を用いる方式です。DMDとは、ミクロンサイズの微極小な鏡が多数並んだ半導体で、1つの鏡が1画素に対応し光源からの光を反射することで映像を投影します。なお、DLPおよびDMDは、米国テキサス・インスツルメンツ社の登録商標です。
※5 FPDとは、薄型・平坦な画面の薄型映像表示装置の総称です。
(新たな競合の発生)
エプソンは、現在、高度な技術力、豊富な資金力または強固な財務基盤を有する大企業あるいは市場における認知度、供給力または価格競争力を有する国内外の企業との間で競合関係にありますが、これらに加え、将来、ほかの企業が、ブランド力、技術力、資金調達力、マーケティング力、販売力および低コストの生産能力などを生かしてエプソンの事業領域へ新規参入してくる可能性もあります。
(3)経営環境の急激な変化などについて
エプソンは、現在、「インクジェットイノベーション」「ビジュアルイノベーション」「ウエアラブルイノベーション」「ロボティクスイノベーション」という4つのイノベーション領域において、お客様が求める価値を創出し各事業領域のビジョンを実現することにより、4つのイノベーションを起こすことに取り組んでいます。この実現に向けて、エプソンでは、長期ビジョンや中期経営計画などに基づく諸施策を展開していますが、技術的な競争優位性を確立することが競争力を高めるために大変重要な要素であると考えており、創業当時からの独自の強みである「省・小・精の技術」を源泉とする「マイクロピエゾ」「マイクロディスプレイ」「センシング」「ロボティクス」の独自のコア技術を徹底的に極めるとともに、これらをプラットフォームとして融合することにより、顧客ニーズに対応した製品の開発・製造・販売およびサービスの提供を行っています。
しかしながら、エプソンが経営資源を集中しているこれらの事業領域における製品の属する市場は、一般的に技術革新の速度が速いとともに製品ライフサイクルが短く、また、世界景気の変動やデジタル化の進展などにともなうエプソンの主要市場における需要・投資動向が、エプソンの製品の販売に影響を及ぼす可能性があるほか、現在推進している中期経営計画や事業戦略およびこれらで定められた各種の施策が必ずしも実現または成功する保証はありません。
このような事業環境のもと、エプソンでは、引き続き各市場や顧客のニーズの把握に努め、製品市場予測による中・長期的な研究開発や投資を行うほか、開発・設計のプラットフォーム化などにより、既存製品から新製品への迅速かつ円滑な移行などにも取り組んでいく方針です。
しかしながら、今後、市場でのニーズや技術革新の変化に適切に対応できない場合、他社との競争が激化した場合、景気後退などにより需要が回復しない場合および主要市場における急激な需要変動に適切に対応できない場合などには、エプソンの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)第三者によるインクジェットプリンター用消耗品の販売について
インクジェットプリンターの主な消耗品であるインクカートリッジなどは、エプソンの売上収益および利益にとって相当重要なものとなっています。インクカートリッジなどのインクジェットプリンター用消耗品については、第三者によりエプソンのプリンター本体で使用することができる代替品が供給されています。これらの第三者からの代替品は、一般的にエプソンの純正品よりも廉価で販売されており、また、先進国市場と比較して新興国市場においてより流通している状況にあります。
エプソンは、こうした第三者によるインクジェットプリンター用消耗品の販売について、純正品としての高い品質の訴求のほか、大容量インクタンクを搭載したモデルの販売など、各市場における顧客ニーズに的確に対応したインクジェットプリンターを提供し、顧客の利便性をさらに高めることにより、引き続きお客様価値の実現を図っていく方針です。また、エプソンが保有するインクカートリッジに係る特許権および商標権の侵害に対しては、適宜、法的措置を講じていく方針です。
しかしながら、これらの施策が必ずしも有効である保証はなく、将来において第三者による代替品の販売が拡大し、純正品のシェア低下にともなう販売数量の減少や、これに対応するための販売価格の引下げなどにより、インクカートリッジの売上収益および利益が減少した場合には、エプソンの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)海外での事業展開について
エプソンは、グローバルに事業を展開しており、2019年3月期の連結売上収益のうち約4分の3は海外における売上収益が占めています。エプソンは、中国、インドネシア、シンガポール、マレーシアおよびフィリピンなどのアジア地域をはじめ、アメリカやイギリスなどにも生産拠点を有し、販売会社も世界各地域に設立しています。また、2019年3月末における海外従業員数はエプソンの全従業員数の約4分の3を占めています。
エプソンでは、こうしたグローバルな事業展開は地域ごとの市場ニーズを的確にとらえたマーケティング活動を可能とし、また、製造コストの削減およびリードタイムの短縮によるコスト競争力の確保など、事業上の多くのメリットがあると考えています。一方で、海外における製造・販売に関しては、各国政府の製造・販売に係る諸法令・規制、社会・政治および経済状況の変化、輸送の遅延、電力・通信などのインフラの障害、為替制限、熟練労働力の不足、地域的な労働環境の変化、各国における税制改正および税務当局による税務執行の不確実性、保護貿易諸規制、各種地政学的リスク、そのほかエプソンの製品の輸出入に対する諸法令・規制など、海外事業展開に不可避のリスクがあります。
(6)特定の仕入先からの部品などの調達について
エプソンは、第三者から一部の部品などを調達していますが、一般的に長期仕入契約を締結することなく継続的な取引関係を維持しています。また、エプソンは、部品などに関して複数社からの調達を原則としていますが、特定の部品などについては、他社からの代替調達が困難であるため、1社のみからの調達となる場合があります。エプソンでは、品質の維持・改善やコスト低減活動などに調達先と協同で取り組むことなどにより、安定的かつ効率的な調達活動を展開していく方針ですが、仮にこれらの調達先からの供給の不足や供給された部品などの品質不良などにより、製造・販売活動に支障を来たした場合には、エプソンの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)品質問題について
エプソンの製品保証の有無および内容は顧客との個別の契約により異なります。エプソンの製品に不良品または規格に適合しないものがあった場合には、エプソンは当該製品の無償での交換または修理など、不良品を補償するコストを負担し、また、当該製品が人的被害または物的損害を生じさせた場合には、製造物責任などの責任を負う可能性があります。
このほか、エプソンの製品の性能に関し適切な表示または説明がなされなかったことを理由として、顧客などに対し責任を負う場合や、改良のためのコストが発生する可能性があります。さらに、エプソンの製品にこのような品質問題が発生した場合には、エプソンの製品への信頼性を損ない、顧客の喪失または当該製品への需要の減少などにより、エプソンの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産権について
エプソンにとって、特許権およびそのほかの知的財産権は競争力維持のために非常に重要です。エプソンは、自らが必要とする多くの技術を自社開発してきており、それを国内外において特許権、商標権およびそのほかの知的財産権として、あるいは他社と契約を締結することにより、製品および技術上の知的財産権を設定し保持しています。また、知的財産権の管理業務に人員を重点的に配置し、知的財産権の強化を図っています。
しかしながら、次に想定されるような知的財産権に関する問題が発生した場合には、エプソンの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
・エプソンが保有する知的財産権に対して異議申立や無効請求などがなされる可能性、その結果、当該知的財産権が無効と認められる可能性
・第三者間での合併または買収の結果、従来、エプソンがライセンスを付与していない第三者がライセンスを保有し、その結果、エプソンが知的財産権の競争優位性を失う可能性
・第三者との合併または買収の結果、従来、エプソンの事業に課せられなかった新たな制約が課せられる可能性およびこれらを解決するために支出を強いられる可能性
・エプソンが保有する知的財産権が競争優位性をもたらさない、またはその知的財産権を有効に行使できない可能性
・エプソンまたはその顧客が第三者から知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多くの時間とコストを費やし、または経営資源などの集中が妨げられることになる可能性
・第三者からの侵害の主張が認められた場合に多額の賠償金やロイヤリティの支払い、該当技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性
・エプソンの従業員などにより発明などに対する報酬に関する訴訟が提起され、その解決のために多くの時間とコストを強いられる可能性、その結果、多額の報酬の支払いが決定される可能性
(9)環境問題について
エプソンは、国内外において製造過程で発生する廃棄物および大気中への排出物などについて、さまざまな環境規制を受けています。さらに、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)にて採択されたパリ協定により、世界的な気候変動への対応に関心が高まるなか、企業としてもより高い削減目標を掲げて取り組む必要性が増しています。
かかる状況のもと、エプソンは、温室効果ガス(GHG)排出削減を含む長期的な環境負荷低減を示した「環境ビジョン2050」および中期施策に基づき、環境負荷を低減した製品の開発・製造、使用エネルギー量の削減、使用済み製品の回収・リサイクルの推進、国際的な化学物質規制(主に欧州のRoHS指令やREACH規則)への対応および環境管理システムの改善など、多くの側面から環境保全活動に取り組んでいます。GHGの排出削減目標に関しては、SBTi(Science Based Targets initiative)の承認を受けており、再生可能エネルギーの導入拡大を含め、中長期に向けた削減活動を推進しています。
こうした活動の結果、エプソンの2018年度のGHG排出量(スコープ1、2)は50万トンとなり、基準年度である2017年度比で15%削減となりました。
エプソンでは、これまで重大な環境問題が発生したことはありませんが、将来において環境問題が発生し、損害の賠償や浄化などの費用負担、罰金または生産中止などの影響を受ける可能性、あるいは新しい規制が施行され多額の費用負担が必要となる可能性があり、このような事態が実現した場合には、エプソンの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)人材の確保について
エプソンの高度な新技術・新製品の開発・製造には、国内外における優秀な人材の確保が重要ですが、これらの人材の獲得競争は激しいものとなっています。エプソンは、役割に基づいた処遇制度の導入や現地人材の積極的な登用などにより、優秀な人材の確保に努めていますが、仮にこれらの人材を十分に採用または雇用し続けることができない場合や、技術などの継承が適切にできない場合には、エプソンの事業計画の遂行に影響を及ぼす可能性があります。
(11)為替変動について
エプソンの売上収益の相当部分は、米ドルおよびユーロなどの外貨建てとなっています。エプソンは、海外調達の拡大および生産拠点の海外移転などを進めたことにより、現状、米ドル建ての費用は米ドル建ての売上収益を上回る状況となっていますが、一方でユーロ建ての売上収益は依然としてユーロ建ての費用よりもかなり多い状況にあります。また、これら以外の外国通貨についても、全般的に売上収益が費用をかなり上回っています。エプソンは、為替変動リスクをヘッジするために為替予約取引などを行っていますが、米ドル、ユーロおよびこれら以外の外国通貨の日本円に対する為替変動は、エプソンの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)年金制度について
エプソンの設けている確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度および退職一時金制度があります。
エプソンは、確定給付型の退職年金制度について、年金資産の運用収益率の低下や受給権者の増加といった状況を踏まえ、今後の環境変化に適応するとともに、将来にわたり安定的に維持運営することを目的として2014年4月に制度改定を実施しましたが、年金資産の運用成績の変動および退職給付債務の数理計算の基礎となる割引率の見積数値の変動などが発生した場合には、エプソンの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)法規制および関係当局などによる調査について
エプソンは、グローバルに事業を展開しており、各国・各地域および各事業におけるさまざまな法規制や関係当局などによる調査の対象になる場合があります。例えば、エプソンは、現在、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律など、国内外の独占禁止法令に基づく手続の対象となっているほか、今後、公的機関などを含む新規顧客への営業活動の強化にあたり、これらの活動に関係する各種の法規制やコンプライアンス(法令遵守)への対応が一層求められることがあります。
このような状況を踏まえ、エプソンでは、従来より、コンプライアンスを重要な経営方針の一つとして位置付け、適宜、未然防止・制御活動を展開していますが、今後も海外の競争法関係当局が特定の業界などを対象に調査または情報収集を行うことがあり、その一環としてエプソンも市場状況および販売方法一般に関する調査などを受けることがあります。また、腐敗防止法規制、広告・表示規制、個人情報保護・プライバシー規制のほか、安全保障貿易管理などにおいて、関係法令などへの抵触またはそのおそれが生じることや、より厳格な法規制の導入や関係当局による法令運用の強化が行われることがあります。
これらの関連法規の違反があった場合や関係当局による調査・手続が実施された場合には、エプソンの販売活動に支障が生じ、またはエプソンの社会的信用を損なうこと、もしくは多額の制裁金が課されることがあるほか、事業活動に制約が生じるおそれがあるとともに、かかる法規制を遵守するための費用が増加することなどにより、エプソンの経営成績や今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
有価証券報告書提出日現在、エプソンに対する法規制などに基づく調査は、次のとおりです。
当社が受けておりました、液晶ディスプレイの価格カルテル嫌疑に関する競争法関係当局による調査は、全て終了しております。
また、フランスにおいて販売されるインクジェットプリンター製品に関し、2017年に同国の消費者団体による消費者保護法に基づく申し立てがなされ、当局による調査が開始されています。なお、同消費者団体が主張するような製品の寿命を短くしているという意図はなく、エプソンは、今後とも品質や環境を最も重視し、お客様のニーズに合わせた設計をしてまいります。
現時点においてかかる調査の進展、結果および終結の時期ならびにそのエプソンの経営成績および今後の事業展開への影響を予測することは困難です。
(14)重要な訴訟について
エプソンは、プリンティングソリューションズ事業、ビジュアルコミュニケーション事業およびウエアラブル・産業プロダクツ事業などに係る各製品の開発、製造、販売およびこれらに付帯するサービスの提供を主な事業として、国内外においてさまざまな事業活動を展開していますが、その事業の特性上、知的財産権、製造物責任、独占禁止法、環境規制などに関連して訴訟が提起される場合や、法的手続が開始される可能性があります。
有価証券報告書提出日現在、エプソンに係争している重要な訴訟は、次のとおりです。
当社の連結子会社であるEpson Europe B.V.(以下「EEB」という。)は、2010年にベルギーにおける著作権料徴収団体であるLa SCRL REPROBEL(以下「REPROBEL」という。)に対して、マルチファンクションプリンターに関する著作権料の返還などを求める民事訴訟を提起しました。その後、REPROBELがEEBを提訴したことにより、これら二つの訴訟は併合され、かかる訴訟の第1審ではEEBの主張を棄却する判決がなされましたが、EEBは、これを不服として上訴する方針です。
現時点において上記の訴訟の結果および終結の時期を予測することは困難ですが、訴訟または法的手続の結果によっては、エプソンの経営成績や今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(15)財務報告に係る内部統制について
エプソンは、財務報告の信頼性に係る内部統制の構築および運用を重要な経営課題の一つとして位置付け、グループを挙げて関係会社の管理体制などの点検・改善などに取り組んでいます。しかしながら、常に有効な内部統制システムを構築および運用できる保証はなく、また、内部統制システムに本質的に内在する固有の限界があるため、今後、上記の対応が有効に機能しなかった場合や、財務報告に係る内部統制の不備または開示すべき重要な不備が発生した場合には、エプソンの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
(16)他社との提携について
エプソンは、事業戦略の選択肢の一つとして、他社と業務提携などを行うことがあります。しかしながら、当事者間における提携などの見直しにともない、提携関係が解消される可能性があるほか、提携内容の一部変更が行われる可能性があります。また、提携などによる事業戦略が必ずしも想定どおり成功し、エプソンの経営成績に寄与する保証はありません。
(17)災害などについて
エプソンは、研究開発、調達、製造、物流、販売およびサービスの拠点を世界に展開していますが、これらの地域において予測不可能な自然災害、新型インフルエンザなどの新興感染症の流行、コンピュータウイルスの感染、顧客データの漏洩、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)における風評被害の発生、社内重要基幹システムの障害発生、サイバー攻撃、部品調達先などの罹災によるサプライチェーン上の混乱、戦争・テロなどが発生した場合には、エプソンの経営成績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
これらのうち、特にエプソンの主要な事業拠点が所在する長野県中部は、糸魚川静岡構造線に沿った活断層帯があるなど、地震発生リスクが比較的高い地域であるため、エプソンでは、設備の耐震構造強化のほか、防災訓練などの地震防災計画や事業継続計画の策定などにより、かかる災害にともなう影響の軽減に向けた対応を可能な範囲において行っています。
しかしながら、長野県中部に大規模な地震が発生した場合には、これらの施策にもかかわらず、エプソンが受ける影響は甚大なものになる可能性があります。
なお、エプソンは、地震により発生する損害に対しては地震保険を付保しているものの、その補償範囲は限定されています。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境を顧みますと、景気は総じて緩やかな回復基調が続きました。地域別に見ますと、米国では個人消費の増加や雇用環境の改善を背景に着実に回復が続きました。欧州および中南米は、アルゼンチンなど景気が後退している国はありますが、全体としては緩やかに回復しました。中国は持ち直しの動きが続いていましたが、米国との貿易摩擦等の影響により、設備投資需要を中心に減速に転じました。日本では、着実な雇用情勢・所得情勢の改善を受けて個人消費が持ち直し、緩やかな回復基調が続きました。なお、今後については、米中貿易摩擦影響の拡大、Brexit動向や中南米等での政治リスクなど、先行きの不透明感は強まっており、今後更なる景気減速が懸念されます。
当連結会計年度の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ110.86円および128.40円と、米ドルは前期並み、ユーロは前期に比べ1%の円高となりました。
こうした経営環境の下、当連結会計年度の経営成績につきましては、以下のとおりとなりました。
(億円)
|
|
前連結 会計年度 |
当連結 会計年度 |
増減金額 |
増減率 |
主な増減理由 |
|
売上収益 |
11,021 |
10,896 |
△124 |
△1.1% |
ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントの減収および為替の影響等による減少 |
|
売上原価 |
△7,012 |
△6,770 |
242 |
- |
売上収益の変動および為替の影響等による減少 |
|
売上総利益 |
4,008 |
4,126 |
117 |
2.9% |
|
|
販売費及び 一般管理費 |
△3,260 |
△3,421 |
△160 |
- |
将来成長に向けた戦略的な費用投下等による増加 |
|
事業利益(※) |
747 |
704 |
△42 |
△5.7% |
将来成長に向けた戦略的な費用投下および為替の影響等による減少 |
|
その他の営業収益・ その他の営業費用 |
△97 |
8 |
106 |
- |
為替差損の減少および遊休不動産の売却益等による増加 |
|
営業利益 |
650 |
713 |
63 |
9.8% |
|
|
金融収益・金融費用 |
△24 |
5 |
29 |
- |
為替差損等の減少 |
|
税引前利益 |
626 |
720 |
93 |
15.0% |
|
|
法人所得税費用 |
△208 |
△179 |
29 |
- |
米国税制改正に伴う繰延税金資産の取崩しによる増加影響を含む前連結会計年度に対して減少 |
|
当期利益 |
417 |
540 |
122 |
29.4% |
|
※事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
プリンター事業の売上収益は減少となりました。インクジェットプリンター本体は、大容量インクタンクモデルは新興国、先進国ともに販売拡大が継続し増加となった一方、インクカートリッジモデルが競合他社によるプロモーションが激しくなる中でも、必要以上のプロモーションを抑制して価格維持を図ったことなどによる減少に加えて、為替のマイナス影響を受けて、全体では前期並みとなりました。消耗品は、大容量インクタンクモデル用ボトルは増加しましたが、コンシューマー向けインクカートリッジモデル本体稼働台数の減少影響によるインクカートリッジ減少および為替のマイナス影響により、売上減少となりました。また、シリアルインパクトドットマトリクスプリンター(SIDM)についても、市場縮小に伴い売上減少となりました。
プロフェッショナルプリンティング事業の売上収益は前期並みとなりました。大判インクジェットプリンターは、成長市場であるサイネージおよびテキスタイル分野は堅調に推移しましたが、フォト・グラフィックス分野が競合他社のプロモーション影響を受けて減少となったことなどに加え、為替のマイナス影響により、全体では前期並みとなりました。POSシステム関連製品は前期並みとなりました。
プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益は、プリンター事業の大容量インクタンクモデル等の増収や、プリントヘッド部品に係る在庫評価減の計上方法の変更によるプラス影響があったものの、将来成長に向けた戦略的な費用投下や中南米を中心とした新興国通貨の下落による為替のマイナス影響を大きく受けたこと等により、前期並みとなりました。
以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は7,236億円(前期比1.8%減)、セグメント利益は945億円(同0.4%減)となりました。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジュアルコミュニケーション事業の売上収益は、液晶プロジェクターが主に高光束分野におけるレーザー光源搭載の高付加価値製品の販売数量増加によるモデルミックス改善に加え、超短焦点モデルが教育向けで堅調だったことから、為替のマイナス影響があったものの、増加となりました。
ビジュアルコミュニケーション事業セグメントのセグメント利益は、増収影響があったものの、将来成長に向けた戦略的な費用投下や為替のマイナス影響により減少となりました。
以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は2,033億円(前期比2.2%増)、セグメント利益は212億円(同13.1%減)となりました。
(ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント)
ウエアラブル機器事業の売上収益は、ムーブメントおよび海外ウオッチを中心に市場が低調に推移したことにより、減少となりました。
ロボティクスソリューションズ事業の売上収益は、米中貿易摩擦の影響により、中華圏において設備投資需要が減退したことなどから、減少となりました。
マイクロデバイス事業の売上収益は、半導体は前期並みとなりましたが、水晶デバイスで中国を中心としたモバイル市場の縮小に加え、民生機器向けを中心とした中国等での需要減により減少となったことから、減少となりました。
ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントのセグメント利益は、水晶デバイスおよびロボティクスソリューションズ事業の減収影響や、為替のマイナス影響により、減少となりました。
以上の結果、ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントの売上収益は1,634億円(前期比2.3%減)、セグメント利益は55億円(同23.0%減)となりました。
(その他)
その他の売上収益は9億円(前期並み)、セグメント損失は5億円(前期並み)となりました。
(調整額)
報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る費用の計上などにより、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△502億円(前期の調整額は△511億円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは769億円の収入(前期は842億円の収入)となりました。これは当期利益が540億円であったのに対し、棚卸資産の増加249億円や法人所得税の支払175億円などによる減少要因があった一方で、減価償却費及び償却費の計上561億円などの増加要因があったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形資産の取得による支出903億円や、有形固定資産の売却による収入93億円などがあったことにより、827億円の支出(前期は746億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払221億円、社債の償還100億円や短期借入金の純減168億円などがあったことにより、494億円の支出(前期は0億円の収入)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、1,752億円(前期は2,296億円)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前期比(%) |
|
プリンティングソリューションズ事業(百万円) |
712,628 |
96.1 |
|
ビジュアルコミュニケーション事業(百万円) |
201,307 |
96.5 |
|
ウエアラブル・産業プロダクツ事業(百万円) |
154,186 |
96.3 |
|
セグメント計(百万円) |
1,068,122 |
96.2 |
|
その他(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
1,068,122 |
96.2 |
(注)1.上記金額は、販売価格により示しており、セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記金額には、外注製品仕入高等が含まれております。
b.受注実績
エプソンでは、製品の性質上、原則として見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前期比(%) |
|
プリンティングソリューションズ事業(百万円) |
722,958 |
98.2 |
|
ビジュアルコミュニケーション事業(百万円) |
203,305 |
102.2 |
|
ウエアラブル・産業プロダクツ事業(百万円) |
154,074 |
97.2 |
|
セグメント計(百万円) |
1,080,337 |
98.8 |
|
その他(百万円) |
187 |
100.1 |
|
合計(百万円) |
1,080,525 |
98.8 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるエプソンの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在における予想や一定の前提に基づくものであり、これらの記載は実際の結果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。
①経営成績等
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に対して50億円増加し、1兆383億円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が有形固定資産・無形資産の取得や配当金の支払などにより544億円減少した一方で、棚卸資産の増加275億円、有形固定資産および無形資産の増加271億円、売上債権及びその他の債権の増加78億円があったことなどによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に対して226億円減少し、4,956億円となりました。これは主に、社債、借入金及びリース債務の減少242億円があったことなどによるものです。
なお、親会社の所有者に帰属する持分合計は、前連結会計年度末に対して274億円増加し5,401億円となりました。これは主に、配当金の支払221億円があった一方で、利益剰余金が親会社の所有者に帰属する当期利益537億円の計上により増加したことなどによるものです。
運転資本(流動資産から流動負債を差し引いた金額)は、前連結会計年度末と比較して83億円増加し、3,251億円となりました。
(経営成績)
経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
②資金の源泉および流動性
当連結会計年度後1年間の設備投資計画金額は850億円であり、所要資金につきましては、自己資金でまかなう予定です。セグメントごとの設備投資計画金額につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。なお、上記設備投資計画金額には、ファイナンス・リースおよびオペレーティング・リースによる設備投資を含めております。
エプソンでは、設備投資等の事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用および金融機関からの借入と社債の発行により資金を調達しております。
有利子負債の当連結会計年度末残高は、社債の償還および借入金の減少により、前連結会計年度と比較して242億円減少し、1,423億円となりました。現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度と比較して544億円減少し、1,752億円となりました。手元流動性は十分に確保しております。
なお、エプソンは、株式会社格付投資情報センターから信用格付を取得しており、当連結会計年度末において、A(シングルA)となっております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「Epson 25」の実現に向けた、第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)の3カ年では、将来成長に向けて大きく進展した取り組みがあった一方で、計画に対する遅れや十分な成果に結びついていない取り組みなどもありました。さらに想定を上回る外部環境の変化にも影響を受け、最終年度の業績は第1期中期経営計画で掲げた目標に対して未達となりました。
エプソンは、上記の結果を踏まえ、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、長期ビジョン「Epson 25」およびこの実現に向けた中期経営計画に基づく成長戦略を推進し、事業基盤や財務構造の強化を図ることにより、2025年度の業績目標(為替レート前提:1米ドル 115円・1ユーロ 125円)として、売上収益:1兆7,000億円、事業利益:2,000億円、ROS(事業利益/売上収益):12%、ROE(当期利益/親会社所有者帰属持分):15%を目指しています。
今後、独自の強みを発揮できる各イノベーション領域において、上記の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で掲げた各事業の将来成長に向けた施策を成し遂げ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ることにより、業績目標の実現に取り組んでまいります。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
退職後給付に係る費用
エプソンは、日本基準の下で、発生した数理計算上の差異および過去勤務費用を一定の期間で償却しておりました。IFRSでは、確定給付制度の再測定は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。過去勤務費用は、制度改訂または縮小が発生した時あるいは関連するリストラクチャリング費用または解雇給付を認識した時のいずれか早い期において純損益として認識しております。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、前連結会計年度の売上原価、販売費及び一般管理費および金融費用は23億円増加し、当連結会計年度の売上原価、販売費及び一般管理費および金融費用は74億円増加しております。
相互技術援助契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約内容 |
契約期間 |
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当社 |
HP Inc. |
アメリカ |
情報関連機器に関する特許実施権の許諾 |
2018年3月28日から許諾特許の権利満了日まで |
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当社 |
International Business Machines |
アメリカ |
情報関連機器に関する特許実施権の許諾 |
2006年4月1日から許諾特許の権利満了日まで |
|
当社 |
Microsoft Corporation |
アメリカ |
情報関連機器およびこれに用いるソフトウェアに関する特許実施権の許諾 |
2006年9月29日から許諾特許の権利満了日まで |
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当社 |
Eastman Kodak Company |
アメリカ |
情報関連機器に関する特許実施権の許諾 |
2006年10月1日から許諾特許の権利満了日まで |
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当社 |
Xerox Corporation |
アメリカ |
電子写真およびインクジェットプリンターに関する特許実施権の許諾 |
2008年3月31日から許諾特許の権利満了日まで |
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当社 |
キヤノン株式会社 |
日本 |
情報関連機器に関する特許実施権の許諾 |
2008年8月22日から許諾特許の権利満了日まで |
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当社 |
ブラザー工業株式会社 |
日本 |
情報関連機器に関する特許実施権の許諾 |
2018年6月28日から許諾特許の権利満了日まで |
エプソンは、創業当時からの独自の強みである「省・小・精の技術」を源泉とする「マイクロピエゾ」「マイクロディスプレイ」「センシング」「ロボティクス」のコア技術を徹底的に極め、これらをあらゆるお客様に提供できるように共通化(プラットフォーム化)し、お客様の期待を超える価値ある製品・サービスを創り出すことを目指して研究開発活動を行っています。
この基本方針のもと、将来に向けたコア技術・デバイスの開発やものづくり基盤の強化に加え、新規事業創出や事業強化などのための技術基盤の構築のほか、各事業における製品の競争力向上などに本社開発部門および事業部開発部門が連携のうえ取り組んでいます。
当連結会計年度の研究開発費総額は
各セグメントの主な開発成果は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
プリンター事業においては、「エプソンのスマートチャージ」(※1)に、ビジネススペックを搭載したA4カラーインクジェット複合機/プリンターの新商品2モデルを投入しました。本製品は、従来機(PX-M840FX)と比較して、設置面積比が約64%という小型化を実現し、バックヤードやカウンターなどの狭小スペースにも設置が可能です。
また、本体に大容量インクタンク(エコタンク)を搭載したインクジェットプリンターの新製品として、前面給紙でコンパクトサイズのスタンダードモデルをはじめ、お客様の設置環境に応じて選択肢を広げるホワイトモデル、ビジネスにおけるモノクロプリント需要に応えた、レーザープリンターからの置き換えにも適したA4モノクロプリンターの計6機種7モデルを発売し、ビジネスからホームまでお客様のご要望に合わせてお選びいただけるようラインアップを強化しました。
プロフェッショナルプリンティング事業においては、デジタルラベル印刷機の新商品として、UV硬化インク搭載デジタルラベル印刷機を発売しました。本製品は、PrecisionCore(プレシジョンコア)ラインヘッド搭載による高速かつ高画質印刷を実現し、併せてオペレーション工数を削減するさまざまな機能を搭載することで、工業用ラベルをはじめ小から中ロットの多品種印刷に対応し、印刷プロセスの効率化に貢献します。
このほか、ソフトウェアの面では、商業・産業印刷における色再現性を高めるカラーマネジメント技術「Color Control Technology」を開発し、当該新技術を用いた、プリンターカラーマッチング、スポットカラーマッチング、メディアプロファイル作成等のサービス提供を開始しました。これは、商業・産業印刷における“色”に関する課題に対する最適なソリューションとして開発されたもので、顧客ニーズにマッチした高品質な印刷と、高い生産性の実現をサポートします。
※1 機器本体を購入することなく(搬入・設置希望の場合は別途課金)、本体・インク・保守サービスが毎月定額従量料金で利用できるプリントサービス。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
レーザー光源のビジネスプロジェクター高輝度モデルの新商品として6機種7モデルを発表し、レーザー光源モデルのラインアップを拡充しました。このうち、会議室や講義室で利用するモデルは、レーザー光源による高輝度・高画質・信頼性をクラス最軽量(※2)のコンパクトな本体に盛り込みました。
空間演出やイベントに適したモデルでは、エプソンとして初めてネイティブ4Kパネルを搭載し、3LCD方式の高い色再現性と精細感により高画質映像を実現しました。
このほか、検査・測定機器やドローン操作等のモニター利用に適した両眼シースルーのスマートグラスの新製品を発売しました。さらにスマートグラスについては、一般財団法人日本消防設備安全センターが主催・運営する「G空間情報(※3)を利用した救助システム及び消防活動に関する検討会」に参画し、次世代の救助システムの消防救助用ウエアラブル機器として、エプソンのスマートグラスの技術を応用した「スマートマスク」ならびに「スマートゴーグル」のコンセプトモデルを共同開発しました。
※2 6,000lm以上の国内レーザー光源プロジェクターにおいて。2018年6月現在。エプソン調べ。
※3 「空間上の特定の地点又は区域の位置を示す情報」または位置情報および「位置情報に関連づけられた情報」からなる情報で「地理空間情報」と同義。「G」は「Geospatial(=地理空間の)」に由来。
(ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント)
ウエアラブル機器事業においては、ORIENT STARから新ムーブメント「46系F7-50」を搭載したモデルを発売しました。新ムーブメントにより持続時間は従来の40時間から50時間に向上し、新たな組立構造(Front Loaded Assembly) (※4)を取り入れたことで、視覚的にケースを薄く見せ、広々としたダイヤルデザインと高級感あふれるケースデザインを実現しました。
ロボティクスソリューションズ事業においては、産業用小型6軸ロボット(垂直多関節型ロボット)と産業用スカラロボット(水平多関節ロボット)の新モデルを発売しました。前者は、可搬重量を6kg、アーム長を1000mmへとロングアーム化し、設置スペースを約75%削減(※5)することを可能としました。これにより、小型電子機器部品や自動車電装小型部品の組立搬送等で工場の省スペース化に貢献できます。後者は、本体とコントローラーを一体化させ設置の簡素化と使いやすさを追求し、モーターのバッテリーレス化により低ランニングコストを実現したロボットで、可搬重量6kgまで対応し、より重く大きな物品の搬送に対応できます。重いハンド搭載も可能となり、工場の生産性向上に貢献できます。
2018年9月には、ロボティクスソリューションズ事業の研究開発拠点である豊科事業所に新生産ラインを新たに設置し、国内外の生産拠点と密接に連携させ、高難度要素開発から設計・量産技術確立、製造までのサイクルを効率よく回し、新製品立ち上げ期間の短縮と組立効率化技術の強化を図っています。
マイクロデバイス事業においては、構造ヘルスモニタリング(※6)に最適な軸加速度センサーの新製品を開発しました。本製品は、今後の本格的な構造ヘルスモニタリング技術の普及に向けて、必要な低ノイズ性能と耐久性・生産性に優れ、これまで実現が困難であった高精度と耐久性を高い次元で両立させました。この高精度センシング技術により、地震観測、環境振動計測、産業機器・車両の振動・軌道計測、ビル・道路付帯構造物・橋・トンネル・鉄塔など多様な構造物への精度計測の適用が可能となり、社会インフラの老朽化、維持管理費用増大等の社会問題への対処手段として貢献できます。
※4 Front Loaded Assembly (FLA)とは、ケース上側からムーブメントを挿入する組み立て方法。通常のケース下側から組み立てる方法のように、文字板より大きな裏蓋を用意する必要が無いためケース側面から裏蓋にかけて絞り込んだ形状(テーパードバック)が可能になることで、ケース側面の高さ(厚み)を抑えることに成功。
※5 当社の使用想定に基づいた比較実験による。
※6 センサーを用いて構造物の健全性を診断する技術。