第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当企業グループは、「独創的な技術を核に、新しい価値を創造し、活力とゆとりある社会の発展に貢献する」を経営理念に掲げ、「つなげる技術の、その先へ。」をコーポレートメッセージとして、「持続成長可能な事業への転換」および「あるべき姿に向けた収益構造への変革」を基本方針として、徹底した事業の効率化と成長軌道への足がかりを掴むための中期経営計画(平成29年度から平成31年度までの3か年)を推進し、平成32年度以降の持続的成長へ向けて取組んでまいります。

その実現に向けて「事業構造の再構築」と「経営基盤の強化」に取組むとともに、お客様視点に立った安心、安全、快適、便利を実現するソリューションをタイムリーに提供し続け、平成31年度(平成32年3月期)までに、売上高460億円以上、経常利益20億円以上、ROE5%以上を目指し、平成32年度以降の持続的な成長を確かなものとし、企業価値の向上に繋げてまいります。

 (1) 事業構造の再構築

当企業グループは、「持続成長可能な事業への転換」のために「集中事業の拡大」および「新規事業の創生」に取組むとともに、「事業の効率化」を推進することで事業構造を再構築してまいります。

具体的には、デジタルトランスフォーメーション(ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること。)の広がりを意識し、強みとするコア技術に加え、R&Dの取組みで機械学習、クラウド基盤、GW(ゲートウェイ)システム、故障予測、画像解析等の技術力強化を図り、新たな価値を提供してまいります。

① 集中事業の拡大

ア. オフィス市場向けの製品、サービス提供

IPネットワーク、センシング等のICT(Information and Communication Technology)を活用し、安心、安全、快適、便利なオフィス環境を創造してまいります。また、お客様のニーズに合ったキーテレホンシステム、IPネットワーク等の製品やサービス(モノ売り+コト売り)の提供で既存のオフィス市場の深耕を図るとともに、パートナーと協業することで新たなオフィス市場に対しても拡大を図ってまいります。

イ. 映像事業の拡大

これまで社会インフラ市場や流通市場等にネットワークカメラとNVR(ネットワークビデオレコーダ)を提供してまいりましたが、それに加えて、映像圧縮システムや画像認識、解析等の技術を活用した付加価値の高いアプリケーションサービスを提供することで事業拡大を図ってまいります。さらには、当企業グループの生産・販売・開発機能を連携させ、仕様からシステム構築および運用・保守までワンストップでの映像サービスを実現し、上記市場のみならずオフィス、セキュリティ関連市場にも提供し、事業拡大を目指してまいります。

② 新規事業の創生

データ解析やクラウド基盤等のコア技術を創出することにより、交通、医療および福祉向けの社会インフラ市場等に「IoTサービス」と「映像ソリューション」の融合をキーワードに新規事業を創生し、将来の新規ビジネス展開を推進してまいります。そのために、当企業グループが保有する経営資源を積極的に投入、有効活用するとともにオープンイノベーションによる協業や投資により事業化を加速させてまいります。

③ 事業の効率化

事業ごとに市場規模、外部環境および顧客動向等を踏まえ選択と集中をさらに進めてまいります。具体的には、事業環境の変化が大きいアミューズメント事業およびシステムインテグレーション事業について、事業構造に見合った経営資源の配分に見直し、事業効率化を推進してまいります。

ア. アミューズメント事業

市場環境の実態に沿って機動的な事業推進体制を構築し、既存製品をベースに市場競争力を維持するとともに、保有技術や製品の積極的な活用により、新しいビジネスの機会の獲得に向けて取組んでまいります。

イ. システムインテグレーション事業

市場の将来性と収益性を考慮のうえ、強みであるVoIPや市場ニーズの高い情報セキュリティ分野に注力し、確実な事業基盤の構築を目指してまいります。

 

(2) 経営基盤の強化

当企業グループは、「あるべき姿に向けた収益構造の変革」のために経営基盤の強化に取組んでまいります。

① グループ機能の最適化

新規事業開拓部門の強化と事業構造の再構築に向けた経営資源の配分の見直し、さらには重複機能の集約等の組織機能の最適化を図ってまいります。

② 総原価の低減

サプライチェーンマネジメントの強化等により、開発-調達-生産-販売-保守までの各プロセスにおける一貫したトータルコストダウンを継続して推進してまいります。特に、生産システムの高度化による生産効率の向上や、資材調達機能を強化することにより外部流出費用の削減を図り、収益力を強化してまいります。

さらに、市場ニーズに合わせた製品をタイムリーに提供するため、グループ内外の開発リソースを有効活用し、開発生産性および品質の向上に取組んでまいります。

③ 財務体質の強化

事業規模に見合った財政状態を実現するための財務体質の強化に取組み、資本効率の向上や開発効率および投資効率の向上に取組んでまいります。また、サプライチェーンマネジメントの強化により棚卸資産の圧縮等に取組み、キャッシュポジションの最適化と有利子負債の圧縮に努めてまいります。

④ 要員の適正化

中期経営計画の達成のため、事業構造の変化や事業転換に対応できる人材の育成と確保を図ってまいります。

 

(株式会社の支配に関する基本方針)

(1)  基本方針の内容

当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えております。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。

しかし、当社株式の大量取得行為またはその申し入れの中には、次のものも想定されます。

①  買収の目的や買収後の経営方針等に鑑み、当社のグループ企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがあるもの

②  株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの

③  当社に、当該買付けに対する代替案を提示するために合理的に必要な期間を与えることなく行われるもの

④  当社株主に対して、買付内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供することなく行われるもの

⑤  買付けの条件等(対価の価額・種類、買付けの時期、買付けの方法の適法性、買付けの実行の可能性等)が当社の本源的価値に鑑み、著しく不十分または不適当なもの

このような当社株式の大量取得行為またはその申し入れを行う者は、例外的に、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切な者と考えています。このような行為から当社の経営理念やブランド、株主をはじめとする各ステークホルダー(利害関係人)の利益を守るのは、当社の経営を預かるものとして当然の責務であると認識しております。

 

(2)  基本方針の実現に資する具体的な取組み

①  基本方針の実現に資する特別な取組み

当企業グループは、「独創的な技術を核に、新しい価値を創造し、活力とゆとりある社会の発展に貢献する」を経営理念に掲げ、「つなげる技術の、その先へ。」をコーポレートメッセージとして、「持続成長可能な事業への転換」および「あるべき姿に向けた収益構造への変革」を中期経営計画の基本方針と位置付け、事業の拡大および経営基盤の強化を推進するとともに、お客様視点に立った安心、安全、快適、便利を実現するソリューションをタイムリーに提供し続けることを目指してまいります。

まず、「事業の拡大」につきましては、「持続成長可能な事業への転換」のために事業の集中と効率化を確実に実行するとともに、グループ事業の領域拡大による収益の拡大を目指してまいります。

次に、「経営基盤の強化」につきましては、「あるべき姿に向けた収益構造への変革」のため、事業を支える収益基盤の確立と経営を支える経営基盤の構築に継続して取組んでまいります。

また、当企業グループは、コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示内容に沿ったガバナンス体制を構築しておりますが、企業価値の最大化に向け、継続してコーポレートガバナンスの強化に取組んでまいります。

②  基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成28年6月29日開催の第13回定時株主総会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、「本ルール」といいます。)を株主の皆様のご承認をもって導入(更新)いたしました。

本ルールは、当社株式の大量取得行為が行われる際に、当社が本ルールに定める対応を行うことにより、濫用的な買付行為を抑止し、当社のグループ企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、または向上させることを目的としています。

 

本ルールは、次の「ア.」または「イ.」に該当する買付けまたはその申し入れ(以下あわせて「買付け等」といいます。)がなされる場合に、買付け等を行う買付け者および買付提案者(以下「買付者等」といいます。)に対し、事前に当該買付け等に関する情報の提供を求め、当該買付け等について情報収集、検討等を行うために合理的に必要な期間を確保したうえで、株主の皆様に当社経営陣の意見表明や代替案を提示したり、買付者等との交渉等を行っていくための手続きを定めています。

ア.当社が発行者である株券等について保有者の株券等の株券等保有割合の合計が20%以上となる買付け

イ.当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け

本ルールの詳細は、当社のインターネットウェブサイト

(http://www.saxa.co.jp/ir/stock/information.html)をご参照ください。

 

(3) 具体的な取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

当社取締役会は、基本方針の実現に資する具体的な取組みは、以下の事項を考慮し織り込むことにより、基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

①  あらかじめ買収防衛策を導入することにより、濫用的な買付行為を抑止すること

②  株主の皆様の意思を法的に明確な形で反映させるため、買収防衛策の導入の決定を株主総会の決議事項とし、株主総会の決議を経て買収防衛策を導入すること

③  防衛策発動に関して基本方針に沿った合理的、客観的要件が設定されていること

④  独立性の高い独立委員会の設置および防衛策発動の際には必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること

⑤  本ルールの有効期限を平成31年3月期に関する定時株主総会終結の時までとし、株主総会または取締役会によりいつでも廃止できること

 

 

2 【事業等のリスク】

当企業グループの経営成績、財政状況およびキャッシュ・フロー等の業績に影響を及ぼし、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、次のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成30年3月31日)現在において、当企業グループが判断したものであります。

 

(1) 経済環境に関するリスク

① 経済動向について

当企業グループは、主に情報通信ネットワーク関連市場における経済状況の影響を受けます。この市場における景気後退とそれに伴い需要が縮小した場合、当企業グループの業績および財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、資材等のコスト低減を目的に中国、東南アジア等から調達およびこれらの地域に製造委託しており、これらの地域の経済情勢や治安状況などが悪化することにより、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性もあります。

② 為替および金利の変動について

当企業グループの外貨建での取引は、輸入超過の状態であり、為替相場の変動によって影響を受けます。

当企業グループでは、一部に為替予約等の対応策を講じておりますが、円安傾向が強まった場合は調達価格を押し上げ、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当企業グループは金利変動リスクにもさらされており、リスク回避のための様々な手段を講じておりますが、急激な金利変動は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 株式市況の変動について

国内の株式市場の動向は、当企業グループの保有する株式の評価額に大きく影響を及ぼします。したがって、株式市場が低迷した場合、保有株式の評価損の計上や企業年金資産の運用損の発生等により、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 当企業グループの事業活動に関するリスク

① 市場環境について

当企業グループが関連する情報通信ネットワーク関連市場は、急速な技術革新の進展や激しい競争にさらされております。市場要求に対応した新商品のタイムリーな提供とサービスの向上により市場シェアの拡大に努めてまいりますが、競合会社の新たな市場参入とシェア獲得競争により、当企業グループの商品・サービスが激しい価格競争にさらされ、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 生産活動について

当企業グループの生産活動には、資材、部品、製造装置その他供給品のタイムリーな調達が不可欠です。当企業グループでは、生産体制・調達体制の革新を図り、必要な資材等をタイムリーかつ適正な価格で確保して効率的な生産活動を遂行しておりますが、供給の遅延、中断や業界内の需要増加等があった場合、必要な資材等を効率的に確保できない可能性があります。これらのリスクは当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 技術革新および顧客ニーズへの対応について

当企業グループは、常に技術、市場の変化を的確に捉え、お客様のニーズに応える新商品の開発に努めてまいりますが、それらの商品をタイムリーに提供することが出来ない場合、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、市場の要求するサービスの多様化等により新商品の開発過程が長期化した場合、当企業グループの商品が市場に投入される前から陳腐化し商品性を失う可能性があります。

④ 人材の確保について

当企業グループはさらなる成長を目指すために、優秀な人材を確保し、維持する必要がありますが、その人材を確保できなかった場合、または多数離職した場合、当企業グループの事業目的の達成が困難になる可能性があります。

 

(3) 法的規制および訴訟に関するリスク

① 欠陥商品の発生

当企業グループは、「ISO9001」認証を取得し、商品の品質保証には細心の注意を払っておりますが、経時変化や、想定外の品質異常等により、将来的に当企業グループの商品に欠陥が発生しないという保証はありません。

欠陥が発生し、製造物賠償責任保険での補償を超える損害賠償の請求や当企業グループの信用失墜は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 情報の流出について

当企業グループは、事業遂行に関連して、機密情報・個人情報を保有しており、情報漏洩対策やウィルス防御システムの導入など、これらの情報の管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性は皆無ではありません。

このような事態が生じた場合、社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担やブランド価値の低下が発生し、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 環境に関する規制について

当企業グループの事業活動は、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用および取扱い、廃棄物処理、商品リサイクル等を規制する様々な環境法令の適用を受けており、過去、現在、将来の事業活動に関し環境責任リスクがあります。

当企業グループでは「ISO14001」に基づく環境マネジメントシステムをグループ全体で構築し、環境保全活動に取組んでおりますが、将来、環境に関する規制が一層厳しくなり、有害物質等の除去義務が追加された場合、これらに係る費用が発生し、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ その他法的規制等について

当企業グループが関連する事業は国内または国際的規制に従って行っております。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、電気製品の安全性および電気通信事業の変更に関する法規制、国の安全保障に関する法規制および輸出入に関する法規制等があります。

これらの法規制や当局の法令解釈が従来よりも厳しくなることなどにより、当企業グループがこれら法規制に従うことができなくなった場合、当企業グループの事業活動は制限を受けることになり、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) その他のリスクについて

① 災害等による影響について

当企業グループは、製造ラインの中断や取引先の影響等による生産能力の低下等を最小にするために、定期的な災害防止のための検査と設備点検を行っております。しかし、生産拠点および顧客や仕入先における地震、風水害、停電等による予期せぬ事業活動に対する影響は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 退職給付債務について

当企業グループでは、キャッシュ・バランス型確定給付企業年金制度を適用しており、市場金利や株式市況の変動によるリスクを最小限に留める対策を講じておりますが、割引率の低下や運用の利回りの悪化は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 会計基準等の変更について

当企業グループでは、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して会計処理を行っておりますが、会計基準の設定や変更により従来の会計方針を変更した場合に、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当企業グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度のわが国の経済は、堅調な企業業績を背景に、緩やかな回復基調で推移しましたが、欧米における政治リスクやアジアにおける地政学的リスクの高まりなどにより、景気の先行きは依然不透明な状況が続いております。

このような経済環境の中で、当企業グループは厳しい事業環境の変化に対応し、「持続成長可能な事業への転換」と「あるべき姿に向けた収益構造への変革」を基本方針とした中期経営計画(平成29年度から平成31年度までの3か年)を策定し、事業構造の再構築と経営基盤の強化に取組み、成長軌道への足がかりとする3か年をスタートいたしました。

しかしながら、当連結会計年度の売上高は、アミューズメント市場における規制改正などの影響や市場環境の変化により、前年に対して減少し、373億5千1百万円(前年同期比6.2%減少)となりました。主な要因は、ネットワークセキュリティ製品および画像システムの増加はありましたが、OEMキーテレホンシステムならびにアミューズメント市場向けシステムインテグレーションおよび製品の受注減少などによるものです。利益面では、売上高の減少および研究開発投資の増加などにより、経常利益が9億2百万円(前年同期比29.9%減少)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、5億7千6百万円(前年同期比15.8%減少)となりました。

これらの状況を鑑みて、中期経営計画の最終年度である平成31年度の経営目標達成に向け、強力かつ継続して取組んでまいります。

<事業構造の再構築>

当連結会計年度の成果として、集中事業である映像事業に関する監視・防犯・マーケティングなどの分野で活用できる画像解析技術および各市場における、さまざまなIoTソリューションに活用できる「IoTゲートウェイ」に関する研究開発を進めてまいりました。

ネットワークソリューション分野においては、映像事業の具体的な取組みとして、映像処理の集中を軽減する独自の分散処理を実装し、拡張性と耐障害性の高いVMS(映像管理システム)「SKVMS」の提供を開始しました。

また、高画質映像をリアルタイムに配信できる映像圧縮ゲートウェイ「VC1000」を開発、製品化しました。今後も引続き、幅広くさまざまな映像ソリューションを提供し続けてまいります。

併せて、社会インフラ市場でのビジネス展開の足がかりとするため、アクシオンリサーチ株式会社へ出資するとともに、Raspberry Pi(小型で軽量なボード型コンピュータ)対応のIoTゲートウェイを日本アイ・ビー・エム株式会社のクラウドと連携することにより、新たなIoTサービスを創生してまいります。

セキュリティソリューション分野においては、これまで提供してきた自動火災報知設備に加え、「光警報装置の設置に係るガイドライン」(総務省消防庁)に沿った「光警報システム」を開発し、提供を開始しました。

なお、このシステムは「2020年東京オリンピック・パラリンピック」の開催を控え、ユニバーサルデザインへの取組みを強化している成田国際空港のトイレ施設に採用されました。今後も安心、安全な社会の実現に向け、普及に取組んでまいります。

<経営基盤の強化>

事業の選択と集中のさらなる促進により経営の効率化を図るとともに有利子負債の圧縮などによる財務体質の強化や要員の適正化およびコーポレートガバナンスの強化に継続的に取組み、企業価値の向上に努めてまいりました。

さらに新たな事業の創生を加速するため、新規事業開拓部門の機能および映像事業推進体制の強化に努めてまいります。

 

分野別の営業の概況は、次のとおりです。

(ネットワークソリューション分野)

ネットワークソリューション分野の売上高は、238億8千万円(前年同期比6.4%減少)となりました。これは、ネットワークセキュリティ製品の受注は増加いたしましたが、OEMキーテレホンならびにアミューズメント市場向けシステムインテグレーションの受注が減少したことによるものです。

 

(セキュリティソリューション分野)

セキュリティソリューション分野の売上高は、134億7千万円(前年同期比5.9%減少)となりました。これは、アミューズメント市場向けの製品の受注が減少したことによるものです。

 

 当期の財政状況の概況は、次のとおりです。

 前期末に対し純資産が8億7千8百万円増加し221億1千8百万円、総資産が13億1千7百万円減少し395億7千3百万円となったことにより、自己資本比率は55.5%となりました。

 増減の主なものは、以下のとおりです。

 流動資産では、現金及び預金が4億8千9百万円、受取手形及び売掛金が1億3千2百万円、それぞれ減少いたしました。

 固定資産では、有形固定資産が償却などにより8千万円減少し、無形固定資産が取得などにより8千万円増加し、投資その他の資産は投資有価証券の増加などにより3億8千5百万円増加いたしました。

 負債では、短期借入金、長期借入金および社債の合計が13億6千6百万円、退職給付に係る負債が4億7千7百万円、それぞれ減少いたしました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物は、前期末残高に比べ4億8千9百万円減少し、78億2千1百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の減少、税金等調整前当期純利益および減価償却費の計上などにより26億9千5百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、新商品の開発に伴うソフトウエアおよび金型の取得などにより14億5千8百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済および配当金の支払などにより17億2千1百万円の支出となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

当企業グループは、事業区分が単一セグメントでありますが、本項目における分野別情報は、前連結会計年度と同一の区分によっております。

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を分野別に示すと、次のとおりであります。

 

区分

生産高(百万円)

 

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

14,353

88.0

セキュリティソリューション分野

20,128

98.8

合計

34,482

94.0

 

(注)1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3  上記のほか下記の仕入製品があります。

区分

仕入高(百万円)

 

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

1,354

40.8

セキュリティソリューション分野

1,020

61.4

合計

2,374

47.7

 

(注)1  金額は、仕入価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績を分野別に示すと、次のとおりであります。

 

区分

受注高(百万円)

 

受注残高(百万円)

 

前期比(%)

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

23,316

90.9

542

33.7

セキュリティソリューション分野

14,601

100.4

2,470

173.3

合計

37,917

94.4

3,013

99.3

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績を分野別に示すと、次のとおりであります。

 

区分

販売高(百万円)

 

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

23,880

93.6

セキュリティソリューション分野

13,470

94.1

合計

37,351

93.8

 

(注)1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2  主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

NTTグループ

9,636

24.2

8,330

22.3

 

(注)1  NTTグループは、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社およびエヌ・ティ・ティテレコン株式会社等であります。

2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成30年3月31日)現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針および見積り

当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示ならびに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定の設定を行わなければなりません。

当企業グループの経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

特に、以下の重要な会計方針が、当企業グループの連結財務諸表の作成において使用された重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。

a.  売掛金、貸付金等の債権については、決算日以降に発生すると予測される貸倒損失に備えるため、適正な見積りに基づき貸倒引当金を計上しておりますが、顧客等の財政状況が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

b.  製品保証費用については、出荷済製品のアフターサービス費用等の発生に備え、過去の実績に基づくアフターサービス費用の見積りに基づき製品保証引当金を計上しております。三現主義の徹底と広範囲にわたる品質管理システムの運用により品質向上に努めておりますが、実際の品質不良率または修理コストが見積りと異なった場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。

c.  投資については、回復可能性があると認められない株式等の評価減を実施しておりますが、投資先の財政状態が悪化した場合、評価損の追加計上の可能性があります。

d.  繰延税金資産については、将来の課税所得および継続的な税務計画を検討し、回収可能性が高いと考えられる金額に減額するため評価性引当金を計上しております。この評価性引当金は当連結会計年度末で判断したものであり、将来の課税所得および税務計画の変更等により追加計上または取崩しが発生する可能性があります。

  

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当連結会計年度の売上高は、ネットワークセキュリティ製品および画像システムの増加はありましたが、OEMキーテレホンシステムならびにアミューズメント市場向けシステムインテグレーションおよび製品の受注減少などにより373億5千1百万円(前年同期比6.2%減少)となりました。

ネットワークソリューション分野の売上高は、238億8千万円(前年同期比6.4%減少)となりました。これは、ネットワークセキュリティ製品の受注は増加いたしましたが、OEMキーテレホンならびにアミューズメント市場向けシステムインテグレーションの受注が減少したことによるものです。

セキュリティソリューション分野の売上高は、134億7千万円(前年同期比5.9%減少)となりました。これは、アミューズメント市場向けの製品の受注が減少したことによるものです。

当連結会計年度の利益面では、売上高の減少および研究開発投資の増加などにより、経常利益が9億2百万円(前年同期比29.9%減少)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、5億7千6百万円(前年同期比15.8%減少)となりました。

当企業グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、当企業グループの主力市場である情報通信ネットワーク関連市場においては、多様化、高度化したネットワークを活用した様々な事業が生まれるなど大きな変化が続いております。

このような市場環境の変化と資材調達環境の変化により、当企業グループの業績も影響を受けます。

そのため 当企業グループは、このような変化に柔軟に対応し、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう心がけております。

また、経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、「2[事業等のリスク]」に記載しております。

 

当企業グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、多様化するお客様のニーズにお応えするため、お客様視点に立った安心、安全、快適、便利な環境を実現するソリューションをタイムリーに提供し続け、事業成長に向けた収益体質改善のための諸施策に取組んでまいります。

当企業グループの資本の財源および資金の流動性については次のとおりであります。

a.キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の減少、税金等調整前当期純利益および減価償却費の計上などにより26億9千5百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、新商品の開発に伴うソフトウエアおよび金型の取得などにより14億5千8百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済および配当金の支払などにより17億2千1百万円の支出となりました。

その結果、当期末における現金及び現金同等物は、前期末残高に比べ4億8千9百万円減少し、78億2千1百万円となりました。

b.資金需要と財務政策

当企業グループは、運転資金および設備投資資金につきましては、内部資金を充当し、必要に応じ金融機関からの借入により調達することとしております。このうち借入による資金調達に関しましては、運転資金については主に期限が1年以内の短期借入金により調達しており、設備投資資金等については長期借入金等により調達しております。

また、資産効率の向上、営業活動によるキャッシュ・フローの確保およびシンジケーション方式によるコミットメントライン70億円を含む未使用借入枠135億3千1百万円により、当面の運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。

  

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当企業グループにおける研究開発活動は、ネットワークソリューション分野およびセキュリティソリューション分野について、事業運営に直結した新技術、新商品の開発のほか、クラウドサービスおよびIoT(Internet of Things)等の環境変化により益々高度化する情報通信ネットワークに対応した各種通信技術(IP、無線等)、各種センシング技術(画像認識、検出)、情報セキュリティ、これらと連携したクラウドサービスの研究開発を進めております。

当連結会計年度は、安心、安全、快適、便利を実現するソリューションを提供するために必要となる音声、映像、データおよびアプリケーションに関わる研究開発に重点をおき活動を行いました。

なお、当連結会計年度の研究開発費総額は、48億6千9百万円であります。

 

(1) ネットワークソリューション分野の商品開発

情報セキュリティの強化や業務効率化および円滑なコミュニケーションを実現するための「Office AGENT」シリーズを構成するネットワークセキュリティ機器および映像処理の集中を軽減する独自の分散処理を実装し、拡張性と耐障害性の高いVMS(映像管理システム)、高画質映像をリアルタイムに配信できる映像圧縮ゲートウェイなどの開発などを進めてまいりました。

ネットワークソリューション分野の研究開発費の金額は、31億6千5百万円であります。

 

(2) セキュリティソリューション分野の商品開発

画像認識や画像圧縮技術を活用し、監視・防犯・マーケティングなど高精細映像によるリアルタイムでの判断や確認が必要となる市場向けのシステム開発、さらに各種センサのデータとネットワークを活用した見える化ソリューションの開発を進めてまいりました。

セキュリティソリューション分野の研究開発費の金額は、11億9千6百万円であります。