第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度のわが国の経済は、政府の経済政策や金融緩和により景気は緩やかな回復基調で推移してきました。

しかしながら、海外においては、米国経済が回復傾向にあるものの中国や新興国の景気減速の懸念、また国内では、金融市場の動向などの変動リスクもあり、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

このような経済環境の中で、当企業グループは、「持続成長可能な事業への転換」および「あるべき姿に向けた収益構造への変革」を基本方針とした、平成27年度から29年度までの3か年を計画期間とする中期経営計画を策定し、事業の拡大と経営基盤の強化に取組んでまいりました。

「事業の拡大」につきましては、当社が目指す成長戦略に沿った市場に対して、コアコンピタンスである音声と情報通信を融合させた情報通信ネットワーク関連システムに、センシングや映像蓄積などの新技術を加え、お客様が求めている製品の提供やシステムおよびサービスの実現を目指してまいりました。

具体的な取組みとして、オフィス市場向けに小規模オフィス向けIP対応キーテレホンの機能を強化したビジネスコミュニケーションシステム「ActysⅢ(アクティスⅢ)」の発売を開始し、「Office AGENT」シリーズを拡充するとともに、ネットワークセキュリティへの関心の高まりに伴う需要に対応するためUTM(統合脅威管理アプライアンス)「SS3000」の拡販を図ってまいりました。

また、法人向け光アクセスサービス「サクサ光」の提供により、インターネット接続サービスとサクサ製品のワンストップでの提供を進めてまいりました。

今後もIoT(Internet of Things)、クラウドサービス、映像ソリューション等に対応し「Office AGENT」シリーズの拡充を進めてまいります。

システムインテグレーション事業の展開は、VoIP(Voice over IP)ソリューションの販売に加え、クラウドやIoT時代の到来によるサービスの高度化に対応すべく取組んでまいりました。

具体的な取組みとして、当企業グループの強みであるシステムインテグレーション事業のスキームを活用し、交通事業者様向けシステムや企業向けデータ連携ソリューション等、お客様のニーズにお応えする業務系のシステムをスピーディに提供してまいりました。

また、テロや犯罪および災害等社会的な不安に対するセキュリティへの関心の高まりによるネットワークカメラの需要に対して、画像解析技術や画像圧縮技術を活かした長時間録画やクラウド対応などでお応えし、安心で安全な社会を支えるサービスの提供を進めてまいります。

「経営基盤の強化」につきましては、安定した収益体質を構築するための組織および要員の適正化や外部流出費用の徹底した削減に取組むため、グループガバナンスの強化と組織機能の効率化のためのグループ機能の最適化を4月に、また要員の適正化を7月末に実施し、当初の想定どおりの効果が出ました。

引き続き財務体質の強化や人材の質的転換を進め、目標とする経営指標(売上高550億円以上、経常利益30億円以上、ROE早期に5%以上)を平成29年度までに実現すべく取組んでまいります。

当事業年度の売上高は、加工受託の減少はありましたが、マイナンバー制度の施行に伴うネットワークセキュリティ機器の受注の増加やシステム受託開発などシステムインテグレーション事業の受注増加により462億7百万円(前期比 6.0%増)となりました。

利益面では、為替変動の影響はありましたが、売上高の増加や総原価低減の取組み効果等により経常利益は17億6千万円(前期比 404.4%増)となりました。また、退職給付信託設定に伴う特別利益の計上はありましたが、要員の適正化のための施策を含めた経営構造改革費用を特別損失に計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益は5億4千万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失1億6千5百万円)となりました。

 

分野別の営業の概況は、次のとおりです。

(ネットワークソリューション分野)

ネットワークソリューション分野の売上高は、256億4千万円(前期比 20.0%増)となりました。これは、当企業グループの強みであるIPネットワーク技術を活用したオフィス市場向けネットワークセキュリティ関連機器やシステムインテグレーション事業の受注が増加したことによるものです。

(セキュリティソリューション分野)

セキュリティソリューション分野の売上高は、205億6千6百万円(前期比 7.4%減)となりました。これは、アミューズメント市場向けの部品加工受託等が減少したことによるものです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物は、前期末残高に比べ9億3千5百万円増加し、72億5百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増加はありましたが、税金等調整前当期純利益および減価償却費の計上などにより21億3千7百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、新商品の開発に伴うソフトウェアおよび金型の取得などにより13億9千7百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済および社債の償還などはありましたが、長期借入などを行ったことにより1億9千万円の収入となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当企業グループは、事業区分が単一セグメントでありますが、本項目における分野別情報は、前連結会計年度と同一の区分によっております。

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を分野別に示すと、次のとおりであります。

 

区分

生産高(百万円)

 

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

17,463

101.0

セキュリティソリューション分野

25,631

103.5

合計

43,095

102.5

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3  上記のほか下記の仕入製品があります。

区分

仕入高(百万円)

 

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

2,949

2,082.7

セキュリティソリューション分野

1,816

73.0

合計

4,766

181.2

 

 (注) 1  金額は、仕入価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況を分野別に示すと、次のとおりであります。

 

区分

受注高
(百万円)

 

  受注残高  
(百万円)

 

前期比(%)

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

26,581

126.2

1,663

211.3

セキュリティソリューション分野

19,443

90.6

1,193

50.7

合計

46,025

108.2

2,856

90.9

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を分野別に示すと、次のとおりであります。

 

区分

販売高(百万円)

 

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

25,640

120.0

セキュリティソリューション分野

20,566

92.6

合計

46,207

106.0

 

 (注) 1  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2  主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

NTTグループ

10,068

23.1

9,886

21.4

株式会社データ・アート

7,743

17.8

6,730

14.6

 

 (注) 1  NTTグループは、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社およびエヌ・ティ・ティテレコン株式会社等であります。

2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

(1)  事業の拡大

当企業グループは、「持続成長可能な事業への転換」のため、事業の集中と効率化を確実に実行するとともに、グループ事業の領域拡大による収益の拡大を目指してまいります。

これまで、コアコンピタンスと新技術により事業を拡大すべく、音声通信からIPネットワーク技術(IP情報通信や情報セキュリティ等)を活用したソリューションへの展開を図ってまいりました。

今後は更なる事業転換の加速を目指し、特に注力しているネットワークセキュリティおよびクラウドサービスを活用し、センサからアプリケーションまでを安心かつ安全につなぐIoTソリューションならびに画像センシング技術と解析・圧縮技術等を組合わせた映像ソリューションおよびそれらに関連するシステムインテグレーションにより、新たな価値を創造する特長ある製品とサービスをスピーディに提供してまいります。

さらに、集中事業推進の加速と新規事業の拡大のため業界を越えた協業等を推進してまいります。

① 集中事業への取組み

 ア.オフィス市場向けの製品、サービス提供

通信インフラの更なる高度化(高速化、多様化等)と市場環境変化(IP化、クラウド化等)に追従し、従来のキーテレホン製品展開から特定市場向けサービスを展開するビジネスホンソリューション、IPによる音声通信サービスを提供するIP-VOICEソリューション、UTM等に代表されるIPネットワークソリューション、さらにIoTソリューション、映像ソリューション等のクラウドサービス展開により事業領域を拡大してまいります。

 イ.アミューズメント市場向けの製品、サービス提供

お客様戦略に基づいた製品のタイムリーな提供に加え、機器売りからサービス売りへ営業スタイルを変革することで事業付加価値を高め、安定した収益を確保し、当事業基盤を強化いたします。

 ウ.システムインテグレーション事業

音声通信に関連する事業で培ってきた当企業グループの強みであるVoIPソリューションに加えて、音声とデータの融合や通信インフラの更なる高度化に対応したネットワークインテグレーションおよび、それらを活用したデータ連携ソリューションを展開するとともに、IoT、映像等を含むシステムインテグレーションに取組んでまいります。

② 新規事業の創出

 ア.R&Dと事業の創生

新たな市場開拓や新技術の研究開発および将来の新規ビジネスのため、積極的に経営資源を投入し、当企業グループが保有するリソースを効果的に活用するとともに、クラウド、IoT、映像等の技術により、新規事業を創生し、事業領域の拡大を図ってまいります。

 イ.ストックビジネスの確立

お客様の利便性や導入負担の軽減等を実現する新たなビジネスモデルとして、クラウドサービス等を活用したストックビジネスを確立してまいります。

③ グローバル展開

当企業グループが保有する商材・技術を有効活用することで、欧州、米州へは、法制化の動きに伴い需要が高まる光火災警報装置を投入、また、カンボジアを始めとしたアジア諸国へは、セキュリティ製品を中心に国内外企業との協業を進め、それぞれ事業拡大を目指してまいります。

④ EMSおよびDMSの拡大

当企業グループが保有する生産機能を有効的かつ最大限に活用し、市場環境に柔軟に対応しながら生産機能を有しない企業への機能サポートと加工受託領域の拡大を図ってまいります。

(2)  経営基盤の強化

当企業グループは、「あるべき姿に向けた収益構造への変革」のため、事業を支える収益基盤の確立と経営を支える経営基盤の構築に継続して取組んでまいります。

当事業年度に実施いたしましたグループ機能の最適化につきましては、その高度化に継続して取組み、グループガバナンスの強化とスピードある事業推進体制の構築をさらに進めてまいります。

① 事業の効率化

各事業が属する市場の環境や将来性と収益性を見極めたうえで、事業構造に見合った経営資源の最適化を図ってまいります。

また、事業構造の変化にタイムリーに対応し、より効率的な事業運営を行ってまいります。

② 財務体質の強化

企業価値向上のため、資本効率を高めるとともに、開発および投資の効率向上ならびにサプライチェーンマネジメントを強化し、棚卸資産の圧縮や保有資産などの見直しを推進することで、資産効率の向上を図ってまいります。

また、グループ内の資金活用による有利子負債の圧縮など資金効率を高めてまいります。

③ 要員の適正化

事業構造の変化に対応する人材の質的転換を図るため、人材の育成強化や事業転換に必要な人材の確保に積極的に取組んでまいります。

④ コーポレートガバナンスの強化

当企業グループは、コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示内容に沿ったガバナンス体制を構築しておりますが、企業価値の最大化に向け、継続してコーポレートガバナンスの強化に取組んでまいります。

 

(株式会社の支配に関する基本方針)

(1)  基本方針の内容

当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えております。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。

しかし、当社株式の大量取得行為またはその申し入れの中には、次のものも想定されます。

①  買収の目的や買収後の経営方針等に鑑み、当社のグループ企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがあるもの

②  株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの

③  当社に、当該買付けに対する代替案を提示するために合理的に必要な期間を与えることなく行われるもの

④  当社株主に対して、買付内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供することなく行われるもの

⑤  買付けの条件等(対価の価額・種類、買付けの時期、買付けの方法の適法性、買付けの実行の可能性等)が当社の本源的価値に鑑み、著しく不十分または不適当なもの

このような当社株式の大量取得行為またはその申し入れを行う者は、例外的に、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切な者と考えています。このような行為から当社の経営理念やブランド、株主をはじめとする各ステークホルダー(利害関係人)の利益を守るのは、当社の経営を預かるものとして当然の責務であると認識しております。

 

(2)  基本方針の実現に資する具体的な取組み

①  基本方針の実現に資する特別な取組み

当企業グループは、「独創的な技術を核に、新しい価値を創造し、活力とゆとりある社会の発展に貢献する」を経営理念に掲げ、「つなげる技術の、その先へ。」をコーポレートメッセージとして、「持続成長可能な事業への転換」および「あるべき姿に向けた収益構造への変革」を中期経営計画の基本方針と位置付け、事業の拡大および経営基盤の強化を推進するとともに、お客様視点に立った安心、安全、快適、便利を実現するソリューションをタイムリーに提供し続けることを目指してまいります。

まず、「事業の拡大」につきましては、「持続成長可能な事業への転換」のために事業の集中と効率化を確実に実行するとともに、グループ事業の領域拡大による収益の拡大を目指してまいります。

次に、「経営基盤の強化」につきましては、「あるべき姿に向けた収益構造への変革」のため、事業を支える収益基盤の確立と経営を支える経営基盤の構築に継続して取組んでまいります。

また、当企業グループは、コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示内容に沿ったガバナンス体制を構築しておりますが、企業価値の最大化に向け、継続してコーポレートガバナンスの強化に取組んでまいります。

②  基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成28年6月29日開催の第13回定時株主総会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、「本ルール」といいます。)を株主の皆様のご承認をもって導入(更新)いたしました。

本ルールは、当社株式の大量取得行為が行われる際に、当社が本ルールに定める対応を行うことにより、濫用的な買付行為を抑止し、当社のグループ企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、または向上させることを目的としています。

 

本ルールは、次の「ア.」または「イ.」に該当する買付けまたはその申し入れ(以下あわせて「買付け等」といいます。)がなされる場合に、買付け等を行う買付け者および買付提案者(以下「買付者等」といいます。)に対し、事前に当該買付け等に関する情報の提供を求め、当該買付け等について情報収集、検討等を行うために合理的に必要な期間を確保したうえで、株主の皆様に当社経営陣の意見表明や代替案を提示したり、買付者等との交渉等を行っていくための手続きを定めています。

ア.当社が発行者である株券等について保有者の株券等の株券等保有割合の合計が20%以上となる買付け

イ.当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け

本ルールの詳細は、当社のインターネットウェブサイト

(http://www.saxa.co.jp/ir/stock/information.html)をご参照ください。

 

(3) 具体的な取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

当社取締役会は、基本方針の実現に資する具体的な取組みは、以下の事項を考慮し織り込むことにより、基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

①  あらかじめ買収防衛策を導入することにより、濫用的な買付行為を抑止すること

②  株主の皆様の意思を法的に明確な形で反映させるため、買収防衛策の導入の決定を株主総会の決議事項とし、株主総会の決議を経て買収防衛策を導入すること

③  防衛策発動に関して基本方針に沿った合理的、客観的要件が設定されていること

④  独立性の高い独立委員会の設置および防衛策発動の際には必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること

⑤  本ルールの有効期限を平成31年3月期に関する定時株主総会終結の時までとし、株主総会または取締役会によりいつでも廃止できること

 

 

4 【事業等のリスク】

当企業グループの経営成績、財政状況およびキャッシュ・フロー等の業績に影響を及ぼし、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、次のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において、当企業グループが判断したものであります。

 

(1) 経済環境に関するリスク

① 経済動向について

当企業グループは、主に情報通信ネットワーク関連市場における経済状況の影響を受けます。この市場における景気後退とそれに伴い需要が縮小した場合、当企業グループの業績および財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、資材等のコスト低減を目的に中国、東南アジア等から調達およびこれらの地域に製造委託しており、これらの地域の経済情勢や治安状況などが悪化することにより、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性もあります。

② 為替および金利の変動について

当企業グループの外貨建での取引は、輸入超過の状態であり、為替相場の変動によって影響を受けます。

当企業グループでは、一部に為替予約等の対応策を講じておりますが、円安傾向が強まった場合は調達価格を押し上げ、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当企業グループは金利変動リスクにもさらされており、リスク回避のための様々な手段を講じておりますが、急激な金利変動は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 株式市況の変動について

国内の株式市場の動向は、当企業グループの保有する株式の評価額に大きく影響を及ぼします。したがって、株式市場が低迷した場合、保有株式の評価損の計上や企業年金資産の運用損の発生等により、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 当企業グループの事業活動に関するリスク

① 市場環境について

当企業グループが関連する情報通信ネットワーク関連市場は、急速な技術革新の進展や激しい競争にさらされております。市場要求に対応した新商品のタイムリーな提供とサービスの向上により市場シェアの拡大に努めてまいりますが、競合会社の新たな市場参入とシェア獲得競争により、当企業グループの商品・サービスが激しい価格競争にさらされ、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 生産活動について

当企業グループの生産活動には、資材、部品、製造装置その他供給品のタイムリーな調達が不可欠です。当企業グループでは、生産体制・調達体制の革新を図り、必要な資材等をタイムリーかつ適正な価格で確保して効率的な生産活動を遂行しておりますが、供給の遅延、中断や業界内の需要増加等があった場合、必要な資材等を効率的に確保できない可能性があります。これらのリスクは当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 技術革新および顧客ニーズへの対応について

当企業グループは、常に技術、市場の変化を的確に捉え、お客様のニーズに応える新商品の開発に努めてまいりますが、それらの商品をタイムリーに提供することが出来ない場合、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、市場の要求するサービスの多様化等により新商品の開発過程が長期化した場合、当企業グループの商品が市場に投入される前から陳腐化し商品性を失う可能性があります。

④ 人材の確保について

当企業グループはさらなる成長を目指すために、優秀な人材を確保し、維持する必要がありますが、その人材を確保できなかった場合、または多数離職した場合、当企業グループの事業目的の達成が困難になる可能性があります。

 

(3) 法的規制および訴訟に関するリスク

① 欠陥商品の発生

当企業グループは、「ISO9001」認証を取得し、商品の品質保証には細心の注意を払っておりますが、経時変化や、想定外の品質異常等により、将来的に当企業グループの商品に欠陥が発生しないという保証はありません。

欠陥が発生し、製造物賠償責任保険での補償を超える損害賠償の請求や当企業グループの信用失墜は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 情報の流出について

当企業グループは、事業遂行に関連して、機密情報・個人情報を保有しており、情報漏洩対策やウィルス防御システムの導入など、これらの情報の管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性は皆無ではありません。

このような事態が生じた場合、社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担やブランド価値の低下が発生し、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 環境に関する規制について

当企業グループの事業活動は、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用および取扱い、廃棄物処理、商品リサイクル等を規制する様々な環境法令の適用を受けており、過去、現在、将来の事業活動に関し環境責任リスクがあります。

当企業グループでは「ISO14001」に基づく環境マネジメントシステムをグループ全体で構築し、環境保全活動に取組んでおりますが、将来、環境に関する規制が一層厳しくなり、有害物質等の除去義務が追加された場合、これらに係る費用が発生し、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ その他法的規制等について

当企業グループが関連する事業は国内または国際的規制に従って行っております。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、電気製品の安全性および電気通信事業の変更に関する法規制、国の安全保障に関する法規制および輸出入に関する法規制等があります。

これらの法規制や当局の法令解釈が従来よりも厳しくなることなどにより、当企業グループがこれら法規制に従うことができなくなった場合、当企業グループの事業活動は制限を受けることになり、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) その他のリスクについて

① 災害等による影響について

当企業グループは、製造ラインの中断や取引先の影響等による生産能力の低下等を最小にするために、定期的な災害防止のための検査と設備点検を行っております。しかし、生産拠点および顧客や仕入先における地震、風水害、停電等による予期せぬ事業活動に対する影響は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 退職給付債務について

当企業グループでは、キャッシュ・バランス型確定給付企業年金制度を適用しており、市場金利や株式市況の変動によるリスクを最小限に留める対策を講じておりますが、割引率の低下や運用の利回りの悪化は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 会計基準等の変更について

当企業グループでは、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して会計処理を行っておりますが、会計基準の設定や変更により従来の会計方針を変更した場合に、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当企業グループにおける研究開発活動は、ネットワークソリューション分野およびセキュリティソリューション分野について、事業運営に直結した新技術、新商品の開発のほか、クラウドサービスおよびIoT(Internet of Things)等の環境変化により益々高度化する情報通信ネットワークに対応した各種通信技術(IP、無線等)、各種センシング技術(画像認識、検出)、情報セキュリティ、これらと連携したクラウドサービスの研究開発を進めております。

当連結会計年度は、安心、安全、快適、便利を実現するソリューションを提供するために必要となる音声、映像、データおよびアプリケーションに関わる研究開発に重点をおき活動を行いました。

なお、当連結会計年度の研究開発費総額は、53億3千3百万円であります。

 

(1) ネットワークソリューション分野の商品開発

情報セキュリティの強化や業務効率化および円滑なコミュニケーションを実現するための「Office AGENT」シリーズを構成するネットワーク機器、音声と情報通信を融合させたキーテレホンシステム、安心かつ効率的な業務をサポートするアプリケーションサーバの開発などを進めてまいりました。

ネットワークソリューション分野の研究開発費の金額は、34億3千9百万円であります。

 

(2) セキュリティソリューション分野の商品開発

画像認識技術を活用した安全監視システムの開発、非接触ICカードリーダー技術を活用した認証・決済・セキュリティ機器の開発を進め、さらに各種センサのデータとネットワークを活用した見える化ソリューションの開発を進めてまいりました。

セキュリティソリューション分野の研究開発費の金額は、16億8千8百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態および経営成績の分析は、以下のとおりであります。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針および見積り

当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示ならびに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定の設定を行わなければなりません。

当企業グループの経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

特に、以下の重要な会計方針が、当企業グループの連結財務諸表の作成において使用された重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。

①  売掛金、貸付金等の債権については、決算日以降に発生すると予測される貸倒損失に備えるため、適正な見積りに基づき貸倒引当金を計上しておりますが、顧客等の財政状況が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

②  製品保証費用については、出荷済製品のアフターサービス費用等の発生に備え、過去の実績に基づくアフターサービス費用の見積りに基づき製品保証引当金を計上しております。三現主義の徹底と広範囲にわたる品質管理システムの運用により品質向上に努めておりますが、実際の品質不良率または修理コストが見積りと異なった場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。

③  投資については、回復可能性があると認められない株式等の評価減を実施しておりますが、投資先の財政状態が悪化した場合、評価損の追加計上の可能性があります。

④  繰延税金資産については、将来の課税所得および継続的な税務計画を検討し、回収可能性が高いと考えられる金額に減額するため評価性引当金を計上しております。この評価性引当金は当連結会計年度末で判断したものであり、将来の課税所得および税務計画の変更等により追加計上または取崩しが発生する可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当事業年度の売上高は、加工受託の減少はありましたが、マイナンバー制度の施行に伴うネットワークセキュリティ機器の受注の増加やシステム受託開発などシステムインテグレーション事業の受注増加により462億7百万円(前期比 6.0%増)となりました。

ネットワークソリューション分野の売上高は、256億4千万円(前期比 20.0%増)となりました。これは、当企業グループの強みであるIPネットワーク技術を活用したオフィス市場向けネットワークセキュリティ関連機器やシステムインテグレーション事業の受注が増加したことによるものです。

セキュリティソリューション分野の売上高は、205億6千6百万円(前期比 7.4%減)となりました。これは、アミューズメント市場向けの部品加工受託等が減少したことによるものです。

当連結会計年度の利益面では、為替変動の影響はありましたが、売上高の増加や総原価低減の取組み効果等により経常利益は17億6千万円(前期比 404.4%増)となりました。また、退職給付信託設定に伴う特別利益の計上はありましたが、要員の適正化のための施策を含めた経営構造改革費用を特別損失に計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益は5億4千万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失1億6千5百万円)となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当企業グループの主力市場である情報通信ネットワーク関連市場においては、光ネットワークをはじめとしたブロードバンド化の進展に伴い、多様化、高度化したネットワークを活用した様々な事業が生まれるなど大きな変化が続いております。

このような市場環境の変化と資材調達環境の変化により、当企業グループの業績も影響を受けます。

また、経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、「4[事業等のリスク]」に記載しております。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

当企業グループは、多様化するお客様のニーズにお応えするため、お客様視点に立った安心、安全、快適、便利な環境を実現するソリューションをタイムリーに提供し続け、事業成長に向けた収益体質改善のための諸施策に取組んでまいります。

 

(5) 資本の財源および資金の流動性についての分析

①  キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増加はありましたが、税金等調整前当期純利益および減価償却費の計上などにより21億3千7百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、新商品の開発に伴うソフトウェアおよび金型の取得などにより13億9千7百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済および社債の償還などはありましたが、長期借入などを行ったことにより1億9千万円の収入となりました。

その結果、当期末における現金及び現金同等物は、前期末残高に比べ9億3千5百万円増加し、72億5百万円となりました。

②  資金需要と財務政策

当企業グループは、運転資金および設備投資資金につきましては、内部資金を充当し、必要に応じ金融機関からの借入により調達することとしております。このうち借入による資金調達に関しましては、運転資金については主に期限が1年以内の短期借入金により調達しており、設備投資資金等については長期借入金等により調達しております。

また、資産効率の向上、営業活動によるキャッシュ・フローの確保およびシンジケーション方式によるコミットメントライン70億円を含む未使用借入枠132億3千1百万円により、当面の運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

当企業グループが関連する情報通信ネットワーク関連市場は、急速な技術革新と競争の激化などによりめまぐるしく変化する環境下にありますが、当企業グループは、このような変化に柔軟に対応し、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう心がけております。

なお、具体的な方針等につきましては、「3[対処すべき課題]」に記載しております。