当企業グループは、当企業グループの不適切な会計処理等の問題に関して、2020年10月7日付「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」で公表いたしました特別調査委員会の調査報告書記載の再発防止策の提言を踏まえ、2020年11月16日付「再発防止策の策定について」を、また、同年12月4日付で「改善報告書」をそれぞれ公表し、改善措置を実行しております。
改善措置全てを確実に実行することが、事業上、財務上の課題を解決するための最優先課題であると判断しております。
このような状況の中で、当企業グループは、「独創的な技術を核に、新しい価値を創造し、活力とゆとりある社会の発展に貢献する」を経営理念に、新たに2021年1月、当企業グループのビジョンおよび行動指針を制定しました。
そして、2021年度から2023年度の3か年を計画期間とした中期経営計画(サクサは変わる。)を策定し、「事業を変える」「財務を変える」「ガバナンスを変える」の3つの戦略に掲げ、ステークホルダーの信頼回復と企業価値向上を図ってまいります。
[ビジョン]
つなげる技術の、その先へ
心地よい暮らし、つまり
安心で安全、快適で便利な環境の実現に向けて。
つなげる技術を、さらにつなげていくこと。
それを、お客様の明日へとつなげていく、サクサです。
[行動指針]
・誠実に正しく、迅速に行動する。
・自ら考え行動する。
・変革を恐れず挑戦する。
・チームサクサとして活動する。
(1) 事業戦略(事業を変える。)
①基盤事業の収益維持
基盤事業は、長年当企業グループの「ものづくり」と収益を支えてきた事業であり、今後、事業や製品の選択と捨象を進め、コスト削減と効率化により市場シェアの拡大と収益を維持してまいります。
a. ボタン電話装置事業戦略
業界内における生き残りをかけて製品価格競争力と使い勝手の良さにより市場シェアを維持拡大してまいります。
b. アミューズメント事業戦略
アミューズメント事業は、カードリーダーユニット、トランスの製造、基板実装や受託開発等で構成されます。今後は、市場環境変化に合わせた事業の再編および合理化を推進してまいります。
②成長事業の収益拡大
成長事業は、積極投資を進めることで、収益を拡大してまいります。
a. セキュリティアプライアンス関連機器(UTMやストレージ機器)のプロダクト事業戦略
中堅・中小企業をメインターゲットと定め、日本市場に要求される高品質で堅牢なハードウェアと充実したサポートにより、競合製品との差別化を図ってまいります。当企業グループがボタン電話装置事業を通じて得意とする中堅・中小企業への徹底した集中戦略により、中堅・中小企業市場のシェアを拡大してまいります。
b. ソリューション事業戦略
株式会社システム・ケイが展開する、映像、AI、IoT技術を活用したソリューション事業を、M&Aやアライアンスを含む積極投資により拡大し、当企業グループの成長エンジンにしてまいります。Webマーケティングの拡充・強化、システム研究開発、セールスエンジニア等の人材への投資を積極的に行い、顧客ニーズの集積と提案営業活動により収益を拡大してまいります。また、同社に蓄積されたノウハウを基に、マルチベンダーの強みと技術力を活かし、お客様のニーズにマッチングした商材を適切に提供する新たなECシステムを構築してまいります。
③SAXA-DXサービスプラットフォーム
お客様のデジタル変革を支援するために「SAXA-DXサービスプラットフォーム」をインフラとして提供開始し、2023年までに完成を目指してまいります。新型コロナウイルスの世界的な流行により、企業を取り巻く事業環境は急激に変化し、新たな事業環境にあわせた事業変革・デジタル変革はあらゆる業界において最優先の取組み事項となっております。しかしながら、当企業グループのボタン電話装置事業のメインターゲットである中堅・中小企業では、「IT人材不足」「働き方改革」「売上向上」の課題があります。このような環境において新たに3つのデジタル革新「次世代情報セキュリティ対策」「次世代ワークスタイル支援」「次世代コミュニケーション活用」により、お客様の課題解決、DXを支援してまいります。
【次世代情報セキュリティ対策】
企業を狙うサーバー攻撃の脅威が多様化・巧妙化し、従来のネットワーク境界防御では情報漏えいの脅威を防ぎきれなくなっております。この攻撃に対する防御、PCやサーバーの故障やウイルス感染による企業存続リスク回避を、十分な知識を持つIT担当者が不在でも解決することができます。
【次世代ワークスタイル支援】
生産年齢人口の減少で人手不足が深刻な問題になるなか、人材の確保や維持のためには、多様で柔軟な働き方、ワークライフバランスを重視できる職場環境の提供が求められています。このような環境において、お客様の資産(IT機器のコンディションや従業員の心身)の状況、業務内容の可視化から、新たな気づき、課題を発見し、生産性の高い新しいワークスタイルの実現を支援してまいります。
【次世代コミュニケーション活用】
社内外会議や商談ではITを活用したコミュニケーションが進んでおりますが、対面ならば可能な目配せや、表情、しぐさなどのコミュニケーションに必要な情報が、リモートワーク環境で不足しがちになりますので、それらをデジタル技術で補完し、生産性を向上させる組織コミュニケーション環境を提供してまいります。
(2) 財務戦略(財務を変える。)
保有資産を有効活用することで、資本効率の向上に資するとともに、それによって得られる資金を事業の成長投資に振り向けてまいります。
①政策保有株式の縮減
政策保有株式は原則売却を進めてまいります。
②保有不動産の活用
保有する不動産の有効活用を進めてまいります
a. 神奈川県相模原市に保有する不動産の収益化
b. 栃木県那須塩原市他、保有する不動産の流動化
③財務レバレッジを効かせる
財務レバレッジを効かせて、成長投資や自己資本の適正化を進めてまいります。
(3) ガバナンス戦略(ガバナンスを変える。)
①コーポレートガバナンス改革
企業価値を低下させた不正防止に向けた仕組みを早期に構築し、実効性を伴って定着させて、コーポレートガバナンスを再構築することにより、ステークホルダーへの信頼を回復してまいります。
a. ガバナンス体制の再構築
b. グループ経営体制の強化
c. グループ内部統制室の設置
d. 内部監査の強化、監査体制の強化、監査室と監査役および会計監査人との連携強化
e. 内部通報制度の改訂
f. 人事ローテーションの実施
g. 企業風土改革
h. 会計知識教育
i. 財務報告に係る内部報告制度の全社的な内部統制および決算・財務報告プロセスおよび業務プロセスの改善
②グループ企業の再編
a. プロダクト事業とソリューション事業の両利き経営
サクサ株式会社の子会社である株式会社システム・ケイを、サクサホールディングス株式会社の子会社とし、ソリューション事業を展開する中核会社に位置付け、M&Aやアライアンス、グループ内のリソースシフトにより事業拡大を図ってまいります。これまで事業中核会社であったサクサ株式会社は、プロダクト事業を展開する中核会社とし、株式会社システム・ケイとのツートップ体制といたします。
b. プロダクト事業の再編
プロダクト事業の中核会社であるサクサ株式会社のもと、開発機能(サクサシステムエンジニアリング株式会社)・生産機能(サクサテクノ株式会社)・保守、アフターサービス機能(サクサビジネスシステム株式会社)のバリューチェーンを再構築し、それぞれの機能を強化してまいります。
c. 生産機能の集約
防災関連機器、アミューズメント市場向けトランス、各種ブザー等を製造販売するサクサプレシジョン株式会社は、サクサテクノ株式会社に統合します。グループ内で分割されている生産機能を集約して生産一貫体制を確立するとともに、間接部門を統合することによりコストを削減してまいります。
当企業グループの経営成績、財政状況およびキャッシュ・フロー等の業績に影響を及ぼし、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、次のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において、当企業グループが判断したものであります。
(1) 経済環境に関するリスク
①経済動向について
当企業グループは、国内売上比率が高く、日本国内の情報通信ネットワーク関連市場およびアミューズメント市場の経済状況の影響を受けます。これらの市場における景気後退とそれらに伴い需要が縮小した場合、当企業グループの業績および財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、資材等のコスト低減を目的に中国、東南アジア等からの調達およびこれらの地域に製造委託しており、これらの地域の経済情勢や治安状況などが悪化することにより、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性もあります。
②為替および金利の変動について
当企業グループの外貨建での取引は、輸入超過の状態であり、為替相場の変動によって影響を受けます。
当企業グループでは、一部に為替予約等の対応策を講じておりますが、円安傾向が強まった場合は調達価格を押し上げ、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当企業グループは金利変動リスクにもさらされており、リスク回避のための様々な手段を講じておりますが、急激な金利変動は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③株式市況の変動について
国内の株式市場の動向は、当企業グループの保有する株式の評価額に大きく影響を及ぼします。したがって、株式市場が低迷した場合、保有株式の評価損の計上や企業年金資産の運用損の発生等により、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 当企業グループの事業活動に関するリスク
①市場環境について
当企業グループが関連する情報通信ネットワーク関連市場は、急速な技術革新の進展や激しい競争にさらされております。市場要求に対応した新商品のタイムリーな提供とサービスの向上により市場シェアの拡大に努めてまいりますが、競合会社の新たな市場参入とシェア獲得競争により、当企業グループの商品・サービスが激しい価格競争にさらされ、競争の結果、想定した需要が得られない場合や商品価格が大きく下落する場合は、棚卸資産として計上されている商品の評価損処理等を行う可能性があり、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、アミューズメント市場は、規制環境や市場環境が大きく変化しており、事業規模に見合った事業効率化を図っておりますが、法的規制等に重大な変更が加えられた場合、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②生産活動について
当企業グループの生産活動には、資材、部品、製造装置その他供給品のタイムリーな調達が不可欠です。当企業グループでは、生産体制・調達体制の革新を図り、必要な資材等をタイムリーかつ適正な価格で確保して効率的な生産活動を遂行しておりますが、供給の遅延、中断や業界内の需要増加等があった場合、必要な資材等を効率的に確保できない可能性があり、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③技術革新および顧客ニーズへの対応について
当企業グループは、常に技術、市場の変化を的確に捉え、お客様のニーズに応える新商品の開発に努めてまいりますが、それらの商品をタイムリーに提供することができない場合、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、市場の要求するサービスの多様化等により新商品の開発過程が長期化した場合、当企業グループの商品が市場に投入される前から陳腐化し商品性を失う可能性があります。
④システム開発リスク
当企業グループがお客様にシステムやサービスを提供するシステムインテグレーション事業では、一般に請負契約の形態で受注を受けてから納期までにシステムを完成し、お客様に提供する完成責任を負っていますが、当初想定していた見積もりからの乖離や、開発段階において、プロジェクト管理等に問題が発生した場合、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害に対する賠償金の支払い等により、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤特定の取引先への販売依存について
当企業グループの取引において、一部の取引先への連結売上高に占める依存度が高くなっており、当該取引先が事業または技術上の重大な問題もしくは調達方針の変更など、何らかの理由により当企業グループの取引額が減少した場合、当企業グループの業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥人材の確保について
当企業グループはさらなる成長を目指すために、優秀な人材を確保し、維持する必要がありますが、その人材を確保できなかった場合、または多数離職した場合、当企業グループの事業目的の達成が困難になる可能性があります。
(3) 法的規制および訴訟に関するリスク
①欠陥商品の発生
当企業グループは、「ISO9001」認証を取得し、商品の品質保証には細心の注意を払っておりますが、経時変化や、想定外の品質異常等により、将来的に当企業グループの商品に欠陥が発生しないという保証はありません。
欠陥が発生し、製造物賠償責任保険での補償を超える損害賠償の請求や当企業グループの信用失墜は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②情報セキュリティに関するリスクについて
当企業グループは、事業遂行に関連して、機密情報・個人情報を保有しており、情報漏洩対策やウイルス防御システムの導入など、これらの情報の管理に万全を期しておりますが、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故など予期せぬ事態により流出する可能性は皆無ではありません。
このような事態が生じた場合、社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担やブランド価値の低下が発生し、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③環境に関する規制について
当企業グループの事業活動は、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用および取扱い、廃棄物処理、商品リサイクル等を規制するさまざまな環境法令の適用を受けており、過去、現在、将来の事業活動に関し環境責任リスクがあります。
当企業グループでは「ISO14001」に基づく環境マネジメントシステムをグループ全体で構築し、環境保全活動に取組んでおりますが、将来、環境に関する規制が一層厳しくなり、有害物質等の除去義務が追加された場合、これらに係る費用が発生し、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④その他法的規制等について
当企業グループが関連する事業は国内または国際的規制に従って行っております。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、電気製品の安全性および電気通信事業の変更に関する法規制、国の安全保障に関する法規制および輸出入に関する法規制等があります。
これらの法規制や当局の法令解釈が従来よりも厳しくなることなどにより、当企業グループがこれら法規制に従うことができなくなった場合、当企業グループの事業活動は制限を受けることになり、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤コンプライアンスに関するリスク
当企業グループは企業倫理の確立による健全な事業活動を基本とする「グループ企業行動憲章」と「グループ行動規範」を定め、コンプライアンス推進体制を構築し、役員および社員等への教育啓蒙活動を推進し、企業倫理の向上および法令順守の強化に努めています。
しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全に回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当企業グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担やブランド価値の低下が発生し、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) その他のリスクについて
①災害等による影響について
当企業グループは、地震、風水害、停電等の災害に備え、開発・製造設備や各種情報を保管する情報システム関連設備等に対して定期的に点検、検査およびバックアップなどを整備しています。
しかしながら、これによって、災害等による被害を完全に排除できることを保証するものではなく、当企業グループの事業活動に悪影響を与え、かつ、物的、人的な損害に関する費用を発生させ、当企業グループの業績と財政状況にも悪影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの未知の感染症の世界的な流行は、当企業グループ部品調達の遅延等、生産活動への影響を及ぼす可能性があり、経過によっては、当企業グループの事業活動は制限を受けることになり、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②退職給付債務について
当企業グループでは、キャッシュ・バランス型確定給付企業年金制度を適用しており、市場金利や株式市況の変動によるリスクを最小限に留める対策を講じておりますが、割引率の低下や運用の利回りの悪化は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③会計基準等の変更について
当企業グループでは、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して会計処理を行っておりますが、会計基準の設定や変更により従来の会計方針を変更した場合に、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当企業グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済環境は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に対し2020年4月に緊急事態宣言が発出され、感染拡大防止に向けて企業活動や消費者の行動が大幅に制限される中、景気が急速に悪化の傾向を辿りました。同宣言解除後は、段階的に経済活動再開に向けた施策により回復の兆しが見られたものの、その後の新規感染の再拡大から、2021年1月に1都2府8県に再び緊急事態宣言が発出されるなど、感染収束時期が見通せない状況が続き、依然として厳しい状況が継続いたしました。
上記感染症の拡大に伴い、当企業グループでは、資材および部品の調達の遅延等、生産活動に遅れが生じるなど、サプライチェーンの一部に影響がありました。
さらに、2020年10月に発生した旭化成マイクロシステム株式会社の半導体製造工場の火災により、同工場で生産され、当社が生産、販売するキーテレホンシステムなどの製品の一部に使用する電子部品の調達が困難となるなど、部品調達リスクが顕在化しました。
当企業グループが属する国内オフィスの情報通信ネットワーク関連市場(以下「オフィス市場」という。)およびアミューズメント市場環境については、オフィス市場では、多くの企業がテレワークの推進でオフィスでの働き方の見直しが急速に進んだことにより、社外から社内システムにアクセスする機会が高まる一方で、テレワーク環境下でのサイバーセキュリティ攻撃の脅威が急速に増加したことで、ネットワークセキュリティ対策の取組みの必要性も同時に高まりました。
一方、アミューズメント市場では、店舗の休業や時短営業等やそれに伴う投資意欲の冷え込み等店舗の売上減少が続いている状況でした。
このような環境の中で、当企業グループは、「成長事業の成果創出と変革」を基本方針とし、成長事業のさらなる成長の加速と新規事業の創出に向けた変革を推進し、事業規模と事業領域の拡大に向け「成長事業(ネットワーク事業、映像事業)への取組み」、「新規事業の創出」および「既存事業の効率化」ならびに「経営基盤の強化」に取組んでまいりました。
当連結会計年度の売上高は、36,561百万円(前年同期比2,738百万円減少)となりました。成長および新規事業では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴う企業のテレワーク推進に向けた環境整備、情報セキュリティ強化等の需要を満たしたネットワークセキュリティ製品の受注増加はありましたが、前期から提供を開始したOEMオフィスゲートウェイの需要一巡に伴う受注減少により、8,560百万円(前年同期比279百万円減少)、既存事業では、部品調達リスクが顕在化したことに伴うキーテレホンシステムの買込み需要やEMSの受注増加はありましたが、アミューズメント市場向けの製品および加工受託している部品の大幅受注減少などにより、28,001百万円(前年同期比2,460百万円減少)となりました。利益面では、売上高は減少したものの、販売機種構成の変動、コロナ禍に伴う活動経費の減少に加え、過年度決算訂正による減価償却費他の減少等により、経常利益が2,269百万円(前年同期比0百万円減少)となり、特別損失として過年度決算訂正関連費用等を1,994百万円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は217百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益974百万円)となりました。
分野別の営業の概況は、次のとおりです。
(ネットワークソリューション分野)
ネットワークソリューション分野の売上高は、24,798百万円(前年同期比1.3%減少)となりました。これは、自社ブランドおよび特定顧客向けのキーテレホンシステムならびにネットワークセキュリティ製品の売上増加はありましたがシステムインテグレーション等の売上が減少したことによるものです。
(セキュリティソリューション分野)
セキュリティソリューション分野の売上高は、11,762百万円(前年同期比17.0%減少)となりました。これはアミューズメント市場向けの製品および加工受託している部品の売上が大幅減少したことによるものです。
当期の財政状況の概況は、次のとおりです。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上はありましたが、保有株式の時価の増加によるその他有価証券差額金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ514百万円増加し23,033百万円、総資産が1,192百万円減少し36,483百万円となったことにより、自己資本比率は62.6%となりました。
増減の主なものは、以下のとおりです。
流動資産では、棚卸資産の増加はありましたが、受取手形及び売掛金の回収などにより1,486百万円減少いたしました。
固定資産では、有形固定資産が建物及び構築物等が新規取得により38百万円増加し、投資その他の資産が時価評価による投資有価証券の増加などにより263百万円増加しております。
負債では、借入金が返済により577百万円、支払手形及び買掛金が725百万円それぞれ減少しております。
当期末における現金及び現金同等物は、前期末残高に比べ148百万円増加し、7,808百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費の計上および売上債権の減少などにより1,903百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、新商品の開発に伴うソフトウェアおよび金型の取得などにより1,087百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済などにより679百万円の支出となりました。
当企業グループは、事業区分が単一セグメントでありますが、本項目における分野別情報は、前連結会計年度と同一の区分によっております。
当連結会計年度における生産実績を分野別に示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 上記のほか下記の仕入製品があります。
(注)1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績を分野別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績を分野別に示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合
(注)1 NTTグループは、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社およびエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社等であります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において判断したものであります。
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示ならびに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定の設定を行わなければなりません。
当企業グループの経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
特に、以下の重要な会計方針が、当企業グループの連結財務諸表の作成において使用された重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せない状況や部品調達リスクの顕在化等、当企業グループの事業活動に与える影響を合理的に反映することが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
a. 機器組込みソフトウェア(販売目的ソフトウェアのうち、連結子会社であるサクサ株式会社にかかるもの) は定額法により減価償却費を計上しており、販売可能な見込有効期間に基づく償却額を計上しております。また各年度の未償却残高が、翌連結会計年度以降の見込販売収益の金額を超過している場合には、当該超過額について、一時の費用又は損失として処理しております。見込販売収益の算出に用いた主要な仮定は、見込販売数量であり、見込販売数量は市場環境の変化に影響を受けるため、見積りの不確実性が高く、情報通信ネットワーク製品の陳腐化に伴い、見込販売収益が大幅に減少した場合には、一時に費用又は損失が発生する可能性があります。
b. 売掛金、貸付金等の債権については、決算日以降に発生すると予測される貸倒損失に備えるため、適正な見積りに基づき貸倒引当金を計上しておりますが、顧客等の財政状況が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c. 製品保証費用については、出荷済製品のアフターサービス費用等の発生に備え、過去の実績に基づくアフターサービス費用の見積りに基づき製品保証引当金を計上しております。三現主義の徹底と広範囲にわたる品質管理システムの運用により品質向上に努めておりますが、実際の品質不良率または修理コストが見積りと異なった場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。
d. 連結会計年度の末の受注残高のうち、損失の発生が見込まれるものについて、将来の損失に備えるため、その損失見込額を受注損失引当金として計上しております。将来、発生原価が見積額を上回ると予想される場合、追加引当が必要になる可能性があります。
e. 投資については、回復可能性があると認められない株式等の評価減を実施しておりますが、投資先の財政状態が悪化した場合、評価損の追加計上の可能性があります。
f. 繰延税金資産については、将来の課税所得および継続的な税務計画を検討し、回収可能性が高いと考えられる金額に減額するため評価性引当金を計上しております。この評価性引当金は当連結会計年度末で判断したものであり、将来の課税所得および税務計画の変更等により追加計上または取崩しが発生する可能性があります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
当企業グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、当企業グループの主力市場である情報通信ネットワーク関連市場においては、多様化、高度化したネットワークを活用した様々な事業が生まれるなど大きな変化が続いております。
このような市場環境の変化と資材調達環境の変化により、当企業グループの業績も影響を受けます。
そのため当企業グループは、このような変化に柔軟に対応し、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう心がけております。
また、経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、「2〔事業等のリスク〕」に記載しております。
当企業グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、多様化するお客様のニーズにお応えするため、お客様視点に立った安心、安全、快適、便利な環境を実現するソリューションをタイムリーに提供し続け、事業成長に向けた収益体質改善のための諸施策に取組んでまいります。
a.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b.資金需要と財務政策
当企業グループは、運転資金および設備投資資金につきましては、内部資金を充当し、必要に応じ金融機関からの借入により調達することとしております。このうち借入による資金調達に関しましては、運転資金については主に期限が1年以内の短期借入金により調達しており、設備投資資金等については長期借入金等により調達しております。
また、資産効率の向上、営業活動によるキャッシュ・フローの確保およびシンジケーション方式によるコミットメントライン7,000百万円を含む未使用借入枠13,743百万円により、当面の運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。
該当事項はありません。
当企業グループにおける研究開発活動は、ネットワークソリューション分野およびセキュリティソリューション分野について、事業運営に直結した新技術、新商品の開発のほか、デジタルトランスフォーメーションに必要な技術を確立するために研究開発(R&D)を進めています。
当連結会計年度は、安心、安全、快適、便利を実現するソリューションを提供するために必要となる音声、映像、データおよびアプリケーションに関わる研究開発に重点をおき活動しました。
なお、当連結会計年度の研究開発費総額は、
(1) ネットワークソリューション分野の商品開発
当連結会計年度のネットワークソリューション分野の研究開発費の金額は、2,308百万円です。
主な活動として、中小規模オフィスにおける情報セキュリティの強化や業務効率化および円滑なコミュニケーションを実現するための「IPネットワーク等の製品やサービスの充実」ならびに「AI画像認識技術による様々な用途に応じたソリューション技術の確立」などの開発を進めました。
(2) セキュリティソリューション分野の商品開発
当連結会計年度のセキュリティソリューション分野の研究開発費の金額は、789百万円です。
主な活動として、3GPP※(3rd Generation Partnership Project)標準化規格に準拠した「IoT向け超低消費電力LTEモジュールを活用したオール無線のシステム商品拡充」などの開発を進めました。
※3GPP:W-CDMA方式を基本とする第3世代移動通信システム(3G)、第3.9世代移動通信システムに対応するLTE、第4世代移動通信システムに対応するLTE-Advanced、さらには5G技術を扱う移動通信システムの仕様の企画検討プロジェクト
(3) 研究開発(R&D)
当連結会計年度のR&D分野の研究開発費の金額は、697百万円です。
主な活動として、新規事業の創出やビジネスモデルの変革を目指すデジタルトランスフォーメーションに向けた取組みが急加速していることを背景に、強みとするコア技術(IPネットワーク技術、センシング技術および映像認識技術)の水準を高めるためのR&Dに取組みました。IPネットワーク技術としては、「クラウド基盤の高度化・高速化に繋がる技術の確立」、センシング技術としては、「脈波のセンシング技術の確立」、映像認識技術としては、「深層学習を活用した行動解析技術の確立」を進めました。