第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当企業グループは、「独創的な技術を核に、新しい価値を創造し、活力とゆとりある社会の発展に貢献します。」を企業理念に掲げ、「つなげる技術の、その先へ。」をビジョン(目指す姿)として、当企業グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めております。

また、当企業グループは、当企業グループの不適切な会計処理等の問題に関して、2020年10月7日付「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」で公表いたしました特別調査委員会の調査報告書記載の再発防止策の提言を踏まえ、2020年11月16日付「再発防止策の策定について」、同年12月4日付で「改善報告書」をそれぞれ公表し、改善措置を実行し、2021年6月18日付で株式会社東京証券取引所に「改善状況報告書」を提出するに至り、2021年6月29日付の「財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ」のとおり、2021年3月期において、開示すべき重要な不備があり内部統制は有効でない旨を公表しておりました。2022年3月期において、すべての再発防止策の実行が完了し、開示すべき重要な不備は是正され、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしました。

このような状況の中で、2021年度から2023年度の3か年を計画期間とした中期経営計画(サクサは変わる。)を策定し、「事業を変える」「財務を変える」「ガバナンスを変える」の3つの戦略に掲げ、ステークホルダーの信頼回復と企業価値向上を図ってまいります。

 

(1) 事業戦略(事業を変える。)

①基盤事業の収益維持

基盤事業は、長年当企業グループの「ものづくり」と収益を支えてきた事業であり、今後、事業や製品の選択と捨象を進め、コスト削減と効率化により市場シェアの拡大と収益を維持してまいります。

a. ボタン電話装置事業戦略

業界内における生き残りをかけて製品価格競争力と使い勝手の良さにより市場シェアを維持拡大してまいります。

b. アミューズメント事業戦略

アミューズメント事業は、カードリーダーユニット、トランスの製造、基板実装や受託開発等で構成されます。今後は、市場環境変化に合わせた事業の再編および合理化を推進してまいります。

②成長事業の収益拡大

成長事業は、積極投資を進めることで、収益を拡大してまいります。

a. セキュリティアプライアンス関連機器(UTMやストレージ機器)のプロダクト事業戦略

中堅・中小企業をメインターゲットと定め、日本市場に要求される高品質で堅牢なハードウェアと充実したサポートにより、競合製品との差別化を図ってまいります。当企業グループがボタン電話装置事業を通じて得意とする中堅・中小企業への徹底した集中戦略により、中堅・中小企業市場のシェアを拡大してまいります。

b. ソリューション事業戦略

株式会社システム・ケイが展開する、映像、AI、IoT技術を活用したソリューション事業を、M&Aやアライアンスを含む積極投資により拡大し、当企業グループの成長エンジンにしてまいります。Webマーケティングの拡充・強化、システム研究開発、セールスエンジニア等の人材への投資を積極的に行い、顧客ニーズの集積と提案営業活動により収益を拡大してまいります。また、同社に蓄積されたノウハウを基に、マルチベンダーの強みと技術力を活かし、お客様のニーズにマッチングした商材を適切に提供する新たなECシステムを構築してまいります。

③SAXA-DXサービスプラットフォーム

お客様のデジタル変革を支援するために「SAXA-DXサービスプラットフォーム」をインフラとして提供開始し、2023年までに完成を目指してまいります。新型コロナウイルスの世界的な流行により、企業を取り巻く事業環境は急激に変化し、新たな事業環境にあわせた事業変革・デジタル変革はあらゆる業界において最優先の取組み事項となっております。しかしながら、当企業グループのボタン電話装置事業のメインターゲットである中堅・中小企業では、「IT人材不足」「働き方改革」「売上向上」の課題があります。このような環境において新たに3つのデジタル革新「次世代情報セキュリティ対策」「次世代ワークスタイル支援」「次世代コミュニケーション活用」により、お客様の課題解決、DXを支援してまいります。

[次世代情報セキュリティ対策]

企業を狙うサーバー攻撃の脅威が多様化・巧妙化し、従来のネットワーク境界防御では情報漏えいの脅威を防ぎきれなくなっております。この攻撃に対する防御、PCやサーバーの故障やウイルス感染による企業存続リスク回避を、十分な知識を持つIT担当者が不在でも解決することができます。

[次世代ワークスタイル支援]

生産年齢人口の減少で人手不足が深刻な問題になるなか、人材の確保や維持のためには、多様で柔軟な働き方、ワークライフバランスを重視できる職場環境の提供が求められています。このような環境において、お客様の資産(IT機器のコンディションや従業員の心身)の状況、業務内容の可視化から、新たな気づき、課題を発見し、生産性の高い新しいワークスタイルの実現を支援してまいります。

[次世代コミュニケーション活用]

社内外会議や商談ではITを活用したコミュニケーションが進んでおりますが、対面ならば可能な目配せや、表情、しぐさなどのコミュニケーションに必要な情報が、リモートワーク環境で不足しがちになりますので、それらをデジタル技術で補完し、生産性を向上させる組織コミュニケーション環境を提供してまいります。

 

(2) 財務戦略(財務を変える。)

保有資産を有効活用することで、資本効率の向上に資するとともに、それによって得られる資金を事業の成長投資に振り向けてまいります。

①政策保有株式の縮減

政策保有株式は原則売却を進めてまいります。

②保有不動産の活用

保有する不動産の有効活用を進めてまいります。

a. 神奈川県相模原市に保有する不動産の収益化

b. 栃木県那須塩原市他、保有する不動産の流動化

③財務レバレッジを効かせる

財務レバレッジを効かせて、成長投資や自己資本の適正化を進めてまいります。

 

(3) ガバナンス戦略(ガバナンスを変える。)

①コーポレートガバナンス改革

企業価値を低下させた不正防止に向けた仕組みを早期に構築し、実効性を伴って定着させて、コーポレートガバナンスを再構築することにより、ステークホルダーへの信頼を回復してまいります。

a. ガバナンス体制の再構築

b. グループ経営体制の強化

c. グループ内部統制室の設置

d. 内部監査の強化、監査体制の強化、監査室と監査役および会計監査人との連携強化

e. 内部通報制度の改訂

f. 人事ローテーションの実施

g. 企業風土改革

h. 会計知識教育

i. 財務報告に係る内部報告制度の全社的な内部統制および決算・財務報告プロセスおよび業務プロセスの改善

②グループ企業の再編

a. プロダクト事業とソリューション事業の両利き経営

サクサ株式会社の子会社であった株式会社システム・ケイを、2021年10月にサクサホールディングス株式会社の子会社とし、ソリューション事業を展開する中核会社に位置付けるとともに、M&Aやアライアンス、グループ内のリソースシフトにより事業拡大を図ってまいります。また、これまで事業中核会社であったサクサ株式会社は、プロダクト事業を展開する中核会社とし、株式会社システム・ケイとのツートップ体制といたしました。

b. プロダクト事業の再編

プロダクト事業の中核会社であるサクサ株式会社のもと、開発機能(サクサシステムエンジニアリング株式会社)・生産機能(サクサテクノ株式会社)・保守、アフターサービス機能(サクサビジネスシステム株式会社)のバリューチェーンを再構築し、それぞれの機能を強化してまいります。

c. 生産機能の集約

防災関連機器、アミューズメント市場向けトランス、各種ブザー等を製造販売するサクサプレシジョン株式会社は、サクサテクノ株式会社に統合いたしました。これによりグループ内で分割されていた生産機能を集約して生産一貫体制を確立するとともに、間接部門を統合することによりコストを削減してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当企業グループの経営成績、財政状況およびキャッシュ・フロー等の業績に影響を及ぼし、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、次のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において、当企業グループが判断したものであります。

(1) 経済環境に関するリスク

①経済動向について

当企業グループは、国内売上比率が高く、日本国内の情報通信ネットワーク関連市場およびアミューズメント市場の経済状況の影響を受けます。これらの市場における景気後退とそれらに伴い需要が縮小した場合、当企業グループの業績および財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、資材等のコスト低減を目的に中国、東南アジア等からの調達およびこれらの地域に製造委託しており、これらの地域の経済情勢や治安状況などが悪化することにより、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性もあります。

②為替および金利の変動について

当企業グループの外貨建での取引は、輸入超過の状態であり、為替相場の変動によって影響を受けます。

当企業グループでは、一部に為替予約等の対応策を講じておりますが、円安傾向が強まった場合は調達価格を押し上げ、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当企業グループは金利変動リスクにもさらされており、リスク回避のための様々な手段を講じておりますが、急激な金利変動は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③株式市況の変動について

国内の株式市場の動向は、当企業グループの保有する株式の評価額に大きく影響を及ぼします。したがって、株式市場が低迷した場合、保有株式の評価損の計上や企業年金資産の運用損の発生等により、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 当企業グループの事業活動に関するリスク

①市場環境について

当企業グループが関連する情報通信ネットワーク関連市場は、急速な技術革新の進展や激しい競争にさらされております。市場要求に対応した新商品のタイムリーな提供とサービスの向上により市場シェアの拡大に努めてまいりますが、競合会社の新たな市場参入とシェア獲得競争により、当企業グループの商品・サービスが激しい価格競争にさらされ、競争の結果、想定した需要が得られない場合や商品価格が大きく下落する場合は、棚卸資産として計上されている商品の評価損処理等を行う可能性があり、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、アミューズメント市場は、規制環境や市場環境が大きく変化しており、事業規模に見合った事業効率化を図っておりますが、法的規制等に重大な変更が加えられた場合、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

②生産活動について

当企業グループの生産活動には、資材、部品、製造装置その他供給品のタイムリーな調達が不可欠です。当企業グループでは、生産体制・調達体制の革新を図り、必要な資材等をタイムリーかつ適正な価格で確保して効率的な生産活動を遂行しておりますが、供給の遅延、中断や業界内の需要増加等があった場合、必要な資材等を効率的に確保できない可能性があり、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③技術革新および顧客ニーズへの対応について

当企業グループは、常に技術、市場の変化を的確に捉え、お客様のニーズに応える新商品の開発に努めてまいりますが、それらの商品をタイムリーに提供することができない場合、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、市場の要求するサービスの多様化等により新商品の開発過程が長期化した場合、当企業グループの商品が市場に投入される前から陳腐化し商品性を失う可能性があります。

④システム開発リスク

当企業グループがお客様にシステムやサービスを提供するシステムインテグレーション事業では、一般に請負契約の形態で受注を受けてから納期までにシステムを完成し、お客様に提供する完成責任を負っていますが、当初想定していた見積もりからの乖離や、開発段階において、プロジェクト管理等に問題が発生した場合、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害に対する賠償金の支払い等により、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤特定の取引先への販売依存について

当企業グループの取引において、一部の取引先への連結売上高に占める依存度が高くなっており、当該取引先が事業または技術上の重大な問題もしくは調達方針の変更など、何らかの理由により当企業グループの取引額が減少した場合、当企業グループの業績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

人材の確保について

当企業グループはさらなる成長を目指すために、優秀な人材を確保し、維持する必要がありますが、その人材を確保できなかった場合、または多数離職した場合、当企業グループの事業目的の達成が困難になる可能性があります。

 

(3) 法的規制および訴訟に関するリスク

①欠陥商品の発生

当企業グループは、「ISO9001」認証を取得し、商品の品質保証には細心の注意を払っておりますが、経時変化や、想定外の品質異常等により、将来的に当企業グループの商品に欠陥が発生しないという保証はありません。

欠陥が発生し、製造物賠償責任保険での補償を超える損害賠償の請求や当企業グループの信用失墜は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

②情報セキュリティに関するリスクについて

当企業グループは、事業遂行に関連して、機密情報・個人情報を保有しており、情報漏洩対策やウイルス防御システムの導入など、これらの情報の管理に万全を期しておりますが、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故など予期せぬ事態により流出する可能性は皆無ではありません。

このような事態が生じた場合、社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担やブランド価値の低下が発生し、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③環境に関する規制について

当企業グループの事業活動は、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用および取扱い、廃棄物処理、商品リサイクル等を規制するさまざまな環境法令の適用を受けており、過去、現在、将来の事業活動に関し環境責任リスクがあります。

当企業グループでは「ISO14001」に基づく環境マネジメントシステムをグループ全体で構築し、環境保全活動に取組んでおりますが、将来、環境に関する規制が一層厳しくなり、有害物質等の除去義務が追加された場合、これらに係る費用が発生し、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④その他法的規制等について

当企業グループが関連する事業は国内または国際的規制に従って行っております。法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、電気製品の安全性および電気通信事業の変更に関する法規制、国の安全保障に関する法規制および輸出入に関する法規制等があります。

これらの法規制や当局の法令解釈が従来よりも厳しくなることなどにより、当企業グループがこれら法規制に従うことができなくなった場合、当企業グループの事業活動は制限を受けることになり、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤コンプライアンスに関するリスク

当企業グループは企業倫理の確立による健全な事業活動を基本とする「グループ企業行動憲章」と「グループ行動規範」を定め、コンプライアンス推進体制を構築し、役員および社員等への教育啓蒙活動を推進し、企業倫理の向上および法令順守の強化に努めています。

しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全に回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当企業グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担やブランド価値の低下が発生し、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) その他のリスクについて

①災害等による影響について

当企業グループは、地震、風水害、停電等の災害に備え、開発・製造設備や各種情報を保管する情報システム関連設備等に対して定期的に点検、検査およびバックアップなどを整備しています。

しかしながら、これによって、災害等による被害を完全に排除できることを保証するものではなく、当企業グループの事業活動に悪影響を与え、かつ、物的、人的な損害に関する費用を発生させ、当企業グループの業績と財政状況にも悪影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの感染症の世界的な流行は、当企業グループ部品調達の遅延等、生産活動への影響を及ぼす可能性があり、経過によっては、当企業グループの事業活動は制限を受けることになり、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

②退職給付債務について

当企業グループでは、キャッシュ・バランス型確定給付企業年金制度を適用しており、市場金利や株式市況の変動によるリスクを最小限に留める対策を講じておりますが、割引率の低下や運用の利回りの悪化は、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③会計基準等の変更について

当企業グループでは、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して会計処理を行っておりますが、会計基準の設定や変更により従来の会計方針を変更した場合に、当企業グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当企業グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の期首から、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日、以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。この結果、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して大きく減少しており、以下の経営成績に関する説明の売上高については、増減額および前年同期比(%)を記載せずに説明しております。

また、当該会計基準等を適用したことに伴う当連結会計年度の売上高に与える影響につきましては、「第5 [経理の状況] [注記事項] (会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

①財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、依然として新型コロナウイルス感染症の影響を受けており、またウクライナ情勢等による経済活動への影響が懸念され、先行きは不透明であり、今後も厳しい状況が続くものと予想されます。

また、当企業グループにおいては、引き続き半導体を中心とした部材調達難と販売機会損失に加え、調達価格の高騰による事業活動への影響がありました。 

このような経済環境の中で、当企業グループは、2021年6月に2021年度から2023年度の3か年を計画期間とした中期経営計画(サクサは変わる。)を公表し、2026年3月期には、売上高400億円、営業利益25億円、ROE6.5%以上を長期目標に、3つの戦略「事業を変える。」「財務を変える。」「ガバナンスを変える。」を掲げ、始動いたしました。

「事業を変える。」について、連結子会社であるサクサ株式会社は、中堅・中小企業向けサイバー保険付きUTM(統合脅威管理アプライアンス)「SS6000」シリーズの販売を開始いたしました(2022年2月)。(成長事業:ITビジネス)

同じく、サクサ株式会社は「調達改革プロジェクト」を新設し、部品の調達難による販売機会損失および調達価格の高騰に、迅速かつ効率的に対応することを目的に活動を開始いたしました(2021年12月)。

また、連結子会社である株式会社システム・ケイは、株式会社アートと車両ナンバー認識システムと入退室管理システムが連携した入退場車両ナンバーシステムを共同開発し、販売を開始いたしました(2022年2月)。また、株式会社アートと日本コンピュータビジョン株式会社と新しいアクセスセキュリティの入退室顔認証システムを共同開発し、販売を開始いたしました(2022年4月)。(成長事業:ビジュアルソリューション)

サクサシステムアメージング株式会社は、サクサ株式会社と連動し、SIビジネスの拡大、経営資源の効率化を目的にサクサ株式会社を存続会社とし合併いたしました(2022年1月)。(成長事業:SIビジネス)

「財務を変える。」について、保有資産の有効活用を図るため、政策保有株式の一部売却を実施しました。また、保有不動産の流動化・収益化については、入札結果に基づき優先交渉先を決定し、交渉を開始いたしました(2022年3月)。

「ガバナンスを変える。」について、ガバナンス強化へ向けたグループ再編を実施し、プロダクト事業を展開する中核会社のサクサ株式会社とソリューション事業を展開する中核会社の株式会社システム・ケイとのツートップ体制によるグループ経営を開始いたしました(2022年1月)。また、投資家とのコミュニケーション強化に向けて、個人投資家向け会社説明会を実施いたしました(2022年3月)。さらに、今後のさらなる成長に向けて、多様な人材活用による新たな価値を創造し、多様性を受け入れ、相互に認めあう組織風土を醸成していくため、「ダイバーシティ&インクルージョン推進委員会」を新設いたしました(2021年11月)。

当連結会計年度の売上高は、30,793百万円(前年同期は36,561百万円)となりました。売上高のうち、成長事業の売上高は、9,552百万円(前年同期は10,273百万円)となり、コロナ禍に伴う働き方改革を追い風に市場環境は整っておりましたが、資材および部品の調達難によりITビジネスおよびSIビジネスの販売減少となりました。一方、基盤事業の売上高は、21,241百万円(前年同期は26,287百万円)となり、主に、資材および部品の調達難によりボタン電話装置の販売が大幅に減少いたしました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は2,416百万円減少しており、成長事業の売上高は481百万円、基盤事業の売上高は1,934百万円それぞれ減少いたしました。

利益面では、資材および部品の調達価格の高騰に伴う材料費増加に加え、前期から取組んでいる不適切な会計処理に対応した改善措置実行費用、監査報酬等の増加はありましたが、経常利益が471百万円(前年同期は2,269百万円)、投資有価証券売却益447百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,208百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失217百万円)となりました。

分野別の営業の概況は、次のとおりです。

(ネットワークソリューション分野)

ネットワークソリューション分野の売上高は、21,886百万円(前年同期は24,798百万円)となりました。これは、ビジュアルソリューションの売上増加はありましたが、ボタン電話装置およびITビジネスの売上減少によるものです。

なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は682百万円減少いたしました。

(セキュリティソリューション分野)

セキュリティソリューション分野の売上高は、8,907百万円(前年同期は11,762百万円)となりました。これは、生産受託の売上が減少したことによるものです。

なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1,733百万円減少いたしました。

 当期の財政状況の概況は、次のとおりです。

 当連結会計年度末の純資産は、配当金の支払い、子会社株式の追加取得をしたことによる非支配株主持分の減少などがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ535百万円増加し23,568百万円、総資産は433百万円増加し36,917百万円となったことにより、自己資本比率は63.8%となりました。

 増減の主なものは、以下のとおりです。

 流動資産では、当連結会計年度末後の受注を見据えた生産および部品の調達難による生産進捗未了による棚卸資産の1,308百万円増加等により流動資産全体で903百万円増加いたしました。

 固定資産では、2022年1月に実施したグループ再編後、当社および連結子会社の繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討し、繰延税金資産を計上したことにより319百万円増加しておりますが、無形固定資産がソフトウエアの償却などにより480百万円、投資有価証券が売却等により222百万円、有形固定資産が償却などにより145百万円それぞれ減少したことなどにより、固定資産全体で469百万円の減少となりました。

 負債では、資金調達のため借入金が546百万円増加しておりますが、未払法人税等が391百万円、未払金が248百万円、それぞれ支払いにより減少いたしました。

②キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物は、前期末残高に比べ815百万円減少し、6,993百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,075百万円の支出(前年同期は1,903百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益による収入はありましたが、部品調達難による生産進捗未了による棚卸資産の増加および売上債権の増加などによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、214百万円の収入(前年同期は1,087百万円の支出)となりました。これは設備投資による支出はありましたが、投資有価証券の売却による収入を計上したことによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、42百万円の収入(前年同期は679百万円の支出)となりました。これは連結子会社である株式会社システム・ケイの株式を追加取得したことによる支出はありましたが、長期借入を行ったことなどによるものです。

③生産、受注及び販売の実績

当企業グループは、事業区分が単一セグメントでありますが、本項目における分野別情報は、前連結会計年度と同一の区分によっております。

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を分野別に示すと、次のとおりであります。

 

区分

生産高(百万円)

 

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

12,884

86.2

セキュリティソリューション分野

14,203

77.1

合計

27,087

81.2

 

(注)1  金額は、販売価格によっております。

2  上記のほか下記の仕入製品があります。

区分

仕入高(百万円)

 

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

704

106.4

セキュリティソリューション分野

1,001

116.8

合計

1,705

112.3

 

(注)金額は、仕入価格によっております。

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績を分野別に示すと、次のとおりであります。

 

区分

受注高(百万円)

 

受注残高(百万円)

 

前期比(%)

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

21,087

82.7

1,048

56.8

セキュリティソリューション分野

12,474

101.8

6,182

236.4

合計

33,562

88.9

7,230

162.1

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績を分野別に示すと、次のとおりであります。

 

区分

販売高(百万円)

 

前期比(%)

ネットワークソリューション分野

21,886

88.3

セキュリティソリューション分野

8,907

75.7

合計

30,793

84.2

 

(注)主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

NTTグループ

9,328

25.5

10,159

33.0

 

(注)NTTグループは、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社およびエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社等であります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において判断したものであります。

①重要な会計方針および見積り

当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値および偶発債務の開示ならびに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定の設定を行わなければなりません。

当企業グループの経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

特に、以下の重要な会計方針が、当企業グループの連結財務諸表の作成において使用された重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せない状況や半導体を中心とした部材調達難と販売機会損失等、当企業グループの事業活動に与える影響を合理的に反映することが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

a. 機器組込みソフトウェア(販売目的ソフトウェアのうち、連結子会社であるサクサ株式会社にかかるもの) は定額法により減価償却費を計上しており、販売可能な見込有効期間に基づく償却額を計上しております。また各年度の未償却残高が、翌連結会計年度以降の見込販売収益の金額を超過している場合には、当該超過額について、一時の費用又は損失として処理しております。見込販売収益の算出に用いた主要な仮定は、見込販売数量であり、見込販売数量は市場環境の変化に影響を受けるため、見積りの不確実性が高く、情報通信ネットワーク製品の陳腐化に伴い、見込販売収益が大幅に減少した場合には、一時に費用又は損失が発生する可能性があります。

b.  売掛金、貸付金等の債権については、決算日以降に発生すると予測される貸倒損失に備えるため、適正な見積りに基づき貸倒引当金を計上しておりますが、顧客等の財政状況が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

c.  製品保証費用については、出荷済製品のアフターサービス費用等の発生に備え、過去の実績に基づくアフターサービス費用の見積りに基づき製品保証引当金を計上しております。三現主義の徹底と広範囲にわたる品質管理システムの運用により品質向上に努めておりますが、実際の品質不良率または修理コストが見積りと異なった場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。

d.  受注残高のうち、損失の発生が見込まれるものについて、将来の損失に備えるため、その損失見込額を受注損失引当金として計上しております。将来、発生原価が見積額を上回ると予想される場合、追加引当が必要になる可能性があります。

e.  投資については、回復可能性があると認められない株式等の評価減を実施しておりますが、投資先の財政状態が悪化した場合、評価損の追加計上の可能性があります。

f.  繰延税金資産については、将来の課税所得および継続的な税務計画を検討し、回収可能性が高いと考えられる金額に減額するため評価性引当金を計上しております。この評価性引当金は当連結会計年度末で判断したものであり、将来の課税所得および税務計画の変更等により追加計上または取崩しが発生する可能性があります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

当企業グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、当企業グループの主力市場である情報通信ネットワーク関連市場においては、多様化、高度化したネットワークを活用した様々な事業が生まれるなど大きな変化が続いております。

このような市場環境の変化と資材調達環境の変化により、当企業グループの業績も影響を受けます。

そのため当企業グループは、このような変化に柔軟に対応し、現在の事業環境および入手可能な情報に基づき、最善の経営方針を立案するよう心がけております。

また、経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、「2〔事業等のリスク〕」に記載しております。

当企業グループの経営戦略の現状と見通しにつきましては、多様化するお客様のニーズにお応えするため、お客様視点に立った安心、安全、快適、便利な環境を実現するソリューションをタイムリーに提供し続け、事業成長に向けた収益体質改善のための諸施策に取組んでまいります。

当企業グループの資本の財源および資金の流動性については次のとおりであります。

a.キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

b.資金需要と財務政策

当企業グループは、運転資金および設備投資資金につきましては、内部資金を充当し、必要に応じ金融機関からの借入により調達することとしております。このうち借入による資金調達に関しましては、運転資金については主に期限が1年以内の短期借入金により調達しており、設備投資資金等については長期借入金等により調達しております。

また、資産効率の向上、営業活動によるキャッシュ・フローの確保およびシンジケーション方式によるコミットメントライン7,000百万円を含む未使用借入枠13,455百万円により、当面の運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。

  

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当企業グループにおける研究開発活動は、ネットワークソリューション分野およびセキュリティソリューション分野について、事業運営に直結した新技術、新商品の開発のほか、未来のビジネスシーンの実現とお客様に更なる価値を提供する製品・サービスの創出に向けた新たなコア技術を確立するために研究開発(R&D)を進めています。

当連結会計年度は、安心、安全、快適、便利を実現するソリューションを提供するために必要となる音声、映像、データおよびアプリケーションに関わる研究開発に重点をおき活動しました。

なお、当連結会計年度の研究開発費総額は、3,457百万円であります。

 

(1) ネットワークソリューション分野の商品開発

当連結会計年度のネットワークソリューション分野の研究開発費の金額は、1,956百万円です。

主な活動として、中小規模オフィスにおける情報セキュリティの強化や業務効率化および円滑なコミュニケーションを実現するための「IPネットワーク等の製品やサービスの充実」ならびに「AI画像認識技術による様々な用途に応じたソリューション技術の確立」などの開発を進めました。

 

(2) セキュリティソリューション分野の商品開発

当連結会計年度のセキュリティソリューション分野の研究開発費の金額は、775百万円です。

主な活動として、監視・防犯・マーケティングなど高精細映像によるリアルタイムでの判断や確認が必要となる市場向けの「AI画像認識技術による様々な用途に応じたソリューション技術の確立」などの開発を進めました。

 

(3) 研究開発(R&D)

当連結会計年度のR&D分野の研究開発費の金額は、725百万円です。

主な活動として、未来のビジネスシーンの実現とお客様に更なる価値を提供する製品・サービスの創出に向けた新たなコア技術(IPネットワーク技術、センシング技術および映像認識技術)を確立するためのR&Dに取り組みました。IPネットワーク技術としては、「クラウド基盤の高速化につながる技術の確立」、映像センシング技術としては、「AI画像認識による動体検出技術の確立」を進めました。