第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

当社グループは、前連結会計年度において、営業損失165百万円、経常損失187百万円、親会社株主に帰属する当期純損失243百万円を計上致しました。これにより5期連続して営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しました。取引金融機関からは、業績の安定化が図れるまでは新たな融資の検討は困難であるという見解を提示されております。

 また、当中間連結会計期間においても、引き続き営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する中間純損失を計上しております。以上により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。当社グループでは、これらの状況を解消するため、以下の対応策を実施してまいります。

 

ア.収益力の向上

 当社は2023年4月に新製品「Xscend®」の発売を開始し、既存顧客の設備更新需要に対してこの新製品「Xscend®」の提案を行い、既に複数社に向けて納品しております。

 本年度開催されたパリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会の中継でも新製品「Xscend®」が採用されており、このような世界的なスポーツイベントでの採用実績をもとに、米州市場、EMEA市場の潜在的な新規顧客に対して積極的に新製品「Xscend®」の営業活動を進め、今後各地域における顧客基盤を拡充してまいります。

 

イ.販売費及び一般管理費の削減

 販売費及び一般管理費の見直しを継続的に行い徹底的なコスト削減を実施します。

 具体的には、社内リソース配分を適正化することによって人件費の削減を図り、また、最適な輸送手段、タイミングの選択、輸送業者の見直しを行うことにより輸送費の削減を図るとともに、役員報酬の削減、旅費交通費の効率化も継続して実施してまいります。

 

ウ.研究開発費効率化

 内製化による外注費の削減、外注先の再検討を行い研究開発の効率化を進めます。

 具体的には、開発部門でのリソース配分の見直しによって、従来外注していた業務の内製化による費用削減、外注先の再検討によって、外注費の単価の低減と効率化を継続的に進めることにより、今後も、研究開発費の効率化を実施してまいります。

 

エ.資本政策等

 業績の改善を図りながら、必要に応じて新たな資金調達の手段を検討してまいりますが、様々な要因に影響されるため、実施可能性やその時期、金額等を予測することは困難です。

 

 上記施策の確実な実施により、当社グループの経営基盤を強化してまいりますが、原材料価格の高騰や、地政学的リスクの影響が解消される時期は、未だ不透明であることから、今後の売上高や営業キャッシュ・フローに及ぼす影響の程度や期間については不確実性があります。また、これらの対応策は実施途上であり、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

 なお、中間連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を中間連結財務諸表に反映しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、国内消費の回復やインバウンド需要の拡大もあり緩やかな回復基調で推移しました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢を巡る地政学的リスクの長期化、資源価格・原材料価格の高騰や物価の上昇、為替相場の大きな変動など、依然として先行きは極めて不透明な状況となっております。このような状況の下、当社グループは米国及びアジアを中心に事業展開を進めました。

 アジア市場は、前期受注残高の売上計上や韓国における大型案件の受注があった影響で、前年同期に比べ大きく増収となりました。一方で北米市場は、前年同期に比べ大幅な減収となりました。これは前年同期にあったような大型プロジェクトが当期にはなかった影響によるものです。オーストラリア市場は、メンテナンスサポートサービスに加えて機器の売上もあったため、前年同期と比べて増収となりました。EMEA市場では、受注規模は大きくないものの、ヨーロッパの3カ国において売上を計上しました。

 この結果、当中間連結会計期間における当社グループの売上高は、1,011百万円(前年同期比20.4%減)となりました。

 製品グループ別内訳では、ハードウエアが541百万円(同39.2%減)、その他が470百万円(同23.6%増)となりました。海外売上高比率は、前期の91.7%から80.9%へと減少しました。利益面においては、売上総利益率は62.3%となり、売上総利益は630百万円(同26.5%減)となりました。

 経費面では、研究開発費は350百万円(同1.6%減)となり、販売費及び一般管理費は、1,100百万円(同1.4%増)となりました。

 損益面では、営業損失は470百万円(前年同期は営業損失228百万円)、経常損失は452百万円(前年同期は経常損失235百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失は457百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失237百万円)となりました。なお、当社グループは、映像通信機器のメーカーとして事業を行っており、当該事業以外に事業の種類がないため、セグメント別に事業を分類していません。

 

(2) 財政状態の状況

(資産)

 当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ827百万円減少し、3,518百万円となりました。主な変動要因は、売掛金の減少591百万円、現金及び預金の減少408百万円、商品及び製品の増加229百万円によるものです。

(負債)

 当中間連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ660百万円減少し、1,000百万円となりました。主な変動要因は、買掛金の減少327百万円、長期借入金の減少270百万円によるものです。

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ167百万円減少し、2,517百万円となりました。主な変動要因は、資本金の増加171百万円、資本剰余金の増加171百万円、親会社株主に帰属する中間純損失の計上による利益剰余金の減少457百万円によるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ410百万円減少し、538百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果減少した資金は、402百万円(前年同期は5百万円の増加)となりました。その主な要因は、税金等調整前中間純損失の計上452百万円、棚卸資産の増加245百万円、仕入債務の減少325百万円、売上債権の減少575百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は、74百万円(前年同期は32百万円の減少)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出71百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果増加した資金は、67百万円(前年同期は306百万円の増加)となりました。その主な要因は、株式の発行による収入341百万円、長期借入金の返済による支出273百万円によるものです。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間における当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間における研究開発費の金額は、350百万円(前年同期比1.6%減)となりました。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。