第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境や企業収益において改善傾向が続き、総じて緩やかな回復基調が継続したものの、年度後半は内需・外需ともに弱い動きとなり景気は足元で足踏み状態となりました。設備投資につきましては、新興国の景気減速を受けて、中国、アジア向け輸出の伸び悩み、円高進行による収益悪化等もあり、製造業各社が慎重姿勢を強めました。

 海外経済におきましては、米国では、新興国経済の減速や原油安・ドル高の影響等から設備投資が伸び悩みを見せているものの、家計部門の底堅さを背景に回復基調が継続いたしました。欧州においては、底堅い成長が持続してまいりましたが、製造業を中心に減速感が見られます。新興国では、中国における過剰設備の調整による景気減速や、資源国での資源価格下落や通貨安による経済低迷等、先行き不透明な状況が強まりました。

 このような事業環境の中、azbilグループは、「人を中心としたオートメーション」の理念のもと、中期経営計画の目標達成に向けて、3つの基本方針※1、3つの成長事業領域※2を定めて、製品・技術・サービスを活用したazbilグループならではのソリューションで事業を展開してまいりました。

 そして、IoT、ビッグデータ、AIといった技術革新への対応及び長年にわたり現場で蓄積したノウハウやazbilグループならではのサービスを組み合わせたソリューション力の強化、販売拡大に向けた取組みを進め、併せて、企業体質の強化、中長期的な成長に向けた抜本的な事業構造変革、生産体制整備等を国内外において推し進めました。

 当連結会計年度においても、顧客ニーズに応え、今後の事業領域の拡大につながる新たな製品・サービスの販売を開始し、また、事業環境変化への対応や効率化に向けて国内生産体制の再編※3、首都圏再開発や東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた建設需要を着実に取込むための顧客・地域密接型の営業・サービス体制強化(首都圏拠点整備)※4等を推し進めました。

 

※1: 3つの基本方針:

・技術・製品を基盤にソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」へ

・地域の拡大と質的な転換による「グローバル展開」

・体質強化を継続的に実施できる「学習する企業体」を目指す

※2: 3つの成長事業領域:

・生産及び執務居住空間での次世代ソリューション

・エネルギーマネジメントソリューション

・安心・安全ソリューション

※3: 国内生産体制の再編:

アズビル株式会社の湘南工場と伊勢原工場の統廃合やグループ会社のアズビル金門株式会社の工場集約等、国内生産体制の再編を進めております。当連結会計年度においては、アズビル金門株式会社の都市ガスメータ生産2工場の閉鎖に関連する費用として、特別損失3億4千9百万円(減損損失を含む)を計上しております。

※4: 営業・サービス体制強化(首都圏拠点整備):

アズビル株式会社の営業・サービス体制強化として、大崎、虎ノ門、霞が関に営業・サービス拠点の新設・移転を行いました。この結果、当連結会計年度において営業外費用1億2千9百万円を計上しております。

 

 当連結会計年度における業績につきましては、受注高は、良好な国内の事業環境に加えて、複数年契約の受注計上範囲の見直し※5の影響のあったビルディングオートメーション(BA)事業が伸長し、前連結会計年度比2.5%増加の2,736億1千3百万円(前連結会計年度は2,669億2千5百万円)となりました。売上高につきましては、中国における景気減速の影響と国内設備投資の伸び悩みによりアドバンスオートメーション(AA)事業の売上がほぼ前年度並にとどまり、前連結会計年度における健康福祉・介護分野の事業譲渡の影響からライフオートメーション(LA)事業も減収となりましたが、BA事業の売上が増加し、全体としては前連結会計年度比1.0%増加の2,568億8千9百万円(前連結会計年度は2,544億6千9百万円)となりました。

 損益面につきましては、事業拡大に向けた研究開発費用や基盤強化のため従来から取組んできた新しい基幹情報システムの稼働に伴う費用が増加したほか、この新システム導入を契機としたジョブ損益管理方法の統一に伴う一時的な減収や損失引当金の費用の増加が生じたものの、増収効果及びのれん償却費の減少、前連結会計年度における事業構造改革の成果からLA事業の利益が改善したことにより、全体としての営業利益は、前連結会計年度比11.7%増加の171億3千5百万円(前連結会計年度は153億3千7百万円)となりました。一方、経常利益は、前連結会計年度においては為替差益が計上されたのに対し、当年度では為替差損が発生したことを主因に前連結会計年度比3.0%減少の166億2千7百万円(前連結会計年度は171億4千1百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益※6につきましては、連結子会社に係るのれんの減損損失等、特別損失を計上しておりますが、前年度比では減少※7しているため前連結会計年度比15.3%増加の82億6千8百万円(前連結会計年度は71億6千8百万円)となりました。

※5: 複数年契約の受注計上範囲の見直し:

当連結会計年度より、国内における複数年契約の受注計上範囲を見直しております。従来は、契約期間が複数年にわたる市場化テスト等大型のサービス案件を計上してまいりましたが、近年、大型案件以外にも複数年のサービス等の契約が増加し、受注高に占める重要性が増してきた状況を踏まえ、新基幹情報システムの導入を契機に全ての複数年契約を計上しております。

当連結会計年度におきましては、従来計上していた範囲での市場化テスト等の大型のサービス契約(前連結会計年度約76億円)の計上額は約14億円と減少いたしましたが、受注範囲の見直しにより約40億円を改めて計上したことに加え、新たな当年度の複数年契約として約47億円を計上しております。

※6: 親会社株主に帰属する当期純利益:

当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

※7: (特別損失が)前年度比では減少:

当社は持続的な成長の実現に向けて事業構造の変革、企業体質の強化に継続して取組んでおります。前連結会計年度では、事業の見直し・再構築に伴う費用及び減損損失や退職年金制度の改定に伴う退職給付制度終了損等、特別損失75億6千5百万円を計上いたしました。当連結会計年度におきましても、前述のアズビル金門株式会社の工場閉鎖に係る費用の他、アズビルテルスター有限会社(ライフサイエンスエンジニアリング(LSE)領域)に係るのれんの減損損失等、特別損失38億5千1百万円を計上しておりますが、前年度比では減少となりました。

アズビルテルスターグループについてはかねてより事業の再構築を進めてきており、中核であるスペインの事業会社の業績は一定の改善が実現されてまいりましたが、オランダ及びブラジルの事業会社において業績が悪化したため、同社グループ事業の将来の収益を見直し、課題地域における事業の大幅な見直しの施策実施と併せて、のれんの減損損失を行いました。これにより、将来において見通せるリスク要因に対処し、当該事業の早期における収益回復、黒字化を目指しております。

 

 各セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 

ビルディングオートメーション(BA)事業

 国内市場におきましては、首都圏における都市再開発案件に加えて、省エネルギー・省コスト運用に対するソリューション需要も継続しており、全体として活発な建設投資が続いております。こうした状況を受け、ジョブ遂行体制の強化等に努めたことで新設建物分野の売上が大きく増加し、グループ内人材最適配置等により既設建物分野及びサービス分野も引続き高い水準を維持することができました。この結果、国内市場全体として売上高は前年度比増加となりました。

 海外市場におきましては、ローカル市場の開拓が着実に進みました。国によって差異はあるものの、中国を中心に全体として伸長し、海外売上高も前連結会計年度比で増加となりました。

 この結果、BA事業の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3.9%増加の1,188億3千5百万円(前連結会計年度は1,143億2千1百万円)となりました。セグメント利益は、売上構成の変化の影響に加えて、将来にわたる建物のライフサイクルでの事業機会を見据えた施策・体制整備の影響や今後の事業拡大に向けた研究開発費用の増加、新基幹情報システムの稼働に伴う費用増加及び当該システム導入を機に行ったジョブ損益管理方法統一の影響等から、前連結会計年度比1.9%減少の120億1千4百万円(前連結会計年度は122億4千5百万円)となりました。

 

アドバンスオートメーション(AA)事業

 国内市場におきましては、装置メーカ並びに素材関連分野のいずれも先行きの不透明感から各企業が慎重姿勢を崩さず、一部市場で立直りがみられるものの、全体として市況は引続き低水準で推移いたしました。こうした中、売上の確保、需要が見込まれる分野の開拓・深耕※8に取組んだ結果、国内の売上高は全体としては前年度並の水準となりました。

 海外市場におきましては、中国での経済成長鈍化の影響等から素材関連分野を中心に厳しい事業環境が続いており、これを主因として海外全体として売上は微減となりました。

 この結果、AA事業の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比0.2%減少の935億3千8百万円(前連結会計年度は936億8千7百万円)となりました。セグメント利益は、新基幹情報システムの稼働に伴う費用等の増加がありましたが、付加価値の高いソリューションの提供等、利益体質改善の取組みが進み前年度同水準となる前連結会計年度比0.3%増加の50億2千9百万円(前連結会計年度は50億1千3百万円)となりました。

 

※8: 需要が見込まれる分野の開拓・深耕:

azbilグループは、電気電子・半導体、自動車、化学(下流)といった先端産業や食品・薬品等の内需型産業及びこれら市場向けの製造装置産業向けのオートメーションを「ハイブリッドオートメーション/ファクトリーオートメーション(HA/FA)分野」と称し、成長事業領域として拡大に取組んでおります。また、LNG船を含めたガスのエネルギーサプライチェーンに係る分野でも、azbilグループならではのソリューションの提供による事業展開を進めております。

 

ライフオートメーション(LA)事業

 LA事業は、ガス・水道等のライフライン、製薬・医療分野といったライフサイエンス、そして住宅用全館空調システム等の生活関連(ライフ)の3つの領域で事業を展開しております。当連結会計年度の売上は、主に前年度に健康福祉・介護分野の事業を譲渡※9した影響により前年度比減収となりましたが、各事業領域における変革活動が着実に進展した結果、損益面は改善いたしました。

 ガス・水道メータの分野におきましては、売上高は前連結会計年度並となりましたが、水道事業における受注採算重視の取組み等により増益となりました。ライフサイエンスエンジニアリング(LSE)の分野におきましては、オランダ及びブラジルの事業会社において業績の悪化が見られましたが、受注回復による売上高の増加と事業構造変革の取組みにより、全体として利益性が改善いたしました。住宅用全館空調システムの分野におきましては、営業体制の変革、マーケティング・開発体制整備の結果、受注・売上が拡大し、収益体質も強化されました。

 これらの結果、LA事業の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3.6%減少の456億4千6百万円(前連結会計年度は473億3千1百万円)となりました。損益面は、のれん償却費の減少に加えて、前連結会計年度におけるLA構成各事業での構造変革が進んだことにより改善し、7千9百万円のセグメント利益(前連結会計年度は19億3千7百万円のセグメント損失)となりました。

 

※9: 健康福祉・介護分野の事業を譲渡:

健康福祉・介護の分野においてサービスを提供してきたアズビルあんしんケアサポート株式会社の全株式を、平成27年2月4日に綜合警備保障株式会社へ譲渡いたしました。当連結会計年度における売上高への影響は約34億円の減少ですが、セグメント利益への影響は軽微であります。

 

その他

 その他の当連結会計年度における売上高は6千6百万円(前連結会計年度は6千6百万円)となり、セグメント利益は1千7百万円(前連結会計年度は1千7百万円のセグメント利益)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は110億7千2百万円となり、前連結会計年度に比べて26億2千5百万円の減少となりました。これは主に、法人税等の支払額は減少したものの、売上増加等に伴い売上債権が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の増加は42億6千1百万円(前連結会計年度は134億7千2百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入が増加したことに加え、有価証券の取得による支出が減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動に使用された資金(支出と収入の純額)は105億3千6百万円となり、前連結会計年度に比べて44億7千万円の支出の増加となりました。これは主に、自己株式の取得及び借入金の返済による支出が増加したことによるものであります。

 

 以上の結果、資金の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末より40億2千6百万円増加となり、559億4千7百万円となりました。

 

 「第2 事業の状況」における各事項の記載につきましては、消費税等抜きの金額で表示しております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

ビルディングオートメーション事業

41,897

110.3

アドバンスオートメーション事業

32,106

93.7

ライフオートメーション事業

30,334

102.2

報告セグメント計

104,338

102.3

その他

合計

104,338

102.3

 (注)上記金額は、azbilグループにおける製品の製造に係る費用及び工事の施工に係る原価を集計したものであり、商品の仕入及び役務収益に対応する費用は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前期比

(%)

受注残高

(百万円)

前期比

(%)

ビルディングオートメーション事業

133,863

109.4

61,597

132.5

アドバンスオートメーション事業

94,872

97.8

27,836

105.7

ライフオートメーション事業

45,784

94.5

12,174

101.1

報告セグメント計

274,521

102.5

101,609

119.7

その他

66

100.2

消去

(974)

(133)

連結

273,613

102.5

101,475

119.7

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

ビルディングオートメーション事業

118,835

103.9

アドバンスオートメーション事業

93,538

99.8

ライフオートメーション事業

45,646

96.4

報告セグメント計

258,020

101.0

その他

66

100.3

消去

(1,197)

連結

256,889

101.0

 (注)総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

 

3【対処すべき課題】

 azbilグループは、事業の中長期的な発展を確実なものとし、企業価値の持続的な向上を図ることで、株主をはじめとするステークホルダーの皆様のご期待にお応えしていきたいと考えております。このため、azbilグループとして長期目標を設定し、この目標達成に向け、「人を中心としたオートメーション」の探求を通じて3つの事業軸(BA事業、AA事業、LA事業)において技術・製品を基盤に、ソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」となること、地域の拡大と質的な転換で「グローバル展開」を進めること、さらにその具現化に向け「学習する企業体」へと組織的な変革を進めることの3つを基本方針として掲げ、事業拡大へとつなげることのできる事業体質への変革を進めてまいりました。しかしながら、会社を取り巻く内外の状況や環境変化を考えると、更なる成長のためには、これまでの延長線上の事業運営では十分とは言えないため、国内外とも事業単位での構造・体質改革の更なる加速、先進的なグループ開発・生産体制の構築を進めるとともに、コーポレート・ガバナンス強化に継続して取組み、今後も経営資源を有効かつ大胆に配分し、この変革活動の加速・定着を図ることで、持続的な成長を目指します。

 

(1) 3事業とも国内では成熟産業に位置しますが、置かれている環境は事業毎に大きく異なります。BA事業は首都圏での再開発に伴い拡大する需要を着実に捉え、サービス事業基盤を強化するため、グループ内人員異動によるジョブ処理体制を強化しつつ、中小規模オフィスビル向け空調システム「ネクスフォート」により、新領域を開拓してまいります。AA事業は多岐にわたる市場毎でのオートメーションを展開していますが、収益性については未だ十分な水準に回復しておりません。今後は各事業セグメント(CP事業、IAP事業、SS事業)単位で、市場環境に合わせた事業モデル創出による高収益体質への変革を進めます。製造装置の予防保全に貢献する診断パラメータ等の算出機能を搭載した「グラフィカル調節計 形 C7G」によるソリューション展開はこうした取組みの一つです。またエネルギー・ユーティリティメータの製品・技術開発をはじめとして、一貫した計測・制御・管理から検針業務の自動化ソリューションの提供等、BA、AA事業に加えて、LA事業の枠を超えた展開も始まっております。このように市場環境の変化に合わせ、azbilグループ内のリソースの再配置・最適化をさらに強力に実施し、成熟領域における一貫体制での効率運営と、新たな成長事業領域へのシフトを目指します。

 

※ CP事業 :コントロールプロダクツ事業(デジタル計装機器、マイクロスイッチ、センサ、燃焼制御機器等のコンポーネント事業)

 IAP事業:インダストリアルオートメーションプロダクツ事業(工業計器、発信器、自動調節弁等のコンポーネント事業)

 SS事業 :ソリューション&サービス事業(制御システム、サービスメンテナンス事業)

 

(2) 海外市場においては、収益拡大に向けた更なる事業基盤の強化策の一つとして、増加している大型プロジェクトを含めた現地固有の市場ニーズへの対応と人材の育成を強化することにより、グローバル展開の拡大を目指します。また企業運営面におきましても、海外子会社の管理、ガバナンスの強化を進めるとともに、国内外のマネージャー層を対象に、グローバル人材研修を行い、azbilグループのリーダーとしてスキルの強化・共通化を進めています。一方で、新たなライフサイエンスエンジニアリング事業開発のために資本参加したアズビルテルスター有限会社では、平成27年3月期から抜本的な事業構造変革を進めておりますが、中核であるスペインの事業会社の体質強化は一定の改善が実現されたものの、オランダ及びブラジルの事業会社においては業績は低調に推移いたしました。両国ではクリーンルーム事業を中心に大幅な事業構成の見直しを行うと同時に、プロジェクト管理体制の強化とazbilグループ全体でのシナジー創出に取組むことにより、収益性の強化に取組んでまいります。

(3) azbilグループの事業拡大に一層貢献するために、グループ開発・生産体制を再編します。藤沢テクノセンターにグループの研究関連のリソースを集約し、azbilグループとしての研究と開発活動の効率化、高度化による、より先進的な研究、開発環境の実現を目指します。既に同テクノセンターは生産環境及び執務環境におけるエネルギーの最適化を実現した「エネルギーソリューションサイト」として整備されており、開発中の新製品を技術者がその場で運用し、効果の検証を行っています。同センターでは、お客様向けの見学会を定期的に開催しており、成長領域に関するアズビルのエネルギーマネジメントを体験いただける機会を提供しています。これと併せて湘南、伊勢原工場の生産機能を1工場に集約、アズビル金門株式会社の都市ガスメータ生産5工場を3工場に集約すること等により、コスト競争力や技術潮流の変化に対応できる先進的な生産体制を構築します。

(4) CSR経営の推進を中期計画の目標に設定し、コンプライアンス(企業倫理・法令遵守)、リスク管理(品質・PL、防災・BCP、情報)、人を重視した経営、地球環境への貢献、グループ経営の推進とガバナンス体制の充実、社会貢献を重点取組み領域として、azbilグループをあげて積極的に取組んでおります。また経営の公正性、中立性、及び透明性を高めるべく、コーポレートガバナンス・コードへの対応を進めながら、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資するよう、全てのステークホルダーとの間で建設的な対話が進むための体制整備を積極的に進めてまいります。

 

(5) 株式会社の支配に関する基本方針について

 当社は、平成20年5月9日開催の取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号、以下「基本方針」といいます。)並びに、この基本方針を実現するための特別な取組み(同条第3号ロ(1))について決定し、また、平成23年5月10日開催の取締役会において、その一部を修正し、継続することを決定しておりました。

 さらに、平成26年5月12日開催の取締役会において、所要の変更を行った上で再継続することを決定いたしました。その内容の概要は以下のとおりであります。

 

<大量買付ルールの要旨>

 上記特別な取組みの一部として定める大量買付ルールとは、大量買付行為がなされた場合において、当該大量買付行為を行う者に対して①一定の手続を遵守すること及び②必要かつ十分な情報提供を行うことを求めることによって、当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するか否かを株主の皆様にご判断いただくために必要かつ十分な時間及び情報を確保・提供することを目的としており、新株及び新株予約権の割当て等を用いた具体的な買収防衛策について定めるものではありません。

 ただし、当社取締役及び当社取締役会は、大量買付行為がなされた場合には、善管注意義務を負う受託者として、株主の皆様の意思を最大限尊重しつつ、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するよう適切に対処していく所存です。

 

① 基本方針

 当社は、「私たちは、『人を中心としたオートメーション』で、人々の『安心、快適、達成感』を実現するとともに、地球環境に貢献します。」というazbilグループ理念のもと、企業活動を健全に継続、成長させ、株主の皆様、お客様、従業員、地域社会の皆様等、全てのステークホルダーに対して、中長期的な視点に立ち、企業価値を常に向上させ、最大化することが使命であると考えております。

 当社は、大きく変化する社会・企業環境にあって、azbilグループ理念を踏まえ、永年培った計測と制御を中核とした技術とリソースを活かした安全・安心で高品質・高付加価値の製品・サービスを提供し、これまで以上にお客様の課題解決にあたるグループ一体経営を推進することが、企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資すると考えております。

 このため、当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては、azbilグループ理念を尊重し、かつ、上記施策を進めることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し向上させる者が望ましいと考えており、最終的には当社の株主全体の意思に基づき決定されるべきものであると考えております。

 当社は、東京証券取引所第一部上場企業として、当社株式の高度の流通性を確保することも、当社の重要な責務であると認識しており、当社の企業価値・株主共同の利益を害するものでない限り、大量買付行為を否定するものではありません。

 しかし、大量買付行為を行った上で、不適切な手段により株価をつり上げて高値で株式を会社に引き取らせる行為や、いわゆる焦土化経営等、大量買付者以外の株主の株式の価値を不当に低下させ、大量買付者の利益のみを追求する行為が行われる可能性を否定することはできません。

 当社は、企業価値の向上及び株主共同の利益に資するものであれば、取締役会の同意を得ない経営権獲得を否定するものではありませんが、プレミアムを十分に評価せずに、大量買付者とその他の株主の皆様との情報格差を利用して不当に安い価格で大量買付行為を行うことや、長期保有を望まれている株主の皆様に対して強圧的な手段を用いて株式の売却を迫る行為を容認することはできません。

② 基本方針を実現するための当社の取組み

1)中期経営計画の実行による企業価値向上のための取組み

 当社は、「人を中心としたオートメーション」すなわち、人を中心に据え、人と技術が協創するオートメーション世界の実現に注力し、お客様の安全・安心や企業価値の向上、地球環境問題の改善等に貢献する世界トップクラスの企業集団になることを長期目標としております。この目標達成に向け、技術・製品を基盤に、ソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」となること、地域の拡大と質的な転換で「グローバル展開」を進めること、さらにその具現化に向け「学習する企業体」へと組織的な変革を進めることの3つを基本方針として掲げ、事業拡大へとつなげることのできる事業体質への変革を進めてまいりました。そして、これまでに強化した経営基盤をベースに、グローバルで施策展開のフェーズを進めるべく、平成26年3月期を初年度とする4ヶ年の中期計画を策定し、ステークホルダーとの良好な関係のもと、グローバル社会で責任ある存在として、azbilグループならではの製品・技術・サービスを国内外で展開することによって、企業価値の増大を図る取組みを進めております。

 具体的には、「建物」のオートメーションを進めるビルディングオートメーション事業については、独自の環境制御技術で、人々に快適で効率の良い執務・生産空間を創り出し、同時に環境負荷低減に貢献する事業として展開いたします。「工場やプラント」のオートメーションを進めるアドバンスオートメーション事業については、生産に関わる人々との協働を通じ、先進的な計測制御技術を発展させ、お客様の新たな価値を創造する事業として展開いたします。「生活・生命」に関わる領域でオートメーション技術を活用するライフオートメーション事業については、永年培った計測・制御・計量の技術と行き届いたサービスを組み合わせ、人々のいきいきとした暮らしに貢献する事業として展開いたします。そして、これら3つの事業を有機的に結びつけ、持続的な成長を可能にしてまいります。さらに、経営を取巻く諸リスクへの備えを強化し、CSRを重視した経営を行うとともに、コーポレートガバナンスの強化を着実に進めております。

2)大量買付行為において株主の皆様に適切にご判断いただくために必要かつ十分な時間及び情報を確保・提供するための取組み

(ア)基本的な考え方

 当社は、大量買付者に対して当該大量買付行為についての情報提供を求めるとともに、株主の皆様が、当該大量買付行為が企業価値・株主共同の利益を害するものかどうかを判断する機会を保障することが必要と考えており、そのための手続として「大量買付ルール」を定めております。

(イ)手続の適用対象

 大量買付ルールは、以下(i)又は(ⅱ)に該当する当社株券等の買付若しくはこれに類似する行為の場合に大量買付者に対して当該大量買付行為についての情報提供を求めます。

(i) 当社が発行者である株券等1について、公開買付け2に係る株券等の大量買付者及び大量買付者の特別関係者3の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けを行おうとする場合

(ⅱ)当社が発行者である株券等4について、大量買付者及び大量買付者グループ5の株券等保有割合6が20%以上となる買付けその他の取得(市場取引、公開買付け等の具体的な買付け方法の如何は問わないものとします。)を行おうとする場合

 

※ 以下、(ⅰ)及び(ⅱ)の行為のいずれについても、当社取締役会があらかじめ同意したものを除き、「大量買付行為」といい、大量買付行為を行おうとする者を「大量買付者」といいます。

 

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1金融商品取引法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。

2金融商品取引法第27条の2第6項に規定する公開買付けをいいます。

3金融商品取引法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。

4金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。

5金融商品取引法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者をいいます。

6金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。

 

(ウ)大量買付ルールの詳細

大量買付ルールの詳細につきましては、

当社ホームページ(http://www.azbil.com/jp/ir/management/protect/index.html)をご参照ください。

 

(エ) 大量買付ルールの有効期間、廃止及び変更

 大量買付ルールは、平成26年7月1日から3年間を有効期間としております。

 また、有効期間内であっても、当社取締役会において、法令等の改正や判例の動向等を考慮して、大量買付ルールの見直し若しくは廃止が決議された場合には、大量買付ルールを随時、見直し又は廃止できることといたします。かかる場合、取締役会は、法令等及び金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。

 なお、法令等に改正があり、これらが施行された場合には、大量買付ルールにおいて引用する法令等は、改正後の法令等を実質的に継承する法令等に、それぞれ読み替えられるものといたします。

 

4【事業等のリスク】

 azbilグループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、以下のとおりであります。これらリスクについては年に一度リスク評価を実施し、経営層と関連部門によるリスク軽減策やリスク発生時の対応策を講じております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 事業環境及び事業活動等に係わるリスク

① 景気の下落、停滞による影響

azbilグループの商品やサービスの需要は、その事業に関連する市場である建設及び製造業や機械産業市場等の経済状況に左右される構造的な要因があり、事業を展開する地域の経済環境、及び市場の大幅な景気後退、需要減少は、当社グループの事業、業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 競争に係わるリスク

azbilグループの事業領域であるビルディングオートメーション事業、アドバンスオートメーション事業、そしてライフオートメーション事業の各市場における競争は厳しいものとなっております。そうした中で、azbilグループの商品及びサービスは、技術的・品質的・コスト的に他社に比べて優位な高付加価値な商品であると考えており、また、激化する価格競争、あるいは新たな競合他社の参入等に備えた対処を進めておりますが、今後予期せぬ競争関係の変化があった場合は、当社グループの業績及び財政状況に影響が出る可能性があります。

③ 商品の品質に係るリスク

azbilグループの製品、システム及びサービスは、各種のプラント、建物における安全と品質にかかわる重要な計測・制御に使用されております。品質面につきましては、委員会をはじめとして品質情報の共有・可視化を進め品質管理体制を強化しております。また、製造物責任賠償につきましては、保険に加入するなど問題発生に際しての備えを強化しておりますが、当社グループの製品、システム及びサービスの欠陥による事故が発生した場合の影響は、多額のコストの発生や当社グループに対する顧客からの評価に重大な影響を与え、それにより事業、業績及び財政状況に影響が出る可能性があります。

④ 研究開発活動に係るリスク

azbilグループは、継続的に技術的強みを持つ次世代商品の開発に向けた研究開発活動を経営の重要課題の一つと位置付けており、「人を中心としたオートメーション」のグループ理念に基づき、省資源、省エネ、省力、安全、環境保全及び快適環境の実現を目指した研究開発活動を行っております。

当社グループでは、お客様のニーズを的確に捉え、魅力的な製品やサービスをタイムリーにお客様に届けるよう、活動を強化しておりますが、ニーズや技術潮流の見誤り、研究開発の遅れ、技術対応力の不足などにより、新製品の市場投入が遅延した場合、当社グループの事業、業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 国際事業活動に伴うリスク

azbilグループは、海外に50以上の現地法人及び2つの支店にて事業を展開しており、また、製造拠点も中国の大連に加えて、タイとサウジアラビアにも置いております。海外売上比率が増加傾向にあり、また製造拠点の海外を含めた分散化を進めております。今後ともカントリーリスクに留意しながら、国際事業の拡大を進めてまいりますが、計画に遅れが出た場合や進出先において予期しない政治経済情勢の変化、為替の変動、現地の法律等の改編、自然災害、テロ、ストライキ等の発生等により、生産・調達活動の一部又は全部が影響を受ける可能性があり、事業、業績及び財政状況に影響が出る可能性があります。

⑥ 為替変動に係るリスク

azbilグループは、為替変動に対して海外生産の拡大などによるリスク軽減に取組んでいますが、急激な為替レートの変動は、売上高、原材料・部品の価格、販管費等の経費に影響し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) その他のリスク

① 人材の確保と育成に係るリスク

azbilグループは、創業以来の「社員は重要な財産であり、新たな企業文化と企業価値の創造の源泉である」という考え方のもと、人材育成に注力しております。しかし、今後、従業員の安全、健康の確保、高齢化対策、技術や技能及びノウハウの継承、多能工化、グローバル化に向けた国内外の事業拡大のための人材の確保・育成等の課題に対応できない場合は、業績及び財政状況に影響が出る可能性があります。

② 情報漏洩等に係るリスク

azbilグループは、事業上の重要情報及び事業の過程で入手した個人情報や取引先等の機密情報を保有しております。当社グループでは、これらの情報の取扱い及び管理の強化や社員の情報リテラシー(情報活用能力)を高める対策を講じておりますが、万一、予測できない事態によってこれらの情報が漏洩した場合は、業績及び財政状況に影響が出る可能性があります。

③ 災害等に係るリスク

azbilグループのビルディングオートメーション事業、アドバンスオートメーション事業の国内生産拠点(製造子会社を含む)は6拠点中2拠点が神奈川県に立地しております。また、ライフオートメーション事業のアズビル金門株式会社の国内生産拠点は、6拠点中3拠点が福島県に集中しております。当社グループは、必要とされる安全対策、保険の付保及び事業継続・早期復旧のための対策(BCP策定)等を講じておりますが、これらの地区において、大規模災害等による直接的又は間接的な影響が及んだ場合は、業績及び財政状況に影響が出る可能性があります。

④ 法的規制等に係るリスク

azbilグループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、環境や安全、製品規格、その他理由による法的規制を受けております。今後これらの法的規制が想定を上回って変更された場合、あるいは新設された場合には、業績及び財政状況に影響が出る可能性があります。

特に、今後ますます厳格となる環境規制に対して、azbilグループは、法律による環境規制を遵守することも含め、様々な環境負荷低減活動を推進してきましたが、万一、環境規制への適応が難しい場合、当該ビジネスの一部撤退等も想定され、当社グループの業績及び財務状況に影響が出る可能性があります。

⑤ 知的財産権に係るリスク

azbilグループは、競争優位性を確保、維持するために、グループ内製品及びサービスの開発の中で差別化技術及びノウハウを蓄積し、それらの知的財産権の保護に努めております。また製品の開発・生産に必要な第三者の特許の使用許諾権の確保に努めております。しかし、これらが十分に行えない場合、業績及び財政状況に影響が出る可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 azbilグループでは、「人を中心としたオートメーション」の理念に基づく次世代商品を迅速に顧客へ提供するため、マーケティング部門と研究開発部門の連携を強め、新商品開発と技術開発に取組んでおります。また、建物・産業・ライフラインや人々の生活を取り巻く様々な環境変化に対応し、中長期にわたり技術的強みを持つ次世代商品の開発を実現するため、5つの戦略技術領域を定めております。具体的には、以下のとおりです。

・人間・機械融合システム技術

ファクトリーオートメーション領域及びライフサイエンス領域における知能化生産システムの開発

・自在計測制御技術

加工組立産業における新たなセンシング・パッケージング技術開発とリアルタイム計測を可能にするセンサの開発

・わかる化プロセス情報技術(複雑なプロセスの状況・課題に対し飛躍的かつ高度にシステムを制御・進化させる情報処理技術)

IoTの動向に対応した工場の生産性改善や設備保全を支援する技術開発とビル向け遠隔省エネ支援システムの開発

・環境調和計測制御技術

環境変化を学習して環境負荷低減を目指す技術で東京オリンピック開催や首都圏再開発に向けた中長期にわたり継続的に価値提供可能な空調制御システムの開発

・快適空間計測制御技術

快適及び知的生産性向上と省エネルギーを両立する空調制御技術の開発

 

 事業のグローバル展開に合わせて、米国のシリコンバレーに設置した研究開発拠点及び欧州グループ会社による、日本・米国・欧州の3極体制で技術・商品開発を行っております。米国の研究開発会社においては当社の目指す「自在計測制御技術」を実現する技術開発の推進と、IoT等の最新の技術動向の調査や国際標準活動を行っております。欧州ではアズビルテルスター有限会社等との協創により製薬関連施設や医療機関等に提供する凍結乾燥装置や滅菌乾燥装置の商品力強化を行うとともにエンジニアリング強化も図っております。

 生産技術としては、人間・機械融合システム技術による新生産ラインを開発するとともに自社生産ラインのIoT化を図ることで、品質・設備保全に関する生産情報を遠隔管理してグローバル生産を強化してまいります。また、技術標準化においては、国際標準への対応、開発・設計の標準化、計測標準の3つに取組み、商品の機能・コスト・品質・信頼性・安全性の強化を図ることによって事業の競争力を高めてまいります。

 

 当連結会計年度の研究開発費の総額は110億1千2百万円(売上高比4.3%)となりました。

 

 各セグメント別の研究開発費及び主な成果は、次のとおりであります。

セグメントの名称

研究開発費

(百万円)

主な成果

ビルディングオートメーション事業

5,568

・室内の快適性を維持しながら省エネを実現するCO2濃度制御

 アプリケーション/室内用CO2濃度・温度センサ

・中小規模オフィスビル向けセル型空調システム

 「ネクスフォート™」を開発

・ビル向けクラウドサービス「EM(エネルギーマネジメント)

 エキスパート」

アドバンスオートメーション事業

4,435

・計装機器を監視し、プロセスビッグデータから計装機器の

 異常予兆検知システム「BiG EYES™(ビッグアイ)」

・小型サーモグラフィカメラ採用による温度情報を用いた

 検査システム「サーモグラフィ良否判定システムK1T」

・国際規格IEC61508認証対応緊急遮断弁用スマートESD

 (Emergency Shut Down)デバイス 700シリーズ

・診断パラメータ、ヘルスインデックスの算出機能を搭載した

 新世代グラフィカル調節計「形 C7G」

ライフオートメーション事業

1,008

・小型、軽量化を実現した都市ガス用超音波ガスメーター「U」/
LPガス用超音波ガスメーター「EK」

・小型・軽量・低騒音を実現した新型高圧ガバナ「KHNV」

その他

 -

合計

11,012

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

 ビルディングオートメーション事業におきましては、国内新設建物分野及び海外の増加を主因として売上高は1,188億3千5百万円と前連結会計年度に比べて3.9%の増加となりました。

 アドバンスオートメーション事業におきましては、海外が微減となったものの、成長領域拡大に向けた取組みにより国内が前年度同水準を確保した結果、売上高は935億3千8百万円と前連結会計年度に比べて0.2%の減少とほぼ前連結会計年度並を達成しました。

 ライフオートメーション事業では、ライフサイエンスエンジニアリング分野において増収があったものの、前年度に健康福祉・介護分野の事業を譲渡した影響による減少を主因に456億4千6百万円と前連結会計年度に比べて3.6%の減少となりました。

 その他の売上高は、6千6百万円と前連結会計年度に比べて0.3%の増加となりました。

 以上の結果、売上高は2,568億8千9百万円と前連結会計年度に比べて1.0%の増加となりました。

② 売上原価、販売費及び一般管理費

 原価改善の効果や付加価値の高いソリューションの提供等により、売上原価率は前連結会計年度に比べ0.1%改善の64.5%となり、売上原価は1,658億1百万円となりました。販売費及び一般管理費は研究開発費や基幹情報システムの更新に係る費用が増加したものの、事業構造変革の取組みやのれんの減少等により売上高比率は0.5%改善の28.8%となり、販売費及び一般管理費は739億5千2百万円となりました。

③ 営業利益

 営業利益は前連結会計年度比11.7%増加の171億3千5百万円となりました。セグメント利益は、ビルディングオートメーション事業は120億1千4百万円と前連結会計年度比1.9%の減少、アドバンスオートメーション事業は50億2千9百万円と前連結会計年度比0.3%の増加となりました。ライフオートメーション事業は7千9百万円(前連結会計年度は19億3千7百万円のセグメント損失)となりました。その他は1千7百万円と前連結会計年度比は0.8%の増加となりました。

④ 経常利益

 経常利益は前連結会計年度に為替差益を17億7千万円計上したのに対し当連結会計年度では為替差損8億8千6百万円となったことを主因として前連結会計年度比3.0%減少の166億2千7百万円となりました。

⑤ 特別利益及び損失

 特別利益は主に投資有価証券売却益1億9千2百万円、受取補償金1億4千2百万円を計上したこと等により3億7千6百万円となり、特別損失は主にのれんの減損損失33億9千5百万円、工場再編損失2億6千5百万円、事業所再編損1億4千1百万円を計上したこと等により38億5千1百万円となりました。

⑥ 税金等調整前当期純利益

 以上の結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比13.3%増加の131億5千2百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比15.3%増加の82億6千8百万円となりました。

 

(2)経営戦略の現状と今後の方針について

 azbilグループは、「人を中心としたオートメーションで、人々の安心、快適、達成感を実現するとともに、地球環境に貢献する」というグループ理念を掲げ、この理念の実践を通して、azbilグループならではのユニークな企業集団として存続・発展することを目指しております。

 当社は、「人を中心としたオートメーション」すなわち、人を中心に据え、人と技術が協創するオートメーション世界の実現に注力し、お客様の安心・安全や企業価値の向上、地球環境問題の改善等に貢献する世界トップクラスの企業集団になることを長期目標と設定、段階的に中期経営計画を立案し、この目標達成に向けた取組みを行ってまいりました。

 これまでは、オートメーションに焦点をあてつつ単一市場への過度な集中を避け、異なる市場構造を持つ3つの事業(BA/AA/LA)から成る複合的な事業ポートフォリオの構築を進め、顧客開拓やシナジーなどによる事業領域の拡大に取組んでまいりました。しかしながら、これらの事業領域では、既存の製品・サービスの提供では持続的な成長の実現が厳しくなってきている成熟領域もあれば、IoTやクラウドといった新たな技術革新に伴い、急激に変化している領域もあります。今後も、基盤を確たるものとし、企業としての存続を確かなものとする取組みを継続するとともに、更なる成長を実現するため、国内外の事業機会の変化を的確に捉え、事業創造の視点から「商品と顧客現場の連携」によるソリューション提案力の向上に取組み、グローバルでの顧客や社会の長期パートナーとして、azbilグループならではの価値の提供を実現してまいります。

 中期経営計画の最終年度である平成29年4月(2016年度)以降も、お客様の現場で、お客様とともに新たな社会ニーズとしてazbilグループとして特徴ある価値提供が実現できる「エネルギーマネジメントソリューション」、「生産及び執務居住空間での次世代ソリューション」、「安心・安全ソリューション」の3つの成長領域での取組みを着実に実行できるよう体質強化と変革を進めながら、世界水準のオートメーションメーカとして、企業と社会の持続可能な発展を目指し、グループ経営資源の最適かつ効率的な活用により、社会・環境・経済へ積極的に貢献するCSR経営を実行してまいります。

 

(3)資本の財源及び流動性についての分析

① 資産の状況

 当連結会計年度末の資産の状況は、前連結会計年度末に比べて65億9千万円減少し、資産合計で2,591億2千7百万円となりました。これは主に、有価証券が79億円、売上債権が28億1千1百万円、たな卸資産が24億7千万円それぞれ増加したものの、借入金の返済等により現金及び預金が106億2千5百万円、減損の計上等によりのれんが54億4千3百万円、株式相場の下落により投資有価証券の時価が30億6千8百万円それぞれ減少したことによるものであります。

② 負債の状況

 当連結会計年度末の負債の状況は、前連結会計年度末に比べて32億6千3百万円減少し、負債合計で1,021億6千1百万円となりました。これは主に、金融機関への返済により短期借入金が37億8千6百万円減少したことによるものであります。

③ 純資産の状況

 当連結会計年度末の純資産の状況は、前連結会計年度末に比べて33億2千7百万円減少し、純資産合計で1,569億6千6百万円となりました。これは主に株主資本が、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により82億6千8百万円増加したものの、配当金の支払により47億8千万円、自己株式の取得により20億2百万円、「企業結合に関する会計基準」等の改正の適用により14億4千8百万円それぞれ減少したことに加えて、その他有価証券評価差額金が18億8千3百万円減少したことによるものであります。

④ キャッシュ・フローの状況

 「1 業績等の概要」における「(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

⑤ 資金調達の状況

 当連結会計年度において重要な資金調達はありません。