文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、azbilグループが判断したものであります。
(1)経営方針
azbilグループは、「人を中心としたオートメーションで、人々の安心、快適、達成感を実現するとともに、地球環境に貢献する」というグループ理念を掲げ、この理念の実践を通して、当社グループならではのユニークな企業集団として存続・発展することを目指しています。このため、長年培った計測と制御を中核とした技術とリソースを活かし、安全・安心で高品質・高付加価値の製品・サービスを組み込んだソリューションをお届けすることでお客様の課題解決に貢献します。
私たちは、上記のグループ理念のもと、中長期的な視点に立って、ビルディングオートメーション(BA)、アドバンスオートメーション(AA)、ライフオートメーション(LA)の3つの事業分野でグループ一体となった経営を展開し、企業価値の向上・最大化に取り組むことで株主の皆様・お客様・従業員・取引先・地域社会の皆様等、全てのステークホルダーのご期待に応えるとともに、持続可能な社会の実現に向け先進的な役割を果たしてまいります。
(2)経営戦略等
当社は、「人を中心としたオートメーション」すなわち、人を中心に据え、人と技術が協創するオートメーション世界の実現に注力し、お客様の安全・安心や企業価値の向上、地球環境問題の改善等に貢献する世界トップクラスの企業集団になることを長期目標と設定、段階的に中期経営計画を立案し、この目標達成に向けた取組みを行ってまいりました。
これまでは、オートメーションに焦点をあてつつ単一市場への過度な集中を避け、異なる市場構造を持つBA/AA/LAの3つの事業分野から成る複合的な事業ポートフォリオの構築を進め、顧客開拓やシナジー等による事業領域の拡大に取り組んでまいりました。これらの事業領域には、既存の製品・サービスの提供では持続的な成長の実現が厳しくなってきている成熟領域もあれば、IoTやAIといった新たな技術革新に伴い、急激に変化している領域もあります。基盤を確たるものとし、企業としての存続を確かなものとする取組みを継続するとともに、更なる成長を実現するため、国内外の事業機会の変化を的確に捉え、事業創造の視点から「商品と顧客現場の連携」によるソリューション提案力の向上に取り組み、グローバルでの顧客や社会の長期パートナーとして、azbilグループならではの価値の提供を実現してまいります。
中期経営計画(2017年度~2019年度)においては、事業構造改革及び体質強化に取り組むとともに、以下の3つの基本方針を堅持し、その効果を最大化してまいります。
1) 技術・製品を基盤にソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」へ
2) 地域の拡大と質的な転換で「グローバル展開」
3) 体質強化を継続的に実施できる「学習する企業体」を目指す
さらに、長期的視点から、事業変化に対応し、持続的な成長を実現できるように、IoTやAIの活用へ向けた投資も進めてまいります。
以上の取組みにより、世界水準の総合オートメーションメーカとして、企業と社会の持続可能な発展を目指し、グループ経営資源の最適かつ効率的な活用により、社会・環境・経済へ積極的に貢献するCSR経営を実行してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
azbilグループは、株主重視の方針に基づき、株主価値増大に向けて連結ROE(自己資本利益率)の向上を基本的な目標としており、収益性と資本効率の向上を通して2021年度をゴールとした長期目標として、営業利益300億円以上、売上高3,000億円規模、ROE10%以上を目指しております。
なお、現中期経営計画の最終年度である2019年度は、長期計画達成に向けた持続的成長を支える事業施策の着実な実行及び収益力強化の取組みを行う中で、現在の経営環境も勘案し、2017年度策定の当初目標(売上高2,700億円、営業利益250億円)に対し、売上高2,620億円、営業利益265億円で計画しております。
(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
azbilグループは、事業の中長期的な発展を確実なものとし、企業価値の持続的な向上を図ることで、株主の皆様をはじめとするステークホルダーの皆様のご期待にお応えしていきたいと考えております。このため、当社グループとして「人を中心としたオートメーション」の理念に基づく長期目標を設定し、この目標達成に向け、3つの事業軸(BA事業、AA事業、LA事業)において技術・製品を基盤に、ソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」となること、地域の拡大と質的な転換で「グローバル展開」を進めること、さらにその具現化に向け「学習する企業体」へと組織的な変革を進めることの3つを基本方針として掲げ、事業拡大へとつなげることのできる事業体質への変革を進めてまいりました。
さらに現在の会社を取り巻く内外の状況や急速な環境変化を考え、更なる継続的な成長のために、国内外とも事業単位での構造・体質の改革、先進的なグループ開発・生産体制の構築や技術革新(IoT、ビッグデータ、AI、ロボット等)に対応した技術・製品開発等の取組みを一層加速して推進いたします。また、コーポレート・ガバナンス強化に継続して取り組むとともに、今後も経営資源を有効かつ戦略的に配分し、これらの取組みの加速・定着を図ることで、持続的な成長を目指します。
① 3つの事業軸(BA・AA・LA事業)による取組み
3事業とも国内では成熟産業に位置しますが、置かれている環境は事業毎に大きく異なります。BA事業は、首都圏での再開発に伴い高水準で推移する需要を着実に捉えるため、ジョブ遂行プロセスの再整備やIT化等により、人的リソースの効率的・計画的な活用を進め、継続的な人員異動・教育や業務形態の変革を含む体制整備を行い、働き方改革を総合的に進めてまいります。具体的には、次世代ビルディングオートメーションシステム「savic-net™ G5」を軸に、センサ・アクチュエータの拡充、先進のビル向けクラウドサービスの拡張、ファシリティマネジメントサービスの変革等を進めております。また、企業の複数拠点の入退室情報を遠隔で一元管理する「統合化入退管理システム」の販売を開始し、お客様の働き方改革を支援いたします。これらの取組みにより、お客様の事業展開のステージに合わせて継続的な価値を提供・提案してまいります。
AA事業は、多岐にわたる市場から、技術の潮流変化を捉え、今後の成長と付加価値提供が見込める領域を選択・創出・集中することにより、成長を図るとともに、更なる高収益体質への変革や成長のための基盤整備を継続いたします。
従来製品で必要とされる通信プログラムの作成を不要とし、マルチベンダー間のデバイス間通信を実現する「形 NX-SVG」による装置のIoT化の推進や、オンライン異常予知システム「BiG EYESTM」のバッチプロセス版は、こうした取組みの一つです。
LA事業では、水道・各種ガスメータのIoT対応を引き続き進めております。LPガス市場においては、IoT化を見据えて様々な通信に柔軟に対応できる新型のLPガスメータ「K-SMαTM」を核に、新技術「LPWA」※1を活用したIoTによる検針値データをクラウドシステムで提供する新サービス「ガスミエールTM」や収集保存したビッグデータとAI技術を活用したLPガス容器配送計画最適化システムの販売を開始するなど、新たなオートメーション領域への事業展開を加速しております。また、戸建て住宅向け全館空調システムには、ライフスタイルに合わせた空調管理・省エネが可能となるタブレットリモコンを導入しました。
以上のような事業環境の変化に合わせ、azbilグループ内のリソース配分の最適化を継続して実施し、成熟領域における確実な事業機会の創造と同時に、新製品や新技術の導入により新たな成長事業領域への更なる展開を目指します。
※1 LPWA:Low Power Wide Areaの略。従来よりも圧倒的に少ない電力で長距離通信が可能になる無線通信技術で、IoTでの活用が期待されています。
② グローバル展開
海外市場におきましては、事業成長と収益拡大を支える更なる事業基盤強化策の一つとして、各国や地域の市場環境に対応し、付加価値の高い特長ある新製品・ソリューションの提案を継続的に強化し、グローバルでの事業拡大を目指します。東南アジア地域においては、事業支援及び事業管理の一元化を通じて、同地域における更なる事業成長を図ることを目的として、シンガポールに開設した「東南アジア戦略企画推進室」により、同地域での横断的な事業推進・戦略企画・経営管理を加速させております。
海外における事業毎の展開につきましては、BA事業は、アジア市場でのシェア拡大に向け、次世代ビルディングオートメーションシステム「savic-net G5」を軸に、海外半導体・液晶工場向けエア駆動タイプのバルブや流量計測機能付きの大口径モデルのバルブの販売を開始するなど、各国の事業環境・事業基盤に応じた施策を実施するとともに、国内で培ったエネルギーマネジメント技術を活用し、ライフサイクル型ビジネスモデルの段階的な強化を図ります。
AA事業は、成長余力の高い海外市場において、戦略地域での営業力強化策の展開や戦略製品の投入により、更なる事業拡大を進めてまいります。また、IoT、AI等の技術の潮流変化を捉えた、新しいオートメーション領域の創出、お客様の設備の診断などライフサイクルにわたるサービスを組み合わせることで、一層の成長に取り組んでまいります。
LA事業は、ライフサイエンスエンジニアリング領域を担当する欧州のアズビルテルスター有限会社における事業構造改革を着実に実施してまいりました。今後、新たな成長戦略を策定しその早期実現を進めてまいります。
以上に加えて、azbilグループの海外子会社における経営管理面におきましても、現地法人の評価体制を拡充するなど、引き続き各社の堅確な体制構築とグループ・ガバナンスの強化を進めてまいります。
③ 生産・開発
azbilグループの事業拡大に向けて、グループ生産体制を再編し、商品力強化に向けて開発リソースの集約・強化を進めてまいります。国内では神奈川県下にある生産機能を湘南工場に集約し、グローバルでの事業展開をリードする当社グループのマザー工場として稼働を開始する予定です。また、タイ工場や中国大連工場での生産能力をさらに拡大し、部材の海外調達の拡大と併せて、製品のコスト競争力をより高めるとともに、グローバルでのお客様対応や物流の最適化を進めてまいります。研究開発においては、モノと情報の融合による産業構造変革や、技術革新(IoT、ビッグデータ、AI等)に対応した商品・サービスの研究開発投資を継続して行い、その成果をお客様の工場・ビル運営等においてより企業経営に近いビジネス・プロセスに関わる新たなオートメーション領域へ展開いたします。また、独自の計測制御技術を活かした力覚※2と視覚機能を持つ次世代スマートロボットの開発・実証を継続し、人とロボットが共存する人協調型という今後成長の見込まれる分野での利用を探索してまいります。
※2 力覚:物に触れたとき、物から受ける抗力についての感覚
④ 経営管理・コーポレートガバナンス
グループ経営の推進とガバナンス体制の充実を図るとともに、リスク管理(品質・PL、防災・BCP、情報)、コンプライアンス(企業倫理・法令遵守)、人を重視した経営、地球環境への貢献及び社会貢献を重点取組み領域として、azbilグループをあげてCSR経営の推進に継続して取り組んでおります。特に経営の公正性、中立性及び透明性を高めるべく、コーポレートガバナンス・コードへの対応を進めながら、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資するよう、全てのステークホルダーの皆様との間で建設的な対話を進めるための体制整備を積極的に進めております。当社グループは、これまでも社会の持続的発展に貢献する取組みを継続しており、2018年度は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が選定した4つのESG(環境・社会・ガバナンス)指数※3の構成銘柄に選定されております。また、当社は、創業者の想いを進化させ「人を中心としたオートメーション」というグループ理念を制定しております。この理念に基づく経営を推進することにより、引き続き国連が定めたSDGs(Sustainable Development Goals-持続可能な開発目標)への対応をはじめ、国際社会における様々な課題の解決に向けて継続的に取り組んでまいります。
※3 ESG指数:FTSE Blossom Japan Index、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)、S&P/JPXカーボンエフィシェント指数
azbilグループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、以下のとおりであります。これらのリスクについては、総合リスク委員会及び取締役会にて審議され、総合的なリスク管理体制の推進を図るとともに、関連部門におけるリスク軽減策やリスク発生時の対応策を講じております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営環境に係わるリスク
azbilグループの商品やサービスの需要は、その事業に関連する市場である建設及び製造業や機械産業市場等の経済状況に左右される構造的な要因があり、事業を展開する地域の経済環境及び市場の大幅な景気後退、需要減少は、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当社グループでは景気循環サイクルの異なる各事業(建物市場におけるビルディングオートメーション(BA)事業、工業市場におけるアドバンスオートメーション(AA)事業、生活関連市場におけるライフオートメーション(LA)事業)に取り組んでおり、景気変動の影響を軽減しうる事業構成となっております。
上記の3事業とも景気変動に対して比較的安定した需要特性をもつライフサイクル型ビジネスの事業機会を有しており、事業成長目的とあわせて、景気変動時の財政状態への悪影響を抑える効果が期待できる施策としても取り組んでおります。
事業構造改革を進めるLA事業の今後の成長に向けた取組みを含めて、バランスの取れた3事業の展開及び3事業におけるライフサイクル型ビジネスの拡大を進め、安定した経営に注力してまいります。
(2) 競争環境における成長に係わるリスク
① 事業運営に係わるリスク
昨今、新たな技術やそれらの影響による社会インフラの変化、エネルギー市場の自由化等の規制緩和、グローバル化の進展、深刻化する少子高齢化など社会動向の劇的な変化が既存の事業に大きな影響を与え、新たなビジネスモデルの出現や異業種競合の市場参入など業界の構造変化を引き起こす可能性があります。こうした競争環境の下での更なる成長を実現するために、当社におきましても他社との提携やM&Aも視野に入れた事業展開を採りうる選択肢としておりますが、適正なタイミングでの望ましい候補先との機会を得ることや、またM&A後のシナジーにつきましても初期段階から効果を得ることは難しい可能性もあり、さらに提携、買収先企業とのコミュニケーションや理解不足による事業遂行上のリスクを負う可能性もあるため、十分な検討の必要性を認識しております。
このような事業や技術の提携及びM&Aの候補先検討を多面的に継続する一方で、新たな事業等に自社単独で参入する場合におきましては、体制構築や人材配備、法令や契約等の法規制や商習慣への対応等が必要となり、成果を得るために要する時間や投入すべき経営資源負担増の懸念も考慮し、事業等の目的や条件と照らし合わせ、慎重かつ合理的な判断を行ってまいります。
② テクノロジー(技術)に係わるリスク
研究開発におきましては、AIやビッグデータなど新たな技術潮流の見誤り、研究開発の遅れ、また不十分なオープンイノベーション活用や技術開発の失敗等、技術対応力の不足等により、グループの成長を阻害する競争力の低下や新製品の市場投入の遅延及び売れ行きの不振等による業績への影響が懸念されます。
azbilグループではこのような状況を認識し、競争優位を獲得するための適切な研究開発への投資、新たなビジネスモデル検証のための活動、企業内大学(アズビル・アカデミー)による職種転換・教育による体制整備、M&A機会の探索を継続するなど、今後とも環境変化への対応遅れや競争上の不利な状況を回避すべく施策展開を継続してまいります。
(3) 商品の品質に係わるリスク
azbilグループにおきましては、製品開発及び生産段階において専任の組織による品質確認や、適正な検査作業工程維持のための生産ラインの管理・改善の取組み、及び工場運営に関わる法令遵守状況の確認等、品質管理対応を強化しており、活動状況や関連する情報は、品質保証委員会をはじめとする会議体にて共有・可視化されるように努めております。
また、サービスや製品を安心してご使用・ご採用いただけるよう、設計段階や生産工程における確認に加え、安全面に特化した専任組織による審査を行うなど、対応を図っております。
製造物責任につきましては、保険に加入するなど問題発生に際しての備えも強化しておりますが、当社グループの製品、システム及びサービスの欠陥による事故が発生した場合は、多額のコスト発生や顧客からの評価に重大な影響を与え、それにより事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4) 国際事業活動に係わるリスク
azbilグループでは、グローバル化が進展する昨今の情勢下、高い成長率が見込まれる海外市場での事業拡大を目指し、活動を展開しております。
成長戦略としての海外での事業拡大は、現在40以上の現地法人及び2つの支店による営業・サービス活動をはじめ、中国の大連とタイの基幹工場における生産活動及び新たに投資した海外グループ企業による事業活動等により、積極的な展開を行っており、それらの効果も現れておりますが、今後の活動の継続にあたりましては、以下のようなリスクを想定しております。
① 地域の政治経済変化、法改正、テロ・商習慣の違いなどによる影響
進出先においての政治経済情勢の変化、現地の法律等の改正、自然災害、テロ、ストライキ等の発生等、不測の事態に遭遇する危険性があり、その場合には、事業、業績及び財政状態に一定の影響が出る可能性があります。
② BA事業の事業展開遅行による影響
BA事業では、東南アジア・中国を中心とした拠点設立と自社エンジニア及びパートナ-企業の確保等の事業遂行体制の整備、G5型集中監視システム等の海外市場向け商品の投入、並びに海外でのライフサイクル型ビジネス立ち上げのためサービス事業の定着を図るべく施策を展開しておりますが、BA市場における地域の特異性等により計画している事業展開に遅れが生じ業績に影響が出る可能性があります。
③ 為替変動による影響
azbilグループは、為替変動に対して、適切な財務上の為替ヘッジを行いつつ、海外生産の拡大等によるリスク軽減に取り組んでおりますが、急激な為替レートの変動は、売上高、原材料・部品の価格、販管費等の経費に影響し、当社グループの業績及び財政状態に一定の影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人材の確保と育成に係わるリスク
azbilグループは、「社員は重要な財産であり、新たな企業文化と企業価値の創造の源泉である」という普遍の考え方をベースに、「健幸経営」をスローガンに各種人事施策を展開しておりますが、以下のような状況においてリスクが生じる可能性を認識しております。
① 事業構造変化に応じた適材適所の人材配置
azbilグループでは、今後の技術発展や社会情勢の新たな展開等に誘発される事業構造の変化に対しての適切な人材配置の必要性を認識しており、加えて少子高齢化や多様性の進展、働き方改革をはじめとした新労働法制の施行等への対応も求められていることなどから、2018年度に新たな人事制度を立ち上げ、定着に向けた活動を展開しております。しかしながら、求める人材の確保、教育や円滑な配置展開等に支障をきたす場合には、生産性など組織パフォーマンスが低下するおそれがあります。
② 事業拡大のためのグローバルな人材確保と育成
海外事業展開のための人材確保と育成に係わる施策の遂行は、azbilグループの成長のための重要課題との認識のもと、拠点の増強とあわせて取組みを進めておりますが、目的に合致した人材の確保や事業展開のためのスキル教育等が順調に展開できない場合には、計画した事業成長目標の達成を阻害する要因となる可能性がリスクとして懸念されます。
(6) 情報漏洩やITセキュリティ対応等に係わるリスク
① 情報漏洩による影響
azbilグループでは、事業上の重要情報及び事業活動の過程で入手した個人情報や顧客、取引先、提携先等の機密情報を保有しておりますが、昨今、国内外ではGDPR(EU一般データ保護規則)等に代表される個人情報を主体とする各種情報の保護に対する法令の制定が進んでおり、遵守とそのためのルール整備や情報システムの強化が求められております。当社グループにおきましても、事業上の重要情報の機密保持とあわせて、個人情報保護に関しての法令遵守のため社内規定整備と運用及び社員への教育を行っております。しかしながら万一、予測できない事態によってこれらの情報が漏洩した場合は、業績及び財政状態への影響や企業評価が毀損するリスクが想定されます。
② ウイルス・サイバーテロ等による影響
azbilグループでは、激化するコンピューターウイルス等によるサイバー攻撃に対しての備えとして、より強固なIT環境の整備や社員の情報リテラシー(情報活用能力)を高めるため定期的な教育等の対応を継続的に行っております。
また当社で販売する商品やサービスの情報セキュリティ対応として、既存の開発部門に加えて、2019年4月に設置の情報セキュリティに特化した新たな審査部門(商品サイバーセキュリティ審査室)による確認を中心に、安心してご使用いただけることを目指した対応を図っております。
新たな手口の出現が絶えない現在の状況に対して、サイバー攻撃を完全に防御することは難しいと言われており、いくつかのケースでの発生を想定した情報セキュリティ対応を進めておりますが、想定外の攻撃によるリスクは残るものと考えております。
(7) 環境・気候変動・自然災害に係わるリスク
① 不測の事態発生時の生産機能への影響及び製品・サービスの供給支障による業績と企業評価への影響(国内拠点の集中によるリスク)
azbilグループのBA事業、AA事業の国内生産拠点(製造子会社を含む)は、過去3つの主要拠点が神奈川県に立地しておりましたが、生産と研究開発部門の再編や、主要生産品目を国内他地域及び中国とタイに設立の海外工場へ移管するなど生産拠点の分散化を図ることにより、拠点集中リスクの軽減を図ってまいりました。ただし、マザー工場として生産機能の中核となる湘南工場や、海外の生産拠点において、大規模災害等による直接的又は間接的な被害が及んだ場合は、一定程度の業績及び財政状態に影響が出る可能性があります。
② BCP(事業継続計画)対応に起因する影響
azbilグループでは、災害発生時に生じる顧客や関係取引先企業、自社への損害を最小限に抑えるべく、これまで特定の事態を想定のうえ、対応可能な事業継続期間を検証し、そのために必要な資金及び製品や部材の在庫、人員や生産設備等に求められる対応準備も進めてまいりましたが、想定を超える事態が発生した場合には、事業継続確保にあたり業績及び財政状態に大きな影響が出る可能性があります。
(8) コンプライアンスに係わるリスク
① 法令違反(独占禁止法、建設業法、労働基準法、贈収賄)による行政罰、課徴金等の発生リスク
azbilグループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、環境や安全、製品規格、その他理由による法的規制を受けており、法令遵守は最優先事項であるとの認識のもと、周知・教育活動を全社員に対して行うなど、徹底を図っております。しかしながら、新たに進出する地域や業界特性への対応、新たな法令や既存法制の改正対応の遅れなどにより、違反が生じた場合には、財政状態に影響が出る可能性があります。
② 営業停止、顧客離れなど二次的な影響が発生するリスク
万一、法令やガイドラインに違反するような事態に陥った場合の影響度合いにつきましては、法令で定められた処罰内容や法令が対象とする事業の範囲等により異なってきますが、深刻なケースでは、国や自治体による特定の事業に対する業務停止命令や入札停止等の事態が想定されます。
当社グループでは、CSR経営推進のもと、法令遵守は最優先事項であると認識し、定期的なモニタリングによる遵守確認とあわせて、周知・教育活動を全社員に対して行うなど、徹底を図っておりますが、こうした重大な法令違反等における不適切な行為等により、そのような事態に陥ってしまった場合には、風評被害による影響も含めまして、当社グループの企業評価が低下するリスクも想定されます。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるazbilグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
azbilグループを取り巻く事業環境は、国内の活発な都市再開発投資を背景に、大型建物向けの機器、システムの需要が引き続き堅調に推移しております。生産設備に対する設備投資についても、国内外で半導体等の製造装置市場が減速するなどの変化が見られましたが、人手不足等を背景とした合理化・省力化等への需要が継続しております。
当連結会計年度における業績につきましては、受注高が2,642億5千2百万円(前連結会計年度は2,662億6千2百万円)と、前連結会計年度比0.8%の減少となりました。
売上高につきましては、2,620億5千4百万円(前連結会計年度は2,603億8千4百万円)と、前連結会計年度比0.6%の増加となりました。
損益面につきましては、営業利益は、前連結会計年度比11.1%増加の266億9千万円(前連結会計年度は240億2千6百万円)となりました。経常利益は、前連結会計年度比13.8%増加の276億6千4百万円(前連結会計年度は243億1千6百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比5.9%増加の189億5千1百万円(前連結会計年度は178億9千万円)となりました。
(単位:百万円)
|
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
増減 |
増減率 |
|
受注高 |
266,262 |
264,252 |
△2,009 |
△0.8% |
|
売上高 |
260,384 |
262,054 |
1,670 |
0.6% |
|
営業利益 (利益率) |
24,026 (9.2%) |
26,690 (10.2%) |
2,663 (1.0P) |
11.1%
|
|
経常利益 |
24,316 |
27,664 |
3,348 |
13.8% |
|
親会社株主に帰属する (利益率) |
17,890 (6.9%) |
18,951 (7.2%) |
1,060 (0.4P) |
5.9%
|
当連結会計年度末の財政状態につきましては、以下のとおりです。
資産の状況
当連結会計年度末の資産の状況は、前連結会計年度末に比べて17億1千3百万円増加し、資産合計で2,755億1千8百万円となりました。
これは主に、保有株式の売却や時価の下落等により投資有価証券が51億6千5百万円減少した一方で繰延税金資産が20億3千2百万円増加したことに加え、売上債権が23億2千8百万円増加し、国内の工場統合・拡充に向けた投資等により建物及び構築物が18億4千3百万円増加したことによるものであります。
負債の状況
当連結会計年度末の負債の状況は、前連結会計年度末に比べて34億2千1百万円減少し、負債合計で924億2千1百万円となりました。
これは主に、未払法人税等が13億5千3百万円増加したものの、確定給付企業年金制度の会計上の終了処理及び一部の国内連結子会社の退職一時金制度における退職給付信託の設定等により退職給付に係る負債が35億8千7百万円減少したことに加え、仕入債務が13億9千6百万円減少したことによるものであります。
純資産の状況
当連結会計年度末の純資産の状況は、前連結会計年度末に比べて51億3千4百万円増加し、純資産合計で1,830億9千7百万円となりました。
これは主に、その他有価証券評価差額金が31億7千9百万円減少したことに加え、株主資本が、取締役会決議に基づく自己株式の取得により49億9千9百万円、配当金の支払により63億5千4百万円それぞれ減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により189億5千1百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の64.3%から65.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は161億1千2百万円となり、前連結会計年度に比べて33億6千8百万円の減少となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したものの、法人税等の支払額が増加したことに加え、一部の国内連結子会社の退職一時金制度において退職給付信託の設定による支出があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動に使用された資金(支出と収入の純額)は40億7千5百万円となり、投資有価証券の売却による収入は増加したものの、前連結会計年度に比べて40億2千6百万円の支出の増加となりました。
これは主に、前連結会計年度において国内の工場統合・拡充に向けた有形固定資産の取得による支出の増加等に対応して定期預金の払戻しなどを行っていたことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動に使用された資金(支出と収入の純額)は120億2千4百万円となり、前連結会計年度に比べて11億7千3百万円の支出の増加となりました。
これは主に、取締役会決議に基づく自己株式の取得による支出が増加したことによるものであります。
以上の結果、資金の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より5億5百万円減少し、681億3千4百万円となりました。
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における各事項の記載につきましては、消費税等抜きの金額で表示しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
ビルディングオートメーション事業 |
40,445 |
98.2 |
|
アドバンスオートメーション事業 |
35,319 |
104.0 |
|
ライフオートメーション事業 |
29,228 |
100.1 |
|
報告セグメント計 |
104,994 |
100.6 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
104,994 |
100.6 |
(注)上記金額は、azbilグループにおける製品の製造に係る費用及び工事の施工に係る原価を集計したものであり、商品の仕入及び役務収益に対応する費用は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前期比 (%) |
|
ビルディングオートメーション事業 |
123,766 |
105.1 |
64,204 |
106.6 |
|
アドバンスオートメーション事業 |
98,331 |
96.7 |
28,981 |
94.1 |
|
ライフオートメーション事業 |
43,867 |
91.4 |
12,998 |
89.3 |
|
報告セグメント計 |
265,965 |
99.4 |
106,184 |
100.6 |
|
その他 |
60 |
94.8 |
0 |
88.2 |
|
消去 |
(1,773) |
- |
(165) |
- |
|
連結 |
264,252 |
99.2 |
106,019 |
100.5 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
ビルディングオートメーション事業 |
119,500 |
99.4 |
|
アドバンスオートメーション事業 |
99,389 |
102.2 |
|
ライフオートメーション事業 |
44,840 |
101.4 |
|
報告セグメント計 |
263,731 |
100.8 |
|
その他 |
61 |
95.0 |
|
消去 |
(1,738) |
- |
|
連結 |
262,054 |
100.6 |
(注)総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるazbilグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
azbilグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における業績につきましては、受注高が2,642億5千2百万円(前連結会計年度は2,662億6千2百万円)と、前連結会計年度比0.8%の減少となりました。堅調な市況を背景にビルディングオートメーション(BA)事業の受注は着実に増加しましたが、アドバンスオートメーション(AA)事業及びライフオートメーション(LA)事業の受注は、前連結会計年度に大型案件を計上していたことの反動を主因に、一部市況の悪化による影響もあり、減少いたしました。
一方で、売上高につきましては、AA事業、LA事業が増加し、2,620億5千4百万円(前連結会計年度は2,603億8千4百万円)と、前連結会計年度比0.6%の増加となりました。
損益面につきましては、営業利益は、増収及び事業収益力強化の施策の効果により、前連結会計年度比11.1%増加の266億9千万円(前連結会計年度は240億2千6百万円)となりました。営業利益の増加に伴い、経常利益は、前連結会計年度比13.8%増加の276億6千4百万円(前連結会計年度は243億1千6百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、確定給付企業年金制度の会計上の終了処理による損失の計上※1に加え、税金費用が前連結会計年度において子会社の繰延税金資産の回収可能性を見直したことなどによる一時的な減少の反動から増加しましたが、営業利益の増加及び投資有価証券売却益の増加により、前連結会計年度比5.9%増加の189億5千1百万円(前連結会計年度は178億9千万円)となりました。
※1 「確定給付企業年金制度の会計上の終了処理による損失の計上」
当社及び一部の国内連結子会社の受給権者を対象とする確定給付企業年金制度(いわゆる閉鎖型年金)について、「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」(企業会計基準適用指針第1号)及び「退職給付制度間の移行等の会計処理に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第2号)に基づく退職給付制度の終了の会計処理を行い、その損失を退職給付制度終了損として特別損失に計上しております。なお、確定給付企業年金制度自体は終了せず、受給権者への給付は現行どおり行われます。
azbilグループは、「人を中心としたオートメーション」の理念のもと、3つの基本方針※2を軸として、中期経営計画(2017~2019年度)を策定し、持続的な成長の実現に向けた取組みを進めております。事業環境の変化にも迅速かつ着実に対応し、将来に向けた成長を実現していくために、各事業において事業構造の変革、利益体質の改善を推し進めております。また、中長期で需要の継続・拡大が期待できる「ライフサイクル型事業の強化」、「新オートメーション領域の開拓」、「環境・エネルギー分野の拡大」を推進し、併せてこれら領域の開拓、持続的成長を実現するための基盤強化として、研究開発及び生産体制の整備・拡充等に取り組んでおります。
※2 「3つの基本方針」
・技術・製品を基盤にソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」へ
・地域の拡大と質的な転換で「グローバル展開」
・体質強化を継続的に実施できる「学習する企業体」を目指す
セグメント毎の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については次のとおりであります。
ビルディングオートメーション(BA)事業
BA事業を取り巻く環境は引き続き堅調に推移しております。国内市場では、首都圏における都市再開発案件に加え、省エネルギーや運用コスト低減に関するソリューションの需要が高く、海外市場においても、経済成長が続くアジア地域において、大型建物に対する国内外資本による投資が継続しております。
こうした事業環境を背景に、採算性に配慮しつつも積極的な受注の獲得に取り組み、併せて、働き方改革への対応も踏まえ、施工現場を主体に業務の遂行能力の強化と効率化を進めてまいりました。また、IoT等の技術活用を志向する国内外の顧客ニーズに対応するための製品・サービスの開発・強化を進めてまいりました。この結果、BA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は着実に増加し、前連結会計年度比5.1%増加の1,237億6千6百万円(前連結会計年度は1,178億1千1百万円)となりました。売上高につきましては、ほぼ前年度並みとなる1,195億円(前連結会計年度は1,202億3千3百万円)となりました。セグメント利益は、上期に発生した一時的な引当費用の計上等により前連結会計年度比1.3%減少の124億2千1百万円(前連結会計年度は125億8千3百万円)となりました。
BA事業を取り巻く事業環境は、東京オリンピック/パラリンピック関連需要に加えて、2020年以降にも大型の都市再開発案件が計画されております。併せて、1990年前後及び2000年代初頭に建設された大型建物が改修時期を迎えることから、既設建物の改修需要の拡大による収益機会の増加が2020年以降見込まれております。BA事業では、これらの需要を確実に獲得し、業務を着実に遂行することで増収を図るとともに、更なる高利益体質確保に向け、事業プロセス変革を含めた取組みを進めてまいります。
(単位:百万円)
|
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
増減 |
増減率 |
|
受注高 |
117,811 |
123,766 |
5,954 |
5.1% |
|
売上高 |
120,233 |
119,500 |
△732 |
△0.6% |
|
セグメント利益 (利益率) |
12,583 (10.5%) |
12,421 (10.4%) |
△162 (△0.1P) |
△1.3%
|
アドバンスオートメーション(AA)事業
AA事業を取り巻く国内外の市場の動向につきましては、半導体等の製造装置市場での投資が減少するなどの変化が見られましたが、人手不足等を背景とした合理化・省力化に向けた自動化へのニーズは高い水準で継続いたしました。こうした事業環境のもと、グローバルでの競争力獲得を目指した3つの事業単位※3(CP事業、IAP事業、SS事業)による、マーケティングから開発、生産、販売・サービスに至る一貫体制でのオペレーションを徹底するとともに、海外での事業拡大を含めた事業成長施策と事業収益力強化を進めてまいりました。この結果、AA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、前連結会計年度にエネルギー関連市場等で大型案件を計上していたことの反動に加えて、一部市況が悪化したことにより、前連結会計年度比3.3%減少の983億3千1百万円(前連結会計年度は1,017億3千7百万円)となりました。一方で、売上高は着実に伸長し、前連結会計年度比2.2%増加の993億8千9百万円(前連結会計年度は972億3千1百万円)となりました。セグメント利益は、増収に加えて事業収益力強化に向けた取組みの成果がさらに拡大し、前連結会計年度比23.0%増加の122億1千1百万円(前連結会計年度は99億3千1百万円)となりました。
AA事業では、引き続き3つの事業単位を軸とした事業収益力強化と海外事業の拡大を含む成長戦略の展開に継続して取り組んでまいります。併せて、製品開発力の育成・強化に注力し、昨今の技術潮流の変化を捉えた新しいオートメーション領域を創出、アズビルならではの付加価値の高い製品・サービスを国内外のお客様に提供することで、高い収益力と成長力のある事業を目指します。
(単位:百万円)
|
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
増減 |
増減率 |
|
受注高 |
101,737 |
98,331 |
△3,405 |
△3.3% |
|
売上高 |
97,231 |
99,389 |
2,158 |
2.2% |
|
セグメント利益 (利益率) |
9,931 (10.2%) |
12,211 (12.3%) |
2,280 (2.1P) |
23.0%
|
※3 「3つの事業単位(管理会計上のサブセグメント)」
CP事業 :コントロールプロダクト事業(コントローラやセンサ等のファクトリーオートメーション向けプロダクト事業)
IAP事業:インダストリアルオートメーションプロダクト事業(差圧・圧力発信器やコントロールバルブ等のプロセスオートメーション向けプロダクト事業)
SS事業 :ソリューション&サービス事業(制御システム、エンジニアリングサービス、メンテナンスサービス、省エネソリューションサービス等を提供する事業)
ライフオートメーション(LA)事業
LA事業は、ガス・水道等のライフライン、製薬・研究所向けのライフサイエンスエンジニアリング(LSE)、そして住宅用全館空調システムの生活関連(ライフ)の3つの分野で事業を展開しており、事業環境はそれぞれ異なります。
売上の大半を占めるガス・水道等のライフライン分野は、法定によるメータの交換需要を主体としており、ガス販売の自由化による事業環境の変化は見られますが、引き続き安定した需要が見込まれます。一方、LSE分野及び住宅用全館空調システムの生活関連分野におきましては、事業構造改革による安定的な収益の実現と向上に継続して取り組んでおります。こうした事業環境や取組みを背景に、LA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、ライフライン及び生活関連(ライフ)分野において増加しましたが、LSE分野において前連結会計年度に大型案件を計上していたことの反動等により減少し、全体として前連結会計年度比8.6%減少の438億6千7百万円(前連結会計年度は480億1千3百万円)となりました。売上高はライフライン分野・生活関連分野で伸長し、前連結会計年度比1.4%増加の448億4千万円(前連結会計年度は442億8百万円)となりました。セグメント利益は、増収及び事業構造改革による収益改善の結果、前連結会計年度比37.3%増加の20億6千万円(前連結会計年度は15億1百万円)となりました。
LA事業では今後も引き続き、同事業を構成する各事業分野の収益の安定化・向上に取り組んでまいります。また、これと並行して、ガス販売自由化等、エネルギー供給市場における需要の変化を捉えた新たな事業機会創出、IoT等の技術革新の動きを捉えた新製品の開発・投入等により、今後の事業拡大に向けた取組みも進めてまいります。
(単位:百万円)
|
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
増減 |
増減率 |
|
受注高 |
48,013 |
43,867 |
△4,146 |
△8.6% |
|
売上高 |
44,208 |
44,840 |
631 |
1.4% |
|
セグメント利益 (利益率) |
1,501 (3.4%) |
2,060 (4.6%) |
559 (1.2P) |
37.3%
|
2019年度の見通し
2019年度につきましては、国内外経済情勢における不透明感等、懸念材料はありますが、IoT、AI、クラウドといった新技術活用のための研究開発等、将来の成長に必要な事業基盤整備への投資を継続しつつ、2018年度において成果をあげた事業収益力強化施策をさらに推し進めることで、売上高は前年度同水準の2,620億円を見込み、損益面につきましては、営業利益で前連結会計年度比0.7%減少の265億円、経常利益は前連結会計年度比5.3%減少の262億円、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比2.4%減少の185億円を見込んでおります。
BA事業は、都市再開発・オリンピック/パラリンピック関連で堅調な事業環境を背景に受注が好調です。こうした受注案件に整備したジョブ遂行体制で着実に対応することで高い水準の売上を国内で達成するとともに、海外での事業を拡大し、全体として増収、増益を見込んでおります。
AA事業では、装置メーカ市場の市況低迷が国内外で進む等、一部の市場に事業環境の悪化が見られます。一方、国内における人手不足を背景とした自動化や海外での生産性向上を目指した自動化のニーズは高く、これらの国内外における自動化ニーズを背景としたオートメーションへの投資は底堅く推移しています。幅広い市場を対象とする当社グループならではの特性を活かしつつ、3つの事業単位(CP事業、IAP事業、SS事業)でのオペレーションを徹底し、事業領域の拡大と収益力強化の更なる展開を図ることで、引き続き高い水準での利益確保を目指してまいります。
LA事業は、法定による比較的安定した交換需要をベースに、新たな需要開拓で伸長を目指すガス・水道等のライフライン分野を主体に、全体として収益の改善を見込んでおります。
(単位:億円)
|
|
|
2019年3月期 実績 |
2020年3月期 見通し |
増減 |
増減率 |
|
ビルディング オートメーション事業 |
売上高 |
1,195 |
1,250 |
54 |
4.6% |
|
セグメント利益 (利益率) |
124 (10.4%) |
137 (11.0%) |
12 (0.6P) |
10.3%
|
|
|
アドバンス オートメーション事業 |
売上高 |
993 |
940 |
△53 |
△5.4% |
|
セグメント利益 (利益率) |
122 (12.3%) |
106 (11.3%) |
△16 (△1.0P) |
△13.2%
|
|
|
ライフ オートメーション事業 |
売上高 |
448 |
450 |
1 |
0.4% |
|
セグメント利益 (利益率) |
20 (4.6%) |
22 (4.9%) |
1 (0.3P) |
6.7%
|
|
|
その他 |
売上高 |
0 |
1 |
0 |
61.6% |
|
セグメント利益 (利益率) |
0 (3.7%) |
0 (0.0%) |
△0 (△3.7P) |
-
|
|
|
連結 |
売上高 |
2,620 |
2,620 |
△0 |
△0.0% |
|
営業利益 (利益率) |
266 (10.2%) |
265 (10.1%) |
△1 (△0.1P) |
△0.7%
|
|
|
経常利益 |
276 |
262 |
△14 |
△5.3% |
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益 (利益率) |
189 (7.2%) |
185 (7.1%) |
△4 (△0.2P) |
△2.4%
|
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
azbilグループの資本の財源及び資金の流動性については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり健全な財政基盤を維持し、必要な運転資金等への十分な流動性も確保していると認識しております。加えて、大規模な自然災害の発生等、不測の事態でも事業を継続し、供給責任を果たすことのできる強固な財務基盤を引き続き維持しております。他方、キャッシュ・フローや内部留保を含めた資本を活用し、持続的な成長の実現や事業基盤の整備・強化に向けて、国内外生産拠点の再編・拡充をはじめとする設備投資や技術革新に対応した研究開発への投資を実現しております。今後につきましても、成長に向けた商品・サービスの拡充、先進的なグローバル生産・開発の構造改革等、事業基盤の強化・拡充に注力するとともに、M&Aといった将来の成長投資を進めてまいります。
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、主に内部資金によっておりますが、一部借入による資金調達も行っております。借入による資金調達に関しましては、主に短期借入金で調達しておりますが、当連結会計年度末現在で短期借入金の残高は9,866百万円で、前連結会計年度末に比べて304百万円減少しております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、現在の中期経営計画(2017年度~2019年度)において、最終年度である2019年度は、営業利益を250億円、売上高を2,700億円、ROEは9%以上を目標としてまいりました。さらに、2021年度をゴールとした長期目標では、営業利益300億円以上、売上高3,000億円規模、ROE10%以上を目標としております。
達成状況につきましては、事業施策の着実な実行及び収益力強化の取組みの成果により、当連結会計年度の売上高は2,620億円、営業利益は266億円を計上し、過去最高益を更新、上述の中期経営計画最終年度の目標(250億円)を1年前倒しで達成することができました。また、ROEは10.6%と、税金費用の一時的な減少があった前年度に続き10%台を確保いたしました。なお、2019年度においても、前述のとおり営業利益で目標(250億円)を上回る水準(265億円)を計画しております。
該当事項はありません。
「人を中心としたオートメーション」の理念に基づく次世代商品を迅速に顧客へ提供するためにマーケティング部門と研究開発部門の連携を強め、新商品開発と技術開発に取り組んでおります。
建物・産業を取り巻く様々な環境変化に対応し中長期にわたり技術的強みを持つ次世代商品の開発を実現するため5つの戦略技術領域を定めており、具体的には以下のとおりです。
・人間・機械融合システム技術
ファクトリーオートメーション領域及びライフサイエンス領域における知能化生産システムの開発
・自在計測制御技術
加工組立産業における新たなセンシング・パッケージング技術開発とリアルタイム計測を可能にするセンサの開発
・わかる化プロセス情報技術
IoTの動向に対応した工場の生産性改善や設備保全を支援する技術開発とビル向け遠隔省エネ支援システムの開発
・環境調和計測制御技術
東京オリンピック・パラリンピック開催や首都圏再開発に向けた中長期にわたり継続的に価値提供可能な空調制御システムの開発
・快適空間計測制御技術
健康で快適性に優れ、知的生産性の向上と省エネルギーを両立する空調制御技術の開発
特に2019年度は、各事業領域において以下の開発を推進してまいります。
・ビルディングオートメーション事業領域
次世代空調システム機能強化、ビルセキュリティシステム、空調コントローラ機能拡充、流量計測バルブ各種、赤外線アレイシステム
・アドバンスオートメーション事業領域
次世代電磁流量計、温度調節計機能拡張、バルブ診断機能拡張、流量計機能拡張、人工知能を用いたファクトリーオートメーション向け技術及び各種製品
・ライフオートメーション事業領域
新機能ガスメータ、業務用ルーツメータ、新機能ガバナ
未来を見据えた開発としては以下を推進してまいります。
・デジタル変革期に工場運営に関わる様々な課題に対応するIoT・AI・ビッグデータをはじめとする最新技術を搭載・活用した製品
・従来人の手に頼っていた“精密な繰り返し作業”や“微妙な力制御を必要とする作業”などを、高度な力覚技術により実現する次世代スマートロボット
・次世代MEMS技術の研究開発の推進
事業のグローバル展開に合わせて、米国のシリコンバレーに設置した研究開発拠点及び欧州グループ会社による、日本・米国・欧州の3極体制で技術・商品開発を行っております。米国の研究開発会社においては当社の目指す「自在計測制御技術」を実現する技術開発の推進と、IoT等の最新の技術動向調査や国際標準活動を行っております。欧州ではアズビルテルスター有限会社との協創により製薬関連施設や医療機関等に提供する商品力強化を図っております。
生産技術としては、人間・機械融合システム技術による新生産ラインを開発するとともに自社生産ラインのIoT化を図ることで、品質・設備保全に関する生産情報を遠隔管理してグローバル生産を強化してまいります。また、技術標準化においては、国際標準への対応、開発・設計の標準化、計測標準の3つに取り組み、商品の機能・コスト・品質・信頼性・安全性の強化を図ることによって事業の競争力を高めてまいります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は11,896百万円(売上高比4.5%)となりました。
各セグメント別の研究開発費及び主な成果は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
研究開発費 (百万円) |
主な成果 |
|
ビルディングオートメーション事業 |
|
・ビルの出入履歴のデータをネットワーク経由で収集・一元管理し、ユーザー(人事・総務部門管理者)に日々配信する統合化入退管理システム ・海外の半導体・液晶パネル工場向けの空調機用高機能バルブ ・東アジア及び東南アジアでニーズの高い大容量空調に対応し、省エネルギーを実現する流量計測制御機能付電動二方弁 「ACTIVAL +™(アクティバル プラス)」の大口径モデル |
|
アドバンスオートメーション事業 |
|
・大気汚染の原因となるVOC排出量を低減するロー・エミッション・グランドパッキン採用調節弁 ・装置IoT化を支援、各種制御デバイスの情報連携を通信プログラムレスで実現するスマート・デバイス・ゲートウェイ 「形 NX-SVG」 |
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ライフオートメーション事業 |
|
・専用アプリケーション搭載のスマートフォンを活用しガスメータ検針時に手軽に素早くデマンド・ロードサーベイデータ収集が行える近距離無線通信機能負荷計測器 ・通信モジュールビルトイン式LPガス用マイコンメータ 「K-SMα™」開発 ・「大容量ルーツ式ガスメータ」の性能をそのままに小型・軽量を実現し、従来と比べて省スペースで設置可能な超小型ルーツガスメータ ・新技術「LPWA」活用により離島や山間部等の水道の難検針への対応を可能にした自動検針システム ・AIを活用したLPガス容器配送計画最適化システム |
|
その他 |
|
- |
|
合計 |
|
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