文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、azbilグループが判断したものであります。
(1)経営方針
azbilグループは、創業100周年の2006年に理念を「人を中心としたオートメーションで、人々の安心、快適、達成感を実現するとともに、地球環境に貢献する」と定め、2012年には社名をアズビル株式会社と変更し、グループを挙げて、理念の実践を通して、当社グループならではのユニークな企業集団として存続・発展することを目指してまいりました。
2012年より、次の「3つの基本方針」
・技術・製品を基盤にソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」へ
・地域の拡大と質的な転換で「グローバル展開」
・体質強化を継続的に実施できる「学習する企業体」を目指す
を定め、事業構造・業務構造の変革を進め、営業利益が2012年度の134億円から2019年度の272億円へと事業収益力の強化を着実に実現し、自己資本当期純利益率(ROE)についても10.9%と伸長いたしました。
当社グループは、人を中心としたオートメーションの発想に基づく製品、サービスの強化を進め、BA(ビルディングオートメーション)、AA(アドバンスオートメーション)及びLA(ライフオートメーション)の3つの事業を、顧客・社会とのライフサイクル型事業として進化させることで、顧客提供価値及び事業の利益性を高めてまいりました。
また、成長エンジンとしてのグローバルな事業基盤の整備を推進し、営業・サービス面では、世界23カ国での事業展開を拡大し、先進的な成長のための地域戦略組織の第1弾を、2018年よりシンガポールにて立ち上げております。生産面においても、中国、タイ、日本の3つの拠点を整備し、商品生産の効率化とともにBCP(Business Continuity Plan-事業継続計画)等の対応整備も進めました。特に2019年度は、新たに湘南工場を整備しグローバル生産におけるマザー工場としてスタートいたしました。
技術開発においても、グループの開発拠点における整備・設備投資を進め、計量・計測の基本となるセンサ開発を含む設備投資をスタートし、新たなAI、IT、クラウドを活用した商品開発や販売が、BA、AA、LAの全ての事業で進捗するなど、次の成長のエンジンとして整備が進みました。
人材面では、事業環境の変化、少子高齢化やグローバル化の進展に対応した「学習する企業体」への取組みも進み、アズビル・アカデミーによる社内スキル整備・配置や、各種人事施策の整備と実践により、630人規模の戦力強化と再配置を実践しております。
将来に向けて、理念、経営戦略を社員の一人ひとりに展開し、当社グループが強みを持つ事業領域の開拓・拡大の取組みを進めるための新たな行動指針や基準を制定し、今後の持続可能な社会へ直結する事業、長期にわたる持続的事業成長の基盤としてまいります。
さらに、これまで当社グループでは、危機管理対応としてのBCPに関する整備に加え、強固な財務体質の確保を図り、持続的事業成長に向けた経営基盤を構築しており、資金調達力の強化・多様化も含めまして、今後の対応力は着実に強化されてきております。
なお、足元においては当面、新型コロナウイルス感染拡大の影響による世界的な消費の落ち込み、経済活動・生産活動の停滞は、建物やプラント・工場における設備投資の減少や工事の遅延・停止を引き起こし、当社グループのBA、AA、LA各事業の活動に影響を与えることが見込まれます。当社グループでは、これまでの着実な成果を基に、この感染拡大の影響に対して、危機管理を徹底し、事業環境の変化に応じた迅速な施策展開を進めることで事業継続を確かなものとしてまいります。また、現状、お客様の重要設備の維持に不可欠なエンジニアリング、サービスの提供や社会インフラの安全維持に必要な事業の継続要請への対応に伴い、お客様・社員の安全に十分配慮しつつ、適切な対応を進めております。当社グループは、このような不透明な経済・事業環境においても、これまでに成果を上げてきた収益力強化施策をさらに推し進めるとともに、安定的な需要が見込めるサービス分野等の高付加価値化、事業の成長に向けて尽力してまいります。
(2)経営戦略等
当社は、「人を中心としたオートメーション」すなわち、人を中心に据え、人と技術が協創するオートメーション世界の実現に注力し、お客様の安全・安心や企業価値の向上、地球環境問題の改善等に貢献する世界トップクラスの企業集団になることを長期目標と設定、段階的に中期経営計画を立案し、この目標達成に向けた取組みを行ってまいりました。
これまでは、オートメーションに焦点をあてつつ単一市場への過度な集中を避け、異なる市場構造を持つBA/AA/LAの3つの事業分野から成る複合的な事業ポートフォリオの構築を進め、顧客開拓やシナジー等による事業領域の拡大に取り組んでまいりました。これらの事業領域には、既存の製品・サービスの提供では持続的な成長の実現が厳しくなってきている成熟領域もあれば、IoTやAIといった新たな技術革新に伴い、急激に変化している領域もあります。基盤を確たるものとし、企業としての存続を確かなものとする取組みを継続するとともに、更なる成長を実現するため、国内外の事業機会の変化を的確に捉え、事業創造の視点から「商品と顧客現場の連携」によるソリューション提案力の向上に取り組み、グローバルでの顧客や社会の長期パートナーとして、azbilグループならではの価値の提供を実現してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
azbilグループは、株主重視の方針に基づき、株主価値増大に向けて連結ROE(自己資本当期純利益率)の向上を基本的な目標としており、収益性と資本効率の向上を通して2021年度をゴールとした長期目標として、営業利益300億円以上、売上高3,000億円規模、ROE10%以上を目指しております。
(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
1)新型コロナウイルス感染拡大に対する取組み
azbilグループは、新型コロナウイルス感染症の発生後、当社で準備してきたBCP対応を発動し、速やかに対策本部を立ち上げ、代表取締役社長を本部長として、国内外当社グループ各社と連携し、社員の安全確保と感染拡大防止策の実施を最優先に、事業継続に向けた取組みを進めております。
具体的には、感染拡大防止に向け日本政府より4月に発令された緊急事態宣言を受け、国内グループ各社の事業所の活動形態を見直し、社員の在宅勤務等を推し進め、自治体の措置に応じて事業所の活動の休止又は縮小を進める一方、医療機関や社会インフラの維持等に必要とされる施設や設備に関するエンジニアリング、サービスや機器の提供等の事業活動につきましては、お客様・社員の安全に十分配慮しつつ継続しております。海外グループ各社におきましても、所在国における状況に合わせ、対策本部による状況把握、対策の展開等、同様の措置を取り、企業としての社会的責任を果たすことに取り組んでおります。
財務面の備えにおいても、当社グループの当連結会計年度末の自己資本比率は66.7%であり、747億円の現金及び現金同等物を保有しております。また、複数の金融機関との間で締結しているコミットメントライン契約額は未使用のまま総額100億円を維持しており、さらには、長期発行体格付けとして格付投資情報センターより「シングルA(安定的)」を獲得して、社債発行登録済枠200億円を設定するなど、将来の必要に応じた高い資金調達力を維持しております。
当社グループは、引き続き社員と地域社会の安全・安心への配慮を優先しつつ、建物や生産設備、エネルギー供給インフラといった社会の維持に不可欠なお客様への供給責任と社会的責任を果たすことに取り組んでまいります。
2)持続可能な成長に向けての取組みの推進
azbilグループは、2012年に3つの基本方針を制定し、2021年度をゴールとする長期目標達成に向けて、事業面、グローバル展開、人材育成等の基盤づくりを進めてまいりました。その成果として、事業収益力は向上し、また、グローバル事業基盤、生産、人財、財務体質といった基盤も強化されました。これまでの成果を起点に、2020年度より新たな成長を目指します。併せて、2030年をターゲットに全世界的に取組みが本格化するSDGs(Sustainable Development Goals-持続可能な開発目標)への「直列」に繋がる貢献の取組みをスタートします。現時点で、新型コロナウイルス感染症が事業に及ぼす影響を見通すことは困難でありますが、今後、社会が大きく変化する中、オートメーションに求められる価値は高まると認識しております。事業継続に向けた対応施策を新たな経営体制の下で着実に実施し、お客様への供給責任と社員の安全・安心の確保を含めた企業としての社会的責任を全うするとともに、次世代の成長に向けた取組みを進めてまいります。
当社グループでは、これまで事業構造の変革、利益体質の改善を推し進め、持続的成長を実現するための基盤強化として、研究開発及び生産体制の整備・拡充等に取り組み、併せて、中長期で需要の継続・拡大が期待できる3つの事業領域、すなわち「ライフサイクル型事業の強化」、「新オートメーション領域の開拓」、「環境・エネルギー分野の拡大」を推進してまいりました。
従来からの少子高齢化等による社会構造の変化、気候変動における課題への対応は、今後さらに重要性が高まると認識しております。特に、省力化やIT技術を活用した遠隔からのエンジニアリング、サービスの提供についてはさらにニーズが高まると認識しており、IoT、AI、クラウドといった技術潮流の変化を捉え、これら喫緊の課題に着実に対応してまいります。前述の3つの事業領域は、当社グループがこれまで培ってきたお客様との信頼関係や経験・知見をベースに、強みを発揮できる領域であり、先進技術(IoT、ビッグデータ、AI、ロボット等)を活用した安全と生産性、価値向上に貢献する新たなソリューション提供を拡大するとともに、新たなセンサ・デバイス開発等フィールド機器強化にも取り組んでまいります。
当社グループの事業は、建物、生産設備、エネルギー供給インフラ等の維持に不可欠な製品の供給、エンジニアリング、サービスの提供を担っており、新型コロナウイルス感染症の影響下でも需要が継続的に発生いたします。こうした需要に企業グループとして確実にお応えし、お客様の事業継続に貢献することで自らの事業継続も確かなものとしつつ、学習する企業体として自らの変化対応力を強化し、オートメーションに新たな価値を加えたソリューションをお届けすることで、収益力強化と持続可能な社会への「直列」に繋がる貢献を目指してまいります。
また、当社グループは、コーポレート・ガバナンス強化にも継続して取り組むとともに、上述の収益力強化と持続可能な成長に向けた取組みのため、グループの経営資源を有効かつ戦略的に配分し、これらの取組みの加速・定着を図ってまいります。その具体的な内容は次のとおりです。
① 国内事業
3事業とも国内では成熟産業に位置しますが、置かれている環境は事業毎に大きく異なります。
BA事業は、引き続き高水準で推移する首都圏での需要を着実に捉えるため、建物のライフサイクルにわたる付加価値提供に向けた、ジョブ遂行プロセスの再整備やIT化等により、人的リソースの効率的・計画的な活用を進めると同時に、商品力強化を推進することによりビジネスモデルの再構築を進めます。具体的には、次世代ビルディングオートメーションシステム「savic-netTM G5」を軸に、センサ・アクチュエータの拡充、先進のビル向けクラウドサービスの拡張、ファシリティマネジメントサービスの変革等を継続して進めております。また、在室者の増減や日射、OA機器の表面温度を計測し、室内空間の温度変化の兆しを捉えるビル向け赤外線アレイセンサシステムや、執務者固有の体感を空調に反映する温冷感空調システム等により快適性や生産性向上に貢献しております。これらの取組みにより、お客様の事業展開に合わせて継続的な価値を提供・提案してまいります。
AA事業は、多岐にわたる市場から、技術の潮流変化を捉え、今後の成長と付加価値提供が見込める領域を選択・創出・集中することにより成長を図るとともに、グローバルな共通事業モデルに経営資源を集中することにより競争力を強化します。これら成長戦略と収益力強化策をCP事業、IAP事業、SS事業の3つの事業単位でのオペレーションにより着実に実行してまいります。具体的には国内外での顧客カバレッジ拡大のための営業体制強化や、新しいオートメーションの創造に資する製品開発の加速等に取り組みます。過酷な環境での長期使用が可能な耐環境光電スイッチ(形 H2B)や、センサ2台分の機能を内蔵し1台で最大4エリアの検出が可能なアジャスタブル近接センサ(形 H3C)、多品種少量生産のバッチプロセス向け機能強化を図ったオンライン異常予兆検知システム「BiG EYESTM R200」等は、こうした製品の事例となります。
LA事業では、水道・各種ガスメータのIoT対応を引き続き進めております。LPガス市場においては、IoT向け通信規格LTE-M※1を活用した、検針・保安・各種アラーム状況のデータをクラウドシステムで提供する新サービス「ガスミエールTM」の拡販、都市ガスや水道についても同様の検針・アラームデータのスマート化実証実験の開始、さらには電気・ガス・水道のデータをかけ合わせて新たな価値を創造するサービスの検討等、SMaaS(Smart Metering as a Service)時代を見据えた新たなオートメーション領域への事業展開を加速しております。
以上のような3つの事業軸への取組みと同時に、国内外で大きく変化していくことが見込まれるエネルギーマネジメント領域における、製品面、事業インフラ面、サービス面といった多方面における東光高岳グループとの協業や、データを活用した新たなソリューション事業の展開に向けた検討、事業軸を越えた取組みも推進してまいります。さらに、IoT、AI等の最新技術の応用、商品のサービス化・クラウド化等、IT関連の事業環境変化に対応して商品企画・開発・運用を強力に推進するための新たな組織「ITソリューション推進部」を2020年4月に立ち上げ、併せてクラウド運用体制を強化することを目的に「クラウド運用センター」を新設いたしました。
※1 LTE-M:省電力で広いエリアをカバーする無線通信技術LPWA(Low Power Wide Area)のうち、免許の必要な周波数帯域(ライセンスバンド)を利用するIoT向けの通信規格。
② 海外事業
海外市場におきましては、事業成長と収益拡大を支える更なる事業基盤強化策の一つとして、各国や地域の市場環境に対応し、付加価値の高い特長ある新製品・ソリューションの提案を継続的に強化し、グローバルでの事業拡大を目指します。東南アジア地域においては、シンガポールを拠点とする「東南アジア戦略企画推進室」により、同地域での横断的な事業推進・戦略企画・経営管理を加速させております。
海外における事業毎の展開につきましては、BA事業は、アジア市場でのシェア拡大に向け、次世代ビルディングオートメーションシステム「savic-net G5」を軸に、国内事業モデルでの強み(省エネアプリケーション、エンジニアリング・サービス力)を展開し、各国の事業環境・事業基盤に応じた施策を実施するとともに、ライフサイクル型ビジネスモデルの段階的な強化を図ります。
AA事業は、成長余力の高い海外市場において、戦略地域での営業体制強化や営業活動の質の改善を図るとともに、主要製品のリニューアルや戦略製品の投入、新市場向けの拡張製品開発や異常予兆検知・AI設備診断など新しいオートメーションの創造により、更なる事業拡大を進めてまいります。
LA事業は、ライフサイエンスエンジニアリング領域を担当する欧州のアズビルテルスター有限会社における事業構造改革を着実に実施してまいりました。今後の成長に向け、新たな事業戦略に取り組んでまいります。
以上に加えて、azbilグループの海外子会社における経営管理面におきましても、現地法人の評価体制を拡充するなど、引き続き各社の堅確な体制構築とグループ・ガバナンスの強化を進めてまいります。
③ 生産・開発
azbilグループの事業拡大に向けて、グループ生産体制を再編し、商品力強化に向けて開発リソースの集約・強化を進めてまいりました。国内では、神奈川県下にある生産機能を湘南工場に集約し、グローバルでの事業展開をリードする当社グループのマザー工場として稼働を開始いたしました。また、今後は海外では、タイ工場や中国大連工場での生産体制やソフト面での強化(例えば、高度な生産技術の開発・展開)を図り、部材の海外調達の拡大と併せて、製品のコスト競争力をより高めるとともに、グローバルでのお客様対応や物流の最適化を進めてまいります。研究開発においては、モノと情報の融合による産業構造変革や、先進技術(IoT、ビッグデータ、AI、ロボット等)に対応した次世代商品・サービスや、微細加工技術を活用したセンサ等のフィールド機器群の研究開発投資を継続して行い、新たなオートメーション領域へ展開いたします。
④ 経営管理
グループ経営の推進とガバナンス体制の充実を図るとともに、リスク管理(品質・PL、防災・BCP、情報)、コンプライアンス(企業倫理・法令遵守)、人を重視した経営、地球環境への貢献及び社会貢献を重点取組み領域として、azbilグループを挙げてCSR経営の推進に継続して取り組んでおります。
経営管理面では、国際財務報告基準(IFRS)の任意適用も視野に入れた会計水準の向上とそれに伴う内部統制の強化を進めてまいります。また経営の公正性、中立性及び透明性を高めるべく、コーポレートガバナンス・コードへの対応を継続しながら、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資するよう、全てのステークホルダーの皆様との間で建設的な対話を進めるための体制整備を積極的に進めております。当社グループは、これまでも社会の持続的発展に貢献する取組みを継続しており、2019年度も、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が選定した4つのESG(環境・社会・ガバナンス)指数※2の構成銘柄に選定されております。
当社は、創業者の想いを進化させ「人を中心としたオートメーション」というグループ理念を制定しております。2019年度はこの理念を実践するための企業行動指針を改定するとともに、SDGsに向けた当社グループのSDGs目標(基本目標とターゲット)を定めました。これに基づき、サプライチェーン(販売・研究・開発・生産・調達)における社会的責任の遂行や、健幸経営※3と永続的な学習による社会課題解決力の強化を推進いたします。また、SDGsを新たな道標とし、これを推進する組織として「サステイナビリティ推進本部」を新設し、グループ理念、行動指針、行動基準、経営戦略までを持続可能な社会に対して「直列」に繋げ、社会課題の解決と持続可能な成長の両立の実現を目指してまいります。
※2 ESG指数:FTSE Blossom Japan Index、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)、S&P/JPXカーボンエフィシェント指数。
※3 健幸経営:健康で幸せ、活き活きとした“働きの場と人”を創るためのアズビル独自の取組み。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がazbilグループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。これらのリスクについては、総合リスク委員会及び取締役会にて審議され、総合的なリスク管理体制の推進を図るとともに、関連部門におけるリスク軽減策やリスク発生時の対応策を講じております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営環境に係わるリスク
azbilグループの商品やサービスの需要は、その事業に関連する市場である建設及び製造業や機械産業市場等の経済状況に左右される構造的な要因があり、事業を展開する地域の経済環境及び市場の大幅な景気後退、需要減少は、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当社グループでは景気循環サイクルの異なる各事業(建物市場におけるビルディングオートメーション(BA)事業、工業市場におけるアドバンスオートメーション(AA)事業、生活関連市場におけるライフオートメーション(LA)事業)に取り組んでおり、景気変動の影響を軽減しうる事業構成となっております。
さらに上記の3事業とも景気変動に対して比較的安定した需要特性をもつライフサイクル型ビジネスの事業機会を有しており、事業成長目的とあわせて、景気変動時の財政状態への悪影響を抑える効果が期待できる施策としても取り組んでおります。
事業構造改革を進めるLA事業の今後の成長に向けた取組みを含めて、バランスの取れた3事業の展開及び3事業におけるライフサイクル型ビジネスの拡大を進め、安定した経営に注力してまいります。
(2) 競争環境における成長に係わるリスク
① 事業運営に係わるリスク
昨今、新たな技術やそれらの影響による社会インフラの変化、エネルギー市場の自由化等の規制緩和、グローバル化の進展、深刻化する少子高齢化など社会動向の劇的な変化が既存の事業に大きな影響を与え、新たなビジネスモデルの出現や異業種競合の市場参入など業界の構造変化を引き起こす可能性があります。azbilグループにおいても、この変化に伴う事業形態・運営における新たなリスクを認識したうえで、新しいサブスクリプションモデル等の展開や戦略的な協業展開等にも積極的に取り組んでおります。
こうした競争環境の下での更なる成長を実現するために、当社におきましても他社との更なる提携やM&Aも視野に入れた事業展開を採りうる選択肢としておりますが、適正なタイミングでの望ましい候補先との機会を得ることや、またM&A後のシナジーにつきましても初期段階から効果を得ることは難しい可能性もあり、さらに提携、買収先企業とのコミュニケーションや理解不足による事業遂行上のリスクを負う可能性もあるため、十分な検討の必要性を認識しております。
このような事業や技術の提携及びM&Aの候補先検討を多面的に継続する一方で、新たな事業等に自社単独で参入する場合におきましては、体制構築や人材配備、法令や契約等の法規制や商習慣への対応等が必要となり、成果を得るために要する時間や投入すべき経営資源負担増の懸念も考慮し、事業等の目的や条件と照らし合わせ、慎重かつ合理的な判断を行ってまいります。
② テクノロジー(技術)に係わるリスク
研究開発におきましては、AIやビッグデータなど新たな技術潮流の見誤り、研究開発の遅れ、また不十分なオープンイノベーション活用や技術開発の失敗等、技術対応力の不足等により、グループの成長を阻害する競争力の低下や新製品の市場投入の遅延及び売れ行きの不振等による業績への影響が懸念されます。また、データ活用や業務ツール標準化等のデジタル化対応に遅れが発生した場合は競争力の低下が懸念されます。
azbilグループではこのような状況を認識し、競争優位を獲得するための適切な研究開発への投資やITソリューション推進、クラウドサービス運用等の専門分野に特化した新組織体制の構築、新たなビジネスモデル検証のための活動、企業内大学(アズビル・アカデミー)による職種転換・教育による体制整備、M&A機会の探索を継続、基幹情報システムの更新・強化・グループ展開等、今後とも環境変化への対応遅れや競争上の不利な状況を回避すべく施策展開を継続してまいります。
(3) 商品の品質に係わるリスク
azbilグループにおきましては、製品開発及び生産段階において専任の組織による品質確認や、適正な検査作業工程維持のための生産ラインの管理・改善の取組み、及び工場運営に関わる法令遵守状況の確認等、品質管理対応を強化しており、活動状況や関連する情報は、品質保証委員会をはじめとする会議体にて共有・可視化されるように努めております。
また、サービスや製品を安心してご使用・ご採用いただけるよう、設計段階や生産工程における確認に加え、安全面に特化した専任組織による審査を行うなど、対応を図っております。
製造物責任につきましては、保険に加入するなど問題発生に際しての備えも強化しておりますが、当社グループの製品、システム及びサービスの欠陥による事故が発生した場合は、多額のコスト発生や顧客からの評価に重大な影響を与え、それにより事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4) グローバル事業活動に係わるリスク
azbilグループでは、グローバル化が進展する昨今の情勢下、高い成長率が見込まれる海外市場での事業拡大を目指し、活動を展開しております。
成長戦略としての海外での事業拡大は、現在40以上の現地法人及び2つの支店による営業・サービス活動をはじめ、中国の大連とタイの基幹工場における生産活動及び新たに投資した海外グループ企業による事業活動等により、積極的な展開を行っており、それらの効果も現れておりますが、今後の活動の継続にあたりましては、以下のようなリスクを想定しております。
① 地域の政治経済変化、法改正、テロ・商習慣の違いなどによる影響
グローバル事業の拡大に伴い、進出先においての政治経済情勢の変化、現地の法律や規制等の改正、自然災害、テロ、ストライキ等の発生等、不測の事態に遭遇する危険性が増しており、防災対応・BCP(Business Continuity Plan-事業継続計画)の検討等により、そのリスクへの備えを進めておりますが、事業、与信管理も含めた業績及び財政状態に一定の影響が出る可能性があります。
② BA事業の事業展開遅行による影響
BA事業では、東南アジア・中国を中心とした拠点設立と自社エンジニア及びパートナ-企業の確保等の事業遂行体制の整備、ビルディングオートメーション(BA)システム「savic-net G5」等の海外市場向け商品の投入、並びに海外でのライフサイクル型ビジネス立ち上げのためサービス事業の定着を図るべく施策を展開しておりますが、BA市場における地域の特異性等により計画している事業展開に遅れが生じ業績に影響が出る可能性があります。
③ 為替変動による影響
azbilグループは、為替変動に対して、適切な財務上の為替ヘッジを行いつつ、海外生産の拡大等によるリスク軽減に取り組んでおりますが、急激な為替レートの変動は、売上高、原材料・部品の価格、販管費等の経費に影響し、当社グループの業績及び財政状態に一定の影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人材の確保と育成に係わるリスク
azbilグループは、「社員は重要な財産であり、新たな企業文化と企業価値の創造の源泉である」という普遍の考え方をベースに、「健幸経営」をスローガンに各種人事施策を展開しておりますが、以下のような状況においてリスクが生じる可能性を認識しております。
① 事業構造変化に応じた適材適所の人材配置
azbilグループでは、今後の技術発展や社会情勢の新たな展開等に誘発される事業構造の変化に対しての適切な人材配置の必要性を認識しており、加えて少子高齢化や多様性の進展、働き方改革をはじめとした新労働法制の施行等への対応も求められていることなどから、2018年度に新たな人事制度の定着に向けた活動を展開しております。しかしながら、求める人材の確保、教育や円滑な配置展開等に支障をきたす場合には、生産性など組織パフォーマンスが低下するおそれがあります。
② 事業拡大のためのグローバルな人材確保と育成
海外事業展開のための人材確保と育成に係わる施策の遂行は、azbilグループの成長のための重要課題との認識のもと、拠点の増強とあわせて取組みを進めておりますが、目的に合致した人材の確保や事業展開のためのスキル教育等が順調に展開できない場合には、計画した事業成長目標の達成を阻害する要因となる可能性がリスクとして懸念されます。
(6) 情報漏洩やITセキュリティ対応等に係わるリスク
① 情報漏洩による影響
azbilグループでは、事業上の重要情報及び事業活動の過程で入手した個人情報や顧客、取引先、提携先等の機密情報を保有しておりますが、昨今、国内外ではGDPR(EU一般データ保護規則)等に代表される個人情報を主体とする各種情報の保護に対する法令の制定が進んでおり、遵守とそのためのルール整備や情報システムの強化が求められております。当社グループにおきましても、事業上の重要情報の機密保持とあわせて、個人情報保護に関しての法令遵守のため社内規定整備と運用及び社員への教育を行っております。しかしながら万一、予測できない事態によってこれらの情報が漏洩した場合は、業績及び財政状態への影響や企業評価が毀損するリスクが想定されます。
② ウイルス・サイバーテロ等による影響
azbilグループでは、激化するコンピューターウイルス等によるサイバー攻撃に対しての備えとして、より強固なIT環境の整備や社員の情報リテラシー(情報活用能力)を高めるため定期的な教育等の対応を継続的に行っております。
また当社で販売する商品やサービスの情報セキュリティ対応として、既存の開発部門に加えて、2019年4月に設置の情報セキュリティに特化した新たな審査部門(商品サイバーセキュリティ審査室)による確認を中心に、安心してご使用いただけることを目指した対応を図っております。
新たな手口の出現が絶えない現在の状況に対して、サイバー攻撃を完全に防御することは難しいと言われており、いくつかのケースでの発生を想定した情報セキュリティ対応を進めておりますが、想定外の攻撃によるリスクは残るものと考えております。
(7) 環境・気候変動・自然災害等に係わるリスク
① 不測の事態発生時の生産機能への影響及び製品・サービスの供給支障による業績と企業評価への影響(国内拠点の集中によるリスク)
azbilグループのBA事業、AA事業の国内生産拠点(製造子会社を含む)は、過去3つの主要拠点が神奈川県に立地しておりましたが、生産と研究開発部門の再編や、主要生産品目を国内他地域及び中国とタイに設立の海外工場へ移管するなど生産拠点の分散化を図ることにより、拠点集中リスクの軽減を図ってまいりました。ただし、マザー工場として生産機能の中核となる湘南工場や、海外の生産拠点において、大規模災害等による直接的又は間接的な被害が及んだ場合は、一定程度の業績及び財政状態に影響が出る可能性があります。
② BCP(事業継続計画)対応に起因する影響
azbilグループでは、災害等発生時に生じる顧客や関係取引先企業、自社への損害を最小限に抑えるべく、これまで特定の事態を想定のうえ、対応可能な事業継続期間を検証し、そのために必要な資金及び製品や部材の在庫、人員や生産設備等に求められる対応準備も進めるとともに、特定の事象に限定せずに事業の中断、阻害を引き起こす様々な事象の発生でも対処できるよう取り組んでおりますが、BCP対応の想定を超える事態(世界レベルでのパンデミック事象の長期化等)が発生した場合には、業績及び財政状態に大きな影響が出る可能性があります。
③ 気候変動がもたらす市場構造や顧客状況の変化による影響
当社は地球温暖化に対する取組みとして、2030年のazbilグループの事業活動に伴う温室効果ガスの排出量削減目標について「Science Based Targetsイニシアチブ(SBTi)」の認定を取得、さらに2050年には「排出量実質ゼロ」を目指す長期ビジョンを策定いたしました。「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同の表明を行うとともに、自らの企業活動にとどまらない環境負荷低減に努めておりますが、気候変動による、長期的な市場構造の変化や主力事業における顧客の売上減少等による業績への一定の影響が発生する可能性があります。そのため気候変動により引き起こされる可能性のある様々な事象と、その経営に与えるリスク内容や影響を確認したうえで、シナリオ分析実施と対応策の準備を進めてまいります。
(8) コンプライアンスに係わるリスク
① 法令違反(独占禁止法、建設業法、労働基準法、贈収賄)による行政罰、課徴金等の発生リスク
azbilグループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、環境や安全、製品規格、その他理由による法的規制を受けており、法令遵守は最優先事項であるとの認識のもと、周知・教育活動を全社員に対して行うなど、徹底を図っております。しかしながら、新たに進出する地域や業界特性への対応、新たな法令や既存法制の改正対応の遅れなどにより、違反が生じた場合には、業績及び財政状態に影響が出る可能性があります。
② 営業停止、顧客離れなど二次的な影響が発生するリスク
万一、法令やガイドラインに違反するような事態に陥った場合の影響度合いにつきましては、法令で定められた処罰内容や法令が対象とする事業の範囲等により異なってきますが、深刻なケースでは、国や自治体による特定の事業に対する業務停止命令や入札停止等の事態が想定されます。
azbilグループでは、CSR経営推進のもと、法令遵守は最優先事項であると認識し、国内外の定期的なモニタリングによる遵守確認や契約締結体制の強化とあわせて、周知・教育活動を全社員に対して行うなど、徹底を図っておりますが、こうした重大な法令違反等における不適切な行為等により、そのような事態に陥ってしまった場合には、風評被害による影響も含めまして、当社グループの企業評価が低下するリスクも想定されます。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるazbilグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
azbilグループを取り巻く事業環境は、国内の活発な都市再開発投資を背景に、大型建物向けの機器・システムの需要が引き続き堅調に推移いたしました。生産設備に対する設備投資につきましては、人手不足等を背景とした合理化・省力化等への需要は底堅いものの、市況は地域・市場により差異が見られ、全体としては需要の低迷が継続いたしました。第3四半期から一部の製造装置の市場では回復が見られ始めておりましたが、当連結会計年度終盤に発生した新型コロナウイルス感染拡大の影響により世界的な消費の落ち込み、経済活動・生産活動の停滞や設備投資の低迷等が深刻化し、今後の事業環境につきましては不透明感が大きく増しております。
当連結会計年度における業績につきましては、受注高が2,580億7千9百万円(前連結会計年度は2,642億5千2百万円)と、前連結会計年度比2.3%の減少となりました。
売上高につきましては、2,594億1千1百万円(前連結会計年度は2,620億5千4百万円)と、前連結会計年度比1.0%の減少となりました。
損益面につきましては、営業利益は、前連結会計年度比2.1%増加の272億5千5百万円(前連結会計年度は266億9千万円)となりました。経常利益は、前連結会計年度比0.2%増加の277億1千2百万円(前連結会計年度は276億6千4百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比4.4%増加の197億9千3百万円(前連結会計年度は189億5千1百万円)となりました。
(単位:百万円)
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2019年3月期 |
2020年3月期 |
増減 |
増減率 |
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受注高 |
264,252 |
258,079 |
△6,172 |
△2.3% |
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売上高 |
262,054 |
259,411 |
△2,643 |
△1.0% |
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営業利益 (利益率) |
26,690 (10.2%) |
27,255 (10.5%) |
565 (0.3pp) |
2.1%
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経常利益 |
27,664 |
27,712 |
47 |
0.2% |
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親会社株主に帰属する (利益率) |
18,951 (7.2%) |
19,793 (7.6%) |
842 (0.4pp) |
4.4%
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当連結会計年度末の財政状態につきましては、以下のとおりです。
資産の状況
当連結会計年度末の資産の状況は、前連結会計年度末に比べて、現金及び預金が112億9千3百万円増加したことに加え、会計基準変更に伴うリース資産(純額)の増加が10億6千2百万円あったものの、売上債権が85億3百万円、短期運用目的の有価証券が42億5百万円それぞれ減少したことにより、資産合計で前連結会計年度末と同水準の2,745億5千9百万円(前連結会計年度末は2,755億1千8百万円)となりました。
負債の状況
当連結会計年度末の負債の状況は、前連結会計年度末に比べて31億6千3百万円減少し、負債合計で892億5千7百万円となりました。これは主に、短期借入金が16億4千1百万円、仕入債務が16億1千9百万円それぞれ減少したことによるものであります。
純資産の状況
当連結会計年度末の純資産の状況は、前連結会計年度末に比べて22億4百万円増加し、純資産合計で1,853億1百万円となりました。これは主に、株主資本が、取締役会決議に基づく自己株式の取得により99億2千1百万円、配当金の支払により68億8千7百万円それぞれ減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により197億9千3百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の65.7%から66.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は298億1千1百万円となり、前連結会計年度に比べて136億9千9百万円の増加となりました。これは主に、売上債権の回収が増加したことに加え、前連結会計年度において一部の国内連結子会社の退職一時金制度について退職給付信託の設定による支出があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動に使用された資金(支出と収入の純額)は、投資有価証券の売却による収入は減少したものの、前連結会計年度とほぼ同水準の41億7千2百万円となりました。これは主に、前連結会計年度において国内の工場統合・拡充に向けた設備投資の支出があったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動に使用された資金(支出と収入の純額)は187億6千7百万円となり、前連結会計年度に比べて67億4千2百万円の支出の増加となりました。これは主に、取締役会決議に基づく自己株式の取得並びに配当による支出の増加等、株主還元施策の実施によるものであります。
以上の結果、資金の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より66億9百万円増加し、747億4千3百万円となりました。
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における各事項の記載につきましては、消費税等抜きの金額で表示しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
ビルディングオートメーション事業 |
43,001 |
106.3 |
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アドバンスオートメーション事業 |
28,434 |
80.5 |
|
ライフオートメーション事業 |
29,249 |
100.1 |
|
報告セグメント計 |
100,685 |
95.9 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
100,685 |
95.9 |
(注)上記金額は、azbilグループにおける製品の製造に係る費用及び工事の施工に係る原価を集計したものであり、商品の仕入及び役務収益に対応する費用は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前期比 (%) |
|
ビルディングオートメーション事業 |
122,905 |
99.3 |
63,190 |
98.4 |
|
アドバンスオートメーション事業 |
91,915 |
93.5 |
27,785 |
95.9 |
|
ライフオートメーション事業 |
44,806 |
102.1 |
13,447 |
103.5 |
|
報告セグメント計 |
259,626 |
97.6 |
104,423 |
98.3 |
|
その他 |
59 |
97.7 |
- |
- |
|
消去 |
(1,606) |
- |
(133) |
- |
|
連結 |
258,079 |
97.7 |
104,289 |
98.4 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
ビルディングオートメーション事業 |
123,794 |
103.6 |
|
アドバンスオートメーション事業 |
93,156 |
93.7 |
|
ライフオートメーション事業 |
44,033 |
98.2 |
|
報告セグメント計 |
260,984 |
99.0 |
|
その他 |
60 |
97.8 |
|
消去 |
(1,633) |
- |
|
連結 |
259,411 |
99.0 |
(注)総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるazbilグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
azbilグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(工事進行基準)
当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については主として工事完成基準を適用しております。
なお、収益総額、見積総原価及び決算日における進捗率について、見積り時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況等によって当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注残案件のうち売上時に損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能な案件について、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金に計上しております。
なお、将来発生する可能性のある損失をカバーするだけの十分な引当残高を有しているかどうかを判断するために、様々な仮定や要素を考慮しておりますが、新技術・新領域の案件等において、見積り時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況等によって損失額が大きく変動する可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるazbilグループ業績につきましては、中期経営計画(2017年度~2019年度)の仕上げの最終年度として、収益力強化施策がさらに進展し、売上高は若干の減少となりましたが、営業利益が前連結会計年度を超過する着実な実績を上げることができました。なお、新型コロナウイルス感染拡大により、第4四半期以降の景況感は悪化したものの、業績への影響は一部にとどまりました。
受注高につきましては、ビルディングオートメーション(BA)事業が前連結会計年度に複数年の大型サービス案件を計上した影響から減少し、また、アドバンスオートメーション(AA)事業が、工作機械も含めた製造装置市場全般で低調に推移したことから、2,580億7千9百万円(前連結会計年度は2,642億5千2百万円)と、前連結会計年度比2.3%の減少となりました。
売上高につきましては、BA事業では積み上がった受注案件の施工を着実に進めたことで増加いたしましたが、AA事業では市況低迷の影響により減少したことなどから、全体としては前連結会計年度比1.0%減少の2,594億1千1百万円(前連結会計年度は2,620億5千4百万円)となりました。
損益面につきましては、営業利益は、事業収益力強化策の効果等により利益率が改善し、前連結会計年度比2.1%増加の272億5千5百万円(前連結会計年度は266億9千万円)となりました。経常利益につきましては、円高を背景とした為替差損の計上等により、前年度同水準の277億1千2百万円(前連結会計年度は276億6千4百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度においては確定給付企業年金制度の会計上の終了処理による損失※1を計上していた影響もあり、前連結会計年度比4.4%増加の197億9千3百万円(前連結会計年度は189億5千1百万円)となりました。
※1 「確定給付企業年金制度の会計上の終了処理による損失」
当社及び一部の国内連結子会社の受給権者を対象とする確定給付企業年金制度(いわゆる閉鎖型年金)について、「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」(企業会計基準適用指針第1号)及び「退職給付制度間の移行等の会計処理に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第2号)に基づく退職給付制度の終了の会計処理を行い、その損失(3,210百万円)を退職給付制度終了損として特別損失に計上しております。なお、確定給付企業年金制度自体は終了しておらず、受給権者への給付は継続しております。
セグメント毎の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については次のとおりであります。
ビルディングオートメーション(BA)事業
BA事業を取り巻く環境は、国内市場では、首都圏における都市再開発案件に加え、省エネルギーや運用コスト低減に関するソリューション需要も高く、引き続き堅調に推移いたしました。海外市場においては、アジアで大型建物に対する国内外資本による投資が継続しておりましたが、米中貿易摩擦等の影響から投資を控える動きも見られました。
こうした事業環境を背景に、採算性にも配慮しつつ着実な受注の獲得に取り組むとともに、働き方改革への対応も踏まえ、施工現場を主体に業務の遂行能力の強化と効率化を進めてまいりました。また、IoT等の技術活用を志向する国内外の顧客ニーズに対応するための製品・サービスの開発・強化も進めてまいりました。この結果、BA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高につきましては、堅調な事業環境を背景に新築大型建物向けに機器・システムを販売・施工する分野が引き続き伸長しましたが、前連結会計年度に複数年の大型サービス案件を計上した影響等により、前連結会計年度比0.7%減少の1,229億5百万円(前連結会計年度は1,237億6千6百万円)となりました。売上高につきましては、新築大型建物向けの分野が増加し、前連結会計年度比3.6%増加の1,237億9千4百万円(前連結会計年度は1,195億円)となりました。セグメント利益は、増収及び採算性改善の取組み成果を主因として増加し、さらに前年上期に一時的な引当費用を計上した影響もあり前連結会計年度比19.9%増加の148億9千万円(前連結会計年度は124億2千1百万円)となりました。
BA事業の中長期的な事業環境としましては、2020年以降も大型の再開発案件や多数の大型建物の改修が計画されており、納入実績を基にこれらの需要を確実に獲得し、業務を着実に遂行することで増収を図るとともに、更なる高利益体質確保に向け、事業プロセス変革を含めた取組みを進めてまいります。
(単位:百万円)
|
|
2019年3月期 |
2020年3月期 |
増減 |
増減率 |
|
受注高 |
123,766 |
122,905 |
△860 |
△0.7% |
|
売上高 |
119,500 |
123,794 |
4,293 |
3.6% |
|
セグメント利益 (利益率) |
12,421 (10.4%) |
14,890 (12.0%) |
2,469 (1.6pp) |
19.9%
|
アドバンスオートメーション(AA)事業
AA事業を取り巻く市場の動向につきましては、国内外の製造装置市場で投資が低迷した状況が続きました。下期におきましては、半導体製造装置市場等で回復の兆しが見られましたが、第4四半期に入ると新型コロナウイルス感染拡大の影響が徐々に表れ始め、足元では市場全体において不透明感が高まっております。一方、中長期的には、人手不足対応、環境対応、更なる生産性向上等を目的とした自動化に対しては、需要の継続が見込まれております。こうした事業環境の変化に対応し、グローバルでの競争力獲得を目指して、3つの事業単位※2(CP事業、IAP事業、SS事業)によるマーケティングから販売・サービスに至る一貫体制でのオペレーションを徹底し、これら3つの事業単位を軸とした成長戦略と収益力強化を進めてまいりました。この結果、AA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高・売上高につきましては、プロセスオートメーション市場を主な対象とするIAP事業・SS事業が比較的順調に推移いたしましたが、国内外における製造装置市場の市況低迷により、CP事業が大きく減少し、受注高は前連結会計年度比6.5%減少の919億1千5百万円(前連結会計年度は983億3千1百万円)となり、売上高も前連結会計年度比6.3%減少の931億5千6百万円(前連結会計年度は993億8千9百万円)となりました。セグメント利益につきましては、減収の影響から前連結会計年度比14.1%減少の104億8千6百万円(前連結会計年度は122億1千1百万円)となりましたが、収益力強化施策の効果が継続し、収益性を示すセグメント利益率は引き続き10%超を確保いたしました。
AA事業では、引き続き3つの事業単位を軸に、これまでに実績を上げてきた収益力強化策を深化、徹底することで事業収益の維持に取り組んでまいります。併せて、将来の成長に向けて、海外事業の拡大をはじめとした成長戦略の展開を推し進めてまいります。また、製品開発力の強化に注力し、昨今の技術潮流の変化を捉えた新しいオートメーション領域を創出、アズビルならではの付加価値の高い製品・サービスを国内外のお客様に提供することで、高い収益力と成長力のある事業領域の開拓・拡大を進め、事業全体としての成長・収益力向上を目指してまいります。
(単位:百万円)
|
|
2019年3月期 |
2020年3月期 |
増減 |
増減率 |
|
受注高 |
98,331 |
91,915 |
△6,416 |
△6.5% |
|
売上高 |
99,389 |
93,156 |
△6,233 |
△6.3% |
|
セグメント利益 (利益率) |
12,211 (12.3%) |
10,486 (11.3%) |
△1,724 (△1.0pp) |
△14.1%
|
※2 「3つの事業単位(管理会計上のサブセグメント)」
CP事業 :コントロールプロダクト事業(コントローラやセンサ等のファクトリーオートメーション向けプロダクト事業)
IAP事業:インダストリアルオートメーションプロダクト事業(差圧・圧力発信器やコントロールバルブ等のプロセスオートメーション向けプロダクト事業)
SS事業 :ソリューション&サービス事業(制御システム、エンジニアリングサービス、メンテナンスサービス、省エネソリューションサービス等を提供する事業)
ライフオートメーション(LA)事業
LA事業は、ガス・水道等のライフライン、製薬・研究所向けのライフサイエンスエンジニアリング(LSE)、そして住宅用全館空調システムの生活関連(ライフ)の3つの分野で事業を展開しており、事業環境はそれぞれ異なります。
売上の大半を占めるガス・水道等のライフライン分野は、法定によるメータの交換需要を主体としており、ガス販売の自由化による事業環境の変化は見られますが、引き続き安定した需要が見込まれております。LSE分野及び住宅用全館空調システムの生活関連分野におきましては、需要の増減がある中でも、事業構造改革による安定的な収益の実現と向上に継続して取り組み、成果を上げてまいりました。こうした事業環境や取組みを背景に、LA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
受注高につきましては、LSE分野における受注増加を要因として前連結会計年度比2.1%増加の448億6百万円(前連結会計年度は438億6千7百万円)となりましたが、売上高は前連結会計年度に受注の水準が低かったLSE分野での減収を主因に、前連結会計年度比1.8%減少の440億3千3百万円(前連結会計年度は448億4千万円)となりました。セグメント利益は、減収の影響により、前連結会計年度比9.4%減少の18億6千6百万円(前連結会計年度は20億6千万円)となりました。
LA事業では今後も引き続き、各事業分野における収益力の向上に取り組んでまいります。またこれと並行して、ガス販売自由化等、エネルギー供給市場における需要の変化を捉えた新たな事業機会の創出に取り組み、IoT等の技術革新の動きを捉えた新製品・高付加価値サービスの開発・投入を推し進めることにより、今後の事業成長を実現してまいります。
(単位:百万円)
|
|
2019年3月期 |
2020年3月期 |
増減 |
増減率 |
|
受注高 |
43,867 |
44,806 |
938 |
2.1% |
|
売上高 |
44,840 |
44,033 |
△807 |
△1.8% |
|
セグメント利益 (利益率) |
2,060 (4.6%) |
1,866 (4.2%) |
△194 (△0.4pp) |
△9.4%
|
2020年度の見通し
新型コロナウイルス感染拡大による世界経済への影響規模や沈静化の時期については見通しが難しい状況ですが、当社グループでは、日々変化する事業環境を迅速に把握し、BCP対策を含めて強化した経営管理体制の下、適宜、適切な判断を行い、事業継続に努めてまいります。
当社グループの事業は、お客様の重要設備の維持に不可欠なエンジニアリング、サービスの提供や社会インフラの安全維持に必要な事業を展開しており、一定の需要が見込めます。また、将来的にはウイルスとの共生を前提とした新たな社会課題への対応として、建物・生産管理の自動化・自律化・省人化の加速等により、新たな需要の発生も想定されます。
しかしながら、足元においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響による世界的な消費の落ち込み、経済活動・生産活動の停滞は、建物及びプラント・工場における設備投資の減少や工事の遅延・停止を引き起こし、当社グループのBA、AA、LA各事業の活動に影響を与えることが見込まれるため、このウイルスの世界規模での感染拡大が、お客様の設備投資の動向に与える影響を現在精査中であります。次期(2021年3月期)の連結業績予想につきましては、現時点では合理的な算定が困難であるため、未定とさせていただきます。今後、連結業績予想の算定が可能となった時点で速やかに開示いたします。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
azbilグループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり健全な財政基盤を維持し、必要な運転資金等への十分な流動性も確保していると認識しております。加えて、パンデミック、大規模な自然災害の発生等、不測の事態でも事業を継続し、供給責任を果たすことのできる強固な財務基盤を引き続き維持しております。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上を重要な経営課題として認識しており、当社グループは格付投資情報センターより「シングルA(安定的)」を獲得して、社債発行登録済枠200億円を設定しております。さらには、複数の金融機関との間で合計100億円のコミットメントラインを設定し、緊急時の流動性を確保しております。併せて、国内子会社については親会社を通じたキャッシュ・マネジメントにより、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っております。
当社グループの資金需要としましては、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払いなどを見込んでおり、主に営業活動によるキャッシュ・フローや内部資金のほか、一部借入による資金調達も行っております。借入による資金調達に関しましては、主に短期借入金で調達しておりますが、当連結会計年度末現在で短期借入金の残高は82億2千5百万円で、前連結会計年度末に比べて16億4千1百万円減少しております。
他方、営業活動によるキャッシュ・フローや内部留保を含めた資本を活用し、持続的な成長の実現や事業基盤の整備・強化に向けて、国内外生産拠点の再編・拡充をはじめとする設備投資や技術革新に対応した研究開発への投資を実現しております。当連結会計年度の設備投資の総額は49億3千3百万円、研究開発費の総額は118億9千6百万円となりました。今後につきましても、成長に向けた商品・サービスの拡充、先進的なグローバル生産・開発の構造改革等、事業基盤の強化・拡充に注力するとともに、M&Aといった将来の成長投資を進めてまいります。
株主還元につきましては、経営の重要課題の一つと位置付けており、連結業績、純資産配当率・自己資本当期純利益率(ROE)等の水準に加え、上記の成長投資及び健全な財務基盤の確保のための内部留保等を総合的に勘案し、配当水準の向上に努めつつ安定した配当を維持していきたいと考えております。詳細は「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、2017年度から2019年度にかけての中期経営計画において、最終年度である2019年度に営業利益で265億円を計画しておりました。さらに、2021年度をゴールとした長期目標では、営業利益300億円以上、売上高3,000億円規模、ROE10%以上を目標としております。
達成状況につきましては、事業収益力強化施策の効果等により、当連結会計年度の営業利益は272億円を計上し、過去最高益を更新いたしました。また、ROEも10.9%と、前年度に続き10%台を確保いたしました。なお、2020年度につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容、2020年度の見通し」のとおり、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現時点では合理的な算定が困難であるため、未定とさせていただいております。
該当事項はありません。
「人を中心としたオートメーション」の理念に基づく次世代商品を迅速に顧客へ提供するためにマーケティング部門と研究開発部門の連携を強め、新商品開発と技術開発に取り組んでおります。
建物・産業を取り巻く様々な環境変化に対応し中長期にわたり技術的強みを持つ次世代商品の開発を実現するため5つの戦略技術領域を定めており、具体的には以下のとおりです。
・人間・機械融合システム技術
ファクトリーオートメーション領域及びライフサイエンス領域における人協調型・知能化生産システムの開発
・自在計測制御技術
加工組立産業における新たなセンシング・パッケージング技術開発とリアルタイム計測を可能にするセンサの開発
・わかる化プロセス情報技術
IoTの動向に対応した工場の生産性改善や設備保全を支援する技術開発とビル向けIoT・AIシステムの開発
・環境調和計測制御技術
首都圏再開発に向けた中長期にわたり継続的に価値提供可能な空調制御システムの開発
・快適空間計測制御技術
快適・健康、知的生産性向上と省エネルギーを両立する空調制御技術の開発
特に2020年度は、各事業領域において以下の開発を推進してまいります。
・ビルディングオートメーション事業領域
次世代空調システム機能強化、ビルセキュリティ生体認識装置、空調コントローラ用途拡大機能、セル型空調システム機能強化、流量計測バルブ高機能化・多機能化、赤外線アレイシステム機能強化
・アドバンスオートメーション事業領域
近接センサリニューアル、温度調節計機能拡張、流量計機能拡張、次世代電磁流量計、新発信器、バルブ診断機能拡張、プロセス及びファクトリーオートメーション向け各種IoT商品
・ライフオートメーション事業領域
新機能ガスメータ、業務用ルーツメータ、新機能ガバナ
未来を見据えた開発としては以下を推進してまいります。
・デジタル変革期に、工場運営に関わる様々な課題に対応するIoT・AI・ビッグデータ・5Gをはじめとする最新技術を搭載・活用した商品開発(次世代IoT・AI空調技術、クラウドサービスの一元化、商品サイバーセキュリティ強化)
・高度な力覚技術により、従来人の手に頼っていた“精密な繰り返し作業”や“微妙な力制御を必要とする作業”などを実現する次世代スマートロボット
・次世代MEMS※技術の研究開発の推進
※MEMS(Micro Electro Mechanical Systems):センサ、アクチュエータ、電子回路を一つの基盤の上に微細加工技術によって集積した機器
事業のグローバル展開に合わせて、米国のシリコンバレーに設置した研究開発拠点及び欧州グループ会社による、日本・米国・欧州の3極体制で技術・商品開発を行っております。
米国の研究開発会社においては当社の目指す「自在計測制御技術」を実現する技術開発の推進と、IoT等の最新の技術動向調査や国際標準活動を行っております。欧州ではアズビルテルスター有限会社との協創により製薬関連施設や医療機関等に提供する商品力強化を図っております。
生産技術としては、人間・機械融合システム技術による新生産ラインを開発するとともに自社生産ラインのIoT化を図ることで、品質・設備保全に関する生産情報を遠隔管理してグローバル生産を強化するとともに、今後開発するMEMSの機能を実現できる生産技術も検討してまいります。
また、技術標準化においては、国際標準への対応、開発・設計の標準化、計測標準の3つに取り組み、商品の機能・コスト・品質・信頼性・安全性の強化を図ることによって事業の競争力を高めてまいります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は11,788百万円(売上高比4.5%)となりました。
各セグメント別の研究開発費及び主な成果は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
研究開発費 (百万円) |
主な成果 |
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ビルディングオートメーション事業 |
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・快適な空調を実現するビル向け赤外線アレイセンサシステム ・省エネルギー機能を強化した小規模建物向けビルディングオートメーションシステム「SmartScreen™2」 ・執務者固有の体感を空調に反映し、快適性や生産性向上に貢献する「温冷感空調システム」 |
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アドバンスオートメーション事業 |
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・業種業態、工場規模に関係なく導入が可能で、多品種少量生産のバッチプロセス向け機能強化を図ったオンライン異常予兆検知システム「BiG EYES™」 ・熱式微小液体流量計に計測範囲0.5~50mL/minのモデルを追加、全形番を機能強化(流量補正係数の自動設定機能と、1台で異種流体計測が可能)した「形 F7M」 ・センサ2台分の機能を内蔵し1台で最大4エリアの検出が可能(2つの出力を装備)であり、設置が容易なアジャスタブル近接センサ「形 H3C」 |
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ライフオートメーション事業 |
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・無線通信技術「LTE-M」を活用した水道検針スマート化実証実験の開始 ・LPガス事業者様向けに様々なデータを提供するクラウドサービス「ガスミエール™」とCat.M1※(カテゴリーエムワン)通信方式を採用した「新無線通信端末」 ※Cat.M1:IoT機器向けのLTE通信規格の一つ |
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その他 |
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合計 |
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