第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 今後の世界経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)の拡大防止策が講じられるなかで持ち直しの動きが続くことが期待されますが、感染症拡大前の活動水準を取り戻すには時間を要するものと思われます。また、世界的には半導体や樹脂材料の供給不足により不透明な状況が続くと見込まれます。

  このような環境のもと、当社グループは、グループ共有の基本的価値観である『スタンレーグループビジョン』を目指し、2020年に「スタンレーグループ第3長期経営目標」を策定しました。その中で、3ヶ年毎に経営計画の指針を示しております。

  2020年4月~2023年3月の「第Ⅶ期中期3ヶ年経営計画」では、「経営:ものづくりを変革するための挑戦」「事業:生き残りをかけた事業変革と新事業創出」「文化・風土:挑戦する文化・風土への変革」を最重要事項として位置づけております。

 「経営:ものづくりを変革するための挑戦」では、事業、機能、地域の3つの軸のグループマトリクス経営を、ものづくりの進化、人づくり、キャッシュの創出により、さらに確固たるものにしていきます。

 「事業:生き残りをかけた事業変革と新事業創出」では、顧客満足と新事業をキーワードとし、顧客にとって重要なパートナーになるための変革とあわせて、新事業確立への挑戦をしていきます。

 「文化・風土:挑戦する文化・風土への変革」では、『スタンレーグループビジョン』を基盤として、社員一人一人が挑戦する意欲を持ち、その姿勢を評価する文化・風土が形成され、自由なコミュニケーションの創造の場が図られる集団へとスタンレーグループを変えていきます。

  また、グローバルな競争に勝ち抜くため、当社グループは一丸となって生産性・効率性を重視した経営を行っております。

 すなわち、市場や市況が急激に変化するような、いかなる環境においても振り回されない、真に体質の強い企業集団を目指し、最適な「ものづくり」を追求する生産革新活動を、間接部門を含む全てのビジネスプロセスにまで展開し、より広範囲で高度な生産性向上を日々目指してまいります。

  当社グループでは、「生産革新活動」で培ってきたノウハウを建物の設計段階から取り入れ、投資効率を最大限に追求した工場として展開し、生産効率を最大限に高めております。

 その具体的な展開として、深紫外や近紫外、ハイパワー赤外LED等の増産により電子事業の拡大を図るため、連結子会社である㈱スタンレー鶴岡製作所に新工場を建設し、2021年5月から操業を開始いたしました。今後、車載や環境、セキュリティ等、LEDの利用拡大が期待される市場に対して新たな製品を提供してまいります。

 また、設計開発力の強化として、新しい価値の創造とランプシステム開発の加速化を図るため、神奈川県の秦野製作所の隣接地に、新たな設計・開発拠点「秦野テクニカルセンター」を開設し、2020年から稼働しております。設計技術棟に併設された、世界最長級(220m)の屋内試験施設であるライトトンネル棟を活用して、車での使われ方を考慮したランプシステムの要件定義から実車での検証実験までを行い、エンドユーザーが安心して使えるランプシステムの提供を目指します。

 あわせて、2020年12月には三菱電機株式会社との業務提携を発表しました。これにより車載用ランプシステム事業の共同取り組み(開発・設計・製造・販売)を業務提携範囲とし、スタンレー電気の強みである〝光学設計技術〟や〝車載用ランプ製造技術〟等と、三菱電機の強みである〝先進制御システム技術〟とを融合させて、従来よりもさらに高い安全性と機能性を有する車載用ランプシステムの実現を目指します。

 さらに、感染症の世界的流行に対して、これまでに行ってきた様々な感染防止対策に係る知識やノウハウを活用し、引き続き事業継続の活動を強化してまいります。

  これからも、開発から販売までの全ての機能が生産に対して「十分な価値が提供できるような仕組み」を構築し、機能連携を強化することにより、多様化するニーズを的確に捉え、競争力ある製品を提供してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
 なお、本項に記載した見込み、見通し、方針、所存等の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。また、事業活動には様々なリスクが内在しており、下記に記載されたものだけが当社グループのすべてのリスクではないことを、ご留意ください。

 

(1) 経済状況について
 当社グループは、日本、米州、アジア・大洋州、中国、欧州等とグローバルに事業を展開しております。そのため、当社グループが製品を販売している国や地域の経済状況の変動により、当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。

(2) 為替変動等の影響について
 当社グループは、自動車機器製品、コンポーネンツ製品、電子応用製品の製造販売を主な内容とし、さらに各事業に関連するサービス等の事業を展開しております。当社グループの製品は日本国内のほか、米州、その他の地域において販売されており、各地域における為替動向等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 製品の欠陥について
 当社グループでは、世界の各拠点で、世界に認められる品質管理基準のもと、製造を行っておりますが、将来にわたり、全ての製品において欠陥やリコールがないという保証はありません。大規模なリコールにつながるような製品の欠陥は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 原材料や部品等の調達及び価格変動について
 当社グループは、樹脂をはじめとした原材料や半導体等部品の調達において、供給不足や仕入価格上昇によるコストアップ等の影響を受ける可能性があります。当社グループでは、生産革新活動による生産性向上をはじめ、様々なリスク回避策に取り組んでおりますが、これらの対策を超えた急激な供給悪化や価格高騰により、当社グループの業績及び財務状況は悪影響を受ける可能性があります。

(5) 自動車業界の動向による影響について
 当社グループでは、自動車機器製品が連結売上高の約8割を占めるため、自動車業界動向の変動により、当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。

(6) 競争環境について
 当社グループ事業の主市場である自動車機器業界及び電子機器業界の価格競争はたいへん厳しいものとなっております。当社グループが属している各製品市場において、競争は今後ますます激しくなるものと予想されます。当社グループでは、競争優位に立つべく、高品質・高付加価値の製品を送り出し続けるものの、他社の抜本的な生産性の向上及び市場の支持を獲得する技術進歩や特許取得等により、当社が将来にわたり、優位な競争ポジションを維持できる保証はありません。これらの競争の結果として当社シェアの低下等により、当社グループの業績及び財務状況は悪影響を受ける可能性があります。

(7) 自然災害等について
 当社グループは、地震や火災等の自然災害の発生により、生産能力が低下する可能性に備えて、設備点検等事業継続のために必要な安全対策を行い、リスクの最小化に努めております。
 しかしながら、自然災害による火災、停電等の影響を完全に防止することは不可能であり、自然災害が発生した場合は、以下のようなリスクが内在しており、結果として当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 

・電力供給量の低下等による使用制限、取引先からの原材料・部品調達の供給不足、得意先の生産能力や販売の低下、等

(8) 株式市場の動向による影響について
 国内外の株式市場の動向は、当社グループの保有する投資有価証券の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼします。株式市場が低迷した場合、保有する投資有価証券の評価損の発生や、年金資産が目減りし、会社負担が増大する可能性があります。

 

(9) 法律・規制、その他に関するリスクについて
 当社グループは、日本をはじめ、米州、アジア・大洋州、中国、欧州等の諸地域で事業を展開しております。これらの市場での事業展開・進出には、例えば、以下のようなリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・公正な競争に関する規制、知的財産権、製造物責任、環境、労務、租税、通貨管理等に係る諸地域の各種法令や規則の予期しない変更、各種法令や規則に基づく当局による措置、これらに対応する費用の増加

・不利な政治的要因の発生、テロ、紛争、疫病、その他の要因による社会的及び経済的混乱

・労働環境の変化や人材の採用と雇用の難しさ

(10)訴訟その他の法的手続にかかわるリスクについて
 当社グループの技術開発は、他社製品と差別化できる技術・ノウハウを蓄積してきておりますが、第三者が当社グループの知的財産権を使用し類似した製品を製造することを完全には防止できない可能性があります。
 また、当社グループが事業活動を展開する上で、様々な訴訟、規制当局による措置その他の法的手続により、損害賠償請求、規制当局による金銭的な賦課又は事業活動に関する制約が生じる場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

  当社グループは、各種法令を遵守するとともに、訴訟が提起された場合には弁護士事務所等と連携し、対応することとしております。

 

なお、当社グループでは「リスク管理委員会」を設置し、グループ全体を取り巻く具体的リスクを予見し、そのリスクがもたらす損失を予防するための対策を定めることに加え、危機が発生した場合には安全を確保し、損失を最小限にとどめるための事後処理対策、再発防止策などを効果的かつ効率的に講じることによって、事業の継続と安定的発展を確保することとしております。
 感染症の世界的流行のような不測の事態に備え、地域社会や得意先、取引先、社員など、すべてのステークホルダーへの責任を全うし、社会の安定的発展と当社の事業継続の確保に努めております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

 ① 概要

当連結会計年度における世界経済は、感染症の影響により、1年を通して厳しい状況となりましたが、当第2四半期連結会計期間以降、各国で持ち直しの動きが見られました。

依然として厳しい状況は続いているものの、中国では回復しており、米国、及びアジアの一部では持ち直しております。日本では持ち直しの動きが続いているものの、一部の業種では弱さがみられ、欧州では感染症再拡大の影響により弱い動きとなっています。

以上のような事業環境のもと、当社グループの業績は、当第1四半期連結会計期間において、感染症拡大防止のための生産活動の一時停止や減産を行ったことにより、主に自動車関連製品が大きく減少したことで減収となりました。一方で、ADB機能を搭載したLEDヘッドランプや当社独自の液晶用バックライト等高付加価値製品の増加、生産革新活動の着実な実行と徹底した支出のコントロール、並びに前期に計上した過去の品質問題に関わる費用が今期は計上されないことにより、増益となりました。

その結果、当連結会計年度における、売上高は3,597億1千万円(前期比8.1%減)、営業利益は359億3百万円(前期比44.6%増)、経常利益は412億8千3百万円(前期比37.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は229億1千8百万円(前期比23.5%増)となりました。

 

経営上の目標の達成状況を判断するための指標は、次のとおりであります。

 

 

目標

前連結会計年度
(2020年3月期)

当連結会計年度
(2021年3月期)

ROE(自己資本当期純利益率)(%)

15.0

5.1

6.0

連結配当性向         (%)

20.0

39.4

31.6

連結総還元性向        (%)

35.0

66.4

40.3

 

(注) 2020年3月16日開催の当社取締役会決議に基づき、2020年4月1日から2020年4月24日までに実施した合計19億9千9百万円の自己株式取得は、2020年3月期の連結総還元性向に含めて算定しております。

 

2020年に「スタンレーグループ第3長期経営目標」を策定し、その中で、3ヶ年毎に経営計画の指針を示しております。
 2020年4月~2023年3月の「第Ⅶ期中期3ヶ年経営計画」では、世界の優良企業を目指し、ROE15%を目標に設定しております。
 当社グループのROEは、2008年3月期15.3%以後、米国に端を発した世界経済の急激な減速の影響を受け、2009年3月期は6.5%となり、継続的に企業価値を向上する取り組みを行ったものの、当第1四半期連結会計期間において、感染症拡大防止のための生産活動の一時停止や減産を行ったことにより、主に自動車関連製品が大きく減少したことで減収となり、2021年3月期は6.0%となりました。引き続きROEを意識し、スタンレーグループのあらゆるビジネス・プロセスの機能が、「ものづくり」に対して価値を提供し、目標達成に向けグループ全体の総合力を最大限に発揮してまいります。
 また、当社は、安定した配当の維持及び適正な利益還元を基本としており、連結配当性向20%以上、自己株の取得を含めた総還元性向は、連結で35%以上を目標としています。利益還元策として、毎年、自己株式の取得及び消却を実施しており、その結果、2021年3月期の連結配当性向は31.6%、連結総還元性向は40.3%となりました。今後も継続的な安定した配当の維持、適正な利益還元を実施していきます。

 

 ② 売上高及び営業利益について

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
 前第2四半期連結会計期間から、自動車機器事業に含まれていたアクセサリー&パーツ製品について、事業区分を見直し、コンポーネンツ事業へ変更いたしました。以下の前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

自動車生産台数は、中国では増加しましたが、日本、米州、欧州、アジアでは減少となり、世界全体として減少となりました。二輪車生産台数は、中国では横ばいとなりましたが、日本、米州、欧州、アジアでは減少となり、世界全体として減少となりました。

このような市場環境のもと、当社グループの自動車機器事業は、ランプのLED化や新機種の量産立ち上げを確実に推し進めたものの、感染症の影響等による世界的な自動車、二輪車の販売・生産台数減少の影響を受け、自動車用ランプ及び二輪車用ランプが減少したことにより、減収となりました。一方で、ADB機能を搭載したLEDヘッドランプなどの高付加価値製品の増加や、前期に計上した過去の品質問題に関わる費用が今期は計上されないことにより、増益となりました。

その結果、当連結会計年度における自動車機器事業の売上高は2,853億8千8百万円(前期比7.6%減)、営業利益は187億9千8百万円(前期比270.0%増)となりました。

コンポーネンツ事業(主な製品:LED、液晶等)が関連する、LED照明市場は増加となったものの、AV市場は横ばいとなり、当社の主力である車載、及び遊技市場は減少となりました。

このような市場環境のもと、当社グループのコンポーネンツ事業は、自動車生産台数が減少した影響を受けて、車載用LED、液晶、及び自動車電球が減少したことにより、減収減益となりました。

その結果、当連結会計年度におけるコンポーネンツ事業の売上高は424億8千6百万円(前期比6.6%減)、営業利益は46億8千1百万円(前期比28.6%減)となりました。

電子応用製品事業(主な製品:LED照明、液晶用バックライト、ストロボ、操作パネル、電子基板等)が関連する、PC・タブレット市場及びLED照明市場は増加となったものの、車載インテリア市場、OA市場及びカメラ市場は減少となりました。

このような市場環境のもと、当社グループの電子応用製品事業は、リモートワーク等の増加によるPC特需を受けて、主に第2四半期連結累計期間において液晶用バックライトが増加したものの、自動車用ランプの制御等に用いる電子基板、OA操作パネル、及びストロボ製品等が減少したことにより、減収減益となりました。

その結果、当連結会計年度における電子応用製品事業の売上高は917億8百万円(前期比5.3%減)、営業利益は118億2千4百万円(前期比2.3%減)となりました。

 ③ 営業外収益(費用)

営業外収益(費用)は、前連結会計年度の52億円の収益(純額)から、53億8千万円の収益(純額)となりました。主に、為替差損の減少等によるものです。

 ④ 特別利益(損失)

特別利益(損失)は、前連結会計年度の14億9百万円の損失(純額)から、36億2千万円の損失(純額)となりました。主に、早期割増退職金等によるものです。

 ⑤ 税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の286億2千4百万円から31.6%増加し、376億6千3百万円となりました。

 ⑥ 法人税等

税金等調整前当期純利益に対する法人税等の負担率は、前連結会計年度の17.6%から10.0ポイント増加し、27.6%となりました。

 ⑦ 非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は、主としてVietnam Stanley Electric Co., Ltd.、広州斯坦雷電気有限公司、武漢斯坦雷電気有限公司、及びAsian Stanley International Co., Ltd.の非支配株主に帰属する利益からなり、前連結会計年度の50億3千5百万円に対し、当連結会計年度は43億6千6百万円となりました。

 ⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の185億5千万円に対し、229億1千8百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の114.19円に対し、142.39円となりました。

 

 ⑨ 生産、受注及び販売の実績

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 イ 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

自動車機器事業

285,158

△7.6

コンポーネンツ事業

21,046

△15.0

電子応用製品事業

49,641

△9.0

その他

414

17.2

合計

356,261

△8.3

 

(注) 1 金額は販売価格により、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 ロ 受注実績

当社グループは、主に自動車・エレクトロニクスメーカーに対し部品を中心に納入するメーカーであります。

当業界の受注方法は、メーカーの生産計画について3か月程度前に生産見込数量の連絡を受けた後、納品までの間に確定情報を得る形態が一般的となっております。これらの期間等は得意先ごとに異なり、かつ、納品にいたるまで納入数量・時期・品目が変更されることがあります。

当社グループは、数多くの得意先に対し、極めて多種類の製品を納入しており、それぞれの受注形態に対応して、過去の実績・予測・生産能力等を勘案のうえ生産を行っているので、受注高・受注残高の記載を省略しております。

 

 ハ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

自動車機器事業

284,562

△7.7

コンポーネンツ事業

25,231

△11.5

電子応用製品事業

49,457

△9.4

その他

459

113.5

合計

359,710

△8.1

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における総資産は5,410億2千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ466億5千7百万円増加しております。要因は、固定資産が248億2百万円増加したこと及び、流動資産が218億5千5百万円増加したことによるものです。固定資産の増加は、投資有価証券及び有形固定資産が増加したこと等によるものです。流動資産の増加は、受取手形及び売掛金が増加したこと及び現金及び預金が増加したこと等によるものです。
 負債は963億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ4百万円減少しております。主な要因は、繰延税金負債及び支払手形及び買掛金が増加したものの、退職給付に係る負債及び製品保証引当金が減少したこと等によるものです。
 純資産は4,446億5千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ466億6千2百万円増加しております。主な要因は、その他の包括利益累計額が278億6千3百万円増加したこと及び、株主資本が128億1千7百万円増加したこと等によるものです。その他の包括利益累計額の増加は、為替換算調整勘定及びその他有価証券評価差額金が増加したこと等によるものです。また、株主資本の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものです。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

自動車
機器事業

コンポーネ
ンツ事業

電子応用
製品事業

その他

調整額

連結財務諸表
計上額

当連結会計年度
(2021年3月期)

208,281

46,387

60,652

1,693

224,007

541,023

前連結会計年度
(2020年3月期)

199,347

43,768

53,248

1,579

196,422

494,365

増減率(%)

4.5

6.0

13.9

7.3

14.0

9.4

 

 

当社グループでは、事業、機能、地域の3つの軸のグループマトリクス経営を、ものづくりの進化、人づくり、キャッシュの創出により、さらに確固たるものにしていきます。
 当連結会計年度末におけるセグメント資産は、自動車機器事業は2,082億8千1百万円(前期比4.5%増)、コンポーネンツ事業は463億8千7百万円(前期比6.0%増)、電子応用製品事業は606億5千2百万円(前期比13.9%増)となりました。
 当連結会計年度は、設計開発力の強化として、新しい価値の創造とランプシステム開発の加速化を図るため、神奈川県の秦野製作所の隣接地に、新たな設計・開発拠点「秦野テクニカルセンター」を開設しております。なお、調整額のうち全社資産は、余資運用資金(現金及び預金等)、長期投資資金(投資有価証券等)により増加しております。
 当社グループでは、「生産革新活動」で培ってきたノウハウを建物の設計段階から取り入れ、投資効率を最大限に追求した工場として展開し、生産効率を最大限に高めております。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

 

 

前連結会計年度
(2020年3月期)
(百万円)

当連結会計年度
(2021年3月期)
(百万円)

増 減
(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

63,211

46,643

△16,567

投資活動によるキャッシュ・フロー

△58,394

△41,651

16,743

財務活動によるキャッシュ・フロー

△21,726

△13,021

8,705

現金及び現金同等物に係る換算差額

△4,039

4,251

8,291

現金及び現金同等物の増減額

△20,949

△3,777

17,171

現金及び現金同等物の期首残高

126,125

105,176

△20,949

現金及び現金同等物の期末残高

105,176

101,399

△3,777

 

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ37億7千7百万円減少し、1,013億9千9百万円となりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加90億3千8百万円、仕入債務の増減額の増加90億6百万円等による資金増があったものの、製品保証引当金の増減額の減少238億2百万円、売上債権の増減額の減少236億2百万円等による資金減により、前連結会計年度に比べ165億6千7百万円減少し、466億4千3百万円となりました。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出の増加198億3千万円等による資金減があったものの、定期預金の払戻による収入の増加212億9千3百万円、有形固定資産の取得による支出の減少109億4千8百万円等による資金増により、前連結会計年度に比べ167億4千3百万円増加し、△416億5千1百万円となりました。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入の減少100億円等による資金減があったものの、社債の償還による支出の減少100億円、短期借入金の純増減額の増加60億5千1百万円等による資金増により、前連結会計年度に比べ87億5百万円増加し、△130億2千1百万円となりました。

主な契約債務は、下記のとおりであります。

 

主な契約債務

合計
(百万円)

1年内
(百万円)

1年超
(百万円)

借入金

110

110

社債

10,000

10,000

 

社債は2019年4月19日に発行した期間5年の第5回無担保社債であり、2019年4月23日償還の社債償還資金に充当いたしました。

また、当社は資金調達の効率化及び安定性の確保を目的とし、2021年3月31日現在、金融機関5社とシンジケーション方式による総額300億円のコミットメントライン契約を締結しており、資金の流動性を確保しております。

 

 当連結会計年度末の自己資本比率は73.8%となりました。また、営業活動によるキャッシュ・フロー466億4千3百万円に対して、投資活動によるキャッシュ・フローは△416億5千1百万円であり、フリーキャッシュ・フローはプラスとなっております。

 

 翌連結会計年度の設備投資は、当連結会計年度に引き続き、深紫外や近紫外、ハイパワー赤外LED等の増産により電子事業の拡大を図るため、連結子会社である㈱スタンレー鶴岡製作所に新工場を建設し、2021年5月から操業を開始いたしました。現時点では、自己資金及び助成金で支払う計画としております。

 当社グループの資金は、中長期的な展望に立った新製品・新事業の開発及び経営体制の効率化等企業価値を高めるための投資に活用し、企業体質と企業競争力のさらなる強化に取り組んでおります。また、当社は安定した配当の維持及び適正な利益還元を基本としており、連結配当性向20%以上、自己株の取得を含めた総還元性向は、連結で35%以上を目標としております。

 当社グループは、グローバルにおけるグループ経営の実現に向けて、機動的かつ効率的な資金循環ができる体制の充実を図っております。日本、米州、欧州、中国、アジア・大洋州の5極において、主として統括会社を活用し、為替リスクの低減及び域内の資金循環を実施しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、会計上の見積りを行う上での感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(追加情報)に記載しております。

 

 ① 製品保証引当金の算定

製品保証引当金は、販売した製品に欠陥が生じた場合、現在入手可能な情報はもとより、過去の修理又は交換実績、並びに、予測発生台数及び台あたり費用等を含む将来の見込みに基づいて、発生する修理又は交換費用を見積り、発生原因の責任割合に応じて個別に計上しております。

当社グループは、製品保証引当金が適切かどうかを常に確認しております。従って、発生が見込まれる製品保証に関連する費用について、必要な金額を引当計上していると考えております。実際の発生は、それらの見積りと異なることがあり、引当金の計上金額が大きく修正される可能性があります。

 ② 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックスプランニングに基づく一時差異等加減前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 ③ 退職給付債務の算定

当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の確定給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、年金資産の期待収益率などの計算基礎が含まれております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

契約会社名:スタンレー電気株式会社(当社)

提携先(技術導入)

内容

契約期間

OSRAM GmbH                   (ドイツ)

白色LEDに関する特許

該当特許の有効期間中

提携先(技術提供)

内容

契約期間

Thai Stanley Electric Public
Co., Ltd.            (タイ)

自動車用ランプ類に関する技術

2021年4月1日から

2024年3月31日まで(※1)

SL Corporation       (大韓民国)

自動車用ランプ類に関する技術

2019年4月1日から

2022年3月31日まで(※1)

Lumax Industries Ltd.     (インド)

自動車用ランプ類に関する技術

2020年11月28日から

2021年11月27日まで(※2)

提携先(業務提携)

内容

契約期間

三菱電機株式会社        (日本)

車載用ランプシステム事業の共同取り組み

(開発・設計・製造・販売)

2021年1月8日から

2022年1月7日まで(※1)

 

(注)※1 双方合意のもと契約期間を延長することができます。

※2 自動更新の定めがあります。

 

5 【研究開発活動】

当社がグループビジョンで提唱している「光の価値の限りなき追求」と「ものづくりを究める経営革新」によって、真に必要とされる価値を創造し、広く社会に貢献することを実現するために、主に「研究開発センター」「生産技術センター」「設計技術センター」が技術の牽引役となり研究開発活動を行っております。
 「研究開発センター」では、“光の5つの価値”(光を創る、光で感知・認識する、光で情報を自在に操る、光のエネルギーを活かす、光で場を演出する)を追求するとともに、市場・顧客の動向を把握し、当社が取り組むべき次世代技術を選定し、あらゆる社員が新製品・新事業創出を考える「全社イノベーション」の気風を定着させ、世界最高レベルの光関連技術の保持・向上に積極的に取り組んでまいります。
  この飽くなき挑戦により、当社グループの主力事業である自動車機器事業、コンポーネンツ事業及び電子応用製品事業の永続的成長と、将来の柱となるスター事業の創出を目指していきます。
 「生産技術センター」では、品質を高めるための材料・加工技術開発、及び設備投資や工数を革新的に低減させる生産設備の開発によって、良いものを安くつくる技術をグループ全体に展開していきます。
 「設計技術センター」では、今得意先が必要としている新技術を“光の5つの価値”を通して早期に具現化し、自動車機器事業、電子応用製品事業の得意先に対し、スタンレーの価値を高めていきます。また、全社共通となるコア技術(配光、デザイン、人間工学、CAE、回路、制御、光源、プロセス改革)を常に進化・融合させ、スタンレー技術の根幹を強化していきます。
 今後も「研究開発センター」「生産技術センター」並びに「設計技術センター」を中心に、“光の5つの価値”を指針とし、地球環境にやさしく、独創的で競争力のある製品を生み出すために、常に挑戦を続けます。
  当社グループの各拠点、各セグメントの技術部門は、顧客に求められる技術及び新製品の創出、技術の進歩による原価低減、設計品質の向上を狙った開発活動を推し進めております。
 なお、研究開発費の総額は、15,817百万円であり、内訳は、自動車機器事業に係る研究開発費は10,461百万円、コンポーネンツ事業に係る研究開発費は3,528百万円、電子応用製品事業に係る研究開発費は1,389百万円、特定のセグメントに帰属しない全社費用は437百万円であります。
 また、当社グループでは、関連会社とも連携をとり開発活動を行っており、当連結会計年度の持分法適用関連会社の研究開発費の総額は、1,240百万円であり、すべて自動車機器事業に係る研究開発費であります。
 なお、持分法適用関連会社の研究開発費の総額は、連結損益計算書の研究開発費の総額には含まれておりません。 

 

主な研究開発等
  (1) オプトエレクトロニクス分野
      ・高出力白色LED
      ・高出力赤色/赤外LED
      ・高速高感度イメージセンサー

          ・高出力深紫外LED

(2) ディスプレイ分野
     ・超高コントラストLCD
     ・光マイクロスキャナ
     ・ディスプレイ駆動回路

(3) 光源・照明分野
     ・自動車用照明機器 
     ・LED道路照明・屋内照明機器
     ・点灯駆動回路・電源

(4) ソフトウエア分野・CAE技術開発
     ・配光シミュレーション
     ・光学デバイス最適形状設計ツール

(5) 材料・加工技術等の開発

(6) 全社製品のスタイリングデザイン

(7) 上記デバイスや関連技術を統合化した応用製品