第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の世界経済は、ウィズコロナのもと、各種政策の効果により、景気の持ち直しが期待されています。しかしその一方で、世界的な半導体不足や原材料価格の高騰等、依然として様々なリスクが存在しています。

このような環境のもと、当社グループでは、2023年度から「安全安心を実現し社会に貢献している ~光の力で夢を現実に変える~」を指針として、第Ⅷ期中期3ヶ年経営計画をスタートさせました。これは、2020年に策定した「スタンレーグループ第3長期経営目標」で示されている3ヶ年ごとの経営計画に、2030年に想定される外部環境を考慮したバックキャスティングによる視点を加えて策定したものです。その中の3つの大きなテーマと、経営目標は以下の通りです。

 

(1)TADAS思想のものづくり

  あらゆる人々に安全安心を届けたいという思いから生まれた思想が「TADAS」です。全ての機能を無駄にすることなく使い切る、というTADAS思想のもと、あらゆる人々が価値を享受できる価格を実現し、「安くて良いもの」を社会へ提供していきます。

   当社グループでは、「生産革新活動」で培ってきたノウハウを建物の設計段階から取り入れ、投資効率・生産効率を最大限に追求した工場として展開しております。

  その具体的な展開として、主に自動車用ランプを製造する広島製作所において、「ランプの生産拠点」から「ランプシステムの生産拠点」への改革、及び生産能力の増強を意図した拡張を進めており、2024年末に完成を予定しております。

 

(2)光の独自技術で新市場開拓

    悪天候時の運転の安全性を向上させる車載用ランプシステムや、非可視光を用いた製品など、光の価値を追求した独自の技術によって、他社との差別化を明確に図り、新たな製品を生み出し、新市場を開拓していきます。

    その具体的な展開として、当社グループ最大の研究開発拠点である神奈川県の技術研究所の再構築を計画しています。光の独自技術として更なる光の効率の追求と、社会から求められているカーボンニュートラルに向けた研究開発を2つの大きなテーマとし、効率的で活発なコミュニケーションのもと、独自の視点・発想による新技術・新製品の創出を推進してまいります。着工は2024年春で、完成は2025年末の予定です。

 

(3)One Stanleyでスピードのある挑戦

    世界中の当社グループ社員が一丸となって、同じベクトルで挑戦し、成果を出していく姿がOne Stanleyです。One Stanleyとなることで、スピードのある価値提供をグローバルで実現していきます。

 

         <経営目標>

 

目標

(2025年度)

売上高

(億円)

5,500

営業利益率

(%)

10.0

ROE(自己資本当期純利益率)

(%)

8.0

 

 

 

目標

(2023年度以降)

連結配当性向

(%)

30.0

 

株主還元のさらなる充実を図るため、連結配当性向は30%以上を目標とし

      ています。

 

当社は、CASEに代表される自動車の新たな進化やカーボンニュートラル等の環境面への対応等、自動車業界が 100年に一度と言われる大変革期を迎えている中、完成車メーカーと部品メーカーが相互に協力して解決すべき課題が多岐にわたり顕在化していることを背景に、これらの解決に向けた強固な関係構築を図るため、2022年9月に本田技研工業と包括的な資本業務提携契約を締結いたしました。本資本業務提携契約により、両社が中長期の将来にむけたパートナーとして、共同開発、人材交流等の取り組みを進め、技術力をはじめとする競争優位性の向上を図ります。

また、グローバルな競争に勝ち抜くため、当社グループは一丸となって生産性・効率性を重視した経営を行っております。

すなわち、市場や市況が急激に変化するような、いかなる環境においても振り回されない、真に体質の強い企業集団を目指し、最適な「ものづくり」を追求する生産革新活動を、間接部門を含む全てのビジネスプロセスにまで展開し、より広範囲で高度の生産性向上を日々目指してまいります。

これからも、開発から販売までの全ての機能が生産に対して「十分な価値が提供できるような仕組み」を構築し、機能連携を強化することにより、多様化するニーズを的確に捉え、競争力ある製品を提供してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般

当社グループは、経営理念として「光の価値の限りなき追求」、「ものづくりを究める経営革新」、「真に支える人々の幸福の実現」を掲げ、事業活動を行っています。その目指す先は、私たちが生み出した製品や技術が、人々の暮らしの安全・安心に寄与することです。

当社グループのサステナビリティにとって重要なことは、グループ社員一人ひとりが、法令や社会規範の遵守、健全な職場環境の整備、事業活動を通じた社会貢献、人や自然への思いやり、社会とのコミュニケーション・共生を意識して行動することです。

当社グループは、これを「スタンレーグループ行動規範」として定め、持続可能な社会の発展と地球環境の保護に貢献してまいります。

 

①ガバナンス

 当社グループのサステナビリティの推進については、主な委員会・会議体と関係部署を通じ、経営会議にて取り組みの基本方針や施策の審議・決裁を行っています。また、その内容については、適宜、取締役会へ報告しています。

 


 

 

②リスク管理

 当社グループでは、平時からグループ全体を取り巻く具体的なリスクを予見して、そのリスクがもたらす損失に対する予防策を定めるとともに、リスクが顕在化した場合においても、損失を最小限度にとどめるための事後処理対策、再発防止対策などを講じています。

 具体的には「リスク管理規定」を定めて、当社グループにおけるリスクの定義や管理体制、情報管理方針などを明確にすることで、事業継続と安定的発展に必要な準備・対策を、効果的、かつ効率的に講じる環境を整えています。

 また、取締役を委員長とする「リスク管理委員会」が中心となって、リスクの分析や洗い出し、対応マニュアルの整備など、全社的なリスクマネジメントを行っています。「リスク管理委員会」は、有事の発生に関わらず定期的に開催し、「重要リスク」と「リスクシナリオ」の策定と承認及び事業部、主管部署への展開を推進しています。

 

(2)気候変動への対応

①ガバナンス

 気候変動に関するガバナンスは、「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」に記載の通りです。

 なお、当該ガバナンス体制及びリスク管理における評価・分析の結果、当社グループの気候変動に関するリスクへの対応として、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを推進していくことが重要課題であると認識しております。カーボンニュートラルの実現に向けては、2022年4月に「カーボンニュートラル推進連携会議」を配置し、2023年には「グローバルカーボンニュートラル推進委員会」に発展させ、世界中の全社員が同じベクトルで挑戦する“One Stanley”のもと、グローバルで同時期・同一の活動を行い、各工場における施策の共有、課題解決に取り組むとともに、各国の政策や法規制の動向を監視していきます。

 

②リスク管理

 気候変動に関するリスク管理は、「(1)サステナビリティ全般 ②リスク管理」に記載の通りです。

 

③戦略

当社グループは、カーボンニュートラルの実現に向けて、グローバルでの取り組みを推進しています。

 削減の進め方としては、再生可能エネルギーに大きく頼ることなく、当社グループの強みである原価低減活動に加え、既存に捉われない生産方式や生産技術の導入等、エネルギー効率を良くするものづくり改革(熱を使ったものづくりを減らす)により、環境価値の提供と収益向上の両立を目指します。

 


 

 

④指標及び目標

 当社グループは、従来、CO2排出量について、原単位を環境パフォーマンス評価の指標としてきました。カーボンニュートラルの実現に向け、今後はCO2排出量の絶対量を評価指標とし、2021年度には、新たに下記の目標を掲げています。

 

● 2030年度:自社の事業活動におけるCO2排出量 50%削減(2019年度比)

● 2050年度:カーボンニュートラルの実現

 

(3)人的資本

「スタンレーグループ行動規範」における「世界中のあらゆる人々が平等であり、自分と同じ人間として敬意を払い、その人格や個性を尊重する」ならびに人事方針「向上心、向学心に満ちあふれる人を大切にする風土の確立」のもと、能力主義による公平性、納得性、妥当性のある独自の人事制度を運用しています。従業員一人ひとりが自らの個性と能力を十分に発揮してやりがいを持って働き、安全かつ健康で豊かな人生を送るため、グループ全体で職場環境の整備と人材育成のための仕組みづくりを行っています。

 

①ガバナンス

 人的資本に関するガバナンスは、「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」に記載の通りです。

 

②リスク管理

 人的資本に関するリスク管理は、「(1)サステナビリティ全般 ②リスク管理」に記載の通りです。

 

③戦略(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針と社内環境整備に関する方針)

 人事方針「向上心、向学心に満ちあふれた人を大切にする風土の確立」に基づいた公平性、納得性、妥当性のあるトータルな人事制度であるスターズプラン(STARS Plan)をグループ全体に展開しています。自由闊達で社員一人ひとりが自主性を持つことにより、創造性とチャレンジ精神に富んだいきいきとした企業風土をつくりあげていきます。

 また、社員の健康づくりに取り組むことで、社員の生産性や活力を向上させて持続的に成長する企業を目指すために健康経営を推進するとともに、能力主義にもとづき、社員が意欲的に働き続けられるよう能力向上の機会の提供、労働環境の向上を軸として、性別や国籍などあらゆる属性に拘わらず活躍できる風土づくりに取り組んでいます。

1)人材育成

〈人材育成計画〉

 社員一人ひとりについて、社員の持つ能力や適性にあわせた「3ヶ年人材育成計画」を毎年作成し、この計画にもとづいて能力開発やキャリア形成を行っています。

〈能力開発制度〉

 「職務遂行能力向上に結び付く能力開発」、「個性重視にもとづく能力開発」、「向上心、向学心に満ちあふれた人に対する機会提供」をねらいとして、能力開発施策を充実させています。階層、職能別教育の他、自己啓発支援、公的資格奨励制度等により、社員一人ひとりの能力開発を推進・支援しています。

〈職能別教育の強化〉

 職務遂行能力の計画的な習得を目的として、各機能・各職種で必要となるスキルを洗い出し、初級から中・上級レベルでの職務遂行に必要なスキルとその習得のための教育プログラムを策定し取り組んでいます。

 

 

2)健康経営

 2021年度より健康経営推進会議を発足させて、健康保険組合や労働組合と連携し、定期健診の結果や保険指導データなどを分析することで、健康課題の把握や各種施策を立案・実施しています。各施策の推進に当たっては、各事業所に健康づくり担当者を選任し、社内健康窓口を開設しています。これらの取り組みの結果、2022年3月に経済産業省より「健康経営優良法人(大規模法人部門)」として認定されました。今後も、社員が心身ともに元気で働き続けられる環境づくりを進めていきます。

 


3)ダイバーシティ&インクルージョン

「全社員がいきいきと働いている」「仕事と家庭が両立できる」「女性が活躍している」環境の実現を目指しています。2021年度は女性活躍推進チームを立ち上げ、女性社員がより働きやすい環境をつくるために議論し、「管理職に占める女性比率」を指標とした行動計画を策定しました。また、2022年度は、すでに従業員意識調査や女性特有の健康課題に関するeラーニング等を行い、そのフィードバック情報を踏まえて、今後の課題抽出と実行施策を検討し、施策を実行していきます。

 

④指標と目標[(3)人的資本 ③戦略で記載した方針に関する指標の内容、その指標を用いた目標、実績]

指  標

目  標

エンゲージメントスコア

(2025年度) 2023年度比 30%アップ

※2023年度より定期的エンゲージメントサーベイ導入予定

女性管理職比率

(2026年度) 4.0%

※2022年度実績:3.4%

 

     (注) 表中の目標は、提出会社における数値を記載しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
 なお、本項に記載した見込み、見通し、方針、所存等の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。また、事業活動には様々なリスクが内在しており、下記に記載されたものだけが当社グループのすべてのリスクではないことを、ご留意ください。

 

(1) 経済状況について
 当社グループは、日本、米州、アジア・大洋州、中国、欧州等とグローバルに事業を展開しております。そのため、当社グループが製品を販売している国や地域の経済状況の変動により、当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。

(2) 為替変動等の影響について
 当社グループは、自動車機器製品、コンポーネンツ製品、電子応用製品の製造販売を主な内容とし、さらに各事業に関連するサービス等の事業を展開しております。当社グループの製品は日本国内のほか、米州、その他の地域において販売されており、各地域における為替動向等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 製品の欠陥について
 当社グループでは、世界の各拠点で、世界に認められる品質管理基準のもと、製造を行っておりますが、将来にわたり、全ての製品において欠陥やリコールがないという保証はありません。大規模なリコールにつながるような製品の欠陥は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 原材料や部品等の調達及び価格変動について
 当社グループは、樹脂をはじめとした原材料や半導体等部品の調達において、供給不足や仕入価格上昇によるコストアップ等の影響を受ける可能性があります。当社グループでは、生産革新活動による生産性向上をはじめ、様々なリスク回避策に取り組んでおりますが、これらの対策を超えた急激な供給悪化や価格高騰により、当社グループの業績及び財務状況は悪影響を受ける可能性があります。

(5) 自動車業界の動向による影響について
 当社グループでは、自動車機器製品が連結売上高の約8割を占めるため、自動車業界動向の変動により、当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。

(6) 競争環境について
 当社グループ事業の主市場である自動車機器業界及び電子機器業界の価格競争はたいへん厳しいものとなっております。当社グループが属している各製品市場において、競争は今後ますます激しくなるものと予想されます。当社グループでは、競争優位に立つべく、高品質・高付加価値の製品を送り出し続けるものの、他社の抜本的な生産性の向上及び市場の支持を獲得する技術進歩や特許取得等により、当社が将来にわたり、優位な競争ポジションを維持できる保証はありません。これらの競争の結果として当社シェアの低下等により、当社グループの業績及び財務状況は悪影響を受ける可能性があります。

(7) 自然災害等について
 当社グループは、地震や火災等の自然災害の発生により、生産能力が低下する可能性に備えて、設備点検等事業継続のために必要な安全対策を行い、リスクの最小化に努めております。
 しかしながら、自然災害による火災、停電等の影響を完全に防止することは不可能であり、自然災害が発生した場合は、以下のようなリスクが内在しており、結果として当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 

・電力供給量の低下等による使用制限、取引先からの原材料・部品調達の供給不足、得意先の生産能力や販売の低下、等

(8) 株式市場の動向による影響について
 国内外の株式市場の動向は、当社グループの保有する投資有価証券の評価額及び年金資産の運用状況に大きく影響を及ぼします。株式市場が低迷した場合、保有する投資有価証券の評価損の発生や、年金資産が目減りし、会社負担が増大する可能性があります。

 

(9) 訴訟その他の法的手続にかかわるリスクについて
 当社グループの技術開発は、他社製品と差別化できる技術・ノウハウを蓄積してきておりますが、第三者が当社グループの知的財産権を使用し類似した製品を製造することを完全には防止できない可能性があります。
 また、当社グループが事業活動を展開する上で、様々な訴訟、規制当局による措置その他の法的手続により、損害賠償請求、規制当局による金銭的な賦課又は事業活動に関する制約が生じる場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

  当社グループは、各種法令を遵守するとともに、訴訟が提起された場合には弁護士事務所等と連携し、対応することとしております。

(10)気候変動に対する影響について
 当社グループは、持続的な成長に向けて「環境と価値創造との調和」を重要課題(マテリアリティ)の一つと位置づけており、その中でも脱炭素への取り組みを喫緊の課題と捉えています。カーボンニュートラルの実現に向けて、自社製造領域においては、再生可能エネルギーに大きく頼ることなく、当社グループの強みである原価低減活動をCO2削減にもつなげ、環境価値の提供と収益向上の両立を目指していきます。

  しかし今後、中期的に見て調達コスト・税負担等の大幅な増加や追加的な投資コスト等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11)情報セキュリティを取り巻く環境について
 当社グループは、事業の円滑で効率的な遂行のため、ITシステムを利用し、システムの高度化・複雑化によって利便性が向上しています。また、リスクへの対応として、ITシステムのセキュリティ水準を向上させるとともに、コンピュータセキュリティに関する事故対応チームや情報セキュリティ活動を統括する情報セキュリティ事務局を運営し、万が一の発生時の早期収拾、未然防止に向けた活動を推進しています。

  一方で、ITインフラのシステムダウン、不正アクセス、コンピュータウィルス感染等により、生産や販売等の基幹システムの不具合、故障・停止が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(12)法律・規制、その他に関するリスクについて
 当社グループは、日本をはじめ、米州、アジア・大洋州、中国、欧州等の諸地域で事業を展開しております。これらの市場での事業展開・進出には、例えば、以下のようなリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・公正な競争に関する規制、知的財産権、製造物責任、環境、労務、租税、通貨管理等に係る諸地域の各種法令や規則の予期しない変更、各種法令や規則に基づく当局による措置、これらに対応する費用の増加

・不利な政治的要因の発生、テロ、紛争、疫病、その他の要因による社会的及び経済的混乱

・労働環境の変化や人材の採用と雇用の難しさ

 

なお、当社グループでは「リスク管理委員会」を設置し、グループ全体を取り巻く具体的リスクを予見し、そのリスクがもたらす損失を予防するための対策を定めることに加え、危機が発生した場合には安全を確保し、損失を最小限にとどめるための事後処理対策、再発防止策などを効果的かつ効率的に講じることによって、事業の継続と安定的発展を確保することとしております。
 感染症の世界的流行のような不測の事態に備え、地域社会や得意先、取引先、社員など、すべてのステークホルダーへの責任を全うし、社会の安定的発展と当社の事業継続の確保に努めております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

 ① 概要

当連結会計年度における世界経済は、中国では新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンやゼロコロナ政策の影響等により厳しい状況となったものの、日本、米国、欧州、及びアジア各国では緩やかに持ち直しました。

以上のような事業環境のもと、当社グループの業績は、中国における感染拡大、前期から続く自動車生産計画の急激な変動による固定費負担の増加、及び樹脂材料や部材調達費用の高騰による影響を受けたものの、自動車生産台数及び二輪車生産台数の増加、並びに為替によるプラス影響を受け、増収増益となりました。

その結果、当連結会計年度における、売上高は4,377億9千万円(前期比14.4%増)、営業利益は349億2千6百万円(前期比25.9%増)、経常利益は448億7千2百万円(前期比22.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は264億9千6百万円(前期比23.6%増)となりました。

 

経営上の目標の達成状況を判断するための指標は、次のとおりであります。

 

 

2022年度までの目標

前連結会計年度
(2022年3月期)

当連結会計年度
(2023年3月期)

ROE(自己資本当期純利益率)(%)

15.0

5.1

5.8

連結配当性向         (%)

20.0

37.4

30.8

連結総還元性向        (%)

35.0

46.7

68.5

 

(注) 2023年1月30日開催の当社取締役会決議に基づき、2023年2月8日から2023年5月15日までに実施した合計99億9千9百万円の自己株式取得は、2023年3月期の連結総還元性向に含めて算定しております。


 当社グループのROEは、2008年3月期15.3%以後、米国に端を発した世界経済の急激な減速の影響を受け、2009年3月期は6.5%となり、継続的に企業価値を向上する取り組みを行ったものの、中国における感染拡大、前期から続く自動車生産計画の急激な変動による固定費負担の増加、及び樹脂材料や部材調達費用の高騰による影響を受け、2023年3月期は5.8%となりました。引き続きROEを意識し、スタンレーグループのあらゆるビジネス・プロセスの機能が、「ものづくり」に対して価値を提供し、目標達成に向けグループ全体の総合力を最大限に発揮してまいります。
 また、当社は、安定した配当の維持及び適正な利益還元を基本としており、連結配当性向20%以上、自己株式の取得を含めた総還元性向は、連結で35%以上を目標としています。利益還元策として、毎年、自己株式の取得及び消却を実施しており、その結果、2023年3月期の連結配当性向は30.8%、連結総還元性向は68.5%となりました。今後も継続的な安定した配当の維持、適正な利益還元を実施していきます。

 

 ② 売上高及び営業利益について

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

自動車機器事業における主な製品は、自動車用ランプ、二輪車用ランプ等です。

関連する市場の動向について、自動車生産台数は、中国で微増、その他の地域で増加となり、世界全体では増加となりました。二輪車生産台数は、欧州で微減となったものの、その他の地域で増加となり、世界全体では増加となりました。

このような市場環境のもと、当社グループの自動車機器事業は、中国における感染拡大、前期から続く自動車生産計画の急激な変動による固定費負担の増加、及び樹脂材料や部材調達費用の高騰による影響を受けたものの、自動車生産台数及び二輪車生産台数の増加に伴い、自動車用ランプ・二輪車用ランプともに増加し、増収増益となりました。

その結果、当連結会計年度における自動車機器事業の売上高は3,478億9千5百万円(前期比15.8%増)、営業利益は196億7千5百万円(前期比97.6%増)となりました。

コンポーネンツ事業における主な製品は、LED、液晶等です。

関連する市場の動向については、車載市場及びLED照明市場は増加、AV家電市場は横ばいとなりました。

このような市場環境のもと、当社グループのコンポーネンツ事業は、液晶が増加し、また非可視光(赤外・紫外)LEDも増加しつつあるものの、部材調達費用が高騰した影響を強く受け、増収減益となりました。

その結果、当連結会計年度におけるコンポーネンツ事業の売上高は470億2千6百万円(前期比1.0%増)、営業利益は50億6千9百万円(前期比14.9%減)となりました。

電子応用製品事業における主な製品は、液晶用バックライト、操作パネル、LED照明、電子基板等です。

関連する市場の動向については、PC・タブレット市場は減少、車載インテリア市場、OA市場及びLED照明市場は増加となりました。

このような市場環境のもと、当社グループの電子応用製品事業は、操作パネルが増加したものの、液晶用バックライトが減少し、加えて半導体不足等により部材調達費用が高騰したことによる影響を強く受け、増収減益となりました。

その結果、当連結会計年度における電子応用製品事業の売上高は1,105億1千5百万円(前期比12.6%増)、営業利益は106億5千4百万円(前期比10.9%減)となりました。

 ③ 営業外収益(費用)

営業外収益(費用)は、前連結会計年度の89億7千1百万円の収益(純額)から、99億4千6百万円の収益(純額)となりました。主に、持分法投資利益の増加等によるものです。

 ④ 特別利益(損失)

特別利益(損失)は、前連結会計年度の9億4千万円の損失(純額)から、1千6百万円の利益(純額)となりました。主に、投資有価証券売却益の増加等によるものです。

 ⑤ 税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の357億7千4百万円から25.5%増加し、448億8千9百万円となりました。

 ⑥ 法人税等

税金等調整前当期純利益に対する法人税等の負担率は、前連結会計年度の24.6%から1.0ポイント減少し、23.6%となりました。

 ⑦ 非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は、主としてVietnam Stanley Electric Co., Ltd.、広州斯坦雷電気有限公司、PT. Indonesia Stanley Electric、及びAsian Stanley International Co., Ltd.の非支配株主に帰属する利益からなり、前連結会計年度の55億3千3百万円に対し、当連結会計年度は77億8千万円となりました。

 ⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の214億4千5百万円に対し、264億9千6百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の133.75円に対し、162.32円となりました。

 

 ⑨ 生産、受注及び販売の実績

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 イ 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

自動車機器事業

342,034

12.7

コンポーネンツ事業

24,473

△7.1

電子応用製品事業

60,295

0.1

その他

282

△2.3

合計

427,085

9.4

 

(注) 金額は販売価格により、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 ロ 受注実績

当社グループは、主に自動車・エレクトロニクスメーカーに対し部品を中心に納入するメーカーであります。

当業界の受注方法は、メーカーの生産計画について3か月程度前に生産見込数量の連絡を受けた後、納品までの間に確定情報を得る形態が一般的となっております。これらの期間等は得意先ごとに異なり、かつ、納品にいたるまで納入数量・時期・品目が変更されることがあります。

当社グループは、数多くの得意先に対し、極めて多種類の製品を納入しており、それぞれの受注形態に対応して、過去の実績・予測・生産能力等を勘案のうえ生産を行っているので、受注高・受注残高の記載を省略しております。

 

 ハ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

自動車機器事業

346,919

16.0

コンポーネンツ事業

28,681

0.9

電子応用製品事業

62,082

13.9

その他

107

△76.8

合計

437,790

14.4

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における総資産は6,296億1千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ442億2千8百万円増加しております。要因は、流動資産が221億3千9百万円増加したこと及び固定資産が220億8千8百万円増加したことによるものです。流動資産の増加は、棚卸資産が減少したものの、現金及び預金が増加したこと等によるものです。固定資産の増加は、投資その他の資産が増加したこと等によるものです。
 負債は934億8千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億3千7百万円減少しております。主な要因は、リース債務が増加したものの、製品保証引当金が減少したこと等によるものです。
 純資産は5,361億2千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ471億6千5百万円増加しております。主な要因は、株主資本が322億5千7百万円増加したこと及びその他の包括利益累計額が94億9千8百万円増加したこと等によるものです。株主資本の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び自己株式の処分等によるものです。また、その他の包括利益累計額の増加は、為替換算調整勘定が増加したこと等によるものです。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

自動車
機器事業

コンポーネ
ンツ事業

電子応用
製品事業

その他

調整額

連結財務諸表
計上額

当連結会計年度
(2023年3月期)

214,329

51,202

73,119

1,384

289,575

629,611

前連結会計年度
(2022年3月期)

223,853

51,147

73,609

1,106

235,665

585,382

増減率(%)

△4.3

0.1

△0.7

25.1

22.9

7.6

 

 

当社グループでは、事業、機能、地域の3つの軸のグループマトリクス経営を、ものづくりの進化、人づくり、キャッシュの創出により、さらに確固たるものにしていきます。
 当連結会計年度末におけるセグメント資産は、自動車機器事業は2,143億2千9百万円(前期比4.3%減)、コンポーネンツ事業は512億2百万円(前期比0.1%増)、電子応用製品事業は731億1千9百万円(前期比0.7%減)となりました。
 当連結会計年度は、主に自動車用ランプを製造する広島製作所において、「ランプの生産拠点」から「ランプシステムの生産拠点」への改革、及び生産能力の増強を意図した拡張を進めております。なお、調整額のうち全社資産は、余資運用資金(現金及び預金等)、長期投資資金(投資有価証券等)により増加しております。
 当社グループでは、「生産革新活動」で培ってきたノウハウを建物の設計段階から取り入れ、投資効率を最大限に追求した工場として展開し、生産効率を最大限に高めております。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

 

 

前連結会計年度
(2022年3月期)
(百万円)

当連結会計年度
(2023年3月期)
(百万円)

増 減
(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

36,881

76,275

39,393

投資活動によるキャッシュ・フロー

△20,257

△56,426

△36,168

財務活動によるキャッシュ・フロー

△13,485

△3,821

9,663

現金及び現金同等物に係る換算差額

7,466

2,849

△4,616

現金及び現金同等物の増減額

10,604

18,877

8,272

現金及び現金同等物の期首残高

101,399

112,004

10,604

現金及び現金同等物の期末残高

112,004

130,881

18,877

 

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ188億7千7百万円増加し、1,308億8千1百万円となりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、製品保証引当金の増減額の減少60億7千6百万円等による資金減があったものの、棚卸資産の増減額の増加163億3千5百万円、税金等調整前当期純利益の増加91億1千4百万円等による資金増により、前連結会計年度に比べ393億9千3百万円増加し、762億7千5百万円となりました。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入の増加44億2千9百万円等による資金増があったものの、投資有価証券の取得による支出の増加197億7千5百万円、定期預金の預入による支出の増加144億4千5百万円等による資金減により、前連結会計年度に比べ361億6千8百万円減少し、△564億2千6百万円となりました。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式取得目的の金銭の信託による支出の増加47億4千1百万円、自己株式の取得による支出の増加32億6千6百万円等による資金減があったものの、自己株式の売却による収入の増加189億3千1百万円等による資金増により、前連結会計年度に比べ96億6千3百万円増加し、△38億2千1百万円となりました。

主な契約債務は、下記のとおりであります。

 

主な契約債務

合計
(百万円)

1年内
(百万円)

1年超
(百万円)

社債

10,000

10,000

 

社債は2019年4月19日に発行した期間5年の第5回無担保社債であり、2019年4月23日償還の社債償還資金に充当いたしました。

また、当社は資金調達の効率化及び安定性の確保を目的とし、2023年3月31日現在、金融機関5社とシンジケーション方式による総額300億円のコミットメントライン契約を締結しており、資金の流動性を確保しております。

 

当連結会計年度末の自己資本比率は75.6%となりました。また、営業活動によるキャッシュ・フロー762億7千5百万円に対して、投資活動によるキャッシュ・フローは△564億2千6百万円であり、フリーキャッシュ・フローはプラスとなっております。

 

翌連結会計年度の設備投資は、主に自動車用ランプを製造する広島製作所において、「ランプの生産拠点」から「ランプシステムの生産拠点」への改革、及び生産能力の増強を意図した拡張を進めており、2024年末に完成を予定しております。財源については、自己資金及び助成金で支払う計画としております。さらに当社グループ最大の研究開発拠点である神奈川県の技術研究所の再構築を計画しています。現時点では、自己資金及び助成金を財源として支払う計画としております。

当社グループの資金は、中長期的な展望に立った新製品・新事業の開発及び経営体制の効率化等企業価値を高めるための投資に活用し、企業体質と企業競争力のさらなる強化に取り組んでおります。また、当社は安定した配当の維持及び適正な利益還元を基本としており、連結配当性向20%以上、自己株式の取得を含めた総還元性向は、連結で35%以上を目標としております。翌連結会計年度以降に関しましては、株主還元のさらなる充実を図るため、連結配当性向は30%以上を目標としています。

当社グループは、グローバルにおけるグループ経営の実現に向けて、機動的かつ効率的な資金循環ができる体制の充実を図っております。日本、米州、欧州、中国、アジア・大洋州の5極において、主として統括会社を活用し、為替リスクの低減及び域内の資金循環を実施しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、会計上の見積りを行う上での感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(追加情報)に記載しております。

 

 ① 製品保証引当金の算定

製品保証引当金は、販売した製品に欠陥が生じた場合、現在入手可能な情報はもとより、過去の修理又は交換実績、並びに、予測発生台数及び台あたり費用等を含む将来の見込みに基づいて、発生する修理又は交換費用を見積り、発生原因の責任割合に応じて個別に計上しております。

当社グループは、製品保証引当金が適切かどうかを常に確認しております。従って、発生が見込まれる製品保証に関連する費用について、必要な金額を引当計上していると考えております。実際の発生は、それらの見積りと異なることがあり、引当金の計上金額が大きく修正される可能性があります。

 ② 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックスプランニングに基づく一時差異等加減前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 ③ 退職給付債務の算定

当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の確定給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、年金資産の期待収益率などの計算基礎が含まれております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

契約会社名:スタンレー電気株式会社(当社)

提携先(技術導入)

内容

契約期間

OSRAM GmbH                   (ドイツ)

白色LEDに関する特許

該当特許の有効期間中

提携先(技術提供)

内容

契約期間

Thai Stanley Electric Public
Co., Ltd.            (タイ)

自動車用ランプ類に関する技術

2021年4月1日から

2024年3月31日まで(※)

SL Corporation       (大韓民国)

自動車用ランプ類に関する技術

2022年4月1日から

2025年3月31日まで(※)

Lumax Industries Ltd.     (インド)

自動車用ランプ類に関する技術

2022年11月28日から

2025年11月27日まで(※)

提携先(業務提携)

内容

契約期間

三菱電機株式会社        (日本)

車載用ランプシステム事業の共同取り組み

(開発・設計・製造・販売)

2023年1月9日から

2024年1月8日まで(※)

提携先(資本業務提携)

内容

契約期間

本田技研工業株式会社      (日本)

共同開発、人材交流等による

競争優位性の向上

2022年9月27日から

2025年9月26日まで(※)

 

(注)※ 双方合意のもと契約期間を延長することができます。

 

 

6 【研究開発活動】

当社がグループビジョンで提唱している「光の価値の限りなき追求」と「ものづくりを究める経営革新」によって、真に必要とされる価値を創造し、広く社会に貢献することを実現するために、主に「研究開発統括部」「生産統括部」「設計技術統括部」が技術の牽引役となり研究開発活動を行っております。
 「研究開発統括部」では、“光の5つの価値”(光を創る、光で感知・認識する、光で情報を自在に操る、光のエネルギーを活かす、光で場を演出する)を追求するとともに、市場・顧客の動向を把握し、当社が取り組むべき次世代技術を選定し、あらゆる社員が新製品・新事業創出を考える気風を定着させ、世界最高レベルの光関連技術の保持・向上に積極的に取り組んでおります。
 この飽くなき挑戦により、安全・安心な社会ならびにカーボンニュートラルの実現に貢献する技術の開発を推進し、当社グループの主力事業である自動車機器事業、コンポーネンツ事業及び電子応用製品事業の永続的成長と、将来の柱となるスター事業の創出を目指していきます。
 「生産統括部」では、品質を高めるための材料・加工技術開発、及び設備投資や工数を革新的に低減させる生産設備の開発によって、良いものを安くつくる技術をグループ全体に展開していきます。
 「設計技術統括部」では、社会が求める社会課題を解決するためスタンレーにしかできない新技術を“光の5つの価値”を通して早期に具現化し、自動車機器事業、電子応用製品事業の得意先に対し、スタンレーの価値を高めていきます。また、全社共通となるコア技術(配光、デザイン、人間工学、CAE、回路、ソフトウェア、光源、プロセス改革)を常に進化・融合させ、スタンレー技術の根幹を強化し続けていきます。
 今後も「研究開発統括部」、「生産統括部」及び「設計技術統括部」を中心に、“光の5つの価値”を指針とし、地球環境にやさしく、独創的で競争力のある製品を生み出すために、常に挑戦を続けます。
  当社グループの各拠点、各セグメントの技術部門は、顧客に求められる技術及び新製品の創出、技術の進歩による原価低減、設計品質の向上を狙った開発活動を推し進めております。

なお、研究開発費の総額は、19,411百万円であり、内訳は、自動車機器事業に係る研究開発費は11,688百万円、コンポーネンツ事業に係る研究開発費は5,608百万円、電子応用製品事業に係る研究開発費は2,114百万円であります。
 また、当社グループでは、関連会社とも連携をとり開発活動を行っており、当連結会計年度の持分法適用関連会社の研究開発費の総額は、1,250百万円であり、すべて自動車機器事業に係る研究開発費であります。
 なお、持分法適用関連会社の研究開発費の総額は、連結損益計算書の研究開発費の総額には含まれておりません。

 

主な研究開発等
  (1) オプトエレクトロニクス分野
      ・高出力白色LED
       ・高出力赤外LED

          ・高出力深紫外LED

     ・面発光型レーザーダイオード

(2) ディスプレイ分野
     ・超高コントラストLCD
     ・光マイクロスキャナ
     ・ディスプレイ駆動回路

(3) 光源・照明分野
     ・自動車用照明機器 
     ・LED道路照明・屋内照明機器
     ・点灯駆動回路・電源

(4) ソフトウエア分野・CAE技術開発
     ・配光シミュレーション

    ・熱流体シミュレーション
     ・光学デバイス最適形状設計ツール

(5) 材料・加工技術等の開発

(6) 全社製品のスタイリングデザイン

(7) 上記デバイスや関連技術を統合化した応用製品