当社グループの基本方針は粗利益率及び在庫回転率の最大化を目的とし、市場環境に応じて適正在庫を管理し、適正価格で販売することにより限界収益の極大化を図ることにあります。その中にあって、中古ブランド品の流通は越境ECを始め全世界的規模で拡大し、当社グループが展望していたとおり、中古ブランド品事業の物品はその物流がグローバルに展開しております。
かかる状況下、当社グループは、質屋業としての査定力という強みを活かし一定の粗利率で商品を買取り、在庫規模にかかわらず一定期間内に商品を販売できるビジネスモデルを確立しております。したがって、現在最低水準となっている在庫水準をコロナ前の水準に戻すことが当社グループにとって最優先に取り組むべき課題と認識しております。その課題の解決に向けた取組として、在庫資金確保のための資金調達、既存の店舗網における買取及びおてがるブランド買取での取組等による在庫買取強化を行うことで、当社グループの収益は強化されていくものと考えております。その考えの下、経営指標としては、大黒屋の売上総利益率、在庫回転期間、EBITDAを注視しております。
このような環境の中、今後の当社グループの連結収益の改善並びに経営基盤の強化を図るために対処すべき課題とその対処方針は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
<優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題>
①AI技術を活用した査定システム等の開発・普及
大黒屋とLINEヤフーの業務提携に基づく「おてがるブランド買取」(7月1日サービス開始)の新サービスの基となるシステムは、大黒屋がこれまで培ってきた中古ブランド品買取販売のノウハウ、AI技術に基づく画像鑑定技術、ダイナミックプライシングのノウハウ、AI技術による機械学習を活用した自然言語処理に基づくチャットボット並びにAI技術に基づくe-commerceのグローバルなデータベース及び在庫連動システムなどを活用して開発されたものです。このシステムにより、AIによる即時査定が可能となり、チャットボットによる自然なやり取りで、簡易査定から買取申込までLINE上だけで完結するようになりました。
また、おてがる買取ブランドに、AI音声対話アバター査定士「DAI」の新機能も追加しました。これは、ディスプレイモニターやスマートフォンのカメラを利用して、大黒屋のAI音声対話アバター査定士「DAI」とビデオ通話をすることができるシステムです。このAIアバター査定士「DAI」と会話をしながら、商品をカメラで映すことにより、目安となる買取価格が提示され、疑問点などをその場で聞くことができ、より円滑なコミュニケーションを図ることが可能になります。生成AI(GPT4)と統合された音声とビデオを備えて日本語を話す世界初(※)のアバターであり、ブランド品の査定で生成AIの活用をすることは業界初(※)です。
※大黒屋調べ(令和6年7月調査実施・インターネットなどによる調査)
②買取販売の強化
コロナ禍において、外国人観光客の入国禁止や日本在住者の行動制限等のために売上が低迷したことから、在庫量を減らすという守りの経営を余儀なくされ、コロナ前よりも在庫量が大きく減少しました。新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」という。)の5類への位置づけ変更による行動制限の解除と入国制限が撤廃されたため、在庫量を増加させることとしております。ついては、2023年11月30日の新株予約権の発行等による在庫買取のための資金調達、買取専門店(現在9店舗)の拡大、おたからブランド買取等のAI技術を用いた買取販売の多角化等により、買取販売量を増加させてまいります。生成AIの性能・精度を更に進化させ、店舗及び買取の効率化を強化していきます。生成AI及び大黒屋が培ってきた画像認識システム並びに買取のERPを既存企業へ提供することを内容とする既存企業との協業によって、既存企業のROA、ROEを一層強化できるものと考えております。今後、このおてがるブランド買取を、他の店舗やECを有する企業との提携を拡大していくことを通じて、大黒屋の買取窓口の多角化を実現し、当社グループの中長期的な企業価値の向上につなげていきたいと考えております。
③質屋事業の強化
2020年4月に発せられた第1回目の緊急事態宣言時に庶民金融である質屋業が個人の逼迫した資金ニーズを賄うものとして改めて再認識されました。かかる状況下大黒屋では創業以来77年で培った「質の大黒屋」としてのノウハウを活用して、顧客ニーズに応えるべく値付・真贋のできる店舗スタッフを育成・強化するとともに、来店出来ない顧客には訪問質預りで対応する等顧客の要望に応えてまいりました。質屋業界最大手として今後も更に一層庶民金融の一翼を担ってまいります。
④相場変動への適時対応、適正価格での在庫保有
当社グループを取り巻く古物売買業界の事業環境はCOVID-19下のリベンジ消費、物価高や急激な円安に伴い高級ブランド品価格がウクライナ危機前まで上昇しましたが、その後米国の金利引き上げもあり、IT関連銘柄の下落、金融市場の混乱、景気動向の不透明感から、円安進行による円建での価格上昇にも関わらず、高級ブランド品の価格が大幅に下落しており、古物市場での流動性が落ち、価格相場の混乱を招いています。一方で、更なるインバウンド復活が見込まれ、買取・販売の増加が既に始まっております。
かかる状況下、大黒屋では、CtoBの商品買取を基本とし、更にBtoCの商品販売を展開する際に、相場変動への適時対応やシステム内に構築された価格データを駆使して一般顧客より高く買取り、他の顧客に安く販売するというビジネスモデルを展開しております。特にバックにおいては在庫回転期間が30日以内で推移しています。かかる状況を踏まえ、引き続き、相場の状況を注視しながら余剰在庫を削減し、適正価格による在庫の確保を進めてまいります。
⑤電機事業の事業構造改革の実施
電機事業については、生産体制の更なる効率化や製品の統廃合や在庫管理の強化により製造原価の逓減を進め、結果として利益率が向上してまいりました。今後も引き続きお取引先に理解を得ながら不採算製品の削減や在庫圧縮を徹底するとともに製造間接費の更なる削減を実施してまいります。
⑥キャッシュ・フロー重視の経営と経営基盤の拡充
質屋、古物売買業の強化、電機事業の抜本的な事業構造改革及び本社経費の削減等により、営業利益拡大を図るとともに事業リスクを逓減させ投資の回収を図り、キャッシュ・フローを重視した経営を進めてまいります。
⑦異業種との業務提携
大黒屋が1947年の創業以来77年で培った正確な真贋鑑定能力、過去の知見に起因するデータの蓄積及びそのDX化の結果として、当社グループが構築した真贋鑑定システム、買取システム、Dynamic Pricingシステム及びキュレーションシステム等の展開を更に推し進め当社グループと異業種との業務提携等を含め国内外のプラットフォーマーやブランド品関連企業へ提供していきます。
第116期中間連結会計期間におきましては、大黒屋とLINEヤフーが締結した本業務提携に基づく共同施策を7月1日から開始いたしました。この「おてがるブランド買取」は、LINEヤフーが運営する「LINE」上で中古ブランド品を買取り、「Yahoo!オークション」に出品し、落札結果に応じてお客様に還元する新サービスです。このシステムにより、AIによる即時査定が可能となり、チャットボットによる自然なやり取りで、簡易査定から買取申込までLINE上だけで完結するようになりました。このLINEを通して大黒屋が買取ったブランド品等については、「Yahoo!オークション」に出品され、高額落札された場合には、落札額に応じた一定割合をお客様に還元します。多くの国民になじみの深い「LINE」と「Yahoo!オークション」のプラットフォームに載せることにより、中古ブランド品等の買取に対する抵抗感を和らげて、広範な国民に対する行動変容を促すことが期待されます。
大黒屋では、この大黒屋が開発したAI買取査定サービスを、今後他の店舗やECを有する提供企業に拡大していくことによって、より多くの既存ビジネスにおけるアップセリングとクロスセリングを通じて共存し、シナジー効果を産み出していくことを考えております。具体的には、これにより、買取店舗に行くことも、ブランド品を大黒屋又は他社のブランド品買取店舗に持ち込む必要もなくなります。また、販売者が最も興味のある買取値段については、今まで店舗で査定されるまでは知ることができませんでしたが、それをオンラインで数秒で知ることが可能となります。同時に、これまでの他の企業との提携により買取を増やす場合には、相手方の店舗等に大黒屋の社員を派遣し潜在的買取値段等を伝える必要がありましたが、その必要がなくなり、広く実店舗を有する企業との複合的連携が可能となります。
これらの結果として、大黒屋の買取窓口の多角化につながります。
当社グループの主な事業である中古ブランド品の買取及び販売事業は、リユース事業であり、サステナビリティに対する取り組みそのものと考えております。リユース事業は限りある資源を再利用することで廃棄物を削減し、CO2の排出削減に貢献できる事業であると考えております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、急速に変化し続ける事業環境に即応するため、外部環境の変化によるリスク及び機会を把握し、取締役会の中で対応策について意思決定をしております。社会・環境の変化に伴うサステナビリティに関する取り組みについても、今後取締役会の中で活動内容の報告を行い、活動の推進を行っていきます。
(2)戦略
(3)リスク管理
当社グループでは、事業活動に関する一般的なリスク及び当社グループ特有のリスクを把握する過程で、サステナビリティ関連のリスクも把握し、取締役会において方針の立案、施策の進捗状況管理を行っていく予定です。
(4)指標及び目標
本有価証券届出書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①全社的なリスク
ⅰ.企業買収及び業務提携等について
当社グループは、経営の効率化と競争力強化を行い株主利益最大化のため、企業買収および資本参加を含む投資、他社との業務提携等による事業の拡大を行うことを目指しております。しかしながら、企業買収及び業務提携等が円滑に進まない、あるいは当初期待した効果が得られない可能性があります。また、他社が事業戦略を変更した場合には、当社グループは資本参加、業務提携関係等を維持することが困難になる可能性もあります。
ⅱ.資金調達に関するリスク
当社グループは、企業買収等や運転資金のため必要に応じてエクイティファイナンスにより資金調達することがあります。当社の事業内容や将来のビジネスの潜在性に興味を持つ投資家はおりますが、ファイナンスの条件やスキームについては交渉を要することから、機動的な調達には制限があり、事業活動に影響を与える可能性があります。
ⅲ.情報システムに関するリスクについて
当社グループは、多くの業務において情報システムを利用しております。当社グループは、情報システム利用に係る信頼性向上のため様々な対策を実施し、業務を継続的に運営できる体制を整備していますが、テロ、自然災害、ハッキング、人為的ミス、コンピュータウィルス等により情報システムの不具合、故障が生じる可能性があります。この場合、業務が一時的に中断し、当社グループの事業、財政状態および経営成績に影響を受ける可能性があります。
ⅳ.海外子会社について
当社グループの中には海外子会社(SFLグループ及び上海黛庫商業有限公司)がありますが、海外子会社の運営に際しては為替変動リスクがあるほか、各国及び各地域等の経済情勢、政治情勢、法規制、税制等の変化による影響や、ビジネス慣習の違い等、特有の業務上のリスクがあります。そのため、事業撤退段階にあるSFLグループにつきましては、当社が想定する撤退計画に遅れが生じるリスクがあります。その他、当社が想定する海外の新規店舗の出店時期に遅れが生じるリスクがあります。また、今後、当社グループ内に占める海外子会社の売上、利益の割合が増加し、各国及び各地域等の経済情勢等に変動があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ⅴ.会計基準および税制等の変更について
新たな会計基準の適用や新たな税制の導入・変更によって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、税制等の改正により、当社グループの税負担が増加する可能性があります。
ⅵ.情報の流出について
当社グループは、事業活動において顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客等の個人情報を含む)を入手し、他企業等の情報を受け取ることがあります。当社グループは、これらの情報の秘密保持に細心の注意を払い、情報の漏えいが生じないよう最大限の管理に努めていますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。この場合には、損害賠償等の多額な費用負担が生じ、また、当社グループの事業活動やブランドイメージに影響が及ぶ可能性があります。また当社グループの事業上の重要機密が第三者に不正流用される恐れもあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②質屋、古物売買業のリスク
ⅰ.中古品の仕入について
中古品は新品と異なり仕入数量の調整が難しく、安定的に商品を確保することが経営施策上極めて重要であります。このため商品の仕入については、店舗にて個人顧客から買取他、出張買取、宅配買取及び中古ブランド売買市場で中古ブランド品の調達を行っております。
中古品は新品に比して粗利が高い傾向にありますが、今後の景気動向や新たな競合先の出現等による仕入価格の上昇や商品数の不足等により、安定的な商品の確保に支障をきたした場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅱ.コピー品の買取及び質預りリスクについて
中古ブランド品小売業界及び質屋業界において、コピー品に関するトラブルは社会的に重要な問題となってきており、質屋、古物売買業を営む株式会社大黒屋(以下「大黒屋」という。)にも買取品或いは質草としてコピー品が持込まれる可能性があります。大黒屋におきましては、日頃から買取担当者の真贋鑑定能力を養い、高度な専門知識と豊富な経験を持った買取担当者を育成することにより、コピー品の買取及び質預り防止に努めており、誤ってコピー品の買取及び質預りをしてしまう件数は極僅かです。しかしながら、当業界においては、常にコピー品に関するトラブル発生のリスクが潜んでおり、大きなトラブルが発生した場合、大黒屋の取扱品に対する信頼性が低下することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅲ.盗品の買取及び質預りリスクについて
大黒屋が買取った商品或いは質預り品が盗品であると発覚した場合、古物営業法及び質屋営業法では1年以内は、これを無償で被害者又は遺失主に回復することとされております。大黒屋においては、コンプライアンスの観点から、古物においては古物営業法に基づく古物台帳、質物においては質屋営業法に基づく帳簿の徹底管理を行うことで、被害者又は遺失主に対し適切な対応が出来る体制を整えており、盗品の買取及び質預りをしてしまう件数は極僅かです。しかしながら、盗品を取り扱った場合には、大黒屋の取扱品に対する信頼性が低下することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅳ.買取担当者等について
当業界における中古品の仕入買取価格については、金等のように相場があるものを除き、あらかじめ価格が決定しているものではありません。従って、商品の真贋鑑定を適正に行い適正価格で買取を行うことや質物の預りにおいても同様に真贋鑑定を適正に行う必要があります。そのため、大黒屋にあっては、人材の養成と確保への取り組みの強化が重要です。人材育成のため研修制度の充実や賃金体系を含めた人事制度の構築により対応しておりますが、このような買取担当者等の養成や確保が進まない場合や、買取担当者等の退職は大黒屋の仕入や店舗施策等に重要な影響を与え、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅴ.為替変動について
大黒屋が取り扱う中古品は、大半が輸入ブランド品ではありますが、これらの仕入は円建で行われ、また、販売価格は仕入買取価格に連動して変動するため業績への影響は限定的と認識しておりますが、急激な為替相場の変動による国内外の需要の変化によって当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。なお、為替の円安傾向への変動は、販売において外国人旅行客にとって割安感が生まれ免税売上が増加します。一方、円高傾向への変動は、国内の購買層に割安感が生まれ国内売上増加に寄与します。
ⅵ.商品在庫について
大黒屋の取扱商品は時代の流行や市場ニーズに合わせながら変化する商品が大半であり、商品が陳腐化し長期滞留在庫とならないように、常に在庫回転期間の目安として平均90日を維持することを念頭に置き販売価格を設定し適正在庫の維持に努めておりますが、その流行やニーズの変化により商品が陳腐化し長期滞留在庫を招く可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅶ.質草の取扱について
質取引は、質屋営業法に基づき、顧客(質置主)から物品(有価証券等を含む)を質草として預り、流質期限まで当該質物で担保される債権の弁済を受けないときは、当該質草をもってその弁済に充てる旨の約款を附して顧客に金銭を貸付けるものです。また、質契約の期限が経過したもの及び経過しようとするものに対して、利入れすることにより期限延長することが出来ます。顧客は流質期限前に、いつでも元利金を返済して、その質草を受け戻すことが出来ます。そのため、顧客に返却する質草については、劣化や盗難による紛失等に備えるため、法的に定められた保管場所である質蔵にて厳重に保管しており、劣化や盗難による紛失等による影響は限定的であると認識しておりますが、保管中の質草の劣化や盗難による紛失等があった場合には当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。
ⅷ.出店施策について
a.新規出店について
大黒屋は、現在首都圏(18店舗)を中心に関西圏(4店舗)、東海地区(1店舗)及び九州地区(1店舗)にて24店舗を展開しております。
出店先の選定にあたっては、物件の状況、契約条件、周辺地域の人口やその動態、交通の便、競合他社の店舗の状況等を勘案して判断しております。このため、大黒屋の望む時期に望むような物件を確保出来ない場合、更に新店舗への設備投資、商品供給及び人材確保等が遅延した場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
b.賃借契約等について
大黒屋では、出店に際して賃借物件による店舗施策を基本方針としております。よって、当該物件を借り受けるに際し、賃貸人に対し、敷金及び保証金を差入れております。敷金及び保証金は、契約解消時に返還されることになっておりますが、賃貸人の事情によっては、その一部又は全額が回収出来なくなる可能性があります。また、大黒屋の都合で契約を中途解約した場合には、契約内容によってはこれらの一部が返還されなくなる場合があります。また、大半の店舗が賃借店舗であることから、何らかの理由により契約が更新できない場合、また、契約更新時などに賃料が上昇した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
c.営業エリアの集中について
大黒屋においては、経営の効率化及び経営資源の集約化を図るべく首都圏、関西圏及び中部圏といった日本における三大都市圏に店舗展開しています。このため各都市圏において地震、風水害及びその他の異常な自然現象により、大黒屋が物的及び人的な損害を受けた場合、事業拠点の移転や損害を被った設備等の修復の為に多額の費用が発生し、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
更に、大黒屋が出店している地域において自然災害に起因して生じる電力不足、通信途絶及び運輸機能の停止等ライフラインの途絶が発生した場合、また、行政からの避難命令・勧告等により営業継続が困難となった場合にも当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
ⅸ.法的規制について
a.古物営業法に関する規制について
大黒屋が取扱う商品は「古物営業法」に定められた「古物」に該当するため、出店に際しては管轄する各都道府県公安委員会から営業許可を受けております。大黒屋では同法に従って適切に業務を遂行するため、古物台帳による管理の徹底、古物営業法に基づく社内マニュアルの整備、社員教育等を実施しております。本日現在大黒屋において許可の取消し事由は発生しておりませんが、万一同法に定める規則に違反した場合には、営業許可の取消し、又は営業停止等の処分を受ける可能性があり、その場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
b.質屋営業法に関する規制について
大黒屋は古物以外に「質屋営業法」に定められた質屋業を営んでおり、質屋の出店に際しては管轄する各都道府県公安委員会から営業許可を受けております。大黒屋では同法に従って適切に業務を遂行するため、質帳簿による管理の徹底、質屋営業法に基づく社内マニュアルの整備、社員教育等を実施しております。本日現在大黒屋において許可の取消し事由は発生しておりませんが、万一同法に定める規則に違反した場合には、営業許可の取消し、又は営業停止等の処分を受ける可能性があり、その場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
c.その他の法的規制について
大黒屋が規制を受けているその他の法律には、「特定商取引に関する法律」、「建築基準法」、及び「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」等があります。なお、短時間労働者に対する社会保険適用基準の拡大等の各種法令の改正等に伴い、新たな対応コストが発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅹ.有利子負債依存度について
株式会社大黒屋では、第115期連結会計年度末現在、資金調達は金融機関からの借入で行っております。大黒屋の仕入商品の買取は全て現金決済にて行われているため、常に運転資金が必要な事業形態となっております。また、業容拡大に伴う出店及び改装に係る費用を、主として金融機関からの借入により調達していることから、今後の出店及び商品調達の状況により、大黒屋の有利子負債依存度は比較的高水準で推移する可能性があります。
今後は業績拡大、収益性の向上により内部留保を確保し、財務体質の強化に努める方針でありますが、金利動向等の金融情勢や取引金融機関の融資姿勢等の変化により、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
ⅺ.借入金の返済について
借入金は、資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払いを実行できなくなるリスク)に晒されております。資金繰り計画を作成・更新するとともに、手元流動性を一定額以上維持すること等により流動性リスクを管理しておりますが、業績の悪化等により借換先が見つからない場合や一時的な資金支出の増加により、弁済期日通りに借入金を返済できない場合、当社グループの事業及び財政状態に著しい影響を及ぼす可能性があります。
ⅻ.財務制限条項について
一部の借入金については、金融機関に流動資産及び固定資産の一部を担保に供しており、財務制限条項(レバレッジ・レシオ、利益維持、純資産維持)が付与されています。本条項に抵触し、金融機関より債権行使がなされた場合には、当社グループの財政状態に著しい影響を及ぼす可能性があります。
③電機事業のリスク
ⅰ.製品の安全性について
電機事業においては、一世紀弱に及ぶ技術開発の成果として、多くの製品に工業所有権・ノウハウを有しておりますが、そもそも可燃性物質を取り扱う等厳しい環境下で使用される製品であること、昨今の仕入先の状況から来る品質の低下及び品質検査漏れ及び熟練工確保状況等によっては、製品の使用に関連して火災事故等の人命に関わる事態に巻き込まれる可能性があります。かかる状況においては、報道等の行われ方いかんによっては、問題のない製品及び当社グループへの信頼性の低下を招き、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
ⅱ.法的規制について
当社グループは、防爆仕様の製品を製造することから、さまざまな法的(ガイドライン)規制を受けております。たとえば、労働安全衛生法に基づく国家検定に合格する必要がある製品や、電気用品技術基準に合格することが必要な製品等があります。当社グループは事業遂行にあたってこれら法令等に違反しないように監視する内部統制機能の充実に努めておりますが、結果として規制に適合しない可能性を完全に排除できる保証はありません。これら法令等の規制等を遵守できなかったことにより、企業としての信頼性の失墜につながる可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、第115期連結会計年度及び第116期中間連結会計期間において、売上高が減少し経常損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。しかしながら、当社グループの根幹会社である大黒屋は、質屋業としての査定力という強みを活かし一定の粗利率で商品を買取り、在庫規模にかかわらず一定期間内に商品を販売できるビジネスモデルを確立しております。したがって、現在最低水準となっている在庫水準をコロナ前の水準に戻すことが大黒屋にとって最優先に取り組むべき課題と認識しております。その課題の解決に向けた取組として、在庫資金確保のための資金調達、既存の店舗網における買取及びおてがるブランド買取での取組等による在庫買取強化を行うことで、大黒屋及び当社グループの収益は強化されていくものと考えております。
令和6年7月1日からサービスを開始している「おてがるブランド買取」を活用した他業種提携企業との共同施策が進む見込みであること、2023年11月30日に決議した第三者割当による新株予約権の行使が進んでいること、更に主要銀行へ追加の保証差入を行い継続的な支援をいただいていることから、資金繰りには問題なく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
業績等の概要
(1)業績
(1)事業の経過及びその成果
第115期連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度における世界経済は、長期化するウクライナ情勢やガザ地区での紛争といった地政学リスクの高まりによる資源価格の高騰や世界的な金融引き締め等による景気の下振れリスクに加え、中国経済は不良債権問題を抱えており、不透明な状態が続いております。わが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の5類への位置づけ変更による行動制限の解除と入国制限が撤廃されたことに伴うインバウンド需要の回復により、経済活動の正常化が進みました。また、賃金の上昇や日経平均はバブル期を超え4万円に達するなどプラスの状況も見られた一方で、国内における人件費増加や急激な円安の進行で物価高が進み、実質賃金は23ヶ月連続でマイナスになるなど厳しい景気の状況は続いているところです。
当社グループを取り巻く古物売買業界の事業環境は、社会全体にあっては、持続可能な世界を目指すSDGs推進によるリユース意識の高まりや円安による物価高により需要の拡大が見込まれております。また、一昨年10月11日より渡航制限が撤廃されたことに伴うインバウンド復活もあり、買取・販売の増加が始まりつつあります。
当社グループでは、買取・販売の増加が見込まれることに伴い、今後の新たな収益機会に備えた体制を整え、攻めの経営に転じて参りました。しかしながら、他国のインバウンド客の増加と異なり、これまでの訪日外国人の大層を占めていた中国人観光客については、中国経済の不動産不況等に伴う不振により、主力の中国人訪日客数が予想より回復せず、また、店舗の買取も予想より下回ったため在庫量の増も厳しい状況であり、更に、消費税免税取引に問題があったということで税務調査で指摘を受け、消費税等を追納することといたしました。
そのような厳しい状況でございましたが、昨年11月30日付で、当社連結子会社である株式会社大黒屋(以下「大黒屋」という。)は、LINEヤフー株式会社(以下「LINEヤフー」という。)との間で業務提携(以下「本業務提携」という。)契約を締結し、その共同施策として、「LINE」上で中古ブランド品を買取り、「おてがるブランド買取」の名称で「Yahoo!オークション」に出品し、落札結果に応じてお客様に還元する新サービスの概念実証(POC)の取組を開始することといたしております。当連結会計年度はLINEヤフーとの慎重な協議調整を行い、次期の概念実証に向けて着実に歩みを進めてきたところです。この新たな資金需要に対して、当社では直接金融として昨年11月30日に第三者割当による新株予約権付社債及び新株予約権の募集により総額約21億円の調達を決議しました。更に、大黒屋においては、昨年10月23日に銀行団との間で長期運転資金として46億円の融資(借替え)を受けました。今後、新株予約権の行使が進み資金が大黒屋に還元されること及びその他ファイナンスの実施等により、落ち込んだ在庫水準をコロナ前の水準に戻すことに努めていきます。
このような状況下、当社グループの当連結会計年度の売上高及び利益は、前連結会計年度と比較し在庫水準が低いことから売上及び利益は減少するも、大阪の店舗を中心に粗利率の高い商品の在庫回転期間が縮小したことで売上総利益率は29.8%と前年同期比で1.8%改善となりました。
(売上高)
当社グループの当連結会計年度の売上高は、10,967百万円(前年同期比1,480百万円減、同11.9%減)となりました。その主な要因は以下の通りであります。
まず、当社グループの根幹会社である大黒屋において、当事業年度の売上高は10,671百万円(前年同期比1,492百万円減、同12.3%減)となりました。
この減少要因は、これまでの訪日外国人の大層を占めていた中国人観光客について当初予想されていた中国当局によるツアー渡航制限が昨年8月10日まで解禁されなかったことやその後の不動産不況等に伴う中国経済の不振により訪日客数が回復しなかったことから、2023年は2019年に比してまだ75%減の状況であり売上回復につながりませんでした。また、コロナ下においてリスク回避のために在庫水準を最低水準としたことやファイナンスの約定弁済に伴う運転資金の減少等により、在庫水準がコロナ前の水準と比べ約23億円減少(35億円規模、現在12億円規模)したことによるものです。
売上の内訳は、リアル店舗全体での売上高(リアル店舗による販売のこと:以下「リアル」という。)は減少し、リアル5,827百万円(前年同期比53百万円減、同0.9%減)となり、本部商品売上高(古物業者市場等への販売のこと)は、2,483百万円(前年同期比948百万円減、同27.6%減)となりました。
また、ネット店舗商品売上高(インターネットによる店舗販売のこと:以下「ネット」という。)においては広告効率の改善などの継続的なEC販売の強化活動を展開したものの、在庫水準の低下により1,335百万円(前年同期比517百万円減、同27.9%減)となりました。
併営する質料収入においては、質屋事業が庶民金融として生活に定着していることから、順調に推移し質料(貸付金利息)は880百万円(前年同期比34百万円増、同4.0%増)となりました。なお、質草預りに伴う営業貸付金残高(2,108百万円)は、ほぼ横ばいで推移しており今後も質料アップが期待されます。
更に、越境関連としましては、越境EC、ライブショッピング等の売上が374百万円(前年同期比446百万円減)と減少しています。なお、2021年7月より開始したChrono24は255百万円と順調に推移しております。
(利益)
当社グループ営業損失は143百万円(前年同期比268百万円減)となりましたが、その主な要因は以下の通りであります。
まず、大黒屋において売上総利益は3,163百万円(前年同期比218百万円減、同6.5%減)となりました。この要因は店舗商品売上総利益(リアル)が1,348百万円(前年同期比6百万円の増加、同0.4%増)、店舗商品売上総利益(ネット)は316百万円(前年同期比95百万円減、同23.2%減)となり、本部商品売上高の売上総利益は578百万円(前年同期比176百万円減、同23.3%減)となりました。大黒屋全体の売上総利益率は29.6%(前期比1.8%の改善)と改善しており、その要因は、入国者数上限撤廃によるインバウンド回復見込み等に伴い、買取価格及び販売価格を見直したためです。また質料(貸付金利息)は880百万円(前年同期比34百万円増、同4.0%増)となりました。なお、質料収入はそのすべてが売上総利益となります。
大黒屋の販売費及び一般管理費につきましては、ポスト・コロナを見据え費用対効果の観点から広告宣伝効率を改善しながら広告投資を積極的に行った結果、2,937百万円(前年同期比64百万円増、同2.2%増)となりました。なお、大黒屋では、のれんを計上しているため、当連結会計年度の償却費541百万円を販売費及び一般管理費に含めておりますが、連結決算においては、のれん償却費を消去するため、当該金額を控除した金額で記載しております。
以上の結果、大黒屋の営業利益は226百万円(前年同期比282百万円減)となりました
一方、連結決算では上記の通り大黒屋ののれん償却費が相殺されることにより143百万円の営業損失(前年同期比268百万円減)となりました。当社グループの経常損失は、446百万円(前年同期比410百万円増)となりました。これは上記営業利益の減少と融資の借替えに伴う手数料の増加によるものです。
東京国税局(以下「当局」という。)から2022年3月期及び2023年3月期における輸出免税取引に係る消費税等の取扱いについて指摘を受け、修正申告書を提出することとなり、当該修正申告に係る加算税等を特別損失として55百万円計上しております。
以上の結果、当社グループの税金等調整前当期純損失につきましては552百万円(前年同期比482百万円増)となりました。
また、当局から上記の指摘を受け、過年度決算を修正し過年度の売上高を減額したことにより、法人税が還付されるため、法人税等還付税額として48百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は539百万円(前年同期比260百万円増)となりました。
なお、大黒屋において企業評価指標の一つであるEBITDAは、売上総利益率の改善はしたものの、営業利益の減少により272百万円(前年同期比290百万円の減少)となりました。
以上の通り、当連結会計年度において減収減益決算となりました。
セグメント別の業績の状況につきましては以下の通りであります。
イ.質屋、古物売買業
当連結会計年度における質屋、古物売買業の売上高及び営業利益は、それぞれ10,671百万円(前年同期比1,498百万円の減少、同12.3%減)、192百万円(前年同期比265百万円の減少、同57.9%減)となりました。
その主な要因につきましては、業績の概況にて記載しましたように、大黒屋における在庫水準の低下によるもので、売上高及び営業利益は減少しております。
ロ.電機事業
当連結会計年度における電機事業の売上高及び営業利益は、それぞれ295百万円(前年同期比17百万円の増加,同6.5%増)、77百万円(前年同期比14百万円の増加、同22.7%増)となりました。
電機事業においては、今もなお電機業界全体において設備投資の抑制が続いていることもあり、最終ユーザーによる設備の新設工事や点検工事などは年々減少しているのが実情であります。また、資材(原材料)価格の上昇や後継者不足による小規模下請け業者の廃業など、より一層厳しい環境が続いており、当社の電機事業にも大きな影響を与えています。
このような状況の下、当社電機事業部門におきましては、適正な利益を確保するため常に販売価格の見直しを行うとともに、製造原価の上昇を抑えるべく仕入先の転換(新規仕入先の拡充等)、現行取引ユーザーとの協力体制の拡充等、さまざまな手法をとって利益率の確保を目指し改善を行っております。
第116期中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
当中間連結会計期間における世界経済は、ウクライナ情勢やガザ地区での紛争は終息の見込みが立たないどころか、中東情勢は一段の緊迫化が現実化するなど地政学リスクが続いています。米国では、堅調な景気の中、インフレ圧力の鈍化と労働需要の縮小を受けてFRBが9月に0.5%の利下げを決定し、景気後退を回避しソフトランディングを図っている状況です。欧州でも、サービス業の改善にけん引されて景気回復の兆しが顕在化し、ECBは利下げに転じ景気は持ち直しの状況ですが、フランスの政治の混乱の影響が懸念されます。中国では、国内消費の復活と輸出の増加が景気の追い風となっていましたが、不動産市場の低迷と外出関連消費も落ち着くなど成長の勢いは弱まっています。全般的な世界経済は高インフレが落ち着いてくるなど、底堅い成長を維持しております。
一方、我が国の経済は、3月下旬に日経平均株価4万円超えた、賃上げが5.2%に達したなどプラス材料もあったところですが、7月上旬に160円を超える円安を記録し、日本銀行による7月下旬の0.5%の利上げ後、急激に円高となり、9月末では144円と大きく変動し、日経平均株価も大きく上下を繰り返しているところです。実質賃金は6月に27ヶ月ぶりにプラスに転換(8月はマイナス)し、個人消費が5四半期ぶりに増加するなど、持ち直しの動きが見られますが、国内における経済の先行きは不透明な状態が続いています。
当社グループを取り巻く古物売買業界の事業環境は、社会全体にあって持続可能な世界を目指すSDGs推進によるリユース意識の高まりや円安による物価高により需要の拡大が見込まれております。また、コロナ禍から世界経済が正常化したことや歴史的な円安の状況を踏まえ、インバウンド復活がピーク時の2019年レベルを超える状況となっており、買取・販売が増加しつつあります。
当社グループでは、買取・販売の増加が見込まれることに伴い、今後の新たな収益機会に備えた体制を整え、攻めの経営に転じてまいります。
当社連結子会社である大黒屋では、大黒屋とLINEヤフーが締結した業務提携契約に基づく「おてがるブランド買取」のサービスを7月1日から開始しました。LINEヤフーが運営する「LINE」上で中古ブランド品を買取り、「Yahoo!オークション」に出品し、落札結果に応じてお客様に還元する新サービスです。多くの国民になじみの深い「LINE」と「Yahoo!オークション」のプラットフォームに載せることにより、中古ブランド品等の買取に対する抵抗感を和らげて、広範な国民に対する行動変容を促すことが期待されます。
既存の企業と協業することにより、大黒屋の査定、鑑定、買取のERPをAPIで提供することにより、既存小売とネット事業との融合を進めてまいります。今後、DX及び企業の資産効率の追求は重要な課題であり、大黒屋の買取事業を媒介とし、既存の企業と協業することにより、既存事業の顧客のフローを強化していくことができるものと確信しております。既存企業の売り場面積当たり効率と顧客の流れが強化される付加価値を生み出すフローをつくることにより、既存企業のROA及びROEを強化していくことができると考えます。
また、おてがる買取ブランドに、AI音声対話アバター査定士「DAI」の新機能も追加しました。このAIアバター査定士「DAI」と会話をしながら商品をカメラで映すことにより、目安となる買取価格が提示され、疑問点などをその場で聞くことができ、より円滑なコミュニケーションを図ることが可能になります。
生成AIの性能・精度を更に進化させ、店舗及び買取の効率化を強化していきます。生成AI及び大黒屋が培ってきた画像認識システム並びに買取のERPを既存企業へ提供することを内容とする既存企業との協業によって、既存企業のROA、ROEを一層強化できるものと考えております。今後、このおてがるブランド買取を、他の店舗やECを有する企業との提携を拡大していくことを通じて、大黒屋の買取窓口の多角化を実現し、当社グループの中長期的な企業価値の向上につなげていきたいと考えております。
このような状況下、当社グループの当中間連結会計期間の売上高は5,000百万円(前年同期比513百万円減少、同9.3%減)、売上総利益は1,561百万円(前年同期比98百万円減少、同5.9%減)となりましたが、在庫期間の短縮もあり、売上総利益率は31.2%(前年同期比1.1%増)を確保しております。新サービスに向けての投資費用が先行したことや「おてがるブランド買取」のキャンペーン等広告投資を積極的に行い、販売費及び一般管理費が1,925百万円(前年同期比256百万円増加、同15.4%増)に増加した結果、営業損失364百万円(前年同期比355百万円の悪化)となり、減収減益決算となりました。
(売上高)
当社グループの当中間連結会計期間の売上高は、5,000百万円(前年同期比513百万円減少、同9.3%減)となりました。その主な要因は以下のとおりであります。まず、当社グループの根幹会社である大黒屋において、当中間連結会計期間の売上高は4,818百万円(前年同期比558百万円減少、同10.4%減)となりました。
この減少要因は、大黒屋にとって外国人客の主力である中国からの渡航客がピーク時の7割にとどまっており、また、急速な円安進展とその後の乱高下による変動リスクの回避もあり、買取を抑制したことによる在庫水準(棚卸資産1,493百万円、前年同期比255百万円減少)の低下によるものです。
売上高の内訳は、リアル店舗全体での売上高(リアル店舗による販売のこと:以下「リアル」という。)は2,692百万円(前年同期比241百万円減少、同8.2%減)となり前期より減少しました。また、ネット店舗商品売上高(インターネットによる店舗販売のこと:以下「ネット」という。)においても、在庫水準の低下により561百万円(前年同期比248百万円減少、同30.7%減)と大きく減少し、本部商品売上高(古物業者市場等への販売のこと)についても、1,066百万円(前年同期比51百万円減少、同4.6%減)で減少となりました。併営する質料収入においては、質屋事業が庶民金融として生活に定着していることから、質料(貸付金利息)は431百万円(前年同期比6百万円減少、同1.5%減)となりました。なお、質草預かりに伴う営業貸付金残高(1,973百万円)は前年同期比162百万円減少で推移しております。また、越境関連としましては、越境EC等の売上が102百万円(前年同期比53百万円減少)と減少しています。なお、2021年7月より開始したChrono24は84百万円(前年同期比56百万円減少)と推移しております。
(利益)
当社グループの営業損失は364百万円(前年同期比355百万円の悪化)となりましたが、その主な要因は以下のとおりであります。まず、大黒屋において、売上総利益は1,484百万円(前年同期比128百万円減少、同7.9%減)となりましたが、在庫回転期間は2.41ヶ月(前年同期2.44ヶ月)と短縮したこともあり、売上総利益率は30.8%(前年同期比0.8%増)となっております。内訳は、店舗商品売上総利益(リアル)が613百万円(前年同期比75百万円の減少、同10.9%減)、ネット店舗商品売上総利益(ネット)は127百万円(前年同期比69百万円の減少、同35.1%減)となり、本部商品売上高の売上総利益は243百万円(前年同期比25百万円の減少、同9.6%減)と前年同期より減少しました。大黒屋全体の売上総利益率は30.8%(前年同期比0.8%の増)と前期同様の高水準で推移しており、その要因は、前年同期に引き続き、買取価格及び販売価格を見直し、粗利率の高いバッグの回転期間が短いことによるものです。また、質料(貸付金利息)は431百万円(前年同期比6百万円減少、同1.5%減)となりました。なお、質料収入はそのすべてが売上総利益となります。大黒屋の販売費及び一般管理費につきましては、新サービスに向けての投資費用が先行したこと、「おてがるブランド買取」のキャンペーン等、広告投資を積極的に行った結果、1,909百万円(前年同期比222百万円増加、同13.2%増)となりました。なお、大黒屋では、のれんを計上しているため、当中間会計期間の償却費270百万円を販売費及び一般管理費に含めておりますが、連結決算においては、のれん償却費を消去するため、当該金額を控除した金額で記載しております。先行投資を除いた場合の営業利益(のれん控除前)は189百万円、のれん控除後営業損失は82百万円となりました。以上の結果、大黒屋の営業損失は424百万円(前年同期比350百万円悪化)となりました。
一方、連結決算では上記のとおり大黒屋ののれん償却費が相殺されることにより営業損失は364百万円(前年同期比355百万円の悪化)となりました。当社グループの経常損失は474百万円(前年同期比409百万円の悪化)となりました。これは上記売上総利益の減少によるものです。
以上の結果、当社グループの税金等調整前中間純損失につきましては501百万円(前期比423百万円の悪化)となりました。また、親会社株主に帰属する中間純損失は448百万円(前年同期比284百万円の悪化)となりました。なお、大黒屋において企業評価指標の一つであるEBITDAは、売上総利益の減少により△131百万円(前年同期比504百万円の減少)となりました。
以上のとおり当中間連結会計期間において減収減益決算となりました。
セグメント別の業績の状況につきましては以下のとおりであります。
イ.質屋、古物売買業
当中間連結会計期間における質屋、古物売買業の売上高及び営業損失は、それぞれ4,819百万円(前年同期比558百万円の減少、同10.4%減)、損失173百万円(前年同期比351百万円の減少)となりました。その主な要因につきましては、業績の概況にて記載しましたように、大黒屋における在庫水準の低下により売上高、営業利益ともに減少しています。
ロ.電機事業
当中間連結会計期間における電機事業の売上高及び営業利益は、それぞれ181百万円(前年同期比44百万円の増加、同32.7%増)、66百万円(前年同期比34百万円の増加、同107.2%増)となりました。電機事業においては、今もなお電機業界全体において設備投資の抑制が続いていることもあり、最終ユーザーによる設備の新設工事や点検工事などは年々減少しているのが実情であります。また、資材(原材料)価格の上昇や後継者不足による小規模下請け業者の廃業などより一層厳しい環境が続いており、当社グループの電機事業にも大きな影響を与えています。このような状況の下、当社グループ電機事業部門におきましては、適正な利益を確保するため常に販売価格の見直しを行うとともに、製造原価の上昇を抑えるべく仕入先の転換(新規仕入先の拡充等)、現行取引ユーザーとの協力体制の拡充等、さまざまな手法をとって利益率の確保を目指し改善を行っております。
(2)財政状態に関する説明
第115期連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度における、資産、負債及び純資産の状況は以下の通りであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、5,165百万円となり、前連結会計年度末に比べ205百万円の減少となりました。これは主に商品及び製品が251百万円減少した一方、受取手形及び売掛金が62百万円増加したことによるものであります。固定資産は、1,353百万円となり、前連結会計年度末に比べ18百万円の増加となりました。
この結果、総資産は6,518百万円となり、前連結会計年度末に比べ186百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度における流動負債は4,842百万円となり、前連結会計年度末に比べ732百万円の減少となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が1,050百万円減少したことによるものであります。固定負債は1,039百万円となり前連結会計年度末に比べ943百万円の増加となりました。これは主に長期借入金が850百万円増加、新株予約権付社債が 100百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、5,882百万円となり、前連結会計年度末に比べ211百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、635百万円となり、前連結会計年度末に比べ398百万円の減少となりました。
この結果、自己資本比率は△0.0%(前連結会計年度末は6.0%)となりました。なお、今後、新株予約権の行使が進むことにより純資産が増加し、自己資本比率が改善していく見込みです。
第116期中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
当中間連結会計期間における、資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりであります。
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は、5,195百万円となり、前連結会計年度末に比べ30百万円の増加となりました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が24百万円増加、商品及び製品が195百万円増加したものの、営業貸付金が134百万円減少、その他流動資産が62百万円減少したことによるものであります。固定資産は、1,357百万円となり、前連結会計年度末に比べ4百万円の増加となりました。この結果、総資産は6,553百万円となり、前連結会計年度末に比べ34百万円増加いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は4,549百万円となり、前連結会計年度末に比べ293百万円の減少となりました。固定負債は795百万円となり前連結会計年度末に比べ244百万円の減少となりました。これは主に長期借入金150百万円の減少、新株予約権付き社債100百万円の減少によるものであります。この結果、負債合計は、5,344百万円となり、前連結会計年度末に比べ538百万円減少いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は、1,208百万円となり、前連結会計年度末に比べ572百万円の増加となりました。この結果、自己資本比率は9.0%(前連結会計年度末は△0.0%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの概況
第115期連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、948百万円となり、前連結会計年度末から46百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、430百万円の支出(前年同期は、254百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失552百万円、棚卸資産の減少242百万円が影響を与えております。
(投資活動のキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3百万円(前年同期は、0百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出77百万円及び差入保証金の差入による支出23百万円に対し、差入保証金の回収による収入39百万円及び短期貸付金の回収による収入70百万円が影響を与えております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、466百万円(前年同期は、400百万円の支出)となりました。これは、主に、短期借入金の増加額390百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入168百万円が影響を与えております。
第11期中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
当中間連結会計期間末における資金は、前連結会計年度末に比して増減はなく948百万円となりました。
また、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、643百万円の支出(前年同期は442百万円の支出)となりました。
これは主に、税金等調整前中間純損失501百万円と棚卸資産の増加202百万円が影響を与えたことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは7百万円の支出(前年同期は6百万円の支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出11百万円及び敷金の回収による収入5百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは650百万円の収入(前年同期301百万円の収入)となりました。
これは主に、新株予約権の行使による株式の発行940百万円の収入及び短期借入金290百万円の支出によるものです。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
第115期連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
第115期連結会計年度 (自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
電機事業(千円) |
139,454 |
2.5 |
(注)金額は製造原価によっております。
②商品仕入実績
第115期連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
第115期連結会計年度 (自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
電機事業(千円) |
43,214 |
17.8 |
|
質屋、古物売買業(千円) |
7,259,010 |
△10.2 |
|
合計(千円) |
7,302,225 |
△10.1 |
③受注実績
第115期連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
電機事業(千円) |
306,065 |
10.8 |
54,847 |
24.6 |
(注)金額は販売価格に基づいており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
④販売実績
第115期連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
第115期連結会計年度 (自 令和5年4月1日 至 令和6年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
電機事業(千円) |
295,231 |
6.5 |
|
質屋、古物売買業(千円) |
10,671,968 |
△12.3 |
|
報告セグメント計(千円) |
10,967,199 |
△11.9 |
|
その他(千円) |
‐ |
‐ |
|
合計 |
10,967,199 |
△11.9 |
(注)金額は販売価格に基づいております。
なお、当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)重要な会計上の見積もり及び当該見積もりに用いた仮定
文中の将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に際しましては、第115期連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び第115期連結会計年度における収益・費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)経営成績の分析
当社グループの第115期連結会計年度及び第116期中間連結会計期間の経営成績は、「業績等の概要(1)業績」に記載のとおりであります。
(3)財政状態の分析
上記「業績等の概要 (1)業績 (2)財政状態に関する説明」に記載のとおりであります。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの分析
当社グループの第115期連結会計年度及び第116期中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況については、「業績等の概要 (3)キャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
|
令和2年 3月期 |
令和3年 3月期 |
令和4年 3月期 |
令和5年 3月期 |
令和6年 3月期 |
|
自己資本比率(%) |
20.6 |
14.4 |
9.3 |
6.0 |
△0.0 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
23.9 |
60.6 |
77.8 |
102.9 |
66.4 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
7.3 |
- |
12.1 |
18.5 |
- |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
4.7 |
- |
3.5 |
2.2 |
- |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)令和3年3月期及び令和6年3月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
②資金需要の主な内容
当社グループの経常的な資金需要のうち主なものは、電機事業における製品製造のための原材料購入、外注費
用及び製造経費、質屋、古物売買業における中古ブランド品の買取及び質草を担保とした資金の貸付け、その
他、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。
当社グループは、営業キャッシュ・フローや金融機関からの借入れ、必要に応じて株式発行等を行い、十分な
資金を確保し財政基盤を強化してまいります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りであります。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。
(6)連結業績予想などの将来の予測情報に関する説明
中間連結会計期間及び通期の業績につきましては2024年11月12日に公表しました「2025年3月期中間連結会計期間の業績予想と実績値との差異及び通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」をご参照下さい。
当社グループの根幹会社である大黒屋においては、売上総利益率、在庫回転期間、EBITDAを経営指標として注視しているところであります。中間連結会計期間での大黒屋の売上総利益は1,484百万円(前年同期比128百万円減少、同7.9%減)となりましたが、在庫回転期間は2.41ヶ月(前年同期2.44ヶ月)と短縮したこともあり、売上総利益率は30.8%(前年同期比0.8%増)となっております。その要因は、前年同期に引き続き、買取価格及び販売価格を見直し、粗利率の高いバッグの回転期間が短いことによるものです。大黒屋において企業評価指標の一つであるEBITDAは、売上総利益の減少により△131百万円(前年同期比504百万円の減少)となりました。
こういった状況の中で、当社グループが最優先に取り組むべき課題は、現在最低水準となっている在庫水準をコロナ前の水準に戻すことと認識しております。その課題の解決に向けた取組として、在庫資金確保のための資金調達、既存の店舗網における買取及びおてがるブランド買取での取組等による在庫買取強化を行うことで、当社グループの収益は強化されていくものと考えており、それにより、在庫回転期間が維持されることにより、売上総利益率とEBITDAも改善されていくものと考えております。
(当座貸越契約の期限延長)
1.経緯
大黒屋では、令和5年6月13日付「当社連結子会社の株式会社大黒屋における当座貸越契約締結に関するお知らせ」にて公表しました、りそな銀行との極度500百万円の当座貸越契約につきまして、同年10月23日に期限が到来する事から、鋭意交渉を重ねて参りましたが、同年10月23日付で当該当座貸越と同条件にて期限延長することになりました。
2.変更内容
(1)契約期限
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(変更前) |
(変更後) |
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令和5年10月23日 |
令和5年11月30日 |
(2)原当座貸越の概要
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借入先 |
りそな銀行 |
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貸越極度額 |
500百万円 |
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利率 |
日本円TIBOR+5.00% |
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契約締結日 |
令和5年6月13日 |
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当座貸越利用開始日 |
令和5年6月15日 |
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契約期限 |
令和5年10月23日 |
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資金使途 |
運転資金 |
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担保 |
無担保 |
(当座貸越契約の期限延長及び極度額の変更)
1.経緯
大黒屋では、令和5年6月13日付「当社連結子会社の株式会社大黒屋における当座貸越契約締結に関するお知らせ」にて公表しました、りそな銀行との極度500百万円の当座貸越契約につきまして、同年10月23日付開示の「当社連結子会社の株式会社大黒屋における当座貸越契約の期限延長に関するお知らせ」にて、同年11月30日まで期限延長しておりますが、その期限到来に基づき、鋭意交渉を重ねて参りましたところ、同年11月30日付で当該当座貸越極度額を1億円減額して期限延長することになりました。
2.変更内容
(1)契約期限及び極度額
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(変更前) |
(変更後) |
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期限 |
令和5年11月30日 |
令和5年12月29日 |
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極度額 |
500百万円 |
400百万円 |
(2)原当座貸越の概要
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借入先 |
りそな銀行 |
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貸越極度額 |
500百万円 |
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利率 |
日本円TIBOR+5.00% |
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契約締結日 |
令和5年6月13日 |
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当座貸越利用開始日 |
令和5年6月15日 |
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契約期限 |
令和5年11月30日 |
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資金使途 |
運転資金 |
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担保 |
無担保 |
(当座貸越契約の期限延長及び極度額の変更)
1.経緯
大黒屋では、令和5年6月13日付「当社連結子会社の株式会社大黒屋における当座貸越契約締結に関するお知らせ」にて公表しました、りそな銀行との極度500百万円の当座貸越契約につきまして、同年10月23日及び同年11月30日付開示の「当社連結子会社の株式会社大黒屋における当座貸越契約の期限延長に関するお知らせ」にて、同年12月29日まで期限延長しておりますが、その期限到来に基づき、鋭意交渉を重ねて参りましたところ、同年12月28日付で当該当座貸越極度額を1億円減額して期限延長することになりました。
2.変更内容
(1)契約期限及び極度額
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(変更前) |
(変更後) |
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期限 |
令和5年12月29日 |
令和6年4月30日 |
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極度額 |
400百万円 |
300百万円 |
(2)原当座貸越の概要
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借入先 |
りそな銀行 |
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貸越極度額 |
500百万円 |
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利率 |
日本円TIBOR+5.00% |
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契約締結日 |
令和5年6月13日 |
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当座貸越利用開始日 |
令和5年6月15日 |
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契約期限 |
令和5年12月29日 |
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資金使途 |
運転資金 |
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担保 |
無担保 |
(資金の借替)
1.経緯
大黒屋では、令和2年10月20日に東京スター銀行他より総額5,500百万円、資金の借入を行い、約定弁済を重ねて参りました結果、令和5年10月18日時点で4,500百万円の借入残高となっており、当該借入金の期限は令和5年10月23日となっておりました。
この度、大黒屋において東京スター銀行、りそな銀行およびハナ銀行との間で交渉を行い、総額4,600百万円の融資(借替え)を受けることについて同年10月18日付けで、3行との間で融資契約の締結に至った次第です。
2.本借入の概要
(1)コミットメントライン
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借入先 |
東京スター銀行、りそな銀行及びハナ銀行 |
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設定する資金調達枠 |
3,600百万円 |
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借入額に対する金利 |
日本円 TIBOR+2.25% |
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契約締結日 |
令和5年10月18日 |
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借入日 |
令和5年10月23日 |
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当初借入金額 |
東京スター銀行 1,750百万円 りそな銀行 1,750百万円 ハナ銀行 100百万円 合計 3,600百万円 |
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資金使途 |
運転資金 |
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担保 |
有担保 |
(2)タームローン
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借入先 |
東京スター銀行及びりそな銀行 |
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借入金額 |
東京スター銀行 500百万円 りそな銀行 500百万円 合計 1,000百万円 |
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金利 |
日本円 TIBOR+2.25% |
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契約締結日 |
令和5年10月18日 |
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借入日 |
令和5年10月23日 |
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満期日 |
令和8年10月23日 |
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担保 |
有担保 |
(3)財務制限条項
財務コベナンツの遵守として、グロス・レバレッジ・レシオ(タームローンのみ対象)、経常利益維持、純資産維持があります。
また、不作為義務として、配当制限、投融資制限、株式公開制限、証券発行制限、株式処分制限、事業目的変更制限、出店等に関する制限及び定款の変更や合併、会社分割、株式交換、株式移転等の重要な変更の制限等があります。
従いまして、大黒屋は、余剰キャッシュフローが発生しない限り、剰余金の配当を実施することができません。
3.本借入の資金の使途
令和5年10月18日時点で、大黒屋の令和2年10月20日に締結した借入金の残高は、コミットメントライン3,500百万円、タームローン1,000百万円となっております。
今般の融資契約締結に基づき令和5年10月23日付けで実行するコミットメントライン借入金3,600百万円及びタームローン1,000百万円により、当該既存借入金を返済し、残り100百万円は運転資金に充当して借替えを完結します。
該当事項はありません。