文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において連結会社が判断したものです。
① 魅力ある製品で、お客様に満足を提供する。
② 変化を先取りし、世界の市場で発展する。
③ 自然を大切にし、社会と共生する。
④ 個性を尊重し、活力ある企業をつくる。
を経営の方針としています。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は売上収益及び営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いています。
(3) 対処すべき課題
自動車業界では、電動化、自動運転、コネクティッドカーに関連する技術開発の加速や、カーシェアリングの台頭等に代表されるように、「100年に一度のパラダイムシフト」を迎えていると言われています。この時代を乗り越え、持続的成長を続けるためには、これまで以上にお客様や社会のニーズを先取りして対応することが必要だと考えています。
このようななか、当社は昨秋、「デンソーグループ2030年長期方針」を策定し、「地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい」というスローガンを定めました。「環境」・「安心」はもちろん、新たに加えた「共感」の3つを軸に、新たな価値を生み出し、笑顔広がる社会づくりに貢献していきます。
また、この長期方針を実現するための道筋として、「デンソーグループ2025年長期構想」を策定し、注力する分野を定め、激動の環境下でも戦っていける組織へと変革するという想いを込め、組織力を高めるための「経営改革 5本の柱」を掲げました。
注力する事業分野
1.電動化(ハイブリッド車、電気自動車)
2.先進安全・自動運転
3.コネクティッド(つながるクルマ)
4.非車載事業(FA※/農業)
※FA:ファクトリー・オートメーション(生産ラインの機械化による自動化)
経営改革 5本の柱
1.車両視点と横串機能の強化
2.先端R&D機能の改革
3.事業部の進化と小さく強い本社
4.グローバル経営の刷新
5.働き方の大改革
電動化分野においては、地球にやさしく、より快適に移動できる電動車両システムを提供するために、長年、電動化技術の開発を行っています。その結果、ハイブリッド車に欠かせない主要製品の高性能化や小型化、省燃費を実現し、世界中で生産実績を積み上げてきました。今後は、当社の幅広い事業領域を活かし、車内のあらゆるシステムや製品をつなぎ、クルマの中のエネルギーを効率よくマネジメントすることで、さらなる燃費性能の向上や省電力化に貢献していきます。
そのための具体的な取り組みとしてシリコンカーバイド(SiC)を材料としたパワー素子の開発を行っています。走行用電力が、インバータで直流から交流に変換されるとき、熱が放出されます。このエネルギー損失を抑えるため、発熱の少ないシリコンカーバイド(SiC)を材料としたパワー素子を開発し、エネルギーの損失を1/3に大幅低減しました。また、車両という厳しい環境でこのSiCを使用するため、材料の特殊な生成技術を確立、高品質のSiC結晶の生成を可能にしました。
また、マツダ株式会社、トヨタ自動車株式会社及び当社は、2017年10月、電気自動車の基本構造に関する共同技術開発に向けた契約を締結し、新会社(EV C.A. Spirit株式会社)を設立しました。今回の共同技術開発を通じた効率的な開発により、各社のリソーセスをクルマ本来の価値追求に費やすことで、それぞれのブランド独自の付加価値のあるクルマを追及するとともに、EV関連技術開発を強化していきます。
先進安全・自動運転分野においては、交通事故のない、誰もが安心・安全に移動できるモビリティ社会を目指し、品質と信頼性の高い安全技術の開発に取り組んできました。これまで培ってきたセンシング技術に加え、今後はAI・情報技術に磨きをかけることで、自動運転技術の発展にさらに貢献していきます。創業以来変わらない“品質へのこだわり”をつらぬき、モビリティ社会の未来に確かな安心を届けます。
そのための具体的な取り組みとして夜間認知の実現と搭載性を向上させた画像センサ・ミリ波レーダを開発しました。新型画像センサは、これまで困難であった夜間歩行者や自転車等を認識できるようになりました。新型ミリ波レーダと併せて使用することにより、昼間に加え、夜間においても緊急時の自動ブレーキの実現に貢献しています。認識対象を増やしつつ、従来品に比べ画像センサは約4割、ミリ波レーダは約6割、体積を小型化して搭載性を向上させました。
また、自動運転技術の先行開発分野での技術開発を促進するため、トヨタ自動車株式会社が設立したTRI-ADにアイシン精機株式会社と共に参画しました。
さらに、東京・品川(港区)に研究開発を専門に行うオフィスを開設。AI等の最先端技術開発に取り組むとともに、ソフトウェア・AI人材の採用強化も担います。
今後さらに様々なグローバル企業と連携し、自動運転関連技術の開発を強化していきます。
コネクティッド分野においては、クルマの「所有」から「利用・サービス化」へのシフトという大改革が起こるなか、MaaS (Mobility as a Service:ヒトやモノの移動をサービスとして提供するモビリティサービス)事業に取り組んでいます。当社は、クルマに乗る人だけでなく、クルマを持たない人にも安心・安全で便利な移動手段の提供を目指し、新たなモビリティ社会の実現に貢献していきます。
そのための施策として、ITベンチャー企業との提携によるソフトウェア開発力の強化に取り組んでいます。IT人材のキャリア採用を積極的に行うとともに、クラウド技術の開発や、オープンソース及びアジャイル開発等といった先進的な開発手法を用いたソフトウェア開発に取り組んできました。また、これらのソフトウェア開発を得意とするITベンチャー企業と提携し、さらにソフトウェア開発力を強化させています。
また、MaaS市場のニーズを早期に獲得し、事業領域を探求するために、ITを活用したMaaS事業を手掛ける国内外のベンチャー企業へも出資しました。当社が得意とする自動車分野の技術と、彼らがもつMaaS領域の知見を融合し、モビリティサービス時代を牽引していきます。
非車載事業においては、130の工場でのFA導入実績を活かし、お客様の多様なニーズに対応できるFAシステムを提案・提供し、モノづくり産業の発展に幅広く貢献していきます。また、農業を通じて世界中の人々に笑顔を届けるため、自動車分野で培ってきたモノづくりの知見やノウハウを活かし、農食分野に新たな価値を届けてまいります。
FAへの取り組みとして、2017年11月末、東京ビッグサイトで開催された「2017国際ロボット展」に出展し、現場のニーズに合ったフレキシブルで無駄のないリーン・オートメーション・パッケージを紹介しました。長年の自動車部品づくりで培った工程設計や現場管理のノウハウを詰め込んだソリューションパッケージには、IoTを活用した改善支援も搭載します。社内外のパートナーとも広く連携した開発と量産化を進め、18年度から本格的に事業をスタートします。
また、農業への取り組みとしては、当社はAgTech(アグテック)推進部を新設し、農業分野に当社の技術を取り入れ、事業の発展を目指します。これまで培ってきたハウス栽培の環境制御技術や、自動車分野での技術・ノウハウを活かすとともに、先進技術を有する農業生産法人とパートナーシップを組み、彼らの強みと融合させながら新たな価値を生み出していきます。農食分野全体を見据え、フードバリューチェーン全体の効率化と安定供給に貢献していきます。
連結会社の事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しています。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しています。連結会社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めていきます。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月20日)現在において連結会社が判断したものです。
(1) 経済状況
連結会社の全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める自動車関連製品の需要は、連結会社が製品を販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本、北米、欧州、アジアを含む連結会社の主要市場における景気後退及びそれに伴う自動車需要の縮小は、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、連結会社の事業は、競合他社が製造を行う地域の経済状況から間接的に影響を受ける場合があります。例えば、競合他社が現地でより低廉な人件費の労働力を雇用した場合、連結会社と同種の製品をより低価格で提供できることになり、その結果、連結会社の売上が悪影響を受ける可能性があります。さらに、部品や原材料を製造する地域の現地通貨が下落した場合、連結会社のみならず他のメーカでも、製造原価が下がる可能性があります。このような傾向により、輸出競争や価格競争が熾烈化し、いずれも連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。
(2) 為替レートの変動
連結会社の事業には、全世界における製品の生産と販売が含まれています。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高(特に連結会社の売上の重要部分を占める米ドル及びユーロに対する円高)は連結会社の事業に悪影響を及ぼし、円安は連結会社の事業に好影響をもたらします。
連結会社が日本で生産し、輸出する事業においては、他の通貨に対する円高は、当社製品のグローバルベースでの相対的な価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。連結会社は、通貨ヘッジ取引を行い、米ドル、ユーロ及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしていますが、中長期的な為替レートの変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 原材料や部品の供給による影響
連結会社は、製品の製造に使用する原材料や部品を複数のグループ外供給元から調達しています。これらのグループ外供給元とは、基本取引契約を締結し、安定的な取引を行っていますが、市況の変化による価格の高騰や品不足、さらには供給元の不慮の事故等、原材料や部品の不足が生じないという保証はありません。その場合、連結会社製品の製造原価の上昇、さらには生産停止を招く等、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 新製品開発力
連結会社は継続して斬新で魅力ある新製品を開発できると考えていますが、新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。
・新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できる保証はありません。
・長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新製品又は新技術の創造へつながる保証はありません。
・連結会社が顧客からの支持を獲得できる新製品又は新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれらの製品の販売が成功する保証はありません。
・技術の急速な進歩と市場ニーズの変化により、連結会社製品が時代遅れになる可能性があります。
・現在開発中の新技術の商品化遅れにより、市場の需要について行けなくなる可能性があります。
上記のリスクをはじめとして、連結会社が業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 価格競争
自動車業界における価格競争は大変厳しいものとなっています。特に、完成車メーカからの価格引き下げ要請は、近年、強まってきています。
また、連結会社は、連結会社が属している各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面すると予想されます。競合先には他自動車部品メーカがあり、その一部は連結会社よりも低コストで製品を提供しています。さらに、自動車のカーエレクトロニクス化の進展に伴い、民生用エレクトロニクス製品メーカ等、新しい競合先又は既存競合先間の提携が台頭し、市場での大きなシェアを急速に獲得する可能性があります。
連結会社は、技術的に進化した高品質で高付加価値の自動車関連製品を送り出す世界的なリーディングメーカであると考える一方で、将来においても有効に競争できるという保証はありません。価格面での圧力又は有効に競争できないことによる顧客離れは、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク
連結会社の生産及び販売活動において、北米や欧州、並びにアジアの発展途上市場や新興市場等の日本国外に占める割合は、年々、高まる傾向にあります。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合には、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
・予期しない法律又は規制の変更
・不利な政治的又は経済的要因の発生
・人材の採用と確保の難しさ
・社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動への悪影響
・潜在的に不利な税影響
・テロ、戦争、疾病、その他の要因による社会的又は経済的混乱
(7) 知的財産権
連結会社は他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してきましたが、これらの技術とノウハウの一部は、特定の地域及び国では法的制限のため知的財産権として完全な保護が不可能な状況にあり、第三者が連結会社の知的財産権を使って類似した製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。また、連結会社の製品は広範囲にわたる技術を利用しているため、将来的に第三者の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。
(8) OEM(※)顧客企業の業績への依存
連結会社の事業の大部分を占めるOEM事業は、世界中の自動車メーカを対象としており、提供する製品は、自動車部品におけるパワトレインシステム、エレクトリフィケーションシステム、電子システム、サーマルシステム、モビリティシステム等多岐にわたります。これらの分野における顧客企業への売上は、その顧客企業の業績や連結会社が管理できない要因により影響を受ける可能性があります。また、顧客の価格引き下げ要請は、連結会社の利益率を低下させる可能性があります。顧客企業の業績不振、予期しない契約の打ち切り、OEM顧客の調達方針の変化、大口顧客の要求に応じるための値下げは、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
連結会社の売上の約半分を、トヨタグループ向け売上が占めています。これらの特定の顧客グループへの売上は、その顧客企業の業績により大きな影響を受ける可能性があります。
※OEM:Original Equipment Manufacturing(自動車メーカ向けの部品供給)
(9) 製品の欠陥
連結会社は世界中の工場で世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を製造しています。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。さらに、引き続き連結会社がこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや連結会社の評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、連結会社の業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(10) 災害や停電等による影響
連結会社は製造ラインの中断による潜在的なマイナス影響を最小化するために、全ての設備における定期的な災害防止検査と設備点検を行っています。しかし、連結会社の生産施設及び連結会社の顧客企業、仕入先企業で発生する災害、停電又はその他の中断事象による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。例えば、連結会社の事業所の多くは東海地震防災対策強化地域に所在しており、この地域で大規模な地震が発生した場合、生産・納入活動が停止する可能性があります。
(11) 退職給付債務
連結会社の従業員退職給付費用、退職給付債務及び制度資産は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、将来の連結会社の業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(12) 法的手続
連結会社はビジネス活動において、継続的なコンプライアンスの実践に努めています。それにも関わらず、様々な訴訟及び規制当局による法的手続の当事者となる可能性があり、その場合には連結会社の業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
なお、連結会社は、2012年1月に米国司法省と締結した司法取引契約等に関連して、米国等で提起された民事訴訟に対応しているほか、一部の自動車メーカとの間で和解交渉を行っております。その結果を予測することは困難ですが、連結会社の業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
連結会社に関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。
連結会社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
また、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記」に記載しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において連結会社が判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、米国の保護主義的な通商政策の現実化により不確実性が高まる一方、米国や中国での雇用・所得環境の改善等が消費を牽引し、全体として底堅く成長を続けました。日本経済も、米中の経済好調により輸出が伸び、底堅く推移しています。自動車市場は、全体としては成長が継続する一方、前年度に過去最高販売を記録した米国が、2009年以来の減少に転じる等、伸びは総じて鈍化傾向となりました。日本においては、軽自動車販売の回復等により、前年に引き続き前年度を上回りました。
このような環境のなかで、当社は昨秋「デンソーグループ2030年長期方針」を策定し、「地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい」というスローガンを定めました。「環境」・「安心」はもちろん、新たに加えた「共感」の3つを軸に、新たな価値を生み出し、笑顔広がる社会づくりに貢献していきます。
また、この長期方針を実現するための道筋として、「デンソーグループ2025年長期構想」を策定し、「電動化」、「先進安全・自動運転」、「コネクティッド」、「非車載事業(FA/農業)」を注力分野に定め、激動の環境下でも戦っていける組織へと変革するという想いを込め、組織力を高めるための「経営改革 5本の柱」を掲げました。
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
当連結会計年度の経営成績については、生産増加や拡販、新規連結会社の影響により、売上収益は5兆1,083億円(前年度比5,811億円増、12.8%増)と増収になりました。営業利益は、売上増加による操業度差益や合理化努力により、4,127億円(前年度比821億円増、24.8%増)、税引前利益は4,499億円(前年度比890億円増、24.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,206億円(前年度比629億円増、24.4%増)と増益になりました。
当連結会計年度の財政状態については、その他の金融資産と営業債権及びその他の債権の増加等により、資産は5兆7,644億円(前年度末比6,137億円増)となりました。
負債は、社債及び借入金の増加等により、1兆9,901億円(前年度末比2,864億円増)となりました。
資本は、利益剰余金の増加及び投資有価証券の評価時価の上昇等により、3兆7,743億円(前年度末比3,272億円増)となりました。
セグメント別の状況については、日本は、車両生産の増加により、売上収益は3兆838億円(前年度比3,978億円増、14.8%増)と増収になりました。営業利益は、生産の増加や合理化努力により2,007億円(前年度比705億円増、54.2%増)の増益になりました。資産は、その他の金融資産や営業債権及びその他の債権の増加等により、3兆5,191億円(前年度末比4,971億円増)となりました。
北米地域は、拡販等により、売上収益は1兆1,563億円(前年度比790億円増、7.3%増)と増収、営業利益は、償却費の増加等により、425億円(前年度比174億円減、29.1%減)と減益になりました。資産は、現金及び現金同等物や営業債権及びその他の債権の増加等により、5,776億円(前年度末比676億円増)となりました。
欧州地域は、車両生産の増加や拡販により、売上収益は6,623億円(前年度比851億円増、14.7%増)と増収、営業利益は、償却費の増加等により、201億円(前年度比1億円減、0.5%減)と減益になりました。資産は、有形固定資産や棚卸資産の増加等により、4,326億円(前年度末比532億円増加)となりました。
アジア地域は、車両生産の増加や拡販により、売上収益は1兆3,228億円(前年度比1,835億円増、16.1%増)と増収、営業利益は、売上増加による操業度差益や合理化努力により、1,367億円(前年度比240億円増、21.3%増)と増益になりました。資産は、その他の金融資産や現金及び現金同等物の増加等により、1兆450億円(前年度末比1,406億円増)となりました。
その他地域は、売上収益は790億円(前年度比132億円増、20.0%増)と増収、営業利益は134億円(前年度比65億円増、94.7%増)と増益になりました。資産は、有形固定資産の減少等により、565億円(前年度末比19億円減)となりました。
当社は環境、安心分野での価値創造を通じて、広くステークホルダーからの共感を得ることで、会社と社会の持続的成長を実現していきます。長期の成長目標として、2025年度に売上収益7兆円、営業利益率10%の達成を掲げています。
①車両視点での価値を訴求し、モビリティの新たな領域で成長を牽引、②既存車載事業の収益力を高め、成長を下支えする強固な収益基盤を構築、③キーデバイスの技術開発を強化し、コンポーネント、システムの圧倒的な差別化を実現、④スピードと現場の活力を高め、激動の時代を闘える集団への変革などにより、持続的な成長を続け、目標を達成していきます。
② 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
2,162,560 |
114.9 |
|
北米 |
1,144,203 |
108.4 |
|
欧州 |
625,843 |
112.5 |
|
アジア |
1,169,954 |
118.1 |
|
報告セグメント計 |
5,102,560 |
113.8 |
|
その他 |
81,003 |
128.3 |
|
合計 |
5,183,563 |
114.0 |
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
連結会社はトヨタ自動車株式会社を始めとして、各納入先より四半期ごとに生産計画の提示を受け、連結会社の生産能力を勘案して生産計画を立てる等、すべて見込生産を行っています。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
2,140,729 |
114.4 |
|
北米 |
1,122,847 |
106.9 |
|
欧州 |
620,193 |
112.7 |
|
アジア |
1,146,037 |
115.8 |
|
報告セグメント計 |
5,029,806 |
112.7 |
|
その他 |
78,485 |
120.6 |
|
合計 |
5,108,291 |
112.8 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
トヨタ自動車㈱ |
1,114,163 |
24.6 |
1,204,266 |
23.6 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれていません。
① キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況について、現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、営業活動により5,580億円増加、投資活動により5,291億円減少、財務活動により403億円減少等の結果、当連結会計年度は前連結会計年度と比べ102億円減少し、7,833億円となりました。
営業活動により得られた資金は、税引前当期利益の増加(前年度比890億円増)等により、前年度に比べ902億円増加し、5,580億円となりました。
投資活動により使用した資金は、定期預金の増加(前年度比1,992億円増)及び負債性金融商品の売却又は償還による収入の減少(前年度比1,395億円減)等により、前年度に比べ4,210億円増加し、5,291億円となりました。
財務活動により使用した資金は、借入金の返済による支出の減少(前年度比919億円減)及び社債の償還による支出の減少(前年度比500億円減)等により、前年度に比べ2,002億円減少し、403億円となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性について
資本の財源及び資金の流動性について、連結会社の運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて借入又は社債の発行等による資金調達を実施することを基本方針としています。
当連結会計年度は、連結会社の設備投資資金について、主として自己資金、借入及び社債の発行により充当しま
した。
連結会社の資本的支出は、生産拡大対応、次期型化、新製品切替及び新製品開発のための研究開発投資を重点的に推進する予定であり、その財源は、上記基本方針に従ったものとする予定です。
連結会社は、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力、連結会社の成長を維持
するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えています。
(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに関する項目との差異に関する事項は次の通りです。なお、当社は日本基準に基づく連結財務諸表を作成していないため、記載した概算額は一定の仮定の下、把握できる範囲で算出したものです。
① 有形固定資産の減価償却に関する事項
有形固定資産の減価償却方法について、日本基準では当社及び国内グループ会社は主として定率法を採用していましたが、IFRSでは定額法を採用しています。
この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて、営業利益が31,876百万円増加しています。
② 確定給付型退職後給付制度に関する事項
数理差異及び過去勤務費用について、日本基準では発生時にその他の包括利益を通じて純資産の部に計上したうえで、従業員の平均残存期間以内の一定の年数により費用処理していました。IFRSでは数理差異は、発生時にその他の包括利益を通じて資本の部に認識後、直ちに利益剰余金へ振り替え、過去勤務費用は発生時に一括でその他の収益又はその他の費用で認識しています。
また、確定給付制度の純利息(日本基準における期待運用収益及び利息費用)について、日本基準では売上原価又は販売費及び一般管理費に計上していましたが、IFRSでは金融費用に計上しています。
この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて、営業利益が6,663百万円増加、金融費用が1,264百万円増加及びその他の包括利益が16,472百万円減少しています。
該当事項はありません。
当社は、2017年10月に策定した「デンソーグループ2030年長期方針」で掲げる目指す姿を実現するための道筋として「デンソーグループ2025年長期構想」を策定しました。スローガン「地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい」を宣言し、「環境」「安心」「共感」の3つをキーワードに、従来から注力している「環境」「安心」の提供価値を最大化することに加え、社会から「共感」頂ける新たな価値の提供を通じて、笑顔広がる社会づくりに貢献します。
2025年度の成長目標として、電動化、自動運転の実現に伴うモビリティの新領域で成長することで、売上収益7兆円、営業利益率10%を実現します。そのために、「経営改革 5本の柱」を定め、経営改革を推進するとともに、「電動化」「先進安全・自動運転」「コネクティッド」「非車載事業(FA/農業)」の4分野を注力分野として取り組みます。
電動化に向けて、マツダ株式会社、トヨタ自動車株式会社及び当社は、市場動向に柔軟かつ迅速に対応するため、幅広いセグメント、車種をカバーできるEVの基本構想に関する技術を共同で開発することに合意しました。また、今後の高精度、高付加価値のモータの技術開発には、高いレベルの技術革新と機電一体製品を中心とした車両視点での製品開発が必要と考え、アスモ株式会社、当社それぞれが培ってきたモータ技術の強みを融合することでこれを実現することを目的に、2018年4月に事業統合しました。また、京都大学発ベンチャー株式会社FLOSFIAと資本提携し、電動化車両に搭載されるインバータの低損失、低コスト、小型軽量化が期待できるコランダム構造酸化ガリウムの車載応用に向けた共同開発を開始することを決定しました。
レクサス新型LSに搭載された障害物検知や白線認識など安全性能の向上に貢献する製品として、新型のステレオ画像センサ及びミリ波レーダを開発しました。新型のステレオ画像センサは、デンスステレオマッチング技術と呼ばれる3Dによる画像処理技術を用いることで、歩行者や車両、ガードレールなど、形状が異なる様々な障害物の検出に加えて、車両が走行可能な路面(フリースペース)の検出が可能となりました。これにより緊急時の自動ブレーキに加えて、操舵制御による障害物回避の実現に貢献しています。またカメラの高性能化により、夜間の歩行者認識を可能にしました。また、ミリ波レーダは照射回数を増やす事で歩行者検知性能の向上と照射角度の拡大で小型化の両立を実現しています。
コックピットの進化やコネクティッド技術の進展に伴い、車室内に搭載される製品同士の連携が複雑さを増しており、車載製品のより効率的な開発が必要となっています。当社とNECプラットフォームズ株式会社は車載用の情報通信機器を開発する合弁会社「株式会社デンソーネクスト」を設立し、当社が自動車市場で培った“高度な技術力とモノづくり力”と、NECグループがICT事業で培った先進技術と豊富な実績を生かし、高度な車載機器の迅速な開発を推進します。また当社とBlackBerry Limitedは自動車のコックピット内の情報マネジメントを行うHMI技術として、世界初となる統合HMIプラットフォームを共同開発しました。この統合HMIプラットフォームは特性の異なる複数のOSを独立化させ、1つのマイコンで統合制御することで、HMI製品同士の連携、協調を可能にし、必要な情報を、適切なタイミングで適切な機器に表示できます。
非車載事業としては、自動車関連部品で培ってきた技術をベースに、HEMS(Home Energy Management System)や世界で初めて製品化したエコキュート、家庭用蓄電池などを通じて住宅におけるエネルギーの最適利用を促進し、低炭素社会の実現に取り組んでいます。また産業用UAV(ドローン)の技術開発を行い、測量や橋梁点検の実証実験を積み重ね、姿勢安定性・耐風性などの機体性能と、AIを活用した画像解析技術の向上に取り組んでいます。
当社は高度運転支援及び自動運転、コネクティッド分野の研究開発を行う拠点として、東京に新たなオフィスを開設し、またイスラエルでも自動運転やサイバーセキュリティ、AIなどの先端技術に関する研究開発を新たに開始します。現地企業や大学と幅広くパートナーシップを開拓して共同研究を行うことで、より競争力のある技術開発を加速させます。また、新しいモビリティ社会を牽引する上で、クラウド、オープンソースソフトウェアの活用など情報通信技術(ICT)を強化し、電動化、先進安全・自動運転、コネクティッドなどの事業を推進する取り組みの1つとして、グローバルなソフトウェアプロダクト開発リーダーとして多くの実績を持つ及川卓也氏と技術顧問契約を締結しました。
連結会社は、世界各地域でその社会に貢献する製品とサービスを提供していくことを目指しています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は447,378百万円(資産計上分含む)、その内、日本セグメント395,053百万円、北米セグメント26,838百万円、欧州セグメント12,271百万円、アジアセグメント12,108百万円、その他1,108百万円となっています。日本セグメントが占める比率は約88%となっており、研究開発活動の中心を担っています。