当社グループが属している電池やエレクトロニクス分野における価格競争や受注の急変動は大変厳しいものとなっております。
当社グループは強みを有する電池技術、回路技術およびパワーエレクトロニクス技術を結集させて、“電気エネルギーを効率的に利用する技術でグローバルに社会に貢献”する「スマートエナジーマネージャー」として、お客様に“One FDK”でサービス・価値を提供し、株主様、お客様をはじめとするステークホルダーの皆様の期待に応えることが、当社グループの目指す姿であると考えております。
家電や電源バックアップ、車載アクセサリといった従来の市場に加え、ニッケル水素電池、アルカリ乾電池、リチウム電池など当社グループが保有する電池を軸に電子技術を付加したバッテリーソリューションを今後大きな成長が期待されるIoTやモビリティ、社会インフラといった新たな市場に向け、国内外において新規顧客開拓と拡販に努めてまいります。また、SMD対応小型全固体電池や水素/空気二次電池をはじめとする新規開発電池に戦略的に投資し、早期の市場投入を今後計画してまいります。
当社グループは「スマートエナジーマネージャー」としてのミッションを果たしていくとともに、事業の強化と財務体質の健全化をより一層進めることで、持続的な発展と企業価値を向上させることが今後の課題であると認識しております。
当社グループの事業展開上のリスクについて、投資家の判断に影響をおよぼす可能性が考えられる主な事項については、以下の内容が挙げられます。当社グループは、これらのリスクを適切に把握し、対応することを経営における重要な課題と位置づけ、リスクマネジメントおよびコンプライアンスにかかる最高決定機関として、リスク・コンプライアンス委員会を設置しています。リスク・コンプライアンス委員会を中心として、これらのリスクの発生の可能性を認識・評価したうえで、リスクの回避・軽減を判断し、発生した場合には影響の極小化のための対応に努める所存であります。
なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市場環境
当社グループの電池事業および電子事業は、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。また、同様に電池市場や電子製品市場の需要変動の影響を受けます。従いまして、北米、欧州、アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退や製品市場の縮小は、当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。
(2) 為替レート
当社グループは、海外での事業拡大を進めております。そのため米国ドルに代表される為替の急激な変動は、海外ビジネスの売上および損益に影響し、海外に提供する製品の価格競争力の低下などを招くおそれがあります。また、当社グループは、各地域における資産、負債、収益および費用を含む現地通貨建ての項目を連結財務諸表の作成のために円換算しております。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は当社グループの事業に悪影響をおよぼし、円安は当社グループの事業に好影響をもたらします。当社グループが生産を行なう地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における製造と調達のコストを押し上げる可能性があります。コストの増加は、当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響をおよぼす可能性があります。
(3) 金利の動向
当社グループの当連結会計年度末における連結有利子負債残高は192億14百万円となっており、金利変動の影響を受けるものが含まれています。このため、金利変動により当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。
(4) 新製品開発力
当社グループは、スピードをあげて新製品・新技術の開発に取り組んでおりますが、エレクトロニクス分野では技術の進歩が大変早く、新製品や新技術は急速に陳腐化します。そのため、当社グループが市場と業界の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合や当社グループの製品の価値を著しく低下させるような、画期的な新技術などが他社によって開発された場合には、将来の成長と収益性を低下させ、業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。
(5) 価格競争
エレクトロニクス分野における価格競争は大変厳しいものとなっております。そのため、当社グループが属している各製品市場において、競争の激化に直面する可能性があります。また、当社グループは、高品質で高付加価値のキーデバイスを開発するとともに、コストダウンに取り組んでおりますが、価格下落が当社グループの想定を上回るリスクや調達価格の変動などにより当社グループが十分なコストダウンを実現できない場合、将来においても有効に競争できるという保証はありません。価格面での圧力または有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。
(6) 新規参入者を含めた競争
エレクトロニクス分野では、既存の競合他社に加え、新規参入者との競争も激しくなっています。現在、当社グループが競争優位性を持っている分野でも、新規参入者を含めた競合他社との競争に晒されており、当社グループが競争力を失ったり、将来の事業において優位性を確保できない可能性があります。
(7) グローバルでの事業展開
当社グループの生産活動の大部分は、中国、東南アジアで行なわれております。そのため、予期しない法律または規制の変更、テロ、戦争、人材の流出、その他の要因による混乱、対応コストの増加などがおきる可能性があります。従いまして、これらの事象は業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。
(8) サプライヤー
当社グループは、原材料の調達につきましては、基本的には複数のサプライヤーと契約を結び安定的な調達を心がけておりますが、材料高騰、供給不足、災害、品質管理の問題が同時に発生した場合など、当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。
(9) 顧客への依存
当社グループの電池事業は、電池が使用される機器の拡大・縮小や使用量、長期的な天候状況による消費者の購買動向に影響を受けます。また、電子事業はエレクトロニクス関連のセットメーカーなどを対象としております。これらの企業への売上は、その顧客企業の業績、顧客企業の製品やサービスの売れ行きや当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。
(10) 投資判断に関するリスク
エレクトロニクス分野においては、競争力維持のため、多額の研究開発投資および設備投資ならびに事業再編などが必要な場合があります。当社グループは、今後も必要な投資や事業再編等を実行してまいりますが、これらの実施の成否は、当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。当社グループでは、投資や事業再編にあたって、市場動向、顧客のニーズや当社事業の優位性などを勘案して決定しておりますが、当社グループが有望と考えた市場や技術が、実際には想定ほど成長しなかったり、需要変動や価格下落が予想以上に早くおきる可能性があります。
(11) 知的財産保護
当社グループは他社製品と差別化を図れる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能または限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。また、当社グループでは他社の知的財産権を侵害することのないよう、社内規定の整備、調査の徹底などを行なっておりますが、当社グループの将来の製品または技術について、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。
(12) 製品の欠陥
当社グループの工場は、品質保証に関する国際規格「ISO9001」を取得するとともに、当社の厳しい品質管理基準に従って各種製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。
(13) 人材に関するリスク
当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存します。従って、経営者、優秀な技術者など、必要とする人材を採用および育成し、ならびに流出を防止することは当社グループにとって重要であり、このような人材を採用または育成することができない場合や優秀な人材の流出を防止できない場合、当社グループの成長や利益に悪影響をおよぼす可能性があります。また、従業員との間で解雇または退職に関する合意が円滑になされない場合、法令にもとづく適切な労務管理ができないことなどにより従業員に重大な労働災害が発生した場合など、これらの労務問題による社会的な企業評価の毀損や紛争につながる可能性があります。
(14) 環境に関するリスク
当社グループでは、環境保全への取り組みを経営の重点課題に位置付け、環境負荷の低減、環境汚染の発生防止などに努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染などが発生しないという保証はありません。また、当社グループ工場跡地において、土壌および地下水の調査ならびに浄化活動を行なっておりますが、今後新たな汚染が発生しないとも限りません。このような環境汚染が発生または判明した場合、当社グループの社会的な信用低下または浄化処理などの対策費用発生などにより損益に悪影響をおよぼします。
(15) 情報セキュリティに関するリスク
お客様、お取引先、当社グループの秘密情報または個人情報(マイナンバーを含みます)の保護については、社内規定の制定、従業員への教育、情報インフラの整備、業務委託先も含めた指導等の対策を実施しておりますが、情報漏洩を完全に防げる保証はありません。万が一、情報漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、お客様の情報を漏洩した場合には法的責任が発生するおそれがあります。また、当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、安定した運用を行なうための体制を構築しておりますが、コンピュータウィルスの侵入またはサイバー攻撃などの不正アクセスによる運用困難および情報漏洩などを完全に防げる保証はありません。
(16) 当社グループの施設に関するリスク
当社グループでは、国内外に工場、営業所など様々な施設を所有または賃借しております。いずれの施設についても、各国の建築基準その他の規制を遵守し、また、独自の安全基準を設けるなどの対策を行なっております。しかしながら、地震、大規模な水害、火災、放射能汚染などの災害またはテロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミスなどが発生した場合、生産ラインの停止など、施設の運用が停止することにより、当社グループの事業に悪影響をおよぼす可能性があります。
(17) 訴訟に関するリスク
当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟等を提起されることがあり、その結果、予期せぬ多額の損害賠償を命じられる可能性があります。その額によっては、当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。
(18) コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、当社グループで働くすべての人が積極的に実践すべき内容を示した「FDK企業行動指針」を定めるとともに、富士通グループ共通の理念である「FUJITSU Way」を遵守することにより、社内ルールの浸透と徹底、指針遵守の企業風土の醸成と、そのための社内体制や仕組みの構築を推進しています。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできない可能性があり、国内外の関連法令、規制などに抵触する事態が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、あるいは多額の課徴金や損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業に悪影響をおよぼす可能性があります。
(19) 災害や停電等による影響
当社グループは製造ラインの中断による潜在的なマイナス影響を最小化するために、全ての設備における定期的な災害防止検査と設備点検を行なっております。しかし、生産拠点で発生する災害、停電またはその他の中断事象による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。
(20) 地震やその他の自然災害、事故等によるリスク
当社グループでは、防災訓練の実施をはじめ、防災に関する連携体制の構築を進めております。また、地震やその他の自然災害が発生しても、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質の製品を安定的に供給するために、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、その継続的な見直し、改善を実施する事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。
しかしながら、近年、世界的な気候変動により、台風、水害、大雪などの自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下、東海地方、南海トラフなどにおける巨大地震やテロ、事故による電力供給停止、感染症のパンデミック、火山噴火など不測の事態は、十分に影響度を検討して策定した事業継続計画においても、被害想定を超えた規模で発生する可能性がありうると考えられます。当社グループは、防災対策や事業継続マネジメントを今後も継続して推進してまいりますが、このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガスなどの供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害などにより、お客様への製品出荷の停止など、当社グループの事業活動の継続に影響をおよぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、国内においては企業収益や設備投資、雇用環境の改善、国内個人消費も緩やかな回復基調が続いているものの、米中間の貿易摩擦の激化、英国のEU離脱問題、保護貿易政策によるグローバル経済への影響や原材料価格の高騰などを背景として、先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況のなか、当社グループは強みである電池技術、回路技術およびパワーエレクトロニクスの技術を結集させたバッテリーソリューションを家電や電源バックアップ、車載アクセサリといった従来の市場と、今後大きな成長が期待されるIoT、モビリティ、社会インフラといった国内外の新たな市場・顧客に向けて拡販に努めました。この結果、将来拡大が見込まれるガスなどのスマートメータの遠隔検針用途向けリチウム電池をはじめとした新規顧客を開拓しました。また、次世代電池として市場から注目されているSMD対応小型全固体電池のサンプル提供を開始し、高容量品開発と並行し同電池の実用化に向けた取り組みを推し進めました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、電池事業はコンシューマ市場でニッケル水素電池とアルカリ乾電池が堅調に推移したものの、工業用途向けニッケル水素電池やリチウム電池などが減少し、事業全体の売上高が減少しました。電子事業も液晶ディスプレイ用信号処理モジュールなどが増加しましたが、積層パワーインダクタやスイッチング電源などが減少し、事業全体の売上高が減少しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ10億16百万円(△1.4%)減の721億13百万円となりました。
損益面につきましては、売上減や原材料価格高騰の影響があったものの、技術VEやコストダウン、全社で取り組んだ費用の削減、為替影響により、営業利益は前連結会計年度に比べ1億57百万円増加の8億23百万円となりました。経常利益は連結子会社SUZHOU FDK CO., LTD.の操業停止に伴なう固定資産除売却損や支払利息などを含む営業外費用7億円を計上しましたが、為替差益3億24百万円などを含む営業外収益5億94百万円を計上したことにより、前連結会計年度に比べ6億40百万円増加の7億18百万円となりました。
一方で、前述の連結子会社の操業停止に伴ない会社清算に向けた子会社整理損などを特別損失として6億92百万円を計上したことや税金費用見込額が増加したことにより、前連結会計年度に比べ損失幅は減少したものの、2億90百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は6億30百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
電池事業
電池事業はアルカリ乾電池が増加したものの、ニッケル水素電池とリチウム電池が減少し、前連結会計年度を下回りました。
製品別につきましては、ニッケル水素電池は、海外の市販用途向けが堅調に推移しましたが、一部の海外のOEM販売用途向けと工業用途向けが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。アルカリ乾電池は、消費者の購買スタイルの移り変わりにより実店舗販売で伸長が鈍るなか、インターネット販売向けが伸長し、国内の市販・セットイン用途向けも堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回りました。リチウム電池は、国内外の住警器用途向けの交換需要が延伸したこと、スマートメータ用途向け市場の立ち上がりが遅れたことなどにより、前連結会計年度を下回りました。
その結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度に比べ7億73百万円減少の477億63百万円、セグメント利益は2億27百万円増加の20億41百万円となりました。
電子事業
電子事業は液晶ディスプレイ用信号処理モジュールなどが増加したものの、積層パワーインダクタやスイッチング電源などが減少し、前連結会計年度を下回りました。
製品別につきましては、コイルデバイスは、車載用途向けが堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回りました。積層パワーインダクタは、スマートフォン市場の減速や集積回路用途向けが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。セラミックス部品は、デジタルカメラの上位機種用途向けが堅調に推移し、前連結会計年度を上回りました。トナーは、市場における在庫調整などの影響により、前連結会計年度を下回りました。液晶ディスプレイ用信号処理モジュールは、各種液晶用途向けが堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回りました。スイッチング電源は、半導体装置用途向けなどは堅調に推移したものの、サーバ用途向けなどが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。
その結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度に比べ2億42百万円減少の243億50百万円となり、セグメント損失は12億17百万円(前連結会計年度は11億47百万円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ30億90百万円(6.1%)増の541億45百万円となりました。流動資産は前連結会計年度に比べ37億67百万円(11.3%)増の370億85百万円、固定資産は前連結会計年度に比べ6億76百万円(△3.8%)減の170億59百万円となりました。流動資産増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が18億39百万円減少しましたが、現金及び預金が50億13百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ28億95万円(△6.2%)減の438億64百万円となりました。流動負債は前連結会計年度に比べ26億88百万円(△6.6%)減の378億75百万円、固定負債は前連結会計年度に比べ2億7百万円(△3.3%)減の59億89百万円となりました。流動負債減少の主な要因は、支払手形及び買掛金が11億38百万円、短期借入金が10億55百万円それぞれ減少したことによるものです。固定負債減少の主な要因は、退職給付に係る負債が4億16百万円増加しましたが、長期未払金が5億41百万円減少したことによるものです。
なお、有利子負債残高は、前連結会計年度に比べ12億62百万円減の192億14百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ59億86百万円(139.4%)増の102億80百万円となりました。純資産増加の主な要因は、新株予約権の行使により資本金および資本剰余金がそれぞれ34億7百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少などによる現金及び現金同等物(以下「資金」という)の減少はありましたが、減価償却費の計上や売上債権の減少などにより16億2百万円の資金増加(前連結会計年度は5億67百万円の資金増加)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより18億60百万円の資金減少(前連結会計年度は19億59百万円の資金減少)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少などがありましたが、新株予約権の行使による株式の発行による収入などにより52億82百万円の資金増加(前連結会計年度は15億59百万円の資金増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度における資金の期末残高は期首残高より50億13百万円増加し、87億34百万円となりました。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループの連結売上高は、721億13百万円(前連結会計年度比1.4%減)となりました。電池事業のアルカリ乾電池、電子事業のセラミックス部品や液晶ディスプレイ用信号処理モジュールなどの売上増があったものの、電池事業のニッケル水素電池やリチウム電池、電子事業の積層パワーインダクタやスイッチング電源などの売上減により、売上高は前連結会計年度を下回りました。連結営業利益は、電池事業が技術VEやコストダウン、経費削減により前連結会計年度と同水準の利益を確保し、電子事業は経費削減に努めたものの、売上減の影響が大きく損失が拡大し、営業利益は前連結会計年度に比べ1億57百万円増加の8億23百万円となりました。
当社グループは営業利益率を経営の主指標としております。これは当社グループにおいては本業での収益性の向上が最も重要な課題であると認識しているためであります。当連結会計年度における営業利益率は前連結会計年度に比べ0.2ポイント増加したものの、1.1%と著しく低い水準であり、向上のための有効な施策が必要であると認識しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであることに加え、当社グループ事業の製品の売上は、電池事業においては電池が使用される機器の拡大・縮小や使用数の影響を受け、また、電子事業は主たる顧客であるエレクトロニクス関連のセットメーカーの製品やサービスの売れ行きに影響を受けるなど、当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。
また、当社電池製品の主要材料であるニッケル、亜鉛、リチウム、レアアース類は需給バランスや投機的要因などにより価格が大きく変動するため、材料費に大きな影響を与えます。
さらに、当社グループの売上高の46.5%は海外ビジネスであるため、為替レートの変動により円換算による増減の影響を与えます。
主にこれらの要因が当社グループの経営成績、事業の収益性に影響するものと認識しております。そのため、当社は、毎月1回受注状況、受注見込み、年間予算とのかい離などの最新の業績の状況を把握するとともに、必要な改善の立案、実施を行なっております。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、当社グループは、主に当社グループ事業の継続性の確保と収益性向上を図るため、その生産設備類の維持・更新、能力増強を主とした設備投資を継続しており、その財源は営業活動から得られたキャッシュ・フローおよび外部より調達した資金を主としております。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。
電池事業
当連結会計年度における電池事業の売上高は前連結会計年度から減少しており、営業利益率は4.3%にとどまっております。売上高の確保・拡大のためには需要が伸張する地域、販路、市場、新規機器メーカーへの拡販が必要であるとの認識のもと、マーケティング、営業力の強化に努めております。コンシューマ向けアルカリ電池、ニッケル水素電池はコモディティ化が進んでいるため、品質、特性面での差別化、商品力の強化をすすめ、売上拡大と利益率の維持・向上を図っております。
また、電池の主要材料価格の変動に関しては、適切な時期での予約などの施策に加え、材料使用量の低減、より安価な材料へのシフトなどの技術VEを強化し、対応力の強化に努めております。
さらに、為替変動のリスクに関しては、当社のグローバルな生産体制を活かした最適地生産、外貨建て材料購入の活用強化などにより対処を図っております。
電子事業
電子事業の売上高は低迷が続いており、営業損失の状態が継続しております。
電子事業に関しては、市場の変化への対応が遅れ、また当社が優位性を持つ事業・製品が減少していると認識しております。電源バックアップ用途、エネルギー使用効率改善用途など当社電池製品とのシナジー効果が創出できるような事業、製品への選択と集中の加速を図っております。
経営上の目標の達成状況は、1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載した方針にもとづき、2019年3月期の経営上の計画として、売上高740億円、営業利益7億円、経常利益2億円、親会社株主に帰属する当期純利益1億円を目指してまいりました。その結果、当連結会計年度における売上高は721億13百万円、営業利益は8億23百万円、経常利益は7億18百万円、親会社株主に帰属する当期純損失2億90百万円となり、売上高と親会社株主に帰属する当期純利益は計画値を下回りましたが、営業利益と経常利益は計画値を上回りました。このようになった主な要因としましては、売上高が想定を下回ったものの、電池事業における技術VEや経費削減に取り組んだことに加え、為替変動の影響により営業利益は上回りました。電子事業において損失幅は縮小したものの、未だ損失を計上しており、さらなる選択と集中を今後進めてまいります。経常利益につきましては、連結子会社の操業停止に伴なう固定資産の除売却損を計上しましたが、為替差益の計上により計画値を大幅に上回りました。当該連結子会社の操業停止に伴なう子会社整理損として特別損失を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は計画値を下回りました。
このような状況のもと当社グループは、2019年度以降を初年度とする新たな中期経営計画を策定中であります。しかしながら、2019年4月26日に公表した当社の電子事業の一部であるフェライト・コイルデバイス・積層パワーインダクタ・セラミックス部品(圧電部品)の事業譲渡の影響により、中長期の計画策定が遅れており、新たな中期経営計画につきましては、経営上の達成目標ならびに指標含めて策定次第、公表させていただきます。
<2019年3月期の計画と結果>
当社は、2019年4月26日開催の取締役会において、2019年7月1日を効力発生日として、当社電子事業の一部であるフェライト・コイルデバイス・積層パワーインダクタ・セラミックス部品事業を、会社分割(吸収分割)により新設会社であるFDKコンポーネント事業分割準備株式会社に承継させることを決議いたしました。また、当該効力発生日をもって当該新設会社の全株式を長野日本無線株式会社に譲渡することを決議し、同日付で最終合意書を締結いたしました。
当社グループは、エネルギーの安全かつ効率的な利用を目指し、エネルギー・環境分野における各種電池(ニッケル水素、リチウム、アルカリ、次世代電池)、電子材料、電子部品、電源、モジュール製品および蓄電システムに関する研究開発を行なっております。
研究開発につきましては、基盤技術統括部が当社の研究開発活動を統括し、将来の市場環境と技術動向を見据えた新製品・新技術の開発を推し進めております。また、産学および富士通グループの研究機関等との連携により先端技術の導入を効率的に推し進め、技術開発スピードの加速化を図っております。
当社グループの研究開発部門の開発スタッフは69名であり、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
当連結会計年度における各事業区分別の研究開発の主要目的、研究開発成果および研究開発費は次のとおりであります。
(1) 電池事業
当社グループの電池の性能や品質向上を目的として、材料開発、生産効率の向上および環境対策の研究開発を行なっております。
当連結会計年度におきましては、ニッケル水素電池では、通信基地局や車両通信機用のバックアップ電源用途向けに幅広い温度環境で使用できる電池、次世代電池として、水素吸蔵合金を応用した水素/空気二次電池や負極に亜鉛を用いたニッケル亜鉛電池の開発に取り組みました。
リチウム電池では国内外で需要が高まっているスマートメータ用市場向けに開発した高容量タイプの円筒形一次電池の量産を開始するとともに、生産コストの低減を図りました。
アルカリ電池においては、放電特性・耐漏液性の改善、および品質・信頼性の更なる改善に取り組みました。
さらに、次世代電池として、株式会社富士通研究所と共同で開発した高電位正極材料を用いた世界最高水準の高電圧を有するSMD対応小型全固体電池の開発もおこないました。
また、蓄電システムについては、高電圧(380V)蓄電システムやIT機器用小型蓄電システム、および使用温度範囲の広い屋外用途向けの蓄電システムの開発を行いました。
当事業に係わる研究開発費は
(2) 電子事業
当社グループのキーテクノロジーであります粉体・材料技術、プロセス技術、CAE技術、回路技術、高密度実装技術を駆使して電子材料、電子部品、モジュールおよびニッケル水素電池や薄形リチウム電池とのシナジー製品の開発を行なっております。
当連結会計年度におきましては、コンポーネント事業においては、材料・プロセス技術を活かした低損失フェライト、次世代高周波フェライト、各種トランス・コイル、積層パワーインダクタ、圧電製品、およびトナーの開発をおこないました。
モジュール事業では、株式会社富士通研究所と共同で、高電圧、大電流対応の高効率DC―DCコンバーターの実現を目的に、従来アナログ制御方式で実現していた高効率変換回路を、デジタル制御での実現に取り組み、高効率化に最適な回路パラメータの導出方法なども含め、シミュレーションベースで実現化する手法の目処を立てました。
当事業に係わる研究開発費は