第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループが属している電池やエレクトロニクス分野における価格競争や受注の急変動は大変厳しいものとなっております。

当社グループは、FDKグループ戦略Framework「10年の計」で掲げた「Smart Energy Partnerとして、先進技術を結集し、お客様に電気エネルギーを安心して、効率的に活用いただき、持続可能な社会の実現と発展に貢献する」というVisionのもと人々の暮らしと社会を支える企業と個々のユーザーにクリーン且つ、安全な電気エネルギーを安定的に活用できるオファリングをお届けすることで、株主様、お客様をはじめとするステークホルダーの皆様の期待に応えることが、当社グループの目指す姿であると考えております。 

当社グループは、10年後のあるべき姿の実現に向けて、2020年度をスタート年度とする中期事業計画「R1」を策定しており、「R1」の達成に向けては、現行ビジネスの安定化と利益ある成長を確立するとともに次世代に繋がる新事業を積極的に開拓するためのさまざまな施策を計画・実行してまいります。また、当社グループのステークホルダーである株主様、お客様、社会、従業員すべてに応える「And Game」を実現するため、従業員が自律的にお客様に満足いただける努力を怠らない企業文化の醸成に努めてまいります。当社グループは、「Smart Energy Partner」としてのミッションを果たしていくとともに、事業ポートフォリオの再編に向けた取り組みの強化と財務体質の健全化をより一層進めることで、当社グループの持続的な発展と企業価値の向上に努めていくことが今後の課題であると認識しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関しましては、当社グループは、お客様、お取引先様、従業員とその家族の安全確保を最優先とし、各種の感染予防と感染拡大の防止、事業継続に向けた対応に取り組んでおります。

国内外の全拠点において、各国の政府指示に従うとともに在宅勤務や時差勤務などの対策を適宜進めております。同感染症は世界規模で経済活動に影響しており、事態の収束までには時間を要することも想定されますが、当社グループといたしましては、引き続き各種の感染予防と感染拡大の防止に努めるとともに、お客様への製品・サービス提供を継続してまいります。また、当社グループのビジネス領域における市場動向の変化についても注視し、柔軟に対応してまいります。
 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスクについて、投資家の判断に影響をおよぼす可能性が考えられる主な事項については、以下の内容が挙げられます。当社グループは、これらのリスクを適切に把握し、対応することを経営における重要な課題と位置づけ、リスクマネジメントおよびコンプライアンスにかかる最高決定機関として、リスク・コンプライアンス委員会を設置しております。リスク・コンプライアンス委員会を中心として、これらのリスクの発生の可能性を認識・評価したうえで、リスクの回避・軽減を判断し、発生した場合には影響の極小化のための対応に努める所存であります。

なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 市場環境

当社グループの電池事業および電子事業は、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。また、同様に電池市場や電子製品市場の需要変動の影響を受けます。従いまして、北米、欧州、アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退や製品市場の縮小は、当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

 

(2) 為替レート

当社グループは、海外での事業拡大を進めております。そのため米国ドルに代表される為替の急激な変動は、海外ビジネスの売上および損益に影響し、海外に提供する製品の価格競争力の低下などを招くおそれがあります。また、当社グループは、各地域における資産、負債、収益および費用を含む現地通貨建ての項目を連結財務諸表の作成のために円換算しております。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は当社グループの事業に悪影響をおよぼし、円安は当社グループの事業に好影響をもたらします。当社グループが生産を行なう地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における製造と調達のコストを押し上げる可能性があります。コストの増加は、当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(3) 金利の動向

当社グループの当連結会計年度末における連結有利子負債残高は191億82百万円となっており、金利変動の影響を受けるものが含まれています。このため、金利変動により当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(4) 新製品開発力

当社グループは、スピードをあげて新製品・新技術の開発に取り組んでおりますが、エレクトロニクス分野では技術の進歩が大変早く、新製品や新技術は急速に陳腐化します。そのため、当社グループが市場と業界の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合や当社グループの製品の価値を著しく低下させるような、画期的な新技術などが他社によって開発された場合には、将来の成長と収益性を低下させ、業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(5) 価格競争

エレクトロニクス分野における価格競争は大変厳しいものとなっております。そのため、当社グループが属している各製品市場において、競争の激化に直面する可能性があります。また、当社グループは、高品質で高付加価値のキーデバイスを開発するとともに、コストダウンに取り組んでおりますが、価格下落が当社グループの想定を上回るリスクや調達価格の変動などにより当社グループが十分なコストダウンを実現できない場合、将来においても有効に競争できるという保証はありません。価格面での圧力または有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(6) 新規参入者を含めた競争

エレクトロニクス分野では、既存の競合他社に加え、新規参入者との競争も激しくなっています。現在、当社グループが競争優位性を持っている分野でも、新規参入者を含めた競合他社との競争に晒されており、当社グループが競争力を失ったり、将来の事業において優位性を確保できない可能性があります。

 

(7) グローバルでの事業展開

当社グループの生産活動の大部分は、中国、東南アジアで行なわれております。そのため、予期しない法律または規制の変更、テロ、戦争、人材の流出、その他の要因による混乱、対応コストの増加などがおきる可能性があります。従いまして、これらの事象は業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(8) サプライヤー

当社グループは、原材料の調達につきましては、基本的には複数のサプライヤーと契約を結び安定的な調達を心がけておりますが、材料高騰、供給不足、災害、品質管理の問題が同時に発生した場合など、当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(9) 顧客への依存

当社グループの電池事業は、電池が使用される機器の拡大・縮小や使用量、長期的な天候状況による消費者の購買動向に影響を受けます。また、電子事業はエレクトロニクス関連のセットメーカーなどを対象としております。これらの企業への売上は、その顧客企業の業績、顧客企業の製品やサービスの売れ行きや当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。

 

(10) 投資判断に関するリスク

エレクトロニクス分野においては、競争力維持のため、多額の研究開発投資および設備投資ならびに事業再編などが必要な場合があります。当社グループは、今後も必要な投資や事業再編等を実行してまいりますが、これらの実施の成否は、当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。当社グループでは、投資や事業再編にあたって、市場動向、顧客のニーズや当社事業の優位性などを勘案して決定しておりますが、当社グループが有望と考えた市場や技術が、実際には想定ほど成長しなかったり、需要変動や価格下落が予想以上に早くおきる可能性があります。

 

(11) 知的財産保護

当社グループは他社製品と差別化を図れる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能または限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。また、当社グループでは他社の知的財産権を侵害することのないよう、社内規定の整備、調査の徹底などを行なっておりますが、当社グループの将来の製品または技術について、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。

 

(12) 製品の欠陥

当社グループの工場は、品質保証に関する国際規格「ISO9001」を取得するとともに、当社の厳しい品質管理基準に従って各種製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(13) 人材に関するリスク

当社グループの成長と利益は、人材に大きく依存します。従って、経営者、優秀な技術者など、必要とする人材を採用および育成し、ならびに流出を防止することは当社グループにとって重要であり、このような人材を採用または育成することができない場合や優秀な人材の流出を防止できない場合、当社グループの成長や利益に悪影響をおよぼす可能性があります。また、従業員との間で解雇または退職に関する合意が円滑になされない場合、法令にもとづく適切な労務管理ができないことなどにより従業員に重大な労働災害が発生した場合など、これらの労務問題による社会的な企業評価の毀損や紛争につながる可能性があります。

 

(14) 環境に関するリスク

当社グループでは、環境保全への取り組みを経営の重点課題に位置付け、環境負荷の低減、環境汚染の発生防止などに努めておりますが、事業活動を通じて環境汚染などが発生しないという保証はありません。また、当社グループ工場跡地において、土壌および地下水の調査ならびに浄化活動を行なっておりますが、今後新たな汚染が発生しないとも限りません。このような環境汚染が発生または判明した場合、当社グループの社会的な信用低下または浄化処理などの対策費用発生などにより損益に悪影響をおよぼします。

 

(15) 情報セキュリティに関するリスク

お客様、お取引先、当社グループの秘密情報または個人情報(マイナンバーを含みます)の保護については、社内規定の制定、従業員への教育、情報インフラの整備、業務委託先も含めた指導等の対策を実施しておりますが、情報漏洩を完全に防げる保証はありません。万が一、情報漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、お客様の情報を漏洩した場合には法的責任が発生するおそれがあります。また、当社グループの重要な事業活動基盤の一つである社内ネットワークにつきましては、安定した運用を行なうための体制を構築しておりますが、コンピュータウイルスの侵入またはサイバー攻撃などの不正アクセスによる運用困難および情報漏洩などを完全に防げる保証はありません。

 

 

(16) 当社グループの施設に関するリスク

当社グループでは、国内外に工場、営業所など様々な施設を所有または賃借しております。いずれの施設についても、各国の建築基準その他の規制を遵守し、また、独自の安全基準を設けるなどの対策を行なっております。しかしながら、地震、大規模な水害、火災、放射能汚染などの災害またはテロ、デモ、ストライキ、施工品質の不足、運用ミスなどが発生した場合、生産ラインの停止など、施設の運用が停止することにより、当社グループの事業に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(17) 訴訟に関するリスク

当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟等を提起されることがあり、その結果、予期せぬ多額の損害賠償を命じられる可能性があります。その額によっては、当社グループの業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(18) コンプライアンスに関するリスク

当社グループは、当社グループで働くすべての人が積極的に実践すべき内容を示した「FDK企業行動指針」を定めるとともに、富士通グループ共通の理念である「FUJITSU Way」を遵守することにより、社内ルールの浸透と徹底、指針遵守の企業風土の醸成と、そのための社内体制や仕組みの構築を推進しています。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできない可能性があり、国内外の関連法令、規制などに抵触する事態が発生した場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、あるいは多額の課徴金や損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(19) 災害や停電等による影響

当社グループは製造ラインの中断による潜在的なマイナス影響を最小化するために、全ての設備における定期的な災害防止検査と設備点検を行なっております。しかし、生産拠点で発生する災害、停電またはその他の中断事象による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。

 

(20) 地震やその他の自然災害、事故等によるリスク

当社グループでは、防災訓練の実施をはじめ、防災に関する連携体制の構築を進めております。また、地震やその他の自然災害が発生しても、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、お客様が必要とする高性能・高品質の製品を安定的に供給するために、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)を策定し、その継続的な見直し、改善を実施する事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。

しかしながら、近年、世界的な気候変動により、台風、水害、大雪などの自然災害の発生頻度や影響度は高まっております。また、首都直下、東海地方、南海トラフなどにおける巨大地震やテロ、事故による電力供給停止、感染症のパンデミック、火山噴火など不測の事態は、十分に影響度を検討して策定した事業継続計画においても、被害想定を超えた規模で発生する可能性がありうると考えられます。当社グループは、防災対策や事業継続マネジメントを今後も継続して推進してまいりますが、このような事態が発生した場合、事業所の機能停止、設備の損壊、電力・水・ガスなどの供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害などにより、お客様への製品出荷の停止など、当社グループの事業活動の継続に影響をおよぼす可能性があります。

世界的に感染が拡大し、大きな影響を与えている新型コロナウイルス感染症について、当社グループでは、お客様、お取引先様、従業員とその家族の安全確保と感染拡大の防止を最優先とするとともに、お客様への製品・サービス提供を継続する取り組みを進めております。具体的には、従業員に対する在宅勤務や時差出勤の推奨、社内会議や社内研修等をウェブ、電話会議へ切り替えることや出社することが必須となる業務については、ソーシャルディスタンスの確保、定期的な換気などを実施しております。これらの諸施策の実行などにより、重要な事業を継続維持することで、社会的責任を遂行することを目指しております。しかしながら、当社グループ、委託先またはお客様先の感染者の発生、部材メーカーからの部品供給の不足・遅れ、国内外の政府当局の今後施策によっては、製品・サービス提供の持続的な提供に影響を与える可能性があります。また、今後、経済活動の低迷を起点とした市況変化によっては、当社グループのビジネス領域における市場動向に変化をもたらし、当社グループの事業に影響が出てくる可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態、経営成績等の状況

当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、期の前半は国内においては雇用など回復基調が続き、消費増税の影響は軽減税率導入やキャッシュレス決済のポイント還元などの政府の施策により、限定的なものとなりました。しかしながら、期を通じて当社グループが属しているエレクトロニクス分野を中心に需要が停滞し、米国・中国をはじめとする各国の政策や貿易摩擦の継続、欧州経済の動向などに加え、第4四半期連結会計期間において国内外で新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりサプライチェーン、消費などの経済活動がさらに停滞し、先行き不透明な状況で推移しました。

このような状況のなか、当社グループは「Smart Energy Partnerとして、先進技術を結集し、お客様に電気エネルギーを安心して効率的に活用いただき、持続可能な社会の実現と発展に貢献する」というVisionと10年後のあるべき姿の実現に向けて2020年度をスタート年度とする中期事業計画「R1」を策定しました。この実現に向けて当該中期事業計画「R1」でYear 0と位置付けた当連結会計年度は、電子事業の一部の事業譲渡や転進支援制度実施にもとづく人員の適正化などの構造改革と事業ポートフォリオ再編に向けた取り組みと、SMD対応小型全固体電池や水素/空気二次電池、ニッケル亜鉛電池といった次世代電池の開発、現行ビジネスにおいては工業用途向け電池の事業拡大に努めました。さらに、長持ち・長期保存・耐漏液性能を向上させたFUJITSUアルカリ乾電池「Premium S」を発売し、市販用途向けニッケル水素電池とともにコンシューマ市場で特に最需要期を迎えるクリスマス・年末商戦での拡販に努めました。

また、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大しサプライチェーンも混乱する状況において、テレワーク・時差通勤などの感染拡大防止策を実施しながら製品の製造、お客様への製品供給など事業の継続に努めました。

当連結会計年度の経営成績につきましては、電池事業の売上高は、当社グループが成長の柱として位置付けている工業用途向けニッケル水素電池とスマートメータ用途向けリチウム電池で売上が増加したものの、国内外の市販用途向け電池で中国勢との競争が激化したことによる影響が大きく、事業全体として減収となりました。電子事業の売上高は前連結会計年度に実施した海外製造子会社の閉鎖や一部事業の譲渡により、事業全体の売上高が減少しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ99億89百万円(13.9%)減の621億23百万円となりました。

損益面につきましては、電池事業はコストダウンや費用の削減に取り組んだものの、ニッケル水素電池とアルカリ乾電池が市販用途向けでの売上減により減益となりました。一方、電子事業は高付加価値製品への切り替えや固定費削減などの選択と集中による損益の改善により、損失幅が縮小しました。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ17百万円増加の8億41百万円となり、経常利益は固定資産除却損2億84百万円の計上などにより前連結会計年度に比べ1億53百万円減少の5億65百万円となりました。また、電子事業の一部の事業譲渡に伴なう事業譲渡損失7億45百万円や持分法適用関連会社の持分譲渡に伴なう関係会社出資金売却益3億31百万円、転進支援に伴なう事業構造改善費用8億64百万円、海外子会社などにおける固定資産の減損損失13億17百万円の特別損益を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は23億40百万円(前連結会計年度は2億90百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

電池事業

電池事業は工業用途向け電池や設備関連ビジネスが堅調に推移したものの、市販用途向け電池が減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。

製品別につきましては、ニッケル水素電池は、工業用途向け商談受注は増加しましたが、国内外の市販用途向けが減少したことにより、前連結会計年度並みとなりました。アルカリ乾電池は、セットインなどの工業用途向けが堅調に推移し、自然災害対策の需要にお応えすることで事業を通じた社会貢献に努めましたが、国内外の市販用途向けが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。リチウム電池は、国内の住警器用途向けが減少した一方、国内外のセキュリティ・スマートメータ用途向けが堅調に推移したことにより、前連結会計年度を上回りました。設備関連ビジネスは、設備需要が堅調に推移し、前連結会計年度並みとなりました。

その結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度に比べ26億97百万円減少の450億65百万円、セグメント利益は5億26百万円減少の15億14百万円となりました。

 

電子事業

電子事業は前連結会計年度に実施した海外製造子会社の閉鎖に伴なう液晶ディスプレイ用信号処理モジュールの減少やDC-DCパワーモジュール、スイッチング電源などがいずれも減少したことに加え、電子事業の一部の事業譲渡に伴なう売上減により、前連結会計年度を下回りました。

製品別につきましては、DC-DCパワーモジュールは、サーバ・ストレージ用途向けなどが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。液晶ディスプレイ用信号処理モジュールは、海外製造子会社の閉鎖の影響や産業機器用途向けなどが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。スイッチング電源は、半導体・液晶製造装置用途向けが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。トナーは、堅調に推移し、前連結会計年度並みとなりました。

その結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度に比べ72億92百万円減少の170億57百万円、セグメント損失は6億73百万円(前連結会計年度は12億17百万円のセグメント損失)となりました。

 

当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ64億59百万円(△11.9%)減の476億85百万円となりました。流動資産は前連結会計年度に比べ37億59百万円(△10.1%)減の333億26百万円、固定資産は前連結会計年度に比べ27億円(△15.8%)減の143億59百万円となりました。流動資産減少の主な要因は、現金及び預金が3億28百万円増加しましたが、受取手形及び売掛金が31億28百万円、仕掛品が7億64百万円それぞれ減少したことによるものです。固定資産減少の主な要因は、減損損失の計上などにより有形固定資産が24億7百万円減少したことによるものです。

当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ29億18百万円(△6.7%)減の409億46百万円となりました。流動負債は前連結会計年度に比べ17億79百万円(△4.7%)減の360億95万円、固定負債は前連結会計年度に比べ11億38百万円(△19.0%)減の48億50百万円となりました。流動負債減少の主な要因は、電子記録債務が32億9百万円、短期借入金が4億円それぞれ増加しましたが、支払手形及び買掛金が46億96百万円、未払金が4億15百万円それぞれ減少したことによるものです。固定負債減少の主な要因は、長期未払金が4億87百万円、退職給付に係る負債が3億79万円それぞれ減少したことによるものです。

なお、有利子負債残高は、前連結会計年度に比べ31百万円減の191億82百万円となりました。

当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ35億40百万円(△34.4%)減の67億39百万円となりました。純資産減少の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上などにより利益剰余金が23億46百万円、為替換算調整勘定が9億16百万円それぞれ減少したことによるものです。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失の計上や仕入債務の減少、退職給付に係る負債の減少などによる現金及び現金同等物(以下「資金」という)の減少はありましたが減価償却費や減損損失の計上、売上債権やたな卸資産の減少などにより27億99百万円の資金増加(前連結会計年度は16億2百万円の資金増加)となりました。

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、事業譲渡による支出や有形固定資産の取得による支出などにより23億90百万円の資金減少(前連結会計年度は18億60百万円の資金減少)となりました。

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、ファイナンス・リース債務の返済による減少はありましたが、短期借入金の増加などにより99百万円の資金増加(前連結会計年度は52億82百万円の資金増加)となりました。

これらの結果、当連結会計年度における資金の期末残高は期首残高より3億28百万円増加し、90億63百万円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

電池事業

44,237

△6.4

電子事業

15,908

△34.5

合計

60,146

△15.9

 

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

電池事業

43,725

△9.3

5,766

△18.9

電子事業

16,169

△34.4

2,972

△23.5

合計

59,894

△17.8

8,738

△20.5

 

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

電池事業

45,065

△5.6

電子事業

17,057

△29.9

合計

62,123

△13.9

 

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。

なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(固定資産の減損)

当社グループは、独立してキャッシュ・フローを生み出す最小単位として会社別事業部別を基礎としてグルーピングを行なっております。固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、当社グループが販売している電池や電子製品の売れ行きに影響し、当社グループの業績への影響も懸念されます。当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響は半年程度で概ね収束すると仮定し、連結財務諸表作成時において入手可能な情報にもとづき、会計上の見積りを行なっております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当社グループの連結売上高は、621億23百万円(前連結会計年度比13.9%減)となりました。電池事業のリチウム電池、電子事業のトナーの売上増があったものの、電子事業の液晶ディスプレイ用信号処理モジュールやスイッチング電源、電池事業のアルカリ乾電池やニッケル水素電池などの売上減により、売上高は前連結会計年度を下回りました。連結営業利益は、電子事業における一部事業譲渡や高付加価値製品への切り替え、選択と集中などの事業構造改革効果による損失幅の縮小が、電池事業における市販用途向けのニッケル水素電池とアルカリ乾電池の売上減による利益の目減りをカバーしたことで、営業利益は前連結会計年度に比べ17百万円増加の8億41百万円となりました。

当社グループは営業利益率を経営の主指標としております。これは当社グループにおいては本業での収益性の向上が最も重要な課題であると認識しているためであります。当連結会計年度における営業利益率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント増加したものの、1.4%と低い水準であり、向上のための有効な施策が必要であると認識しております。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであることに加え、当社グループ事業の製品の売上は、電池事業においては電池が使用される機器の拡大・縮小や使用数の影響を受け、また、電子事業は主たる顧客であるエレクトロニクス関連のセットメーカーの製品やサービスの売れ行きに影響を受けるなど、当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。

また、当社電池製品の主要材料であるニッケル、亜鉛、リチウム、レアアース類は需給バランスや投機的要因などにより価格が大きく変動するため、材料費に大きな影響を与えます。

さらに、当社グループの売上高の44.6%は海外ビジネスであるため、為替レートの変動により円換算による増減の影響を与えます。

主にこれらの要因が当社グループの経営成績、事業の収益性に影響するものと認識しております。そのため、当社は、毎月1回受注状況、受注見込み、年間予算とのかい離などの最新の業績の状況を把握するとともに、必要な改善の立案、実施を行なっております。

 

当社グループの資本の財源および資金の流動性については、当社グループは、主に当社グループ事業の継続性の確保と収益性向上を図るため、その生産設備類の維持・更新、能力増強を主とした設備投資を継続しており、その財源は営業活動から得られたキャッシュ・フローおよび外部より調達した資金を主としております。

 

 

セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

電池事業

当連結会計年度における電池事業の売上高は前連結会計年度から減少しており、営業利益率は3.4%にとどまっております。売上高の確保・拡大のためには需要が伸張する地域、販路、市場、新規機器メーカーへの拡販が必要であるとの認識のもと、マーケティング、営業力の強化に努めております。市販用途向けニッケル水素電池、アルカリ乾電池はコモディティ化が進んでいるため、品質、特性面での差別化、商品力の強化をすすめ、売上拡大と利益率の維持・向上を図っております。

また、電池の主要材料価格の変動に関しては、適切な時期での予約などの施策に加え、材料使用量の低減、より安価な材料へのシフトなどの技術VEとコストダウンを行ない、対応力の強化に努めております。

さらに、為替変動のリスクに関しては、当社のグローバルな生産体制を活かした最適地生産、外貨建て材料購入の活用強化などにより対処を図っております。

 

電子事業

電子事業は前連結会計年度に比べ大幅に改善したものの、営業損失の状態が継続しております。

電子事業に関しましては、既存製品は新たなコンセプトの下で再生・成長を目指し、事業価値を向上させる必要があると認識しており、当連結会計年度においては一部製品の事業譲渡や高付加価値製品への選択と集中に加え、電源バックアップ用途、エネルギー使用効率改善用途など当社電池製品に留まらず様々なパートナー様とのシナジー効果が創出できるような事業の検討など、これまでの技術力を活用したポートフォリオの再生・再編を図っております。

 

③ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営上の目標の達成状況は、1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載した方針にもとづき、当社グループは「Smart Energy Partnerとして、先進技術を結集し、お客様に電気エネルギーを安心して効率的に活用いただき、持続可能な社会の実現と発展に貢献する」というVisionと10年後のあるべき姿の実現に向けて2020年度をスタート年度とする中期事業計画「R1」を策定し、当該中期事業計画「R1」でYear 0と位置付けた当連結会計年度の経営上の目標として、売上高600億円、営業利益7億円、経常利益5億円を目指してまいりました。

その結果、当連結会計年度における売上高は621億23百万円、営業利益は8億41百万円、経常利益は5億65百万円、親会社株主に帰属する当期純損失23億40百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失はFDKグループ戦略Framework「10年の計」と中期事業計画「R1」を達成するため、事業ポートフォリオ再編に向けた事業構造改善費用や将来予想される負のコストを減らすための費用を計上したことで目標値を下回りましたが、売上高と営業利益、経常利益は目標値を上回りました

このようになった主な要因としましては、売上高は電池・電子の両事業ともに海外向けビジネスが堅調で目標値を上回りました。営業利益は電池事業におけるニッケル水素電池やリチウム電池の売上増やコストダウン、費用の削減により目標値を上回りました。経常利益は、固定資産除却損を計上いたしましたが、目標値を上回りました。前述のとおり、電子事業の一部の事業譲渡に伴なう事業譲渡損失や事業規模に見合った人員の最適化を図ることを目的に実施した転進支援に伴なう事業構造改善費用などを特別損失として計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は目標値を下回りました。

 

 

<2020年3月期の目標と結果>

指標

2020年3月期目標

2020年3月期実績

目標比

売上高

60,000百万円

62,123百万円

2,123百万円

営業利益

700百万円

841百万円

141百万円

経常利益

500百万円

565百万円

65百万円

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△2,000百万円

△2,340百万円

△340百万円

 

 

なお、前述のとおり当社グループは、10年後のあるべき姿を示したFDKグループ戦略Framework「10年の計」と2020年度を初年度とする中期事業計画「R1」を策定いたしました。中期事業計画「R1」の最終年度である2022年度に売上高600億円、営業利益率5.1%、10年後の2029年度に売上高800億円、営業利益率7.5%を経営上の目標として取り組んでまいります。

一方、直近の年度である2021年3月期の見通しにつきましては、世界各国における新型コロナウイルス感染症の感染拡大および当社グループの国内外の営業状況等を踏まえ現時点では未確定要素が多いことから、適正かつ合理的な業績予想の算出が困難な状況のため、連結業績予想を「未定」とさせていただきます。

今般の新型コロナウイルス感染症の当社の業績等への影響につきましては、当社が販売している電池や電子製品は、使用される機器の使用数やエレクトロニクス関連のセットメーカーの製品やサービスの売れ行きに大きく影響を受けるものであります。欧州での市場の冷え込みに伴ない今期増加を見込んでいた車載向けなどモビリティ用途向けの減少リスクがある一方、医療関係や新たな生活様式での需要増も見込まれており、未だ不透明な状況です。

今後、新型コロナウイルス感染症に有効なワクチン開発などを含め、同感染症の収束時期が見通せない状況ではございますが、事業活動への影響度合いの状況確認が進み、適正かつ合理的な算出が可能になりましたら、速やかに開示いたします。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

会社分割および承継会社の株式譲渡

当社は、2019年4月26日開催の取締役会において、2019年7月1日を効力発生日として、当社電子事業の一部であるフェライト・コイルデバイス・積層パワーインダクタ・セラミックス部品(圧電部品)事業(ただし、当社の海外子会社が営むこれらの事業に係る製品の製造および販売に関する事業等を除きます。以下「対象4製品事業」)の一部を、会社分割(吸収分割)により新設会社に承継させることを決議し、同日付で当該新設会社の全株式を長野日本無線株式会社(以下「長野日本無線」)に譲渡する旨の契約を締結しました。

なお、2019年7月1日をもって、当社電子事業の一部を、会社分割(吸収分割)により新設会社に承継させるとともにその全株式を長野日本無線へ譲渡いたしました。

 

1.会社分割および株式譲渡の目的

当社グループは、強みを有する電池技術、回路技術およびパワーエレクトロニクスの技術を結集させ、電気エネルギーを効率的に利用する技術でグローバルに社会に貢献する「スマートエナジーマネージャー」として、お客様に”One FDK”でサービス・価値を提供すること、ならびに電子事業におけるコンポーネント・モジュール事業部門については他社とのアライアンスも含めて利益を重視した個別ソリューションを提供することで、企業価値向上を図ってまいりました。

一方、日清紡ホールディングスグループである長野日本無線においては、xEV(電動車)用コイル・トランス等の部品事業を手掛けており、今後のxEV市場拡大に向けさらなる基盤強化、製品ラインアップの充実により、同社事業の価値向上を目指しております。

こうしたなか、両社は、新設会社の株式を長野日本無線に譲渡することに関し、最終合意に至りました。

今回の最終合意により、当社が設立する新設会社に対象4製品事業を承継した上、長野日本無線が新設会社の全株式を買い受けるとともに、当社グループで上記に携わる従業員および関連する知的財産権などを承継いたしました。

 

2.会社分割および株式譲渡の要旨

(1)会社分割および株式譲渡の日程

最終合意書承認取締役会決議

2019年4月26日

最終合意書締結日

2019年4月26日

新設会社の設立日

2019年5月15日

吸収分割契約締結日

2019年5月15日

会社分割効力発生日

2019年7月1日

株式譲渡日

2019年7月1日

 

(2)会社分割の方法

当社を分割会社とし、承継会社に対象4製品事業に関する権利・義務を承継させる吸収分割(簡易分割)方式です。

(3)会社分割に係る割当ての内容

承継会社は、本会社分割に際しての対価の割当を行ないません。

(4)会社分割に伴なう新株予約権に関する取扱い

該当事項はありません。

(5)会社分割により増減する資本金

本会社分割による当社の資本金の増減はありません。

(6)承継会社が承継する権利義務

承継会社は、当社より対象4製品事業に関する資産、債務および契約上の地位ならびにこれらに付随する権利義務を承継するものといたします。

(7)債務履行の見込み

本会社分割において、当社および承継会社が負担すべき債務履行については、履行の確実性に問題がないと判断しております。

(8)株式譲渡の概要

当社は、2019年7月1日をもって、承継会社の全株式を長野日本無線に譲渡いたしました。

 

3.会社分割の当事会社の概要

 

 分割会社
 (2019年3月31日現在)

承継会社
 (2019年7月1日現在)

(1)名称

FDK株式会社

FDKコンポーネント事業分割準備株式会社

(2)資本金

31,709百万円

301百万円

(3)設立年月日

1950年2月7日

2019年5月15日

(4)事業内容

電池および電子部品の製造販売

電子材料・磁性材料の製造売買

(5)従業員数

2,041名

184名

 

 

4.分割する事業部門の概要

(1)分割する部門の事業内容

FDKの電子事業のうち、フェライト・コイルデバイス・積層パワーインダクタ・セラミックス部品(圧電部品)事業の一部。

(2)分割する部門の経営成績

 

対象4製品事業実績(a)

2019年3月期連結実績(b)

比率(a/b)

売上高

1,938百万円

72,113百万円

2.7%

 

(3)分割する資産、負債の項目および金額

資産

負債

項目

帳簿価額

項目

帳簿価額

流動資産

1,393百万円

流動負債

327百万円

固定資産

4百万円

固定負債

494百万円

合計

1,397百万円

合計

821百万円

 

 

5.譲渡株式数、譲渡価額及び譲渡前後の所有株式の状況

(1)異動前の所有株式数

301株(議決権所有割合:100.0%)

(2)譲渡株式数

301株

(3)譲渡価額

1円

(4)異動後の所有株式数

0株(議決権所有割合:0%)

 

 

6.本吸収分割および本株式譲渡による業績への影響

本吸収分割および本株式譲渡により、当連結会計年度において、事業譲渡損失745百万円を特別損失として計上しております。

 

 

 

関係会社出資金の譲渡

当社は、2019年6月14日開催の取締役会において、持分法適用関連会社であるNANJING JINNING SANHUAN FDK CO., LTD.(以下「南京JSF」)の持分のすべてを譲渡することを決議し、同日付で当社が保有する持分のすべてをMagsuper(Dong Guan)Corp.に譲渡する旨の契約を締結しました。

 

1.持分譲渡の理由

当社グループは、強みを有する電池技術、回路技術およびパワーエレクトロニクスの技術を結集させ、電気エネルギーを効率的に利用する技術でグローバルに社会に貢献する「スマートエナジーマネージャー」として、お客様に”One FDK”でサービス・価値を提供すること、ならびに電子事業におけるコンポーネント・モジュール事業部門については他社とのアライアンスも含めて利益を重視した個別ソリューションを提供することで、企業価値向上を図ってまいりました。

今般、南京JSFの持分のすべてを譲渡することで、当社の電子事業の「選択と集中」を進め、企業価値の向上を進めてまいります。

 

2.持分譲渡先の名称

Magsuper(Dong Guan)Corp.

 

3.譲渡する持分法適用関連会社の概要

(1)名称

NANJING JINNING SANHUAN FDK CO., LTD.

(2)事業内容

フェライトコア、コイルデバイスの製造・販売

(3)当社との取引内容

当社への製品販売

 

 

4.譲渡する出資持分、譲渡価額、譲渡後の出資持分および譲渡損益

(1)譲渡出資持分

33.4%

(2)譲渡価額

8百万円

(3)譲渡後の出資持分

0.0%

(4)譲渡損益

関係会社出資金売却益331百万円を特別利益として計上しております。

 

 

5.日程

(1)出資金譲渡契約締結日

2019年6月14日

(2)出資金譲渡実行日

2019年8月9日

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、エネルギーの安全かつ効率的な利用を目指し、エネルギー・環境分野における各種電池(ニッケル水素、リチウム、アルカリ、次世代電池)、パワーマネジメントソリューションおよび蓄電システムに関する研究開発を行なっております。

研究開発につきましては、基盤技術・新事業本部の基盤技術統括部が当社の研究開発活動を統括し、将来の市場環境と技術動向を見据えた新製品・新技術の開発を推し進めております。

産学および富士通グループの研究機関等との連携により先端技術の導入を効率的に推し進め、技術開発スピードの加速化を図っております

当社グループの研究開発部門の開発スタッフは69名であり、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は817百万円であります。

当連結会計年度における各事業区分別の研究開発の主要目的、研究開発成果および研究開発費は次のとおりであります。

 

(1) 電池事業

当社グループの電池の性能や品質向上を目的として、材料開発、生産効率の向上および環境対策の研究開発を行なっております。

当連結会計年度におきましては、ニッケル水素電池では、通信基地局や車両通信機用のバックアップ電源用途向けに幅広い温度環境で使用できる電池および蓄電システム、次世代電池として、水素吸蔵合金を応用した水素/空気二次電池や負極に亜鉛を用いたニッケル亜鉛電池の開発に取り組みました。

リチウム電池では国内外で需要が高まっているスマートメータ用市場向けに開発した高容量タイプの円筒形一次電池の量産を開始するとともに、生産コストの低減を図りました。

アルカリ電池においては、放電特性・耐漏液性の改善、および品質・信頼性の更なる改善に取り組みました。

さらに、次世代電池として、株式会社富士通研究所と共同で開発した高電位正極材料を用いた世界最高水準の高電圧を有するSMD対応小型全固体電池SoLiCellTMの開発を行い、本年度中の量産開始に向けて体制を構築中です。

当事業に係わる研究開発費は710百万円であります。

 

(2) 電子事業

電子材料、電子部品、モジュールおよびニッケル水素電池や薄形リチウム電池、全固体電池SoLiCellTMとのシナジー製品の開発を行なっております。

当連結会計年度におきましては、モジュール事業では、シナジー製品第一弾として樹脂モールド技術と全固体電池SoLiCellTMとを組み合わせた電池内蔵RTCモジュールを展示会で発表しました

また、今後、パワーマネジメントソリューションの技術開発も進めてまいります。

当事業に係わる研究開発費は106百万円であります。