第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営の基本方針

当社グループは、経営理念として、

 1.お客様に喜ばれる商品を創造し、豊かな社会づくりに貢献する

 2.個性とチャレンジ精神を尊重し、若さと夢あふれた企業をめざす

 3.社会の一員として、法と倫理を遵守し自然・地域と共生する企業をめざす

を掲げ、お客様の期待に応える商品の提供を通じて、企業価値を増大し、株主の皆様を始めとしたステークホルダーの方々に貢献してまいります。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、中期経営方針・課題を掲げ昨今の環境変化に対応し、更なる成長のための経営体質強化を

図ってまいります。

 1.お客様の期待に応える『品質の東海理化』を確立

 2.世界の競合を凌駕する製品競争力の向上

 3.環境変化に耐えられる柔軟かつ強固な経営基盤の確立

当社グループは、グループを挙げて「スピード、実行、フォロー」をモットーに、一人ひとりが仕事の質を高め、技を究めるとともに、法令遵守、社会貢献等、社会的責任を果たすことで企業価値向上に努めてまいります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等

(世界状況)

世界各国で続く物価上昇や急激な金融の引き締め、そしてロシアのウクライナ侵攻の影響による経済の停滞が世界的に起きていることで、世界成長率の下振れリスクが予想されます。

 

(自動車業界)

一方、長期化する半導体不足による生産への影響があるものの、主要市場での販売台数の増加が予測されており、電気自動車につきましても今後需要が高まるものと予想されます。

 

(今後の取り組み)

2022年5月より、2030年をターゲットとし、将来の成長に向けて中期経営計画を策定し、実現に向けて取り組んでおります。

主な骨子は以下のとおりです。

 

①事業戦略の推進

強い経営基盤を確立するために「エグゼクティブオフィス直轄の「経営戦略室」を新設しました。より迅速に新しい製品開発を実現するため「HMIビジネスセンター」と「セキュリティビジネスセンター」を統合するとともに、ソフトウェア開発体制を強化するため「エレクトロニクスビジネスセンター」内に「ソフトウェア技術部」を新設しました。

新規ビジネスにおいては、社会課題の解決を目的として、アルゼンチンアリ防除や、e スポーツ向けのゲーミングギアブランド『ZENAIM(ゼンエイム)』を誕生させ、ロープロファイルキーボード『ZENAIM KEYBOARD』を発売し、今後も新しい分野にも挑戦していきます。

 

②経営基盤の強化

さらなる競争力の向上と収益力の強化に向けて、生産技術力強化、生産体制再編、DX推進によるプロセス改善を推進していきます。

また、人財育成、多様な人財の活躍推進により、ソフト人財をはじめとする人的資本の最大限の活用に向けた活動を実施しております。

 

当社グループは、人に優しい、人に寄り添う製品・サービスを提供することにより、「豊かな社会づくりに貢献」する会社を目指すことで、企業価値の向上に努めています。

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは「人が手掛けないことこそやる」の創業者精神のもと、お客さまのニーズに応える商品づくりに取り組んでまいりました。そのような中、2020年12月に取締役会で5つの重要テーマと15項目の重要課題(マテリアリティ)を決定し、「東海理化グループは、経営理念にある法と倫理を遵守し、自然・地域と共生する健全な事業活動を通じて、全てのステークホルダーと共に、持続可能な社会の実現に貢献します。」とするCSRポリシーを制定しました。

 マテリアリティを基に、2021年5月には将来の成長に向けて取り組む活動を「SDGs経営」として発表しました。

 

(1)ガバナンス

 取締役会がサステナビリティに関する監督の責任を持ち、業務執行については、経営会議が配下の関係各部とともに担っています。総務部が事務局を担当し、方針管理と経営会議への報告を執り行います。

 詳細はhttps://www.tokai-rika.co.jp/society/think/promotion/を参照ください。

 

(2)戦略

 当社グループは、2022年5月に「SDGs経営」に基づく中期経営計画を発表しました。2025年までに領域別戦略と地域戦略による事業戦略の推進と、DX推進、カーボンニュートラル、人財、生産体制、生産技術、固定費コントロールによる経営基盤の強化により2030年飛躍の土台作りをします。

 詳細はhttps://www.tokai-rika.co.jp/investors/pdf/tyuukei_2022.pdfを参照ください。

 

0102010_001.png

 

(3)リスク管理および指標と目標

 当社グループは、15項目のマテリアリティに対するリスクと機会を見極めたうえで、目標(KPI)を設定し、方針管理を行っています。詳細は当社ホームページhttps://www.tokai-rika.co.jp/society/materiality/risk/を参照ください。

 

(4)人的資本

①人財育成方針

 当社グループは、「人事機能方針」として「心身ともに健康で安全に働き続けることのできる職場づくり」、「互いに認め合い、高め合い、本音で話し合える職場風土の醸成」、「事業戦略を支える人財の育成」の3項目に取組んでいます。労働災害ゼロに拘った活動を推進し、職場の活性化と組織力のレベルアップにより、組織として高い成果を生み出せる職場づくりを目指しています。

 

②社内環境整備方針

 当社グループは、社員の安全と健康を保持し、快適な職場環境を目指していくことを基本に、安全衛生活動を推進し、安全で安心な職場づくりに取組んでいます。これらの取組みが評価され、2020年から4年連続で「健康経営優良法人」に選定されています。

詳細は当社ホームページhttps://www.tokai-rika.co.jp/society/social/helth/を参照ください。

 

0102010_002.png

 

(5)多様性

 当社グループは、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)をビジネス戦略実現の礎と捉え、多様な人財が活躍できる制度と意識風土の醸成に取り組んでいます。

 当社グループの取り組みは高く評価され、2022年には厚生労働省より女性活躍推進に関する取り組みの認定「えるぼし」の最高位(3段階目)、子育てサポート企業として最高位の「プラチナくるみん」の認定を相次いで受けました。

 

0102010_003.png0102010_004.png

 

①ダイバーシティ方針

 2021年10月に社長名で、「東海理化で働く様々な個性を持つすべての人財が、互いに認め合う風土の中で、意欲高く、切磋琢磨しながら成長し活躍できる企業風土と働く環境の確立を目指します。」とした「ダイバーシティ宣言」を実施しました。

②男女間賃金格差

 当社及び国内連結子会社では、男女間の賃金格差は60.7%となっています。

同じ役割であれば男女で賃金の差を設けていないため、給与の高い管理職が男性に多いことが格差の要因になっています。

③女性管理職比率

 当社及び国内連結子会社では、女性管理職比率は1.6%となっています。

対策としては、2020年に11人だった女性管理職を2026年までに22人と倍増する目標を立てています。

④男性育児休業取得率

 当社及び国内連結子会社では、男性育児休業取得率は74.1%となっています。

 実際に育児休職を取得した先輩従業員の経験や工夫を座談会や、イントラネットで紹介し、仕事も家庭も充実させたいという想いの実現と従業員の働きやすい職場環境づくりを推進した結果、男性育児休暇の取得率は着実に上がっています。

 

 

3【事業等のリスク】

当社グループではリスクを「会社運営・業績に重大な影響を及ぼす可能性のある事項」と捉え、「経営の基本方針」、「中期的な経営方針・対処すべき課題」を遂行する上で取り組むべき課題として認識しております。

当社グループの業績は自動車の販売台数に依存しておりますが、自動車業界を取り巻く環境はクルマの在り方の変化、電気自動車(EV)需要の急増により大変革期にあり、当社グループの新製品開発へも大きな影響を与えております。従って、対応次第では大きなリスクにもなります。

また、品質に関しては当社グループとして最優先で取り組んでおります。リコール等の品質問題は業績への影響のみならず、お客様の信頼にも大きな影響を与えます。さらに、「環境変化に耐えられる柔軟かつ強固な経営基盤の確立」を目指すうえで、事業継続計画(BCP)へのリスク認識は不可欠で、減災活動、生産復旧活動、電子部品の安定供給など、当社グループのみならず仕入先も含めたリスク対応を実施しております。

当社グループは、以上のような項目を中心に重要なリスクを識別し、対策を検討しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 自動車産業及び、主要客先への販売依存

当社グループの製品は、主としてHMI製品*、キーロック、シートベルト、シフトレバー等の自動車部品であり、当社グループ製品の販売実績は自動車の販売台数に大きく依存しております。

また、主要客先であるトヨタ自動車株式会社、及びトヨタグループ(関連会社含む)への売上高比率は73%と比較的高い水準になっており、当社グループの経営成績はトヨタ自動車株式会社の生産動向の影響を大きく受けております。従いまして、直近での半導体不足のような完成車メーカーの生産動向に直接的な影響を与える事象は当社グループへも大きな影響を与えます。

更なる成長に向け、各拠点にて他の完成車メーカーへの拡販活動を継続し、当社グループ製品の搭載は拡大しております。

*HMI(Human Machine Interface)製品

 

(2) 新製品開発

自動車業界は100年に一度の大変革期を迎え、クルマの変化・使われ方を見据えた製品企画・技術開発が必要となります。特にクルマの自動化・電動化の進捗は既存の製品やビジネスモデルを大きく変える可能性があり、当社グループにとってその遅れは既存・新規ビジネスの機会を逸する事になり、当社の経営成績に影響を及ぼします。

このような環境のなか、既存事業においては「シフトバイワイヤシフター」が品質、価格競争力に加え、多くの採用実績が評価され車両メーカーへの更なる拡販に成功しております。自動運転技術では、自動運転車両を遠隔監視および操作するシステムを、アイサンテクノロジー株式会社と共同開発を実施し、愛知県や千葉県とともに自動運転の実証を行いました。

また、デジタルキー分野ではレンタカーの予約・解錠・返却までスマホで完結するアプリ「Uqey(ユーキー)」の利用店舗の拡大、社有車管理サービス「Bqey(ビーキー)」の更なる拡販を目指しています。

 

(3) 競争の激化

自動車業界の再編や、自動化・電動化に伴い当社グループの事業領域への他業種からの新規参入により競争が激化しております。

当社グループでは、新製品開発による競争力強化に加え、DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進による開発、生産準備のリードタイム短縮や間接部門業務プロセスの改善、更には国内外の生産体制再編による競争力強化に取り組んでおります。

 

(4) 海外進出に内在するリスク

当社グループは13か国、33拠点に生産及び営業拠点を構え、当社グループの事業活動における海外比率は年々高まっております。これら海外市場、特に新興国には法令・規制の変化、その他要因による政治・経済・社会的混乱、文化や習慣の違いに起因するトラブルの発生リスクが内在しております。従って、政治または法環境の変化、労働力不足、ストライキ等、予期せぬ事象により当社の事業の遂行に問題が生じる可能性があります。

当社グループとしては、現地での法律・規制・租税制度等に関する動向は海外拠点スタッフの情報網に加え、外部コンサルタント等を積極的に活用する事で適時適切に入手し対応するように努めております。

 

(5) リコール等の品質問題

当社グループは品質第一を基本的な考え方として各種製品を製造しておりますが、将来においてリコールや製造物責任が発生する可能性があります。また、自動車業界における部品の共通化は効率化、取引拡大の機会となる反面、品質不具合が発生した際に影響を受ける対象が拡大する為にコストが多額になる可能性があります。

その対応として、①「品質の東海理化」を支える基盤強化、②「業界No.1」必達に向けた品質確保、③新事業のお客様満足の向上、を柱に品質向上活動を行っており、2025年頃「お客様に選び続けられる東海理化」を目指した活動を推進しております。

 

(6) 自然災害等による影響と事業継続計画

地震・台風・洪水などの自然災害、または感染症等により企業活動・生産活動が停止する可能性があります。さらに災害への準備が不十分な場合、被害が甚大になり生産活動に大きな支障をきたすこと、生産停止からの復旧が遅れること、などの可能性があります。

対策として、減災対応の強化や社員の災害対応力向上の為に初動対応訓練を実施する事で災害リスクの軽減を図るように努めています。また、大規模自然災害や感染症等の発生を想定した生産復旧訓練による全社BCP(事業継続計画)の強化をはじめ、電子部品のBCP用の在庫積み増し、有事の際の外製移行といった代替シミュレーションを実施しております。

 

(7) 仕入先への供給依存

当社グループの生産は仕入先からの原材料や部品の供給に依存しております。当社グループは供給元と取引基本契約を結び、原材料や部品の安定的な取引を前提としておりますが、事故・災害により仕入先の操業が不安定になる可能性がございます。仕入先からの供給停止は当社グループの安定生産に大きな影響を与えます。また、需給逼迫等による価格の高騰や供給量不足が生じる可能性もございます。

当社グループでは、事業継続性の観点からリスクの高い供給元の特定を行い、対象となる仕入先において在庫管理、工程管理、生産管理が適切に行われているかを確認するとともに課題を共有し、仕入先ごとに改善計画を策定しております。

 

(8) 情報セキュリティ

企業や組織、生産システムの情報のデータ化促進に伴い、情報資産の最適活用が重要になっております。また、組織内において情報の共有化のみならず提供・収集が電子的に行われる事が一般的になっており、扱われる情報が高密度なものになっております。このような環境下においては機密情報や個人情報が外部流出し、事業活動が一時的に停止する可能性があります。

対策として、情報セキュリティポリシーを策定し、3大要素であるCIA「機密性(Confidentiality)」、「完全性(Integrity)」、「可用性(Availability)」の確立に向けて活動を進めております。

また、有事の際の影響を最小限に抑える為、子会社を含めた初動体制整備を進めるとともに、特定の企業や組織を狙った「標的型攻撃」への教育訓練の実施等で社員の情報セキュリティ意識の向上に努めております。

 

(9) 気候変動対応

気候変動がもたらすリスクは、製品の開発設計から調達・生産・物流・販売まで、企業活動全般に渡って存在しており、異常気象による災害リスクがもたらす生産影響、規制強化によるコスト増等は企業活動を停滞させる恐れがあります。

当社グループでは「カーボンニュートラル戦略2030」を策定しCO2削減の様々な取組みを推進しています。生産戦略では温室効果ガスの代替化、既存生産技術の改善、革新生産技術の開発導入、再生可能エネルギーの利用拡大により工場CO2を2030年までに60%以上削減(2013年度比)し、先行して本社・本社工場ではカーボンニュートラルの実現にチャレンジしています。

 

加えて、環境情報の開示に関してはCDPによる気候変動質問書への回答を通じて環境情報を開示しています。また、2021年4月にはTCFD(Task Force on Climate-Related Financial Disclosures、気候関連財務情報開示タスクフォース)* の提言への賛同を表明しています。気候変動が事業活動に及ぼすリスクと機会を把握するために、複数の気候変動シナリオを選定し、シナリオ分析を実施。抽出した移行リスク、物理的リスクへの対応を進めています。

*気候変動に対する企業の取り組みや影響に関する財務情報の開示を求める組織

 

 

0102010_005.png

 

 

(10) 法令への適合

当社グループは事業の遂行にあたり各国の法的規制の適用を受けております。これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受ける可能性があります。訴訟及び規制当局法的手続きの当事者になる事で和解金及び罰金等の費用が発生し、業績に大きな影響を与える可能性があります。

当社グループではコンプライアンス委員会を設置しております。また、法令主管部署及び各部にコンプライアンス管理責任者・担当者を設置し職場に適した活動やコンプライアンス相談窓口の設置とその適切な対応を継続的に行う事が出来るように取り組んでおります。

 

(11) 知的財産管理

当社グループは知的財産に関し、当社技術の保護及び他社権利の侵害防止などの取組みを強化しておりますが、当社グループ製品には多くの技術が使われている為、知的財産が理由で係争や訴訟に巻き込まれたり、第三者から思いがけない指摘を受ける事によって当社グループの不利益につながる可能性があります。

対策としては、当社製品に採用される技術を特許出願により確実に保護するとともに、他社による権利侵害が持続しないように対処しております。また、技術開発・製品設計プロセスの複数段階で調査を実施し第三者の知的財産を侵害しないよう努めております。

 

(12) 為替変動の影響

当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、当連結会計年度61%となっております。当社グループの経営成績は為替変動により重要な影響を受ける可能性があります。当社グループでは一部の外貨建輸出債権を対象とした為替予約によるリスクヘッジを実施し影響を最小限にするよう取り組んでおります。

 

(13) 退職給付債務

当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上の前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。このため、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、将来の退職給付費用及び債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

(経済状況)

当連結会計年度における世界経済の状況は、需要と供給の両面でコロナ危機から回復傾向をたどってきているものの、ロシア・ウクライナ問題等によるエネルギーコストの上昇や世界的なインフレ、米国・欧州を中心とした金融引き締め等で、経済見通しに重くのしかかっている状況が続いています。

 

(自動車業界)

世界の自動車生産台数は、世界的な半導体不足により生産調整が続いているものの、コロナウィルス感染の減少により、前年度と比較して増加しました。また、世界的な環境問題への意識の高まりを背景に、EVにおいては大幅に増加しました。

 

(取り組み)

当社グループでは、「安全第一の徹底と健康づくりの推進」「お客様に選び続けられる品質の提供」「人財の育成と働きがい向上」「中期経営計画に基づく競争力強化と新ビジネス拡大に向けた取り組み」「将来の成長を支える事業基盤の強化の取り組み」「企業市民として社会の期待に応えるための取り組み」を年度方針に掲げ、グループ一丸となって継続的に取り組んでまいりました。

 主なトピックスは、次のとおりです。

 

<既存製品>

 品質や価格競争に加え、多くの採用実績が評価され、世界ナンバーワンシェアを目指した「シフトバイワイヤシフター」が車両メーカーへの更なる拡販に成功し、既存事業の拡大に大きく貢献しました。

 

<新製品の開発>

自動車分野としましては、世界初となる抗菌仕様シートベルトの開発や、通園バス用の安全装置「車内置き去り防止支援システム」を車両メーカーと共同開発し、各々採用されました。また、自動運転技術では、自動運転車両を遠隔監視および操作するシステムを、アイサンテクノロジー株式会社と共同開発を実施し、愛知県や千葉県と共に自動運転の実証実験を行いました。

デジタルキー分野としましては、レンタカーの予約・解錠・返却までスマホで完結するアプリ「Uqey(ユーキー)」では、新機能の開発を実施しながら、利用できる店舗拡大を目指しております。社有車管理サービス「Bqey(ビーキー)」では、株式会社TDモバイルと販売代理店契約を締結し更なる拡販を目指しております。

新規分野では、振動するタッチペンで、より楽しく効果的な学習を実現するデジタル教材や、SDGs に貢献するアップサイクルブランド「Think Scrap」よりシートベルトの端材を活用したペンケースやトートバッグなどの商品、また、ライフスタイルブランド「explorica」より新商品「explorica pen」の販売を開始しております。

 

<新会社・新工場設立>

 トヨタ自動車東日本株式会社向けをはじめとした東北地方でのビジネス拡大、モノづくりによる地域貢献を目的とし、秋田県横手市に子会社として株式会社東海理化トウホクを設立いたしました。

 また、今後の経済・自動車市場の成長が見込まれているインドにおいて、競争力を一段と強化することをねらいとし、インドの子会社である TOKAI RIKA MINDA INDIA Pvt. Ltd.の新工場を設立することを決定しました。

 

<環境への取り組み>

再生可能エネルギーの電気を協力会12社共同で調達できるよう「オフサイト PPAサービス実施に向けた協定」を、中部電力ミライズ株式会社と締結しました。

また、CO₂発生量減少に寄与するため、新材料『Bamboo+』の開発(株式会社ミロクテクノウッド、高知県との共同開発)や、「型内塗装技術」の開発(株式会社精工技研との共同開発)を行いました。

生物多様性の取り組みにつきましては、東海理化グループ全体で自然と共生する社会の実現に向けて活動しており、「あいち生物多様性企業認証」を取得しました。

 

 

<健康経営・ダイバーシティ活動の推進>

経済産業省と日本健康会議が実施する「健康経営優良法人2023」(ホワイト500)に4年連続で選定されると共に、厚生労働省の「くるみん認定制度」において、最高位の「プラチナくるみん」の認定を受けました。また、愛知県が女性活躍の推進に積極的に取り組む企業を認定する「あいち女性輝きカンパニー」の優良企業として受賞しました。

社員の多様性を互いに認め合う職場づくりに取り組んでいます。

 

<地域貢献への取り組み>

大口町の課題である耕作放棄地の活用と、障がい者活躍の場の提供を狙いとして、当社運営のいちご農園を開設し初の収穫を迎えました。

今後も地域課題に対して地域と共に取り組んでいきます。

 

<当期実績>

当連結会計年度の業績につきましては、連結売上高は553,124百万円と、前連結会計年度に比べ65,821百万円(13.5%)の増収となりました。利益につきましては、連結営業利益は16,656百万円と、前連結会計年度に比べ7,445百万円(80.8%)の増益となりました。連結経常利益は24,063百万円と、前連結会計年度に比べ8,506百万円(54.7%)の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は10,900百万円と、前連結会計年度に比べ7,331百万円(205.4%)の増益となりました。

 

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(日本)

半導体不足による客先生産台数の減少があったものの円安の影響などにより、売上高は270,297百万円と、前連結会計年度に比べ3,151百万円(1.2%)の増収となりました。営業損失は、合理化努力があったものの原材料の値上がりなどにより△9,765百万円(前連結会計年度比△3,564百万円)となりました。

 

(北米)

円安による為替換算上の影響などにより、売上高は133,519百万円と、前連結会計年度に比べ33,728百万円(33.8%)の増収となりました。営業利益は、原材料の価格高騰分の回収が進んだことなどにより3,347百万円(前連結会計年度比 7,095百万円)となりました。

 

(アジア)

客先生産台数の増加に加え、円安による為替換算上の影響などにより売上高は193,750百万円と、前連結会計年度に比べ29,373百万円(17.9%)の増収となりました。営業利益は、増収効果や合理化努力などにより22,558百万円と、前連結会計年度に比べ3,299百万円(17.1%)の増益となりました。

 

(その他)

売上高は40,357百万円と、前連結会計年度に比べ7,813百万円(24.0%)の増収となりました。営業利益は、1,741百万円と、前連結会計年度に比べ434百万円(33.2%)の増益となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、66,494百万円となり前連結会計年度末より12,640百万円増加いたしました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は前連結会計年度に比べ、12,078百万円増加し、26,755百万円となりました。

これは主に税金等調整前当期純利益が9,276百万円増加した結果であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は前連結会計年度に比べ、17,310百万円減少し、8,695百万円となりました。

これは投資有価証券の取得による支出が10,202百万円減少した結果であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は前連結会計年度に比べ、359百万円減少し、6,078百万円となりました。

これは主に非支配株主からの払込みによる収入が461百万円増加した結果であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

217,943

△0.6

北米(百万円)

132,131

30.6

アジア(百万円)

162,520

16.0

報告セグメント計(百万円)

512,595

11.3

その他(百万円)

40,342

24.5

合計(百万円)

552,938

12.2

 (注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

b.受注実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、トヨタ自動車株式会社をはじめとして、各納入先より四半期毎及び翌月の生産計画の提示を受け、当社グループ(当社及び連結子会社)の生産能力を勘案して生産計画をたて生産しております。このため、受注実績の記載を省略しております。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

215,779

△0.4

北米(百万円)

132,936

33.9

アジア(百万円)

164,410

18.3

報告セグメント計(百万円)

513,127

12.8

その他(百万円)

39,997

24.1

合計(百万円)

553,124

13.5

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

        2  最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

121,027

24.8

112,852

20.4

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は553,124百万円、営業利益は16,656百万円、経常利益は24,063百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10,900百万円となりました。

 上記の他、当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は66,494百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,640百万円増加いたしました。営業活動の結果獲得した資金が26,755百万円と前連結会計年度に比べ12,078百万円増加し、投資活動の結果使用した資金が8,695百万円と前連結会計年度に比べ17,310百万円減少し、財務活動の結果使用した資金が6,078百万円と前連結会計年度に比べ359百万円減少しております。

 上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは現在、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入等により資金調達することとしております。当連結会計年度末において、社債の残高は10,000百万円であります。

 当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

④経営目標の達成状況

当社は、経営目標の達成状況を判断するための客観的指標として営業利益を用いております。目標達成のために、会社別・項目別に収益改善計画を立て、活動に取り組んでおります。2022年4月27日に公表した業績予想と比較しまして、当連結会計年度の連結営業利益は北米を中心に原材料等の価格高騰分の回収が進んだことなどにより、6,656百万円の増益となりました。

 

2023年3月期

(予想)

2023年3月期

(実績)

増減

増減率(%)

売上高(百万円)

520,000

553,124

33,124

6.4

営業利益(百万円)

10,000

16,656

6,656

66.6

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)業務提携契約

契約会社名

相手方の名称(国名)

契約の内容

当社

豊田合成株式会社     (日本)

エアバッグ、シートベルト等を一体としたセイフティシステムの開発、設計、販売及び生産について豊田合成㈱と当社は提携して業務を行う。業務提携の範囲は日本国を含む全世界を適用範囲とする。

 

(2)共同経営契約

契約会社名

相手方の名称(国名)

契約の内容

契約期間

当社

豊田通商株式会社     (日本)

PT.TOYOTA TSUSHO INDONESIA

                 (インドネシア)

自動車用スイッチ、キーセット及びステアリングロック等の製造及び販売に関するトウカイリカインドネシア㈱の設立並びにその事業活動

自 2011年5月6日

至 当事者の合意解除

  等により本契約が

  終了する日

当社

信昌機械廠股份有限公司 (台湾)

無錫理昌科技有限公司  (中国)

PT.INDOSAFETY SENTOSA INDUSTRY

        (インドネシア)

自動車用シートベルトの製造及び販売に関するトウカイリカセイフティインドネシア㈱の設立並びにその事業活動

自 2012年12月1日

至 当事者の合意解除

  等により本契約が

  終了する日

 

 

6【研究開発活動】

 

 当社グループは、「お客様に喜ばれる商品を創造し、豊かな社会づくりに貢献する製品の開発」を目指し、人とふれあい対話する製品づくりを通じて豊かな社会づくりに貢献し、新たな価値を提供する商品開発に取組んでおります。

 主な事業領域である自動車用部品に中心に、新規事業であるコンシューマー市場に向けても、多様な市場ニーズへの対応や、地球環境問題への対応などを提案の機会と捉え、技術開発力を強化し、商品力の向上と価格競争力の確保を目指した現有製品の改良開発および時代を先取りした新製品の開発に取組んでおります。

 その結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は、29,080百万円となっております。

 

 種々の自動車用スイッチやシフトレバーなどの入力装置を発展させたHMI(Human Machine Interface)製品、キーロックに電子技術を適用したセキュリティシステム製品、シートベルトや自動車用ミラーなどセイフティシステム製品、自動車用部品開発で培った技術や知見などを応用した新規事業分野の製品を中心に、魅力ある新製品開発及び要素技術開発に取組みました。

 

 最近の主な取組みと成果としましては、HMIシステム関連では、ディスプレイと表示連携した静電タッチステアリングスイッチ、自動運転時にステアリング把持状態を検知するステアリング把持センサを開発しました。また、従来のドアハンドルを置き換えて車両のデザイン性を向上するリアドアオープナースイッチ、シームレスデザインを実現したブラックアウトヒーターコントロールスイッチや、車両の盗難防止に貢献する指紋認証スタートスイッチを開発しました。また、標準化や低コスト化を進めたATシフトレバーや、EV車などクルマの進化に合わせた機電一体型の小型シフトバイワイヤシフターを開発しました。その他、シフトバイワイヤシフターのバリエーション開発も進めております。

 セキュリティシステム関連では、新しい盗難対策を施したスマートキーシステム、低価格車向けスマートキーシステムの開発と展開を進めております。

 セイフティシステム関連では、小型化ニーズに応えた次期標準のリトラクタや、乗員保護性能を高めるロッキングタングを搭載したシートベルトの開発に取り組んでおります。さらに、社会課題である「園児の通園バスへの置き去り」を防止する安全装置の設置義務化に対応し、既存の車両に後付け設置が可能で、シンプルな操作が特徴の「車内置き去り防止支援システム」を開発しました。

コンシューマー向け関連では、デジタルキービジネスの拡大として、Bqey(社用車管理システム)には「アルコールチェッカーとの連携や車両稼働状況の見える化」をはじめとした機能を順次追加しており、今後もアルコールチェックとエンジン始動の連携を可能にするなど、より使いやすいサービスへと改善してまいります。また、新たにUqey(レンタカー向けサービス)も開始しました。また、シートベルトの端材などを利用してSDGsに貢献するアップサイクルブランドを立ち上げ、鞄やペンケースなど商品を拡充しております。他にも、クルマの部品を70年以上創り続ける過程で培ってきた高品質なモノづくりやコア技術で、ゲーミングギア市場の課題の解決と新たな価値を創造していくゲーミングギアブランドの立ち上げ、いろいろな特性をもつ子どもたちのための「学習の入り口」を提供する発達支援デジタル教材、“感動をかたちに”をテーマとして展開する新しいライフスタイルブランドからインテリアの1つとしても存在感を与えるボールペンの発売、地元である大口町への地域貢献と活性化の取り組みとしていちごの生産も開始いたしました。車載以外への商品開発の取組みも強化しております。

 モノづくりへの取り組みでは、カーボンニュートラルへの貢献と生産効率の向上を実現するために、型内塗装技術の開発に取り組んでおります。

 

 グローバルな技術開発体制としては、日本において先行開発や要素技術開発を行い、北米・欧州・中国の各拠点においては地域ニーズの把握、地域最適を目指した企画提案や製品開発を行っております。

 このような活動による研究開発費は、日本セグメント28,900百万円、北米セグメント180百万円になっております。