第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、所得や雇用の改善や輸出を中心とした生産活動の持ち直しにより緩やかな回復基調で推移いたしました。海外におきましては、米国での新政権の政策運営動向、英国のEU離脱問題、中国や新興国の経済減速及び地政学リスクの高まりなどが懸念材料となり、先行きは不透明な状況が続いております。

 このような環境において、当社グループは、収益基盤の安定及び売上規模の拡大を図るための施策を展開するとともに、次世代に向けたコンデンサ開発のために経営資源を集中し、今後の継続的な事業の成長のための開発及び投資を進めております。当連結会計年度は、コンデンサ・モジュールでの売上減少等により、連結売上高は209億3千3百万円(前年同期比3.7%減)となりました。損益につきましては、売上規模の減少に加え、電力機器システムでの高採算商品の減少等により、営業利益14億5千6百万円(前年同期比31.5%減)、経常利益17億6千6百万円(前年同期比21.1%減)となり、加えて、過去に納めた電気二重層コンデンサの一部に発生した不具合に対しての改修費用の見積計上等を行った影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は9億2千5百万円(前年同期比26.2%減)となりました。

 なお、セグメント別での結果は次のとおりであります。

・コンデンサ・モジュール

 新エネルギー関連の減少により、売上高は135億6千1百万円(前年同期比5.1%減)となりました。

・電力機器システム

 省エネ・電力品質改善機器は堅調に推移いたしましたが、瞬時電圧低下補償装置は前年同期比で減少いたしました。

 結果、売上高は69億1千9百万円(前年同期比2.1%減)となりました。

・情報機器システム

 主力商品であるバス用表示装置が堅調に推移いたしました。結果、売上高は4億5千2百万円(前年同期比19.5%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億2千2百万円増加し、69億1百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、3千3百万円の収入となり、前期比11億6千7百万円の収入の減少となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少、利息負担軽減のため割引を中止したことによる、売上債権の増加等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、13億7千4百万円の支出となり、前期比13億2千2百万円の支出の増加となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出の増加等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、18億5千9百万円の収入となり、前期比22億2百万円の収入の増加となりました。これは主に、自己株式の処分による収入の増加等によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

コンデンサ・モジュール

11,889,777

△16.5

電力機器システム

6,510,211

△8.4

情報機器システム

453,006

19.8

合計

18,852,995

△13.2

 (注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

コンデンサ・モジュール

13,141,351

△11.4

2,777,731

△13.1

電力機器システム

6,724,565

△4.6

803,076

△19.5

情報機器システム

454,141

26.3

106,646

1.8

合計

20,320,058

△8.6

3,687,453

△14.3

 (注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

コンデンサ・モジュール

13,561,140

△5.1

電力機器システム

6,919,616

△2.1

情報機器システム

452,266

19.5

合計

20,933,023

△3.7

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合

販売高(千円)

割合

三菱電機株式会社

2,849,648

13.1%

2,827,917

13.5%

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループは「夢と存在感のある指月を創る」を経営指針として、中長期経営計画(AIM2018)に掲げた経営戦略に沿って、事業の展開と経営体質の強化を図っております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.中長期視点での事業展開に向けた着実な布石

 欧州排ガス規制強化や新興国での環境問題の顕在化等によりエコカー需要が急拡大しており、電気自動車用コンデンサは今後の大きな成長が期待できる分野です。

 これに対応するため、当社は岡山地区に、電気自動車コンデンサの専用工場を建設中です。

 

2.経営体質の強化と収益性向上への取組み

 当社は、グループの最優先課題として、「安全と品質の確保・向上」を掲げ、組織・活動と併せ風土改革にも取り組んでおります。

 事業面では、収益性の高い電力機器システムの商品力及び拡販のための体制強化を重点に省エネや電力品質の向上を図る一方、生産面においては当社の特徴であるお客様が求められる物を求められる時に提供するフレキシブルな対応体制に一層磨きをかけるため、工場内の改善を積極的に実施してまいります。

 また、これらを支えるため要となる基幹情報システムの再構築を実施し、商品開発・生産管理等に至る業務改革や生産性向上を指向することで、経営体質の強化と収益性の向上に取組んでおります

 

3.対処すべき課題

1)中長期視点での事業展開に向けた着実な布石

 欧州排ガス規制強化や新興国での環境問題の顕在化等によりエコカー需要が急拡大しており電気自動車用コンデンサは今後の大きな成長が期待できる分野と位置づけしております。これに対応するため、当社は岡山地区に、電気自動車用コンデンサの専用工場を建設中であり、さらに平成28年10月㈱村田製作所との合弁で設立した「㈱村田指月FCソリューションズ」では、耐熱性に優れ電気自動車用冷却機構の簡素化に貢献できる次世代コンデンサの開発と事業化に取り組んでおります。

2)経営体質の強化と収益性向上への取組み

 当社は、グループの最優先課題として、「安全と品質の確保・向上」を掲げ組織・活動と併せ風土改革にも取り組んでおります。

 事業面では、収益性の高い電力機器システムの商品力及び拡販のための体制強化を重点に省エネや電力品質の向上を図る一方、生産面においては当社の特徴であるお客様が求められる物を求められる時に提供するフレキシブルな対応体制に一層磨きをかけるため、工場内の改善を積極的に実施してまいります。

 また、これらを支えるため要となる基幹情報システムの再構築を実施し、商品開発・生産管理等に至る業務改革や生産性向上を指向することで、経営体質の強化と収益性の向上に取組んでおります。

3)コンプライアンス重視の企業風土

 昨今、多くの企業においてコンプライアンス問題が相変わらず後を絶ちません。当社は平成27年に全面改訂した「指月グループコンプライアンス憲章」をグループ全従業員に浸透させ自らを厳しく律する企業風土の醸成により企業倫理の実現を図ります。また、情報公開に関しては適正でタイムリーな発信を行い、社会的責任を全うしていきます。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には主に以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)大株主との関係について

① 三菱電機株式会社は発行済株式総数に対し21.1%の当社株式を保有しております。この持株比率は、近年殆ど変化はありません。

 なお、三菱電機株式会社及びその関連会社が占める当社グループの取引依存度は例年15%程度(当連結会計年度は13.5%)で、電機メーカーを中心とする他の大手取引先企業グループの依存度に比べ突出したものではなく、取引条件も市場価格を基に、個別に価格交渉の上、一般的取引条件と同様に決定しております。当社は取引先が一企業グループに偏る営業リスクを避けるため、多くの企業、企業グループの取引構成となるよう努力をしております。

② 平成28年10月3日、当社が株式会社村田製作所に対して第三者割当による自己株式処分を行ったことにより、株式会社村田製作所は発行済株式総数の13.5%を保有しております。

 株式会社村田製作所とは以前より両社の独自性を確保しつつ経営資源の結集を図り、共同でのマーケティング、商品開発、販売及び株式会社村田製作所が保有するセラミックコンデンサ技術と当社が保有するフィルムコンデンサ技術を融合させた新素材の共同開発を推進してまいりました。今回の第三者割当による自己株式処分の目的は、両社の信頼関係の強化と新素材を使用した新商品開発を加速させるためのものであります。

(2)顧客の生産活動の動向による影響について

 当社グループの顧客の大部分はメーカーであり、当社グループの業績は顧客の設備投資や生産計画によって、大きな影響を受ける可能性があります。このリスクを最小限にするため、市場動向を見極めるとともに顧客情報の収集及び蓄積により、顧客満足度を向上させる商品をタイムリーに提供する事に努めております。

(3)商品の品質と責任による影響について

 当社は品質管理体制を整え、多種商品を製造しておりますが、商品に欠陥などの問題が生じる場合が
あります。このような場合、欠陥に起因し顧客が被った損害の賠償責任が発生する可能性があるとともに、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、特定顧客に納入した一部製品の不具合について、損害の賠償責任が明確と判断する部分につき見積り計上しております。

(4)為替相場の変動による影響について

 当社グループの海外営業取引には、外貨建て取引が含まれており、国内外の経済情勢の変化に起因する円高局面等においては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 (5)海外進出に潜在するリスクについて

 当社グループは、海外事業を拡大すべく、米国(ネブラスカ州)、中国(上海)、タイ(バンコク)で製品の現地生産及び販売などの海外展開を行っております。今後の海外市場への事業進出には、1)予期しない法律又は税制の変更、2)不利な政治又は経済要因、3)テロ、戦争、その他の社会的混乱、等のリスクが内在しています。従って、これらの事象が起きれば、当社グループの事業の遂行に影響を与える可能性があります。

(6)災害や停電等による影響について

 当社グループの製造工場では、災害や停電等の予期せぬリスクを最小限にするため、災害を想定した建屋保全、部材・製品保管及び発生時の対応体制等、危機管理ルールを作り対応する配慮を行っております。しかし、これら想定を上回る災害、停電等で生産活動に支障が生じる可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループは、電気エネルギーのマネジメントで、環境と社会へ貢献することを基本とした商品及び要素技術の開発を積極的に行っております。

 現在、研究開発は、コンデンサ開発部、電力システム開発部、情報機器技術課を設け、市場のニーズに対し、機敏に応えることができる組織体制とし、また各子会社の開発部門との連携により今まで以上に商品開発のスピードアップを図っております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4億4千3百万円であります。

当連結会計年度における各事業の研究目的、主要取組、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 (1)コンデンサ・モジュール

 電動化車両(xEV)、鉄道車両、大型産業機器等のインバータ回路用コンデンサに要求される高い品質・機能・信頼性・安全性と、コスト最適を狙った小型軽量化・高エネルギー密度化されたパワエレ用フィルムコンデンサの開発に継続して注力してまいりました。

 また、電力市場では、海外規格対応の高圧進相用コンデンサの開発に注力し、海外市場の開拓を進めています。

 今後は、各種用途における最適設計を更に追求し、機能の追加や使い易さを向上させ、商品力を高めて参ります。

 当事業に係る研究開発費は4億1百万円であります。

 (2)電力機器システム

 電力(鉄道を含む)分野でのエネルギー有効利用・力率改善・電力品質改善・安全対策に関連する商品開発を推進してまいりました。

 その成果として、昇降機、工作機械など変動負荷の回生エネルギー有効利用・ピークカット・負荷平準化などのニーズに応える「パワーマネージメント装置」のSiC(シリコンカーバイト)モジュ-ル搭載により小型・高効率品の開発や用途別ラインナップを拡張いたしました。また昨今、普及の著しい省エネ・節電・CO2削減などを目的とするインバータの高調波問題を解消する小型・安価な「小容量アクティブフィルタ」のラインナップの拡張や、設備予防保全の重要度の高まりから、分散設置のニーズに対応した小容量品や海外市場向の三相四線式品、さらに長時間補償を可能にするリチウムイオンバッテリ-式「瞬時電圧低下・短時間停電補償装置」の開発などラインナップ拡張を積極的に取り組んでまいりました。

 鉄道地上設備においても直流き電回路の保護装置や、交流き電回路で使用される直列コンデンサなどの商品力強化を図り、お客様のご要望に応える小型・安価な商品を開発いたしました。

 今後も、当社のパワエレ技術をベースとして、高電圧直流給電や蓄電システムを含めたエネルギーマネージメントシステムなど、電力品質の向上、エネルギー有効利用に役立つ新商品の開発を推進してまいります。

 当事業に係る研究開発費は4千1百万円であります。

 (3)情報機器システム

 バス、鉄道等の交通機関を中心に、情報案内システムの開発・商品化に取り組んでまいりました。

 当期の主な活動は、バス搭載用の運行システムのラインナップを充実すべく開発を進めました。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。
 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、経営者は見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や現状等を考慮して合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度は原材料等の高騰、販売価格競争の激化及び円高による為替相場の変動と厳しい経営の舵取りを迫られる中、新商品開発、拡販及び原価低減活動に取り組んだ結果、売上高は209億3千3百万円(前年同期比3.7%減)となり、売上原価率72.1%(同2.5%増)、営業利益率7.0%(同2.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億2千5百万円(同26.2%減)となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 地政学リスクの高まりや、中国・東南アジアメーカー参入による価格競争の激化、為替の変動及び国内外の景気動向等の懸念材料はあるものの、環境共生・電力の自由化・新エネルギー(風力・太陽光・燃料電池)の積極的な活用・高齢化対策等の動きは益々活発となり、新たなニーズにより当社グループの事業拡大が可能な状況になるものと思われます。
 当社グループとしては、この様な市場環境の変化への対応、及び新たな事業領域の確立のため「攻めの経営を展開」すべく、2013年度から2018年度まで6ヶ年の中長期経営計画「AIM2018」の策定や㈱村田製作所との合弁会社の設立など、次のステップに向けた事業基盤強化を図っております。

 

(4)財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産残高は、21億6千6百万円増加し、155億9千万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加5億2千2百万円、受取手形及び売掛金の増加8億2百万円、電子記録債権の増加8億3千8百万円等によるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産残高は、4億9千万円増加し、126億5千9百万円となりました。これは主に、岡山指月㈱内に建設中の工場建屋や生産設備等の建設仮勘定の増加6億5千万円等によるものであります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債残高は、2億7千5百万円減少し、35億2千1百万円となりました。これは主に、未払費用等の減少1億8千7百万円等によるものであります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債残高は、1億2百万円減少し、21億1千8百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債の減少1億8千6百万円等によるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産残高は、30億3千5百万円増加し、226億9百万円となりました。これは主に、自己株式処分差益による資本剰余金の増加9億6千7百万円、利益剰余金の増加5億7千2百万円、自己株式の減少12億2千5百万円等によるものであります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローについては、「1業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載しております。

前連結会計年度及び当連結会計年度における当社グループの主要な経営指標は下記のとおりであります。

指標

 

前連結会計年度

当連結会計年度

① 総資産経常利益率

8.8

6.6

② 売上高総利益率

30.3

27.9

③ 売上高営業利益率

9.8

7.0

④ 売上高経常利益率

10.3

8.4

⑤ 売上高当期純利益率

5.8

4.4

⑥ 当座比率

311.4

397.2

⑦ 流動比率

353.5

442.7

⑧ 自己資本比率

75.7

79.1

⑨ 総資産回転率

回転

0.9

0.8

⑩ 売掛債権回転率

回転

4.0

3.0

⑪ たな卸資産回転率

回転

17.6

17.0