当社グループは「夢と存在感のある指月を創る」を経営指針として、事業の展開と経営体質の強化を図っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.品質向上に繋がるグループ全体の開発技術力の強化
商品の設計開発段階でのデザインレビューの方法を見直し、組織の枠を超えてグループ全体の専門家が保有する英知を結集して品質向上を図って参ります。
また、新たな研究棟を兵庫県西宮市に建設して開発環境を整備し、グループの開発リソースを集中することにより技術知見の深化と進化の取り組みを図り、品質の向上と競争力のある商品を開発して参ります。
2.中長期視点での事業展開に向けた取り組み
欧州排ガス規制強化や新興国での環境問題の顕在化等によりエコカー需要が急拡大しており、電気自動車用コンデンサは今後の大きな成長が期待できる分野と位置づけしております。これに対応するため、当社は岡山県総社市に、電気自動車用コンデンサの専用工場を建設し、量産・出荷を開始いたしました。さらに平成28年10月㈱村田製作所との合弁で設立した「㈱村田指月FCソリューションズ」においても、耐熱性に優れた次世代コンデンサのサンプル供給を開始し、事業拡大に向けた取り組みを開始しております。
このような将来に向けた取り組みを基盤に、当社グループでは目下、長期経営ビジョン並びに次期中期経営計画を策定中であり、経営指針の実現に向けた積極的な取り組みを行って参ります。
3.コンプライアンス重視の企業風土
昨今、多くの企業においてコンプライアンス問題が相変わらず後を絶ちません。当社は平成27年に全面改訂した「指月グループコンプライアンス憲章」をグループ全従業員に浸透させ、自らを厳しく律する企業風土の醸成により企業倫理の実現を図ります。また、情報公開に関しては適正でタイムリーな発信を行い、社会的責任を全うしていきます。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には主に以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)大株主との関係について
① 三菱電機株式会社は発行済株式総数に対し21.1%の当社株式を保有しております。この持株比率は、近年殆ど変化はありません。
なお、三菱電機株式会社及びその関連会社が占める当社グループの取引依存度は例年15%程度(当連結会計年度は12.4%)で、電機メーカーを中心とする他の大手取引先企業グループの依存度に比べ突出したものではなく、取引条件も市場価格を基に、個別に価格交渉の上、一般的取引条件と同様に決定しております。当社は取引先が一企業グループに偏る営業リスクを避けるため、多くの企業、企業グループの取引構成となるよう努力をしております。
② 平成28年10月3日、当社が株式会社村田製作所に対して第三者割当による自己株式処分を行ったことにより、株式会社村田製作所は発行済株式総数の13.5%を保有しております。
株式会社村田製作所とは以前より両社の独自性を確保しつつ経営資源の結集を図り、共同でのマーケティング、商品開発、販売及び株式会社村田製作所が保有するセラミックコンデンサ技術と当社が保有するフィルムコンデンサ技術を融合させた新素材の共同開発を推進してまいりました。今回の第三者割当による自己株式処分の目的は、両社の信頼関係の強化と新素材を使用した新商品開発を加速させるためのものであります。
(2)顧客の生産活動の動向による影響について
当社グループの顧客の大部分はメーカーであり、当社グループの業績は顧客の設備投資や生産計画によって、大きな影響を受ける可能性があります。このリスクを最小限にするため、市場動向を見極めるとともに顧客情報の収集及び蓄積により、顧客満足度を向上させる商品をタイムリーに提供する事に努めております。
(3)商品の品質と責任による影響について
当社は品質管理体制を整え、多種商品を製造しておりますが、商品に欠陥などの問題が生じる場合が
あります。このような場合、欠陥に起因し顧客が被った損害の賠償責任が発生する可能性があるとともに、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、特定顧客に納入した一部製品の不具合について、損害の賠償責任が明確と判断する部分につき見積り計上しております。
(4)為替相場の変動による影響について
当社グループの海外営業取引には、外貨建て取引が含まれており、国内外の経済情勢の変化に起因する円高局面等においては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)海外進出に潜在するリスクについて
当社グループは、海外事業を拡大すべく、米国(ネブラスカ州)、中国(上海)、タイ(バンコク)で製品の現地生産及び販売などの海外展開を行っております。今後の海外市場への事業進出には、1)予期しない法律又は税制の変更、2)不利な政治又は経済要因、3)テロ、戦争、その他の社会的混乱、等のリスクが内在しています。従って、これらの事象が起きれば、当社グループの事業の遂行に影響を与える可能性があります。
(6)災害や停電等による影響について
当社グループの製造工場では、災害や停電等の予期せぬリスクを最小限にするため、災害を想定した建屋保全、部材・製品保管及び発生時の対応体制等、危機管理ルールを作り対応する配慮を行っております。しかし、これら想定を上回る災害、停電等で生産活動に支障が生じる可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、所得や雇用の改善ならびに設備投資に持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。海外におきましては、米国の政策動向、地政学的リスク、米中間の経済摩擦の高まりなどの懸念材料が浮き彫りとなり、先行き不透明な状況が続いております。
このような環境において、当社グループは、受注・売上の確保、収益改善活動に努めてまいりましたが、情報機器システム事業を事業譲渡した影響等により、連結売上高は201億6千8百万円(前年同期比3.7%減)となりました。損益につきましては、売上規模の減少に加え、販売費及び一般管理費の増加等により、営業利益は12億1千9百万円(前年同期比16.3%減)、経常利益は15億4百万円(前年同期比14.8%減)となりました。また、情報機器システム事業の事業譲渡に伴う譲渡益や、支店移転に伴う固定資産売却益等を特別利益に計上した一方、特定顧客に納入した一部製品に関する不具合の改修費用を特別損失に見積計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は8千7百万円(前年同期比90.6%減)となりました。
なお、セグメント別での結果は次のとおりであります。
・コンデンサ・モジュール
ハイブリッド自動車用コンデンサは好調に推移いたしましたが、新エネルギー関連の減少により、売上高は133億6千万円(前年同期比1.5%減)となりました。
・電力機器システム
力率改善装置は堅調に推移いたしましたが、アクティブフィルタ等の電力品質改善装置が前年同期比で減少いたしました。結果、売上高は66億5千2百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
・情報機器システム
当連結会計年度に同事業を事業譲渡いたしました。結果、売上高は1億5千4百万円(前年同期比65.8%減)となりました。
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産残高は、2億2千6百万円増加し、158億1千6百万円となりました。これは主に、商品及び製品の増加1億2千2百万円、繰延税金資産の増加1億1千3百万円等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産残高は、6億6千9百万円増加し、133億2千8百万円となりました。これは主に、岡山指月㈱内に建設しました電気自動車用コンデンサの専用工場等による建物及び構築物の増加7億6千4百万円等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債残高は、7億7千3百万円増加し、42億9千5百万円となりました。これは主に、未払費用の増加7億7千3百万円等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債残高は、3億4千8百万円増加し、24億6千7百万円となりました。これは主に、長期未払費用の増加4億8千1百万円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産残高は、2億2千7百万円減少し、223億8千2百万円となりました。これは主に、利益剰余金の減少11億円、土地再評価差額金の増加8億2千4百万円等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3億7百万円減少し、65億9千4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、14億2百万円の収入となり、前期比13億6千9百万円の収入の増加となりました。これは主に、売上債権の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、13億6千5百万円の支出となり、前期比9百万円の支出の減少となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出の増加、関連会社への貸付け等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、3億7千8百万円の支出となり、前期比22億3千7百万円の支出の増加となりました。これは主に、前期に実施した自己株式の処分の影響等によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
コンデンサ・モジュール |
12,001,146 |
0.9 |
|
電力機器システム |
6,420,002 |
△1.4 |
|
情報機器システム |
93,794 |
△79.3 |
|
合計 |
18,514,943 |
△1.8 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
コンデンサ・モジュール |
13,831,057 |
5.2 |
3,248,202 |
16.9 |
|
電力機器システム |
7,406,259 |
10.1 |
1,556,726 |
93.8 |
|
情報機器システム |
48,233 |
△89.4 |
- |
△100.0 |
|
合計 |
21,285,550 |
4.8 |
4,804,929 |
30.3 |
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
コンデンサ・モジュール |
13,360,586 |
△1.5 |
|
電力機器システム |
6,652,609 |
△3.9 |
|
情報機器システム |
154,879 |
△65.8 |
|
合計 |
20,168,075 |
△3.7 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(千円) |
割合 |
金額(千円) |
割合 |
|
|
三菱電機株式会社 |
2,827,917 |
13.5% |
2,493,266 |
12.4% |
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績当の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、経営者は見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や現状等を考慮して合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フローについては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
次期の当社グループの資金需要については、主に、新たな研究棟の建設及び自動車用コンデンサの生産増強体制の確立のための設備投資を予定しております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは「夢と存在感のある指月を創る」を経営方針として、2018年度を最終年度とする中長期経営計画及び只今、策定中であります新中期経営計画を柱に、事業の展開と経営体質の強化を図ってまいります。
当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
|
指標 |
当連結会計年度 (計画) |
当連結会計年度 (実績) |
当連結会計年度(計画比) |
|
売上高 |
21,000百万円 |
20,168百万円 |
831百万円減(4.0%減) |
|
営業利益 |
1,460百万円 |
1,219百万円 |
240百万円減(16.5%減) |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
950百万円 |
87百万円 |
862百万円減(90.8%減) |
⑥セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・コンデンサ・モジュール
自動車市場では、新機種の量産立上げと従来機種の増産により、ハイブリッド自動車用の売上高が好調に推移いたしました。一方で、太陽光市場では、北米のメガソーラー及び家庭用のパワーコンディショナについて、客先減産の影響を受け、大幅な売上高の減少となりました。以上の要因等の結果、売上高は133億6千万円(前年同期比1.5%減)となりました。また、売上規模減少の他、岡山指月㈱でのハイブリッド自動車用新工場の立ち上げや量産体制構築等、将来に向けての先行投資的費用の影響もあり、営業利益は7億6千2百万円(前年同期比18.4%減)となりました。
・電力機器システム
力率改善装置は需要が高まり、堅調に推移いたしましたが、高調波抑制装置の大口案件が減少し、売上高は66億5千2百万円(前年同期比3.9%減)となりました。売上高の減少により、営業利益は19億1千5百万円(前年同期比3.1%減)となりました。
・情報機器システム
選択と集中の観点から経営資源を集中し、商品力強化による成長を図るために、情報機器システム事業を平成29年9月30日をもって事業譲渡いたしました。結果、売上高は1億5千4百万円(前年同期比65.8%減)、営業利益は2千1百万円(前年同期比75.3%減)となりました。
当社は、平成29年7月7日開催の取締役会において、当社の情報機器システム事業を株式会社小田原機器に事業譲渡することについて決議を行い、同日付で事業譲渡契約を締結し、平成29年9月30日付で事業を譲渡しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループは、電気エネルギーのマネジメントで、環境と社会へ貢献することを基本とした商品及び要素技術の開発を積極的に行っております。
現在、研究開発は、コンデンサ開発部、電力開発課、システム開発課を設け、市場のニーズに対し、機敏に応えることができる組織体制とし、また各子会社の開発部門との連携により今まで以上に商品開発のスピードアップを図っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4億3千万円であります。
当連結会計年度における各事業の研究目的、主要取組、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)コンデンサ・モジュール
電動化車両(xEV)、鉄道車両、大型産業機器等のインバータ回路用コンデンサに要求される高い品質・機能・信頼性・安全性と、コスト最適を狙った小型軽量化・高エネルギー密度化されたパワエレ用フィルムコンデンサの開発に継続して注力してまいりました。
また、電力市場では、海外規格対応の高圧進相用コンデンサの開発、自動車市場では高耐熱フィルムコンデンサの開発に注力し、市場の開拓を進めております。
今後は、各種用途における最適設計の追求、機能向上により更なる商品力の強化を進めてまいります。
当事業に係る研究開発費は3億7千5百万円であります。
(2)電力機器システム
電力システム(鉄道を含む)分野でのエネルギー有効利用・力率改善・電力品質改善・安全対策に関連する商品開発を推進してまいりました。
電力機器においては、海外電力市場(進相用、SVC用など)に適合した海外規格品で、海外メーカーに対抗出来る小型・低価格の電力用コンデンサの開発を進め、商品ラインナップの拡充に取り組んでおります。また、海外で普及しているコンデンサ保護装置の開発が完了し、電力用コンデンサ・リアクトル・保護装置をセット販売出来るようにしました。国内鉄道地上設備においても、大規模な地絡故障を未然に防ぐ「き電保護パック」を正式にご採用いただけることになり、重要輸送インフラの安全性向上に貢献しております。
システム機器においては、設備予防保全の重要性から、特にFA、半導体市場向けの分散設置、製造装置組込み式のニーズに対応した「ラック式小容量瞬低補償装置」や、長時間補償を可能にするリチウムイオンバッテリー式「瞬時電圧低下・短時間停電補償装置」の商品化など、市場のニーズに合わせた幅広いラインナップ拡張、平常時の電力平準化・再生可能エネルギーの活用・災害時のBCP対策など、様々なエネルギーの課題を解決するための「リチウムイオンバッテリ-蓄電システム」の開発やSiC(シリコンカーバイト)等の次世代半導体を適用した要素技術、新商品の研究・開発を積極的に取り組んでまいりました。
今後も、当社のコンデンサ技術とパワエレ技術をベースとして、エネルギーマネージメントシステムなど、電力品質の向上、エネルギー有効利用に役立つ新商品の研究・開発を推進してまいります。
当事業に係る研究開発費は5千5百万円であります。