第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループは、2028年度を最終年とする長期経営ビジョンを策定し、その実現に向けた中期経営計画を3期に分けて策定しました。第Ⅰ期は、2019年度~2021年度の3年間とし、産業機器、自動車機器、電力機器(力率・品質改善)、環境・省エネ機器の事業推進を重点施策と定めております。

 「100年企業」に向けた経営基盤の確立に努め中期経営計画の第Ⅱ期、第Ⅲ期を見据えた持続的な成長を目指していきます。

 新型コロナウイルスの影響により、厳しい経営環境が続く見込みではありますが、引き続き、成長事業への投資、収益力確保に向けたコスト低減に努めるとともに、事業運営上の重点施策として、技術開発(コア技術の深化、小型化・簡素化・最適化の実現)、品質改革(お客様に信頼頂ける品質体制の強化)、業務刷新(グループ全体の組織運営の効率化)、能力向上(人財獲得育成、教育及び研鑽機会の提供)等の改善に取組んでまいります。

 

報告セグメントにおける取組み

・コンデンサ・モジュール
 自動車機器は、カーボンニュートラルの実現に向け、将来的なガソリン車の販売禁止などの影響により、電気自動車(ハイブリッド車を含む)の市場は、今後一層加速していく成長市場であると見込んでおります。開発と事業強化のための投資を実施し、合わせて収益性の向上も図ってまいります。

 産業機器は、新型コロナウイルスの影響により厳しい状況ではありますが、収束後には、再び成長する市場であると見込んでおり、引き続き、技術開発や品質向上に努めてまいります。

・電力機器システム
 同市場は、新型コロナウイルスの影響により厳しい状況でありますが、電力機器(力率・品質改善)は、市場ニーズを把握した開発を実施し、シェアの拡大を図ってまいります。
 環境・省エネ機器は、環境・省エネ市場の創出とお客様のニーズに応え、安全・安心で安定した電力供給の需要が期待されておりシェア拡大を進めてまいります。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)大株主との関係について

① 三菱電機株式会社は発行済株式総数に対し21.1%の当社株式を保有しております。この持株比率は、近年殆ど変化はありません。

 なお、三菱電機株式会社及びその関連会社が占める当社グループの取引依存度は例年20%程度(当連結会計年度は21.9%)で、電機メーカーを中心とする他の大手取引先企業グループの依存度に比べ突出したものではなく、取引条件も市場価格を基に、個別に価格交渉の上、一般的取引条件と同様に決定しております。当社は取引先が一企業グループに偏る営業リスクを避けるため、多くの企業、企業グループの取引構成となるよう努力をしております。

② 2016年10月3日、当社が株式会社村田製作所に対して第三者割当による自己株式処分を行ったことにより、株式会社村田製作所は発行済株式総数の13.5%を保有しております。

 株式会社村田製作所とは以前より両社の独自性を確保しつつ経営資源の結集を図り、共同でのマーケティング、商品開発、販売及び株式会社村田製作所が保有するセラミックコンデンサ技術と当社が保有するフィルムコンデンサ技術を融合させた新素材の共同開発を推進してまいりました。第三者割当による自己株式処分の目的は、両社の信頼関係の強化と新素材を使用した新商品開発を加速させるためのものであります。

(2)顧客の生産活動の動向による影響について

 当社グループの顧客の大部分はメーカーであり、当社グループの業績は顧客の設備投資や生産計画によって、大きな影響を受ける可能性があります。このリスクを最小限にするため、市場動向を見極めるとともに顧客情報の収集及び蓄積により、顧客満足度を向上させる商品をタイムリーに提供する事に努めております。

(3)商品の品質と責任による影響について

 当社は品質管理体制を整え、多種商品を製造しておりますが、商品に欠陥などの問題が生じる場合が
あります。このような場合、欠陥に起因し顧客が被った損害の賠償責任が発生する可能性があるとともに、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、特定顧客に納入した一部製品の不具合について、損害の賠償責任が明確と判断する部分につき見積り計上しております。

(4)為替相場の変動による影響について

 当社グループの海外営業取引には、外貨建て取引が含まれており、国内外の経済情勢の変化に起因する円高局面等においては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 (5)海外進出に潜在するリスクについて

 当社グループは、海外事業を拡大すべく、米国(ネブラスカ州)、中国(上海)、タイ(バンコク)で製品の現地生産及び販売などの海外展開を行っております。今後の海外市場への事業進出には、1)予期しない法律又は税制の変更、2)不利な政治又は経済要因、3)テロ、戦争、その他の社会的混乱、等のリスクが内在しています。従って、これらの事象が起きれば、当社グループの事業の遂行に影響を与える可能性があります。

(6)災害、パンデミック、停電等による影響について

 当社グループでは、災害、感染症によるパンデミック、停電等の予期せぬリスクを最小限にするため、災害を想定した建屋保全、部材・製品保管及び発生時の対応体制、リモートワーク等による人材の安全確保等、危機管理ルールを作り対応する配慮を行っております。しかし、これら想定を上回る災害、パンデミック、停電等の影響により生産活動に支障が生じる可能性があります。

(7)新型コロナウイルス感染症の感染拡大について

 当社グループでは、世界的に流行している新型コロナウイルス感染症に対して、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、従業員、顧客及び取引先の安全を第一に考え、感染拡大を最大限防ぎながら、社業を通して取引先、社会に貢献することに努めております。具体的には、政府・自治体の方針に基づき、時差出退勤やテレワークの実施、国内出張の原則禁止や宴席・会食等の自粛等を実施してまいりました。しかしながら、今後事態が長期化した場合、世界的な経済活動の停滞に伴い売上が減少する等、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済活動の制限により、企業の生産活動及び個人消費が低迷し、非常に厳しい状況で推移しました。経済活動が徐々に再開する中で緩やかな回復の兆しがある一方、未だに感染の収束は見通せず、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような経済環境の中、当連結会計年度におきましては、当社の重点事業である、産業機器、自動車機器、電力機器(力率・品質改善)、環境・省エネ機器の各事業の売上拡大に努めると共に、将来の成長を目指した技術力の強化、生産能力拡充に向けた投資を継続しつつ、収益力確保に向けたコスト削減に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の連結売上高は21,827百万円(前年度比7.5%減)、損益につきましては、営業利益698百万円(前年度比40.9%減)、経常利益1,109百万円(前年度比19.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,158百万円(前年度比64.3%増)となりました。

 なお、セグメント別での結果は次のとおりであります。

 コンデンサ・モジュールでは、xEV用コンデンサは好調に推移し、前年度比で増収となったものの、電鉄車両や大型パワエレ等の産業機器用コンデンサが国内・国外ともに減少した結果、売上高は15,550百万円(前年度比2.0%減)となりました。

 電力機器システムでは、力率改善装置及び電力品質改善装置は設備投資の需要が減少し、低調に推移いたしました。結果、売上高は6,277百万円(前年度比18.7%減)となりました。

 

財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産残高は、442百万円増加し、15,429百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加974百万円、受取手形及び売掛金の減少263百万円等によるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産残高は、892百万円増加し、15,925百万円となりました。これは主に、投資有価証券の増加578百万円、繰延税金資産の増加178百万円等によるものであります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債残高は、1,541百万円減少し、3,789百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少1,800百万円等によるものであります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債残高は、1,343百万円増加し、3,230百万円となりました。これは主に、長期借入金の増加1,800百万円等によるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産残高は、1,532百万円増加し、24,334百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加960百万円、その他有価証券評価差額金の増加416百万円等によるものであります。

 

 

 

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ974百万円増加し、5,682百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、2,522百万円の収入となり、前年度比942百万円の収入の増加となりました。これは主に、売上債権の減少等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、1,405百万円の支出となり、前年度比739百万円の支出の減少となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出の減少等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、210百万円の支出となり、前年度比735百万円の支出の増加となりました。これは主に、短期借入れによる収入の減少等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

コンデンサ・モジュール

15,514,831

△2.4

電力機器システム

6,257,777

△19.4

合計

21,772,608

△7.9

 (注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

コンデンサ・モジュール

15,971,572

3.2

4,023,148

11.7

電力機器システム

6,050,082

△20.6

1,156,211

△16.4

合計

22,021,654

△4.7

5,179,359

3.9

 (注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

コンデンサ・モジュール

15,550,182

△2.0

電力機器システム

6,277,584

△18.7

合計

21,827,767

△7.5

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合

金額(千円)

割合

三菱電機株式会社

3,835,805

16.3%

4,780,584

21.9%

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、経営者は見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や現状等を考慮して合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④資本の財源及び資金の流動性

 キャッシュ・フローについては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 次期の当社グループの資金需要については、主に、自動車用コンデンサの生産増強体制の確立のための設備投資を予定しております。

 

⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは「夢と存在感のある指月を創る」を経営方針として、事業の展開と経営体質の強化を図ってまいります。

 今般、創業80周年を超え、100年企業を目指していくにあたり、指月グループ長期経営ビジョンを策定いたしました。

<長期経営ビジョン「10年後の指月グループのあるべき姿」>

「挑戦する社風へと変革し、品質第一のモノづくりと、未来を見据えた新技術・新商品の開発、グローバルな事業展開の推進により、社員の夢を実現し社会に貢献する企業グループになる」

 この実現に向けて、2019年度から3期に分けて新中期経営計画を展開してまいります。新中期経営計画(2019~2021年度)を、先ず指月グループの経営基盤確立のための最初の3年間と位置づけております。

 

 当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。

指標

当連結会計年度

(計画)

当連結会計年度

(実績)

当連結会計年度(計画比)

売上高

27,100百万円

21,827百万円

5,272百万円減(19.5%減)

営業利益

1,480百万円

698百万円

781百万円減(52.8%減)

親会社株主に帰属する

当期純利益

1,000百万円

1,158百万円

158百万円増(15.8%増)

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、電気エネルギーのマネジメントで、環境と社会へ貢献することを基本とした商品及び要素技術の開発を積極的に行っております。

 現在、研究開発は、コンデンサ開発部、e-パワーシステム事業統括開発部を設け、市場のニーズに対し、機敏に応えることができる組織体制の上で、今まで以上に商品開発のスピードアップを図っております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、592百万円であります。

当連結会計年度における各事業の研究目的、主要取組、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 (1)コンデンサ・モジュール

 自動車市場における補機用高耐熱フィルムコンデンサ(125℃対応)は、当連結会計年度に商品化、上市することができました。

 電動化車両(xEV)、鉄道車両、大型産業機器等のインバータ回路用コンデンサでは、要求される高い品質・機能・信頼性・安全性と、コスト最適を狙ったパワエレ用フィルムコンデンサの開発を推進、また産業機器交流用コンデンサにおいても、環境に配慮した外装絶縁方式の変更(絶縁油方式から樹脂モールド方式)による開発を推進しています。

 今後も、各種用途におけるコア技術の進化により、更なる商品力の強化を進めてまいります。

 当事業に係る研究開発費は356百万円であります。

 (2)電力機器システム

 電力機器においては、国内電力市場向けの進相コンデンサ用直列リアクトルについての基礎研究を進めており、低振動・低騒音・小型化を目指して取り組んでおります。

 大学との産学連携共同研究によって得られた知見を活用し、市場のニーズにマッチした商品開発を進めます。 国内鉄道地上設備においてはイグナイトロン(水銀整流器)を採用した装置に着目し、環境にやさしい商品を目指して代替検討を開始しました。環境負荷の低減を進め、クリーンな社会の実現を目指して取り組んでまいります。

システム機器においては、競争力の高い小容量瞬低補償装置の技術を応用し、より大きな容量へ対応した「並列運転方式ラック式瞬低補償装置」の商品化を完了しました。

 今後は好調市場である海外向け半導体製造装置用をターゲットとして、海外規格認証(CE、UL)を取得し、ラインナップ拡充による商品力強化を図ります。

 この他、エネルギーミックスの変化に伴って想定される電力品質問題へ対応する商品の開発、EVの急速な普及を見据えた充放電システムの検討、システム商品をクラウド経由で遠隔監視するIoT技術などの要素技術開発を進め、新しい技術を導入した商品、要素技術の研究・開発に積極的に取り組んでまいりました。

 当事業に係る研究開発費は235百万円であります。