当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、2019年度を起点に2028年度を最終年度とする長期経営ビジョンを策定し、その実現に向け、中期経営計画を3期に分けて策定・展開しております。
2022年度は、中期経営計画第2期(2022年度からの3年間)の初年度となりますが、業績面では、受注・売上が好調に推移した一方で、利益は素材価格・電力料金の高騰の影響により目標に届きませんでした。
引き続き、2023年度はコロナ禍・半導体の需給逼迫による、投資案件の減少基調からの回復が見込まれることに加え、脱炭素化やエネルギー危機を背景とした、省エネ・電力の有効活用の動きの加速化が見込まれます。既に一部の顧客とは、回生電力の活用に向けた実証実験等も進めております。好調な市場環境を背景に、一層の売上の拡大に向けた新規事業の開拓や、生産体制の構築を進めてまいります。
一方、利益面では、素材価格の高騰に高止まりの兆しもありますが、エネルギーコストや人件費の上昇等、利益を圧迫する要因もあり、依然予断を許さない状況となっております。
これらの利益を圧迫する要因に対しては、引き続き販売価格への転嫁を進めることに加え、抜本的なコスト改善に向けての対応を加速いたします。当社グループでは複数の拠点で同じコンセプトの製品を生産しておりますが、拠点それぞれの改善活動の深堀に加え、2022年度からグループ横断的な視点を導入し、各拠点での先進的な技術・工法について、他拠点への水平展開や融合を図っており、2023年度はこの活動を本格化させます。あわせて、人財配置につきましても、同様の視点でのグループ横断的な配置の流動化を図ってまいります。
また、2023年度は、2024年度以降を見据えた生産能力の増強に着手いたします。中期的にも需要は拡大基調で推移すると見込んでおり、増加する需要に対応した生産体制の構築に順次着手してまいります。なお、投資の実施にあたっては、引き続き資本効率を意識し、利益の創出に着実に繋がる投資計画を推進してまいります。
加えて、今後生産能力の増強を進める中、増加が懸念されるCO2排出量については、ESG活動の中でも特に注力すべきアイテムと認識し、この抑制を進めてまいります。また、CO2排出抑制は、当社グループにとってはリスクであると同時に、大きな機会となり得ます。この機会を着実に捉え、今後の発展を確実なものとしてまいります。
報告セグメントにおける取組み
・コンデンサ・モジュール
xEVは、対象市場の継続的な拡大が見込まれますので、技術開発・生産力強化のための投資を継続し、市場シェア15%以上の獲得を目指します。また、技術・生産の一体活動を進め、事業効率の最大化に努めてまいります。
産業機器は、旺盛な受注に対応すべく生産能力の拡充を進めると同時に、拡大する市場での製品競争力の向上を進めてまいります
・電力機器システム
脱炭素化の動きは当社にとって市場拡大の追い風となります。この確実な刈り取りに向け、顧客の多様化する蓄エネ・創エネ・省エネのニーズを実現するため、マーケティング機能の強化や既存技術と新技術の融合を活かしたソリューションを提案し、新市場の創出を進めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
従来、当社グループでは、サステナビリティに関する事項について、全般事項を網羅的に検討する「ESG・SDGsワーキンググループ」、エネルギー関連事項をグループ横断的に検討・推進する「脱炭素ワーキンググループ」を軸に活動を推進しておりました。この活動状況を踏まえ、適宜年度方針・経営計画への反映検討、進捗状況のモニタリング等を実施し、執行役会・取締役会へ上程・報告し、議論を重ねておりました。
一方、ESG気運の急速な高まりを受け、2023年4月にESG全体についてより機動的かつ集中的な対応を図るべく、ワーキンググループでの個別活動を含めたグループ全体での活動をサステナビリティ視点で集約・推進する組織(経営企画部サステナビリティ推進課)を発足いたしました。2023年度以降、この組織を軸に活動の拡充・加速を図ってまいります。
なお、当社グループ全体での各機関・組織の役割は以下となります。
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機関・組織 |
役割 |
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取締役会 |
本件報告内容の審議・決定 |
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執行役会 |
本件報告内容の審議 |
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経営企画部 |
グループ戦略策定および活動の取りまとめ、グループ内の意識啓蒙、投資家とのコミュニケーション、社会ニーズやステークホルダーの取組み情報の収集・分析など |
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管理本部 |
人的資本関係、環境負荷低減視点での調達推進、オフィスのエネルギー効率化・環境改善、BCP策定、IT推進、知財の管理・活用など |
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営業本部 |
省エネに貢献する当社製品の拡販、顧客ニーズを踏まえた製品やサービスの改善など |
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品質本部 |
環境規制や基準への適合性確保 |
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各部門および連結子会社 |
製造プロセスの最適化・エネルギー効率の向上、顧客のカーボンニュートラルに寄与する製品開発、環境に配慮した設計や省エネ技術の研究など |
(2)リスク管理
当社グループの経営および財務状況に影響を及ぼす可能性のある事項について、リスクと機会を分類し、対応方針を検討の上、優先度の高い事項について年度活動方針に取り込んで展開しております。サステナビリティ課題を含む事業へのリスクについては、個別課題を検討する場である経営執行役会を経て、執行役会で議論しております。リスク管理の詳細については、「
なお、下表については、現在未知のリスクや特筆すべき事項とみなしていない他のリスクおよび機会の影響を将来的に受ける可能性があります。
<リスクと機会の検討(抜粋)>
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項目 |
想定リスク |
想定機会 |
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異常気象による災害リスクへの対応 |
①電気代等製造コストの増加 ②瞬低・落雷等による設備停止、機会損失の増加 ③災害激甚化による物的・人的被害の増加 |
省エネニーズや瞬低・停電リスクへの対応需要の高まりにより、これらに対応する当社製品の販売機会が拡大 |
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CO₂排出量削減への対応 |
①対応の遅れによる評判低下、需要獲得機会の逸失 ②炭素税や省エネ規制等への対応に伴うコストの増加 |
①お客様のCO₂削減に積極的に対応することで、環境・省エネに貢献する製品を持つ企業としての更なる認知度向上 ②環境・省エネニーズに対応する当社製品への需要拡大 |
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材料調達難・価格高騰への対応 |
①材料調達難や納期遅れによる販売機会損失、利益の減少 ②製品価格高騰による他社への転注 |
①部材の最適化による原価低減 ②調達難部品を使用しない設計検討の加速 ③販売価格の適正化 ④競合他社からの転注機会 |
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環境負荷物質規制や環境対応製品への対応 |
①対応遅れにより販売地域や顧客の制限を受ける可能性 ②環境に配慮していない製品が売れなくなるリスク |
①対応加速により競合との差別化を図れる可能性 ②環境配慮を重視する顧客の獲得、販売機会の 増加 |
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知的財産 |
知的財産の侵害(するリスク、されるリスク)、他者特許による当社の製品販売や事業への制約 |
AI活用による知財管理業務の高度化・効率化の 検討 |
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ダイバーシティ・働き方改革の推進 |
①従業員のモチベーション低下 ②人財の流出、採用難などによる組織の競争力低下 |
①多様性を活かしたイノベーションの創出 ②適切な環境整備による人財の安定確保 ③業務効率や生産性の向上 |
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エネルギーミックスの変化 |
①再エネ比率の上昇に伴う製造コストの増加 ②電力有効活用に向けた対応が変化することにより、現在の当社製対策機器の売上低下 |
①再エネ発電用設備のニーズ拡大、コンデンサ・モジュールの売上増加 ②電力有効活用に向けた対応のビジネス拡大による当社製品の拡販 |
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サプライチェーン |
①環境や人権への取組み不足による評価、信頼の低下 ②既存事業の受注低迷や新規ビジネス機会の逸失 |
①環境や人権への積極的な取組みによる評価、信頼の向上 ②サプライヤーとの連携による新規ビジネス、販路の拡大 |
(3)戦略
①気候変動への取組み
リスク項目中、気候変動の影響につきましては、当社グループ製品の製造工程で多くの電力を必要とするリスクとお客様の省エネに貢献する機会の両面において、特に重要な課題と認識しております。気候変動に大きな影響を与えるCO₂排出量抑制に向けて、グループ全体での取組みを進めるために、2022年4月から「脱炭素ワーキンググループ」を立ち上げ、グループ全体での電力消費量の詳細把握に取組んでおりました。今後、2030年度までにCO₂排出量(Scope1+Scope2)をエネルギー原単位で2020年度比30%削減することを目標とし、活動を進めてまいります。
主な活動内容といたしましては、省エネ機器の導入、生産体制の見直し、再生エネルギー機器の導入等を進めております。一方で、中期的な生産量の増加により、温室効果ガスの総排出量は、原単位指数の削減を超えて増加することも考えられます。従って、上記の活動に加え、既存の太陽光発電設備の自家消費への切り替え、カーボンオフセットの導入、更なる再生エネルギー機器の導入等の検討を進めてまいります。
また、当社グループの事業である「コンデンサ・モジュール」と「電力機器システム」は、いずれも電気に関わる多様なシーン(発電・送電・蓄電・障害対策・受配電・利用)において、電気エネルギーの効率的な活用を支え、安全で快適な脱炭素社会の実現に貢献するものであり、社会全体の中長期的な脱炭素化に向けての大きな潮流は、当社グループにとって大きな機会となります。当社グループ製低損失製品群や省エネ機器の周知・拡販活動、パワーエレクトロニクス用コンデンサの商品力・コスト競争力の強化、瞬低補償装置のラインナップ拡充や性能向上などを通じて社会課題の解決と当社グループの持続的成長を両立してまいります。
②人的資本に関わる方針と展開施策
当社では、2019年度に、従業員参画の元に長期経営ビジョンを策定しており、人的資本拡充の面では、
「挑戦する意欲と行動を評価し、挑戦する社員を育成・サポートする会社」、
「社員個々の生活を大切にし、仕事のやりがいを提供する会社」を目指すこととしております。
長期経営ビジョンで定義のとおり、当社では人財の育成を、各社員が様々な業務の局面で現状の枠に捉われず新しい取組みに挑戦することで、会社・個人双方の成長が可能になるものと考えております。この視点で、社内環境を整えるため、以下の施策を展開しております。
a.教育体制の整備
従来、各部門での現業教育に重点が置かれていた教育システムについて、現所属の観点に捉われず、より広範囲な教育の機会を付与することを目的に、2021年度に教育制度全体を全社レベルで刷新いたしました。
主体的な取組みへの意識づけを行い、「挑戦」する人財を創出してまいります。
またOJT教育については、効果的な実施に向け、2023年度よりグループ共通の指針を策定いたしました。
これらを通じ、基本的な教育の底上げを進めております。あわせて、教育担当者に対する研修も新設し、指導する側の能力向上も進めております。(当社では、「教育」を「共育」と称しております。指導を通じ指導側自らのレベルアップも目指しております)
b.育成的配置計画の推進
「挑戦」する人財の育成に向けて、会社の業務を広く認識・経験することも、その一助になると考えております。現職での能力発揮を前提として、一定層以上については、より広い視点からの「挑戦」を可能とすべく、個々人の将来への期待を踏まえた育成的な配置転換を順次進めてまいります。
c.育成推進を支える人事処遇制度の見直し
人事処遇制度については、人員構造や社会情勢の変化を踏まえた見直しを適宜進めており、2021年度には、「挑戦」に向けての行動に対する評価の指標を設定し、上記の活動の補完としております。
引き続き、2023年度にはより一層、成果や「挑戦」に応じた評価への移行を進めるための制度変更を検討しております。
d.多様性・女性活躍への取組み
これも当社および社員にとって「挑戦」となります。ただし、女性の管理職への登用にあたっては、まずは、女性活躍を推進する上で、意識の向上、障害の排除を進めていくことが必要であると認識しております。そこで、2020年度に「女性活躍推進ワーキングチーム」を発足し、自由な討議の中で、意識の醸成や課題の洗い出し等を進めております。
また、討議と並行し、具体的な取組みとして、管理職候補となる層の拡大を進めております。
e.その他社内環境の整備
人事処遇制度に加え、長期経営ビジョンの「社員個々の生活を大切にする」との方針を踏まえ、制度と物理の両面の環境整備を進めております。ライフスタイルの多様化に対応した労働時間の運営推進、リモートワークの選択制の拡大、ロケーションに依存しない生産性確保に向けた、ネットワーク・通信インフラの整備を順次進めてまいります。
(4)指標及び目標
①気候変動への取組み
当社グループでは、上記「(3)戦略」において記載した、気候変動への取組みに関する方針について、次の指標を用いております。
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実績 (2022年度) |
目標 (2030年度) |
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CO₂排出量削減 (エネルギー原単位あたり2020年度比) |
△10% |
△30% |
※CO₂削減を含むカーボンニュートラルに対する目標につきましては、今後その考え方の精査及び算定方法などの物理的な要素を明確にし、設定を図ってまいります。
②人的資本
当社グループでは、上記「(3)戦略」において記載した、人財の多様性確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。
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実績 (2022年度) |
2023年度 |
目標 (2024年度) |
目標 (2028年度) |
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各研修の理解度及び 業務への活用度の定量把握 |
- |
受講報告書による定量把握開始 |
前年度との差異の検証 |
平均値70%の達成 |
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女性比率 |
管理職候補層 |
11.8% |
14.0% |
25.0% |
30.0% |
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管理職 |
3.5% |
4.8% |
- |
10.0% |
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施策の実効性を測定する観点では、数値目標とは別に、社員の満足度の確認も必要であると認識しております。
2020年度に実施した「コミュニケーション」「ワークライフバランス」等についての「従業員意識調査」を今後も継続し、その結果を踏まえた施策へのフィードバックにより、施策の実効性の向上を図っていきます。
意識調査のスケジュールは以下となります。
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2020年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2028年度 |
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初回実施 |
2回目実施 |
3回目実施 |
毎年度継続実施の定着 |
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- |
前回との差異検証 |
肯定評価50% |
肯定評価70% |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)大株主との関係について
① 三菱電機株式会社は発行済株式総数に対し21.1%の当社株式を保有しております。この持株比率は、近年殆ど変化はありません。
なお、三菱電機株式会社が占める当社グループの取引依存度は例年20%程度(当連結会計年度は16.8%)で、電機メーカーを中心とする他の大手取引先企業グループの依存度に比べ突出したものではなく、取引条件も市場価格を基に、個別に価格交渉の上、一般的取引条件と同様に決定しております。当社は取引先が一企業グループに偏る営業リスクを避けるため、多くの企業、企業グループの取引構成となるよう努力をしております。
② 2016年10月3日、当社が株式会社村田製作所に対して第三者割当による自己株式処分を行ったことにより、株式会社村田製作所は発行済株式総数の13.5%を保有しております。
株式会社村田製作所とは以前より両社の独自性を確保しつつ経営資源の結集を図り、共同でのマーケティング、商品開発、販売及び株式会社村田製作所が保有するセラミックコンデンサ技術と当社が保有するフィルムコンデンサ技術を融合させた新素材の共同開発を推進してまいりました。第三者割当による自己株式処分の目的は、両社の信頼関係の強化と新素材を使用した新商品開発を加速させるためのものであります。
(2)顧客の生産活動の動向による影響について
当社グループの顧客の大部分はメーカーであり、当社グループの業績は顧客の設備投資や生産計画によって、大きな影響を受ける可能性があります。このリスクを最小限にするため、市場動向を見極めるとともに顧客情報の収集及び蓄積により、顧客満足度を向上させる商品をタイムリーに提供する事に努めております。
(3)商品の品質と責任による影響について
当社は品質管理体制を整え、多種商品を製造しておりますが、商品に欠陥などの問題が生じる場合が
あります。このような場合、欠陥に起因し顧客が被った損害の賠償責任が発生する可能性があるとともに、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)為替相場の変動による影響について
当社グループの海外営業取引には、外貨建て取引が含まれており、国内外の経済情勢の変化に起因する円高局面等においては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)海外進出に潜在するリスクについて
当社グループは、海外事業を拡大すべく、米国(ネブラスカ州)、中国(上海)、タイ(バンコク)で製品の現地生産及び販売などの海外展開を行っております。今後の海外市場への事業進出には、1)予期しない法律又は税制の変更、2)不利な政治又は経済要因、3)テロ、戦争、その他の社会的混乱、等のリスクが内在しています。従って、これらの事象が起きれば、当社グループの事業の遂行に影響を与える可能性があります。
(6)災害、パンデミック、停電等による影響について
当社グループでは、災害、感染症によるパンデミック、停電等の予期せぬリスクを最小限にするため、災害を想定した建屋保全、部材・製品保管及び発生時の対応体制、リモートワーク等による人材の安全確保等、危機管理ルールを作り対応する配慮を行っております。しかし、これら想定を上回る災害、パンデミック、停電等の影響により生産活動に支障が生じる可能性があります。
(7)新型コロナウイルス感染症の感染拡大について
当社グループでは、世界的に流行している新型コロナウイルス感染症に対して、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、従業員、顧客及び取引先の安全を第一に考え、感染拡大を最大限防ぎながら、社業を通して取引先、社会に貢献することに努めております。具体的には、政府・自治体の方針に基づき、時差出退勤やテレワークの実施、不要不急の国内外出張・宴席・会食の自粛等を実施してまいりました。
有価証券報告書提出日現在においては、感染症法上の位置づけが2類から5類に引き下げられたこと等により、今後の当社グループへの影響は限定的であるとの仮定を置いているものの、当感染症の感染拡大による影響は不確定要素が多く、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)ウクライナ情勢の影響について
ウクライナ情勢の悪化により、原材料価格やエネルギー価格の高騰が継続しております。この情勢悪化が激化、長期化した場合は、原材料価格やエネルギー価格の高止まりだけでなく、地政学リスクの高まりや世界的インフレーションの加速といったリスクが顕在化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限の緩和により、経済活動の正常化が進む一方、半導体を中心とした電子部品の需給逼迫や、ウクライナ情勢の悪化等による素材やエネルギー価格の高騰が続いており、先行きが不透明な状況が続きました。
このような経済環境の中、当連結会計年度におきましては、産業機器用、xEV用、電力・環境省エネを中心とした各事業の売上拡大に努めるとともに、将来の成長を目指した技術力の強化、生産能力拡充に向けた投資を継続しつつ、収益力確保に向けたコスト低減や適切な価格転嫁を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の連結売上高は26,127百万円(前年度比9.4%増)、損益につきましては、営業利益937百万円(前年度比6.0%減)、経常利益1,223百万円(前年度比10.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は760百万円(前年度比19.7%減)となりました。
なお、セグメント別での結果は次のとおりであります。
・コンデンサ・モジュール
xEV用は客先の生産調整の影響を受け減収となったものの、産業機器用、家電用等のコンデンサが好調に推移した結果、売上高は19,422百万円(前年度比8.9%増)となりました。
・電力機器システム
瞬低補償装置を中心に、環境省エネ市場の売上が好調に推移いたしました。
結果、売上高は6,705百万円(前年度比11.1%増)となりました。
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産残高は、5,941百万円増加し、21,822百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加5,294百万円、受取手形及び売掛金の増加475百万円、仕掛品の増加170百万円等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産残高は、31百万円増加し、16,294百万円となりました。これは主に、建物及び構築物の減少131百万円、建設仮勘定の減少272百万円、長期貸付金の増加479百万円等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債残高は、71百万円増加し、3,889百万円となりました。これは主に、買掛金の増加463百万円、未払費用の減少186百万円、製品保証引当金の減少163百万円等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債残高は、5,128百万円増加し、8,490百万円となりました。これは主に、社債の増加1,500百万円、長期借入金の増加3,500百万円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産残高は、772百万円増加し、25,737百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加447百万円等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5,294百万円増加し、9,346百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、2,474百万円の収入となり、前年度比2,278百万円の収入の増加となりました。これは主に、売上債権の回収影響、仕入債務の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、1,417百万円の支出となり、前年度比618百万円の支出の減少となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出の減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、4,179百万円の収入となり、前年度比4,015百万円の収入の増加となりました。これは主に、長期借入れによる収入の増加等によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
コンデンサ・モジュール |
19,298,712 |
7.1 |
|
電力機器システム |
6,755,498 |
11.9 |
|
合計 |
26,054,210 |
8.3 |
(注) 金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
コンデンサ・モジュール |
20,926,117 |
△1.2 |
8,868,478 |
20.4 |
|
電力機器システム |
7,645,930 |
6.3 |
3,254,637 |
40.6 |
|
合計 |
28,572,048 |
0.7 |
12,123,115 |
25.3 |
(注) 金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
コンデンサ・モジュール |
19,422,313 |
8.9 |
|
電力機器システム |
6,705,434 |
11.1 |
|
合計 |
26,127,747 |
9.4 |
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(千円) |
割合 |
金額(千円) |
割合 |
|
|
三菱電機株式会社 |
4,843,235 |
20.3% |
4,384,939 |
16.8% |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、経営者は見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や現状等を考慮して合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フローについては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
次期の当社グループの資金需要については、主に、自動車用コンデンサの生産増強体制の確立のための設備投資を予定しております。
⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2019年度を起点とし、10年後の2028年度を最終年度とする長期経営ビジョンを策定し、その実現に向け、中期経営計画を3期に分けて策定・展開しております。
2022年度は、中期経営計画第2期(2022年度からの3年間)の初年度となりますが、業績面では、受注・売上が好調に推移した一方で、利益は素材価格・電力料金の高騰の影響により目標に届きませんでした。
当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
|
指標 |
当連結会計年度 (計画) |
当連結会計年度 (実績) |
当連結会計年度(計画比) |
|
売上高 |
25,200百万円 |
26,127百万円 |
927百万円増(3.7%増) |
|
営業利益 |
1,500百万円 |
937百万円 |
562百万円減(37.5%減) |
該当事項はありません。
当社グループは、電気エネルギーのマネジメントで、環境と社会へ貢献することを基本とした商品及び要素技術の開発を積極的に行っております。
現在、研究開発は、コンデンサ開発部、xEV技術部、eパワー事業部開発部を設け、市場のニーズに対し、機敏に応えることができる組織体制の上で、今まで以上に商品開発のスピードアップを図っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
当連結会計年度における各事業の研究目的、主要取組、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)コンデンサ・モジュール
①コンデンサ開発部
コンデンサの劣化要因メカニズムを掴み、その改善技術を確立するためにフィルムコンデンサの要素技術開発に取り組んでいます。現在、主要課題として、フィルムコンデンサの電極劣化に焦点を当てた要素技術開発を進めております。
また、メカニズム解明のためには、分析技術の向上も必要なため、分析技術向上にも力を入れて対応していきます。
②xEV技術部
環境対応車用の車載インバータで使われるコンデンサの製品開発を推進いたしました。市場で要求される高品質、高性能なフィルムコンデンサを目指した開発成果として、耐電圧性能の高い用途に対して、業界最高水準の極薄フィルムを用いた製品の開発に成功いたしました。今後も、更なる商品力の強化を進めてまいります。
当事業に係る研究開発費は
(2)電力機器システム
省エネやエネルギーの脱炭素化が重要課題となっており、当社では以下の研究開発を推進しました。
省エネニーズに対しては、(注1)回生電力再利用システムをすでに商品化(PARCube)しておりますが、更なる小型・高効率化に取組むとともに省資源化に向け、蓄電部へのリユースEV電池搭載の開発・実証を推進してまいります。
(注1)回生電力とは昇降機の巻下げ時や搬送機の減速・停止時にモータが負荷により回される事で、モータは発電機となり回生エネルギーが発生します。従来は熱としてそのエネルギーを廃棄します。
脱炭素化においては、再生可能エネルギーの拡大による電圧・周波数などの電力安定化ニーズの顕在化やEV導入の拡大による充電インフラの整備、電力リソースとしてEV活用ニーズの高まりが予想され、それぞれのニーズに対し電力品質改善装置やV2Xシステム(製品名称:EXCEV)、太陽光発電システム用パワーコンディショナーの開発を推進しております。
また、循環型社会の実現に向け、環境負荷物質の低減も急務であり、先ずは電気鉄道用変電所向け電力設備の絶縁油として植物油を使用した製品の開発を推進しております。
あわせて、デジタルトランスフォーメーション(DX)社会へ対応するため、装置のクラウド経由での遠隔監視システムや、生成AIを用いた部品の外観異常検知システムの技術開発を推進しております。
今後も上記研究・開発を継続するとともに、先進的な要素技術開発へ積極的に取り組んでまいります。
当事業に係る研究開発費は