第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、国内では、昨年4月に地域包括ケアシステムの推進、医療の機能分化・強化と連携に重点が置かれた診療報酬改定がなされ、都道府県は2025年に向けた医療提供体制整備のため地域医療構想を策定するなど、医療制度改革が推進されています。医療機器業界は、こうした環境の変化と医療機関のニーズへの迅速かつ柔軟な対応が求められる経営環境となりました。海外では、先進国における医療費抑制のための効率化のニーズや先進医療の導入、新興国における経済発展に伴う医療インフラの整備を背景に、医療機器の需要は総じて堅調に推移しましたが、一部の新興国では通貨安、原油安の影響による需要の停滞が見られました。
 このような状況下、当社グループは、平成28年度を最終年度とする4ヵ年中期経営計画「Strong Growth 2017」を推進し、「技術開発力の強化」、「地域別事業展開の強化」、「コア事業のさらなる成長」などの重要課題に取り組みました。商品面では、システム連携に対応した心電計や血球計数器を発売したほか、救急領域での迅速な脳波測定を可能にしたEEGヘッドセットを発売しました。また、国内の営業組織体制を再編、埼玉県所沢駅前に総合技術開発センタを設立するなど、事業基盤の強化を図りました。

国内市場においては、急性期病院、中小病院、診療所といった市場別の取り組みを強化するとともに、消耗品・保守サービス事業の拡大に注力した結果、売上を伸ばすことが出来ました。市場別には、私立病院市場が診療報酬改定への対応の影響もあって好調に推移したほか、診療所市場での売上も大幅に伸長しました。一方、大学、官公立病院市場では厳しい経営環境を受けて設備投資の抑制や延期が見られ、前期実績を下回りました。この結果、国内売上高は前期比2.3%増の1,247億6千4百万円となりました。
 海外市場においては、販売・サービス体制の強化を進める米国、アジア、アフリカを中心に現地通貨ベースでは前期実績を上回りましたが、円高による為替換算の影響を受け、減収となりました。米州では、米国は現地通貨ベースでは生体情報モニタを中心に好調に推移しましたが、円高による為替換算の影響で減収となりました。また、中南米は、中南米地域の販売組織再編に伴う商流変更(※)もあり、前期実績を下回りました。欧州では、ドイツ、トルコが低調に推移し、減収となりました。アジア州は、現地通貨ベースでは前期実績を上回りましたが、円高による為替換算の影響で減収となりました。一部の中東産油国は原油安の影響で低調でしたが、インドが好調に推移しました。中国も現地通貨ベースでは堅調に推移しました。その他地域では、アフリカ諸国での販路開拓が奏功し、エジプトで大口商談を受注するなど、売上が大幅に伸長しました。この結果、海外売上高は前期比4.6%減の415億2千万円となりました。
※平成28年1月に設立、4月に営業を開始した日本光電メキシコ㈱は12月決算のため、平成28年4月1日から平成
 28年12月31日の9ヵ月が連結対象期間となります。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は前期比0.5%増の1,662億8千5百万円となりました。利益面では、円高の影響や売上構成の変化により売上原価率が上昇したことに加え、業容拡大に向けた人員の増強や研究開発投資により販管費が増加したことから、営業利益は前期比17.4%減の135億8千5百万円、経常利益は前期比12.8%減の140億5千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比13.0%減の91億4千9百万円となりました。

 

売上高を商品群別に分類すると次のとおりです。

 

金額(百万円)

対前期増減率(%)

生体計測機器

37,658

△4.0

生体情報モニタ

56,117

+2.4

治療機器

29,728

△2.9

その他

42,781

+4.7

合計

166,285

+0.5

 うち国内売上高

124,764

+2.3

 うち海外売上高

41,520

△4.6

 

 

 

(ご参考) 地域別海外売上高

 

 米州

18,953

△2.6

 欧州

6,988

△13.6

 アジア州

12,639

△8.9

 その他

2,938

+38.9

 

 

区 分

内 容

生体計測機器

脳波計、筋電図・誘発電位検査装置、心電計、心臓カテーテル検査装置、診断情報システム、関連の消耗品(記録紙、電極、カテーテルなど)、保守サービスなど

生体情報モニタ

心電図、呼吸、SpO(動脈血酸素飽和度)、NIBP(非観血血圧)等の生体情報を連続的にモニタリングする生体情報モニタ、臨床情報システム、関連の消耗品(電極、センサなど)、保守サービスなど

治療機器

除細動器、AED(自動体外式除細動器)、心臓ペースメーカ、人工呼吸器、麻酔器、迷走神経刺激装置、人工内耳、関連の消耗品(電極パッド、バッテリなど)、保守サービスなど

その他

血球計数器、臨床化学分析装置、超音波診断装置、研究用機器、消耗品(試薬、衛生用品など)、設置工事・保守サービスなど

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億7千7百万円増加して285億6千万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前期比5億9千1百万円増の113億5千6百万円となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益138億5千1百万円、減価償却費34億2千2百万円、および法人税等の支払45億7千2百万円などです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前期比14億5千7百万円減の63億4千4百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得63億4百万円などです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前期比59億7千万円減の35億1千7百万円となりました。主な内訳は、配当金の支払29億9千7百万円、短期借入金の減少5億1百万円などです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社および連結子会社の事業は、医用電子機器関連事業の単一セグメントであり、セグメントごとの業績は、記載を省略しています。

当連結会計年度における生産、受注および販売の実績を商品群別に示すと次のとおりです。

なお、表中の金額は販売価額によっており、消費税等は含まれていません。

 

(1) 生産実績

区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

生体計測機器

38,377

97.8

生体情報モニタ

58,935

105.1

治療機器

29,826

95.8

その他

43,205

105.4

合計

170,345

101.7

 

  (注) 上記金額には、商品購入高が合計で60,728百万円含まれています。

 

(2) 受注実績

当社グループの商品は、需要予測による見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

区分

 金額(百万円)

前年同期比(%)

生体計測機器

37,658

96.0

生体情報モニタ

56,117

102.4

治療機器

29,728

97.1

その他

42,781

104.7

合計

166,285

100.5

 

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、医用電子機器専門メーカとして、「病魔の克服と健康増進に先端技術で挑戦することにより世界に貢献すると共に社員の豊かな生活を創造する」ことを経営理念としています。そしてその実現に向け、商品、販売、サービス、技術、財務体質や人財などすべてにおいて、お客様はもとより、株主の皆様、取引先、社会から認められる企業として成長し、信頼を確立することを基本方針としています。
 この基本方針の実現および当社グループの中長期的な企業価値向上のため、経営の健全性・透明性・効率性の向上を目指す経営管理体制の構築により、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることが重要な経営課題であると考えています。
 当社は、コーポレート・ガバナンス強化の一環として、監督機能の強化、経営の健全性・透明性の向上、経営の意思決定の迅速化を図るため、平成28年6月28日開催の第65回定時株主総会での承認をもって監査等委員会設置会社へ移行するとともに、社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会を設置しています。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、企業価値・株主価値増大に向けて連結ROE(連結自己資本当期純利益率)の向上を基本的な目標としており、3ヵ年中期経営計画「TRANSFORM 2020」において、12.0%の水準を確保することを目標としています。
 中期経営計画の推進による売上、利益の成長を最優先としつつ、在庫圧縮など資産効率の改善、株主還元の充実により、経営指標の達成を目指します。

 

(3) 会社の対処すべき課題と中長期的な経営戦略

当社は、平成22年に10年後のあるべき姿として長期ビジョン「The CHANGE 2020 -The Global Leader of Medical Solutions-」を策定し、「目指すべき将来像」として、(ⅰ)世界初の革新的技術の確立、(ⅱ)世界最高品質の確立、(ⅲ)グローバルシェアNo.1の獲得、を掲げています。
 
<第二ステージの中期経営計画「Strong Growth 2017」(平成25年度~平成28年度)の総括>
 国内では日本政府が描く2025年の将来像に向けた医療・介護機能再編下での持続的成長を目指し、急性期病院、中小病院、診療所といった市場別の取り組みを強化し、海外では飛躍的成長を目指してアメリカ、新興国市場での事業展開強化に重点的に取り組みました。技術開発面では、iNIBP(※1)やEEGヘッドセット(※2)など臨床的価値の高い技術・製品の開発・提供に注力する一方、新規事業の創造に向けて人工呼吸器、麻酔器の開発に着手しました。また、富岡生産センタ、総合技術開発センタの建設など基盤固めを進めるとともに、独立社外取締役4名の選任、指名・報酬委員会の設置などコーポレート・ガバナンスの強化に取り組みました。一方、「Strong Growth 2017」の最終年度にあたる平成29年3月期の業績は、国内の医療制度改革の進展や一部新興国の市場環境悪化などが影響したことに加え、先行投資が負担となり、連結売上高、連結営業利益、ROEともに平成27年5月に見直した目標に届かず、収益力の改善が課題として残りました。
※1 iNIBP:直線加圧測定方式の血圧測定アルゴリズム。血圧カフを締めつけすぎず、短時間で測定。
※2 EEGヘッドセット:頭部に被せるだけの簡単な装着で、救急領域での迅速な脳波測定を実現。

(億円)

平成25
年度
実績

平成26
年度
実績

平成27
年度
実績

平成28
年度
実績

平成28年度目標

当初目標
(平成25年5月発表)

修正目標
(平成27年5月発表)

売上高

1,531

1,608

1,655

1,662

1,700

1,820

 

国内売上高

1,204

1,224

1,219

1,247

1,215

1,300

 

海外売上高

327

383

435

415

485

520

営業利益

175

159

164

135

180

200

ROE

15.0%

11.9%

10.7%

9.1%

13.0%

13.5%

 

 

 

<最終ステージの中期経営計画「TRANSFORM 2020」(2017年度~2019年度)>

平成29年度からスタートする3ヵ年中期経営計画「TRANSFORM 2020」は、長期ビジョンの実現に向けた最終ステージであり、前中期経営計画の成果と課題を踏まえて、高収益体質への変革を目指します。当社のコア技術であるHuman Machine Interface(HMI)(※)をさらに強化し、医療現場の課題解決につながる革新的技術(Innovation)、品質(Quality)、臨床的価値(Clinical Value)の3つの顧客価値を創造、提供し続けることで、収益力の向上を図ります。
※HMI:人間と機械との接点。当社の場合、センサ技術、信号処理技術、データ解析技術の総称。

1. 基本方針

(1)高い顧客価値の創造
   ・コア技術を最大限に活かし、顧客価値の高い自社製品の開発・販売に注力します。
   ・独自技術によりセンサ等消耗品の競争優位性を高めるとともに、医療の効率化や患者安全に貢献するサービス 
    を拡充し、消耗品・サービス事業の拡大を目指します。
   ・専門性の高いグローバル販売・サービス体制を構築し、顧客満足度の向上を図ります。
 (2)組織的な生産性の向上
   ・マザー工場である富岡生産センタを中心に生産改革を推進するとともに、グループ最適なグローバル・サプラ
    イチェーンを構築し、生産性の向上と世界各国へのタイムリーな製品供給を目指します。
   ・総合技術開発センタにおける充実した研究開発・試験環境を最大限活用するとともに、プロセス管理、品質管
    理、生産技術による支援体制を強化し、開発効率の向上を図ります。
   ・業務プロセス改革とIT利用の推進により、社員一人ひとりの生産性の向上を目指します。

2. 6つの重要課題

(1)地域別事業展開の強化
   国内での持続的成長、海外での飛躍的成長を実現するため、日本、先進国、新興国市場の事業展開を強化しま 
  す。
(2)コア事業のさらなる成長
   持続的イノベーションと市場環境の変化への迅速な対応により、コア事業のさらなる成長を目指します。
(3)新規事業の創造
   環境変化や技術革新に伴う新たな市場ニーズをとらえ、将来のコア事業となりうる新規事業を創造します。
(4)技術開発力の強化
   革新的技術、最高品質、高い臨床的価値の源泉となる技術開発力のさらなる強化を図ります。
(5)世界トップクオリティの追求
   世界中のお客様にのちのちまで満足いただけるよう、全社全部門、全ての活動においてトップクオリティを確
  保します。
(6)企業体質の強化
   グローバル企業への成長を推進するため、グローバル経営管理体制を構築するとともに、「医療」「環境」
   「企業活動」を重点領域としたCSRを推進します。

3. 人財育成・組織風土改革

経営理念の実現に向けて、新たな人事制度・人財育成プログラムを導入し、自律的に行動する人財の育成、自由闊達で創造的な組織風土の醸成に取り組みます。

4. 経営目標値 

市場環境の変化などを踏まえ、2020年3月期の業績目標は変更しますが、「TRANSFORM 2020」の基本方針のもと、6つの重要課題を着実に推進し、経営目標値の達成を目指すとともに、引き続き長期ビジョンで掲げた「目指すべき将来像」の早期実現に取り組みます。

 

2020年3月期経営目標値

長期ビジョン
The CHANGE 2020
(平成22年5月発表)

中期経営計画
TRANSFORM 2020
(平成29年5月発表)

売上高

2,000億円以上

1,900億円

 

国内売上高

1,350億円

 

海外売上高

海外売上高比率35%以上

550億円

営業利益

250億円以上

200億円

ROE

12.0%

 

 

 

(4) 会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
 当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えており、大量買付行為が企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
 しかしながら、大量買付行為の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対して明らかな侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、当社取締役会や株主の皆様に十分な情報や検討時間を与えないもの等、企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
 このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付行為に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取り組みの概要

・企業価値向上への取り組み

当社は、「病魔の克服と健康増進に先端技術で挑戦することにより世界に貢献すると共に社員の豊かな生活を創造する」という経営理念のもと、これに適った事業活動を永続的に展開していくことで、グループの持続的な発展と企業価値の向上を目指しています。
 当社は、平成22年に10年後のあるべき姿として長期ビジョン「The CHANGE 2020 -The Global Leader of Medical Solutions-」を策定し、「目指すべき将来像」として、(ⅰ)世界初の革新的技術の確立、(ⅱ)世界最高品質の確立、(ⅲ)グローバルシェアNo.1の獲得、を掲げています。
 平成29年度からスタートする3ヵ年中期経営計画「TRANSFORM 2020」は、長期ビジョンの実現に向けた最終ステージであり、高収益体質への変革を目指します。当社のコア技術であるHuman Machine Interface(HMI)(※)をさらに強化し、医療現場の課題解決につながる革新的技術(Innovation)、品質(Quality)、臨床的価値(Clinical Value)の3つの顧客価値を創造、提供し続けることで、収益力の向上を図ります。(1)高い顧客価値の創造、(2)組織的な生産性の向上、という基本方針のもと、6つの重要課題である(ⅰ)地域別事業展開の強化、(ⅱ)コア事業のさらなる成長、(ⅲ)新規事業の創造、(ⅳ)技術開発力の強化、(ⅴ)世界トップクオリティの追求、(ⅵ)企業体質の強化、を着実に推進し、経営目標値の達成を目指すとともに、引き続き長期ビジョンで掲げた「目指すべき将来像」の早期実現に取り組みます。
※HMI:人間と機械との接点。当社の場合、センサ技術、信号処理技術、データ解析技術の総称。

・コーポレート・ガバナンスの強化

当社は、経営理念の実現に向け、商品、販売、サービス、技術、財務体質や人財などすべてにおいて、お客様はもとより、株主の皆様、取引先、社会から認められる企業として成長し、信頼を確立することを経営の基本方針としています。この経営の基本方針および当社グループの中長期的な企業価値の向上のため、経営の健全性・透明性・効率性の向上を目指す経営管理体制の構築により、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることが重要な経営課題であると考えています。
 当社は、監督機能の強化、経営の健全性・透明性の向上、経営の意思決定の迅速化を図るため、平成28年6月28日開催の第65回定時株主総会の承認をもって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。また、監査等委員会設置会社への移行を機に、経営の透明性・客観性を担保するため、取締役会の任意の諮問機関として、指名・報酬委員会を設置しています。社外取締役が委員の過半数を占めるとともに委員長も務めています。なお、社外取締役4名は、一般株主と利益相反が生じる恐れがない独立役員として東京証券取引所に届け出ています。

 

 

③ 不適切な支配の防止のための取り組みの概要

当社は、平成28年5月10日開催の取締役会において、「当社株式の大量買付行為に対する対応方針(買収防衛策)の更新の件」(以下「本基本ルール」といいます。)を決議し、平成28年6月28日開催の第65回定時株主総会に議案として上程し、承認いただきました。本基本ルールの概要は以下のとおりです。
 本基本ルールは、当社株式の大量買付行為が行われる場合の手続を明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要な情報と時間を確保するとともに、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提示したり、大量買付者との交渉を行うこと等により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としています。
 本基本ルールでは、当社株式の20%以上を取得しようとする大量買付者に対し、大量買付行為に関する必要かつ十分な情報の提供および本基本ルールを遵守する旨の誓約書の提出を求めます。その後、当社社外取締役、社外有識者から構成される独立委員会が、大量買付提案の内容や当社取締役会の代替案について検討し、大量買付行為に対する対抗措置発動の可否について当社取締役会へ意見書を提出します。なお、独立委員会は、本基本ルールに定める所定の場合、予め当該対抗措置の発動に関して株主総会(以下「株主意思確認総会」といいます。)の承認を得るべき旨を勧告することがあります。当社取締役会は、独立委員会の意見を最大限尊重した上で、大量買付者が本基本ルールを遵守しなかった場合、または当該大量買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明らかな侵害をもたらすようなものである場合など本基本ルールに定める要件に該当すると判断した場合は、その決議により、対抗措置を発動して新株予約権を発行する場合があります(株主意思確認総会を開催する場合には、株主意思確認総会の決議に従います。)。また、大量買付行為に応じられるかどうか株主の皆様に適切にご判断いただくため、買付提案の内容や当社取締役会の意見、独立委員会の意見書の内容、対抗措置の発動等について、適時・適切に情報開示を行います。本基本ルールの有効期間は、旧基本ルールの有効期間の満了時から第65回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までです。

 

④ 具体的取り組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

上記(4)②に記載した基本方針の実現に資する特別な取り組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させるための具体的方策として推進しており、当社の基本方針に沿うものです。
 また、本基本ルールは、当社の企業価値・株主共同利益の確保・向上を目的として導入しており、当社の基本方針に沿うものです。本基本ルールでは、取締役会の恣意的判断を排除するため、合理的な客観的発動条件を設定し、客観的発動条件に該当しない場合には、たとえ当社取締役会が大量買付行為に反対であったとしても、対抗措置の発動は行わないこととしています。また、独立委員会を設置し、対抗措置発動の際にはその意見を最大限尊重すると定めており、取締役の地位の維持を目的とするものではありません。さらに、株主総会での承認を導入の条件としていること、有効期間を3年と定めた上、有効期間内でも株主総会または取締役会の決議により廃止できるとされていることなどにより、株主の皆様の意向が反映されるものとなっています。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 法的規制等について

医療機器の製造販売は、国内での医薬品医療機器法、米国でのFDA(米国食品医薬品局)等各国で法的規制を受けます。今後これらの規制の改廃や新たな法的規制が設けられた場合、許認可申請の審査体制の変更により新商品発売までの時間が延長する等の影響がでて、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 品質問題について

医療機器は極めて高度な品質が要求されるため、国際規格ISOの基準等に基づいて品質マネジメントシステムを構築、運営しています。しかしながら、品質に問題が生じた場合、製品の販売停止、リコール等の措置を講じる場合があります。また、医療事故が発生し、当社に損害賠償責任を求める訴訟を提訴されたり、大きく社会的に取り上げられた場合、事実関係の当否とは別に、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 国内外の市場の動向について

国内では、医療費抑制や医療の質の向上を目的とした医療制度改革が進められています。また、AEDの普及により、当社グループの顧客は医療機関だけでなく景気動向の影響を受けやすい民間企業に広がっています。当社グループの連結売上高の約7割は国内におけるものであり、医療制度改革や景気動向などの影響を受けます。また、当社グループは海外子会社および代理店を経由して世界各国に製品を供給しています。各国の景気後退、これに伴う需要の減少、政治的・社会的混乱や法規制等の変更があった場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 訴訟等について

当社グループは業務の遂行にあたりコンプライアンスの実践に努めています。しかしながら、刑事・民事・独占禁止法・製造物責任法・知的財産権・環境問題・労務問題等に関連した訴訟が発生した場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 退職給付債務について

年金資産の時価の下落や運用利回りの低下、退職給付債務の計算の根拠となっている各種前提や年金制度の変更等が生じた場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 自然災害等について

当社グループは日本各地および世界各国で事業を行っています。また、製品に使われる原材料・部品も日本をはじめ世界各国から調達しています。これらの国、地域において自然災害やテロ、戦争等が発生した場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、平成28年12月1日開催の取締役会において、当社の完全子会社11社を吸収合併することを決議し、平成29年2月1日に、当該吸収合併に関する契約を締結しました。

合併の概要は以下のとおりです。

 

1.合併の目的

当社グループの更なる成長に向け、当社の完全子会社である国内全販売会社11社を当社に吸収合併することにより、グループ経営の効率化およびグループ管理体制を強化し、顧客サービスの向上を図ります。

 

2.合併の方式

当社を存続会社とする吸収合併方式で、以下の当社完全子会社は解散により消滅します。

 

日本光電北海道株式会社

日本光電東北株式会社

日本光電東関東株式会社

日本光電北関東株式会社

日本光電東京株式会社

日本光電南関東株式会社

日本光電中部株式会社

日本光電関西株式会社

日本光電中国株式会社

日本光電四国株式会社

日本光電九州株式会社

 

3.合併の日程

取締役会決議日   平成28年12月1日

合併契約締結日   平成29年2月1日

合併の効力発生日  平成29年4月1日

(注)本合併は、当社においては会社法第796条第2項に基づく簡易合併であり、完全子会社11社においては会社法第784条第1項に基づく略式合併であるため、いずれにおいても株主総会の承認を得ることなく合併を行います。

 

4.合併に係る割当ての内容

完全子会社の吸収合併のため、本合併による株式その他の金銭等の割当てはありません。

 

5.引継資産・負債の状況

当社は合併契約の効力発生日において、吸収合併消滅会社である上記の当社完全子会社11社の一切の資産、負債および権利義務を承継します。

 

6.合併後の存続会社の資本金・事業の内容

資本金: 本合併により資本金は増加しません。

事業内容:医用電子機器の研究開発・製造・販売・保守サービス

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、「病魔の克服と健康増進に先端技術で挑戦する」ことを目指して、各種の医用電子機器の研究開発を行っています。当社グループのうち研究開発活動を行っているのは、当社のほか上海光電医用電子儀器㈲、デフィブテック LLC、オレンジメッド㈱等です。 
  このうち当社では、荻野記念研究所で新しい計測方法の研究や患者さんの負担が少なくしかも効果の高い治療方法の研究、あるいは国その他の医学研究機関との共同研究等、比較的長期的な視野での研究活動を行っています。各事業部門においては、担当する医用電子機器の改良、関連新製品および周辺機器の開発を行っています。
 連結子会社の上海光電医用電子儀器㈲では新興国市場向けの医用電子機器、デフィブテック LLCでは救命救急医療機器、オレンジメッド㈱では人工呼吸器の開発を行っています。 
  当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、64億6千6百万円(売上高の3.9%)です。
  当社グループの事業区分は、医用電子機器関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しています。なお、当連結会計年度の主要な成果としては、システム連携に対応した心電計や血球計数器を発売したほか、救急領域での迅速な脳波測定を可能にしたEEGヘッドセットを発売しました。また、埼玉県所沢駅前に総合技術開発センタを設立しました。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債および法人税等であり、見積りおよび判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っています。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の業績は、国内市場においては、急性期病院、中小病院、診療所といった市場別の取り組みを強化するとともに、消耗品・保守サービス事業の拡大に注力した結果、売上を伸ばすことが出来ました。市場別には、私立病院市場が診療報酬改定への対応の影響もあって好調に推移したほか、診療所市場での売上も大幅に伸長しました。一方、大学、官公立病院市場では厳しい経営環境を受けて設備投資の抑制や延期が見られ、前期実績を下回りました。海外市場においては、販売・サービス体制の強化を進める米国、アジア、アフリカを中心に現地通貨ベースでは前期実績を上回りましたが、円高による為替換算の影響を受け、減収となりました。米州では、米国は現地通貨ベースでは生体情報モニタを中心に好調に推移しましたが、円高による為替換算の影響で減収となりました。また、中南米は、中南米地域の販売組織再編に伴う商流変更(※)もあり、前期実績を下回りました。欧州では、ドイツ、トルコが低調に推移し、減収となりました。アジア州は、現地通貨ベースでは前期実績を上回りましたが、円高による為替換算の影響で減収となりました。一部の中東産油国は原油安の影響で低調でしたが、インドが好調に推移しました。中国も現地通貨ベースでは堅調に推移しました。その他地域では、アフリカ諸国での販路開拓が奏功し、エジプトで大口商談を受注するなど、売上が大幅に伸長しました。

この結果、当連結会計年度の売上高は前期比0.5%増の1,662億8千5百万円となりました。利益面では、円高の影響や売上構成の変化により売上原価率が上昇したことに加え、業容拡大に向けた人員の増強や研究開発投資により販管費が増加したことから、営業利益は前期比17.4%減の135億8千5百万円、経常利益は前期比12.8%減の140億5千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比13.0%減の91億4千9百万円となりました。
※平成28年1月に設立、4月に営業を開始した日本光電メキシコ㈱は12月決算のため、平成28年4月1日から平成
 28年12月31日の9ヵ月が連結対象期間となります。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

前述の「4 [事業等のリスク]」に記載のとおりです。

 

 

(4) 財政状態の分析

① 資産、負債および純資産の状況

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ85億3千6百万円増加し、1,528億6百万円となりました。
 流動資産は前連結会計年度末に比べ63億5百万円増加し、1,192億3千5百万円となりました。これは商品及び製品や現金及び預金が増加したことなどによるものです。
 固定資産は前連結会計年度末に比べ22億3千万円増加し、335億7千1百万円となりました。これは有形固定資産が増加したことなどによるものです。
 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ23億2千万円増加し、489億1千9百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が増加したことなどによるものです。
 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ62億1千5百万円増加し、1,038億8千7百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い利益剰余金が増加したことなどによるものです。
 これらの結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ72.57円増加して1,212.82円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の67.7%から0.3ポイント増加し68.0%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億7千7百万円増加して285億6千万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 営業活動の結果得られた資金は、前期比5億9千1百万円増の113億5千6百万円となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益138億5千1百万円、減価償却費34億2千2百万円、および法人税等の支払45億7千2百万円などです。

 投資活動の結果使用した資金は、前期比14億5千7百万円減の63億4千4百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得63億4百万円などです。

 財務活動の結果使用した資金は、前期比59億7千万円減の35億1千7百万円となりました。主な内訳は、配当金の支払29億9千7百万円、短期借入金の減少5億1百万円などです。