当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間において、新型コロナウイルスの感染拡大が世界各国の医療提供体制に大きな影響を与えるとともに、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。国内では、患者の受診抑制や入院・手術の減少による医療機関の経営悪化が懸念される中、令和2年度補正予算の投入や診療報酬の特例措置により、新型コロナウイルスに対応する医療提供体制の整備が進められました。医療機器業界においても、各企業は感染症への対応および医療の質向上と効率化に寄与するソリューション提案がより一層求められる状況となりました。海外では、感染拡大が継続している地域において、感染症患者に対応するための医療機器の整備が進められました。
このような状況下、当社グループは、10年後の2030年に向けた長期ビジョン「BEACON 2030」を昨年9月に公表しました。「グローバルな医療課題の解決で、人と医療のより良い未来を創造する」ことを目指します。当連結会計年度は、(1)従業員およびその家族の健康維持・安全確保を最優先とする、(2)医療提供体制の維持のための製品とサービスの供給責任を果たす、ことを基本方針とし、事業活動を推進するとともに、「既存事業の収益性の改善」「グローバルでの企業体質の強化」に取り組みました。また、新型コロナウイルス感染症患者の増加により需要が急増したことから、生体情報モニタおよび人工呼吸器の増産体制の構築を進めました。商品面では、世界初の全自動血球計数・赤血球沈降速度測定装置を海外で発売しました。
国内市場においては、急性期病院、中小病院、診療所といった市場別の取り組みを強化するとともに、医療安全、診療実績、業務効率につながる顧客価値提案を推進するため自社品の販売に注力しました。しかしながら、医療機関における検査・手術の減少や生体計測機器など一部製品に対する予算執行の延期・凍結が影響し、減収となりました。市場別では、私立病院市場は堅調に推移したものの、大学、官公立病院、診療所市場が低調でした。大学、官公立病院市場は前年同期の新築移転に伴う大口商談の受注の反動減も影響しました。商品別には、治療機器は人工呼吸器、AEDを中心に好調に推移しましたが、生体計測機器、その他商品群が低調でした。生体情報モニタは、当第3四半期においては新型コロナウイルス対応の医療体制整備に係る補正予算を背景に需要が回復しましたが、累計では減収となりました。この結果、国内売上高は880億4百万円(前年同期比6.8%減)となりました。
海外市場においては、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、生体情報モニタ、人工呼吸器、除細動器の需要が底堅く推移したことから、全ての地域で二桁成長となりました。米州では、米国は二桁成長、中南米の売上はメキシコ、コロンビアを中心に倍増となりました。欧州では、西欧諸国、東欧諸国ともに大幅増収となりました。特にイタリア、イギリス、ポーランドでの売上が倍増しました。アジア州他では、イスラエル、インドネシアなどでの大口商談の受注もあり、二桁成長となりました。中国も感染の影響が一巡し堅調に推移しました。商品別には、生体情報モニタ、治療機器が二桁成長を遂げた一方、生体計測機器、その他商品群は低調でした。この結果、海外売上高は490億4千2百万円(同39.6%増)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,370億4千6百万円(同5.8%増)となりました。利益面では、増収効果に加え、売上構成の変化により売上総利益率が改善したこと、旅費交通費などの販管費が減少したことから、営業利益は155億8千6百万円(同85.6%増)、経常利益は146億9千7百万円(同81.2%増)となりました。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う海外でのAEDの需要減少を受け、2012年に買収したデフィブテック LLCの将来計画を見直したことから、のれん償却額および減損損失を特別損失として計上しました。これにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は、88億8千2百万円(同83.8%増)となりました。
売上高を商品群別に分類すると次のとおりです。
※当連結会計年度から、アジア州とその他地域を合わせて、アジア州他としています。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ27億3千5百万円増加し、1,705億2千1百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ49億3千2百万円増加し、1,339億5千2百万円となりました。これは、現金及び預金が増加したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ21億9千7百万円減少し、365億6千8百万円となりました。これは、のれんが減少したことなどによるものです。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ32億2千3百万円減少し、427億8千8百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金や賞与引当金が減少したことなどによるものです。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ59億5千8百万円増加し、1,277億3千3百万円となりました。これは、利益剰余金が増加したことなどによるものです。
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ17億3千8百万円増加して376億5千1百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前第3四半期連結累計期間に比べ45億2千2百万円増の74億1百万円となりました。主な内訳は、税金等調整前四半期純利益134億9千9百万円、売上債権の減少66億8千4百万円、たな卸資産の増加104億7千4百万円、法人税等の支払43億5千万円などです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前第3四半期連結累計期間に比べ12億4千5百万円減の23億7千2百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得20億4千8百万円などです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前第3四半期連結累計期間に比べ5千万円減の29億9千7百万円となりました。主な内訳は、配当金の支払29億7千8百万円などです。
本書提出日現在において新たに発生した優先的に対処すべき課題は、次のとおりです。
2021 年1月、当社社員3名が贈賄の疑いにより逮捕・起訴されました。当社は、この事態を厳粛に受け止め、調査委員会による調査を通じて事実関係の解明に向けて厳正かつ適正に対処するとともに、再発防止のための社内体制や仕組みの見直しに注力し、全社一丸となって早期の信頼回復に努めてまいります。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は44億3千万円です。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。