第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1)経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)のわが国経済は、円安に伴うエネルギーコストの高止まりや物価の上昇が続きましたが、企業の堅調な設備投資に加え、個人消費やインバウンド需要の増加により、景気は緩やかに回復しました。米国経済は、金融引き締めの影響を受けながらも、良好な雇用情勢により個人消費が堅調に推移しました。欧州経済は、インフレ圧力の緩和により一部では景気が持ち直したものの、回復の持続力が乏しく、中国経済も、個人消費と不動産市況の不況が長引き、景気の低迷が続きました。

これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は84,507百万円と前年同期比8.7%の減収となりました。また利益につきましては、営業利益は1,757百万円と前年同期比69.1%の減益、経常利益は3,102百万円と前年同期比59.2%の減益、親会社株主に帰属する中間純利益は4,061百万円と前年同期比32.9%の減益となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

 

(コンデンサ事業)

コンデンサ事業における売上高は49,165百万円(前年同期比10.7%減)、セグメント営業利益は849百万円(前年同期比80.0%減)と減収減益となりました。

自動車・車載関連機器向けは、BEVの成長期待が鈍化傾向となっており、各国の完成車メーカーをはじめ各社とも生産減や計画の見直しが見られますが、その反面でハイブリッド車の需要が増加するなど全体的な市況は底堅く、また、自動車の電動化の動きも着実に進展しています。車載関連機器向けアルミ電解コンデンサでは、一部の顧客で在庫調整の局面が続いているものの、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサや導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサの需要は拡大しました。情報通信機器向けでは、生成AIサーバーなどデータセンター用途の導電性高分子アルミ固体電解コンデンサが引き続き好調に推移しており、さらに拡大が見込まれます。一方で、白物家電・産業用インバータ機器向けは、産機インバータやパワーコンディショナーおよびエアコン用途の大形アルミ電解コンデンサが、依然として在庫指数が高い状況が継続しており低調に推移しました。当社は引き続き、需要拡大が見込まれる導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサおよび導電性高分子アルミ固体電解コンデンサの製品ラインアップ強化、xEV用フィルムコンデンサの生産能力拡大と技術開発体制の強化により、各重点市場における受注拡大に取り組んでまいります。

(NECST事業)

NECST事業における売上高は35,342百万円(前年同期比5.7%減)、セグメント営業利益は905百万円(前年同期比37.0%減)と減収減益となりました。

家庭用蓄電システムは期初にかけて市場在庫過多などの影響を受けましたが、再エネ活用やVPP(Virtual Power Plant:仮想発電所)などの事業化に向けた需要の増加、さらに新製品の投入効果もあり、当第2四半期以降は販売が増加してきています。V2Hシステムについては、本年度の政府補助金開始が例年より遅く、合わせて交付条件の変更、またEV販売の停滞状況により影響を受けています。現在、日本政府のEV充電インフラ網整備方針に基づき、EV走行の環境整備が推進されており、その中で当社の急速充電器の設置が進んでいます。学術用・医療用等の大型特殊電源は、年度初めから受注済み案件の立ち上げが進み、下期も堅調に推移します。当社は、地球環境改善につながる再エネ利用を拡大させるために必要な家庭用/公共・産業用蓄電システム、急速充電器ならびにV2Hシステム等の機器やサービスの価値提供を通じて、社会課題の解決に貢献してまいります。

 

設備投資につきましては、新規事業の成長を見据えた技術・開発投資や当社のコア事業であるアルミ電解コンデンサの生産能力増強、NECST事業における家庭用蓄電システムの新製品の製造設備などを中心に5,634百万円の設備投資を実施しました。

なお、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。

コンデンサ事業

4,771百万円

NECST事業

863百万円

 

(2)財政状態の状況

当中間連結会計期間末の総資産は、前期末(2024年3月末)に比べ6,302百万円減少し200,635百万円となりました。主な増減の内容は、有形固定資産が前期末に比べ2,316百万円増加し54,299百万円となりましたが、有価証券・投資有価証券が前期末に比べ3,151百万円減少し28,333百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が前期末に比べ2,665百万円減少し37,493百万円、電子記録債権が前期末に比べ1,953百万円減少し5,662百万円となったことなどによるものです。

負債合計は、前期末に比べ8,113百万円減少し84,984百万円となりました。主な増減の内容は、未払金を含むその他の流動負債が前期末に比べ2,856百万円減少し11,033百万円、電子記録債務が前期末に比べ2,523百万円減少し12,725百万円、長期借入金が前期末に比べ1,250百万円減少し5,000百万円となったことなどによるものです。

純資産は、前期末に比べ1,811百万円増加し115,650百万円となりました。主な内容は、その他有価証券評価差額金が前期末に比べ2,656百万円減少し11,837百万円となった一方で、利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純利益を4,061百万円計上、配当金の支払を行ったことで、前期末に比べ2,898百万円増加し69,900百万円、為替換算調整勘定が前期末に比べ1,392百万円増加し11,277百万円となったことなどによるものです。また、自己資本比率は56.1%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ914百万円減少し28,473百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ2,728百万円収入が減少し、7,889百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益が4,898百万円、減価償却費を4,056百万円計上、売上債権の減少額が4,699百万円となった一方で、仕入債務の減少額が2,441百万円、棚卸資産の増加額が1,230百万円となったことなどによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ3,178百万円支出が減少し、5,404百万円の支出となりました。これは主に、有価証券・投資有価証券の売却・償還による収入が2,522百万円となりましたが、有形固定資産の取得による支出が7,119百万円、有価証券・投資有価証券の取得による支出が803百万円となったことなどによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、3,782百万円の支出(前年同期は1,612百万円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払額が1,163百万円、長期借入金の返済による支出が1,250百万円となったことに加え、短期借入金の純減少額が1,000百万円となったことなどによるものです。

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

(5)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

(7)研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は3,528百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。

コンデンサ事業

1,048百万円

NECST事業

2,480百万円

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。