第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の分析

当第2四半期連結累計期間における経済環境は、新型コロナウイルス感染症禍の終息に向け、経済活動は正常化が進む中で、半導体不足の解消による自動車生産やインバウンド需要も回復しながら推移しました。一方で、中国経済減速の動向、ロシア・ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー価格や原材料の高騰及び世界的な金融引き締め等により、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。

このような経済環境のもと、当社グループは、「日本タングステングループ2024中期経営計画」の達成に向けて、事業ROICを活用した根本的な生産性改善のノウハウ浸透及び成長期待事業への投資による事業ポートフォリオの改善に取り組んでおり、また、喫緊の課題である、新商品・新規事業創出の加速に向けて、サステナビリティも踏まえた新商品創出のためのテーマ分析の高度化及び開発中の商品の早期事業化等に取り組んでおります。

 

経営成績の分析は次のとおりです。

 

(売上高)

当社グループが注力する市場におきましては、産業用機器・部品市場は、顧客の在庫調整や設備投資の先送り等があったものの、第1四半期に納期が集中したことにより、増収となりました。一方で、半導体・電子部品市場がここ数年活発であったデータセンター投資の一服に伴い、ハードディスクドライブの在庫調整が想定よりも長期化していることから、大幅な減収となり、自動車部品市場も、半導体不足が解消する中で回復しつつあるものの、一部では在庫調整が継続しており、減収となりました。また、衛生用品機器・医療用部品市場は、前年同四半期を上回ったものの、中国の景気減速の影響等もあり、伸び悩むなかで推移しました。この結果、当社グループの売上高は、前年同四半期比14.2%減56億6千9百万円となりました。

 

(営業利益)

海外の連結子会社の業績が、円安効果もあり、好調に推移したものの、個別業績において、各ターゲット市場での注力商品の在庫調整、当期に実施した賃上げに伴う人件費の増加、生産性向上に向けた設備更新による減価償却費の増加等により、営業利益は、前年同四半期比52.0%減2億8千9百万円となりました。

 

(経常利益)

関連会社の持分法による投資利益の増加のほか、サステナビリティの観点から廃棄物の一部を売却に切り替える取り組みを行っているものの、営業利益が大幅な減益であったことから、経常利益は、前年同四半期比39.5%減4億5千7百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する四半期純利益)

清算中である海外子会社の設備の一部及び投資有価証券の一部を売却し特別利益として計上したものの、経常利益の減少により、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期比30.2%減3億6千1百万円となりました。

 

 

セグメント別の状況については次のとおりです。

なお、セグメント別の金額については、売上高はセグメント間の取引を含んでおり、営業利益は全社費用等調整前の金額であります。

 

(機械部品事業)

■産業用機器・部品市場

  塗付工具用として使用される超硬長尺製品は、二次電池製造用途での安価品への置き換えが進んでいることや、液晶ディスプレイ製造用途においても、需要の周期の谷間を迎えており、減収となったほか、二軸混錬押出機用の金属部品は、前連結会計年度が特需だったことや、納期が当連結会計年度下期に集中していることもあり、減収となりました。一方、その他の産業用装置において、第1四半期に納期が集中したこともあり、当市場としては増収となりました。

■半導体・電子部品市場
 情報機器関連のハードディスクドライブ(HDD)用磁気ヘッド基板は、データセンター等で使用される大容量HDDについて、サプライチェーン上での在庫過多が解消に至っておらず、大幅な減収となりました。

■衛生用品機器・医療用部品市場
 おむつなどの衛生用品製造設備の部品であるNTダイカッターは、前年同四半期と比較して増収となったものの、中国市場での需要が減速するなど、伸び悩む中で推移し、若干の増収となりました。

 

この結果、機械部品事業の売上高は、前年同四半期比14.2%減31億9千5百万円となり、営業利益は同41.9%減3億2千2百万円となりました。

 

(電機部品事業)

■自動車部品市場
 EVリレー用接点は、在庫調整の継続や顧客の稼働調整等もあり、減収となりました。

  電装部品溶接用の抵抗溶接用電極は、半導体不足の解消に伴い自動車生産が回復傾向にあることから、増収となりました。

■産業用機器・部品市場

  産業用設備向けのブレーカー用電気接点が、一時的な受注の回復がみられるものの、顧客の在庫積み増しによる調整が継続しており、減収となりました。

■衛生用品機器・医療用部品市場
 医療関連部材のカテーテル用タングステンワイヤー製品は、東南アジア地域での需要回復の遅れの影響があり、減収となりました。

 

この結果、電機部品事業の売上高は前年同四半期比13.9%減24億9千2百万円となり、営業利益は同17.9%減2億5千1百万円となりました。

 

② 財政状態の分析

(流動資産)

当第2四半期連結会計期間末の流動資産の残高は、前連結会計年度末と比較して1億3千2百万円減少103億6千1百万円となりました。これは主に、売上債権が3億4千5百万円増加したものの、現金及び預金が4億5千2百万円減少したことによるものであります。

 

(固定資産)

当第2四半期連結会計期間末の固定資産の残高は、前連結会計年度末と比較して5億6千4百万円増加68億7千8百万円となりました。これは主に、有形固定資産が3億2千2百万円及び投資その他の資産が2億4千4百万円増加したことによるものであります。

 

(流動負債)

当第2四半期連結会計期間末の流動負債の残高は、前連結会計年度末と比較して1億7千1百万円減少50億5千2百万円となりました。これは主に、流動負債その他に計上した設備関連債務が1億2千万円増加したものの、仕入債務が2億5千8百万円減少したことによるものであります。

 

(固定負債)

当第2四半期連結会計期間末の固定負債の残高は、前連結会計年度末と比較して1億7百万円増加4億3千9百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が9千9百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当第2四半期連結会計期間末の純資産の残高は、前連結会計年度末と比較して4億9千6百万円増加117億4千8百万円となりました。これは主に、利益剰余金が2億1千6百万円その他有価証券評価差額金が1億4千9百万円及び為替換算調整勘定が1億1千4百万円増加したことによるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況 

当第2四半期連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物の残高は、営業活動により4千3百万円の資金を獲得し、投資活動により3億8千1百万円の資金を支出し、財務活動により1億6千2百万円の資金を支出した結果、前連結会計年度末と比較して4億5千6百万円減少し、40億5千6百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は4千3百万円となり、前年同四半期と比較して4億5千万円の収入減となりました。これは主に、法人税等の支払額が減少したものの、仕入債務及び税金等調整前四半期純利益が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は3億8千1百万円となり、前年同四半期と比較して2億3千1百万円の支出増となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は1億6千2百万円となり、前年同四半期と比較して1千9百万円の支出減となりました。これは主に、前々連結会計年度に係る期末配当金1株当たり70円には、記念配当金1株当たり10円を含んでいたこと及び前連結会計年度に係る期末配当金が1株当たり60円であったことから、支払が減少したことによるものであります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。

 

① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念を尊重し、当社の企業価値の源泉やステークホルダーとの信頼関係を壊すことなく、中長期的な視点で当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の確保又は向上を真摯に目指す者でなければならないと考えています。

もとより当社は、上場会社である当社の株式は、資本市場において自由に取引されるべきものであり、当社株式の大量の買付行為につきましても原則としてこれを否定するものではなく、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、最終的には株主の皆様の自由な意思に基づいて決定されるべきものと考えております。

しかしながら、大量の買付行為の中には、十分な情報が提供されないまま、株主に株式の売却を事実上強要する恐れのあるものや、取締役会が当該買付行為の内容の検討や代替案の提案等を行うための十分な時間を与えないもの、真摯に会社の経営を行う意思に乏しいものなど、対象会社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう買付行為もないとはいえません。

当社としましては、当社の企業価値の源泉は、①材料技術と加工技術を融合した高度な粉末冶金技術、②製品や事業に関する高度な専門性を備えた人財及び熟練した技術を有する人財の存在、③重要な取引先(特殊な素材を取り扱う調達ネットワーク等)、顧客、地域社会等のステークホルダーとの間で長年に亘って構築された緊密な信頼関係、④現経営者と従業員との相互の理解と信頼に基づく良好な関係にあると考えております。

当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保又は向上させるためには、 かかる当社の企業価値の源泉に対する理解が必要不可欠ですが、当社株式の大量の買付行為を行う者が、当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、長年築きあげてきた技術、ノウハウなどの無形の経営資源と市場とを有機的に結合させ企業価値の増大を図る経営をするのでなければ、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に反することとなると考えます。

したがって、当社は上記のような当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に反する大量の買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

② 当社の基本方針の実現に資する特別な取組み
ア.企業価値向上のための取組み

当社は1931年の創業以来、タングステン、モリブデン等のレアメタル及びファインセラミックス等を用いた高度な粉末冶金技術により、高付加価値商品を幅広い産業分野に提供しております。照明用タングステン線・棒から事業を開始し、これまでにタングステン合金電気接点、超硬合金製品、セラミックス製品等の先進的な製品まで、材料技術をベースに超精密加工技術へと順次、事業領域を拡大してまいりました。当社は、これらの材料技術と加工技術を融合した高機能商品を創造するとともに、常にお客様の視点に立って長年に亘り誠実且つ堅実なものづくりの経営により、社会への貢献を果たしてまいりました。

当社のサステナビリティへの取組みにおいては、不確実性がさらに深まりつつある現代において、当社グループの経営理念の下、経済はもとより社会や地球環境に対して、どのような価値提供や貢献をすべきかを、パーパスである「より少なく、よりよく。Building a better world from less.」に込め、パーパスに共感する多くのパートナーと共に、物質的制約を超えていくソリューションを創造し続け、資源の枯渇や気候変動といった社会課題が解消された世界を実現していくことをビジョンに掲げております。このようなビジョンを達成するための5つの成功の柱(マテリアリティ)を策定し、全社横断的な組織であるサステナビリティ経営委員会が中心となり推進することで、環境課題・社会課題への対応や社会貢献活動に取組んでまいります。

当社は、コンプライアンスの徹底やリスクマネジメントの継続的な活動により経営の透明性・公平性を高め、株主の皆様をはじめステークホルダーとの良好な関係を築き、企業価値を高め、社会的責任を果たすべく努めております。さらに、高収益企業体質への転換を図るため、中期経営計画を策定し、ものづくりの強化を進めながら、成長著しい海外市場の開拓などグローバルな販売活動を進めております。

企業価値向上の中期的な取り組みとして、「成長に向けた基盤強化」と「100周年に向けた成長開始」を基本戦略として、下記の戦略について推進してまいります。

ⅰ.利益体質強化と既存事業の価値最大化

(利益体質強化)

突発的な環境変化においても、安定した利益を創出する体質への変革を進めます。また、ROEを向上させるため、利益率向上と資本回転率向上に取り組んでまいります。

(既存事業の価値最大化)

収益改善事業の取捨選択や、高収益事業の利益体質強化により、事業ポートフォリオを再編し、事業価値を最大限に高めてまいります。

 

ⅱ.成長戦略(成長事業の実現)

ポートフォリオを再編し、利益創出事業で得たリソースを成長期待事業へ集中し成長を目指してまいります。

(収益改善事業)

損益改善を行い、利益創出事業への転換を進めてまいります。また、採算が悪化した事業については市場からの撤退も検討してまいります。

(利益創出事業)

既存の高収益事業の利益体質を強化し、新市場の開拓や応用商品の開発を行い、安定した利益の創出を進めてまいります。

(成長期待事業)

利益創出事業で得た利益や収益改善事業の一部事業撤退により発生するリソースを成長期待事業へ集中し、成長市場に関わる商品を開発し事業化を進めてまいります。

(機械部品事業本部)

新商品(マゼロイ等)の事業拡大に合わせた設備投資、構築したGlobal生産体制によるNTダイカッターの拡販等、成長期待事業へリソースを集中してまいります。また、資本効率向上を目指した事業ポートフォリオを再編してまいります。

(電機部品事業本部)

成熟化した既存商品市場での知見・技術から生み出されるより高度な商品創出の取組み等を、モビリティー市場や医療分野等の成長が期待される新市場で開拓してまいります。また、棚卸資産の適正化等の資本効率の改善を進めてまいります。

 

ⅲ.新商品・新規事業創出の加速

「情報収集力の強化」「情報と仮説に基づいた開発」「フレキシブルな開発体制」により開発スループットを向上させ、情報管理体制の強化とともに新商品開発を加速し、5つのターゲット市場(衛生・医療、半導体・電子部品、自動車、産業機器、インフラ)へ新商品を投入してまいります。

 

イ.コーポレートガバナンスの充実について

当社は、法令を順守し、適正な企業活動を通じて、経営の透明性、効率性を確保し、経営監督と執行及び監査が有効に機能した統治体制のもとで企業価値を向上させ、株主、顧客、地域社会から信頼される企業となるよう、内部監査機能の充実、コンプライアンスの徹底した取組みによる企業統治の充実を図っております。

当社は、監査等委員会設置会社であります。取締役は、9名(監査等委員である取締役4名を含む。)、うち社外取締役4名(監査等委員である取締役3名を含む。)であります。

当社の取締役会は、法令・定款に基づき決議を要する事項のほか、重要事項に関して審議し、また、業務執行状況においても随時報告がなされております。また、執行役員及び常勤の取締役(監査等委員である取締役を除く。)で構成する経営会議を、原則として隔週開催し、取締役会決議事項以外の当社及びグループ会社の重要事項のほか、取締役会で決定された方針の具体化、事業に関わる課題の対策等を協議・決定しております。

常勤の監査等委員である取締役は、経営会議をはじめ主要な会議に出席し、必要に応じ意見を述べるほか、会計監査人、社内スタッフなどから報告を受けるとともに、子会社、関連会社への監査を行っております。社外の監査等委員である取締役は、財務報告における内部統制の運用状況、会計監査人による監査の状況、内部監査及び監査等委員会監査の状況等について、常勤の監査等委員である取締役より、適時報告を受け、意見及び助言を行っております。さらに、業務の執行状況等について代表取締役と意見交換を行い、把握しております。

内部監査体制におきましては、取締役社長直轄の組織として内部監査室を設置しており、会社の業務運営が経営方針、諸規程に準拠して適正に行われているかを監査し、その結果を取締役社長に報告しております。また、内部監査室は、監査計画を監査等委員である取締役に報告するとともに、その実施状況及び内容について適時報告しております。

内部統制体制におきましては、取締役社長を責任者として、各部門がその整備、運用を行っております。内部監査室は、社内規程に基づいて財務報告に係る内部統制の整備、運用状況の監査を行い、監査等委員である取締役は、監査内容について確認しております。また、会計監査人による監査においては、監査等委員である取締役は、監査の方法及び結果の相当性を確認しております。

コンプライアンス推進体制におきましては、コンプライアンス担当役員がコンプライアンス統括責任者となり、各部門等にコンプライアンス担当者を設置しております。また、リスクマネジメント委員会においてコンプライアンスの順守状況をモニタリングし、適宜改善指示等を行っております。

リスクマネジメント推進体制におきましては、当社の事業運営に影響を及ぼす恐れのある様々なリスクへの適切な対応を行い、経営基盤の安定化を図るため、リスクマネジメント委員会を設け、リスクの把握と評価、対応策を検討し、リスクが顕在化した場合の影響を極小化するリスクマネジメント活動を行っております。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、2023年5月19日開催の当社取締役会において、「当社の株券等の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」の更新を決定し(更新後の対応方針を、以下「本対応方針」といいます。)、その後、2023年6月29日開催の当社第112期定時株主総会において、本対応方針への更新をご承認いただきました。本対応方針への更新の目的及び本対応方針の概要は、次のとおりであります。

ア.本対応方針導入の目的

上記①記載の基本方針に基づいて、当社は、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に反する大規模買付行為(下記イ.に定義されます。以下同じです。)に対しては、適切な対抗措置を迅速且つ的確に発動することにより、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し又は向上させる必要性があると認識しております。このような認識のもと、当社取締役会は、金融商品取引法及び関連政省令の改正等の動向を注視しつつ、また、昨今の買収防衛策に関する議論の進展等を踏まえ、大規模買付行為が行われる場合に、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に反する買付行為でないかどうかを株主の皆様が判断することや、株主の皆様のために当社取締役会が大規模買付者と交渉を行うことを可能とするために、事前に大規模買付行為に関する必要な情報を提供すること、並びに、その内容の評価、検討、交渉及び意見形成、代替案立案のための期間を確保するための枠組みとして、以下のとおりの本対応方針への更新を行っております。

 

イ.本対応方針の概要

a. 本対応方針は、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け若しくは当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けに該当する行為又はこれらに類似する行為(但し、当社取締役会が予め承認したものを除きます。このような行為を以下「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行い又は行おうとする者を以下「大規模買付者」といいます。)がなされ、又はなされようとする場合において、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に反する買付行為でないかどうかを株主の皆様が判断することや、株主の皆様のために当社取締役会が大規模買付者と交渉を行うことを可能とするために、事前に大規模買付行為に関する必要な情報を提供すること、並びに、その内容の評価、検討、交渉及び意見形成、代替案立案のための期間を確保するための手続(以下「大規模買付ルール」といいます。)を定めるものです。

b. 大規模買付者が大規模買付ルールに従わずに大規模買付行為を行い若しくは行おうとする場合、又は、大規模買付者による大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なうものであると認められる場合には、当社は、当社取締役会決議(一定の場合には株主総会決議)に基づき、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し又は向上させるために、必要且つ相当な対抗措置(原則として、差別的行使条件及び差別的取得条項付きの新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の無償割当てを行います。)を発動することがあります。

c. 本対応方針においては、大規模買付ルールに従って一連の手続が進行されたか否か、及び、大規模買付ルールが順守された場合に当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し又は向上させるために必要且つ相当と考えられる一定の対抗措置を発動するか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行いますが、その判断の合理性及び公正性を担保するために、当社は、独立委員会規程に基づき、当社取締役会から独立した機関として、独立委員会を設置することとします。独立委員会の委員は、3名以上とし、社外取締役、弁護士、税理士、公認会計士、学識経験者、投資銀行業務に精通している者又は他社の取締役若しくは執行役として経験のある社外者等の中から選任されるものとします。

独立委員会は、大規模買付者の提供する大規模買付情報に基づき、必要に応じて適宜外部専門家等の助言を得ながら、当該大規模買付行為の具体的内容及び当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に与える影響等を評価・検討等した上で、本対応方針に従い当社取締役会がとるべき対応について勧告を行います。当社取締役会は独立委員会の勧告を踏まえ、これを最大限尊重しつつ、本対応方針に従って対応を決定するものとします。

 

④ 上記②の取組みが基本方針に沿うものであり、株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないことに関する当社取締役会の判断及びその理由

当社は、上記②の取組みの実施を通じて、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させ、それを当社の株式の価値に適正に反映させていくことにより、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なうおそれのある大規模買付行為は困難になるものと考えられることから、これは上記①に記載の基本方針に沿うものであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

⑤ 上記③の取組みが基本方針に沿うものであり、株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないことに関する当社取締役会の判断及びその理由

本対応方針への更新は、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し又は向上させることを目的として、大規模買付者に対して、当該大規模買付者が実施しようとする大規模買付行為に関する必要な情報の事前の提供、及び、その内容の評価・検討等に必要な期間の確保を求めるために行われたものであり、上記①に記載の基本方針に沿うものです。
 また、当社取締役会は、本対応方針は、以下の各点に照らして、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

a.株主意思を重視するものであること

本対応方針への更新は、株主の皆様のご意思を確認するため、2023年6月29日開催の当社第112期定時株主総会における承認可決を経て行われたものであり、株主の皆様のご意思が反映されております。また①当社株主総会において本対応方針を廃止若しくは変更する旨の議案が承認された場合、又は、②当社株主総会において選任された取締役によって構成される当社取締役会において本対応方針を廃止若しくは変更する旨の決議が行われた場合には、本対応方針はその時点で廃止又は変更されます。さらに、当社取締役会は、独立委員会による勧告を最大限尊重した上で、本新株予約権の無償割当てに関する議案を当社定款第11条第1項に基づき、当社株主総会に付議することがあり、これにより株主の皆様のご意思を直接確認することができることとしております。

b.買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること

本対応方針は、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を完全に充足しています。また、企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」その他昨今の買収防衛策に関する議論等を踏まえた内容となっております。さらに本対応方針は、東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則等の趣旨に合致するものです。

c.当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の確保又は向上の目的をもって更新が行われたこと

本対応方針への更新は、上記③ア.に記載のとおり、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し又は向上させることを目的として、大規模買付者に対して、当該大規模買付者が実施しようとする大規模買付行為に関する必要な情報の事前の提供、及び、その内容の評価・検討等に必要な期間の確保を求めるために、行われたものです。

d.合理的且つ客観的な対抗措置発動要件の設定

本対応方針は、合理的且つ客観的な要件が充足されない限りは、対抗措置が発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されています。

e.独立委員会の設置

上記③イ.c.に記載のとおり、当社は、本対応方針において、大規模買付ルールに従って一連の手続が進行されたか否か、及び、大規模買付ルールが遵守された場合に当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し又は向上させるために必要且つ相当と考えられる一定の対抗措置を発動するか否かについての取締役会の判断の合理性及び公正性を担保するため、またその他本対応方針の合理性及び公正性を確保するために、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置することとしております。
 これにより、当社取締役会による恣意的な本対応方針の運用ないし対抗措置の発動を防止するための仕組みが確保されています。

f.デッドハンド型買収防衛策ではないこと等

本対応方針は、本対応方針の有効期間の満了前であっても、当社株主総会で選任された取締役で構成された取締役会により、いつでも廃止することができるものとされております。したがいまして、本対応方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)の任期は1年であり、取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないためその発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策でもありません。

 

 

(4) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、1億5千万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われておりません。