(1) 会社の経営の基本方針について
当社グループは、長年お客様とともに生み出した自動化と流体制御の多彩な技術をもとに、企業理念 (Corporate Philosophy) に「私達は創造的な知恵と技術で流体制御と自動化を革新し豊かな社会づくりに貢献します」を掲げ、新たな発想と行動に挑戦しております。
また、経営理念 (Corporate Commitment) に「社会的責任の自覚、地球環境への配慮、顧客志向の徹底、技術革新への挑戦、人材重視の企業風土」を掲げ、国際社会にふさわしいグローバルに活躍できる企業として成長できるよう努めてまいります。
当社グループは、各事業の経営計画の目標達成を軸に利益を確保しつつ、新しい事業と市場に挑戦するため、売上高、営業利益率の向上と、株主資本利益率 (ROE) を安定的に維持することを経営目標として企業価値の向上に努めてまいります。
① 事業環境
世界では、気候変動とともに高齢化や労働力不足が大きな社会的課題となっており、企業は課題解決につながる活動が求められています。一方、IoT (Internet of Things) やAI (人工知能) の普及により、ビジネスモデルの変化が進んでおり、製造業においても環境保護への取組みとともに、製品の高機能化や製造工程の自動化・省人化への取組みが一段と加速しております。そのような中、2019年度に発生した新型コロナウイルスの感染拡大は、企業活動にも大きな影響を及ぼしており、今後は感染対策からも人に頼らない生産設備や、設備の遠隔操作など、自動化・省人化に向けたニーズがさらに高まるものと想定しております。
② 長期経営ビジョン及び中期経営計画
<長期経営ビジョン>
当社グループは、今後大きな変化を遂げていく市場環境に対応するために、2016年度に「10年VISION」を策定いたしました。10年先を見据えたうえで、流体制御と自動化のパイオニアとして「世界のFAトータルサプライヤー」を目指し、企業の成長とともに、事業を通じたさらなる社会貢献と、持続可能な社会の実現に努めてまいります。ニューノーマルによって新しい価値観が生まれる中、2021年度に「10年VISION」を見直し、4つの基本方針「新しい事業と市場に挑戦」「グローバル化を加速し海外市場を拡大」「サスティナブルな経営基盤の確立」「人材重視の企業風土を構築」に基づき、高い目標に向かって果敢に挑戦を続け、その結果生み出される新しい価値を世界に示してまいります。そして、将来を見据えた新たな技術・商品の開発や、海外市場への積極的な展開、お客様第一のサービス体制強化を通じて、すべてのステークホルダーの皆様と共に、真のサスティナブル企業を目指してまいります。
<中期経営計画>
第4次中期経営計画(2020年3月期から2022年3月期の3か年)は、「10年VISION」達成に向け、力強い成長を実現するために、将来につながる事業基盤を構築する3年間と位置付け「Build-up CKD 2021」としました。生産能力の拡大とBCP (事業継続計画) を実現する東北新工場と中国新生産棟の活用とともに、自動化への投資を進め、高い生産性を実現してまいります。
・ 自動機械事業では、主力の薬品包装のお客様に向けたメンテナンスを含むサービス機能の強化、海外市場への展開など新市場開拓を組み合わせ、売上拡大と収益確保に取組んでまいります。
・ 機器事業では、安全性を求める食品業界や、高精度で高い信頼性を求める半導体・二次電池・電子部品などの先端産業に対し、その市場に特化した空気圧機器や電動機器、そして流体制御機器を幅広く提供できるトータルFAサプライヤーを目指してまいります。そして市場のグローバル化に対応するために、今まで取組んできた東アジア、ASEANに続いて、欧州、北米、インドにおける事業基盤を整備し、開発・生産・販売体制を強化してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題について
① ニューノーマルに向けた取組み
新型コロナウイルス感染症の影響により、社会の価値観や市場そのものが大きく変化をしています。ニューノーマルによって新しい価値観が生まれる中、感染予防対策を継続し、リモートワークなどの新たな業務形態を定着させるとともに、デジタル化を推し進めながら業務効率向上に取組んでまいります。そして、中長期の成長に欠かせない設備投資は状況を注視しながら着実に行い、企業として社会的責任を果たすべく、環境や社会に貢献しながら持続的な成長につなげてまいります。
具体的には、自動機械事業において、薬品用自動包装機は新型コロナウイルス感染症の影響による各国の移動制限措置に備えるため、Webを活用したリモートでの機能検査・工場出荷検査(FAT:Factory Acceptance Test)を進めてまいります。
また、機器事業においては、対面による営業が困難となったことや、展示会出展の縮小などの機会損失を抑えるため、リモートで商品のご紹介やバーチャル工場見学ができるようデジタルコンテンツを充実させてまいります。さらに、人手不足などの社会課題の解決に向けた生産現場の自動化・省人化が進展すると予想され、IoT関連機器、センサ、画像処理ソフトなど自動化・省人化に貢献する商品開発により、事業を通じて社会の課題解決と発展に貢献してまいります。
そして、財務面においては、不測の事態による事業環境の変化に備え、安定的かつ機動的な資金調達を可能とするために2020年6月18日にコミットメントライン契約を締結しております。
② 中長期的な成長に向けた取組み
a) 新しい事業と市場に挑戦
新事業の立ち上げと新市場の開拓に向け、様々な挑戦をいたします。新しい事業の中で最も注力する電動事業では、当社が従前より保有する空気圧機器のコンパクトで力が強くメンテナンスし易いといった特徴に、高精度の位置制御ができる電動機器の特徴を加え、多様化するお客様のご要望にお応えできるよう取組んでまいります。また、グループ会社のCKD日機電装 (株) とのシナジー効果も高め、開発から販売までの取組みを強化してまいります。医薬品市場で培った検査技術を生かした新たな検査装置、安全で働きやすい労働環境を実現するための助力装置 (パワフルアーム) など、新しい技術で豊かな社会づくりに貢献してまいります。
b) グローバル化を加速し、海外市場を拡大
競争力の高い商品を、地域ごとに選択と集中を進め、海外市場の拡大を目指します。自動機械事業では、中国の薬品製造市場に参入するために、中国市場向け専用機の現地開発と合わせ、サービスを含めた現地対応力を高めていきます。機器事業では、東北工場を活用し、高機能製品の世界に向けた展開を一段と強化してまいります。米国では、テクニカルセンターの機能強化により、お客様に密着した商品企画と開発を進めるとともに、新たな生産拠点を立ち上げて現地ニーズに対応してまいります。欧州市場では、アライアンスにも取組み市場開拓を積極的に推進してまいります。このように、海外市場の地域や国毎に合わせた商品開発や事業戦略を展開し、その国の文化や人材を取込みながら、現地に根付いた活動を推し進め、現地対応力を高めてまいります。
c)サスティナブルな経営基盤の確立
事業を通じて環境や社会に貢献しながら、持続可能な成長を実現するための経営基盤を確立してまいります。そのためには、デジタル技術や基幹システムを活用し、最適な組織編成で生産性を一段と向上させてまいります。また、CSR (企業の社会的責任) 活動を推進し、環境や社会の課題解決に向けた取組みを進めて、サスティナブルな企業を目指します。
d) 人材重視の企業風土を構築
当社グループでは、「人材重視の企業風土」を経営理念の一つとして掲げており、「人材」を「人財」として企業の持続的な発展・成長のための重要な経営資源と位置付けています。今回、長期経営ビジョン「10年VISION」を見直し、社会の大きな変化を乗り越えて成長につなげるため、「人材重視の企業風土を構築」を4つ目の基本方針に組み入れました。
会社をより良く運営していくために、最も人材が大切であると考え、次世代リーダー、グローバル人材に加え、デジタル人材も計画的に育成し、全ての社員が活躍できる環境としくみを整えて、社員のエンゲージメントを高めるための職場づくりを重点化してまいります。
③ ESG (環境・社会・ガバナンス) に対する取組み
当社グループでは、社会情勢や事業環境の変化を踏まえ、長期的な視点で企業活動を行っています。
SDGs(持続可能な開発目標) のゴールにつながる活動に取組み、ステークホルダーの皆様との信頼関係を築きながら、事業を通じて社会の課題解決と発展に貢献してまいります。
環境負荷低減型商品について、省エネ、省資源に加えて、ライフサイクルの視点を考慮し、開発・拡販に取組んでおります。また、インフラ・生産工程を改善し、エネルギー使用量の削減に努めております。
今後も、法律、規則を順守し、メーカとして長年培ってきた自動化技術、流体制御技術を活かした環境にやさしい商品を開発し、お客様にお届けすることにより、地球環境の保全に貢献してまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、グローバルに事業展開しているため、マクロ経済の悪化、関連市場の動向、国内外の景気変動等により、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原材料の価格や調達数量、為替、関連法規制などによって影響を受ける可能性があります。事業分野毎に想定されるリスクは以下のとおりです。
① 自動機械部門
自動機械部門の製品は、特定の市場に向けて販売しております。薬品包装分野では、国内において急速に進展する少子高齢化等により医療保険財政が悪化する中、定期的な薬価引き下げなどの医療費抑制策の動向に対して、医薬品メーカの設備投資の縮小により受注が減少した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
産業機械分野では、自動車の電子化の進展や環境対応車の普及に貢献する製品とサービスをいち早く提供することで顧客価値の向上に努めております。しかし、当社グループが顧客価値を向上させるソリューションをタイムリーに提供できない場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 機器部門
機器部門の製品は、グローバル市場における急速な自動化ニーズの高まりと低炭素社会に向けた環境配慮などから、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化し、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに提供できない場合や、一部製品のコモディティ化による新興国の競合との価格競争が激化した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を与える可能性があります。
半導体市場においては、技術革新や需給バランスにより半導体デバイスメーカの設備投資が大きく変動することがあります。当社グループでは、設備投資が減少した局面においても、利益が生み出せる事業構造を目指し、取組んでおります。しかしながら、想定を超えた急激な設備投資の縮小により、稼働率低下やたな卸資産の増加等が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は危機管理委員会を立ち上げ、海外を含む当社グループ各社と連携して感染防止策を展開し、従業員の健康と安全を確保したうえで事業継続に必要な対策に取組んでおります。
具体的には、自動機械事業において、新型コロナウイルス感染症の影響による各国の移動制限措置に備え、リモートでの機能検査・工場出荷検査を進めてまいりますが、感染拡大が想定を上回り、国内外のお客様の工場における機械の据付け工事や立上げのための運転ができない場合には、売上高の計上が遅延し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、機器事業においては、新型コロナウイルス感染症による機会損失に備えたデジタルコンテンツの充実を進めてまいりますが、感染拡大が想定を上回り、機会損失を抑えきれない場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内はもとより、アジア・北米・欧州にてグローバルな事業展開をしており、今後もグローバル化を推し進め、海外での生産・販売体制を強化してまいります。
進出先における新たな販売先の開拓、販売及び供給体制の整備等が計画どおりに進まない場合や、政府の規制や経済情勢の変化、インフラの障害、予期せぬ事象 (戦争、テロ、災害、伝染病等) により社会的混乱が広がった場合、また、米中貿易摩擦や日本の対韓輸出管理問題の状況が悪化した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、グローバルに事業展開しているため、外貨建での営業債権は為替変動のリスクに晒されておりますが、為替予約取引・外貨での資金調達を利用することにより、為替変動リスクをヘッジしております。
また、当社グループは、アジア・北米・欧州等において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上高、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これらの項目は外貨の価値が変わらなかった場合においても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ISO9001の認証取得を含む品質保証体制の継続的な確立に努めております。当社グループの製品に不良があった際に、不良品に対する代替品提供等の補償をするコストの発生並びに製品が人的被害又は物的損害を生じさせた場合には製造物責任を負う可能性があり、また、顧客からの信頼低下にも繋がる可能性があり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主な生産拠点を愛知県と三重県に設けており、当地域では東海・東南海・南海地震発生のリスクが予測されております。それらの地震の発生に備えて、東北工場における生産拡大を進めております。また、地震以外にも、大雨、洪水などの自然災害により、社員や事務所・設備などに対する被害が発生し、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、リスク管理の一環としてBCP (Business Continuity Plan) を策定し、情報システムハードウェアの免震施設への移設、社員安否確認システムの構築、国内外代替生産拠点の想定、資金面での担保に取組み、災害時の緊急対応とともに早期復旧を実現させます。しかしながら、地震・自然災害発生時は当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報セキュリティ
当社グループは、業務遂行上、技術情報等の機密情報や、顧客・取引先・従業員等の個人情報を有しています。これらの情報保護のために、情報セキュリティ管理体制を構築し、情報セキュリティ管理方針や各種規定を整備し、最新の情報セキュリティ対策を継続的に実行するとともに、従業員教育及び内部監査などの施策を推進しております。
しかしながら、サイバー攻撃や予期せぬ事態によって情報セキュリティ事故が発生する可能性は皆無ではなく、その場合、当社グループの社会的信用低下や損害賠償訴訟等により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 機器部門におけるたな卸資産評価の影響
当社グループは、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに供給するため、一定量のたな資産を確保しております。機器部門においては半導体市場をはじめ、需給のバランスを予測し、必要最小限の在庫量を維持する取組みを行っておりますが、想定を超えた受注量の減少があった場合においては、あらかじめ確保しておいたたな卸資産の回転が鈍り、たな卸資産が増加することにより、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 自動機械部門の客先検収による売上高計上
当社グループの自動機械部門においては、工事契約について、顧客の検収をもとに売上計上する工事完成基準を適用しておりますが、顧客都合や、技術的要因で顧客満足を十分に得られないことによる売上高計上の遅延により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 有形固定資産の減損
当社グループでは、大幅な市況の低迷により工場稼働が低下し、減価償却費が収益を圧迫することで業績悪化に繋がる可能性があります。また、想定外の事業環境変化により海外子会社の業績が悪化する可能性があります。その場合、固定資産評価の減損損失が発生し、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) システム
当社機器部門では、グローバルな事業展開をさらに加速させるため、ERPシステムを導入し、営業・生産・会計の一元管理を行っております。システムの安定稼働のために、データセンターでのデータ管理による安全対策を講じていますが、想定を超える自然災害や事故により、設備の損壊やシステムの停止、通信障害等のシステム障害が発生した場合には、生産ライン、物流システムの停止により顧客への製品の納入に支障が出るなど、事業活動が一時的に停止し、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 気候変動等の環境に関連する影響
環境問題の深刻化により、温室効果ガスの使用・排出規制や省エネルギー等の規制が強化されたり、地球温暖化防止のため脱炭素社会に向けた動きが世界的に加速する中で当社グループが脱炭素社会の実現に寄与する事業や商品の開発が遅れた場合や、脱プラスチックの世界的な流れの中、包装事業の対応が遅れた際には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13) コンプライアンス
当社は、行動規準の徹底とコンプライアンス教育を通じて従業員の意識改革を図るとともに、継続的に海外の法令情報を確認しグループ各社と共有することにより、当社グループ全体で法令順守に取組んでおります。
しかしながら、競争法違反、贈収賄、その他国内・国外における法令違反等の摘発を受けた場合は、課徴金・罰金等の制裁、及び顧客からの取引停止等による企業イメージと信頼の低下により、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 人材の確保・育成
日本国内では出生率の低下から年々少子高齢化が進み、国内における労働力の確保が困難になることが予想されるため、国内工場の自動化を推し進め、人に頼らない生産体制の構築を目指しております。また、今後、東アジア、東南アジアを主体に海外での需要が高まることから海外売上比率の向上が進むことが想定されるため、国内の人材の育成強化と共に海外の人材の育成・活用を積極的に推し進めてまいりますが、グローバル人材、企画提案力のある人材等の不足が生じたり、人材の育成が進まなかった場合には、生産活動、営業活動への支障が生じ、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15) サプライチェーン
当社グループは、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに供給するため、一定量のたな卸資産を確保し、円滑なサプライチェーンの維持に取組んでおりますが、地球温暖化に伴い近年多発する自然災害や火災の発生により、調達部品の入手に支障が生じたり、サプライヤーの事業継承問題により部材調達に支障が生じた場合には、当社グループの製品の生産・供給に遅れが生じ、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ (当社、連結子会社及び持分法適用会社) の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下、「経営成績等」という。) の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
自動機械部門は、産業機械では、リチウムイオン電池製造システムの売上高は増加したものの、三次元はんだ印刷検査機の売上高は減少いたしました。また、自動包装システムでは、売上高が減少いたしました。
その結果、売上高は14,163百万円(前期比10.3%減)、セグメント利益はセールスミックスの変化や新たな中国市場向け装置の開発費増加などにより、1,659百万円(前期比43.3%減)となりました。
機器部門は、国内市場では、5Gの普及にテレワーク関連の需要が重なり、設備投資が拡大した半導体製造装置向け売上高は増加いたしました。一方、自動車の製造設備向けや工作機械向けの売上高は、一部で需要の回復がみられましたが、それぞれ減少いたしました。
海外市場では、製造業全般で生産活動の正常化が進んだ中国や半導体設備投資が底堅く推移した韓国や台湾などで売上高が増加いたしました。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大により東南アジアの売上高は減少いたしました。
その結果、売上高は92,560百万円(前期比9.0%増)、セグメント利益は生産性改善や経費削減の効果により、10,076百万円(前期比59.8%増)となりました。
よって当期における連結業績は売上高106,723百万円(前期比6.0%増)、営業利益7,698百万円(前期比47.2%増)、経常利益7,823百万円(前期比45.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,273百万円(前期比42.9%増)となり、営業利益率は前期比2.0ポイント増加の7.2%となりました。これにより、1株当たり当期純利益は前連結会計年度と比較して20円67銭増加し、80円23銭となりました。また、ROEも利益増加により4.5%から5.9%に上昇いたしました。
次年度の見通しと方針について、次期の世界経済は、新型コロナウイルス変異種による感染拡大や活動規制への懸念で依然として不確実性は高いものの、ワクチンの普及による感染症の収束や各国政府の追加経済対策への期待も高まり、回復基調が継続していくと想定しています。
社会の価値観や市場そのものが大きく変化し、デジタル化が促進される中、当社グループを取り巻く事業環境は、製造業の自動化・省人化需要の高まり、半導体設備投資といった電子産業における投資拡大、自動車の電動化に向けた需要の増加等により、グローバルで着実な回復を見込んでおります。
ただし、米中間の貿易摩擦が及ぼす影響、一部部材の供給不足等のリスク、地震や自然災害が及ぼす影響、さらに地政学的リスクや為替変動が及ぼす影響に注視していく必要があります。
なお、2020年3月期からスタートさせました中期経営計画『Build-up CKD 2021』のこの2年間を振り返るとともに、今後を考えますと、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初想定した事業環境とは、大きく異なる状況になったと捉えています。そのため、コロナウイルス後を見据えた次の成長に向けた設備投資は、自動化・省人化を進め、社会的変化に柔軟に対応しながら、着実に事業を運営してまいります。このような考え方により、最終年度である2022年3月期の業績目標は、売上高118,000百万円、営業利益11,000百万円、営業利益率9.3%、ROE7.7%に置き直して取組んでまいります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.自動機械部門以外は、需要見込による生産方法をとっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ16,667百万円増加の152,726百万円となりました。これは主に、売上債権、有形固定資産及び繰延税金資産が減少したものの、現金及び預金並びに投資有価証券が増加したことによるものであります。
現金及び預金は、売上債権の回収改善が進んだこと及び新株予約権の行使による資金調達により増加いたしました。また、投資有価証券は、保有する株式の時価評価が上昇したことに伴い増加いたしました。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,514百万円増加の55,108百万円となりました。これは主に、借入金及び未払消費税等が減少したものの、仕入債務、前受金、繰延税金負債、未払法人税等及び設備未払金が増加したことによるものであります。
借入金は、計画的に返済し有利子負債が減少したものの、受注増加に伴う仕入債務の増加、及び利益増加に伴う未払法人税等の増加により、負債が増加いたしました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ15,152百万円増加の97,617百万円となりました。
当社グループでは自己資本比率60%以上を目安としております。当連結会計年度では、新株予約権の行使及び親会社株主に帰属する当期純利益の増加により、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ3.4ポイント増加の63.8%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物 (以下「資金」といいます。) は、前連結会計年度末に比べ17,503百万円増加の35,913百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、17,521百万円 (前期比1.6%増) となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益7,727百万円、減価償却費5,507百万円、売上債権の減少2,119百万円、仕入債務の増加2,102百万円による資金の増加によるものであります。
前連結会計年度では、在庫の適正水準化、必要最小限の在庫量の維持に取組んだ結果、営業活動で資金が増加いたしましたが、当連結会計年度においては、引続き適正在庫の維持に取組んだことに加え、売上債権の回収改善により、営業活動において資金は大幅に増加いたしました。
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、2,786百万円 (前期比38.8%減) となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出2,727百万円による資金の減少によるものであります。
前連結会計年度に続き、当連結会計年度においては大きな設備投資計画を控えたため、投資活動による資金の支出は減少いたしました。
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、2,423百万円 (前期は6,022百万円の減少) となりました。
これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入7,309百万円による資金の増加、長期借入金の返済による支出3,584百万円、配当金の支払額1,340百万円による資金の減少によるものであります。
前連結会計年度では、借入金の計画的な返済により資金が減少いたしましたが、当連結会計年度においては、借入金の計画的な返済はあったものの、新株予約権による資金調達により財務活動において資金が増加しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、研究開発費並びに当社グループの設備新設、改修等にかかる投資であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
当社グループは、円滑な事業活動に必要となる流動性の確保と財源の健全性及び安全性の確保を資金調達の基本としており、市場環境等を考慮した上で、有効かつ機動的な資金調達を実施しております。資金需要を満たすための資金は、原則として営業活動によるキャッシュ・フローを主とした内部資金を財源としますが、多額の投資に対する資金需要が見込まれる場合などは、銀行等からの借入などの外部資金を活用いたします。
資金調達をおこなう場合は、期間や国内外の市場金利動向、自己資本比率、DEレシオ (負債資本倍率) などの財務指標への影響度などを総合的に勘案しながら、最適な資金調達を実施してまいります。
設備投資資金については、2020年度は、設備投資3,620百万円、研究開発費3,578百万円となりました。2021年度以降は、事業拡大に向けた生産能力増強及び自動化投資を行ってまいります。
株主還元については、経営における重要課題の一つとして考えており、連結配当性向30%を目安としております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」 をご確認下さい。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、資産、負債、収益及び費用の数値に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りとは異なることがあります。
連結財務諸表を作成するにあたって、半導体、自動車及び工作機械等の市況の変化や日中貿易摩擦の影響及び新型コロナウィルスの感染拡大の影響を考慮した仮定を用いて、その不確実性を見積りに反映しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、機器部門のたな卸資産の評価、繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損について見積り特有の不確実性により、財政状態及び経営成績に重要な影響が及ぶ可能性があると考えております。
なお、機器部門のたな卸資産の評価の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載のとおりです。当該評価について、市況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。
経営上の重要な契約等はありません。
当社グループは、創造的な知恵と技術で多種多様な流体制御と自動化の技術を活かし、豊かな社会づくりに貢献できる商品の開発をしております。また、市場のタイミングを逃がさないスピードでお客様に満足いただける商品とサービスが提供できるように、開発・生産・販売の各部門が組織的な活動を進めております。
商品開発の基本指針としましては、「グローバル化を推進するための海外商品開発の活動」「環境対応ビジネスを促進するエコ商品の開発活動」「5年10年後を見据えた先端技術開発活動」に取組んでまいりました。
当連結会計年度における各事業部門の研究開発項目は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は、
薬品包装部門では中国市場向けに新機種開発を進めております。2020年度は“安定品質”と“デザイン”にこだわったFBP-300Wを発売いたしました。2021年度はさらに高速機の開発も進めてまいります。
これまで薬品包装機FBPシリーズを多数お使いいただいているお客様の生産性向上に寄与できるサービス商品として、生産支援ツール「Rinops」や画像検査の保守設定を遠隔でサポートする「Inter Plant Link」のご提供を進めてまいりました。これらのツールを使用し、グループ会社のCKDフィールドエンジニアリング (株) を活用することにより、お客様に満足いただけるサポートビジネスを展開してまいります。今後もICTを活用した生産支援、サポートビジネスツールの開発に注力してまいります。
新型コロナウイルス感染拡大の中、装置のお客様立ち合いにはオンラインツールを活用したリモートFATを実現いたしました。ニューノーマルに対応するツール開発にも取組んでおります。
検査機部門では薬品検査の画像処理技術を応用した新商品を開発いたしました。目視でしか行えない検査の自動化を実現する透明体検査装置「IS-UVCL01」を発売いたしました。一般の画像検査では判別できない透明体の不良判別が可能となり検査工程の自動化に寄与いたします。
電池部門では、国内外市場のPHV、EV向けリチウムイオン電池用高速巻回機の開発で培った技術を基に、電池の更なる生産性向上と電池性能・品質の向上に寄与する技術開発に取組み、環境と社会に貢献いたします。
はんだ印刷検査機部門では、勢いのある中国市場や成長市場である車載関係に向け、VPシリーズをよりグローバルに拡販できるよう“デザイン”と“操作性”にこだわった「VP9000シリーズ」を市場投入いたしました。引き続きシェア拡大のために更なる高性能機種の開発と商品バリエーション拡充のための開発に注力してまいります。
医療食品部門では、発売中のVパックの要素技術を活用した包材ビジネスへの展開を進めるとともに、当社の強みである加熱、深絞り成形、シールに関するコア技術をさらに蓄積し新たな包装形態、市場にチャレンジいたします。
研究開発費の金額は、
将来を見据え「電動事業の強化・拡大」と「成長業種攻略に向けた商品開発」を重点に取組んでおります。特に当社の強みを活かした電動機器と空気圧機器を融合した商品など、お客様にとってベストな提案ができる商品を目指しております。また、サスティナブルな企業として、温室効果ガス抑制、産業廃棄物の削減など環境へ配慮した環境負荷低減商品の開発に継続的に取組んでまいります。
電動事業では、昨年投入した新電動シリーズに機能の最適化とコストパフォーマンスを追求したモデルとして電動アクチュエータEBS-G、EBR-G及びコントローラECGを開発、発売いたしました。ECGシリーズは、従来品と比べ更なる小形化と隣接設置で制御盤の省スペース化に貢献いたします。
成長業種攻略商品では、バイオ医薬品や再生医療用の細胞培養装置への搭載を目的にエアオペレイト式ピンチバルブHYAシリーズを国内他社に先駆けて商品化いたしました。
また、協働ロボットの普及を見据え、世界シェアNo.1のユニバーサルロボット社の認証グリッパに加え、テックマンロボット社 (オムロン) の認証品、FANUC社の認証品全9シリーズの協働ロボット用グリッパ (空気圧式) の展開を進めました。協働ロボット用グリッパRLSH/RHLF/RCKLシリーズは、作業者の「安心・安全」を守る360度視認可能なインジケータ、工具を使用せずに取り外しできる実装・設定・保守までの一貫した容易さのデザインなどが評価され、「2020年度グッドデザイン賞」 (主催:公益財団法人日本デザイン振興会) を受賞いたしました。当社製品は、製品カテゴリーで3年連続の受賞となります。
環境対応商品といたしましては、高耐久機器HPシリーズに新たに7シリーズを追加発売、5シリーズにバリエーションの追加を行い商品ラインナップの充実を図りました。HPシリーズについては、機械の長寿命化を実現し、廃棄物を削減させることでSDGsに大きく貢献するものであり、今まで進めてきた環境に対する取組みや姿勢を認めていただき、「愛知環境賞」最高の金賞を受賞いたしました。また、HPシリーズのコンセプトである、「壊れない・壊れる前に知らせる・壊れてもすぐ交換できる」を評価いただき、モノづくりに寄与する卓越した部品・部材として、「2020年“超”モノづくり部品大賞」 (主催:モノづくり日本会議/日刊工業新聞社) において「機械・ロボット部品賞」を受賞いたしました。今回で17回目となる本賞において、当社は3年連続の受賞となりました。引き続き2021年度もシリーズの拡充を進めてまいります。
製造業における生産性向上のニーズが高まる中、急激に加速するIoTやAIなどのデジタルテクノロジーの一手として、画像処理ビジュアルプログラミングツールFacileaを発売いたしました。Facileaは当社が20年以上培ってきた画像処理技術を応用し、ビジュアルプログラミングを採用することで、専門的なプログラミングスキルがなくてもドラッグ&ドロップと簡単な設定入力の3ステップで画像検査システムを構築することができます。製品検査 (寸法計測や位置検査、色識別) 、実績収集 (バーコードやQRコードの読み取り) 、安全確認 (人の立ち入りチェックなど) 、教育や研究 (画像処理用教材・AI活用のためのデータ処理) 等々、生産現場にとどまらずあらゆるシーンに貢献いたします。
研究開発費の金額は、
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。