(1) 会社の経営の基本方針について
当社グループは、長年お客様とともに生み出した自動化と流体制御の多彩な技術をもとに、企業理念 (Corporate Philosophy) に「私達は創造的な知恵と技術で流体制御と自動化を革新し豊かな社会づくりに貢献します」を掲げ、新たな発想と行動に挑戦しております。
また、経営理念 (Corporate Commitment) に「社会的責任の自覚、地球環境への配慮、顧客志向の徹底、技術革新への挑戦、人材重視の企業風土」を掲げ、国際社会にふさわしいグローバルに活躍できる企業として成長できるよう努めてまいります。

当社グループは、各事業の経営計画の目標達成を軸に利益を確保しつつ、新しい事業と市場に挑戦するため、売上高、営業利益率の向上と、株主資本利益率 (ROE) を安定的に維持することを経営目標として企業価値の向上に努めてまいります。
① 事業環境
世界では、新型コロナウイルス感染拡大の長期化や地政学リスクの高まりなど不確実性は高いものの、ワクチン普及の進展による社会生活の正常化や生産活動に対する制約が徐々に収束に向かうことが見込まれております。また、気候変動とともに高齢化や労働力不足が大きな社会的課題となっており、企業は持続可能な社会の実現に向けた課題解決につながる活動が求められています。
一方、IoT (Internet of Things) やAI (人工知能) などテクノロジーの進展により、ビジネスモデルの変化が進んでおり、製造業においても環境保護への取組みとともに、製品の高機能化や製造工程の自動化・省人化への取組みが一段と加速しております。
社会の価値観や市場そのものが大きく変化し、デジタル化が促進される中、人に頼らない生産設備や、設備の遠隔操作など製造業の自動化・省人化需要の一層の高まり、半導体設備投資といった電子産業における投資拡大、自動車の電動化に向けた需要の増加などを想定しております。
② 長期経営ビジョン及び中期経営計画
<長期経営ビジョン>
当社グループは、上述した企業理念「私達は創造的な知恵と技術で流体制御と自動化を革新し豊かな社会づくりに貢献します」のもと、自動機械装置と機器商品の開発・生産・販売・サービスを通じて、「技術革新と価値創造によって社会の課題解決に貢献」することを目指しております。
そして、2016年に策定した長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を、環境変化に合わせて、2度改訂し、2025年までの10年間における長期目線の取組みを強化しながら進めております。
「より豊かな社会づくりに貢献すること」「社員、そして家族を幸せにすること」「株主の皆様からの期待に応えること」の3つを目標として掲げ、4つの基本方針「新しい事業と市場に挑戦」「グローバル化を加速し海外市場を拡大」「サスティナブルな経営基盤の確立」「人材重視の企業風土を構築」に基づき、高い目標に向かって果敢に挑戦を続け、その結果生み出される新しい価値を世界に示してまいります。
そして、将来を見据えた新たな技術・商品の開発や、海外市場への積極的な展開、お客様第一のサービス体制強化を通じて、すべてのステークホルダーの皆様と共に、真のサスティナブル企業を目指してまいります。

<中期経営計画>
第4次中期経営計画「Build-up CKD 2021」 (2020年3月期から2022年3月期の3か年) を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症の影響により事業環境が変化し、社会的な変化もあった中、柔軟に対応してきた3年間だったと認識しております。自動化・省人化ニーズの高まり、半導体需要の増加などを背景に、最終年度は利益目標を達成することができました。
自動機械事業では、包装、産業機械ともに社会の課題解決につながる商品を拡充し、機器事業では、自動化・省人化ニーズ、半導体需要の増加など成長する産業に対応した生産能力増強と生産性向上を実現いたしました。
また、海外事業基盤の強化では、中国工場で中国市場に対応した生産拡大、タイ工場で流体制御機器の増強、米国新工場は、2022年3月に完成し、4月に竣工いたしました。さらに、アライアンスでは、欧州の売上拡大につなげるため、イタリアの販売会社であるEPSITEC社の全ての株式を取得し、子会社化するなど、中長期の成長に欠かせない設備投資や事業強化を進め、グローバル化を促進いたしました。
2023年3月期からスタートさせました第5次中期経営計画『Exciting CKD 2025』は、2026年3月期までの4年間の中期経営計画です。長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を達成し、次の長期経営ビジョンへつなげる基盤構築の位置づけとなります。事業を通じて社会に貢献し、新たな価値を創出しながら心躍る4年間として、次の10年につなげる意味を込めて「Exciting」といたしました。
成長が見込まれる半導体や電池などの産業、電動事業や新事業、海外市場に注力するとともに、サービスビジネスにつながるカスタマーサービスを強化し、経営効率を向上させながら、経営基盤の強化に取組み、企業価値向上を目指してまいります。



(4) 会社の対処すべき課題について
① ニューノーマルに向けた取組み
新型コロナウイルス感染症の影響により、社会の価値観や市場そのものが大きく変化をしています。ニューノーマルによる新しい価値観が定着しつつある中、感染予防対策を継続し、リモートワークなどの柔軟な働き方やデジタル化を推し進めながら業務効率向上に取組んでまいります。そして、中長期の成長に欠かせない設備投資は状況を注視しながら着実に行い、企業として社会的責任を果たすべく、環境や社会に貢献しながら持続的な成長につなげてまいります。
具体的には、自動機械事業において、薬品用自動包装機は新型コロナウイルス感染症の影響による各国の移動制限措置に備えるため、Webを活用したリモートでの機能検査・工場出荷検査 (FAT:Factory Acceptance Test) を進め、お客様に寄り添いながらサービスを充実させてまいります。
また、機器事業においては、対面による営業や展示会出展など機会の損失を抑えるため、リモートで商品のご紹介やバーチャル工場見学ができるようデジタルコンテンツをより一層充実させてまいります。さらに、今後も人手不足などの社会課題の解決に向けた生産現場の自動化・省人化の進展が加速すると予想され、IoT関連機器、センサ、画像処理ソフトなど自動化・省人化に貢献する商品開発により、事業を通じて社会の課題解決と発展に貢献してまいります。
② 中長期的な成長に向けた取組み
新しい価値観が生まれる中、事業環境及び社会的変化を考慮し、2016年に策定した長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を2021年に見直しいたしました。
基本方針の方向性は変えず、グローバル化を加速させるとともに、サスティナブルな経営基盤の確立を目指します。また、人材重視をより明確にするため、3つの基本方針から、新たに1つ加えて4つといたしました。
a) 新しい事業と市場に挑戦
新事業の立ち上げと新市場の開拓に向け、様々な挑戦をいたします。新しい事業の中で最も注力する電動事業では、当社が従前より保有する空気圧機器のコンパクトで力が強くメンテナンスし易いといった特徴に、高精度の位置制御ができる電動機器の特徴を加え、多様化するお客様のご要望にお応えできるよう取組んでまいります。また、グループ会社のCKD日機電装 (株) とのシナジー効果も高め、開発から販売までの取組みを強化してまいります。医薬品市場で培った検査技術を生かした新たな検査装置、安全で働きやすい労働環境を実現するための助力装置 (パワフルアーム) など、新しい技術で豊かな社会づくりに貢献してまいります。
b) グローバル化を加速し、海外市場を拡大
競争力の高い商品を、地域ごとに選択と集中を進め、海外市場の拡大を目指します。自動機械事業では、中国の薬品製造市場に参入するために、中国市場向け専用機の現地開発と合わせ、サービス含めた現地対応力を高めていきます。機器事業では、東北工場を活用し、高機能製品の世界に向けた展開を一段と強化してまいります。米国では、テクニカルセンターの機能強化により、お客様に密着した商品企画と開発を進めるとともに、新たな生産拠点を立ち上げて現地ニーズに対応してまいります。欧州市場では、アライアンスにも取組み市場開拓を積極的に推進してまいります。このように、海外市場の地域や国毎に合わせた商品開発や事業戦略を展開し、その国の文化や人材を取り込みながら、現地に根付いた活動を推し進め、現地対応力を高めてまいります。
c)サスティナブルな経営基盤の確立
事業を通じて環境や社会に貢献しながら、持続可能な成長を実現するための経営基盤を確立してまいります。そのためには、デジタル技術や基幹システムを活用し、最適な組織編成で生産性を一段と向上させてまいります。また、CSR (企業の社会的責任) 活動を推進し、環境や社会の課題解決に向けた取組みを進めて、サスティナブルな企業を目指します。
d) 人材重視の企業風土を構築
当社グループでは、「人材重視の企業風土」を経営理念の一つとして掲げており、「人材」を「人財」として企業の持続的な発展・成長のための重要な経営資源と位置付けています。そのため、2021年に長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を見直し、社会の大きな変化を乗り越えて成長につなげるため、「人材重視の企業風土を構築」を4つ目の基本方針に組み入れました。
会社をより良く運営していくために、最も人材が大切であると考え、次世代リーダー、グローバル人材に加え、デジタル人材も計画的に育成し、全ての社員が活躍できる環境としくみを整えて、社員のエンゲージメントを高めるための職場づくりを重点化してまいります。
なお、女性活躍推進に関する行動計画については、2030年度までに女性管理職比率10%以上を目標と設定し、推進してまいります。
③ ESG (環境・社会・ガバナンス) に対する取組み
当社グループでは、社会情勢や事業環境の変化を踏まえ、長期的な視点で企業活動を行っています。SDGs (持続可能な開発目標) のゴールにつながる活動に取組み、ステークホルダーの皆様との信頼関係を築きながら、事業を通じて社会の課題解決と発展に貢献してまいります。
環境負荷低減型商品について、省エネ、省資源に加えて、ライフサイクルの視点を考慮し、開発・拡販に取組んでおります。また、インフラ・生産工程を改善し、エネルギー使用量の削減に努めております。
カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年度までにCO2排出量を売上原単位50%削減 (2013年度比) 、2050年度までにCO2排出量実質ゼロを中長期の目標と設定いたしました。徹底した省エネルギー改善の推進、太陽光発電設備の拡充、グリーン電力導入等の再生可能エネルギーの活用に取組んでおります。
今後も、法律、規則を順守し、メーカとして長年培ってきた自動化技術、流体制御技術を活かした環境にやさしい商品を開発し、お客様にお届けすることにより、地球環境の保全に貢献してまいります。



当社グループの経営成績及び財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、グローバルに事業展開しているため、マクロ経済の悪化、関連市場の動向、国内外の景気変動等により、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原材料の価格や調達数量、為替、関連法規制などによって影響を受ける可能性があります。事業分野毎に想定されるリスクは以下のとおりです。
① 自動機械部門
自動機械部門の製品は、特定の市場に向けて販売しております。薬品包装分野では、国内において急速に進展する少子高齢化等により医療保険財政が悪化する中、定期的な薬価引き下げなどの医療費抑制策の動向に対して、医薬品メーカの設備投資の縮小により受注が減少した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
産業機械分野では、自動車の電子化の進展や環境対応車の普及に貢献する製品とサービスをいち早く提供することで顧客価値の向上に努めております。しかし、当社グループが顧客価値を向上させるソリューションをタイムリーに提供できない場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 機器部門
機器部門の製品は、グローバル市場における急速な自動化ニーズの高まりと低炭素社会に向けた環境配慮などから、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化し、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに提供できない場合や、一部製品のコモディティ化による新興国の競合との価格競争が激化した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を与える可能性があります。
半導体市場においては、技術革新や需給バランスにより半導体デバイスメーカの設備投資が大きく変動することがあります。当社グループでは、設備投資が減少した局面においても、利益が生み出せる事業構造を目指し、取組んでおります。しかしながら、想定を超えた急激な設備投資の縮小により、稼働率の低下や棚卸資産の増加等が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は危機管理委員会を立ち上げ、海外を含む当社グループ各社と連携して感染防止策を展開し、従業員の健康と安全を確保したうえで事業継続に必要な対策に取組んでおります。
具体的には、自動機械事業において、新型コロナウイルス感染症の影響による各国の移動制限措置に備え、リモートでの機能検査・工場出荷検査を進めてまいりますが、感染拡大が想定を上回り、国内外のお客様の工場における機械の据付け工事や立上げのための運転ができない場合には、売上高の計上が遅延し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、機器事業においては、新型コロナウイルス感染症による機会損失に備えたデジタルコンテンツの充実を進めてまいりますが、感染拡大が想定を上回り、機会損失を抑えきれない場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内はもとより、アジア・北米・欧州にてグローバルな事業展開をしており、今後もグローバル化を推し進め、海外での生産・販売体制を強化してまいります。
進出先における新たな販売先の開拓、販売及び供給体制の整備等が計画どおりに進まなかったり、政府の規制や経済情勢の変化、インフラの障害、予期せぬ事象 (戦争、テロ、災害、伝染病等) により社会的混乱が広がった場合、また、米中貿易摩擦や日本の対韓輸出管理問題の状況が悪化した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、グローバルに事業展開しているため、外貨建での営業債権は為替変動のリスクに晒されておりますが、為替予約取引・外貨での資金調達を利用することにより、為替変動リスクをヘッジしております。
また、当社グループは、アジア・北米・欧州等において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上高、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これらの項目は外貨の価値が変わらなかった場合においても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ISO9001の認証取得を含む品質保証体制の継続的な確立に努めております。当社グループの製品に不良があった際に、不良品に対する代替品提供等の補償をするコストの発生並びに製品が人的被害又は物的損害を生じさせた場合には製造物責任を負う可能性があり、また、顧客からの信頼低下にも繋がる可能性があり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主な生産拠点を愛知県と三重県に設けており、当地域では東海・東南海・南海地震発生のリスクが予測されております。それらの地震の発生に備えて、東北工場における生産拡大を進めております。また、地震以外にも、大雨、洪水などの自然災害により、社員や事務所・設備などに対する被害が発生し、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、リスク管理の一環としてBCP (Business Continuity Plan) を策定し、情報システムハードウェアの免震施設への移設、社員安否確認システムの構築、国内外代替生産拠点の想定、資金面での担保に取組み、災害時の緊急対応とともに早期復旧を実現させます。しかしながら、地震・自然災害発生時は当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報セキュリティ
当社グループは、業務遂行上、技術情報等の機密情報や、顧客・取引先・従業員等の個人情報を有しています。これらの情報保護のために、情報セキュリティ管理体制を構築し、情報セキュリティ管理方針や各種規程を整備し、最新の情報セキュリティ対策を継続的に実行するとともに、従業員教育及び内部監査などの施策を推進しております。
しかしながら、サイバー攻撃や予期せぬ事態によって情報セキュリティ事故が発生する可能性は皆無ではなく、その場合、当社グループの社会的信用低下や損害賠償訴訟等により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 棚卸資産評価の影響
当社グループは、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに供給するため、一定量の棚卸資産を確保しております。半導体市場をはじめ、需給のバランスを予測し、必要に応じた在庫量の維持を行っておりますが、想定を超えた受注量の減少があった場合においては、あらかじめ確保しておいた棚卸資産の回転が鈍り、棚卸資産が増加することにより、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 自動機械部門の客先検収による売上高計上
当社グループの自動機械部門においては、工事契約について、顧客の検収をもとに売上計上しておりますが、顧客都合や、技術的要因で顧客満足を十分に得られないことによる売上高計上の遅延により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 有形固定資産の減損
当社グループでは、大幅な市況の低迷により工場稼働が低下し、減価償却費が収益を圧迫することや想定外の事業環境変化により業績悪化に繋がる可能性があります。その場合、固定資産評価の減損損失が発生し、当社グループの業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) システム
当社機器部門では、グローバルな事業展開をさらに加速させるため、ERPシステムを導入し、営業・生産・会計の一元管理を行っております。システムの安定稼働のために、データセンターでのデータ管理による安全対策を講じていますが、想定を超える自然災害や事故により、設備の損壊やシステムの停止、通信障害等のシステム障害が発生した場合には、生産ライン、物流システムの停止により顧客への製品の納入に支障が出るなど、事業活動が一時的に停止し、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 気候変動等の環境に関連する影響
環境問題の深刻化により、温室効果ガスの使用・排出規制や省エネルギー等の規制が強化されたり、地球温暖化防止のため脱炭素社会に向けた動きが世界的に加速する中で当社グループが脱炭素社会の実現に寄与する事業や商品の開発が遅れた場合や、脱プラスチックの世界的な流れの中、包装事業の対応が遅れた際には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13) コンプライアンス
当社は、行動規準の徹底とコンプライアンス教育を通じて従業員の意識改革を図るとともに、継続的に海外の法令情報を確認しグループ各社と共有することにより、当社グループ全体で法令順守に取組んでおります。
しかしながら、競争法違反、贈収賄、その他国内・国外における法令違反等の摘発を受けた場合は、課徴金・罰金等の制裁、及び顧客からの取引停止等による企業イメージと信頼の低下により、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 人材の確保・育成
日本国内では出生率の低下から年々少子高齢化が進み、国内における労働力の確保が困難になることが予想されるため、国内工場の自動化を推し進め、人に頼らない生産体制の構築を目指しております。また、今後、東アジア、東南アジアを主体に海外での需要が高まることから海外売上比率の向上が進むことが想定されるため、国内の人材の育成強化と共に海外の人材の育成・活用を積極的に推し進めてまいりますが、グローバル人材、企画提案力のある人材等の不足が生じたり、人材の育成が進まなかった場合には、生産活動、営業活動への支障が生じ、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15) サプライチェーン
当社グループは、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに供給するため、一定量の棚卸資産を確保し、円滑なサプライチェーンの維持に取組んでおりますが、地球温暖化に伴い近年多発する自然災害や火災の発生や、急激な需要拡大に追従できない特定部材の供給不安により調達部品の入手に支障が生じたり、サプライヤーの事業継承問題が生じた場合には、当社グループの製品の生産・供給に遅れが生じ、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ (当社、連結子会社及び持分法適用会社) の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下、「経営成績等」という。) の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
自動機械部門は、産業機械では、三次元はんだ印刷検査機の売上高は増加したものの、リチウムイオン電池製造システムの売上高が減少いたしました。また、自動包装システムでは、薬品向けの売上高は増加したものの、食品向けの売上高が減少いたしました。
その結果、売上高は16,808百万円(前期比18.7%増)、セグメント利益は売上高増加により、2,413百万円(前期比45.4%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は386百万円増加、セグメント利益は60百万円増加しております。
機器部門は、国内市場では、5Gの普及などで堅調な半導体需要により、半導体製造装置向け売上高が増加いたしました。また、自動車市場では環境対応車に関連した製造設備向け売上高、半導体や自動車用の設備で需要が旺盛な工作機械向け売上高もそれぞれ増加いたしました。
海外市場では、製造業全般で設備投資が継続した中国、半導体設備投資が堅調な韓国や台湾などで売上高が増加いたしました。また、経済活動の回復が続いている欧米、活動制限の緩和により東南アジアの売上高も増加いたしました。
その結果、売上高は125,390百万円(前期比35.5%増)、セグメント利益は売上高増加に生産性改善の効果も加わり、19,443百万円(前期比93.0%増)となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は701百万円減少、販売費及び一般管理費は190百万円減少、セグメント利益は177百万円減少しております。
よって、当期における連結業績は、売上高142,199百万円(前期比33.2%増)、営業利益17,879百万円(前期比132.2%増)、経常利益18,043百万円(前期比130.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12,567百万円(前期比138.3%増)となり、営業利益率は前期比5.4ポイント増加の12.6%となりました。これにより、1株当たり当期純利益は前連結会計年度と比較して108円35銭増加し、188円58銭となりました。また、ROEも利益増加により5.9%から12.1%に上昇いたしました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は315百万円減少、売上原価は7百万円減少、販売費及び一般管理費は190百万円減少、営業利益は116百万円減少、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ60百万円増加しております。
次年度の見通しと方針について、次期の世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大の長期化やロシア・ウクライナ問題をはじめとする地政学リスクの高まりなど、依然として不確実性は高いものの、ワクチン普及の進展による社会生活の正常化や生産活動に対する制約が徐々に収束に向かうことが見込まれ、引き続き堅調に推移していくと予想されます。
社会の価値観や市場そのものが大きく変化し、デジタル化が促進される中、当社グループを取り巻く事業環境は、製造業の自動化・省人化需要の高まり、半導体設備投資といった電子産業における投資拡大、自動車の電動化に向けた需要の増加等により、国内及び海外で高水準に推移することを見込んでおります。
ただし、半導体を中心とする部品不足の長期化や原材料高騰などのサプライチェーンリスクに加え、米中間の貿易摩擦が及ぼす影響、地震や自然災害が及ぼす影響、さらに地政学的リスクや為替変動が及ぼす影響に注視していく必要があります。
なお、2023年3月期からスタートさせました第5次中期経営計画『Exciting CKD 2025』は、2026年3月期までの4年間の中期経営計画です。長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を達成し、次の長期経営ビジョンへつなげる基盤構築の位置づけとなります。
事業を通じて社会に貢献し、新たな価値を創出しながら心躍る4年間として、次の10年につなげる意味を込めて「Exciting」としており、成長が見込まれる分野への事業戦略を強化し、経営効率を向上させながら、経営基盤の強化に取組み、企業価値向上を目指してまいります。
具体的な経営目標といたしましては、最終年度である2026年3月期に、連結売上高180,000百万円、営業利益25,000百万円、営業利益率13.9%、ROEは、2023年3月期から2026年3月期の4年間にかけて10%から13%を目標といたします。
また、配当性向は、株主還元のさらなる充実を図るため、30%を目安から40%を目安へと変更することとし、機動的な自己株買いも検討してまいります。

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3. 当連結会計年度において、機器部門の生産高が著しく増加しております。これは主として、半導体製造装置
向けや中国の受注増の影響によるものであります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)自動機械部門以外は、需要見込による生産方法をとっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 当連結会計年度において、機器部門の販売高が著しく増加しております。これは主として、半導体製造装置
向けや中国の受注増の影響によるものであります。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ19,788百万円増加の172,514百万円となりました。これは主に、現金及び預金が減少したもの、売上債権、棚卸資産、有形固定資産及び退職給付に係る資産が増加したものであります。
特に、売上増加により売上債権の増加、受注増加に伴い仕入が増加したことによる棚卸資産の増加及び有形固定資産が設備投資により増加したことで、資産が増加しております。
負債は、前連結会計年度末に比べ7,833百万円増加の62,942百万円となりました。これは主に、借入金及び前受金が減少したものの、仕入債務や未払法人税等が増加したことによるものであります。
特に、借入金は計画的に返済し有利子負債が減少したものの、受注増加に伴う仕入債務の増加、及び利益増加に伴う未払法人税等が増加したことで、負債が増加しております。
純資産は、前連結会計年度末に比べ11,954百万円増加の109,571百万円となりました。
当社グループでは自己資本比率60%以上を目安としております。当連結会計年度では、当期純利益が増加したものの、売上増加や設備投資により総資産が増加したことで、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.3ポイント減少の63.5%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物 (以下「資金」といいます。) は、前連結会計年度末に比べ1,885百万円減少の34,027百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、12,352百万円 (前期比29.5%減) となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益17,947百万円、減価償却費5,910百万円及び仕入債務の増加5,278百万円による資金の増加、売上債権及び契約資産の増加5,492百万円、棚卸資産の増加7,337百万円、前受金の減少2,187百万円並びに法人税等の支払額3,066百万円による資金の減少によるものであります。
前連結会計年度では、在庫の適正水準化、必要最小限の在庫量の維持に取組んだことに加え、売上債権の回収改善により資金が増加いたしました。当連結会計年度においては、引続き適正在庫の維持に取組んでおりますが、売上増加に伴う売上債権の増加や受注増加による棚卸資産の増加により、営業活動による資金の増加幅は減少いたしました。
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、8,544百万円 (前期比206.6%増) となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出7,879百万円による資金の減少によるものであります。
当連結会計年度においては設備投資計画に基づき支出を実施したため、投資活動による資金の支出は増加いたしました。
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、6,264百万円 (前期は2,423百万円の増加) となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出3,520百万円、配当金の支払額2,995百万円による資金の減少によるものであります。
前連結会計年度では、新株予約権の行使による株式の発行により資金が増加いたしましたが、当連結会計年度においては、借入金を計画的に返済したことにより財務活動において資金が減少しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、研究開発費並びに当社グループの設備新設、改修等にかかる投資であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
当社グループは、円滑な事業活動に必要となる流動性の確保と財源の健全性及び安全性の確保を資金調達の基本としており、市場環境等を考慮した上で、有効かつ機動的な資金調達を実施しております。資金需要を満たすための資金は、原則として営業活動によるキャッシュ・フローを主とした内部資金を財源としますが、多額の投資に対する資金需要が見込まれる場合などは、銀行等からの借入などの外部資金を活用いたします。
資金調達をおこなう場合は、期間や国内外の市場金利動向、自己資本比率、DEレシオ (負債資本倍率) などの財務指標への影響度などを総合的に勘案しながら、最適な資金調達を実施してまいります。
設備投資資金については、2021年度は、設備投資9,596百万円、研究開発費3,639百万円となりました。2022年度以降は、事業拡大に向けた生産能力増強及び自動化投資を行ってまいります。
株主還元については、経営における重要課題の一つとして考えており、連結配当性向40%を目安としております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」 をご確認下さい。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、資産、負債、収益及び費用の数値に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りとは異なることがあります。
連結財務諸表を作成するにあたって、半導体、自動車及び工作機械等の市況の変化や新型コロナウイルス感染拡大の長期化や地政学リスクなどの影響を考慮した仮定を用いて、その不確実性を見積りに反映しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、機器部門の棚卸資産の評価、繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損について見積り特有の不確実性により、財政状態及び経営成績に重要な影響が及ぶ可能性があると考えております。
なお、機器部門の棚卸資産の評価の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。当該評価について、市況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。
経営上の重要な契約等はありません。
当社グループは、創造的な知恵と技術で多種多様な流体制御と自動化の技術を活かし、豊かな社会づくりに貢献できる商品の開発をしております。また、市場のタイミングを逃がさないスピードでお客様に満足いただける商品とサービスが提供できるように、開発・生産・販売の各部門が組織的な活動を進めております。
商品開発の基本指針としましては、「グローバル化を推進するための海外商品開発の活動」「環境対応ビジネスを促進するエコ商品の開発活動」「5年10年後を見据えた先端技術開発活動」に取組んでまいりました。
当連結会計年度における各事業部門の研究開発項目は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は、
当部門では、環境への配慮と社会に貢献する商品開発に取組んでおります。薬品包装部門ではFBPシリーズを多数お使いいただいているお客様への生産サポートを充実させるサービスツールの開発を進めています。コロナ禍の中で人の移動や接触が制限される環境での生産支援を可能とする「視野共有・遠隔制御」システムを開発し、グループ会社のCKDフィールドエンジニアリング (株) を活用することにより、お客様にご満足いただけるサポートビジネスを展開しております。今後も生産データを活用した生産性向上支援や予知保全など、充実したサポートをご提供するための商品開発に取組んでまいります。
薬品包装機の売上拡大のため事業の軸を海外にシフトする商品開発も進めています。中国の薬品包装市場を攻略するため新型機開発をシリーズ化で行い、中国市場に日本品質の安定生産を提供する商品を投入していきます。
電池部門では、車載用電池の市場拡大に伴い、リチウムイオン電池用巻回機の開発で培った技術を基に、安全・高品質な電池生産を可能とする設備を提供し、更なる生産性向上への取組みを進めるとともに、電池の性能・寿命を向上させる技術開発に取組んでまいります。
はんだ印刷検査部門では、中国市場や成長市場である車載関係に向け、VPシリーズをよりグローバルに展開できるよう“デザイン”と“操作性”にこだわった「VP9000シリーズ」のバリエーションを拡充するとともに、シェア拡大のために更なるコストパフォーマンスの高い機種の開発も進めてまいります。
食品包装部門では、当社の強みである加熱、深絞り成形、シール、MAPに関するコア技術を活用し、フードロスを減らす提案機種の開発や、脱プラスチックに寄与する包装技術の開発に取組んでまいります。
また、発売中のVパックの技術や新素材の成形技術を応用して新たなビジネスの土台を固めてまいります。
新市場向け開発として、薬品包装機で培った当社のコア技術である画像検査技術を応用した、透明体検査装置IS-UVCL01の機能を向上させ、目視では検査できない透明フィルムの穴あき検査やガラスの検査など新たな市場へ展開を図ります。
研究開発費の金額は、
将来を見据え「電動事業の強化・拡大」と「成長業種攻略に向けた商品開発」を重点に取組んでおります。特に当社の強みを活かした電動機器と空気圧機器を融合した商品など、お客様にとってベストな提案ができる商品を目指しております。また、サスティナブルな企業として、カーボンニュートラル、温室効果ガス抑制、産業廃棄物の削減など環境へ配慮した環境負荷低減商品の開発に継続的に取組んでまいります。
電動事業では、回転型ダイレクトドライブモータで好評を頂いておりますABSODEX™(アブソデックス™)に続く商品として、直動型電動アクチュエータをROBODEX™(ロボデックス™)と命名し、新たな商品群として電動事業の更なる強化・拡大に取組んでおります。二次電池製造工程用P4※シリーズに電動アクチュエータを追加、スライダタイプEBS-Lに低発塵仕様を追加するなど、ROBODEX™をご使用いただけるシーンを大幅に拡げました。
製造業における生産性向上のニーズが高まる中、急激に加速するIoTやAIのデジタルテクノロジーの一手として、ROBODEX™用コントローラなどを介して当社の豊富な製品機種群を『つなげる』ことができ、データ収集や簡単な制御を行うことができる、ExiaStudio™デバイスビジュアルプログラミングツールのパイロットセールスを開始しました。また、ExiaStudio™に、2021年発売後好評を頂いております専門的なプログラミングスキルを必要としない画像処理ビジュアルプログラミングツールFacilea™を組み合わせて連携することで、高度なIoTシステムを簡単に構築することが可能になります。
女性やシニアの活躍をサポートする助力装置パワフルアームPAWシリーズをさらに安心して安全にお使いいただけるようにメカロック仕様を追加しました。メカロック機構により急激なワーク質量の変化によるアームの浮き上がりや沈み込みを解消して作業性が向上するうえに、動力 (エアー、電力) ダウン時でも位置を保持するので安全性が向上しました。
環境負荷低減商品といたしましては、カーボンニュートラルへの取組みでクリーンエネルギーとして期待されている水素の利活用分野において、水素ガス燃焼システムの構築に欠かせない水素対応遮断弁や流量切替電磁弁を業界に先駆けて発売いたしました。今後も機種を拡大してお客様のカーボンニュートラルへの取組みを強力にサポートしてまいります。
バイオマス発電、水処理プラントなど環境施設で活用いただいている屋外向け商品WPシリーズに新たに4シリーズを追加発売、10シリーズにバリエーションの追加を行い商品ラインナップの充実を図りました。さらに屋外での設備使用を想定して仕様面でも使用温度範囲をマイナス20℃へ拡げるなど、屋外機器の必要条件追求、使用領域とバリエーションを拡大しました。過酷な環境下の屋外設備をサポートしてまいります。
高耐久機器HPシリーズに新たに2シリーズを追加発売、4シリーズにバリエーションの追加を行い、商品ラインナップの充実を図りました。HPシリーズについては、機械の長寿命化を実現し、廃棄物を削減させることで製品ライフサイクルにおけるカーボンニュートラルに大きく貢献するものであり、今まで進めてきた環境に対する取組みや姿勢を認めていただき、2021年に「愛知環境賞」最高の金賞を受賞いたしました。引き続き2022年度もシリーズの拡充を進めてまいります。
研究開発費の金額は、