(1) 会社の経営の基本方針について
2023年4月に創立80周年を迎えた当社グループは、企業理念とコーポレートステートメントを一新いたしました。企業理念を「パーパス」に、コーポレートステートメントを「ブランドスローガン」にそれぞれ改定いたしました。
会社の存在意義と目指す方向を定めた「パーパス」は、「自動化技術の探求と共創を続け、健やかな地球環境と豊かな未来を拓きます」といたしました。
そして、理念体系を包含し、未来に向けた私たちの考えや行動を象徴的に表した「ブランドスローガン」は、「Creating Solutions Together」といたしました。
この「パーパス」と「ブランドスローガン」のもと、企業の社会的責任や社会的意義に対する意識を高く持ち、これからもステークホルダーの皆様とともに更に社会に貢献できるよう活動してまいります。

当社グループは、各事業の経営計画の目標達成を軸に利益を確保しつつ、新しい事業と市場に挑戦するため、売上高、営業利益率の向上と、株主資本利益率 (ROE) を安定的に維持することを経営目標として企業価値の向上に努めてまいります。
① 事業環境
世界では、依然続くロシア・ウクライナ問題をはじめとする地政学リスクの高まりなど不確実性は高いものの、新型コロナウイルス感染症の鎮静化による社会・経済活動の正常化の動きが進み、緩やかな回復が続くとみられております。また、気候変動とともに高齢化や労働力不足が大きな社会的課題となっており、企業は持続可能な社会の実現に向けた課題解決につながる活動が求められています。
一方、IoT (Internet of Things) やAI (人工知能) などテクノロジーの進展により、ビジネスモデルの変化が進んでおり、製造業においても環境保護への取組みとともに、製品の高機能化や製造工程の自動化・省人化への取組みが一段と加速しております。
社会の価値観や市場そのものが大きく変化し、デジタル化が促進される中、人に頼らない生産設備や、設備の遠隔操作など製造業の自動化・省人化需要の一層の高まり、半導体設備投資といった電子産業における投資拡大、自動車の電動化に向けた需要の増加などを想定しております。
② 長期経営ビジョン及び中期経営計画
<長期経営ビジョン>
当社グループは、上述したパーパス「自動化技術の探求と共創を続け、健やかな地球環境と豊かな未来を拓きます」のもと、自動機械装置と機器商品の開発・生産・販売・サービスを通じて、「技術革新と価値創造によって社会の課題解決に貢献」することを目指しております。
そして、2016年に策定した長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を、環境変化に合わせて、2度改訂し、2025年までの10年間における長期目線の取組みを強化しながら進めております。
「より豊かな社会づくりに貢献すること」「社員、そして家族を幸せにすること」「株主の皆様からの期待に応えること」の3つを目標として掲げ、4つの基本方針「新しい事業と市場に挑戦」「グローバル化を加速し海外市場を拡大」「サスティナブルな経営基盤の確立」「人材重視の企業風土を構築」に基づき、高い目標に向かって果敢に挑戦を続け、その結果生み出される新しい価値を世界に示してまいります。
そして、将来を見据えた新たな技術・商品の開発や、海外市場への積極的な展開、お客様第一のサービス体制強化を通じて、すべてのステークホルダーの皆様と共に、真のサスティナブル企業を目指してまいります。

<中期経営計画>
2023年3月期からスタートさせました第5次中期経営計画『Exciting CKD 2025』は、2026年3月期までの4年間の中期経営計画です。長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を達成し、次の長期経営ビジョンへつなげる基盤構築の位置づけとなります。事業を通じて社会に貢献し、新たな価値を創出しながら心躍る4年間として、次の10年につなげる意味を込めて「Exciting」といたしました。
成長が見込まれる半導体や電池などの産業、電動事業や新事業、海外市場に注力するとともに、サービスビジネスにつながるカスタマーサービスを強化し、経営効率を向上させながら、経営基盤の強化に取組み、企業価値向上を目指してまいります。
2023年3月期を振り返りますと、自動機械事業では、包装、産業機械ともに社会の課題解決につながる商品を拡充し、機器事業では、自動化・省人化ニーズ、半導体や電池産業など成長する産業に対応した生産能力増強と生産性向上に継続して努めました。また、機器の電動事業では、ラインナップを拡充するとともに、空気圧と電動のベストミックスのご提案を加速させております。
そして、新事業ではDXを活用したサービスビジネスの展開を進めるとともに、環境負荷低減型商品で新たな価値の創出に取組んでおります。
さらに海外市場では、米国・欧州・ASEANへの強化を進め、米国新工場は2022年10月から稼働を開始し、欧州ではイタリアの販売会社を子会社化したのちCKD ITALIA S.R.L.へ社名変更が完了しております。ASEANでは需要拡大を見据え、タイ工場への生産移管を進めるとともに、機器商品の新拠点をマレーシアに設立することも発表いたしました。インド工場も建設を開始し、将来、大きく成長する市場に向けた準備を進めております。






(4) 会社の対処すべき課題について
① コロナ後に向けた段階的な移行への取組み
新型コロナウイルス感染症の影響により、社会の価値観や市場そのものが大きく変化し、新しい価値観が定着するなど時代の転換期を迎えています。社会・経済活動の正常化への動きが段階的に進んでいる中、引き続き、リモートワークなどの柔軟な働き方やデジタル化を推し進めながら業務効率向上に取組むとともに、人とのつながりを意識し、レジリエンスを高めやすい環境づくりに努めてまいります。そして、中長期の成長に欠かせない設備投資は状況を注視しながら着実に行い、企業として社会的責任を果たすべく、環境や社会に貢献しながら持続的な成長につなげてまいります。
具体的には、自動機械事業において、薬品用自動包装機はWebを活用したリモートでの機能検査・工場出荷検査 (FAT:Factory Acceptance Test) を持続し、お客様に寄り添いながらサービスを充実させてまいります。
また、機器事業においては、リモートで商品のご紹介やバーチャル工場見学ができるようデジタルコンテンツをより一層充実させ、加えてコミュニケーションやデジタル活用のスキルアップに取組んでまいります。さらに、今後も人手不足などの社会課題の解決に向けた生産現場の自動化・省人化の進展が加速すると予想され、IoT関連機器、センサ、画像処理ソフトなど自動化・省人化に貢献する商品開発により、事業を通じて社会の課題解決と発展に貢献してまいります。
② 中長期的な成長に向けた取組み
新しい価値観が生まれる中、事業環境及び社会的変化を考慮し、2016年に策定した長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を2021年に見直しいたしました。
基本方針の方向性は変えず、グローバル化を加速させるとともに、サスティナブルな経営基盤の確立を目指します。また、人材重視をより明確にするため、3つの基本方針から、1つ加えて4つとしております。
a) 新しい事業と市場に挑戦
新事業の立ち上げと新市場の開拓に向け、様々な挑戦をいたします。新しい事業の中で最も注力する電動事業では、当社グループが従前より保有する空気圧機器のコンパクトで力が強くメンテナンスし易いといった特徴に、高精度の位置制御ができる電動機器の特徴を加え、多様化するお客様のご要望にお応えできるよう取組んでまいります。また、グループ会社のCKD日機電装 (株) とのシナジー効果も高め、開発から販売までの取組みを強化してまいります。医薬品市場で培った検査技術を生かした新たな検査装置、安全で働きやすい労働環境を実現するための助力装置 (パワフルアーム) など、新しい技術で豊かな社会づくりに貢献してまいります。
b) グローバル化を加速し、海外市場を拡大
競争力の高い商品を、地域ごとに選択と集中を進め、海外市場の拡大を目指します。自動機械事業では、中国の薬品製造市場に参入するために、中国市場向け専用機の現地開発と合わせ、サービスを含めた現地対応力を高めてまいります。機器事業では、東北工場を活用し、高機能製品の世界に向けた展開を一段と強化してまいります。米国では、テクニカルセンターの機能強化により、お客様に密着した商品企画と開発を進めるとともに、新たな生産拠点である北米工場によって、現地ニーズに対応してまいります。欧州市場では、アライアンスにも取組み市場開拓を積極的に推進してまいります。このように、海外市場の地域や国毎に合わせた商品開発や事業戦略を展開し、その国の文化や人材を取り込みながら、現地に根付いた活動を推し進め、現地対応力を高めてまいります。
c) サスティナブルな経営基盤の確立
事業を通じて環境や社会に貢献しながら、持続可能な成長を実現するための経営基盤を確立してまいります。そのためには、デジタル技術や基幹システムを活用し、最適な組織編成で生産性を一段と向上させてまいります。また、CSR (企業の社会的責任) 活動を推進し、環境や社会の課題解決に向けた取組みを進めて、サスティナブルな企業を目指します。
d) 人材重視の企業風土を構築
当社グループでは、「人材重視の企業風土」を経営理念の一つとして掲げており、「人材」を「人財」として企業の持続的な発展・成長のための重要な経営資源と位置付けています。そのため、2021年に長期経営ビジョン「10年VISION GO CKD!」を見直し、社会の大きな変化を乗り越えて成長につなげるため、「人材重視の企業風土を構築」を4つ目の基本方針に組み入れております。
会社をより良く運営していくために、最も人材が大切であると考え、次世代リーダー、グローバル人材に加え、デジタル人材も計画的に育成し、全ての社員が活躍できる環境としくみを整えて、社員のエンゲージメントを高めるための職場づくりを重点化してまいります。
なお、女性活躍推進に関する行動計画については、2030年度までに女性管理職比率10%以上を目標と設定し、推進してまいります。
③ ESG (環境・社会・ガバナンス) に対する取組み
当社グループでは、社会情勢や事業環境の変化を踏まえ、長期的な視点で企業活動を行っております。SDGs (持続可能な開発目標) のゴールにつながる活動に取組み、ステークホルダーの皆様との信頼関係を築きながら、事業を通じて社会の課題解決と発展に貢献してまいります。
環境負荷低減型商品について、省エネ、省資源に加えて、ライフサイクルの視点を考慮し、開発・拡販に取組んでおります。また、インフラ・生産工程を改善し、エネルギー使用量の削減に努めております。
カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年度までにCO2排出量を50%削減 (売上高原単位目標:2013年度比、総量目標:2022年度比) 、2050年度までにCO2排出量実質ゼロを中長期の目標と設定いたしました。徹底した省エネルギー改善の推進、太陽光発電設備の拡充、グリーン電力導入等の再生可能エネルギーの活用に取組んでおります。
今後も、法律、規則を順守し、メーカーとして長年培ってきた自動化技術、流体制御技術を活かした環境にやさしい商品を開発し、お客様にお届けすることにより、地球環境の保全に貢献してまいります。

当社グループのサスティナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
ESGやSDGsへの対応を推進し、事業活動を通して地球環境や豊かな社会づくりに貢献するため、取締役会の諮問機関としてサスティナビリティ委員会を設置しています。サスティナビリティ委員会は、代表取締役社長を委員長とし、サスティナビリティに関する経営課題について確認及び審議しています。審議された内容は、取締役会に報告しています。
サスティナビリティに関するリスク管理については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (1) リスクの基本方針、 (2) リスクマネジメントの体制、 (3) リスクの特定プロセス」を参照ください。
(3) 気候変動への対応
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスについては、
② 戦略
当社グループは、サプライチェーン全体を対象に気候変動に伴い生じ得るリスクと機会について洗い出し、事業への影響の分析及び考察を行っています。分析にはIEAが公表する4℃シナリオと1.5℃未満シナリオを用いており、それぞれの世界観における2030年時点の当社グループへの影響について考察を行っています。
a. 分析結果
各シナリオで想定されるリスクと機会を特定しました。4℃シナリオでは、台風や大雨などの異常気象の激甚化に伴い、操業停止や物流機能の停止による対応コストの増加が大きなリスクになると推測されます。
一方で1.5℃未満シナリオでは、世界的な脱炭素の取組みにより炭素税・排出権取引の導入や化石燃料由来の電力価格が高騰することが予測され、操業コストの増加が大きなリスクと推測されます。
〔気候変動に関するリスク・機会と当社グループの対応〕
b. 気候変動に関するリスク・機会に対する当社グループの対応
③ リスク管理
気候変動に関するリスク管理については、
当社グループでは“脱炭素社会の実現”に貢献するため、2050年度CO2排出量実質ゼロを基準として、バックキャスティングによりCO2排出量の中長期削減目標を新たに設定し、CO2排出量削減に取組んでいます。
〔指標〕
〔CO2排出量削減目標〕
2030年度 50%削減 (売上高原単位、2013年度対比)
2050年度 実質排出ゼロ
(注)1. CO2排出量はスコープ1・2の合計です。
2. スコープ1は、当社、国内子会社及び在外子会社 (工場のみ) の主な排出量の合計で、環境
省HP公開の排出係数を使用しています。
3. スコープ2は、当社、国内子会社及び在外子会社 (工場のみ) の主な排出量の合計で、環境
省HP公開の基礎排出係数を使用しています。なお、当社営業所及び在外子会社 (工場) は本
社と同じ排出係数を使用しています。
4. J-クレジット制度、グリーン電力証書によるCO2排出量の相殺分を含みます。
5. 2023年度よりCO2排出量削減目標として「2030年度 50%削減 (総量、2022年度比) 」を
追加設定しました。
(4) 人的資本
① 戦略
人材重視の企業風土の構築に向けて人材育成方針及び社内環境整備の方針を定めております。
〔人材育成方針〕
当社グループは、エンゲージメントの高い働きがいのある職場づくり、計画的な未来人材の育成、ダイバーシティ&インクルージョンを通じて「人材重視の企業風土」を築いていきます。
〔社内環境整備方針〕
当社の人材育成方針を実現するために、3つの重点方策毎に効果的な施策や制度の整備・意識改革を推進しております。
1. エンゲージメントの高い働きがいのある職場づくり
・イノベータ・チャレンジ制度や社内公募制度など、社員の自己実現に向けた施策
・優れた取組みを表彰する場としてGO CKD! Awardの開催
・健康経営への取組み
2. 計画的な未来人材の育成
・次世代リーダーの計画的な育成に向けた外部研修
・グローバル人材の育成に向けた海外拠点へのトレーニー派遣制度
・デジタル人材育成に向けた研修
3. ダイバーシティ&インクルージョン
・海外拠点から日本へのトレーニー派遣制度
・育児休業を取得しやすい雇用環境整備
・女性社員の活躍促進
・シニア(60歳以上)の活躍促進
・障がい者の職場開発
② 指標及び目標
社内環境整備方針について、以下の指標を用いております。当該指標に関する目標と実績については、以下のとおりであります。
当社グループは、事業の継続と企業価値の向上を確保していくために企業活動に付随する様々なリスクを識別し、そのリスクを適正に評価した上で効率的、効果的な経営活動を行っています。
取締役会直轄の組織としてリスク管理委員会を設置し、活動の進捗及び結果を定期的に取締役会へ報告し、リスク管理を推進しています。
2022年7月には、リスク管理委員会の下部組織として新たにリスク管理室を発足し、さらに監査部門による監視体制も構築することで、リスクへの管理体制を強化しています。
具体的な活動として、リスク管理室はCKD全体のリスクを網羅的に抽出・分析し、それぞれのリスクに対する各部門の取組み状況をチェックし必要に応じて改善を促す役割を担い、リスク管理委員会へ定期的に報告を上げています。
第3線である監査部門は、リスク管理の第1線である業務部門と第2線となるリスク管理室がしっかりと機能していることを監視しております。

(3) リスクの特定プロセス
各事業部門、グループ会社及び本社管理部門にて企業価値の向上及び経営目標の達成を阻害するリスクと対策を洗い出しています。リスクを識別し、発生する頻度と発生した時の影響度からリスクの重要度を評価し特定しています。また、特定されたリスクに関して取締役会に報告し共有しています。

(4) 事業を取り巻くリスクとその分析
当社グループの経営成績及び財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績の変動
当社グループは、グローバルに事業展開しているため、マクロ経済の悪化、関連市場の動向、国内外の景気変動等により、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原材料の価格や調達数量、為替、関連法規制などによって影響を受ける可能性があります。事業分野毎に想定されるリスクは以下のとおりです。
a. 自動機械部門
自動機械部門の製品は、特定の市場に向けて販売しております。薬品包装分野では、国内において急速に進展する少子高齢化等により医療保険財政が悪化する中、定期的な薬価引き下げなどの医療費抑制策の動向に対して、医薬品メーカーの設備投資の縮小により受注が減少した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
産業機械分野では、自動車の電子化の進展や環境対応車の普及に貢献する製品とサービスをいち早く提供することで顧客価値の向上に努めております。しかし、当社グループが顧客価値を向上させるソリューションをタイムリーに提供できない場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
b. 機器部門
機器部門の製品は、グローバル市場における急速な自動化ニーズの高まりと脱炭素社会に向けた環境配慮などから、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化し、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに提供できない場合や、一部製品のコモディティ化による新興国の競合との価格競争が激化した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を与える可能性があります。
半導体市場においては、技術革新や需給バランスにより半導体デバイスメーカーの設備投資が大きく変動することがあります。当社グループでは、設備投資が減少した局面においても、利益が生み出せる事業構造を目指し、取組んでおります。しかしながら、想定を超えた急激な設備投資の縮小により、稼働率の低下や棚卸資産の増加等が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は遠隔での営業やサービス、デジタルコンテンツの充実など、非接触による対応を推し進めております。
感染症が爆発的に拡大した場合、自動機械事業において、国内外のお客様の工場における機械の据付け工事や立上げのための運転ができない場合には、売上高の計上が遅延し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、機器事業において、機会損失を抑えきれない場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内はもとより、アジア・北米・欧州にてグローバルな事業展開をしており、今後もグローバル化を推し進め、海外での生産・販売体制を強化してまいります。
進出先における新たな販売先の開拓、販売及び供給体制の整備等が計画どおりに進まなかったり、政府の規制や経済情勢の変化、インフラの障害、地政学的リスク、予期せぬ事象 (有事、テロ、災害、伝染病等) により社会的混乱が広がった場合、また、米中貿易摩擦の状況が悪化した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、グローバルに事業展開しているため、外貨建での営業債権は為替変動のリスクに晒されておりますが、為替予約取引・外貨での資金調達を利用することにより、為替変動リスクをヘッジしております。
また、当社グループは、アジア・北米・欧州等において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上高、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これらの項目は外貨の価値が変わらなかった場合においても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ISO9001の認証取得を含む品質保証体制の継続的な確立に努めております。当社グループの製品に不良があった際に、不良品に対する代替品提供等の補償をするコストの発生並びに製品が人的被害又は物的損害を生じさせた場合には製造物責任を負う可能性があり、また、顧客からの信頼低下にも繋がる可能性があり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主な生産拠点を愛知県と三重県に設けており、当地域では東海・東南海・南海地震発生のリスクが予測されております。それらの地震の発生に備えて、東北工場における生産拡大や北陸地方での工場建設を進めております。また、地震以外にも、大雨、洪水などの自然災害により、社員や事務所・設備などに対する被害が発生し、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、リスク管理の一環としてBCP (Business Continuity Plan) を策定し、情報システムハードウェアの免震施設への移設、社員安否確認システムの構築、国内外代替生産拠点の想定、資金面での担保に取組み、災害時の緊急対応とともに早期復旧を実現させます。しかしながら、地震・自然災害発生時は当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 情報セキュリティ
当社グループは、業務遂行上、技術情報等の機密情報や、顧客・取引先・従業員等の個人情報を有しています。これらの情報保護のために、情報セキュリティ管理体制を構築し、情報セキュリティ管理方針や各種規程を整備し、最新の情報セキュリティ対策を継続的に実行するとともに、従業員教育及び内部監査などの施策を推進しております。
しかしながら、サイバー攻撃や予期せぬ事態によって情報セキュリティ事故が発生する可能性は皆無ではなく、その場合、当社グループの社会的信用低下や損害賠償訴訟等により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 棚卸資産評価の影響
当社グループは、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに供給するため、一定量の棚卸資産を確保しております。半導体市場をはじめ、需給のバランスを予測し、必要に応じた在庫量の維持を行っておりますが、想定を超えた受注量の減少があった場合においては、あらかじめ確保しておいた棚卸資産の回転が鈍り、棚卸資産が増加することにより、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 自動機械部門の客先検収による売上高計上
当社グループの自動機械部門においては、工事契約について、顧客の検収をもとに売上計上しておりますが、顧客都合や、技術的要因で顧客満足を十分に得られないことによる売上高計上の遅延により、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 有形固定資産の減損
当社グループでは、大幅な市況の低迷により工場稼働が低下し、減価償却費が収益を圧迫することや想定外の事業環境変化により業績悪化に繋がる可能性があります。その場合、固定資産評価の減損損失が発生し、当社グループの業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ システム
当社機器部門では、グローバルな事業展開をさらに加速させるため、ERPシステムを導入し、営業・生産・会計の一元管理を行っております。システムの安定稼働のために、データセンターでのデータ管理による安全対策を講じていますが、想定を超える自然災害や事故により、設備の損壊やシステムの停止、通信障害等のシステム障害が発生した場合には、生産ライン、物流システムの停止により顧客への製品の納入に支障が出るなど、事業活動が一時的に停止し、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 気候変動等の環境に関連する影響
環境問題の深刻化により、温室効果ガスの使用・排出規制や省エネルギー等の規制が強化されたり、地球温暖化防止のため脱炭素社会に向けた動きが世界的に加速する中で当社グループが脱炭素社会の実現に寄与する事業や商品の開発が遅れた場合や、脱プラスチックの世界的な流れの中、包装事業の対応が遅れた際には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ コンプライアンス
当社は、行動規準の徹底とコンプライアンス教育を通じて従業員の意識改革を図るとともに、継続的に海外の法令情報を確認しグループ各社と共有することにより、当社グループ全体で法令順守に取組んでおります。
しかしながら、競争法違反、贈収賄、その他国内・国外における法令違反等の摘発を受けた場合は、課徴金・罰金等の制裁、及び顧客からの取引停止等による企業イメージと信頼の低下により、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 人材の確保・育成
日本国内では出生率の低下から年々少子高齢化が進み、国内における労働力の確保が困難になることが予想されるため、国内工場の自動化を推し進め、人に頼らない生産体制の構築を目指しております。また、今後、東アジア、東南アジアを主体に海外での需要が高まることから海外売上比率の向上が進むことが想定されるため、国内の人材の育成強化と共に海外の人材の育成・活用を積極的に推し進めてまいりますが、グローバル人材、企画提案力のある人材等の不足が生じたり、人材の育成が進まなかった場合には、生産活動、営業活動への支障が生じ、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ サプライチェーン
当社グループは、市場ニーズに合致した製品をタイムリーに供給するため、一定量の棚卸資産を確保し、円滑なサプライチェーンの維持に取組んでおりますが、地球温暖化に伴い近年多発する自然災害や火災の発生や、急激な需要拡大に追従できない特定部材の供給不安により調達部品の入手に支障が生じたり、サプライヤーの事業継承問題が生じた場合には、当社グループの製品の生産・供給に遅れが生じ、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ (当社及び連結子会社) の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下、「経営成績等」という。) の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
自動機械部門は、産業機械では、リチウムイオン電池製造システム及び三次元はんだ印刷検査機の売上高が増加いたしました。また、自動包装システムでは、薬品向けの売上高は減少いたしました。
その結果、売上高は15,566百万円(前期比7.4%減)、セグメント利益はセールスミックスの変化により、2,008百万円(前期比16.8%減)となりました。
機器部門は、国内市場では、データセンターや車載向け半導体の需要を背景に、半導体製造装置向け売上高が増加いたしました。また、環境対応車に関連した製造設備向け売上高は底堅く推移いたしました。
海外市場では、成熟技術を用いた半導体や電池産業を中心に投資が継続した中国、期末にかけて需要は減少したものの半導体設備投資が堅調だった韓国や台湾などで売上高が増加いたしました。また、設備投資に底堅さがみられる欧米やコロナ禍からの回復が続いた東南アジアの売上高も増加いたしました。
その結果、売上高は143,891百万円(前期比14.8%増)、セグメント利益は売上高増加に円安傾向による為替の影響も加わり、23,741百万円(前期比22.1%増)となりました。
よって、当連結会計年度における業績は、売上高159,457百万円(前期比12.1%増)、営業利益21,170百万円(前期比18.4%増)、経常利益21,181百万円(前期比17.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14,788百万円(前期比17.7%増)となり、営業利益率は前期比0.7ポイント増加の13.3%となりました。これにより、1株当たり当期純利益は前連結会計年度と比較して33円18銭増加し、221円76銭となりました。また、ROEも利益増加により12.1%から12.9%に上昇いたしました。
次年度の見通しと方針について、次期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の鎮静化による社会・経済活動の正常化の動きが進み、緩やかな回復が続くとみられるものの、インフレ抑制における金融政策の引き締めや金融情勢の悪化、依然続くロシア・ウクライナ問題をはじめとする地政学リスクの高まりなど、不確実性は高いものと予想されます。
社会の価値観や市場そのものが大きく変化する中、当社グループを取り巻く事業環境は、人手不足や人件費高騰を背景とした製造業の自動化・省人化需要の持続、気候変動問題に対応した自動車の電動化に伴う需要の増加等が見込まれます。その一方、コロナ特需の反動によるパソコンやスマートフォン需要の減退、在庫調整の長期化など半導体設備投資抑制の影響を受けるとみております。
よって、半導体を中心とする部品不足は改善が見込まれますが、引き続き、サプライチェーンリスク、米中間の貿易摩擦が及ぼす影響、地震や自然災害が及ぼす影響、さらに為替変動が及ぼす影響などに注視していく必要があります。
なお、2023年3月期からスタートさせた第5次中期経営計画『Exciting CKD 2025』の具体的な経営目標と比べてみますと、期初に掲げた2023年3月期の目標である連結売上高146,000百万円、営業利益18,500百万円に対して確実に超えることができ、ROEも12.9%に上昇いたしました。
材料費高騰や部材調達など不透明感がある中、受注残を含めて生産対応に取組んだことや円安傾向による為替の影響も加わったためとみております。
また、株主還元のさらなる充実を図るため、配当性向を30%を目安から40%を目安へと変更した配当政策は、通期配当性向40.1%といたしました。
成長が見込まれる分野への事業戦略を強化し、創出したキャッシュを活用した成長投資・基盤強化を前倒しで実施しながら、引き続き、企業価値向上に取組んでおります。


当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 自動機械部門以外は、需要見込による生産方法をとっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度における東京エレクトロン九州㈱に対する販売高は、当該販売実績の総販売実績に対する
割合が100分の10に満たないため記載しておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ13,111百万円増加の185,626百万円となりました。これは主に、現金及び預金が減少したものの、売上債権、契約資産、棚卸資産及び有形固定資産が増加したことによるものであります。
特に、契約資産の増加、売上増加により売上債権の増加、受注増加に伴い仕入が増加したことによる棚卸資産の増加及び設備投資により有形固定資産が増加したことで、資産が増加しております。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,952百万円増加の65,895百万円となりました。これは主に、設備未払金及び前受金が減少したものの、仕入債務、借入金、リース債務及び繰延税金負債が増加したことによるものであります。
特に、受注増加に伴う仕入債務の増加及び設備資金としてサステナビリティ・リンク・ローンによる借入金が増加したことで、負債が増加しております。
純資産は、前連結会計年度末に比べ10,159百万円増加の119,730百万円となりました。
当社グループでは自己資本比率60%以上を目安としております。当連結会計年度では、親会社株主に帰属する当期純利益の増加により、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.0ポイント増加の64.5%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物 (以下「資金」といいます。) は、前連結会計年度末に比べ7,373百万円減少の26,654百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、11,049百万円 (前期比10.6%減) となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益21,388百万円、減価償却費6,626百万円及び仕入債務の増加2,255百万円による資金の増加、売上債権及び契約資産の増加1,521百万円、棚卸資産の増加10,286百万円並びに法人税等の支払額6,530百万円による資金の減少によるものであります。
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、12,792百万円 (前期比49.7%増) となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出11,056百万円による資金の減少によるものであります。
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、5,743百万円 (前期比8.3%減) となりました。
これは主に、長期借入れによる収入5,731百万円による資金の増加、長期借入金の返済による支出6,080百万円、配当金の支払額5,393百万円による資金の減少によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、研究開発費並びに当社グループの設備新設、改修等にかかる投資であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
当社グループは、円滑な事業活動に必要となる流動性の確保と財源の健全性及び安全性の確保を資金調達の基本としており、市場環境等を考慮した上で、有効かつ機動的な資金調達を実施しております。資金需要を満たすための資金は、原則として営業活動によるキャッシュ・フローを主とした内部資金を財源としますが、多額の投資に対する資金需要が見込まれる場合などは、銀行等からの借入などの外部資金を活用いたします。
資金調達をおこなう場合は、期間や国内外の市場金利動向、自己資本比率、DEレシオ (負債資本倍率) などの財務指標への影響度などを総合的に勘案しながら、最適な資金調達を実施してまいります。
設備投資資金については、2022年度は、設備投資11,447百万円、研究開発費3,808百万円となりました。2023年度以降も事業拡大に向けた生産能力増強及び自動化投資を行ってまいります。
株主還元については、経営における重要課題の一つとして考えており、連結配当性向40%を目安としております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」 をご確認下さい。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、資産、負債、収益及び費用の数値に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りとは異なることがあります。
連結財務諸表を作成するにあたって、メモリーを主力とする半導体メーカーによる在庫調整、米国が主導する中国に対する先端半導体や関連する製造装置の輸出規制、地政学リスクの高まり等の不確実な環境下にあるなかで、主要得意先が属する半導体、自動車及び工作機械等の市況の変化の影響を考慮した仮定を用いて、その不確実性を見積りに反映しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りの仮定のうち、機器部門の棚卸資産の評価、繰延税金資産の回収可能性及び固定資産の減損について見積り特有の不確実性により、財政状態及び経営成績に重要な影響が及ぶ可能性があると考えております。
なお、機器部門の棚卸資産の評価の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。当該評価について、市況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2023年2月10日開催の取締役会において、総額200億円のシンジケートローン契約を締結することを決議し、2023年5月26日に株式会社三井住友銀行他7金融機関と契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 (重要な後発事象) 」をご確認下さい。
当社グループは、創造的な知恵と技術で多種多様な流体制御と自動化の技術を活かし、豊かな社会づくりに貢献できる商品の開発をしております。また、市場のタイミングを逃がさないスピードでお客様に満足いただける商品とサービスが提供できるように、開発・生産・販売の各部門が組織的な活動を進めております。
商品開発の基本指針としましては、「グローバル化を推進するための海外商品開発の活動」「環境対応ビジネスを促進するエコ商品の開発活動」「5年10年後を見据えた先端技術開発活動」に取組んでまいりました。
当連結会計年度における各事業部門の研究開発項目は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は、
当部門では、お客様の生産性を飛躍的に改善できる安全で安心な自動機械を提供し社会に貢献する商品の開発に取組んでおります。
薬品包装部門では、環境に配慮したバイオマスフィルムによる包装やスクラップ削減への取組みを継続して進めてまいります。FBPシリーズをご使用いただいているお客様にはICT技術を活用した遠隔サポートを提供し、お客様での生産においてはDI (データインテグリティ) システムで、生産の状態を記録し監視できるシステムを提供しております。これからもお客様の生産性を向上させ、生産活動を支援するサービスや予防保全に向けた商品開発に取組んでまいります。また、CKDフィールドエンジニアリング (株) では迅速な対応を可能にするため、蓄積された多くの実績データを活用し充実したサポートを提供してまいります。
薬品包装機の海外展開では、中国市場をターゲットにしたFBP300Wに続きFBP600Wを投入し、商品とサービスで更なる売上拡大を図ってまいります。
食品包装部門では、パッケージの深絞り成形や脱プラスチック包材に対応する技術に加え、酸素濃度をコントロールしたパッケージ技術でフードロス対策に取組んでまいりました。これからは更に食の保存可能期間を延ばす技術開発にも取組み、食品業界でパッケージに対する価値向上を図ってまいります。
電池部門では、車載用電池の市場拡大に伴いリチウムイオン電池用巻回機で培った技術を基に安全、高品質な電池生産を可能とする設備を提供し、多様化する電池仕様と更なる生産性向上への取組みを進めるとともに、電池の性能、寿命を向上させる技術開発にも取組んでまいります。
はんだ印刷検査部門では、デザインと操作性にこだわった「VP9000シリーズ」と地域ごとの要求に応えるグローバル機種を投入いたしました。これからはオプションの拡充を進め、海外規格の取得や言語対応とともに車載や通信関係などのさまざまなお客様要求に応えるため、適用できる基板サイズの拡大やグローバル通信規格への取組みでお客様に更なる付加価値を提供してまいります。
新市場向けでは、薬品包装機で培った画像検査技術を応用し、透明体の検査や目視では困難な微細領域での検査などを研究し、新たな市場への商品づくりに取組んでまいります。
研究開発費の金額は、
「世界のFAトータルサプライヤー」としてカーボンニュートラル社会に向け、空圧・流体制御機器事業や電動機器事業で培った開発力と技術力を活かし、常に市場の変化に柔軟かつ迅速に対応することでお客様の多様なニーズに応えるとともに、空圧・流体制御、電動それぞれの長所を最大限に活かし組み合わせたベストミックス商品やサービスの開発や提案を行っております。
生産ラインの人手不足にともなう生産性向上や工程のインテリジェント化のニーズに応える商品として、リモートI/O「RTシリーズ」、デバイスビジュアルプログラミングツール「ExiaStudio Pro (エクシアスタジオプロ) 」を発売しました。「RTシリーズ」は、防水・堅牢性を有しIoT化の求められる様々な工程の中に設置されるFA機器を上位ネットワークと高度に調和、制御するハブ的な商品であります。
「ExiaStudio Pro」は、ソフトウエアの専門知識を持たずに簡易に工程のIoT化を実現できる画期的ツールとして好評であった「ExiaStudio」を本格的なプロユースにも応えられるようさらに進化させた商品であります。また、画像処理ビジュアルプログラミングツール「Facilea (ファシリア) 」は日本語・英語・中国語版に加え、IoT化が著しい欧州の技術者ニーズにも応えるためドイツ語・イタリア語対応を行いました。また、教育機関でのIoT学習を容易にするためのアカデミックパックを用意しました。このようにハードウエア、ソフトウエア、導入と教育、お客様のお困りごとに寄り添い、デジタル化と生産性向上のサポートに努めてまいります。
主力事業の一つである半導体製造プロセス向け商品につきましては、プロセスガス用レギュレータ「PMGシリーズ」の大流量タイプを発売し、独自技術で評価の高い『高シール性』、『低ヒステリシス性』、『安定制御性』に『大流量』を加え、お客様のプロセス安定化に貢献しております。このほか、お客様より先端プロセスの開発段階から数多くの要素開発テーマをいただき、お客様に寄り添いながらプロセスのイノベーションを果たすことのできるような機器やシステム、ユニット商品の研究開発に努めております。
また、カーボンニュートラル社会の実現に向けた各種機器の充実化、高性能化を推進しております。
電動機器では、粉塵環境・低発塵環境・バッテリー製造工程・食品製造工程に対応できる電動アクチュエータ「EJSGシリーズ」を発売しました。また、エアシリンダの簡単さと高剛性を継承した電動アクチュエータとして簡易2位置制御の「Dシリーズ」と多点位置決め制御の「Gシリーズ」全14モデルを発売しました。さらには1ユニットあたり2軸制御できる多軸コントローラ「ECMG」を発売しました。省スペースで可搬質量が最大5倍、最高速度が最大2倍の高性能を実現し、お客様の環境ニーズに対応しております。
また、協働ロボット用グリッパとして、既存のユニバーサルロボット用、テックマンオムロン用、ファナックCRX用に加え、新たに安川電機MOTOMAN用、川崎重工業duAro用、JAKA社Zu用を用意し、ワールドワイドな6社の協働ロボットに簡単接続できるラインナップを充実させました。
流体制御機器では、汎用電磁弁マルチフィットバルブ「FFB/FFGシリーズ」を発売しました。「FFB/FFGシリーズ」は、長寿命で低消費電力化を実現したカーボンニュートラル社会に向けた商品であります。『高い信頼性』、『選びやすい』、『使いやすい』 が評価され 『2022年“超”モノづくり部品大賞 - 機械・ロボット部品賞』 を受賞しました。さらに水素関連アプリケーションをはじめ、これまでの事業領域にとどまらない市場のニーズに応じた商品とサービスの開発を進めております。
2023年もこれらの取組みの中でカーボンニュートラル社会に向け、常に技術力の向上と高品質かつSDGsにつながる商品とサービスを提供することに努め、お客様のニーズに応えながらビジネスの持続可能な成長と豊かな社会づくりに貢献することを目指してまいります。
研究開発費の金額は、