文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「独自の製品を供給して文化の発展に貢献する」ことを中核とした社是にもとづく経営を実践しております。また、エレクトロニクス産業のイノベーションを先導していく存在でありたいという思いを込めたスローガン「Innovator in Electronics」を全従業員で共有しています。
今後も真のInnovator in Electronicsとして主体的に価値創造をしていくためには、価値提供の軸を「お客様に対するイノベーション」だけでなく、「社会課題に対するイノベーション」へとその範囲を広げていくことが重要であるという考えのもと、当連結会計年度に当社グループの価値創造プロセスを、新たにサステナビリティの視点を織り込んだシナリオへと進化させました。当社グループが大切な価値観として掲げる「CSとES(Customer Satisfaction(お客様満足)とEmployee Satisfaction(従業員満足))」を原動力に、「先を読む力」、「ニーズをカタチにする力」、「価値を届ける力」という3つのコア・コンピタンスを相互に結びつけて総合力を発揮し、社会価値と経済価値の好循環を生み出すことにより、豊かな社会の実現に貢献していくことをありたい姿として掲げています。
なお、この実現のためには、多様な人材が組織を超えて連携し合い、イノベーションを創出していくことに加え、ステークホルダーとの共創を積極的に進めていくことがこれまで以上に大切であると考えています。今後さらにステークホルダーの皆様との関係を強固なものにし、社会課題の解決に向けて取り組み、持続可能社会の実現に貢献してまいります。
「当社グループの価値創造プロセス」
(2) 中長期的な会社の経営戦略
Ⅰ Vision2030(長期構想)
当連結会計年度に当社グループは、新たな長期構想として「Vision2030」、次連結会計年度を初年度とした3か年の取り組み計画である「中期方針2024」を策定いたしました。Vision2030では「ムラタのイノベーションで社会価値と経済価値の好循環を生み出し、豊かな社会の実現に貢献していく」ことをありたい姿として掲げています。さらに、「基盤事業の深化とビジネスモデルの進化」及び「4つの経営変革の実行」を成長戦略として位置づけています。これらをビジョンとして示すことで2030年までの取り組みに一貫性を持たせ、ありたい姿を実現していくことによりお客様や社会にとって当社グループが「最善の選択」である続けることが、「Global No.1部品メーカー」としてめざす姿でもあります。
「Vision2030ありたい姿」
成長戦略① 基盤事業の深化とビジネスモデルの進化
大きな変化を迎えているエレクトロニクス市場において、当社グループが今後もイノベーターとして価値を生み出していくためには、技術や社会変化の潮流を大局的に捉えた経営が求められます。長期視点で将来を見据えて多様なイノベーションを生み出すために、当社グループでは3層構造のポートフォリオを用いた経営を行い、4つの事業領域を重要な事業機会として位置づけ価値を創出してまいります。
「3層ポートフォリオ」
「4つの事業機会」
成長戦略② 4つの経営変革
・経営変革1「社会価値と経済価値の好循環を生み出す経営」
当社グループは、社会に対して提供する価値(社会価値)を向上させ、経済価値との好循環を生み出していくことで、ステークホルダーのみなさまに信頼され、選ばれ続ける存在であることを目指しています。これを実現するために、社会課題を起点とした重点課題(マテリアリティ)を定めています。当社グループのマテリアリティへの取り組みの詳細につきましては後掲「当社グループのマテリアリティ」をご参照ください。
・経営変革2「自律分散型の組織運営の実践」
会社の規模や事業範囲が拡大する中でも、社是が定められた当時と変わらずに社員一人一人が日々の仕事において社是を実践し、価値を提供し、成長を続けるために、より自律分散型の組織運営へと変革してまいります。
・経営変革3「仮説思考にもとづく変化対応型経営」
激化する環境変化の中でも、受け身でなく、将来起こり得ることについて仮説を立てて備え、柔軟に軌道修正を行うことができる変化対応型の事業経営を実践していきます。各機能、各組織が将来の変化に対する情報収集、議論、アクション、モニタリングを継続的に実行することで、変化対応力を強化してまいります。
・経営変革4「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」
当社グループではデジタルトランスフォーメーション(DX)を「ムラタ内外の人・組織(業務)を、デジタルで縦横無尽につなぎ、プロセスを短く、早く、かつ見える化を進めることで、飛躍的に顧客価値と競争力の向上をドライブし続けるもの」と定義しています。全社DXの戦略推進組織を新設し、実行組織とともに強化領域と基盤領域のあるべき姿の実現に向け、全体的なデジタル推進を加速してまいります。
Ⅱ 中期方針2024
中期構想2021の振り返り
2018年に3か年の取り組み方針として「中期構想2021」(2020年3月期~2022年3月期)を策定しました。中期構想2021では、会社の規模拡大にあわせて強い経営基盤に造り直し、広がる事業機会を捉えながらお客様に満足していただける価値を提供すること、また従業員一人ひとりが活躍し、やりがいを感じながら成長ができる状態を目指して、健全に成長を続けていくための3つの全社課題を設定し、取り組みを進めてまいりました。
「経営目標の達成状況」
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目標 |
2020年 3月期 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
目標比 |
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売上高(百万円) |
2,000,000 |
1,534,045 |
1,630,193 |
1,812,521 |
△187,479 |
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営業利益率(%) |
17%以上 |
16.5 |
19.2 |
23.4 |
6.4 |
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ROIC※ (税引前)(%) |
20%以上 |
16.1 |
18.5 |
22.6 |
2.6 |
※ROIC(税引前)= 営業利益 / 期首・期末平均投下資本(固定資産+棚卸資産+売上債権-仕入債務)
自動車の電装化の進展や5Gの普及に伴い、継続的に部品需要は拡大しています。一方で売上高は、リチウムイオン二次電池やコネクティビティモジュールにおいて事業ポートフォリオ見直しを進めた影響などにより、目標を下回る結果となりました。営業利益率は、各製品の利益率改善や製品構成の良化、旺盛な需要を背景とした生産高の増加による操業度益に加えて円安の影響もあり目標を大幅に上回りました。ROIC(税引前)につきましても、建物や生産能力増強のための設備投資により投下資本が増加しましたが、営業利益が増加したことにより目標達成となりました。
「全社課題の進捗状況」
中期方針2024の基本方針と中期経営課題
長期構想として打ち出したVision2030に向かっていくための第1フェーズとして「中期方針2024」を位置づけています。中期方針2024では、すでに顕在化している課題を解決していくとともに、長期視点で環境変化を捉え、バックキャストをして今から必要な備えを着実に進めていくために、「経営変革の推進」、「ポートフォリオ経営の実践(高度化)」、「筋肉質な経営基盤の形成」、「2030年への備え」の4つを3か年で着実に成果につなげていくべき経営課題として掲げています。
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キャピタル・アロケーション 中期方針2024では、キャピタル・アロケーションを明確化し、新たに「戦略投資枠」を設定しています。2030年に向かって広がっていく事業機会を掴み、持続的な成長につなげていくための種まきを3か年で実行し、リスクと機会に備える体制を構築してまいります。 ・主力事業であるコンポーネント、デバイス/モジュールへ投資を継続し、着実なキャッシュ創出を目指してまいります。 ・長期視点での環境投資や技術獲得、リスク対策、ITインフラ強化などを戦略投資と位置付け、積極的な推進を図ってまいります。 ・強固な財務基盤を維持しながら、余剰資金は自己株式の取得も含む株主還元を拡大することでステークホルダーの皆様の期待に応えてまいります。 |
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(3) 全社経営指標
(4) 当社グループのマテリアリティ
当社グループは、社会課題を起点とした重点課題(マテリアリティ)を定め、「事業を通じた社会課題解決への貢献」と「企業活動全体での社会課題への取り組み」に分け取り組みを進めております。
「事業を通じた社会課題解決への貢献」
・4つの事業機会(通信、モビリティ、環境、ウェルネス)における社会課題解決の方向性をマテリアリティとして設定しております。
・ムラタだからこそ実現できるイノベーションを創出し、事業を通じた社会課題解決への貢献を目指します。
各事業機会における社会価値向上の考え方は次の通りです。なお、具体的な取り組みについては引き続き検討を進めてまいります。
■通信
・あらゆるものが「通信」でつながる世界において欠くことのできない企業として、顧客ニーズを捉えた技術革新で電子部品を進化させ、イノベーションを創出していく。
・アプリケーションの多様化が進み、ネットワークのあり方が変化していくなかで、データを活用したソリューションやサービスの提供を通して生活環境における課題の解決を図り、都市のスマート化加速に貢献していく。
■モビリティ
・Global No.1部品メーカーを標榜するムラタとして、電装化や電動化が進む自動車のさらなる進化に貢献していく。
・通信領域の知見を生かし、顧客やパートナー企業とともにソフトやソリューション提供も含めた新たな価値創出を図り、働き方の変化に対応していくことや深刻化する環境問題の解決につなげていくためのモビリティ社会の実現に貢献していく。
■環境
・電子部品において、カーボンフットプリント対応や資源循環への対応を積極的に進め、バリューチェーン上の協働パートナーとともにサステナブルな社会を実現する。
・各種モニタリングを実現する通信部品や機能部品を提供することを通して、また、安心・安全・高効率・長寿命を競争優位とした電池・電源事業を通じて、脱炭素社会の実現を加速していく。
・水素社会に向けた技術検討、循環型経済や水・農業の高度化を実現するためのエレクトロニクスの可能性を探求する。
■ウェルネス
・小型、高品質な電子部品の提供を通じて安心・安全を提供し、医療、ヘルスケア領域のデジタル化加速に貢献していく。
・ムラタの技術やアイデアを組み合わせ、健康寿命の延伸や、不安を取り除いた活力のある暮らしを実現していくためソリューションを提供していく。
・小型化、高機能化、高品質を実現する技術で、医療、ヘルスケアの安全性、効率性、利便性を追求したイノベーションを創出していく。
「企業活動全体での社会課題への取り組み」
・E(環境)S(社会)G(ガバナンス)領域に対して9つのマテリアリティを設定しております。
・地球環境、地域社会への負荷の最小化を通じた社会価値の向上を目指します。
具体的には以下の中長期目標を設定し、取り組みを進めております。なお、2021年度を最終年度とする中期構想2021の実績につきましては、当社ウェブサイト(https://corporate.murata.com/ja-jp/csr/way_of_thinking/activities)にて公表しております。
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重点領域 |
重点課題 |
長期目標 |
中期目標 (2022年度~2024年度) |
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環境 |
気候変動対策の強化 |
2050年度目標: 再生可能エネルギー導入比率:100% |
温室効果ガス排出量(Scope1+2): 2019年度比20%減 再生可能エネルギー導入比率:25% |
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2030年度目標: 温室効果ガス排出量(Scope1+2): 2019年度比46%減 温室効果ガス排出量(Scope3): 2019年度比27.5%減 再生可能エネルギー導入比率:50% |
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持続可能な資源 利用 |
2050年度目標: 持続可能な資源※1利用率:100% 循環資源化率※2:100% |
持続可能な資源利用率:1% ※3 循環資源化率:5% ※3 |
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2030年度目標: 持続可能な資源利用率:25% 循環資源化率:50% |
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公害防止と 化学物質管理 |
2030年度目標: 重大な環境インシデント件数:0件 VOC排出量:2021年度比30%減 |
重大な環境インシデント件数:0件 VOC排出量:2021年度排出量以下 洗浄用途化学品への特定VOC含有を廃止していること。 |
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重点領域 |
重点課題 |
長期目標 |
中期目標 (2022年度~2024年度) |
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社会 |
安全・安心な職場と健康経営 |
2030年度目標: 死亡重大災害がなく、従業員が怪我をせず、事故もなく、いきいきと働けている職場にすること。 死亡重大災害:0件 労働災害千人率:1.0未満 発火事故件数:0件 主観的健康観:80% (内、非常に健康と回答20%) |
死亡重大災害:0件 労働災害千人率:1.35未満 発火事故件数:2019-2021年度平均比30%減 主観的健康観:80% (内、非常に健康と回答14%) |
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人権と多様性の 尊重 |
2030年度目標: 海外間接部門従業員※4の他拠点での勤務経験比率:10% 女性管理職比率:10%(本社) |
海外間接部門従業員の他拠点での勤務経験比率:7% 人権マネジメントシステムに沿ったPDCAサイクルを各事業所で展開していること。 |
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地域社会との共生 |
2030年度目標: 地域の皆様とのコミュニケーションを大切にし、 地域課題の解決につながる貢献活動を推進すること。 |
地域の皆様とのコミュニケーションを大切にし、 地域課題の解決につながる貢献活動を推進すること。 |
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ガバナンス |
公正な商取引 |
2030年度目標: <独占禁止法> 法令・社内規定・手続きをグローバルで浸透・ 徹底していること。 <贈収賄> すべての関係会社において、各国法令に対応した贈収賄マネジメントシステムを確立し、贈収賄・汚職の発生件数ゼロを維持していること。 |
<独占禁止法> 法令・社内規定・手続きをグローバルで浸透・ 徹底していること。 <贈収賄> 腐敗度指数の高い地域において贈収賄マネジメントシステムが機能し、本社への報告体制を構築していること。 |
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事業継続の取り組み(BCM) |
2030年度目標: 災害が発生した際に、非被災拠点が迅速に連携して、当社グループ全体としての事業継続を図れるような全社的なBCM※5を構築していること。 各事業所・工場が定期的に訓練等を通じてBCPの有効性の検証・改善を行うなど、自律的なBCM活動を実践していること。 甚大な被害が想定される南海トラフ地震に対する対策を実施していること。 |
国内事業所・工場において必要項目を充足したBCPを整備していること。 海外事業所・工場において、当地で想定される災害に対応したBCPを策定すること。 |
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情報セキュリティ |
2030年度目標: 重大な影響が生じ得ると判断される事案数:0件 従業員教育実施率※6:100% |
重大な影響が生じ得ると判断される事案数:0件 従業員教育実施率:100% |
※1:持続可能な資源:リサイクルスキームを構築するなどにより、将来にわたって持続的に利用できる「枯渇リスクの低い資源」
※2:循環資源化率:当社のoutput(排出物)が循環資源としてリサイクルに回されている割合
※3:2024年度の目標値は現状からの改善幅を示しています
※4:日本から海外への出向者を除いた、海外ローカルスタッフ対象
※5:BCP策定や維持・更新、事業継続を実現するための予算・資源の確保、事前対策の実施、取り組みを浸透させるための教育・訓練の実施、点検、継続的な改善などを行う平常時からのマネジメント活動のこと。
※6:実施率=実施拠点数/全拠点数
◆ご参考 当社グループの気候変動の取り組み状況
当社グループは気候変動の課題に向き合う企業のひとつとして、世界の気候変動対策に向けて果たすべき重要な役割があると考えております。気候変動は、コストの増加や事業の中断といったリスクをもたらす一方、社会に新たなニーズを生み、当社グループとして新たな価値を創出する機会でもあると認識しています。そのため、次の10年は、「文化の発展に貢献する」という当社グループの使命を果たしながら、革新的な技術やソリューションを生み出し、新しい領域に事業を拡大する機会であると捉えております。
以下内容において、気候変動関連の財務情報開示に関するタスクフォース(TCFD)が推奨するフレームワークを活用し、気候変動がもたらすリスクと機会及びそれぞれに対する取り組みについて説明します。
<ガバナンス>
当社グループは気候変動対策において、ガバナンス体制を強化しており、取締役会は気候変動を含むすべてのリスクと機会について説明責任を負っております。また代表取締役社長と取締役常務執行役員は、それぞれCSR統括委員会と気候変動対策委員会の委員長を務めており、気候変動対策を監督する責任を負っております。当社グループでは気候変動対策委員会を中心に議論を進め、RE100やSBT等のイニシアティブへの対応やカーボンプライシング制度導入の意思決定を行っております。今後も中長期的な視点で企業価値を高めていくために、ガバナンス体制を強化してまいります。
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取り組み |
・取締役を委員長とした気候変動対策委員会による気候変動関連の目標設定及び進捗管理 ・主要イニシアティブ(SBT/RE100等)への対応策の決定 ・脱炭素促進に向けた投資判断・制度導入の決定 |
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進展 |
・各分野での有識者を構成員としたイニシアティブ推進部会、再エネ推進部会、省エネ 部会の設立による気候変動対策の推進 ・投資を伴う省エネ活動を促進するカーボンプライシング制度及びサステナビリティ 投資促進制度の導入 |
<戦略>
気候変動は当社グループにとって極めて重要な課題であり、気候変動がもたらすリスクと機会は、中長期的に事業の持続的な発展に大きな影響を与えることが予想されます。このような潜在的な影響を予想し、また各イニシアティブでの推奨事項も当社グループに取り入れることで、適切な戦略立案を行っております。
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取り組み |
・「事業を通じた社会課題解決への貢献」と「企業活動全体での社会課題への取り組み」に環境(気候変動)分野を設定 ・シナリオ分析によるリスクと機会の把握 ・SBT 1.5℃目標達成に向けた中長期の目標設定 ※Scope1,2:1.5℃水準、Scope3:Well-Below2.0℃水準 |
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進展 |
・SBT認定の取得による脱炭素に向けた中長期目標の設定 ・TCFD提言に沿った、リスクや機会の特定及びシナリオ分析の実施・開示 ・RE100達成に向けた再エネ導入の実施 ・CDP 気候変動調査2021で初のAリスト企業に選出 |
<リスク管理>
CSR統括委員会が、社会、環境、経済の様々なマテリアリティ(重点課題)を、構造化されたプロセスで定期的に評価しております。最新のマテリアリティ評価では、気候変動による影響は重大なリスクとして認識しており、それに対しての監督や取組みを経営の重要課題として取締役会で承認しております。戦略面においては、気候変動対策委員会が変化する気候関連リスクを継続的に注視し、当社グループの気候変動に関する課題を設定し、その対応状況を管理しております。
2021年度には、将来の気候変動がもたらす潜在的なリスクと機会、及び事業戦略のレジリエンスを評価するために、シナリオ分析の活用をはじめました。
オペレーション面においては、事業所でISO14001認証を取得し、環境リスクを評価しながら継続的な改善を推進しております。
気候変動に起因するリスクは、CSR統括委員会のもと全社的なリスク管理の項目に組込まれています。また、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)などの業界団体や、RE100などのグローバルアライアンスに加盟し、気候変動に関連する新たなリスクや機会を含む最新動向の把握に努めます。
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取り組み |
・CSR統括委員会が、社会、環境、経済の様々なマテリアリティ(重点課題)を、構造化されたプロセスで定期的に評価している。 |
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進展 |
・シナリオ分析を活用し、将来の気候変動がもたらす潜在的なリスクと機会、及び事業戦略のレジリエンスを評価。 ・オペレーション面においては、事業所でISO14001認証を取得し、環境リスクを評価しながら継続的な改善を推進。 ・事業継続計画(BCP)において、台風や大雨などの異常気象による事業への影響の 最小化を検討。 |
<指標と目標>
当社グループは気温上昇を1.5℃に抑える世界的な取り組みに貢献するため、SBT認証取得やRE100への加盟を進めてきました。当社グループの事業規模は拡大する見込みですが、CO2排出削減や再エネ導入比率向上を目指し、バリューチェーン全体での脱炭素化を加速させてまいります。
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目標 |
<2050年目標> ・事業活動での使用電力の再生可能エネルギー使用比率を100%にする。 <2030年目標> ・Scope1,2を46%削減する。(2019年度比) ・Scope3を27.5%削減する。(2019年度比) ・事業活動での使用電力の再生可能エネルギー使用比率を50%にする。 <2024年目標> ・Scope1,2を20%削減する。(2019年度比) ・事業活動での使用電力の再生可能エネルギー使用比率を25%にする。 ※Scope1:自社の工場から直接排出されるCO2排出量 Scope2:自社が購入した熱・電力の使用に伴うCO2排出量 Scope3:企業活動のサプライチェーンのCO2排出量 |
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考え方 |
・省エネ/再エネ/再エネ証書を自社の脱炭素を進める3本柱とし、CO2排出量の削減を行ってまいります。またサプライチェーン全体を通じたCO2排出量の削減も進めるべく、取引先とも今まで以上に連携に努め、対策を講じられるよう検討しております。 |
(1)リスク管理体制
当社では、代表取締役社長を委員長とするCSR統括委員会の下部委員会としてリスク管理委員会を設置しております。この委員会は、担当執行役員を委員長とし、総務、人事、経理、財務、企画、広報、知的財産、環境、情報システム、法務などの部門長で構成され、全社的なリスク案件についての対策を検討しております。
リスクについては、リスクの主管部門である機能スタッフ部門と事業部門が、当社グループが現在直面しているリスク、あるいは近い将来に予想されるリスクを抽出しております。そして機能スタッフ部門が、①事業部門が抽出したリスクのうち全社的なリスクとして把握しておく必要のあるリスク、②機能スタッフ部門と事業部門が相互に共有し連携する必要のあるリスクを正しく認識することで、リスク把握の漏れを防ぎ、全社的なリスクに対して適切に対応できる体制を構築しております。また、内部監査部門はリスク管理委員会、機能スタッフ部門への直接・間接の監査を通じて、当社グループにおけるリスクマネジメントのPDCAが適切に実施されているかモニタリングしております。抽出したリスクについては、発生頻度と影響度から重要度を評価し、それらのリスクをリスクマップ上に表示することで、俯瞰的に当社グループのリスクを把握・管理しております。
リスク管理委員会ではこのように抽出されたリスクのうち、重要度・緊急度の高いリスクの内容を審議し、必要に応じて追加対策を指示しております。さらに各リスクの主管部門が取締役会や経営会議において、重要度・緊急度の高いリスクを経営陣に報告することで、経営陣が当該リスクを把握し、適切なリスク対策を講じられるようにしております。
(2)事業等のリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。各リスク対策実施後の残余リスクについて、影響度と発生頻度を「大」「中」「小」の3段階に分類しております。なお、影響度については「組織的な影響」「生産活動等への影響」「法令・行政上の影響」「商取引上の影響」「報道・風評上の影響」の5つの指標から1つの指標を選択し、各指標であらかじめ定めた基準に基づき分類しております。ただし、以下に記載された項目以外のリスクが生じた場合においても、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月29日)現在入手し得る情報に基づいて当社グループが判断したものであります。
①外部環境リスク
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(1)海外での事業展開に関するリスク |
発生頻度 中 |
影響度 大 |
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リスク内容 |
当社グループの海外売上高比率は90%を超えており、生産・販売等の事業活動をグローバルに展開しております。従って、当社グループの業績は、進出当該国・地域の政情、為替、税制等の法制度、金融・輸出入に関する諸規制、社会資本の整備状況、その他の地域的特殊性、及びこれらの諸要因の急激な変化の影響を受ける傾向にあります。 |
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対策 |
当社グループは、海外展開にあたり、市場や顧客の変化を的確にとらえ、高品質の製品と充実したサービスを提供できる体制を構築すべく、販売拠点は世界の主要市場を網羅できる地域に、生産拠点は採算性、周辺市場の拡大予測、生産コスト等から総合的に判断して配置することとしております。また、新たな国への進出に際しては、そのリスクを慎重に検討、評価した上で判断しております。その上で、進出した地域への貢献を重視し、価値向上に努めて、国々での信頼を勝ち得る努力をしております。 一方で、昨今、ウクライナ情勢や米中の貿易摩擦、輸出規制に代表される国際情勢の変化が大きく、直接・間接的に事業に影響を及ぼす可能性があります。特に当社グループ連結売上高の約50%、生産高の約20%を中華圏が占めており、中国の内外情勢による経営へのインパクトは高まっております。これに対して、多方面から情報を収集し有事に迅速に対応できる体制の構築に努めており、加えて、事業継続計画(BCP)の観点からのアセアン等での生産強化による多極化、日本を含めた代替生産体制の実現等を進めております。 |
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残余リスク |
上記の対策を講じたとしても、想定を超える政治・経済・社会的要因の急激な変化が起きた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(2)為替変動に関するリスク |
発生頻度 中 |
影響度 大 |
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リスク内容 |
当社グループの海外売上高比率は90%を超えており、またグローバルに事業を展開していることから、生産・販売等の事業活動が為替変動の影響を大きく受けます。また、為替変動は当社グループの外貨建取引から発生する収益・費用及び資産・負債の円換算額を変動させ、業績及び財政状態に影響を及ぼします。当連結会計年度において為替変動が営業利益に及ぼす影響は、米ドルに対して円高方向に1円変動した場合に年間約60億円の減益となっております。 |
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対策 |
当社グループでは、為替変動リスクを軽減させるため、海外での販売について為替の変動を販売価格に反映させるよう努めており、また為替変動による損益への影響をヘッジする目的で外貨建取引金額の一定比率に対して為替予約契約を締結しております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、為替変動による影響を完全に排除することは困難であり、米ドルなど他の通貨に対して、円高が急激に進んだり長期に及んだ場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(3)資金調達に関するリスク |
発生頻度 中 |
影響度 中 |
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リスク内容 |
当社グループでは、設備投資及びその他の事業資金については、自らの事業活動により獲得した内部資金で対応することを基本方針としておりますが、事業の成長に向けた投資や運転資金のための資金需要に対して内部資金だけでは不足する場合があります。 |
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対策 |
当社グループでは、時々の金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部から調達することで対応しており、銀行からの借入及び国内普通社債発行による資金調達を適宜実施しております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、金融市場の不安定化により、金融機関が貸出を圧縮した場合、円の金利が上昇した場合、また格付機関による当社信用格付けの引下げの事態が生じた場合などには、資金調達の制約を受け、資金調達コストが増加し、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(4)資金運用に関するリスク |
発生頻度 小 |
影響度 中 |
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リスク内容 |
当社グループは、事業活動による資金需要への機動的な対応と金融市場の市況悪化等のリスクを最小限に抑えるため必要な資金流動性を確保しており、資金需要が生ずるまでは金融商品による運用を行っております。 |
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対策 |
当社グループでは、事業投資の原資として手許資金を保有しているため、投機目的の運用は行わず、信用リスクが小さいと考えられる銀行への預金や高格付の債券など、安全性の高い金融商品に分散して資金を保有しております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、金融市場の急激な変化、又は保有する預金や債券の信用リスクの増大等に伴い金融資産に損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(5)環境規制に関するリスク |
発生頻度 小 |
影響度 中 |
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リスク内容 |
当社グループは、国内外において、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、廃棄物処理、製品に含有する化学物質など、様々な環境法令の規制を受けております。当社グループでは、これら法令を遵守し、事業活動を進めておりますが、地球環境保全の観点、事業の継続的な発展の観点において、今後ますます国内外での環境規制が強化され、これに適応するための費用の増大が予想されます。 |
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対策 |
当社グループでは、近年、気候変動や資源循環と事業との調和に関して重要性を強く認識するとともに、それらを事業の機会とリスクと捉え、各取り組みを進めております。この他、化学物質の使用に関する規制や揮発性有機溶剤の大気放出に関する規制への対応など、環境保全に関する当社グループの課題認識とその対応に関して、担当執行役員を委員長とする環境委員会及び気候変動対策委員会を組織し、当社グループ全体で対策を推進しております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、環境規制への適応が極めて困難な場合、想定を超える費用の発生や事業からの部分撤退、当社グループへの社会的信頼が損なわれる可能性も想定され、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(6)気候変動に関するリスク |
発生頻度 中 |
影響度 中 |
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リスク内容 |
近年、世界各地で深刻化している環境問題に対応するため、資源循環や脱炭素に対する取り組みが企業に求められております。当社グループでは気候変動対策の強化、及び持続可能な資源利用をマテリアリティ(重点課題)として設定し対策を実施しておりますが、ステークホルダーからの要請への適応が極めて困難な場合や、対応に不足、又は遅れが生じた場合、以下のリスクが顕在化する可能性があります。 (移行リスク) ・当社グループが事業を展開する地域における炭素税導入などのエネルギーコスト上昇リスクは、財務計画や設備投資の意思決定において見込むべき潜在的なリスクになっております。 (物理的リスク) ・台風や大雨などの異常気象は、工場やサプライチェーンに影響を及ぼし、洪水や停電による主要工場の全面停止、異常気象による原材料の供給途絶などのリスクが想定されます。 |
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対策 |
当社グループは、CO2排出量削減等の「気候変動対策の強化」を企業経営の非財務重点課題の1つとして選定し、気候変動対策に関する課題認識とその対応に関して担当執行役員を委員長とする委員会を組織し、対策を推進しております。 (移行リスク) ・炭素税への対応として、毎年数百件の省エネ施策を実施し、年間約5万tのCO2を削減しております。 ・太陽光発電設備の導入、再エネ電力や再エネ証書の調達により再エネ電力は年間4億KWh相当となり、約24万tのCO2の削減に貢献しております。 ・2021年度に新規に導入したカーボンプライシング制度を活用し、省エネ活動をさらに加速させます。 ・5Gテクノロジー、IoT、EV等の技術進化に対して、当社電子部品の優れたエネルギー効率を有した軽薄短小の技術力により、当社製品の市場拡大を通じてサプライチェーン全体でのCO2削減を目指しております。 (物理的リスク) ・台風の強大化等による異常気象によって、工場の立地によっては甚大な被害を受ける可能性があります。そのため当社グループでは、ハザードマップを活用し、各工場のリスク評価を実施しており、輸送を途絶えさせないよう生産製品の分散化・輸送ルートの複数化を図っております。 ・その他気候変動に関するリスクや機会に関しては、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に基づいた内容を開示しております。具体的な各施策については、SBT(Science Based Targets)として認定された目標値を達成するため、さらに取り組みを強化し、将来的には2050年のRE100を実現するため、活動してまいります。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、中長期的にステークホルダーの要請が変化し、その要請に応えられないことによって当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(7)災害・感染症等による事業活動の停止に関するリスク |
発生頻度 小 |
影響度 大 |
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リスク内容 |
当社グループは、事業所所在地における大規模な自然災害の発生や感染症の流行等により、事業活動が長期間停止する可能性があります。 |
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対策 |
当社グループでは、地震災害による主要製品の操業停止の影響を最小限にし、「お客様に製品を安定供給する」という責任を果たすため、事業継続計画(BCP)を策定しており、生産拠点を国内外に分散するとともに、国内全拠点において一定規模の地震災害を想定して建物・生産設備の耐震性・安全性確保、通信・情報システムのバックアップ体制、在庫による供給維持などの施策を講じております。さらに、定期的な防災訓練や事業継続訓練の実施により、初動対応の実効性確認と継続的な改善や危機対応能力の向上とBCPの改善点の把握に取り組んでおります。 2020年1月以降世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症に関しては、感染状況や政府・自治体の要請内容に応じて感染予防と感染拡大防止のための様々な施策を決定し、実行しております。具体的には、在宅勤務や時差出勤の活用、出張・来客規制、社内における従業員の行動履歴の記録、食堂や職場における飛沫拡散防止のための衝立の設置など従業員の感染防止のための施策や、感染者が発生した場合のBCPの策定など、新型コロナウイルス感染症による従業員の健康や当社の事業活動への影響が最小限になるよう取り組んでおります。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、想定を超える大規模災害の発生や新型コロナウイルス感染症のさらなる流行、新たな感染症の世界的な流行、原子力発電所の事故等による、長期にわたる製造ラインや情報システムの機能低下、世界レベルでの経済活動の停滞に伴う大幅な事業活動の縮小や停止が、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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②戦略リスク
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(1)当社製品の需要変動に関するリスク |
発生頻度 中 |
影響度 大 |
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リスク内容 |
当社グループは、各種エレクトロニクス製品を生産する電子機器メーカーに対して、電子部品を供給することを主たる事業としております。 エレクトロニクス製品の需要動向は、世界の経済情勢に大きく左右されます。従って、経済情勢の急激な変化は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼします。加えて、特に成長性の高いエレクトロニクス製品に使用される電子部品については、実態とは乖離する部品需要が発生することもあり、その場合、当社グループは需要変動の影響をさらに増幅して受けることになります。 |
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対策 |
当社グループでは、これに対して、1)通信市場を基盤としつつ、製品ライフサイクルの比較的長い自動車市場への事業展開を推進しリスク分散を図る、2)世界経済の動向を注視し、中長期的な需要予測に基づき生産設備と必要人員を迅速に手配し生産能力を拡充する、3)IT技術の積極活用等による生産効率の継続的改善に注力する、4)生産能力や稼働日数の柔軟な調整を行う、等の対策により、需要の急激な増加への対応と余剰資産等ロスの発生を抑制するよう対策を講じております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、世界経済やエレクトロニクス産業全般の急激な変化により当社グループの製品の需要が予測を大幅に下回る事態となった場合には、手配した生産設備、人員、資材、製品等が余剰となり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。一方、想定を超える需要が急激に発生した場合には、顧客の要求に応じられず販売機会を逃し、そのことが将来の競争力低下に繋がる可能性があります。 |
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(2)製品の競争力(市場シェア)に関するリスク |
発生頻度 中 |
影響度 中 |
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リスク内容 |
当社グループが属する電子部品業界は、中長期的に需要機会は大きく伸長すると見込まれますが、同時に競合他社との競争は激しく、製品の特性、供給力、コスト競争力等総合力で競合他社に劣後する場合、当社市場シェアが低下するリスクがあります。従来からの競合に加え、昨今、中国ローカルの部品サプライヤーが急速に力をつけてきており、競合との競争はさらに激化する傾向にあります。 |
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対策 |
当社グループは、小型、薄型、高信頼性、低消費電力等を実現する付加価値の高い新商品の継続的な投入、独自の材料技術や生産技術、現場のモノづくり力を統合した継続的かつ積極的なコストダウンの推進、顧客需要にタイムリーに応える供給力の整備、顧客との安定した取引関係を構築する販売ネットワーク力等の総合力により、マーケットシェアの維持拡大に注力し、売上の拡大や収益性の向上に努めております。 |
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残余リスク |
上記の対策を講じたとしても、競合他社が革新技術を獲得して技術的に先行する、圧倒的なコスト低減に成功する等々の要因により、当社の市場シェアが低下し、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(3)特定の取引先、製品への依存に関するリスク |
発生頻度 中 |
影響度 中 |
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リスク内容 |
当社グループには、連結売上高において依存度の高い取引先及び製品が存在します。具体的には、当連結会計年度において連結売上高の10%を超える顧客グループが1グループあります。また、コンデンサは当連結会計年度において連結売上高の43%を占める主力製品となっております。 |
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対策 |
当社グループでは、これらのリスクに対して、次のような対策を実施しております。 まず、強みであるグローバルな販売ネットワークを駆使して、当社グループの製品を幅広い用途、顧客に販売するなど、特定の顧客への依存度を下げる取り組みを実施しております。 つぎに、5G化の進展、CASEと呼ばれる自動車産業の変革による需要機会は大きく、今後も継続して当事業の強化を図っていくとともに、通信用デバイス、モジュール、バッテリー事業等の拡大により収益の多角化を進め、特定の製品への依存度を下げる取り組みを実施しております。 |
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残余リスク |
上記の対策を講じたとしても、当該顧客グループからの受注が減少したり、当該顧客グループ製品の販売が低迷した場合は、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。 また、コンデンサを代替しうる革新技術、製品の出現、強力な競合の台頭は、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(4)M&A、業務提携、戦略的投資に関するリスク |
発生頻度 中 |
影響度 大 |
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リスク内容 |
当社グループは、新技術の獲得、新たな事業領域への進出、既存事業の競争力強化などを目的に、必要に応じてM&A、業務提携、戦略的投資を実施しております。 |
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対策 |
当社グループは、このような他社との協業に際しては、対象となる市場や事業並びに相手先企業の経営状況などのリスク分析を行った上で判断しております。また、該当案件について定期的に検証を実施し、必要に応じて戦略の軌道修正を図り、協業の有効性を高めております。 |
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残余リスク |
上記の対策を講じたとしても、市場環境や競争環境の著しい変化、提携当事者間の利害の不一致、買収した企業や事業の顧客基盤の変化又は人材の流出などにより、計画通り事業を展開することができず、投下資金の未回収や追加的な費用の発生、のれん及び長期性資産の減損損失などにより、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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③経営基盤リスク
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(1)情報セキュリティに関するリスク |
発生頻度 大 |
影響度 大 |
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リスク内容 |
近年、退職者による情報漏えい事件や標的型メール攻撃などが報道されているように、企業の保有する情報をターゲットとした内部不正による情報漏えいやサイバーアタックによる企業活動停止のリスクが高まっております。 また、個人情報に関する権利意識の高まりとともに、世界各国でGDPR(EU一般データ保護規則)をはじめ個人情報保護のための法令が検討、制定されており、個人情報の安全管理措置や漏えい事故の監督官庁への通報など、会社に求められる法令対応事項が増加し、違反した場合の罰則が厳罰化しております。 |
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対策 |
当社グループが持続的に成長を続けるためにも、技術情報や経営情報などの企業機密、会社で取り扱う個人情報、取引先・お客様やパートナーから提供いただいた情報などを守ることが大切であり、そのため国際標準(ISO27001)をベースにした情報セキュリティマネジメントを実施しております。具体的には、情報セキュリティ基本方針、情報セキュリティ管理規定、個人情報保護方針、個人データ保護グローバル規定などのルールを制定し、情報セキュリティと個人情報保護の施策を人的・技術的・物理的の三側面から、整備・運用しております。 まず人的側面では、情報を正しく取り扱えるよう、ルールを分かりやすく解説した「情報セキュリティガイドブック」の配付、情報セキュリティ意識を高める年次教育、フィッシングメール訓練、階層別社内研修などを実施しております。また、情報セキュリティ事故への対応体制を整備しております。 つぎに技術的側面では、マルウェア対策、システムへのアクセスコントロール、脆弱性診断と対応、情報端末や通信の監視、各種ログの収集、セキュリティ事故になりうるインシデントへの対応体制の構築、生産現場でのセキュリティ強化などを行い、日々変化するサイバー攻撃やリスクへの対応・対策を進めております。 そして物理的側面では、入出門管理、機密管理レベルにあわせたセキュリティゾーン設定とアクセスコントロールで社内外からの不正侵入を多重に防いでおります。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、想定した防御レベルを超える技術による不正アクセスや、予期せぬ不正使用があった場合には、情報が外部へ流出したり検知できないまま改ざんされるリスクが残り、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすのみならず、その対応のために多額の費用負担が発生し、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(2)公的規制とコンプライアンスに関するリスク |
発生頻度 小 |
影響度 大 |
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リスク内容 |
当社グループは、国内及び諸外国・地域において、商取引、独占禁止法、知的財産権、製造物責任、環境、労務、租税等の法規制、事業投資の許認可、輸出入規制など、様々な公的規制の適用を受けて事業を行っております。これらの公的規制に違反した場合、監督官庁による処分、訴訟の提起、さらには事業活動の停止に至るリスクや企業ブランド価値の毀損、社会的信用の失墜等のリスクがあります。 |
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対策 |
当社グループでは、公的規制の対象領域ごとに主管する部門を決め、公的規制に対応した社内ルールを定めるなど、未然に違反を防止するための方策を講じ、適時にモニタリングを実施しております。 さらに、これらの取り組みに加え、当社ではコンプライアンス推進委員会を設け、法令遵守のみならず、役員・従業員が共有すべき倫理観、遵守すべき倫理規範等を「企業倫理規範・行動指針」として制定し、当社グループにおける行動指針の遵守並びに法令違反等の問題発生を全社的に予防するとともに、コンプライアンスの実効性を担保するため、コンプライアンス上の問題を報告する通報窓口を社内・社外に設けております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、グローバルに事業を展開するなかで、国や地域において、公的規制の新設・強化や想定外の適用等により、結果として当社グループが公的規制に抵触することになった場合には、事業活動に制約が生じたり、公的規制を遵守するための費用が増加したりするなど、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(3)知的財産権に関するリスク |
発生頻度 大 |
影響度 中 |
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リスク内容 |
当社グループは、技術革新が著しく競合他社との競争が激しい電子部品業界に属していることから、他者の知的財産権の尊重、他者との無用な知的財産紛争の回避及び独自技術の保護は重要な経営課題であります。万一、他者から知的財産権に関する主張を受けた場合、当社グループの生産・販売活動が制約されたり、損害賠償金・実施許諾料等の支払いが発生したりする可能性があり、また独自技術が保護されない場合には、他者に製品やサービスを模倣される可能性があります。 |
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対策 |
当社グループでは、材料から製品まで一貫生産体制を構築しており、材料開発、プロセス開発、製品開発、制産技術開発を行う中で、適切なタイミングで他者の知的財産権を調査し、必要に応じて設計回避等の対策を講じております。また研究開発の際に創出される発明について、発明考案等取扱規定により適切に取り扱い、特許出願等を行っております。また当社グループでは、海外売上比率の上昇にあわせて海外への特許出願等も積極的に行っており、グローバルな知的財産ポートフォリオの構築を進めております。 また、知的財産に関する階層・職能教育や知的財産に関する啓発フォーラムなどの様々な社内イベントを開催することにより、当社グループ従業員の知財マインドを醸成しております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、当社グループの製品等が第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受けたり、当社グループの知的財産権が、第三者により無効とされたり、特定の地域では十分な保護が得られなかったりする可能性もあります。このように当社グループの独自技術が知的財産権によって完全に保護されない場合、又は当社グループ製品が第三者の知的財産権を侵害していると主張された場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(4)税務に関するリスク |
発生頻度 中 |
影響度 中 |
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リスク内容 |
当社グループは、世界各国で販売や生産などの事業活動を行っており、各国税務当局から多額の追徴課税を課されるリスク、さらにそれに伴って発生する信用毀損リスク及び移転価格税制の課税による二重課税リスク等の税務リスクがあります。 |
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対策 |
当社グループでは、「グローバルタックスポリシー」に従い、早期に税務リスク情報を収集し、法令の立法趣旨に照らして税務処理を決定し、税務処理に不確実性が残った場合は、税務当局への事前照会や外部専門家への相談を行い不確実性の排除に努めております。また、税務専門組織を独立した組織として設置し、専門的知識と経験豊富な人材の確保・育成を行い、税務リスク極小化のための体制を整備しております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、近年のビジネスの拡大とグローバル化の進展に伴い、税務リスクが顕在化する可能性は高まっており、また、その金額的重要性も高まる傾向にあります。税務リスクが顕在化した場合は、法人税等の追加負担が発生し、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(5)人材の採用・確保に関するリスク |
発生頻度 小 |
影響度 中 |
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リスク内容 |
当社グループは、材料から商品までの一貫生産を行うとともに、主要な生産設備を内作するなど技術の独自性を追求しておりますが、技術の高度化、技術革新が加速する今日、多様な技術分野において優れた専門性を有した人材の必要性がますます高まっております。 一方、各産業分野における技術革新の進展、とりわけエレクトロニクス分野の広がりにより、当社グループが必要とする多様な技術領域の人材ニーズの産業界全体における増大や少子高齢化に伴う労働人口の減少など、優秀な人材の獲得は競争状態となっております。 なお、高度技術人材の獲得競争がグローバルで激化することを踏まえ、シニア層含めての技術領域及び競争力観点でノウハウを有する人材の定着確保も重要となっております。 |
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対策 |
当社グループでは、計画的な新卒採用に加え、ニーズに基づいた過年度卒の通年採用を実施しており、2020年12月に神奈川県横浜市に研究開発拠点として「みなとみらいイノベーションセンター」を設立し、重点成長市場である通信市場・自動車市場を中心とした事業に加え、エネルギー、ヘルスケア、IoTなどの新規市場向け人材やデジタルトランスフォーメーションに必要な人材の採用強化も進めております。 また、能力開発を支援する教育制度の拡充、多様な社員の能力が十分に発揮できるよう適性を重視した配置や、専門系人材の適切なキャリアルートの設定、ワークライフバランスを支援する制度の整備により、社員のモチベーションを高め、社員の定着・育成に努めております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、雇用環境の変化などにより当社グループが求める人材の確保やその定着・育成が計画通りに進まなかった場合には、当社グループの業績及び財政状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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④事業遂行リスク
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(1)新技術・製品の開発に関するリスク |
発生頻度 小 |
影響度 大 |
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リスク内容 |
当社グループが属する電子部品業界は、技術革新のスピードが加速し、製品のライフサイクルが短期化しており、将来にわたって当社グループの売上高を維持・拡大していくためには、革新的な新製品の開発を適切なタイミングで実施していくことが重要となっております。 |
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対策 |
当社グループでは、新技術や新製品開発に必要な研究開発投資を継続的かつ積極的に行っており、売上高に占める研究開発費の割合は6~7%で電子部品業界の中でも比較的高い水準にあります。 研究開発のテーマについては、将来の市場、製品及び技術動向の予測に基づいて選定し、研究開発活動の各段階において研究開発成果の評価を行うなど、その実効性と効率性の向上に努めております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、市場、製品動向の変化や当社グループの技術を代替しうる技術革新が予測を超えて起こった場合には、期待した製品需要の減退、開発期間の長期化や開発費用の増大を招き、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(2)調達に関するリスク |
発生頻度 中 |
影響度 中 |
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リスク内容 |
資材調達におけるリスクとしては、仕入先の事業運営上のトラブル、治安の悪化、感染症の蔓延、災害(人災・自然災害)、資源の枯渇等の発生に伴う資材品の供給停止や価格高騰が想定されます。 |
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対策 |
当社グループは、資材品の在庫政策に基づく適正在庫の確保、マルチベンダー化、仕入先の事業継続計画(BCP)体制の事前確認等を通じてそれらのリスクを低減しております。 また、資材仕入先の生産場所をデータベース化し、災害発生時に速やかに仕入先と連携できる体制を整えるとともに、災害発生時の初動対応フローを策定し、迅速な復旧対応ができる体制を整えております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、想定を超える規模・期間の災害等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(3)顧客の信用に関するリスク |
発生頻度 大 |
影響度 小 |
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リスク内容 |
当社グループは、世界各地の電子機器メーカーに対して電子部品を供給しておりますが、エレクトロニクス市場は事業環境の変化が激しいことから、当社グループが売上債権を有する顧客に財務上重要な問題が発生する可能性があります。 |
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対策 |
当社グループの売上は、大手電子機器メーカーを中心に多数の顧客に分散しており、また取引条件は顧客に対する継続的な信用リスク評価を勘案して設定するよう努めております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、エレクトロニクス製品の大幅な需要変動、エレクトロニクス業界での企業再編や技術革新、災害や感染症による操業の停止などにより、当社グループの重要な顧客の事業環境が急激に悪化した場合には、売上債権の一部が回収不能となることも想定され、そのことが当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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(4)品質に関するリスク |
発生頻度 中 |
影響度 中 |
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リスク内容 |
当社グループは、各種エレクトロニクス製品を生産する電子機器メーカーに対して電子部品を供給しておりますが、顧客において当社グループの製品の品質に起因する事故、市場回収、生産停止等が生じた場合、顧客の損失に対する賠償責任を問われる可能性があります。また、自動車の電装品の増加に伴って、当社グループの自動車市場向けの売上は増加しており、市場回収に至った際に業績に与える影響度も増大しております。 |
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対策 |
当社グループは、製品の生産にあたり、設計審査・製品アセスメント・内部品質監査・工程管理・各種評価試験・仕入先など協力者への監査や指導・M&A先や業務提携先とのしくみの融合等を通じ、開発段階から出荷に至る全ての段階で品質の作り込みや製品コンプライアンスの遵守を行う品質保証体制整備に努めております。 |
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残余リスク |
上記対策を講じたとしても、現時点での技術、管理レベルを超える事故が発生する可能性は皆無ではなく、品質に関わる重大な問題が起こった場合には、多額の損害賠償金の支払や売上の減少又は当社グループ製品に対する信頼の低下等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
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文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
①経営成績の概要
当連結会計年度の世界の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症のワクチンの普及に伴う経済活動の進展や各国での景気刺激策の実施により、景気の回復が見られました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や中国での新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う都市封鎖により、グローバルでサプライチェーンに混乱が見られるほか、資源価格やエネルギー価格の高騰に伴うインフレも加速しており、世界経済の先行きは不透明な状況にあります。
当社グループが属するエレクトロニクス市場は、カーエレクトロニクス向けでは、自動車の電装化の進展や顧客による部品在庫積み増しの動きにより、前連結会計年度比で需要が大きく増加しました。また、PC向けではリモートワーク用途などの需要が引き続き堅調に推移しました。一方で、スマートフォン向けでは中華圏得意先での在庫調整の影響もあり、需要が軟調に推移しました。
そのような中、当連結会計年度の売上高は、コネクティビティモジュールがスマートフォン向けで減少しましたが、積層セラミックコンデンサがコンピュータ及び関連機器向けやカーエレクトロニクス向けで大きく増加したことに加え、リチウムイオン二次電池がパワーツール向けで増加しました。その結果、当連結会計年度の売上高は、為替変動(前連結会計年度比6円32銭の円安)の影響もあり、前連結会計年度比11.2%増の1,812,521百万円となり、過去最高を更新しました。
利益につきましては、生産高増加に伴い生産関連費用は増加しましたが、操業度益やコストダウン、円安効果などの増益要因により、営業利益は前連結会計年度比35.4%増の424,060百万円、税引前当期純利益は同36.8%増の432,702百万円、当社株主に帰属する当期純利益は同32.5%増の314,124百万円となり、それぞれ過去最高を更新しました。
当連結会計年度のROIC(Return on Invested Capital)(税引前)は、翌連結会計年度の電子部品需要を見据えて、棚卸資産の積み上げを実行したことにより投下資本が増加したものの、営業利益が大きく増加したことにより、前連結会計年度比4.1ポイント増の22.6%となりました。
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前連結会計年度 (2020年4月1日~2021年3月31日) |
当連結会計年度 (2021年4月1日~2022年3月31日) |
増 減 |
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金額 (百万円) |
百分比 (%) |
金額 (百万円) |
百分比 (%) |
金額 (百万円) |
増減率 (%) |
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売上高 |
1,630,193 |
100.0 |
1,812,521 |
100.0 |
182,328 |
11.2 |
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営業利益 |
313,240 |
19.2 |
424,060 |
23.4 |
110,820 |
35.4 |
|
税引前当期純利益 |
316,417 |
19.4 |
432,702 |
23.9 |
116,285 |
36.8 |
|
当社株主に帰属する 当期純利益 |
237,057 |
14.5 |
314,124 |
17.3 |
77,067 |
32.5 |
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ROIC(税引前) (%) |
18.5 |
- |
22.6 |
- |
4.1 |
- |
|
対米ドル平均為替レート(円) |
106.06 |
- |
112.38 |
- |
6.32 |
- |
|
対ユーロ平均為替レート(円) |
123.70 |
- |
130.56 |
- |
6.86 |
- |
(注)ROIC(税引前)= 営業利益 / 期首・期末平均投下資本(固定資産+棚卸資産+売上債権-仕入債務)
事業別セグメントについては、コンポーネントは、コンデンサやインダクタの売上が大きく増加したことにより、売上高が1,416,596百万円(前連結会計年度比20.5%増)で事業利益(※)が452,611百万円(同44.6%増)、モジュールは、コネクティビティモジュールにおいて事業ポートフォリオ見直しにより売上が減少したほか、樹脂多層基板や高周波モジュールの売上が減少したことにより、売上高が425,562百万円(同12.1%減)で事業利益が38,524百万円(同29.0%減)、その他は売上高が61,279百万円(同0.3%増)で事業利益が6,947百万円(同10.7%減)となりました。
(※)「事業利益」は売上高から事業に直接帰属する費用を控除した利益であります。
②製品別の売上高概況
当連結会計年度の製品別の売上高を前連結会計年度と比較した概況は、以下のとおりであります。
〔コンデンサ〕
この区分には、積層セラミックコンデンサなどが含まれます。
当連結会計年度は、積層セラミックコンデンサがリモートワークやオンライン教育の需要を背景としてPC向けで大きく増加したほか、電装化の進展や顧客による部品在庫の積み増し需要によりカーエレクトロニクス向けで増加しました。
その結果、コンデンサの売上高は前連結会計年度に比べ25.3%増の785,254百万円となりました。
〔圧電製品〕
この区分には、表面波フィルタ、圧電センサ、発振子などが含まれます。
当連結会計年度は、圧電センサがHDD向けで増加したほか、発振子が幅広い用途で増加しました。
その結果、圧電製品の売上高は前連結会計年度に比べ7.0%増の138,357百万円となりました。
〔その他コンポーネント〕
この区分には、リチウムイオン二次電池、インダクタ、EMI除去フィルタ、コネクタ、センサ、サーミスタなどが含まれます。
当連結会計年度は、リチウムイオン二次電池がパワーツール向けで大きく増加したほか、インダクタがPCやカーエレクトロニクス向けで増加しました。
その結果、その他コンポーネントの売上高は前連結会計年度に比べ18.8%増の460,443百万円となりました。
〔モジュール〕
この区分には、コネクティビティモジュール、高周波モジュール、樹脂多層基板、電源モジュール、多層デバイスなどが含まれます。
当連結会計年度は、コネクティビティモジュールにおいて製品ポートフォリオ見直しによりスマートフォン向けの売上が減少したほか、樹脂多層基板が通信機器向けで減少しました。
その結果、モジュールの売上高は前連結会計年度に比べ12.1%減の425,562百万円となりました。
③用途別の売上高概況
当連結会計年度の用途別の売上高を前連結会計年度と比較した概況は、以下のとおりであります。
〔AV〕
当連結会計年度は、デジタルカメラ向けでリチウムイオン二次電池が増加したものの、セットトップボックス向けで積層セラミックコンデンサが減少しました。
その結果、AV用途の売上高は前連結会計年度に比べ横ばいの71,457百万円となりました。
〔通信〕
当連結会計年度は、スマートフォン向けで積層セラミックコンデンサが増加したものの、同用途向けで事業ポートフォリオ見直しによりコネクティビティモジュールが減少したほか、高周波モジュールが減少しました。
その結果、通信用途の売上高は前連結会計年度に比べ3.2%減の779,208百万円となりました。
〔コンピュータ及び関連機器〕
当連結会計年度は、PCやサーバー向けで積層セラミックコンデンサやインダクタが大きく増加しました。
その結果、コンピュータ及び関連機器用途の売上高は前連結会計年度に比べ23.6%増の360,406百万円となりました。
〔カーエレクトロニクス〕
当連結会計年度は、電装化の進展や顧客による部品在庫の積み増し需要により、積層セラミックコンデンサが大きく増加したほか、EMI除去フィルタやインダクタの売上も増加しました。
その結果、カーエレクトロニクス用途の売上高は前連結会計年度に比べ23.1%増の336,321百万円となりました。
〔家電・その他〕
当連結会計年度は、パワーツール向けでリチウムイオン二次電池の売上が大きく増加したほか、代理店向けで積層セラミックコンデンサの売上が増加しました。
その結果、家電・その他用途の売上高は前連結会計年度に比べ40.9%増の262,224百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
イ)生産実績
当連結会計年度の製品別の生産実績は、下表のとおりであります。
|
|
生産実績 (2021年4月1日~2022年3月31日) |
|||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
前連結会計 年度比(%) |
||
|
|
コンデンサ |
857,046 |
44.7 |
36.7 |
|
|
圧電製品 |
147,420 |
7.7 |
18.0 |
|
|
その他コンポーネント |
495,569 |
25.8 |
27.8 |
|
|
コンポーネント計 |
1,500,035 |
78.2 |
31.6 |
|
|
モジュール |
417,538 |
21.8 |
△15.4 |
|
|
計 |
1,917,573 |
100.0 |
17.4 |
(注)1.金額は、販売価格で表示しております。
2.カーエレクトロニクス向けやPC及び関連機器向けで積層セラミックコンデンサの売上が大きく増加したことにより、コンデンサの「生産実績」が前連結会計年度比で、大幅な増加となりました。
3.以下の製品別諸表については、主たる事業である電子部品並びにその関連製品の生産、受注及び販売の実績を記載しております。
ロ)受注実績
当連結会計年度の製品別の受注高及び受注残高は、下表のとおりであります。
|
|
受注高 (2021年4月1日~2022年3月31日) |
受注残高 (2022年3月31日現在) |
|||||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
前連結会 計年度比 (%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
前連結会計 年度末比 (%) |
||
|
|
コンデンサ |
823,478 |
43.4 |
16.5 |
227,942 |
43.7 |
20.1 |
|
|
圧電製品 |
120,215 |
6.3 |
△20.8 |
24,859 |
4.8 |
△42.2 |
|
|
その他コンポーネント |
479,544 |
25.3 |
5.7 |
146,225 |
28.0 |
15.0 |
|
|
コンポーネント計 |
1,423,237 |
75.0 |
8.4 |
399,026 |
76.5 |
10.9 |
|
|
モジュール |
473,889 |
25.0 |
△6.9 |
122,798 |
23.5 |
64.9 |
|
|
計 |
1,897,126 |
100.0 |
4.1 |
521,824 |
100.0 |
20.1 |
(注)1.金額は、販売価格で表示しております。
2.スマートフォン向けで表面波フィルタの受注残高が減少したことにより、圧電製品の「受注残高」が前連結会計年度末比で、大幅な減少となりました。
3.IoT市場向けでコネクティビティモジュールの受注残高が増加したことに加え、電源モジュールの受注残高が増加したことにより、モジュールの「受注残高」が前連結会計年度末比で、大幅な増加となりました。
ハ)販売実績
当連結会計年度の製品別の販売実績は、下表のとおりであります。
|
|
販売実績 (2021年4月1日~2022年3月31日) |
|||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
前連結会計 年度比(%) |
||
|
|
コンデンサ |
785,254 |
43.4 |
25.3 |
|
|
圧電製品 |
138,357 |
7.7 |
7.0 |
|
|
その他コンポーネント |
460,443 |
25.4 |
18.8 |
|
|
コンポーネント計 |
1,384,054 |
76.5 |
21.0 |
|
|
モジュール |
425,562 |
23.5 |
△12.1 |
|
|
計 |
1,809,616 |
100.0 |
11.2 |
ニ)用途別販売実績
当連結会計年度の用途別の販売実績は、下表のとおりであります。
|
|
販売実績 (2021年4月1日~2022年3月31日) |
|||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
前連結会計 年度比(%) |
||
|
|
AV |
71,457 |
3.9 |
△0.6 |
|
|
通信 |
779,208 |
43.1 |
△3.2 |
|
|
コンピュータ及び関連機器 |
360,406 |
19.9 |
23.6 |
|
|
カーエレクトロニクス |
336,321 |
18.6 |
23.1 |
|
|
家電・その他 |
262,224 |
14.5 |
40.9 |
|
|
計 |
1,809,616 |
100.0 |
11.2 |
(注)1.当社推計値に基づいております。
2.パワーツール向けでリチウムイオン二次電池の売上が大きく増加したほか、代理店向けで積層セラミックコンデンサの売上が大きく増加したことにより、家電・その他の「販売実績」が前連結会計年度比で、大幅な増加となりました。
(2)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、主に短期投資や棚卸資産の増加により、前連結会計年度末に比べ346,910百万円増加し、2,809,171百万円となりました。負債は、社債の償還による減少はあったものの、未払税金や買掛金の増加により前連結会計年度末に比べ4,643百万円増加し、545,259百万円となりました。資本は、主に利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べ342,267百万円増加し、2,263,912百万円となりました。株主資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.6ポイント上昇の80.6%となりました。
(3)キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加が81,363百万円となりましたが、キャッシュ・フローの源泉となる当期純利益が313,879百万円、減価償却費が155,583百万円となったことなどにより、421,458百万円のキャッシュ・インとなりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ47,887百万円の増加となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券及び投資項目の償還及び売却が34,335百万円となりましたが、生産能力増強を中心とした有形固定資産の取得による支出が150,531百万円、Eta Wireless, Inc.やResonant Inc.の買収による支出が48,802百万円となったことなどにより、212,300百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ62,025百万円の減少となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いが76,779百万円となり、また、社債の償還が40,000百万円となったことなどにより、117,505百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度に比べ684百万円の増加となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
イ)財務戦略と経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、健全な財務体質と高い資本効率を両立することを目指し、市場環境・競争環境に応じた最適な経営資源配分を行ってまいります。
財務体質については、事業環境の変化に機敏に対応し、持続的な利益成長を達成するとともに、厳しい環境下においても経営の安定を維持し、金融市場の市況悪化等のリスクへ備えるため自己資本の充実に努めております。また、信用格付は「AA+(信用力は極めて高く、優れた要素がある)」(格付投資情報センターによる)を取得し、資金調達が必要な場合に円滑かつ低コストの調達を可能としております。
経営資源の配分につきましては、「中期方針2024」に記載のキャピタル・アロケーション方針に基づき、資本効率と成長性を重視した投資と株主還元を行ってまいります。
資本効率については、継続的な資本効率の改善を目的としてROIC(税引前)20%以上を目標値として設定しております。また、資本コストを投資の意思決定と事業評価に反映しており、当連結会計年度末における当社グループの資本コスト(WACC)は6.8%となっており、税引後ベースの比較においても安定的にROICが資本コストを上回る構造を維持しております。
株主還元については、長期的な企業価値の拡大と企業体質の強化を図りながら、1株当たり利益を増加させることにより、配当の安定的な増加に努めることを基本方針とし、中期的に配当性向30%程度を目安にDOE(株主資本配当率)4%以上を実現することといたします。また、自己株式の取得につきましても株主還元の手段として、資本効率の改善等を目的として適宜実施することといたします。
ロ)資金調達と手許流動性
当社グループは、設備投資及びその他の事業資金については、自らの事業活動により獲得した内部資金で対応することを基本方針としておりますが、事業の成長に向けた投資や運転資金のために資金需要が生ずる場合には、時々の金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部から調達することとしており、銀行からの借入及び国内普通社債発行による資金調達を適宜実施しております。健全な財務体質を維持し、また主要な取引先金融機関と良好な関係を構築しており、今後の事業資金の調達に関して問題はないと認識しております。
完全子会社の資金需要に対しては、原則として銀行など外部からの資金調達を行わず、当社及び関係会社からのグループファイナンスにより対応しており、資金調達の一元化と資金効率の向上を図っております。
また、当社グループは、事業活動による資金需要への機動的な対応と金融市場の市況悪化等のリスクを最小限に抑えるため、月平均売上高2.5か月~3.5か月を必要な資金流動性の水準とし、確保しております。事業の状況によりこの水準を一時的に超過する場合もありますが、キャピタル・アロケーション方針に基づく資源配分へ資金の充当を進めることにより適正化を図ってまいります。当連結会計年度における現金及び預金、短期投資、有価証券の流動性資金の残高は568,440百万円となり月平均売上高3.8か月相当の流動性を確保しております。事業投資の原資として手許資金を保有しているため、投機目的の運用は行わず、信用リスクが小さいと考えられる銀行への預金など、安全性の高い金融商品に分散して資金を保有しております。なお、当連結会計年度における社債及び借入金等の有利子負債の残高は111,078百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は512,072百万円となっております。
(4)重要な会計方針及び見積
当社グループの連結財務諸表は、米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。ただし、関連当事者情報については、連結財務諸表規則に従って開示しております。
連結財務諸表の作成にあたって、連結会計年度末における資産・負債の計上金額、偶発資産・負債の開示情報及び収益・費用の計上金額に影響する見積や仮定を使用する必要があります。
当社グループは、連結財務諸表の作成において以下のものを重要な会計方針と考えておりますが、全ての会計方針の包括的な記載を目的としたものではありません。当社グループの重要な会計方針については連結財務諸表注記事項Ⅰに記載しております。
なお、当社グループを取り巻く環境や状況の変化により、これらの見積や仮定が実際の結果と異なる可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症による当社グループへの影響は依然として不透明ではありますが、中長期的に電子部品需要が拡大する見通しは変わらないと判断しており、見積や仮定に与える影響は限定的であります。
イ)棚卸資産
当社グループは、棚卸資産を主として総平均法による低価法により評価しております。棚卸資産の売却可能性や劣化度合いを定期的に見直しており、需要動向及び市況の変化に基づく過剰や長期滞留、陳腐化を考慮して評価減を行っております。実際の需要動向や市況が想定した見積より悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
ロ)有価証券及び投資有価証券
当社グループは、市場性がなく容易に決定できる公正価値のない持分証券は、同一発行体の同一又は類似取引などの観察できる価格の変動を加減算することで測定、評価損益を純損益に計上しております。売却可能負債証券は、公正価値が取得原価又は償却原価を一定割合又は一定期間下回った場合、価格の下落が一時的でないと判断し、減損処理を行っております。また、未実現損失が一定期間を超えて発生した場合、公正価値が回復するまでに売却する予定や必要性及び発行体の格付などを考慮して、減損処理の必要性を判断しております。発行体の経営状態が悪化した場合、もしくは市場において悪影響を与える事象が発生した場合には、追加の評価損や減損処理が必要となる可能性があります。
ハ)長期性資産の減損及び処分
当社グループは、必要に応じて、事業別資産グループごとの保有及び使用中の長期性資産の帳簿価額と割引前将来見積キャッシュ・フローを比較することにより、減損の要否を判定しております。長期性資産の帳簿価額に減損が生じていると判断した場合、当該資産の帳簿価額が公正価値を超える金額を減損損失として認識しております。また、除却対象の長期性資産については、除却予定時期を期限として耐用年数の見直しを行い、売却予定の長期性資産については、帳簿価額又は売却に要する費用控除後の公正価値のうちいずれか低い価額で評価されます。割引前将来見積キャッシュ・フロー、除却予定時期及び公正価値の変更を要した場合には、追加の損失が発生する可能性があります。
ニ)のれん及びその他の無形資産
当社グループは、のれん及び耐用年数が確定できない無形資産は償却を行わず、年1回及び減損の可能性を示す事象の発生又は状況の変化が生じた時点で減損テストを行うこととしております。全てののれんは、企業結合のシナジー効果から便益を享受する報告単位に配分されます。報告単位の帳簿価額が公正価値を上回る場合、その報告単位に配分されたのれんの帳簿価額を限度とし、当該差額をのれんの減損損失として認識しております。報告単位の公正価値は、主として割引キャッシュ・フロー法により社内で評価しておりますが、必要に応じ、第三者による評価を活用しております。この手法は、将来の見積キャッシュ・フロー、報告単位ごとのリスクを反映した割引率、永久成長率等多くの見積り及び前提を使用しております。また、将来の見積キャッシュ・フローに使用される前提は、当社グループが決定した事業計画に基づいており、過去の経験、製品及び技術動向、市場データ、現在及び見込まれる世界経済の状況を考慮しております。当社グループは、将来キャッシュ・フロー及び公正価値の見積は合理的であると考えておりますが、事業遂行上予測不能の変化に起因して将来キャッシュ・フロー及び公正価値が当初の見積を下回った場合には、のれんの減損損失を追加計上する可能性があります。
ホ)退職給付
当社グループは、従業員の退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算を行う際に使用する基礎率に基づいて算出しております。基礎率には、割引率及び年金資産の長期運用利回りや、最新の統計データに基づく退職率・死亡率・昇給率が含まれます。割引率は長期国債及び優良社債の利回りを参考に決定しております。また、年金資産の長期運用利回りは、投資対象資産の資産区分ごとの将来収益に対する予測や過去の運用実績に加えて、長期国債の利回りなどを考慮して決定しております。基礎率の変更は、当社グループの財政状態、業績及びキャッシュ・フローに影響を与えます。割引率の低下は、退職給付債務を増加させ、数理計算上の差異の償却により翌期以降の退職給付費用を増加させます。また、年金資産の長期運用利回りの低下は、期待運用収益の減少により退職給付費用を増加させます。
へ)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、その実現可能性を将来の課税所得及び慎重かつ実現可能性の高い継続的なタックス・スケジュール等を検討することで判断しており、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、相応の評価性引当金を計上しております。将来の利益計画が実現できない等の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性が低下した場合、評価性引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、材料から製品までの一貫生産体制を構築しており、材料技術、プロセス技術、商品設計技術、生産技術、そしてそれらをサポートするソフトウェア技術、分析・評価技術等を独自に開発しております。これら技術を相互に連携させることにより、顧客ニーズに対する迅速かつ柔軟な対応を実現しております。さらに、外部コンソーシアムや大学、企業等とも積極的に協業することにより、将来を見越した技術・製品の開発を推進し、新たな市場やイノベーションの創出を目指しております。また、今日の通信業界における5Gの普及・拡大や自動車業界における電動化・電装化などを背景とした新たな成長ステージにおいて、競争力のある独自製品の開発を行っております。拡大するIoT社会に対しては、センサや通信技術を融合した新たな価値提供の実現に向けて取り組んでおります。近年は気候変動や資源の枯渇など多くの社会課題が深刻化しており、当社グループは研究開発活動を通じ、これら社会課題の解決へも貢献してまいります。
コンポーネント事業分野では、小型化、大容量化、高信頼性をキーワードに、積層セラミックコンデンサ、インダクタ、EMI除去フィルタ、表面波フィルタ、センサ、リチウムイオン二次電池等の開発を推進しました。積層セラミックコンデンサについては、昨年に引き続き、自動車規格対応の商品ラインナップ拡充を行いました。今後も市場ニーズに対応したラインナップ拡充に取り組み、自動車の高性能化・多機能化に貢献してまいります。また小型化を進めることにより、部資材削減や当社工場の使用電力量削減など環境負荷低減にも貢献してまいります。
モジュール事業分野では、小型化、高機能化、多機能化、低消費電力化をキーワードに、高周波モジュール、コネクティビティモジュール、樹脂多層基板、電源モジュール等の開発を推進しました。高周波モジュール事業分野では、機器の高機能化、多機能化、また、次世代通信技術の5Gによる高度な要求に対して、コンデンサ、ノイズ対策部品だけでなく、アンテナやフィルタを組み合わせたより高機能な高周波モジュールの提供も視野に入れ、さらなる成長を目指します。
本社研究開発部門では、新規事業創出に向けて、長期構想「Vision 2030」で掲げる4つの事業機会(通信・モビリティ・環境・ウェルネス)において、新技術・新商品、並びに当社グループの事業を幅広く支える基盤技術の開発を行っております。取り組み事例として、CO2濃度等の空間情報をリアルタイムで可視化し分析を行う空間可視化ソリューション「AIRSual(エアジュアル)」を2021年7月から提供開始しました。本サービスにより、適度な換気や3密状態の回避を促し、感染症予防対策に貢献します。当社は、今後も社会のニーズ、市場に対応した製品の開発に取り組み、ニューノーマル時代のIoT社会に技術力・ソリューションを通じて貢献してまいります。また、当社の生産子会社、株式会社金津村田製作所は当社独自に開発した蓄電池システムを導入することにより、2021年11月より使用電力すべての再生可能エネルギー化を実現しました。本システムは大規模ソーラーパネルと当社のオリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池「FORTELION(フォルテリオン)」を用いた蓄電池ユニットに、独自のエネルギーマネジメントシステムを組み合わせています。
買収案件としてはResonant Inc.(以下、「Resonant社」)、及びEta Wireless, Inc.(以下、「Eta Wireless社」)を買収いたしました。独自の高周波フィルタ技術を有するResonant社の買収により、当社がこれまで培ってきたフィルタ技術とResonant社の技術を融合させ、さらに優れた高周波フィルタの提供を目指します。また高周波回路の消費電力を削減する「Digital ET技術」を保有するEta Wireless社の買収により、当社が有する技術とEta Wireless社の技術とを組み合わせ、さらに優れた高周波モジュールの提供を目指します。
当社の開発体制は、技術・事業開発本部、モノづくり技術統括部、及び各事業部に属する開発部門から成ります。事業部系の開発部門では、担当品種に関する技術開発及び新製品開発に取り組んでおります。技術・事業開発本部とモノづくり技術統括部では主に、新規事業創出に向けた技術開発、要素技術開発とそのプラットフォーム化に注力しています。また、当社の関東最大の研究開発拠点である「みなとみらいイノベーションセンター」に、当社初の車載関連の展示施設「Murata みらい Mobility」とオープンイノベーションを促進する施設「Murata Interactive Communication Space」を2021年5月に開設いたしました。これらの施設を通じて、当社野洲事業所、横浜事業所などの研究開発拠点との連携を強化するとともに、技術交流など外部との連携強化を図り、オープンイノベーションを促進することで業界をリードする革新的な製品や技術を提供してまいります。
最近2連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動に要した費用は、下表のとおりであります。なお、各セグメントに帰属しない基礎研究費は「本社部門」として分類しております。
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前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
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金額(百万円) |
金額(百万円) |
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コンポーネント |
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モジュール |
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その他 |
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本社部門 |
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計 |
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