第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、永年にわたり培ってきた技術力を核とし、絶え間ない革新により、次のような基本方針を掲げて真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献していきます。

①公正と誠実を基本に、常に社会の期待と信頼に応え続けます。

②お客様の満足のために知恵を集結し、お客様とともに成長します。

③世界をリードする技術革新と、あらゆる企業活動における変革に絶えず挑戦します。

④多様な人材を活かし、創造的で活力溢れる企業を目指します。

また、事業活動の推進については、次の行動指針により行動いたします。

①常に高い倫理観をもち、公正、誠実に行動します。

②あらゆる業務において革新、改革、改善に挑戦します。

③現場・現物・現実を直視し、ものごとの本質を捉えます。

④主体的に考え、互いに協力して迅速に行動し、粘り強くやり遂げます。

⑤組織を超えて対話を重ね、相互に高い目標にむけて努力します。

 

(2)目標とする経営指標

新たに策定した2019年度から2021年度の3ヶ年中期経営計画では、以下の経営指標を目標として掲げています。

 

指標

2018年度連結業績

2019年度連結業績予想

2021年度連結業績目標

売上高

(百万円)

63,600

66,500

70,800

営業利益

(百万円)

2,801

3,300

4,600

営業利益率

(%)

4.4

5.0

6.5

海外売上高比率

(%)

35.5

41.0

設備投資

(百万円)

2,054

※1 10,000

自己資本比率

(%)

45.7

58.0

ROA※2

(%)

5.2

8.0

有利子負債

(百万円)

8,541

5,000

※1 2019年4月から2021年3月の3年間累計

※2 ROA:営業利益/総資産額

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

1.中期経営計画について

当社グループでは、新中期経営計画である「2021年中期ビジョン(2019-21年)」のもと、「海外拠点の安定的成長」、「次世代電池を含む新商品開発を通じたビジネス創出」、「基幹事業としての鉛蓄電池事業の収益向上」及び「人材育成による革新力の蓄積」を追求していくことで、企業価値向上を図ってまいります。資本政策等については、成長投資と経営環境の変化への機動的対応及び安定的な資金調達を可能とする、健全な財務基盤を確保することを基本方針とします。また、株主還元については、成長性と財務健全性との最適バランスを追求し、安定配当による実現を目指すこととし、本中期計画期間においては、1株当たり配当金の増額を優先させます。

 

2.長期経営ビジョンについて

現在、2030年をゴールとする長期ビジョンの策定の検討を開始しています。この新しい長期ビジョンは、2011年度からスタートした長期経営ビジョン「Dynamic Innovation 2020」の基本方針である「海外での成長」及び「新規事業創出・育成」を受け継ぎつつ、社会情勢の変化や会社の現状を踏まえ、『2030年に古河電池がありたい姿』を見据えたものとしたい考えです。

 

3.対処すべき課題について

今後の日本経済は、雇用や所得環境の改善が続くことから、内需を中心とした景気安定が期待されています。一方、世界経済については、貿易摩擦の激化や中国経済など海外経済の不確実性などが、景気下振れリスクとして懸念されています。これらのリスクに起因する世界経済の減速や貿易の停滞が、当社グループや業界に対して悪影響を及ぼす可能性も考えられます。

社会が目まぐるしい速さで変化していく中、当社グループが必要とされ続けるためには、気候変動、資源の枯渇、生産者労働人口の減少、新興国の急激な経済成長、通信トラフィックの急増といった社会課題の解決に貢献し、同時に長期持続的に企業価値を向上させていく必要があります。そのため、当社グループは、優れた技術を世界へ広げる「挑戦者」として、社会やお客様から必要とされる適切なタイミングで、真のニーズに応える品質力とコスト競争力のある製品やサービスの提供に努めます。自社技術を強化すると同時に、大学や異業種と連携した研究開発に取り組み、その成果を新たな製品や事業、プロセスにおけるイノベーションにつなげます。さらには、既成概念にとらわれない新しい用途への展開まで見据え、提供する価値の最大化を図ってまいります。

そして、あらゆるステークホルダーの皆様から信頼いただける企業であり続けるために、当社グループの企業活動が社会に与える影響に責任を持ち、経営の健全性・公正性を確保するべく、コンプライアンスをさらに徹底し、自然災害などに対する危機管理対策を含めたリスクマネジメントを強化してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)為替相場の変動による影響について

当社グループの取引には外貨による輸出・輸入が含まれており、為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(2)主要製品に使用される原材料の価格変動について

当社グループの主要製品に使用される原材料(鉛・ニッケル)は、その価格変動率が大きく、当社グループの経営成績及び財政状態に少なからず影響を与える可能性があります。

(3)海外活動に潜在するリスクについて

当社グループは、現在海外で生産・販売を行っておりますが、地域によっては政治的及び社会的リスクがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に少なからず影響を与える可能性があります。

(4)債権の回収リスクについて

当社グループは、取引先の信用リスクに対して細心の注意を払い与信管理体制を強化しておりますが、取引先の業績悪化等により特に取引額の大きい得意先の信用状況が悪化した場合、当社グループの事業、経営成績、財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5)自然災害の影響について

当社グループの製造拠点は、国内では栃木県、福島県にあり、海外ではタイ、インドネシアにあります。東日本大震災では、国内の両事業所が少なからず被害を受け、タイの大洪水では、取引先企業の操業停止の影響を受け一時操業停止となりました。今後、地震や風水害などの自然災害の影響を受け、部品供給が不可能、あるいは遅延する恐れがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。このため、BCP(事業継続計画)を的確に構築・実行して業務中断に伴うリスクを最小限に抑えるため、平時から準備してまいります。

 

(6)金利の上昇について

当社グループの有利子負債には、金利変動の影響を受けるものが含まれております。したがって、金利上昇により支払利息が増加する可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当社グループの売上高は前期比3,064百万円(5.1%)増加し63,600百万円となりました。

営業利益は前期比178百万円減少し2,801百万円(前期は営業利益2,980百万円)、経常利益は前期比112百万円減少し2,698百万円(前期は経常利益2,810百万円)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は前期比130百万円増加し2,267百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益2,136百万円)となりました。

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産の合計は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べて727百万円減少し54,266百万円となりました。

当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比1,329百万円減少の28,508百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産の合計は、前期末比601百万円増加し25,758百万円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,936百万円のプラスとなりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,936百万円のマイナスとなりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、2,197百万円のマイナスとなりました。

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べ773百万円増加し4,968百万円となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

自動車(百万円)

41,690

4.3

産業(百万円)

17,920

6.1

不動産(百万円)

報告セグメント計(百万円)

59,610

4.8

その他(百万円)

合計(百万円)

59,610

4.8

(注)1.金額は標準販売価格により表示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当社グループは、主力製品である自動車用蓄電池について、主として見込生産を行っているため、受注高、受注残高について特記すべき事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

自動車(百万円)

45,656

5.7

産業(百万円)

17,598

3.7

不動産(百万円)

331

△8.9

報告セグメント計(百万円)

63,587

5.1

その他(百万円)

13

12.1

合計(百万円)

63,600

5.1

(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.セグメント間の取引については相殺消去しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる見積りが会計基準の一定の範囲内で行われており、連結決算日における資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りには不確実性が伴い実際の結果とは異なる場合があるため、連結財務諸表に影響を及ぼすものと考えられます

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)経営成績の分析

当連結会計年度における世界経済は、中国を始めとしたアジア新興国等の経済の先行きや通商問題の動向等が懸念されるものの、緩やかに回復しております。

我が国経済においても、先行きについては、世界経済情勢を起因とした影響が懸念されるものの、企業収益や雇用・所得環境等の改善が続くなかで各種政策の効果もあり、緩やかに回復しております。

蓄電池業界においては、自動車、産業ともに堅調に推移しております。自動車分野の今後については環境規制による電気自動車への移行が加速しリチウムイオン電池の需要が拡大すると見込まれておりますが、鉛蓄電池においても新興国を中心に堅調に推移すると見込まれます。産業分野の今後についても鉛蓄電池等からリチウムイオン電池への移行が進む事が想定されますが、安全面やコストといった課題があり、引き続き鉛蓄電池の需要は堅調に推移すると見込まれます。

当社グループにおいては、中期経営計画である「2018年中期ビジョン(2016-18年)」の達成のため、既存事業である鉛蓄電池の品質向上及びコスト削減のための投資を継続して行うとともに、次世代リチウムイオン電池の技術開発も推進してまいりました。今後については、海外拠点の安定的成長、次世代電池を含む新商品開発を通じたビジネス創出、基幹事業としての鉛蓄電池事業の収益向上及び人材育成による革新力の蓄積を追求し、次期中期経営計画である「2021年中期ビジョン(2019-21年)」の達成に向け前進してまいります。

当社グループの売上高は前期比3,064百万円(5.1%)増加し63,600百万円となりました。これは、国内及び海外における自動車用電池の販売が好調に推移したことによるものであります。このうち海外売上高は22,566百万円となり、売上高全体の35.5%となりました。

損益面につきましては、営業利益は国内の自動車事業及びタイの子会社においては好調に推移したものの、インドネシアの子会社においては低調となったこと等により前期比178百万円減少し2,801百万円(前期は営業利益2,980百万円)、経常利益は前期比112百万円減少し2,698百万円(前期は経常利益2,810百万円)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は前期比130百万円増加し2,267百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益2,136百万円)となりました。

セグメント別の状況は以下の通りです。

なお、セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高または振替高2,256百万円を含み、セグメント利益は営業利益(のれん償却前)ベースの数値であります

自動車の売上高は前期比2,459百万円(5.5%)増の46,858百万円、セグメント利益は前期比78百万円(4.3%)減の1,721百万円となりました。これは、国内及びタイでの販売は好調に推移したものの、インドネシアの子会社においては低調となったこと等によるものであります。

産業の売上高は前期比615百万円(3.6%)増の17,898百万円となりました。セグメント利益は前期比79百万円(8.1%)減の902百万円となりました。これは、物流コストの上昇や上期における製品構成の変化による原価率上昇等によるものであります。

不動産の売上高は前期比32百万円(8.4%)減の352百万円、セグメント利益は前期比29百万円(15.6%)減の158百万円となりました。

その他の売上高は21百万円(2.9%)増の747百万円、セグメント利益は前期比14百万円(46.9%)減の16百万円となりました。

 

(b)財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べて727百万円減少し54,266百万円となりました。流動資産は、前期末比466百万円増加し24,959百万円となり、固定資産は、前期末比1,193百万円減少の29,307百万円となりました。

流動資産増加の主な要因は、有価証券の増加等によるものであります。

固定資産のうち、有形固定資産は、前期末比999百万円減少の23,855百万円となりました。この減少の主な要因は、減価償却の金額が固定資産の取得を上回ったことによるものであります。

投資その他の資産は、前期末比157百万円減少し5,302百万円となりました。

当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比1,329百万円減少の28,508百万円となりました。

流動負債は、前期末比1,647百万円増加の15,845百万円、固定負債は、前期末比2,976百万円減少の12,663百万円となりました。

有利子負債(短期借入金及び長期借入金の合計額)は、前期末比1,995百万円減少の8,541百万円となりました。

また、当連結会計年度末における自己資本は、前期末比1,514百万円増加して24,809百万円となり、自己資本比率は、前期末の42.4%から45.7%となりました。

 

 

(c)キャッシュ・フローの分析

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が2,697百万円、減価償却費が2,587百万円、利息及び法人税等の支払額1,551百万円等により全体としては4,936百万円のプラスとなりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,788百万円等により1,936百万円のマイナスとなりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出1,685百万円等により2,197百万円のマイナスとなりました。

以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べ773百万円増加し4,968百万円となりました。

なお、当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

(資金需要)

当社グループの資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

(財務政策)

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、投資を目的とした資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、これら運転資金及び設備を目的とした資金につきましては、国内・海外子会社のものを含め当社にて管理しております。

 

(d)経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、次期中期経営計画である「2021年中期ビジョン(2019-21年)」を策定し、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として下記の項目を掲げています。

今後はこれらの指標について、達成出来るよう取り組んでまいります。

指標

2018年度連結業績

2019年度連結業績予想

2021年度連結業績目標

売上高

(百万円)

63,600

66,500

70,800

営業利益

(百万円)

2,801

3,300

4,600

営業利益率

(%)

4.4

5.0

6.5

海外売上高比率

(%)

35.5

41.0

設備投資

(百万円)

2,054

※1 10,000

自己資本比率

(%)

45.7

58.0

ROA※2

(%)

5.2

8.0

有利子負債

(百万円)

8,541

5,000

※1 2019年4月から2021年3月の3年間累計

※2 ROA:営業利益/総資産額

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)インドのEXIDE INDUSTRIES LTD.との間で、四輪車用電池及び二輪車用VRLA電池の技術援助契約を締結しております。四輪車用電池は2005年12月1日に締結し、二輪車用VRLA電池は2007年3月9日に締結しており、両契約とも現在継続中であります。

 

(2)米国のEAST PENN manufacturing co.,inc.との間で、自動車用及び産業用鉛電池にウルトラキャパシタ機能を付与したハイブリッド電池「UltraBattery」の技術援助契約を締結しております。契約期間は2008年8月19日から17年間であります。

 

(3)インドのEXIDE INDUSTRIES LTD.との間で、四輪車用ISS電池の技術援助契約を締結しております。2010年2月1日に締結し現在継続中であります。

 

 

 

 

5【研究開発活動】

当社及び当社の関係会社は、自動車及び各種産業用二次電池、電源及び応用機器メーカーとして、電気エネルギーの貯蔵・変換と高効率化に関する研究開発を推進し、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、リチウムイオン電池及びマグネシウム空気電池等の新種電池、それらの周辺機器及び電源装置の製品開発と環境対応技術の開発を行っております。

また、各種製品の品質・信頼性の改善並びに生産性向上とコストダウンを図るための基盤技術、生産技術、設備技術開発も積極的に実施しております。

当連結会計年度における研究開発費総額は1,618百万円であります。この中には、グループ外部からの受託研究等の費用86百万円が含まれております。受託研究等の費用を除くセグメント別の研究開発費の内訳は自動車752百万円、産業778百万円となっております。

各事業分野別の研究の目的、主要課題及び研究成果は次のとおりであります。

自動車用鉛蓄電池の分野では、顧客要求に応える現用電池の性能改善に加え、国内・海外の環境規制に対応して急速に普及・拡大しているIS(アイドリングストップ)車、マイクロハイブリッド車に適応したIS車用鉛蓄電池(キャパシタハイブリッド型鉛蓄電池「ECHNO[エクノ] IS UltraBattery」等)の性能向上、コストダウン、ラインナップ拡大による国内・海外の新車メーカー採用の拡大と市販展開の拡大を鋭意進めています。また、グローバル標準規格であるEN規格(欧州統一規格)対応品の開発についても鋭意進めており、2017年5月に発売したECHNO[エクノ]ENシリーズの市販展開の拡大を鋭意進めています。

産業用蓄電池の分野では、現用電池の性能改善とコストダウンを進めると共に、サイクルユース用制御弁式鉛蓄電池「FCP」シリーズと、次世代産業用キャパシタハイブリッド型鉛蓄電池「UltraBattery」の市場展開と拡販を進めています。更に2017年度に当社のエフビー工場(針貝工場)に構築した「UltraBattery」、スタンバイ及びサイクルの両用途で使用可能なデュアルユースタイプのFCR形蓄電池を用いた多並列型蓄電システムの実証及び運用ノウハウの蓄積、最適な運用技術の開発を引き続き進めています。また、データセンター向け大容量UPSをターゲットとし、機能・性能、及びコストのバランスを重視した新機種FMU-H-500形蓄電池(500Ah/10HR)を開発し上市して、顧客への展開を進めています。

一方、厳しさを増す品質、性能、価格競争に対応するため、各種の規格値を満足させつつ、電池設計の見直しや活物質の利用率向上による材料のセービング及び耐久性の向上による寿命性能の改善を図る等、様々なコストダウンや基盤技術開発に精力的に取り組んでおります。更に、生産技術、設備技術開発の取り組みとして、新設備・新生産技術の導入や新材料の適用による工程品質改善、材料ロスの低減、工程屑鉛のリサイクル、工程の見える化等を継続して推進しております。

ニッケルカドミウム蓄電池では、鉄道車両用電池の拡販のため実車試験とベンチ試験を進めています。また、顧客要求に対応した電池関連機器の新製品開発や基盤技術・生産技術の向上とコストダウンに向けた取り組みを引き続き進めております。

電源機器の分野では、電源装置の品種拡大と性能向上及び特定用途電源の開発を進めております。

リチウムイオン電池では、主として産業用リチウムイオンバッテリーユニットの開発と技術展開、用途拡大を進めています。宇宙用途では、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)と小型月着陸実証機(SLIM)等次期衛星用電池の開発を継続的に進めると共に、引き続き、小惑星探査機「はやぶさ2」、金星探査機「あかつき」の運用を支援しております。

2017年度に当社100%子会社として設立した首都大学東京発ベンチャー株式会社ABRI(Advanced Battery Research Institute)では、三次元規則配列多孔質(3DOM)構造ポリイミドセパレータを用いた、電解液組成によるリチウム金属負極のサイクル特性向上等、次世代電池の実用化を目指しております。

新規事業、新規事業領域の取り組みとして、非常用マグネシウム空気電池「MgBOX(マグボックス)」、「MgBOX slim(マグボックス スリム)」に続き、2018年度にAC100V仕様の機器に対応が可能な高出力マグネシウム空気電池「MgPack(マグパック)」を開発しました。

そのほか、コンピュータシミュレーション技術の活用では、シミュレーションによる鋳造技術向上、成形技術向上を支援すると共に、詳細な電池設計、熱分析、強度解析等の技術構築と熱流体解析ソフトの導入等を行い、新製造技術導入や製品製作前の設計段階における事前解析・品質確認、3Dプリンタによる3DCAD設計の試作造形、蓄電池特性の改善、鉛のセービング、工場での生産効率向上等に適用し、開発のスピードアップを図っております。