第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、以下の基本理念と行動指針からなる企業理念に沿って経営を行ってまいります。

基本理念

 私たち古河電池は、常に挑戦者であり続けることをスローガンとし、

 公正と誠実をモットーに、株主、従業員、お客様、地域社会をはじめとする

 様々なステークホルダーの期待に応えるため、永年にわたり培って来た技術力を核にして、

 絶え間ない革新を図り、持続的な成長と中長期的企業価値の向上を目指し、

 真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。

行動指針

私たちは挑戦者である。

・常に高い倫理観をもち、公正、誠実に行動します。

・あらゆる業務において革新、改革、改善に挑戦します。

・現場・現物・現実を直視し、ものごとの本質を捉えます。

・主体的に考え、互いに協力して迅速に行動し、粘り強くやり遂げます。

・組織を超えて対話を重ね、高い目標に向けて相互研鑽に努めます。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループでは、新中期経営計画である「2021年中期ビジョン(2019-21年)」を目標とする経営指標としておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大が事業に大きく影響することが見込まれるため、中期経営計画を改めて見直すことといたしました。計画につきましては見直しが完了次第速やかに公表いたします。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

1.中期経営計画について

当社グループでは、新中期経営計画である「2021年中期ビジョン(2019-21年)」を目標として事業を進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大が事業に大きく影響することが見込まれるため、中期経営計画を改めて見直すことといたしました。計画につきましては見直しが完了次第速やかに公表いたします。

 

2.長期経営ビジョンについて

2011年度からスタートした長期経営ビジョン「Dynamic Innovation 2020」に代わる、2030年をゴールとする長期ビジョンにつきましては、社会情勢の変化や会社の現状を踏まえ、『2030年に古河電池がありたい姿』を見据えたものといたします。内容につきましては新型コロナウイルス感染症の拡大が事業に及ぼす影響も慎重に精査したうえで、まとまり次第速やかに公表いたします。

 

3.対処すべき課題について

今後の見通しについては、短期的には新型コロナウイルスの世界的なパンデミックに伴い調達・生産・供給・需要すべての面で影響があるとみられ、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況が続くと予想されます。予てより自然災害などに対するリスクマネジメントの強化は対処すべき課題ととらえ取り組んでまいりましたが、より一層の強化を行ってまいります。また長期的には鉛蓄電池などの既存事業においては国内市場の成長率が鈍化するとともに海外の新興国市場の重要性がより高まってくると予想されます。このような状況下、海外事業の拡大並びに研究開発のための人材育成を重要な課題ととらえ、様々な施策を行ってまいります。

事業別の対処すべき課題は、次のとおりであります。

自動車事業については、新興国市場においてモータリゼーションが進む一方、日本をはじめとする先進国市場においては電動化・自動化・サービス化といった業界の構造変化が進むと予想されます。このような状況下、新興国・先進国それぞれの市場において競争力のある品質やコスト、あるいは機能を実現した製品を新たに開発すること、並びに市場で拡大させるためのマーケティング力の強化を課題ととらえ、実現してまいります。

産業事業については、データセンターやスマートグリッド向けなどの需要が拡大する一方、価格競争がより一層激化すると予想されます。このような状況下、宇宙向けで実績のあるリチウムイオン電池事業の展開を図ること、並びに大学など外部リソースなどを活用して競争力のある鉛蓄電池並びに次世代蓄電池の開発・実用化を進めることを課題ととらえ、実現してまいります。

これらの取り組みを通して、当社グループが持てる力を最大化し、既存製品の枠を超えて事業領域を拡大させていくとともに、パートナーシップを通じて包括的で安全かつ強靭で持続可能な人々の暮らしを支えてまいります。そして、より一層必要とされ、親しまれる企業を目指してまいります。

 

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)為替相場の変動による影響について

①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容

当社グループの取引には外貨による輸出・輸入が含まれており、為替相場の変動が当社グループの売上高、売上原価や営業債権、営業債務等に影響を与える可能性があります。

②顕在化の可能性および発生時期

市場動向によるため顕在化する可能性は高く、また時期については常に発生するリスクが考えられます。

③対応策

外貨での取引を行う場合で取引開始から決済まで期間が長期に及ぶなど、為替変動リスクが高い取引については、為替予約取引を行い、為替変動リスクを回避しております。

 

(2)主要製品に使用される原材料の価格変動について

①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容

当社グループの主要製品に使用される原材料(鉛・ニッケル)は、その価格変動率が大きく、当社グループの売上高、売上原価や営業債権、営業債務等に影響を与える可能性があります。

②顕在化の可能性および発生時期

市場動向によるため顕在化する可能性は高く、また時期については常に発生するリスクが考えられます。

③対応策

原材料の購入のうち一部についてはコモディティスワップ取引を行い、価格変動リスクを回避しております。

 

(3)海外活動に潜在するリスクについて

①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容

当社グループは、現在海外で生産・販売を行っておりますが、地域によっては政治的及び社会的リスクがあり、当社グループの売上高、売上原価および特別損失や営業債権、営業債務等に影響を与える可能性があります。

②顕在化の可能性および発生時期

一部地域については過去にクーデターが発生しており、今後も発生する可能性は高いと想定されます。また時期については常に発生するリスクが考えられます。

③対応策

グループBCP(事業継続計画)を的確に構築・実行して業務中断に伴うリスクを最小限に抑えるため、平時から準備しております。

 

(4)債権の回収リスクについて

①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容

当社グループは、取引先の業績悪化等により特に取引額の大きい得意先の信用状況が悪化した場合、当社グループの営業外費用や営業債権等に影響を与える可能性があります。

②顕在化の可能性および発生時期

与信管理の徹底により顕在化の可能性は低いと想定しておりますが、景気動向等により急激に可能性が高まる事も想定しております。また時期については常に発生するリスクが考えられます。

③対応策

取引先の信用リスクに対して細心の注意を払い与信管理体制を強化しております。

 

(5)大規模災害等の影響について

①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容

当社グループの製造拠点は、国内では栃木県、福島県にあり、海外ではタイ、インドネシアにあります。東日本大震災では、国内の両事業所が少なからず被害を受け、タイの大洪水では、取引先企業の操業停止の影響を受け一時操業停止となりました。今後、地震や風水害などの自然災害、伝染病・感染症の流行による影響を受け、部品供給が不可能、あるいは遅延する恐れがあり、当社グループの売上高、売上原価および特別損益や営業債権、営業債務等に影響を与える可能性があります。

②顕在化の可能性および発生時期

提出日現在において、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続いており、今後も同様の事象が発生する可能性は高く、また時期については常に発生するリスクが考えられます。

③対応策

BCPを的確に構築・実行して業務中断に伴うリスクを最小限に抑えるため、平時から準備しております。

なお、2020年初頭に顕在化しました新型コロナウイルスの世界的な感染拡大について、当社グループは、従業員の感染を防止するために、衛生管理の徹底や在宅勤務等の措置を講じておりますが、この拡大が長期間にわたり継続した場合、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞、取引先企業の事業活動の停止や縮小等による売上の減少により、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(6)金利の上昇について

①リスクの内容および経営成績、財政状態に与える影響内容

当社グループの有利子負債には、金利変動の影響を受けるものが含まれております。したがって、金利上昇により支払利息が増加する可能性があります。

②顕在化の可能性および発生時期

市場動向によるため顕在化する可能性は高く、また時期については常に発生するリスクが考えられます。

③対応策

返済期間が長期間になる場合等、金利変動リスクが高い取引については、金利スワップ取引を行い金利変動リスクを回避しております

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当社グループの売上高は前期比885百万円(1.4%)増加し64,486百万円となりました。

営業利益は前期比491百万円増加し3,293百万円(前期は営業利益2,801百万円)、経常利益は前期比538百万円増加し3,237百万円(前期は経常利益2,698百万円)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は前期比28百万円減少し2,238百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益2,267百万円)となりました。

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べて231百万円減少し54,035百万円となりました。

当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比2,110百万円減少26,398百万円となりました。

当連結会計年度末における純資産は、前期末比1,879百万円増加して27,637百万円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、3,339百万円のプラスとなりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、2,438百万円のマイナスとなりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,732百万円のマイナスとなりました。

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べ672百万円減少し4,295百万円となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

自動車(百万円)

41,418

△0.6

産業(百万円)

17,984

0.3

不動産(百万円)

報告セグメント計(百万円)

59,403

△0.3

その他(百万円)

合計(百万円)

59,403

△0.3

(注)1.金額は標準販売価格により表示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当社グループは、主力製品である自動車用蓄電池について、主として見込生産を行っているため、受注高、受注残高について特記すべき事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

自動車(百万円)

45,626

△0.1

産業(百万円)

18,531

5.3

不動産(百万円)

317

△4.4

報告セグメント計(百万円)

64,474

1.4

その他(百万円)

12

△10.4

合計(百万円)

64,486

1.4

(注)1.総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.セグメント間の取引については相殺消去しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、繰延税金資産の回収可能性等の見積りについては過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる会計基準の一定の範囲内で行われており、連結決算日における資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りには不確実性が伴い実際の結果とは異なる場合があるため、連結財務諸表に影響を及ぼすものと考えられます

連結財務諸表の作成にあたり、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積への影響については、提出日現在において新型コロナウイルスの世界的な感染が続いている状況であり、ワクチン開発も完了していないことから、少なくとも翌連結会計年度においてはその影響が続くものと仮定して、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。

なお、当該見積りは現時点の最善の見積りであるものの、見積りに用いた仮定の不確実性は高く、新型コロナウイルスの収束時期及び経済環境への影響が変化した場合には、上記の見積りと事後的な結果との間に乖離が生じる可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)経営成績の分析

当連結会計年度における世界経済は、2月までは緩やかな回復を見せておりましたが3月以降は、新型コロ
ナウイルス感染症の世界的大流行の影響により急速に悪化しており、極めて厳しい状況にあります。

先行きについては、感染症の影響により景気がさらに下振れすると想定されます。

我が国経済においても、消費税増税による消費の伸び悩みや製造業を中心に弱さが増していた状況の中で3月
以降の外出自粛などの影響もあり、景気は急速に悪化しました。

また先行きについても、世界経済同様に感染症の影響により景気はさらに下振れすると想定されます。

蓄電池業界においては、長期的には自動車分野は新興国を中心とした鉛蓄電池の市場は堅調に推移し、先進国
では、リチウムイオン電池への移行が進む事が想定されます。

産業分野においても長期的にはデータセンター向け等の需要は引き続き堅調に推移する事が想定されます。

一方で短期・中期においては感染症の流行によりサプライチェーンに影響を与え、自動車・産業ともに厳しい状況となることが想定されます。

当社グループにおいては、海外拠点の安定的成長、次世代電池を含む新商品開発を通じたビジネス創出、基幹事業としての鉛蓄電池事業の収益向上及び人材育成による革新力の蓄積を追求し「2021年中期ビジョン(2019
-21年)」の達成に向け推進するとともに、感染症に対しては、従業員及び関係する皆様の安全を最優先とし、感染拡大の防止に努め、今後想定される厳しい状況に対し迅速に対応してまいります。

当社グループの売上高は前期比885百万円(1.4%)増加し64,486百万円となりました。これは、主に産業用の
新設・更新物件向けの販売が好調に推移したことによるものであります。このうち海外売上高は23,834百万円と
なり、売上高全体の37.0%となりました。

損益面につきましては、営業利益はタイの子会社においては好調に推移したこと、インドネシアの子会社にお
いては前期と比較して改善したこと等により前期比491百万円増加し3,293百万円(前期は営業利益2,801百万円)、経常利益は前期比538百万円増加し3,237百万円(前期は経常利益2,698百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券評価損を計上したこと等により、前期比28百万円減少し2,238百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益2,267百万円)となりました。

なお、新型コロナウイルスによる影響については、感染拡大の時期が3月以降であった事から2019年12月31日を決算日とする海外連結子会社、2020年3月31日を決算とする当社及び日本の連結子会社ともに影響を受ける時期が限定的となり、連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える重要な影響はありませんでした。

 

セグメント別の状況は以下の通りです。

なお、セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高または振替高2,732百万円を含み、セグメント利益は営業利益(のれん償却前)ベースの数値であります。

自動車の売上高は前期比387百万円(0.8%)増の47,246百万円、セグメント利益は前期比271百万円(15.8%)増の1,993百万円となりました。これは、主要な原材料である鉛価格の下落や原価改善効果によるものであります。

産業の売上高は前期比966百万円(5.4%)増の18,864百万円となりました。セグメント利益は前期比221百万円(24.5%)増の1,123百万円となりました。これは、新設・更新物件向けの販売が好調に推移したことによるものであります。

不動産の売上高は前期比15百万円(4.3%)減の337百万円、セグメント利益は前期比23百万円(14.9%)減の135百万円となりました。

その他の売上高は22百万円(3.1%)増の770百万円、セグメント利益は前期比26百万円(166.0%)増の43百万円となりました。

 

(b)財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)に比べて231百万円減少し54,035百万円となりました。流動資産は、前期末比180百万円増加し25,139百万円となり、固定資産は、前期末比411百万円減少の28,896百万円となりました。

流動資産増加の主な要因は、受取手形及び売掛金の増加などによるものであります。

固定資産のうち、有形固定資産は、前期末比598百万円増加の24,453百万円となりました。この増加の主な要因は、当社及びタイ子会社において製造設備への投資を行ったことによるものであります。

投資その他の資産は、前期末比995百万円減少し4,307百万円となりました。当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比2,110百万円減少の26,398百万円となりました。

流動負債は、前期末比990百万円減少の14,854百万円、固定負債は、前期末比1,120百万円減少の11,543百万円となりました。

有利子負債(短期借入金及び長期借入金の合計額)は、前期末比1,812百万円減少の6,729百万円となりました。

また、当連結会計年度末における自己資本は、前期末比1,694百万円増加して26,504百万円となり、自己資本
比率は、前期末の45.7%から49.1%となりました。

 

 

(c)キャッシュ・フローの分析

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が2,767百万円、減
価償却費が2,716百万円、利息及び法人税等の支払額1,549百万円などにより全体としては3,339百万円のプラス
となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2,860百万円などにより2,438百万円
のマイナスとなりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出2,624百万円などにより1,732百万円の
マイナスとなりました。

以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べ672百万円減
少し4,295百万円となりました。

なお、当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

(資金需要)

当社グループの資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

(財務政策)

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、投資を目的とした資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、これら運転資金及び設備を目的とした資金につきましては、国内・海外子会社のものを含め当社にて管理しております。

 

(d)経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、中期経営計画である「2021年中期ビジョン(2019-21年)」を策定し、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標を掲げておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大が事業に大きく影響することが見込まれるため、中期経営計画を改めて見直すことといたしました。計画につきましては見直しが完了次第速やかに公表いたします。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)インドのEXIDE INDUSTRIES LTD.との間で、四輪車用電池及び二輪車用VRLA電池の技術援助契約を締結しております。四輪車用電池は2005年12月1日に締結し、二輪車用VRLA電池は2007年3月9日に締結しており、両契約とも現在継続中であります。

 

(2)米国のEAST PENN manufacturing co.,inc.との間で、自動車用及び産業用鉛電池にウルトラキャパシタ機能を付与したハイブリッド電池「UltraBattery」の技術援助契約を締結しております。契約期間は2008年8月19日から17年間であります。

 

(3)インドのEXIDE INDUSTRIES LTD.との間で、四輪車用ISS電池の技術援助契約を締結しております。2010年2月1日に締結し現在継続中であります。

 

 

 

 

5【研究開発活動】

当社及び当社の関係会社は、自動車及び各種産業用二次電池、電源及び応用機器メーカーとして、電気エネルギーの貯蔵・変換と高効率化に関する研究開発を推進し、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、リチウムイオン電池及びマグネシウム空気電池、それらの周辺機器及び電源装置の製品開発と環境対応技術の開発を行っております。

また、各種製品の品質・信頼性の改善並びに生産性向上とコストダウンを図るための基盤技術、生産技術、設備技術開発も積極的に実施しております。

当連結会計年度における研究開発費総額は1,679百万円であります。この中には、グループ外部からの受託研究等費用26百万円が含まれております。受託研究等の費用を除くセグメント別の研究開発費の内訳は自動車843百万円、産業808百万円となっております。

各事業分野別の研究の目的、主要課題及び研究成果は次のとおりであります。

自動車用鉛蓄電池の分野では、顧客要求に応える現用電池の性能改善に加え、国内・海外の環境規制に対応して急速に普及・拡大しているIS(アイドリングストップ)車に適応したIS車用鉛蓄電池(「ECHNO[エクノ] IS UltraBattery」、「ECHNO[エクノ] IS」など)やグローバル標準規格であるEN規格(欧州統一規格)対応品「ECHNO[エクノ] ENシリーズ」の性能向上、コストダウン、ラインナップ拡大による国内・海外の新車メーカー採用の拡大と市販展開の拡大を鋭意進めています。

産業用蓄電池の分野では、現用電池の性能改善とコストダウンを進めると共に、サイクルユース用制御弁式鉛蓄電池「FCP」シリーズと、産業用キャパシタハイブリッド型鉛蓄電池「UltraBattery」の市場展開と拡販を進めています。またスタンバイ及びサイクルの両用途で使用可能なデュアルユースタイプのFCR形蓄電池を用いた多並列型蓄電システムの実証及び運用ノウハウの蓄積、最適な運用技術の開発を引き続き進めると共に、FCR形蓄電池の船舶向け用途開発を進め、エコマリンパワー株式会社の大型貨物船に搭載されました。さらに、商用電源の確保が難しい場所で電源が容易に得られるという利便性から、交通用(街路灯、電光掲示板)や計測用(自然環境)、通信用(独立Wi-Fi)に普及が進んでいる独立電源システム向けに最適な、サイクルユース用制御弁式鉛蓄電池FC38-12S型を開発しました。

なお、2020年6月に発表いたしました、当社が長年にわたり培った鉛合金技術と鉛蓄電池の設計技術を活用することで実現した次世代型蓄電池「バイポーラ型蓄電池」につきましては、2022年度の製品出荷に向け引き続き開発を行ってまいります。

ニッケル・カドミウム蓄電池では、鉄道車両用電池の性能向上と拡販のため実車試験とベンチ試験を進めています。また、鉄道車両のATS補助電源用新商品としてAH6MC-19形アルカリ蓄電池を商品化しました。更に顧客要求に対応した電池関連機器の新製品開発や基盤技術・生産技術の向上とコストダウンに向けた取り組みを引き続き進めております。

電源機器の分野では、電源装置の品種拡大と性能向上及び特定用途電源の開発を進めています。

一方、厳しさを増す品質、性能、価格競争に対応するため、各種の規格値を満足させつつ、電池設計の見直しや活物質の利用率向上による材料のセービング及び耐久性の向上による寿命性能の改善を図るなど、様々なコストダウンや基盤技術開発に精力的に取り組んでおります。更に、生産技術、設備技術開発の取り組みとして、新設備・新生産技術の導入や新材料の適用による工程品質改善、材料ロスの低減、工程屑鉛のリサイクル、工程の見える化などを継続して推進しております。

リチウムイオン電池では、主として産業用リチウムイオンバッテリーユニットの開発と技術展開、用途拡大を進めています。また、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構)の助成事業を活用した低温入出力特性に優れたLTO(チタン酸リチウム)リチウムイオン二次電池の研究開発など、将来のIS(アイドリングストップ)車用リチウムイオン二次電池適用の可能性に向けた取り組みを進めています。

宇宙用途では、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)と小型月着陸実証機(SLIM)など次期衛星用電池の開発を継続的に進めると共に、引き続き、小惑星探査機「はやぶさ2」、金星探査機「あかつき」、及び2018年10月にフランス領ギアナのギアナ宇宙センターよりアリアン5型ロケットによって打上げられた水星磁気圏探査機「みお」の運用を支援しております。

2017年度に当社100%子会社として設立した東京都立大学発ベンチャー株式会社ABRI (Advanced Battery Research Institute)では、三次元規則配列多孔質(3DOM)構造ポリイミドセパレータを用いた、電解液組成によるリチウム金属負極のサイクル特性向上、及びグラフェンを用いた高性能正極材料の研究など、次世代電池の実用化を目指しております。

新規事業核、新規事業領域の取り組みとして、非常用・防災用マグネシウム空気電池「MgBOX(マグボックス)」、「MgBOX slim(マグボックス スリム)」の用途拡大に取り組んでいます。

そのほか、コンピュータシミュレーション技術の活用では、シミュレーションによる鋳造技術向上、成形技術向上を支援すると共に、詳細な電池設計、熱分析、強度解析などの技術構築と熱流体解析ソフトの導入などを行い、新製造技術導入や製品製作前の設計段階における事前解析・品質確認、3Dプリンタによる3DCAD設計の試作造形、蓄電池特性の改善、鉛のセービング、工場での生産効率向上等に適用し、開発のスピードアップを図っております。