第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 
(1)会社の経営の基本方針
 当社グループは、人の暮らしと住まい作りに役立つ工具(充電式を中心とした電動工具・園芸用機器、エア工具など)のグローバルサプライヤーとして業界において確固たる地位を確保することを目指しております。これを実現するための経営姿勢/品質方針として「社会と共に生きる経営」、「お客さまを大切にする経営」、「堅実かつ積極的な経営」、「質実剛健の社風を大切にし、一人一人の能力を活かす経営」を掲げ、健全な収益体制により株主、ユーザー、地域社会、従業員などと共に永続的発展を図ることを経営方針としております。
(2)目標とする経営指標
 当社グループは、連結経営の持続的な発展を達成し高収益体制を確立することにより企業価値を向上させることができると考えております。具体的な数値目標としましては、連結売上収益営業利益率10%以上を安定的に維持することを掲げております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
 バッテリ充放電技術とモータ技術を基盤としたプロユーザー満足度の高い新製品開発と豊富な製品ラインアップ、高品質とコスト競争力を両立させたグローバルな生産体制、国内及び海外各地域における業界No.1の販売・アフターサービス体制が当社グループの強みです。これらを維持・強化することにより、他社の追随を許さない高いブランド力を構築し「Strong Company」の実現、すなわち世界各地域におけるプロ用電動工具をはじめ、園芸用機器、エア工具など工具のグローバルサプライヤーとしてトップシェアの維持・獲得を目指しております。
 この経営戦略を実行するために、為替リスクやカントリーリスクをはじめ予期せぬ経営環境の変化に耐えうる強固な財務体質を維持すると共に、プロ用工具分野を中心に経営資源を集中しております。
(4)会社の対処すべき課題と対応
 新型コロナウイルス感染症の影響をはじめ、世界経済の先行きの不透明な状況が続く一方で、頻発する自然災害や地球温暖化などの環境問題、人手不足といった社会課題の解決に貢献する、作業効率が高く、かつ人と地球環境に優しい工具に対する需要は先進国・新興国を問わず益々高まっていくものと思われます。
こうした経営環境を前提に、当社グループは、
・ 市場のコードレス化をリードするため、バッテリの充放電技術とモータ技術を中心とした研究開発力・製品開発力を高める。
・ 充電式の園芸用機器を電動工具に次ぐ将来の事業の柱と位置付け、新製品の開発及び拡販を強化する。
・ グローバルな生産体制をさらに充実させるとともに、生産・調達・物流機能の強化・効率化を図る。
・ 世界の各地域と顧客に密着するきめ細かな営業、アフターサービス体制の構築をさらに進め、マキタブランドの向上に努める。
などの施策を推し進めることにより、人の暮らしと住まい作りに役立つ工具のグローバルサプライヤーとして持続可能な社会の実現に貢献し、業界での確固たる地位の確保に努めてまいります。

 (新型コロナウイルス感染症について)
 新型コロナウイルス感染症について、海外売上比率の高い当社グループにおいては世界的な感染拡大による経済活動の停滞が工具需要の減退につながるとともに、外出規制をはじめとした各国の規制等により販売活動に制限が生じる可能性があります。
  また、当連結会計年度においては、各国の規制等により一部工場で生産の縮小や操業停止などの措置を取りました。再度感染が拡大した際には、サプライヤーにおける生産の縮小や操業停止などを含め、当社グループの生産活動に影響が生じる可能性があります。
  こうした先行きが不透明な状況は続くものの、当社グループは強固な財務体質を背景に、将来の成長に向けて上述の施策を含め積極的に投資を続けてまいります。また、従業員の安全確保に向けた取組み等新型コロナウイルス感染症に適応した事業活動も併せて行ってまいります。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。

なお、ここに記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものをリスクが高い順番に記載しております。
 対応につきましては、「第2 事業の概要 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)会社の対処すべき課題と対応」に記載の通りです。
 

(1) 経済状況

 電動工具、園芸用機器等の需要は、経済状況に影響を受けます。一般的に電動工具等の需要は、住宅着工件数、住宅リフォーム、公共投資、個人投資等の経済情勢の変化に大きな影響を受け、建設活動の水準並びに設備投資及び消費動向は、市況に大きく依存します。
  当社グループは日本・欧州・北米・アジア・中南米・オセアニア・中近東・アフリカで積極的に事業展開しており各地域経済が停滞する場合や原油・鉱物資源の高騰及び暴落、世界的に連鎖しやすくなっている株価の急激な乱高下が、建設需要や公共投資、設備投資及び一般消費動向に影響を与え、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。引き続き世界経済は不透明な状況であり、今後の展開如何では、建設活動及び消費に悪影響を与え、当社グループの売上収益が減少し、その結果、販売費及び一般管理費等の比率が上昇して収益を圧迫し、生産設備や販売・流通拠点の再編成・再構築が必要となる可能性があります。新たな国で債務危機が発生した場合には、金融機関の破綻の懼れによる信用収縮の一層の進行又は緊縮財政の導入による公共投資の一層の削減を通じて、住宅着工件数、住宅リフォーム、公共投資、個人投資等に更に悪い影響を与え、当社グループの売上収益が減少するリスクがあります。
  また、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による各国の経済活動の縮小の悪影響を受け、当社グループの売上収益が減少するリスクがあります。なお、各国の新型コロナウイルス感染拡大以降も、当社グループは世界中の生産拠点や販売会社において各国政府や地域行政機関の方針に従い、厳重な対策を実施した上で、生産活動、販売活動を含む事業活動を継続し、顧客に対する製品供給・サービス体制を維持しております。

(2) 為替レートの変動

各国子会社の機能通貨によって表示されている損益取引は、決算期間中の平均為替レートにて円貨換算された後、当社グループの連結損益計算書の重要な構成要素となります。また、各国子会社の機能通貨で表示された資産及び負債は、期末時の為替レートにて円換算された後、当社グループの連結財政状態計算書の重要な構成要素となります。在外営業活動体の換算差額は資本の部のその他の資本の構成要素に含めて表示しております。海外売上収益比率及び海外生産比率が80%を超えている現在では、為替レートの変動は当社グループの損益取引結果、包括利益、資産、負債及び親会社の所有者に帰属する持分の円貨額に大きく影響します。
 当社グループの財務状況に大きく影響するのが売上収益におけるユーロ及び米ドル、生産における米ドル及び人民元です。

当社グループは、ユーロ、米ドル及び日本円といった主要通貨間の短期的為替レート変動の影響を最小化するために為替予約を行っておりますが、中長期的な為替レート水準の変動は、計画的な資材の調達、生産、物流及び営業活動等に影響を与え、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国通貨為替レートの急激な変動は経営成績に予想を超える影響を与えるリスクがあります。並びに中国から部材や製品を輸入しているため、人民元に対して円安が進行する場合には、当社グループの財政状態、経営成績を圧迫する要因となります。

(3) 世界的な競争

当社グループが事業活動を行っている世界のプロ用電動工具、園芸用機器市場においては、激しい競争が繰り広げられております。競争に影響を与える要因としては、製品の品質や機能、価格、新技術の導入や新製品開発のスピード、安全性、耐久性などの製品の信頼性、新たな競合メーカーの台頭、ブランドイメージ、アフターサービスなどが挙げられます。
 当社グループは、世界のプロ用電動工具、園芸用機器市場におけるグローバルサプライヤーとして業界において確固たる地位を確保するとともに、さらなる地位向上を目指して努力しておりますが、将来においても競争力を有効に維持できる保証はありません。
 当社グループが競争力を失った場合、収益力の確保、市場シェアに重要な影響を与えます。特に、世界同時不況など需要が急減するような状況においては地域によっては競争が激化し、価格低下圧力が生じ、当社グループの収益やキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 国際的活動及び海外進出

海外市場への事業進出については次のようないくつかのリスクが想定されます。これらの想定リスクが発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
ⅰ.不利な政治又は経済要因
ⅱ.地震、洪水、火災等の大規模な自然災害
ⅲ.法律又は規制(保護貿易政策や関税政策を含む)の施行・変更
ⅳ.人材の流動化による技術ノウハウの流出や知識水準の低下
ⅴ.潜在的に不利な税制
ⅵ.テロや戦争、その他の要因による社会的混乱
ⅶ.労働争議による操業率の低下や停止

(5) 新製品開発力

当社グループの競争力の源泉は、全世界にわたる強力な販売・アフターサービス網と共に高品質で高性能なプロ用電動工具、園芸用機器の開発に裏付けされた豊富な品揃えと多彩な新製品群に支えられている信頼のブランド維持・向上によるものです。よって、当社グループが、プロ用電動工具、園芸用機器の市場ニーズの変化に対応した新製品の開発力を確実に持続できない場合や適時に市場に見合った価格で開発できない場合は、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 経営上の主要な機能や生産拠点の集中

当社グループの本社をはじめとする経営上の主要な機能の多くは愛知県に所在します。さらに、当社グループの生産活動の大きな割合を占める生産拠点は中華人民共和国江蘇省昆山市に所在します。このように当社グループの主要機能が地理的に日本及び中国の特定の地域に集中しているため、地震(特に、日本の場合、関東・東海・東南海・南海の巨大地震)、放射能汚染、洪水、火災、停電、断水など、甚大な災害が発生した場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
 さらに、自然災害等の他にも政治又は法環境の変化、経済状況の変化、関税率の変更、労働争議、急激な人件費増、新型コロナウイルス感染症などの新型感染症、インフラの不整備による電力不足等が発生した場合、中国における生産活動に大きな影響を与える可能性があります。
 また、これらの事態を予期できずダメージを緩和することができなかった場合には、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 生産材の不足、生産材価格の上昇

当社グループはその生産活動において、珪素鋼鈑、アルミニウム、鋼材、銅線、電子部品等の原材料や部品を購入しております。生産計画は、予定品質の材料・部品が予定期日どおりに納入されることに大きく依存しており、必要な数量が確保できない場合、生産に影響が出る可能性があります。新興諸国での調達が多い電子部品において特定素子の不足から調達に要する期間が長く、増産対応が容易でない場合、生産活動に対応できないことが予想されます。素子市況の変動、為替の相場、当該市場の人件費の高騰等により材料や部品の価格が高騰する場合、その材料や部品の価格の上昇幅が生産性向上などの内部努力や製品価格への転嫁などでは吸収できないほど著しい場合には、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8) 部品供給会社への依存

当社グループはその調達に係るサプライチェーンにおいて、他の仕入先への代替が困難なものもあり、特定の仕入先に依存するものがあります。新製品の立ち上げにおいて、部材メーカーの技術が当社の要求を満たせない場合や、満たすために予定以上の時間がかかる場合、新製品の販売開始時期の遅れにつながり、結果として販売機会の逸失につながる恐れがあります。また万一その仕入先が自然災害、新型感染症の流行、規制、生産能力、経営・財務状況の悪化、その他の理由で、当社グループが予定している品質、納入数量、納期を満足できない場合、生産予定に影響を与え、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9) 主要顧客との関係

当社グループは、単一の顧客で売上収益の10%を超える顧客はありませんが、いくつかの重要な顧客を持っております。当社グループがこれら顧客を失い、それに替わる販売チャネルを開拓できない場合には、売上収益が減少し、当社グループの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があるほか、これら顧客の資金繰りが悪化した場合には、売上収益の急減、貸し倒れリスクの上昇により販売を縮小せざるを得ないなどの影響により、当社グループの売上収益及び利益の減少を招くリスクがあります。
 また主要顧客が中国製電動工具・園芸用機器等をプロ向け自社ブランドとして採用・発売する場合には、当社グループの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10) 知的財産権の侵害リスク

当社グループは、当社グループ製品の販売・生産面で重要と思われる地域において、特許・意匠・商標などの出願をし、積極的に知的財産権の保護に努めていますが、当社グループの知的財産権を侵害すると思われる第三者の製品や類似する製品を完全には排除できない場合があり、その場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、第三者の知的財産権を侵害することのないよう十分な対応をしておりますが、第三者から知的財産権を侵害していると主張される可能性もあります。第三者から知的財産権の侵害を追及され、裁判となり、その申し立てが認められた場合、損害賠償の支払い、製品の生産、販売停止により、当社グループの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11) 製造物賠償責任、製品の欠陥

当社グループは、電動工具、園芸用機器を含む多種の製品を各国の安全規格等に準拠して開発し、世界各国の工場で品質基準に基づき製造を行っております。しかしながら、予期せぬ製品不具合による大規模なリコールの発生又は大規模な製造物賠償責任訴訟が生じた場合、発生する費用が保険によってカバーできない場合や、ブランドに対する信頼の大幅低下を招いたりした場合は、当社グループの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(12) 株式相場の変動

当社グループが保有する有価証券のうち株式相場の変動の影響を受けるものは、主として上場株式及び投資信託です。株式相場は変動する可能性があり、その結果、当社グループの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13) 人材の確保

当社グループは、年々厳しさを増す企業間競争を勝ち抜くため、専門技術に精通した人材の確保と育成を着実に行う必要があると考えております。また、当社グループ各社の組織運営や経営戦略といったマネジメントに関わる人材についても、確保・育成していく必要があります。しかし、このような技術革新や経営に不可欠となる高度な能力を有するグローバル対応人材を確保していくための競争は厳しさを増しています。このような環境下で、優秀な人材の獲得や育成が経営計画に沿って達成されない場合及び従業員の流出が防止できない場合、当社グループの事業展開、業績及び成長見通しにおいて悪影響を及ぼす可能性があります。

(14) 環境規制等の公的規制

当社グループは、事業を展開する全ての国において環境・商業・輸出入・税制・安全規格などの規制に従っております。また、近年、地球温暖化や気候変動に関して、特に欧州・北米を中心とした環境に配慮した公的規制が採用されています。当社グループがこれらの規制を遵守できない場合、対応が遅れる場合、又は遵守するためにコストが大幅に増加する場合、当社グループの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(15) IT依存リスク

当社グループの本社及び製造・販売・研究開発等の主要拠点が日本にあるほか、調達・製造・販売・製品開発の拠点は世界中に展開されており、事業の過程で入手した顧客等のプライバシーや信用に関する情報(顧客の個人情報も含む)、他社の機密情報、当社グループ自身の機密情報を様々な情報ネットワークやシステムにて取り扱っております。また、当社グループが提供する製品やサービスには、インターネットを利用するものが増加することが見込まれます。これらの情報ネットワークやシステムに安全対策を施しているにもかかわらず、自然災害、戦争・テロ行為、サービスへのネットワークを介した予期せぬ侵入、不正操作やサイバー攻撃などを含む意図的な行為や過失等により、外部への情報流出、サービスの停止が発生する可能性があります。このような事象が生じた場合には、法的責任、訴訟、賠償責任、多大な対策費用等が発生したり、また当社グループの企業としての信頼やブランドイメージが低下したりすることにより、経営成績、財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの連結財務諸表は国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて、当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等  連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (7)見積り及び判断の利用」に記載のとおりです。

当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいてお

  ります。

この報告書には、当社独自の予測や評価に基づいた将来に関する記述を含んでおります。当社グループが営  業活動を行っている電動工具市場は、経済情勢の急激な変化、住宅需要、為替レート、競合他社との競業状況  の変化及びその他の要因に影響を受けます。このようなリスクや状況の変化により、記載内容と実際の結果が   著しく異なることがあります。従って、文中の将来に関する記述は当連結会計年度末現在において当社グループ  が判断したものであり、その実現の可能性を述べているものではありません。

新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、海外売上比率の高い当社グループにおいて、外出規制をはじめとした各国の規制等により販売活動に制限が生じ、当連結会計年度の第4四半期終盤においては販売が停滞した国がありましたが、当連結会計年度における経営成績に及ぼす影響は軽微でありました。しかし、翌連結会計年度の一定期間にわたり当該影響が継続し、売上収益の減少につながる可能性があります。

 

(1)経営成績の状況

①  業績

 当社グループは世界のプロユーザー向けの電動工具の製造・販売を主な事業としております。当連結会計年度の連結売上収益の約80%が海外売上収益です。電動工具の需要は、住宅建築や修繕、商業施設・プラント建設、その他の公共投資・個人投資の影響を受けます。

 当連結会計年度の連結売上収益は、前連結会計年度比0.4%(2,039百万円)増加して492,617百万円となりました。当連結会計年度の円ドル為替相場の平均レートは、前連結会計年度に比べ2.0%の円高、1ドル=108.70円でした。円ユーロ為替相場の平均レートは、5.9%の円高、1ユーロ=120.81円でした。全通貨の加重平均では4.9%の円高、為替による売上収益の減少額は20,252百万円となります。このドル安及びユーロ安といった為替の影響を除いた場合、当社グループの連結売上収益は4.5%(22,291百万円)増加となります。また当連結会計年度の販売台数は前連結会計年度比1.7%増加となりました。

DIY市場が確立されている北米及び欧州などの先進国では、電動工具需要は消費動向によって大きく影響を受けます。一方、発展途上国では、電動工具需要は経済成長が増加すれば拡大すると予測されます。

技術的な革新は電動工具市場を活性化させ、特に近年では小型軽量化され高性能化されたリチウムイオンバッテリ充電式電動工具は、これまでのニカドやニッケル水素バッテリに代わり新たな需要を喚起しております。

当社グループは、電動工具メーカーとして世界で確固たる地位を築いておりますが、世界レベルでの競争は更に激しくなっております。

当期の経済情勢を見ますと、米国を中心とする先進国での良好な雇用・所得環境、企業業績を背景に、景気は概ね緩やかな拡大基調となりましたが、米国・中国間の貿易摩擦の激化、新興国通貨の下落、さらに第4四半期から拡大した新型コロナウイルスによる影響などから、世界経済の減速に対する懸念及び先行きの不透明感が強まりました。

このような情勢の中で当社は、全社を挙げてコスト削減活動に取り組むとともに経営基盤の整備を着実に進めました。 

開発面では、高容量バッテリに対応し、AC 機同等以上の作業効率を実現した充電式工具をはじめ、エンジン式同等の使用感を持つ充電式園芸用機器など、リチウムイオンバッテリ製品のラインアップ拡充に注力しました。

生産面では、グローバル生産の多極化の推進、部材の現地調達をはじめとするコストダウン、省人化・無人化設備の導入などの取り組みを継続しました。

営業面では、充電式の園芸用機器をはじめとするリチウムイオンバッテリ製品の拡販に注力したほか、販売・サービスの拠点を拡充し、地域・顧客密着型の営業体制の強化を進めました。

当社グループの目標は、グループ全体の持続的成長により、高い利益体質を確立し、連結ベースで売上収益に対する営業利益率10%を維持することです。さらに、中長期的な戦略として、当社グループは、高いブランド力を構築し、世界各地域におけるプロ用電動工具をはじめ、園芸用機器など工具のグローバルサプライヤーとしてトップシェアの維持・獲得を目指しております。
 当社グループは、プロユーザー満足度の高い新製品開発、高品質とコスト競争力を両立させたグローバルな生産体制、国内及び海外各地域における販売・アフターサービス体制を常に強化していくことにより、これらの目標を達成できると確信しております。この経営戦略を実行するために、当社グループは、為替相場変動リスク、地理的リスク、経営上の主要な機能や生産拠点の集中から生じるリスクなど、予期せぬ経済環境の変動に耐えうる確固たる財務体質を維持することに努めております。

 

製品グループ別業績

電動工具等

電動工具等には、ドリル、ハンマドリル、震動ドリル、グラインダ、充電式インパクトドライバ、丸ノコ等があります。このグループは当社グループの連結売上収益のうち最も大きな割合を占めております。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比2.5%減の292,497百万円で、連結売上収益の59.4%となりました。このうち国内は前連結会計年度比15.0%増の48,741百万円で、国内売上収益の48.4%となりました。海外は前連結会計年度比5.4%減の243,756百万円で、海外売上収益の62.2%となりました。
  当連結会計年度に発売した製品としては、国内初の左右両傾斜を実現した165㎜充電式スライドマルノコをはじめ、圧着・圧縮・切断といった作業の負担を大きく軽減するT型充電式圧着機、ハイパワー・長寿命・高耐久を実現した「40Vmaxリチウムイオンバッテリ」を使用する充電式インパクトドライバ、マルノコ、ドライバドリルなどの製品シリーズなどがあります。

 

園芸用機器・家庭用機器・その他製品

園芸用機器・家庭用機器・その他製品には、チェンソーや草刈機、掃除機、充電式クリーナ等があります。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比4.3%減の112,678百万円で、連結売上収益の22.8%となりました。このうち国内は前連結会計年度比1.4%増の30,852百万円で、国内売上収益の30.6%となりました。海外は前連結会計年度比5.4%増の81,826百万円で、海外売上収益の20.9%となりました。
 当連結会計年度に発売した製品としては、エンジン式並みのパワーの充電式トップハンドルチェンソー、18Vリチウムイオンバッテリを2つ使用し、低騒音でパワフルな吸引力を実現した充電式集じん機シリーズなどがあります。

当社グループはエンジン式園芸用機器及びリチウムイオンバッテリを主体とする充電式園芸用機器の生産を行っており、騒音や排気ガスといった点で環境にやさしい製品の拡販に努めております。

 

部品・修理・アクセサリー

当社グループはアフターサービスとして部品・アクセサリーの販売や修理を行っております。当連結会計年度におけるこの分野の売上収益は前連結会計年度比6.1%増の87,442百万円で、連結売上収益の17.8%となりました。このうち国内は前連結会計年度比9.2%増の21,103百万円で、国内売上収益の21.0%となりました。海外は前連結会計年度比5.1%増の66,339百万円で、海外売上収益の16.9%となりました。

 

売上総利益

為替等の影響により、売上原価率が前期の63.9%から当期65.7%へと1.8ポイント増加しました。この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度から4.7%(8,381百万円)減少し168,841百万円になり、売上総利益率は、前連結会計年度の36.1%から34.3%になりました。

 

販売費及び一般管理費等

当連結会計年度の販売費及び一般管理費等は、人件費並びにIFRS16適用による減価償却費等の増加があったことにより、前連結会計年度と比較して5.9%(5,878百万円)増加し104,795百万円となりました。為替変動の影響を除くと販売費及び一般管理費等は9.9%(9,763百万円)の増加となります。販売費及び一般管理費等の対売上収益比率は前連結会計年度に比べて1.2ポイント増加し、21.3%になりました。

 

営業利益

上記の結果、営業利益は前連結会計年度比18.2%減の64,046百万円となりました。営業利益率は3.0ポイント悪化し、前連結会計年度の16.0%から13.0%になりました。

 

税引前利益

当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度から17.4%(13,911百万円)減少し66,008百万円になりました。税引前利益率は2.9ポイント悪化し、前連結会計年度の16.3%から13.4%になりました。

 

法人所得税費用

当連結会計年度の法人所得税費用等は、前連結会計年度から24.3%(5,771百万円)減少し17,957百万円になりました。当連結会計年度の実効税率は、前連結会計年度の29.7%から2.5ポイント減少して27.2%となりました。

 

親会社の所有者に帰属する当期利益

上記の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度から14.4%(8,019百万円)減少し47,731百万円になりました。親会社の所有者に帰属する当期利益率は、前連結会計年度の11.4%から1.7ポイント悪化して9.7%となりました。

 

基本的1株当たり当期利益

基本的1株当たり当期利益は、前連結会計年度の205.37円から175.80円に減少しました。

 

通貨変動

当社グループは外国為替相場の変動に影響を受けます。当社グループは特に円/ユーロ、円/米ドル為替相場の影響を受け、同様に、当社グループが事業展開しているそれぞれの国の為替変動の影響も受けます。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されるため、換算リスクと取引リスクを通じて為替変動に影響を受けます。

換算リスクは、それぞれの国に展開する連結子会社が作成する財務諸表を日本円に換算するときの通貨価値の変動リスクを意味します。日本円に対する通貨価値の変動は大きく影響しますが、あくまで財務諸表への影響であり営業の実績とは一致しません。

取引リスクは当社グループの費用と負債の通貨構成が、収益と資産の通貨構成と異なるというリスクを意味します。当社グループは取引リスクの一部をヘッジするために先物為替予約を行っております。そのため、日本円に対するリスク(注記27.金融商品 (3)金融商品に係るリスク管理)は軽減されておりますが解消されるものではないため、為替レートの変動は、将来重大な影響を与える可能性があります。

一般に、円安(特にユーロに対する円安)は、当社グループの営業利益と当期利益に好影響を及ぼし、円高(特にユーロに対する円高)は、悪影響を及ぼします。当連結会計年度は、ユーロ、米ドルに対してはともに円高に推移しました。

 

②地域別売上収益

日本国内市場は電動工具・園芸用機器ともに、リチウムイオンバッテリ製品を中心に販売が好調に推移し、前期比9.3%増(8,568百万円)の100,697百万円となり、初めて1,000億円を超えました。

 

欧州は、前期に比べ為替レートが円高ユーロ安となりましたが、西欧・東欧ともに全域で底堅い工具需要が見られ、充電式園芸用機器についても順調に売上が増加したため、前期比1.4%増(2,992百万円)の216,230百万円となりました。西欧と東欧に分けると、西欧の売上は円高ユーロ安による売上の目減りの影響で前年比1.7%(2,295百万円)の減少、東欧・ロシアの売上は前年比7.0%(5,287百万円)増加となりました。為替の影響を除くと、西欧が4.3%(5,912百万円)増、東欧・ロシアが12.4%(9,421百万円)増となり、欧州全体での売上は7.2%(15,333百万円)増加となります。

 

北米は、対中関税の影響や競争が激しい中、園芸用機器を含むリチウムイオンバッテリ製品の販売に注力したものの円高ドル安による売り上げの目減りの影響で前期比0.3%(204百万円)減の72,304百万円となりました。為替変動の影響を除くと、北米の売上は1.9%(1,408百万円)増加となります。

 

アジア(日本を除く)は、中国経済の減速の影響を受けつつもインドで売上が伸びましたが代理店向けの販売が下がり、また前期に比べ為替レートが円高現地通貨安となったことから、前期比4.7%(1,911百万円)の減少となりました。為替変動の影響を除くとアジアの売上は2.8%(1,159百万円)減少となりました。

 

その他地域では、オセアニアでは、前期に比べ為替レートが円高現地通貨安となり、前期比6.0%(1,801百万円)減の28,421百万円となりましたが、充電式園芸用機器の販売促進に努め、為替の影響を除くと2.4%(733百万円)の増加となりました。中南米では主要国の経済の減速や、為替が円高に進んだため、前期比6.5%(1,801百万円)減の26,000百万円となりましたが、リチウムイオンバッテリ製品を中心として拡販に努め、為替の影響を除くと3.5%(977百万円)の増加となりました。中近東・アフリカは、中東情勢の影響などを受けて販売が低調に推移し、前期比27.6%(3,804百万円)減の9,967百万円となりました。為替変動の影響を除くと、その他の地域の売上は2.6%(1,859百万円)減少となります。

 

地域別セグメント

セグメント情報は当社及び連結子会社の所在地に基づき決定されます。セグメント売上は出荷元基準であり、それぞれの市場における売上収益を示す地域別売上とは異なります。

当社は全ての報告セグメントの業績をIFRSで一般に公正妥当と認められた会計基準により評価しております。各セグメントの営業利益の算出方法は、連結損益計算書における営業利益の算出方法と一致しており、受取利息及び配当金、支払利息、為替差損益、及び金融資産の売却損益、金融資産及び金融負債の評価損益などを含みません。

 

日本セグメント

当連結会計年度の日本セグメントの売上収益は前期比11.1%減少し295,364百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は5.9%増加して118,797百万円(連結売上収益の24.1%)となりました。これは、国内市場での販売が好調だった一方、在庫調整などによりセグメント間取引が減少したことが要因となります。また、為替による売上原価悪化などにより、営業利益率は9.7%から7.7%と2.0ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は29.7%減少し22,726百万円となりました。

 

欧州セグメント

当連結会計年度の欧州セグメントの売上収益は前期比2.1%増加し224,436百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は1.5%増加して217,113百万円(連結売上収益の44.1%)となりました。これは、前期と比べて概ね全域で売上が堅調に推移したことが要因となります。仕入通貨である米ドルに対してユーロ安が進行したことにより、営業利益率は8.4%から5.9%と2.5ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は28.1%減少し13,252百万円となりました。

 

北米セグメント

当連結会計年度の北米セグメントの売上収益は、前期比1.0%減少し78,035百万円となりました。この内、外部顧客に対する売上収益は、前年同期比1.0%減の74,139百万円(連結売上収益の15.0%)となりました。これは、米中貿易摩擦や激しい競争下におかれたことによるものです。また、米中間の関税の影響から営業利益率は0.3%から△0.3%と0.6ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業損失は△201百万円となりました(前連結会計年度は267百万円の利益)。

 

アジアセグメント

当連結会計年度のアジアセグメントの売上収益は前期比13.9%減少し212,924百万円となりました。外部顧客に対する売上は5.7%減少して24,912百万円(連結売上収益の5.1%)となりました。これは、米中貿易摩擦による中国経済減速の影響や、中国での新型コロナウイルスが拡大した2020年2月に当社グループの中国工場が一時的に生産の縮小や操業停止などの措置を取ったことによるものです。為替が現地通貨安傾向に推移したことなどにより、営業利益率は9.3%から8.4%と0.9ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は22.6%減少し17,877百万円となりました。

 

その他の地域セグメント

当連結会計年度のその他の地域セグメントの売上収益は前期比9.1%減少し58,243百万円となりました。外部顧客に対する売上収益は8.9%減少し57,656百万円(連結売上収益の11.7%)となりました。これは、中近東アフリカ市場が停滞し、オセアニアや中南米では為替の影響で売上が目減りした影響によります。営業利益率は8.9%から2.3%と6.6ポイント悪化しました。この結果、当連結会計年度のこのセグメントの営業利益は76.8%減少し1,327百万円となりました。

 

 

 

 (2)財政状態の状況

当社グループの流動性の主な源泉は、手元現預金、営業活動から得た現預金及び与信限度枠内の借入金で構成されます。当社グループは当連結会計年度末現在143,439百万円の現金及び現金同等物を保有しております。このほかに当社の海外子会社は、14,703百万円の与信限度枠を持っており、与信限度枠のうち7,997百万円を使用しておりますが、6,706百万円は未使用でありました。当連結会計年度末現在の連結財政状態計算書において7,997百万円の短期借入金が計上されており、主に海外子会社の日々の営業活動に使用されており、3,802百万円減少しております。平均利率等短期借入金に関する情報は連結財務諸表の注記13「借入金」を参照下さい。
 現在、当社グループは資金調達について、グループ内金融を主体に行っており、子会社の余剰資産は他の資金不足の子会社へ融資することにしております。当社は自己資金で経営しており、当社グループの各子会社についてもグループ内融資主体のため支払利息に重要性はありません。 
 当社グループは運転資本の需要に応じて随時資金調達が可能です。しかし、当社グループには翌連結会計年度において、重要な資金調達の潜在的需要はありません。

当社グループは、従前より高い流動比率を維持してきており、当連結会計年度末は143,439百万円の現金及び現金同等物があります。当社の経営者はこれらの現金及び今後当社グループの営業活動によって生み出される現金で、将来にわたる運転資本の需要、設備投資及び研究開発等を十分行えると見込んでおります。当社の経営者は、運転資本は、当社グループの現在の必要性に照らして十分であると考えております。
 なお、株主還元の施策として2019年11月に1株当たり10円の中間配当金が支払われ、2020年6月25日開催の株主総会において1株当たり43円の配当が決議されており、配当金総支払額は14,390百万円です。
 当社グループは、営業活動に必要な資金を資本市場から通常の取引条件で十分に調達できる能力を有しております。

 

  (3)キャッシュ・フローの状況

                                           (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

23,155

57,310

投資活動によるキャッシュ・フロー

△15,329

△30,506

財務活動によるキャッシュ・フロー

△8,231

△22,931

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△808

△3,073

現金及び現金同等物の期末残高

146,512

143,439

 

 

営業活動から得たキャッシュ・フローは、前連結会計年度の23,155百万円から34,155百万円増加し、当連結会計年度は57,310百万円となりました。前連結会計年度と比べた主な増減理由は以下のとおりです。

・売上収益増加などによる顧客からの回収が、8,553百万円増加

・生産台数減少に伴う仕入の減少などにより、支出が4,998百万円減少
・売上収益増加による販売費の増加などにより、支出が3,152百万円増加
・税金支払額が、5,433百万円減少

 

投資活動に使用したキャッシュ・フローは、前連結会計年度の15,329百万円から15,177百万円増加し、当連結会計年度は30,506百万円となりました。前連結会計年度と比べた主な増減理由は以下のとおりです。
 ・固定資産の取得が、20,542百万円増加
 ・投資の取得が、8,745百万円減少
 ・投資の売却及び償還が、2,007百万円増加

 

当社グループは、グローバルな生産体制の強化を図ってきております。

翌連結会計年度の設備投資計画は、当社の日本国内の物流センターや、中国工場、ルーマニア工場などがあり、当連結会計年度と比較して設備投資は増加する予定です。

 

財務活動に使用したキャッシュ・フローは、前連結会計年度8,231百万円から14,700百万円増加し、当連結会計年度は22,931百万円となりました。前連結会計年度と比べた主な増減理由は以下のとおりです。
   ・配当金の支払いが、271百万円増加

  ・短期借入金の返済により、12,165百万円増加
 

 

この結果、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、前期に比べ18,978百万円減少し、26,804百万円(前期7,826百万円)となりました。

 

上記活動の結果及び為替レートの変動による影響により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,073百万円減少し、143,439百万円となりました。

 

(4)生産、受注及び販売の状況

当社グループは見込生産方式を採用しており、受注状況は集計しておりません。

当連結会計年度の販売価格による生産金額は前連結会計年度と比較して36,239百万円(9.1%)減の363,170百万円となりました。

当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度を0.4%上回る492,617百万円となりました。

なお、当社グループは、主に電動工具を製造・販売する単一事業分野において営業活動を行っており、単一事業部門で組織されているため事業の種類別セグメントに関連付けた説明は記載しておりません。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、人の暮らしと住まい作りに役立つ工具のグローバルサプライヤーとして、当社の開発技術本部
で電動工具、エア工具、園芸用機器等の研究開発を行っております。当社の従業員の内1,148人が、当社が競争上優位に立つ技術の研究開発並びに新製品開発に従事しております。
 当社は、研究開発の優先性は非常に高いと考えており、研究開発で強固な能力を有することは、ユーザーのニー
ズに適った高品質で信頼性のある製品を継続的に開発する上で決定的に重要であると信じております。

当連結会計年度の研究開発支出(無形資産に計上された開発費を含む)は12,404百万円であり、前連結会計年度より6.7%の増加となりました。当連結会計年度末現在で保有する特許・実用新案権及び意匠権は国内外を併せて4,319件(うち特許・実用新案権は3,495件)です。

当社は、リチウムイオンバッテリ技術を活用した製品群の拡充に注力しております。従来のAC電源コード付きの電動工具やエンジン式の園芸用機器に匹敵するスピードとパワーを持つ製品や、さらなる小型・軽量化により扱いやすさを追求した製品、また工具分野に限らず清掃用機器や作業現場の快適性を高める製品など、当社のバッテリを活用した充電式製品のラインアップを広げております。

園芸用機器の分野においては、近年の排ガス規制の強化や、ユーザーの健康や住環境への配慮要請の高まりを見据え、より環境にやさしい園芸用機器の製品の開発を推進しております。

また、世界各地の顧客ニーズにマッチする新製品をより迅速に開発・提供するため、当社が強みとするグローバルな販売・サービス網を活かした、市場調査にも重点を置いております。

当連結会計年度に発売した製品としては、国内初の左右両傾斜を実現した165㎜充電式スライドマルノコをはじめ、圧着・圧縮・切断といった作業の負担を大きく軽減するT型充電式圧着機、ハイパワー・長寿命・高耐久を実現した「40Vmaxリチウムイオンバッテリ」を使用する充電式インパクトドライバ、マルノコ、ドライバドリルなどの製品シリーズ、エンジン式並みのパワーの充電式トップハンドルチェンソー、18Vリチウムイオンバッテリを2つ使用し、低騒音でパワフルな吸引力を実現した充電式集じん機シリーズなどがあります。

なお、当社グループは、主に電動工具を製造・販売する単一事業分野において営業活動を行っており、単一事業
部門で組織されているため事業の種類別セグメントに関連付けた説明は記載しておりません。