第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は「環境と人にやさしい技術への貢献」を企業理念に掲げ、研究開発から生産活動などの企業活動の全域にわたり地球環境の保全に取り組んでおります。

 当社はこの企業理念のもと、各電子部品の開発・供給を通じてエレクトロニクス産業の発展に寄与することが、企業価値ひいては株主共同の利益の向上につながると考え、基本方針として推進してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループにおきましては、企業価値の向上を図るため資産効率の改善に継続的に取り組んでおり、総資産利益率(ROA)及び自己資本利益率(ROE)を重要な指標として位置づけております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループが属する電子機器業界は、技術の進歩、参加企業のグローバルな事業展開等において、もっとも変化の速い業界の一つであります。

 このような経営環境の中にあり、他に先んじたスピード感のあるグループ経営を行うことが最も重要なことであると認識しております。

 スピード感のある経営とは、先を見据えた経営、常に他社の先を行く経営であります。

 このため、当社グループにおきましては3ヵ年の中期経営計画を策定し、経営にあたっております。

 2017年4月より、「創業90周年に向けた事業構造変革による強固な経営基盤づくり:経営革新のさらなる深化」を目標とする「第8次中期経営計画」をスタート致しました。

 現在、世界各地域では、第4次産業革命と呼ばれる、次期製造業の強化に向けた新たな取り組みが活発化しており、今後は、IoTの進行により新たな社会の仕組みづくりとして、長期にわたるグローバルでの産業・社会インフラ整備が拡大していくことが予想されます。

 このような社会・環境変化の中、長期目標である「持続的成長と中長期的な企業価値向上」を実現するために、第8次中期経営計画を策定致しました。

 「お客様に喜ばれるサービスの提供と真のニーズに応える新たな価値の創出」を基本戦略として、成長性と収益性の改善を進め、「第8次中期経営計画」を達成してまいります。

 

中期重点施策

1. 成長戦略の明確化

2. 収益体質の強化

3. ガバナンスの強化

4. クオリティファーストによる顧客満足度の向上とスピード経営の実践

5. 明るく、活力のある企業風土づくりと10年後を担う人財の育成

 

(4)会社の対処すべき課題の内容等

 今後の見通しにつきましては、米国では引き続き着実な景気拡大が見込まれ、欧州でも総じて緩やかな回復傾向で推移するものと期待されております。一方、中国経済の減速や米中貿易摩擦の長期化による世界経済への影響が懸念されるなど、当社グループを取り巻く経営環境は、依然として予断を許さない状況が続くものと予想されます。

当社グループにおきましては、第8次中期経営計画の最終年度を迎えるにあたり、2019年度の基本戦略を、「信頼回復と創業90周年に向けた企業価値向上(株主視点での積極経営推進)『第9次中期経営計画での2,000億円企業への基盤づくり』」と定め、中期経営計画の目標達成に向けた重点施策を着実に実行してまいります。今後も需要の拡大が見込まれる車載市場、通信市場、パワーエレクトロニクス市場等に向けた拡販活動を積極的に展開致します。あわせて、海外市場へ向けて、電気二重層キャパシタ、CMOSカメラモジュール、積層セラミックコンデンサ、アモルファスチョークコイル等の製品を重点的に拡販することにより、新たな需要の拡大につなげてまいります。また、スマートファクトリーの実現に向けた取り組みとして、IoTを活用し生産設備から稼働状況等のデータを取得するなど生産工程を可視化することにより、稼働率の飛躍的向上を図り、更なる生産性の向上を目指してまいります。

 

(5)株式会社の支配に関する基本方針

 当社は、1931年の創業以来、アルミ電解コンデンサのリーディングカンパニーとしてエレクトロニクス市場にアルミ電解コンデンサをはじめとする各種電子部品を安定的に供給してまいりました。当社グループの特色は、これらの材料研究から生産設備の設計、製品化に至るまでのあらゆるプロセスをグループ内で一貫して行うことにあり、これにより当社グループは顧客に対して常に独創的で信頼性の高い電子部品を供給することが可能になっております。また、当社グループではアルミ電解コンデンサ用電極箔等の材料開発や将来を見据えた素材の基礎研究に積極的に取り組んでおり、これらを活かした新製品の開発・事業化には多くの時間と経営資源を投入しております。このため当社は、経営方針の継続性を一定期間維持する必要があり、定期的に3ヵ年の中期経営計画を策定し経営の効率化に努めております。更に、これらの事業運営にあたっては、「環境と人にやさしい技術への貢献」を企業理念に掲げ、研究開発から生産活動などの企業活動の全域にわたり地球環境の保全に取り組んでおり、当社はこの企業理念のもと、各種電子部品の開発・供給を通じてエレクトロニクス産業の発展に寄与することが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上につながるものと考えております。

 従って、当社では、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者とは、以上のような当社グループの経営、企業理念及び様々なステークホルダー(顧客、取引先、従業員、地域社会等)との間に築かれた関係等、当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保・向上していくことを可能とする者でなければならないと考えております。

 当社は、上場会社であり市場の判断に基づく経営支配権の異動を通じた経営革新の効果や企業活動の活性化を否定するものではありませんが、当社株式の大量取得を目的とする買付けについては、当該買付け行為又は買収提案の当社の企業価値、株主共同の利益への影響を慎重に検討し判断する必要があると考えております。

 現在のところ、当社ではいわゆる「買収防衛策」を予め定めることはしておりません。しかし、当社と致しましては、株主の皆様から経営を負託された者の責務として、常に当社の株式取引や異動の状況に重大な関心を持つと共に、有事対応のコンテンジェンシー・プランを策定し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、社外の専門家を含めたプロジェクトチームを組織し、当該買収提案の評価や当該取得者との交渉を行い、当社の企業価値、株主共同の利益に資さないと判断された場合には、直ちに具体的な対抗措置の要否、内容等を速やかに決定し、実行する体制を整えるなど、当社として最も適切と考えられる措置を講じてまいります。


 

2【事業等のリスク】

 経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済状況について

 当社グループは、コンデンサ及びその他の電子部品の製造・販売を主たる事業としており、事業活動は日本、米州、欧州、アジア等グローバルに展開されております。そのため、当社グループの製品が販売されている国、地域の経済状況の変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)為替レートの変動

 当社グループの製品は日本国内のほか米州、欧州、アジア等の地域に販売されており、連結売上高に占める海外売上高の割合は、2018年3月期77.6%、2019年3月期77.8%となっております。このため為替予約等によりリスクヘッジを行っておりますが、全てをカバーできる保証はなく、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。

 また、連結財務諸表を作成するにあたって在外子会社の財務諸表を円換算しておりますが、換算時の為替レートにより、現地通貨における価値に変動がなくても、円換算後の価値が影響を受け、業績が変動する可能性があります。

(3)価格競争

 当社グループが製造・販売する電子部品のうち、主力製品であるアルミ電解コンデンサにおいて、中国及び台湾メーカーの台頭等により価格競争が激しくなってきております。当社グループと致しましては、コストダウンの推進、高付加価値製品の開発、海外生産体制の再編等により競争の激化に対応しておりますが、低価格市場における競争は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料等の価格変動について

 当社グループはアルミ箔や重油をはじめとした原材料等の仕入価格上昇によるコストアップの影響を受ける可能性があります。

 当社グループでは、海外製造会社における現地調達の推進や生産性向上等によるコストダウンを継続して行うなど、リスク回避対策に取り組んでおりますが、急激な原材料等の価格高騰は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)製品の欠陥

 当社グループは、世界各拠点で、世界的に認められている品質管理基準に従って、製造を行っております。

 しかし、将来にわたり全ての製品において欠陥が発生しないという保証はありません。また、生産物賠償責任保険に加入しておりますが、この保険が賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。

 今後更に品質管理の強化を図ってまいりますが、大規模な製品の欠陥の発生は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)法令その他の公的規制等に関するリスク

 当社グループが、事業を展開する国内外での進出先における法令その他の公的規制等及びその重要な変更、特に、当該規制等を遵守するための費用負担や当該規制等に違反したと判断された場合における刑事処分、課徴金等の行政処分または損害賠償請求は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの事業は環境法令の適用を受けており、法令等の制定または重要な変更によっては環境責任のリスクを抱える可能性があります。

 また、当社グループは、アルミ電解コンデンサ等の取引に関して、各国競争法当局より制裁金に関する決定等を受け、その一部については裁判所における対応等を行っております。

 2018年9月、韓国公正取引委員会は、電解コンデンサの製造・販売に関して当社に韓国競争法に違反する行為があったとして、当社に対し是正命令、課徴金の賦課及び刑事告発に関する決定を行いました。同年11月、韓国公正取引委員会から正式な議決書が送達されましたが、課徴金の金額については41億76百万ウォンとされていました。是正命令及び課徴金の賦課に関する決定につきましては、当社の認識及び理解と相違があり承服できないものであることから、ソウル高等法院へ控訴致しました。

 当社は2018年5月に米国司法省との間で、電解コンデンサに関する価格カルテル及び談合行為に係る米国反トラスト法違反の疑いに関して、罰金の支払い等を内容とする司法取引に合意することを決定し、同年10月に米国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所の承認手続きを経て、かかる司法取引の合意により支払う罰金額が60百万米ドルに確定致しました。

 最後に、本件に関しましては、上記とは別途、米国及びカナダ等において、当社及び当社子会社に対する民事訴訟が提起されております。

 これらの法的手続きにおいて当社に不利な判断がなされた場合、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

(7)自然災害や突発的事象発生のリスク

 地震等の自然災害や突発的事象に起因する、設備の破損、電力・水道の供給困難等による生産の停止は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

当期における世界経済は、米国では良好な雇用環境を背景に個人消費が増加するなど、着実な景気拡大を続けており、欧州経済も回復基調を維持致しました。一方、中国経済は総じて安定した成長を維持しているものの、米中間での貿易摩擦が激化したことにより減速傾向で推移致しました。また、日本国内におきましても景気は総じて緩やかな回復基調で推移致しましたが、中国経済の影響等により上期後半から輸出が伸び悩むなど、減速傾向が強まってまいりました。

当社グループを取り巻く市場環境につきましては、産業用ロボット等の設備関連市場は中国での需要が落ち込むなど一部に弱い動きが見られたものの、底堅く推移致しました。また、ゲーム機市場は総じて好調を維持したほか、自動車関連市場はADAS(先進運転支援システム)の搭載が進展したことなどにより、概ね堅調に推移致しました。

このような経営環境のもと、当社グループにおきましては、引き続き「第8次中期経営計画」で策定した企業価値向上のための諸施策を実行してまいりました。販売面では、各地域別に重点拡販顧客や重点拡販製品を明確化し、お客さまのニーズにいち早く対応する柔軟な拡販活動を展開することで、売上の拡大に取り組んでまいりました。また、収益性向上のため海外生産拠点の拡充を図り、最適地生産を推進することにより、物流費を始めとする販売管理コストの削減に努めてまいりました。あわせて、マザー工場制のもと海外生産拠点の設備稼働率等の改善に向けた取り組みを強化することにより、グループ一丸となって生産性の向上を図ってまいりました。

一方、製品開発におきましては、自動車のエアバッグ装置向けに、従来品に比べて最大約30%の高容量化を実現したリード形アルミ電解コンデンサ「LBVシリーズ」を新たに開発し、量産化致しました。また、現在、自動車のカーナビゲーションシステムや各種メーターの非常用電源向けに拡販しているチップ形アルミ電解コンデンサ「MZRシリーズ」につきまして、従来品よりも長寿命化を実現した新製品を開発し、製品体系の充実を図りました。

これらの結果、当期の連結業績につきましては、売上高は1,409億51百万円(前期比5.7%増)となり、営業利益は51億37百万円(前期比11.7%減)、経常利益は48億33百万円(前期比9.5%増)となりました。また、独占禁止法関連損失の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は9億17百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失160億56百万円)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(コンデンサ)

設備関連は中国での需要が落ち込むなど一部に弱い動きが見られたものの、自動車関連の需要は総じて好調に推移したことなどにより、売上高は1,332億11百万円(前期比4.3%増)となり、セグメント利益は、44億19百万円(前期比15.5%減)となりました。

(その他)

CMOSカメラモジュールやリセール品の増加などにより、売上高は77億39百万円(前期比37.2%増)、セグメント利益は7億17百万円(前期比22.0%増)となりました。

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

コンデンサ

132,184

3.8

その他

3,542

9.2

合計

135,727

4.0

(注)1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

コンデンサ

114,574

△23.0

27,363

△40.5

その他

6,657

△4.6

1,165

△48.2

合計

121,232

△22.2

28,529

△40.9

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

コンデンサ

133,211

4.3

その他

7,739

37.2

合計

140,951

5.7

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 総販売実績に対して10%以上に該当する得意先はありません。

 

(2)財政状態

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末(以下前期末)比44億26百万円減少し、1,382億84百万円となりました。

 流動資産は、現金及び預金の減少を主な要因として、前期末比54億4百万円減少し、782億54百万円となりました。

 固定資産は、有形固定資産が前期末比25億6百万円増加し、投資その他の資産が17億2百万円減少したことを主な要因として、600億30百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債の合計は、前期末比29億30百万円減少し、903億70百万円となりました。

 流動負債は前期末比140億35百万円減少し473億89百万円、固定負債は前期末比111億5百万円増加し、429億80百万円となりました。

 有利子負債(短期借入金、長期借入金及びリース債務の合計額)は前期末比182億49百万円増加し、526億18百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産の合計は、その他有価証券評価差額金及び為替換算調整勘定の減少などにより、前期末比14億96百万円減少し、479億14百万円となりました。

 これらの結果、自己資本比率は前期末と同様34.4%となり、1株当たり純資産額は3,012円97銭から2,921円53銭となりました。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ56億28百万円減少し、190億5百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、138億56百万円の支出となりました。

主な収入は減価償却費70億24百万円であり、主な支出は独占禁止法関連支払額215億8百万円、たな卸資産の増加49億4百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、87億71百万円の支出となりました。

主な支出は有形固定資産の取得による支出89億20百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、171億28百万円の収入となりました。

主な収支は借入金による収入167億88百万円によるものであります。

 

 当社グループの資本の財源および資金の流動性については、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は526億18百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は190億5百万円となっております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動は、材料から製品までの一貫した開発体制を活かした高付加価値製品の開発や、より高い品質レベルの追求、環境負荷の更なる低減、新規事業の創出に向けた基礎研究などに重点をおいて取り組んでまいりました。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は4,288百万円であり、主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

(コンデンサ)

 伸長市場に向けた新製品開発を強化し、顧客満足度の向上を推進致しました。

電子化、電動化が進む車載市場向け製品開発では、機電一体化など電子部品がパワートレインに直接取り付けられる用途をターゲットに、アルミ電解コンデンサの耐熱性の向上に取り組みました。新製品のリード形「GQBシリーズ」及びチップ形「MXBシリーズ」は、業界最高水準となる耐熱性150℃を実現しております。また、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサにおきましても、業界で初めて150℃2,000時間保証の耐久性を実現したリード形「HSFシリーズ」の開発に成功し、高耐熱製品の充実を図りました。一方、安全装置の高機能化に対しては、SRSエアバッグシステム用に、静電容量を従来品から最大約30%向上した「LBVシリーズ」を開発し、量産を開始致しました。

 また、電気二重層キャパシタ「DLCAP™」では、リード形「DKAシリーズ」を上市致しました。自動車のドアロック解除など非常時のバックアップ電源用途や、IoT機器の電源用途などに提案してまいります。更にネジ端子形製品では、定格電圧を2.8Vに高めた「DXFシリーズ」の量産を開始し、製品構成の充実を図りました。

 このほか、SiCやGaNを使った次世代パワー半導体の実用化が進む中、高周波での使用に特化したアルミ電解コンデンサ開発に取り組みました。非接触給電システムの小型化などに貢献する製品として引き続き開発を推進してまいります。また、携帯電話の通信基地局などに提案する製品として、耐熱性を125℃に高めた基板自立形アルミ電解コンデンサ「GXAシリーズ」や、デジタル家電製品のアダプターの小型化に貢献する製品として、静電容量を向上したリード形アルミ電解コンデンサ「KWBシリーズ」を開発するなど、用途に最適化したコンデンサ開発を積極的に推進致しました。

一方、コンデンサ用材料の研究開発におきましては、アルミニウム電極箔、封口ゴム、電解質など、主要材料の更なる高性能化に取り組みました。特に、コア技術のアルミニウム電極箔の開発では、高耐電圧化、高容量化、品質の安定化、生産性向上のための技術開発等を積極的に推進致しました。

 また、今後事業化を目指す次世代製品の開発では、リチウムイオン電池の高性能化に貢献する「新導電性カーボン(NHカーボン™)」や、新たな高性能蓄電デバイスの創造に向けた研究開発に引き続き取り組みました。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は4,073百万円であります。

 

(その他)

 ドライブレコーダーやセキュリティ機器等に使われるCMOSカメラモジュールでは、ADAS(先進運転支援システム)やIoT機器向けの需要の高まりを受けて、小型、高感度、高画質製品の品揃えを充実させると共に、ワイドダイナミックレンジ製品や防水製品など高機能モジュールの開発を推進致しました。

 その他、スイッチング電源やインバータ電源など各種電源機器に使われるアモルファスチョークコイルの小型化に取り組んだほか、安全性の高い不燃タイプのセラミックバリスタ「SVシリーズ」においてはシリーズ構成を拡充し、市場要求に沿った製品開発を進めました。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は215百万円であります。