当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策を背景に、当初は国内での設備投資意欲の向上や円安による輸出企業の業績改善がみられるなど、緩やかな景気回復基調を辿りました。しかしながら、中国を中心とした新興国経済が下期にかけて減速し、年明け以降には、円高・株安、マイナス金利政策導入など金融市場の動きも激しくなり、景気は先行き不透明感が強くなりました。
この様な情勢の中で、2015年度から2017年度までの新中期経営計画「チャレンジ200」を策定し、当社グループはどのような環境下にありましても、「危機感」と「決断」と「スピード」を常に念頭におき、変化に対応することによって、受注・売上を拡大し、市場競争を勝ち抜くべく、全力を挙げて努力してまいりました。
その結果、当社グループの連結業績は、企業の国内設備投資意欲の回復や円安効果もあり、受注高は234億1千1百万円(前期比27.6%増)となり、売上高は185億1千2百万円(前期比16.0%増)となりました。損益においては、コストダウンや経費削減等当社グループを挙げて注力いたしました結果、経常利益は13億3千8百万円(前期比18.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億1千7百万円(前期比31.4%増)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、産業機械事業部精密機械部門を独立させ精密機械事業部とする組織の変更を行っております。そのため、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
搬送機械事業
搬送機械事業では、既存顧客からの大型システムのリピート受注、自動倉庫や製造業の生産・物流分野などに、ピッキングシステムや新商品を使ったソリューションを提案するとともにサービス・メンテナンスにも注力し、拡販を図ってまいりました。その結果、国内の設備投資の回復もあり、受注高は111億7千2百万円(前期比57.1%増)、売上高は66億2千8百万円(前期比29.5%増)となりました。
産業機械事業
産業機械事業では、民間需要の掘り起こしやゲート分野を中心とした既存市場におけるシェアアップ、サービス・メンテナンスに注力してまいりました。その結果、公共投資関連の伸び悩みもあり、受注高は51億4千万円(前年比8.6%減)、売上高は51億2千1百万円(前期比5.5%減)となりました。
精密機械事業
精密機械事業では、既存顧客の更新需要や海外市場の開拓に注力してまいりました。その結果、円安効果による輸出の増加や省エネ補助金などの効果もあり、受注高は65億9千2百万円(前期比27.3%増)、売上高は62億8千3百万円(前期比26.2%増)となりました。
その他の事業
その他の事業では、営繕工事の増加などにより、受注高は5億4百万円(前期比15.4%増)、売上高は4億7千8百万円(前期比8.6%増)となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ13億5千万円増加し、77億5千3百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は23億1千万円(前連結会計年度は10億8百万円の増加)となりました。これは主に、たな卸資産の増加19億5百万円がありましたものの、税金等調整前当期純利益13億2千1百万円に加え、仕入債務の増加14億1千9百万円や前受金の増加11億4千万円といった収入があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は7億3千4百万円(前連結会計年度は3千1百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出7億2千2百万円があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は2億2千5百万円(前連結会計年度は2億5千5百万円の減少)となりました。これは、主に配当金の支払1億9千6百万円を行ったことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
搬送機械事業 | 8,097,729 | 49.3 |
産業機械事業 | 5,140,595 | △5.2 |
精密機械事業 | 6,675,810 | 31.1 |
その他の事業 | 478,531 | 8.6 |
合計 | 20,392,665 | 24.5 |
(注) 1. 金額は、販売価格によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
搬送機械事業 | 11,172,841 | 57.1 | 8,576,185 | 112.7 |
産業機械事業 | 5,140,937 | △8.6 | 911,290 | 2.1 |
精密機械事業 | 6,592,674 | 27.3 | 1,301,977 | 31.2 |
その他の事業 | 504,661 | 15.4 | 77,498 | 50.9 |
合計 | 23,411,114 | 27.6 | 10,866,951 | 82.1 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
搬送機械事業 | 6,628,910 | 29.5 |
産業機械事業 | 5,121,805 | △5.5 |
精密機械事業 | 6,283,000 | 26.2 |
その他の事業 | 478,531 | 8.6 |
合計 | 18,512,247 | 16.0 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
次期のわが国経済は、中国経済の減速や金融緩和政策の影響、海外経済の下振れ懸念などもあり、先行き不安定な状況で推移するものと思われます。
当社グループといたしましては、新中期経営計画「チャレンジ200」の2年目であり、どのような環境下にありましても、「危機感」と「決断」と「スピード」を常に念頭におき、変化に対応することによって、受注・売上を拡大し、市場競争を勝ち抜く所存であります。
更にはコストダウンや経費削減に一層注力し、企業体質の強化と着実な安定成長の確保に努めてまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
①顧客の経営成績及び景気動向
当社グループには設備機械関連の商品があります。よって顧客の経営成績及び顧客の属する業界の景気動向が、当社グループの受注、売上に影響する可能性があります。また零細企業との取引もあり、これらの企業は好不況の影響を受けやすい面があります。
②価格競争
当社グループの属する業界は、競合会社の多い業界であります。顧客ニーズに応えるために競合他社にはないオンリーワン商品の開発に注力しておりますものの、他社と競合する場合は価格競争となることがあります。これが販売価格の低下を引き起こす可能性があります。
③公共投資の影響
当社グループには、公共投資関連向けの商品があります。これらの商品の受注、売上は、政府や地方公共団体の政策に影響を受ける可能性があります。また下半期に売上が集中するために、生産も上期、下期のアンバランスが生じております。よって売上は年度当初の立ち上がりが遅い等の影響を受けます。
④海外環境
当社グループは、海外への輸出(特にアジア)を行っております。よって為替相場、輸出相手国の景気動向、政情不安及び自然災害等が、当社グループの海外向けの受注、売上に影響する可能性があります。
⑤原材料価格の変動
当社グループの商品の殆どが鉄鋼、鋳物等の金属部品を原材料としております。わが国の金属の調達は海外依存度が高いために、海外の景気や為替の変動、政情不安等の社会的混乱によって、原材料価格が変動する懸念を有しており、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥新商品開発力
当社グループは、お客様のニーズに対応した、オンリーワン商品、システムの開発を行っております。開発のための経営資源は、企業規模から一定の制約がありますので、開発テーマは重点を絞らざるを得ません。このため新たに開発した商品・システムが市場ニーズに的確にマッチしない場合は、業績が低下する可能性があります。
また、お客様のニーズは常に変化しており、その変化のスピードに対応できる新商品開発力が必要となります。
⑦仕込生産品
当社グループは、顧客納期の対応のため仕込生産を行っております。これは、市場の情勢や売上計画を基に決定しております。仕込生産は最低限で行っておりますが、万が一市場の情勢の変化や顧客の都合等で売上の減少により、仕込生産品の別の商品への流用が出来ず使用が見込めない場合は、仕込生産品が不良資産となる可能性があります。
⑧品質のコントロール
当社グループの商品は、高度な技術を利用したものであります。また原材料等は外部から多品種かつ大量に調達を行っております。よって品質のコントロールは複雑化しております。万が一当社グループの商品に欠陥が生じた場合は、当社グループがその欠陥によって生じた損害を補償するとともに、当社グループの商品の信頼度や売上に影響を及ぼす可能性があります。
⑨コンピュータートラブル
当社グループの生産・販売並びに会計システムは、コンピューターシステムを使用しております。停電の時のために無停電電源装置の導入、サーバー故障の時のためのバックアップ等のトラブル対策は行っておりますが、万が一予想外のトラブルが発生した場合、当社業務活動に影響を及ぼす可能性があります。
⑩知的財産権
当社グループは、商品技術やデザインまたその製造過程等に知的財産権を利用しております。また必要な場合は、第三者から知的財産権の取得や借用を行う場合があります。これらの権利の保護、取得、維持がうまく行かなかった場合は、当社グループの商品の生産や販売に影響を及ぼす可能性があります。
⑪退職給付債務
当社グループは、数理計算によって算出される退職給付債務を負担しています。これは前提条件や年金資産の期待収益から算出されており、前提条件が変更されたり、期待収益が実際の結果と異なった場合は、その影響は将来的にも蓄積され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫事故災害
当社グループは、火災等の事故や災害を防止するために設備の点検、消火組織及び設備の充実、自衛消防隊をはじめとする各種の安全活動を行っております。しかしこれらの対策にも拘わらず事故や災害は発生する可能性があります。発生した場合の対策として災害保険に加入していますものの、生産力低下による売上高の減少や、設備の代替や修復のために多額の資金を要するなどの当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬株式等の有価証券の価格下落
当社グループは、株式等の有価証券を保有しております。これらの有価証券が下落した場合は、評価損となり当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭環境問題
当社グループは、環境に関する法令を遵守し、今後も違反しないよう設備の充実や社員教育を行っております。しかしながら将来的に環境に関する規制が一層厳しくなり、現行法令の改正や新たな法令の制定が行われた場合は、その対策のための費用が発生し当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 技術援助契約
契約会社名 | 相手方の名称 | 契約品目 | 契約内容 |
契約期間
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西部電機株式会社 | Enertork Ltd.(韓国) | 産業機械 | 技術知識、情報の提供 | 平成3年4月から 平成6年4月まで 以後1年ごとの自 動更新 |
(2) 業務・資本提携
契約会社名 | 相手方の名称 | 契約品目 | 契約内容 |
契約期間
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西部電機株式会社 | 株式会社豊田自動織機 | 搬送機械 | 設計および製造の受託 | 平成24年2月から |
当社グループは、「超精密とメカトロメーション」に直結する、オンリーワン商品・システムの開発に注力しております。当連結会計年度の技術開発の主なものは次のとおりであります。
研究開発は、各セグメント毎で行われており、研究開発スタッフは30名で、これは総従業員の6.4%にあたります。
当連結会計年度における研究開発費は、5億6千6百万円であり、各セグメントにおける研究開発の成果と研究開発費は次のとおりであります。
(搬送機械事業)
搬送機械関係では、ロボットピッキングシステムをはじめとして各種ロボットを用いたシステムを構築した経験から、「ロボティクス・マテハン」の商標を掲げ、新商品の開発に取り組み、ロボット・システムインテグレーション(SI事業)への一歩をスタートしました。国内では、人口の減少による労働力不足が大きな社会問題となっており、人手に頼っている作業の自動化・ロボット化が強く求められています。今年度はラベル製造メーカ様向けに、時間900個のラベル原反を自動倉庫に移すためのパレットに自動的に積み付ける装置(多関節ロボットを直列に5台配置)を開発いたしました。稼働後はお客様からも「15kgの製品をコンベヤから1日中パレットに積み付ける重労働がロボットでできるようになり、非常に楽になった」と評価を頂いております。
当事業における当連結会計年度の研究開発費は1億1千2百万円であります。
(産業機械事業)
産業機械関係では、スイング式ゲート開閉機「HGMシリーズ」を開発いたしました。昨年度に引き続き、震災復旧事業においては「陸閘」と呼ばれる有事に防波堤として機能させる水門の計画が進んでいます。当社はこのニーズに応える形で、「水閘電®」としてシリーズ化を推進しています。この水閘電®シリーズの最新のものが「スイング式」の陸閘に対応する電動式の開閉機「HGMシリーズ」です。「スイング式」ゲートとは、これまでの「引き戸式(横引き)」ゲートと異なり、片側を軸としてドアのように回転して開閉動作を行うゲートです。従来、「スイング式」は油圧シリンダによって開閉させていましたが、ユーザーのご要望に応える形で電動化を実現しました。大きな特徴としては、駆動機がギヤラックを押し引きすることにより扉体を90度回転させ、緊急時には人力で扉を押しての開閉も可能など、開閉装置がコンパクトで安価、かつランニングコストも低廉といった画期的な商品であります。
当事業における当連結会計年度の研究開発費は2億2千万円であります。
(精密機械事業)
精密機械関係では、高精度櫛歯型旋盤 ツイン主軸「SNC-20PT」の開発を進めています。当社の高精度櫛歯型旋盤は、安定した品質で好評をいただき、永年ビデオやHDDの普及に貢献しています。最近では燃費向上を狙う自動車業界での噴射系の部品加工分野で高い評価を得ています。市場ニーズは省スペース化と共に精度追求へと移り、サブミクロンの精度の仕上げを実現できる、ツイン主軸タイプの当社製旋盤を切望されています。この要望に応えるため、従来機2台連結の1.5台分の省スペース化を実現し、サブミクロン仕上げの精度を確保し、ツイン主軸タイプでも他社との差別化を図っていきます。
当事業における当連結会計年度の研究開発費は2億3千3百万円であります。
(1) 財政状態
資産
流動資産は、受取手形及び売掛金が4億8千2百万円減少しましたものの、現金及び預金が売掛金の回収などにより13億5千万円、平成28年度上期の売上の増加が想定されることから、仕掛品、原材料及び貯蔵品があわせて18億9千2百万円増加したことなどから、29億9千7百万円増加しました。また、固定資産は、投資有価証券が時価が下がったことなどから7億4千5百万円減少しましたものの、有形固定資産が新工場の建設などにより10億7千8百万円、年金資産の増加などにより退職給付に係る資産が3億5千9百万円増加したことで、8億1千6百万円増加しました。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ38億1千4百万円増加し、313億9千7百万円となりました。
負債
流動負債は、仕入の増加により、支払手形及び買掛金、電子記録債務があわせて17億1千8百万円、その他が前受金など15億6千4百万円増加したことなどによって、35億2千万円増加しました。固定負債は、退職給付に係る負債の増加などで1億1千5百万円増加しました。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ36億3千5百万円増加し、131億7千1百万円となりました。
純資産
利益剰余金の増加により株主資本が6億2千万円増加しました。また、その他の包括利益累計額がその他有価証券評価差額金の減少などにより4億4千1百万円減少しました。
この結果、当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億7千9百万円増加し、182億2千6百万円となりました。
(2) 経営成績及びキャッシュ・フロー
第2.事業の状況 1.業績等の概要 の項目をご参照下さい。