文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社の企業グループの基本方針といたしましては、「我々は、技術の本質を謙虚に探索し、自然随順に即した応用で広く世界に貢献しよう」を“我々のロマン”として掲げ、「超精密とメカトロメーションの追求」を製品政策の基本とし、お客様のニーズに応えるユニークな製品づくりと、ご満足いただくための完璧な製品と、メンテナンスサービスの提供をめざしてまいりました。変化の激しいボーダレスなスピード経済の真っ只中で、市況に左右されない健全な経営基盤を確立するために、提案型営業の積極的展開による受注確保と特徴のあるオンリーワン製品・システムのスピーディな開発、当社製品を安心してお使いいただけるサービス体制の強化、そして徹底したコスト削減を図っております。当社の企業グループの2023年度経営方針の重点は次のとおりであります。
重点項目
① 受注の確保
② コストの削減
③ 品質の向上
上記達成のための方策
① 顧客第一のCBS営業の展開
② 既存優良顧客との1対1のマーケティング
③ 成長市場や優良企業への新規開拓強化
④ 海外の技術・販売提携先との連携強化
⑤ 国内外に通じたサービスの強化
⑥ 徹底した経費の削減
⑦ 標準化・共通化の徹底
⑧ 予知管理を重視し、社内不良の撲滅を図る
⑨ 売れる製品・システムのスピーディな開発
⑩ 次世代の主力製品の開発
激変する経営環境の中でも安定した企業経営を行うためには、財務基盤を強固なものにしておくことが重要であると考えております。当社では経営の主たる指標としてROE(自己資本利益率)、経常利益率及び自己資本比率を使用しております。
また資金の流れを認識するためにキャッシュ・フローも重視しております。
当社グループといたしましては、さらに市場競争は激化してくるものと認識いたしております。変化の激しい時代にあっても、「製品力の向上」と「販売力の強化」によって受注・売上の拡大、更にはコストダウンや経費削減に一層注力し、連結ベースでの安定成長及び収益確保に努めていく所存であります。
次期のわが国経済は、漸く新型コロナウイルス感染症対策が緩和され、経済活動が戻りつつある中で、景気も緩やかに回復基調に復帰することが期待されます。しかしながら、半導体の供給不足や原材料価格の高騰、更にはウクライナ情勢の緊迫化等のリスクを引き続き注視する必要があり、依然として先行き不透明感が続いております。
そのような状況の中、中期経営計画「チャレンジ280」の最終年度である2023年度も引き続き、「危機感」と「決断」と「スピード」を常に念頭におき、変化に対応することによって、受注・売上を拡大し、市場競争を勝ち抜く所存であります。
セグメント別の具体的な取り組みについては、次のとおりであります。
搬送機械事業
搬送機械事業では、少子高齢化に伴う労働力不足に備えて、ロボティクス・マテハンを事業の柱に育てるよう取り組んでおります。物流業界においては「2024年問題」が大きく取り沙汰されており、とりわけ急務となっているトラック運転手の労働環境の改善へ向け、当社としては、トラックに対する積み込み・積み下ろし作業の自動化機器開発に取り組んでまいります。サービス事業については、コールセンターを中心に、お客様のニーズに即したご提案を行い、リニューアルや定期的な点検・メンテナンスにて顧客満足度向上に努め、受注に繋げてまいります。
産業機械事業
産業機械事業では、ゲート市場において、昨今の相次ぐ自然災害により、老朽化した利水ダムの開閉装置更新需要が伸長の兆しを見せております。一方、電力・鉄鋼・化学市場においてはブラックアウト(停電対応・無停電動作)への対応が求められており、バッテリーによる停電時緊急動作が可能な製品の開発を一部完了いたしました。今後へ向けては、脱炭素・カーボンニュートラルへの対応が事業発展の鍵となります。インフラ市場を主軸とする産業機械事業も、この市場環境の変化に柔軟に対応し、時代に即した製品開発・市場投入で社会に貢献してまいります。
精密機械事業
精密機械事業では、新型コロナウイルス感染症の影響で中国への渡航が極めて困難な中、リモート機器を駆使した営業やサービスの活動により、中国を中心に受注・売上を伸ばしてまいりました。規制が緩和されてきている中国以外の地域においては、東南アジアを中心に営業、サービス活動を強化し、更なる受注拡大に注力してまいります。国内に関しては、ワイヤ放電加工機新機種の広告宣伝活動を積極的に進め、事業の拡大と成長に取り組んでまいります。
当社グループといたしましては、中期経営計画に基づきESG(環境・社会・ガバナンス)重要課題やSDGsに取り組むことで、サステナブルな社会の実現と企業価値のさらなる向上を図るとともに、事業の継続的成長に繋げてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社はグループ全体で組織している中央環境管理委員会において「気候関連のリスクと機会」を含むグループを取り巻く現状を把握、これらを分析し重要度や緊急度などに応じて環境目標を定め、環境改善活動を行っています。「気候関連のリスクと機会」は上部組織であり取締役をメンバーとするリスク管理委員会において共有しています。活動の結果は取締役である「トップマネジメント」へ報告を行い、当該事業年度の総括と次年度の活動方針について指導・助言を受けています。これらを通じて環境改善活動が取締役のコミットメントのもと、人財や資材、費用、情報において事業プロセスと統合されていることを確かなものとしています。また、2021年度から取締役が統括するSDGs推進室を立ち上げ、ESGの観点で持続可能性を推進する活動を開始しました。
当社は、会社がおかれている状況を把握するために「組織内外の課題」や「利害関係者の期待」などを年度ごとに中央環境管理委員会で審議、これらに関連する「リスク及び機会」について見直し・追加・削除などを行っています。情勢変化をとらえビジネスや事業戦略、財務計画に及ぼす影響が大きい「リスク及び機会」をタイムリーに把握することで、リスクの低減や機会の獲得に向けた効果的な対策を検討しております。
また、急速なデジタル化の進展やカーボンニュートラルなどの流れを受けて、世の中に大きな変化の波が押し寄せています。新たな成長の息吹がそこに発生し、そのチャンスをいかに掴むか、変化の波に対応した取り組みが必要であります。変化に柔軟に対応していくためには、多様な価値観を持った人財の活躍が求められます。当社の強みを活かし持続的かつ安定的な成長を実現するために、人財の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略として下記3項目を最重要テーマとして位置付けております。
①多様性の推進
女性や経験・知識を持つ中途採用者など、多様な人財の採用を積極的かつ継続的に実施しています。また、2022年10月に女性活躍推進委員会を新設し、『女性がやりがいを持ってイキイキと働ける職場づくり』をコンセプトに、職場の課題解決に向けた取り組みを実施していきます。女性活躍推進の取り組みは、性別に関係なく誰もが働きやすい職場環境を実現することに繋がると考えています。さらに、中途採用者を対象とした、当社の理念や方針及び組織風土の理解、自己キャリアビジョンの明確化、社内ネットワークの構築等を目的とした研修を実施しております。これらを通して、誰もが自由に働き方やキャリアを選択でき、その選択が尊重される環境を追求することによって、多様な人財の活躍を推進し、当社全体の組織力向上を目指します。
②人財育成
2022年に当社の求める人財像「周囲から信頼される人財」を策定し、新たな教育体系図を作成しました。当社の社是に「ゆるぎなき信頼が明日を拓く」とある通り、当社の求める人財像には、この「信頼」という言葉が大きなキーワードになります。当社で働く一人ひとりが「周囲から信頼される人財」となるために、社員が自律的にキャリアを形成できる仕組みづくりとして、年次別研修、役職別研修、次世代管理職研修、次世代経営層研修等を実施しております。このような研修を通して人財を育成し、人的資本を拡充することへつなげてまいります。
③働きやすい環境づくり
当社においては、多様な価値観や個性を持った従業員がお互いを認め、尊重し合い、誰もが心身ともに健康でその能力を十分に発揮できる働きがいのある職場環境を目指しています。その実現に向けて、2022年度は全社員対象にハラスメント研修(eラーニング)を実施しました。また、入社3年未満の社員に対して、問題や悩みの早期解決を目的として、人事課員によるフォローアップ面談を3か月に1回程度行い、安心して働くことができる職場づくりに繋がる取り組みを継続して実施しております。
当社は抽出した「気候関連のリスクと機会」を環境改善活動の結果から、その妥当性を評価しています。また、社会情勢の急変、為替変動など経済状況、自社商品構成の変化、サプライチェーンや製造工程の変化、法改正、人的要因などにより新たに顕在化した事象などにより生じる「リスク及び機会」を各部署・各部門から集めて、中央環境管理委員会で審議のうえ、追加、修正、削除等を行い、当該事業年度のマテリアリティや環境改善目標決定の判断材料として使用します。気候関連リスクを把握・管理している中央環境管理委員会は、グループ全体のリスク管理を総括している全社リスク管理委員会の下部組織となっています。全社リスク管理委員会は取締役を中心として構成され、年に2回開催する委員会において、各組織と経営層の間でリスクについて情報を共有しています。
当社では気候変動のリスクと機会に対応するためにGHG排出量(Scope1及びScope2)、物品の購入量、廃棄物排出量を評価指標と定め、2022年度実績から毎年1%削減を目標として毎年の活動を評価しており、実績は「環境活動報告書」に含まれる「年度環境活動結果」にまとめてグループ内で共有しています。
また、人財の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略として記載の通り、多様な人財の活躍による組織力向上、人財育成による人的資本の拡充及び働きがいのある職場環境の実現を目標としており、管理職に占める女性労働者の割合、労働者の男女の賃金の差異及び男女の平均勤続年数をそれらの指標として定めております。なお、当該指標についての実績は、
当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
①顧客の経営成績及び景気動向
当社グループには設備機械関連の製品があります。よって顧客の経営成績及び顧客の属する業界の景気動向が、当社グループの受注、売上に影響する可能性があります。また零細企業との取引もあり、これらの企業は好不況の影響を受けやすい面があります。
②価格競争
当社グループの属する業界は、競合会社の多い業界であります。顧客ニーズに応えるために競合他社にはないオンリーワン製品の開発に注力しておりますものの、他社と競合する場合は価格競争となることがあります。これが販売価格の低下を引き起こす可能性があります。
③公共投資の影響
当社グループには、公共投資関連向けの製品があります。これらの製品の受注、売上は、政府や地方公共団体の政策に影響を受ける可能性があります。また下半期に売上が集中するために、生産も上期、下期のアンバランスが生じております。よって売上は年度当初の立ち上がりが遅い等の影響を受けます。
④海外環境
当社グループは、海外への輸出(特にアジア)を行っております。よって為替相場、輸出相手国の景気動向、政情不安及び自然災害等が、当社グループの海外向けの受注、売上に影響する可能性があります。
⑤原材料価格の変動
当社グループの製品の殆どが鉄鋼、鋳物等の金属部品を原材料としております。わが国の金属の調達は海外依存度が高いために、海外の景気や為替の変動、政情不安等の社会的混乱によって、原材料価格が変動する懸念を有しており、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥新製品開発力
当社グループは、お客様のニーズに対応した、オンリーワン製品、システムの開発を行っております。開発のための経営資源は、企業規模から一定の制約がありますので、開発テーマは重点を絞らざるを得ません。このため新たに開発した製品・システムが市場ニーズに的確にマッチしない場合は、業績が低下する可能性があります。
また、お客様のニーズは常に変化しており、その変化のスピードに対応できる新製品開発力が必要となります。
⑦仕込生産品
当社グループは、顧客納期の対応のため仕込生産を行っております。これは、市場の情勢や売上計画を基に決定しております。仕込生産は最低限で行っておりますが、万が一市場の情勢の変化や顧客の都合等で売上の減少により、仕込生産品の別の製品への流用が出来ず使用が見込めない場合は、仕込生産品が不良資産となる可能性があります。
⑧品質のコントロール
当社グループの製品は、高度な技術を利用したものであります。また原材料等は外部から多品種かつ大量に調達を行っております。よって品質のコントロールは複雑化しております。万が一当社グループの製品に欠陥が生じた場合は、当社グループがその欠陥によって生じた損害を補償するとともに、当社グループの製品の信頼度や売上に影響を及ぼす可能性があります。
⑨コンピュータートラブル
当社グループの生産・販売並びに会計システムは、コンピューターシステムを使用しております。停電の時のために無停電電源装置の導入、サーバー故障の時のためのバックアップ等のトラブル対策は行っておりますが、万が一予想外のトラブルが発生した場合、当社業務活動に影響を及ぼす可能性があります。
⑩知的財産権
当社グループは、製品技術やデザインまたその製造過程等に知的財産権を利用しております。また必要な場合は、第三者から知的財産権の取得や借用を行う場合があります。これらの権利の保護、取得、維持がうまく行かなかった場合は、当社グループの製品の生産や販売に影響を及ぼす可能性があります。
⑪退職給付債務
当社グループは、数理計算によって算出される退職給付債務を負担しています。これは前提条件や年金資産の期待収益から算出されており、前提条件が変更されたり、期待収益が実際の結果と異なった場合は、その影響は将来的にも蓄積され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫事故災害
当社グループは、火災等の事故や災害を防止するために設備の点検、消火組織及び設備の充実、自衛消防隊をはじめとする各種の安全活動を行っております。しかしこれらの対策にも拘わらず事故や災害は発生する可能性があります。発生した場合の対策として災害保険に加入していますものの、生産力低下による売上高の減少や、設備の代替や修復のために多額の資金を要するなどの当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬株式等の有価証券の時価下落
当社グループは、株式等の有価証券を保有しております。これらの有価証券の時価が著しく下落した場合は、評価損となり当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭環境問題
当社グループは、環境に関する法令を遵守し、今後も違反しないよう設備の充実や社員教育を行っております。しかしながら将来的に環境に関する規制が一層厳しくなり、現行法令の改正や新たな法令の制定が行われた場合は、その対策のための費用が発生し当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の落ち込みから持ち直しの動きが見られましたものの、急激な円安による輸入コストの増加により物価高騰の影響が広範囲に渡り発生しました。また、製造業を中心に半導体をはじめとした電子部品の供給不足による生産への影響や原材料価格の高騰、さらには地政学的リスクの懸念による資源価格の高騰等もあり、依然として先行き不透明感が続いております。
この様な情勢の中で、2021年度から2023年度までの中期経営計画「チャレンジ280」を策定し、どのような環境下にありましても、「危機感」と「決断」と「スピード」を常に念頭におき、変化に対応することによって、受注・売上を拡大し、市場競争を勝ち抜くべく、全社を挙げて努力してまいりました。さらに、中期経営計画に基づきESG(環境・社会・ガバナンス)重要課題やSDGsに取り組むことで、サステナブルな社会の実現と企業価値のさらなる向上を図っております。
その結果、当社グループの連結業績は、受注高は全ての報告セグメントにおいて前連結会計年度を上回ったことにより328億8千4百万円(前期比12.0%増)と、これまで最高だった2017年度を上回る過去最高額となりました。売上高は、主に精密機械事業と搬送機械事業が増加して284億7千8百万円(前期比8.2%増)となり、2018年度に次ぐ過去2番目の記録となりました。損益においては、価格転嫁等により売上高は増加し、コストダウンを進めているものの原材料・資源価格の高騰等もあり、経常利益は過去3番目の記録となる25億3千万円(前期比10.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は18億6百万円(前期比7.0%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
搬送機械事業
搬送機械事業では、既存顧客からのリピート受注、自動倉庫や生産・物流分野等にピッキングシステムや新商品を使ったソリューションを提案するとともにサービス・メンテナンスにも注力し、拡販を図ってまいりました。その結果、受注高は自動化や省人化の高まりを背景に既存顧客からの大口物件の成約や電子部品の長納期化による前倒し受注等があり119億3千6百万円(前期比24.5%増)、売上高は93億5千1百万円(前期比7.0%増)となりました。
産業機械事業
産業機械事業では、民間需要の掘り起こしやゲート分野を中心とした既存市場におけるシェアアップ、サービス・メンテナンスに注力してまいりました。その結果、受注高は上下水道向けや水力発電所向けが増加し過去最高の64億9千4百万円(前期比5.3%増)、売上高は前連結会計年度にあった大型物件がなかったことから60億4千4百万円(前期比2.9%減)となりました。
精密機械事業
精密機械事業では、国内は補助金効果もあり設備投資需要の回復基調が見られ、海外は中国向けワイヤ放電加工機の輸出で中国ゼロコロナ政策の影響をやや受けたものの堅調に推移し、受注高は138億2千8百万円(前期比5.3%増)、売上高は124億7千2百万円(前期比14.4%増)といずれも過去最高額となりました。
その他の事業
その他の事業では、機械機器部品・立体駐車装置の販売、営繕工事等を行っており、営繕工事において大口物件があったことから、受注高は6億2千5百万円(前期比35.7%増)、売上高は6億9百万円(前期比32.2%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 財政状態
資産
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末より3億3千3百万円減少し、250億7千万円となりました。その主な要因といたしましては、受取手形、売掛金及び契約資産が11億3千万円、原材料及び貯蔵品が6億8千5百万円、仕掛品が2億1千9百万円、電子記録債権が1億8千1百万円増加しましたものの、現金及び預金が26億6千2百万円が減少したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末より21億9千6百万円増加し、200億4千5百万円となりました。その主な要因といたしましては、建物及び構築物が2億8千9百万円減少しましたものの、建設仮勘定が18億8千8百万円、機械装置及び運搬具が4億1千3百万円、無形固定資産が1億7千2百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ18億6千3百万円増加し、451億1千6百万円となりました。
負債
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末より7億9千5百万円増加し、126億6千7百万円となりました。その主な要因といたしましては、未払法人税等が2億2千4百万円、未払費用が2億1千2百万円減少しましたものの、電子記録債務が8億1千1百万円、支払手形及び買掛金が3億1千9百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末より2千4百万円減少し、40億3千7百万円となりました。その主な要因といたしましては、繰延税金負債が1億1千8百万円増加しましたものの、製品保証引当金が9千4百万円、退職給付に係る負債が2千4百万円、固定負債のその他が2千4百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ7億7千万円増加し、167億4百万円となりました。
純資産
当連結会計年度末における株主資本は、前連結会計年度末より11億2千4百万円増加し、215億4千6百万円となりました。その主な要因といたしましては、利益剰余金が11億2千4百万円増加したこと等によるものであります。その他の包括利益累計額は、前連結会計年度末より3千1百万円減少し、68億6千4百万円となりました。その主な要因といたしましては、その他有価証券評価差額金が4千9百万円増加しましたものの、退職給付に係る調整累計額8千1百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億9千2百万円増加し、284億1千1百万円となりました。
(3) キャッシュ・フロー
① キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ26億6千2百万円減少し、109億9千1百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は13億3千4百万円(前連結会計年度は36億2千8百万円の増加)となりました。その主な要因といたしましては、税金等調整前当期純利益24億8千5百万円や売上債権及び契約資産の増加13億7百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は32億8千万円(前連結会計年度は2億4千万円の減少)となりました。その主な要因といたしましては、有形固定資産の取得による支出32億1千6百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は7億1千7百万円(前連結会計年度は5億5千8百万円の減少)となりました。その主な要因といたしましては、配当金の支払6億8千万円を行ったこと等によるものであります。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資が主な資金需要であり、これらの必要資金は、利益の計上、減価償却費等により生み出される内部留保により賄うことを基本方針としております。
当連結会計年度におきましては、確固たる経営基盤の構築を見据え、既存設備の老朽化更新や生産能力増強、外注品の内製化等の設備投資を継続的に実施いたしましたが、営業活動によるキャッシュフローの増加等により、当連結会計年度末における当社グループの資金の残高は109億9千1百万円と、前期末比26億6千2百万円減少いたしました。
また、当面の設備投資などは自己資金で賄う予定であり、設備の新設等の詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(4) 経営指標
激変する経営環境の中でも安定した企業経営を行うためには、財務基盤を強固なものにしておくことが重要であると考えております。当社では経営の主たる指標としてROE(自己資本利益率)、経常利益率及び自己資本比率を使用しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(1) 業務・資本提携
当社グループは、「超精密とメカトロメーション」に直結する、オンリーワン製品・システムの開発に注力しております。当連結会計年度の技術開発の主なものは次のとおりであります。
研究開発は、各セグメント毎で行われており、研究開発スタッフは30名で、これは総従業員の5.1%にあたります。
当連結会計年度における研究開発費は、
(搬送機械事業)
1966年の日本初・国内製「スタッカークレーン」の開発から56年、モデルチェンジを繰り返しつつ、商品改良を重ねてまいりました。お陰様で、永きに亘りご愛顧頂けるロングセラー商品となったものの、直近のフルモデルチェンジから10年が経過し、受注拡大に向けてはコンペチタとの差別化が急務となり、“軽負荷増速機能”を特徴とした「新型スタッカークレーン」を開発いたしました。この機能により、クレーンが搬送する積荷の重量に応じた速度の制御が可能となり、搬送能力の向上・部品点数の削減を実現しております。同商品は2022年10月より販売を開始しております。今後も製販一体で市場ニーズと真摯に向き合い、時世に即した商品開発に注力してまいります。
当事業における当連結会計年度の研究開発費は
(産業機械事業)
昨今の異常気象におけるブラックアウト(大規模停電)の発生時に、発電所やガス供給ライン等の電動バルブについて、設備が大規模になりかつメンテナンス費用が大きいという課題がありました。そのような課題の打開策として、アクチュエータにバッテリーを搭載し、停電検知時には自動的にバルブの遮断・開放を可能にする緊急時バックアップシステムSBS(Seibu Backup System)を開発いたしました。従来方式では、システム全体の電源をバックアップしていたのに対し、対象とするバルブを重要なバルブに限定し、個別のバッテリー交換を可能とすることで、お客様のメンテナンス費用削減を実現しております。この度、国立研究開発法人様に「SBS」を納入し、高評価を得ることができました。この実績を足掛かりに、地熱発電所やバイオマス発電所及びガス会社などにも提案を行い、受注拡大を図ってまいります。
当事業における当連結会計年度の研究開発費は
(精密機械事業)
新型ワイヤ放電加工機4機種において、従来のMMシリーズのピッチ加工精度を±1µmと更に高精度化し、新たに「UPシリーズ」としてリリースいたしました。また、構成部品については「HPシリーズ」との共通化を図り、生産性を向上させた事で、超精密でありながらコストパフォーマンスに優れたラインアップとなりました。この製品は、メンテナンス管理を加工機のCNC画面上で行うことができ、メンテナンス方法を動画で参照できる機能も搭載した事で、熟練の作業者でなくとも簡単に作業を行えるようになっています。また、IoTへの対応についても現在の稼働状況をメールだけでなく、SNSにも通知することが出来るよう改良し、更に、SNSを使って問い合わせをする事で、リアルタイムな画面キャプチャを取得することも可能です。今後もより高精度且つ、より使いやすい製品の開発に取り組んでまいります。
当事業における当連結会計年度の研究開発費は