第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に景気の弱さも見られますが、企業収益や雇用環境の改善などを背景に緩やかな回復基調が続いています。また、世界経済は全体的には緩やかに回復しているものの、米国の金融政策正常化の影響や、中国やその他アジア新興国経済の減速、原油価格の下落の影響など、先行き不透明な状況が続いています。

 このような状況の中で当社グループは、音響機器事業のうち、一般AV機器では、ギブソングループのマルチブランド戦略の中で新たな変革を目指し、従来製品カテゴリーの見直し、マーケティングの強化によるブランド価値の向上を進めました。また、音楽制作オーディオ機器では、当社中国生産子会社の体制を見直し、コスト削減、および原価低減を達成しました。さらに、情報機器事業では、2015年9月末に当社のストレージデバイス事業の子会社である台湾ティアック有限公司の事業を株式会社アルメディオに譲渡し、事業の選択と集中をさらに進め、当社のコア技術に基づいた事業カテゴリーに経営資源を集中し成長を目指してきました。

 当連結会計年度におきましては、売上は全体として前期を上回り、音響機器事業、情報機器事業とも増収となりました。また、音響機器事業におけるコストダウンによる売上総利益の改善や全社的な販管費の削減により、営業利益につきましては、黒字化しました。

 この結果、当社グループの連結会計年度の売上収益は20,455百万円(前期比0.1%増)、営業利益は43百万円(前期営業損失1,403百万円)、親会社の所有者に帰属する当期損失196百万円(前期親会社の所有者に帰属する当期損失1,870百万円)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

① 音響機器事業

 音響機器事業の売上収益は13,097百万円(前期比2.3%増)となり、セグメント営業利益は750百万円(前期比98.3%増)となりました。

 高級AV機器(ESOTERICブランド)は、SACDプレーヤーの既存品が順調に推移し、またアンプやネットワークプレーヤーなどの新製品や高額スピーカーも比較的好調に推移しました。輸出はアジア市場が好調を維持、あわせて欧米市場が伸長しました結果、前期と比較して増収増益となりました。

 一般AV機器(TEACブランド)は、前期に引き続き、レコード復活のブームを追い風に一体型レコードプレーヤーシステムや単品ターンテーブルが大きく伸長しました。また、大手流通向け製品は堅調に推移し、輸出はターンテーブルやハイレゾ関連の新製品が貢献して主に欧州、北米で前期に比較して伸長、全体としては増収、赤字幅は縮小しました。

 音楽制作オーディオ機器(TASCAMブランド)は、楽器市場向けにおいては、リニアPCMレコーダー、マルチトラックレコーダー(DIGITAL PORTASTUDIO)の北米、国内での販売が前期より低調となりましたが、USBオーディオインターフェイスはラインナップの拡充により販売が増加しました。設備市場においては、ソリッドステートレコーダー、CDプレーヤーは安定した販売となりましたが、カセット、MiniDiscなどの旧メディア製品の国内外での需要減により、販売は減少しました。放送局向け機器の販売は、国内において、多くの案件を受注した事により前期を上回りました。デジタル一眼レフカメラ用リニアPCMレコーダーの販売は、北米以外のほぼ全地域で伸長したものの、北米での販売の落ち込みが響き、若干減少しました。輸入商品においては高額新製品の販売に注力し、利益率の改善を行いました。

 

② 情報機器事業

 情報機器事業の売上収益は6,662百万円(前期比1.8%増)となり、セグメント営業利益は664百万円(前期比13.7%増)となりました。

 航空機搭載記録再生機器は、機内エンターテインメント機器の国内向け販売は好調に推移したものの、海外顧客向けの大口案件の出荷が延伸したことから減収となりました。計測機器はデータレコーダー(WX-7000)が通期で好調に推移したことに加え、官公庁向け「生体測定器」の大型プロジェクトの販売により増収となりました。センサーは高額製品の販売および半導体製造装置向けセンサーの販売が好調に推移しました。医用画像記録再生機器は国内での消化器内視鏡向け記録機器の販売が伸びずに低調に推移しましたが、手術画像用レコーダーは海外の大口案件などもあり好調に推移しました。ソリューションビジネスは開発受託が好調を維持し増益となりました。一部海外販売子会社で継続している産業用光ディスクドライブは、事業譲渡により減収減益となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比較して302百万円減少し、2,524百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、339百万円のマイナス(前期680百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、マイナス要因としては、営業債務及びその他の債務の増減額の減少294百万円であります。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、183百万円のプラス(前期316百万円のプラス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、事業譲渡による収入208百万円、売却可能金融資産の売却による収入240百万円、マイナス要因としては、有形固定資産及び無形資産の取得による支出294百万円であります。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は、100百万円のマイナス(前期339百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、短期借入金の純増減額93百万円、マイナス要因としては、長期借入金の返済による支出82百万円、リース債務の返済による支出92百万円であります。

 

(3)並行開示情報

 連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。)に従い、日本基準に基づき作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりです。

 なお、当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

 また、百万円未満を切り捨てて表示しております。

 

① 要約連結貸借対照表(日本基準)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

(2015年3月31日)

当連結会計年度末

(2016年3月31日)

資産の部

 

 

流動資産

11,746

10,584

固定資産

3,699

3,180

有形固定資産

2,593

2,206

無形固定資産

614

589

投資その他の資産

491

384

資産合計

15,445

13,765

 

 

 

負債の部

 

 

流動負債

5,598

5,420

固定負債

6,644

6,635

負債合計

12,243

12,056

 

 

 

純資産の部

 

 

株主資本

6,611

6,259

その他の包括利益累計額

△3,475

△4,624

非支配株主持分

66

73

純資産合計

3,202

1,708

負債純資産合計

15,445

13,765

 

② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)

要約連結損益計算書

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2014年4月1日

至 2015年3月31日)

当連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

売上高

20,328

20,402

経常利益又は経常損失(△)

△689

4

特別利益

101

16

特別損失

1,176

303

税金等調整前当期純損失(△)

△1,765

△281

期純損失(△)

△1,830

△346

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△1,831

△352

 

要約連結包括利益計算書

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2014年4月1日

至 2015年3月31日)

当連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当期純損失(△)

△1,830

△346

その他の包括利益

815

△1,148

包括利益

△1,015

△1,494

(内訳)

 

 

親会社株主に係る包括利益

△1,020

△1,501

非支配株主に係る包括利益

5

6

 

③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)

前連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)

(単位:百万円)

 

株主資本

その他の

包括利益累計額合計

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

7,908

△4,291

61

3,678

会計方針変更による

累積的影響額

543

3

547

当期変動額

△1,840

815

1

△1,023

当期末残高

6,611

△3,475

66

3,202

 

当連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)

(単位:百万円)

 

株主資本

その他の

包括利益累計額合計

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

6,611

△3,475

66

3,202

当期変動額

△352

△1,148

6

△1,493

当期末残高

6,259

△4,624

73

1,708

 

④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2014年4月1日

至 2015年3月31日)

当連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

△582

△424

投資活動によるキャッシュ・フロー

267

162

財務活動によるキャッシュ・フロー

△389

106

現金及び現金同等物に係る換算差額

353

△145

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△350

△301

現金及び現金同等物の期首残高

3,175

2,825

現金及び現金同等物の期末残高

2,825

2,523

 

⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)

 前連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)

 (退職給付に関する会計基準等の適用)

 「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号平成24年5月17日。以下「退職給付会計基準」という。)及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号平成27年3月26日。以下「退職給付適用指針」という。)を、退職給付会計基準第35項本文及び退職給付適用指針第67項本文に掲げられた定めについて当連結会計年度より適用し、退職給付債務及び勤務費用の計算方法を見直し、退職給付見込額の期間帰属方法を期間定額基準から給付算定式基準へ変更するとともに、割引率の決定方法を退職給付の支払見込日までの平均期間に近似した年数を反映した単一の割引率を使用する方法から退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用する方法へ変更しております。

 退職給付会計基準等の適用については、退職給付会計基準第37項に定める経過的な取扱いに従って、当連結会計年度の期首において、退職給付債務及び勤務費用の計算方法の変更に伴う影響額を利益剰余金に加減しております。

 この結果、当連結会計年度の期首の退職給付に係る負債が547百万円減少し、利益剰余金が543百万円、非支配株主持分が3百万円増加しております。なお、この変更による当連結会計年度の損益に与える影響は軽微であります。

 

 (有形固定資産の減価償却方法の変更)

 当社及び国内連結子会社は、平成10年4月1日以降に取得した建物(建物付属設備を除く)以外の有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について定率法を採用しておりましたが、当連結会計年度より定額法に変更いたしました。

 この変更は、これまで当社の主力事業であったパソコン向け光ドライブ事業からの撤退及び、平成25年5月の親会社変更により、当社の主力製品が音響機器製品にシフトした事を契機に、有形固定資産の減価償却方法について再度検討した結果、国内設備について今後は安定的な稼働や収益の獲得が見込まれることから、期間損益を適正化することが適切であると判断したことによるものです。なお、この変更による損益に与える影響は軽微であります。

 

 当連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)

該当事項はありません。

 

⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

 

前連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)

 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 32 IFRSへの移行に関する開示」を参照して下さい。

 

当連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)

・在外営業活動体の換算差額

 IFRSでは、移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロとみなすことを選択することができます。

 上記の結果、移行日現在のその他の包括利益累計額のうち、在外営業活動体の換算差額3,430百万円を全額利益剰余金に振り替えております。

 

・退職給付の調整

 日本基準においては数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として認識し、一定年数にわたって償却することによって純利益への振り替えが行われております。IFRSでは数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として認識し即時に利益剰余金に振り替えております。その結果、退職給付に係る調整累計額694百万円を利益剰余金に振り替えております。

 

・有形固定資産の公正価値評価

 IFRS適用にあたってIFRS第1号にあるみなし原価の免除規定を適用し、一部の有形固定資産について移行日現在の公正価値を当該日現在のみなし原価としております。その結果、IFRS移行日における帳簿価額の差額633百万円を利益剰余金に振り替えております。

 

・有給休暇に係る債務の調整

 日本基準においては認識していない有給休暇に係る債務について、IFRSでは未消化の有給休暇について負債認識しております。その結果、IFRSにおける引当金が350百万円増加しております。

 

・売上収益、売上原価の調整

 日本基準では、一部の物品販売取引について出荷時点で収益を認識しておりましたが、IFRSでは物品の引渡時点で収益を認識しております。

 その結果、売上収益が184百万円、売上原価が109百万円それぞれ増加しております。

 

・個別開示項目

 当社グループは一時的に発生する特定の収益又は費用について、その金額に重要性がある場合には、経営成績に対する影響を明らかにするために、連結損益計算書において個別開示項目として表示しております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

音響機器事業

6,094

7.0

情報機器事業

1,092

6.0

その他

634

△40.1

合計

7,821

0.4

(注)1 金額は製造原価によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当社グループの製品は、原則として需要見込生産であり、該当事項はありません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

音響機器事業

13,097

2.3

情報機器事業

6,662

1.8

その他

696

△36.2

合計

20,455

0.1

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 音響機器事業のBtoC事業における収益力向上が、短期的な最重要課題と捉えております。これまでに取り組んだ中国工場の構造改革やマーケティング活動の成果を確実に刈り取ることに加え、競合他社が提供できていない付加価値を提供することで、新規市場での成長と収益安定化を目指してまいります。

 そのために、顧客とのコミュニケーションの機会を増やすべく、国内外で人材の配置および体制の構築を進めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主として次のようなものであります。

① 経済状況の変動による影響

1)当社グループ製品の需要への影響

 当社グループは、日本、米大陸、欧州、アジア等の地域において民生用、産業用製品の販売を行っており、その地域の市場の経済状況により当社製品の需要は影響を受けます。概ね当社グループの民生用製品はその性格上生活必需品とは言えず、一般消費者の可処分所得、嗜好の変化により需要動向が変化し、また産業用製品は主に顧客の設備投資の状況等により需要が変化します。従いまして、日本、米大陸、欧州、アジア等における景気悪化等経済状況の変動、消費者嗜好の変化等による需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

2)当社グループの取引先への影響

 経済状況の急激な変動は当社グループの仕入先や販売先の経営にも影響を与えることがあり、当社グループでは、取引先の評価、代替取引先の手当て、与信管理、債権保全等の措置を講じてはおりますが、影響を完全に排除することは困難であります。従いまして、これら取引先の経営状況も当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

3)当社グループの銀行取引への影響

 事業の運営のため取引銀行からの借入金の確保は不可欠でありますが、経済状況の変化により、金融機関の貸出し姿勢が厳しくなり、当社グループの取引金融機関からの新規借入金、借入金の継続に支障をきたす状況となった場合、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

② 為替相場の変動による影響

 当社グループは海外における生産・販売活動の比重が高いことから外貨建売上・仕入・費用、外貨建の債権債務の割合が大きく、また海外に子会社を保有していることから、下記のように為替相場の変動によって当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

1)営業損益への影響

 当社グループの場合、米ドルにつきましては、生産あるいは仕入での割合が高く、また国内販売に対して、円高は営業損益に好影響を与えますが、ユーロとポンドは概ね販売のみであることから、それらの通貨に対する円高は当社グループの営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。また、当社グループの海外子会社の収益及び費用は、連結会計年度の四半期平均レートにて円換算されてた収益及び費用を積上げており、通常各国通貨に対する円高は売上高、営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。

 

2)金融費用純額への影響

 当社グループは外貨建の債権債務を保有することから、期末日の為替レートの変動により為替差益または為替差損が発生し、金融費用純額に影響をもたらします。一般的に他の通貨(米ドル、ユーロ、ポンド等)に対する円高は当社グループの金融費用純額に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの金融費用純額に好影響をもたらします。当社グループは為替予約および通貨オプションにより短期の為替相場の変動リスクをヘッジしておりますが、急激な為替変動により、為替差損が発生する可能性があります。

 

3)純資産への影響

 当社グループの海外子会社に対しては主として現地通貨にて投資を行っており、期末日の為替レートの変動により為替換算調整勘定が変動し、純資産に影響を与えます。一般的に他の現地通貨に対する円高は純資産の減少となり、円安は純資産の増加をもたらします。

 

③ 事故・災害等の影響

 地震等の自然災害、テロ等の人為的災害、事故、又は新型インフルエンザ等の疫病の各種災害により、当社グループの設備、情報システム、従業員、取引先等の操業に影響が出る可能性があります。これらの災害に際して事業への影響を完全に排除し、復旧対策等を備えることは困難であります。従いまして、このような災害発生時には企業活動が妨げられ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

 

④ 訴訟その他の法的手続について

 当社グループは、当社及び当社の米国現地法人ティアックアメリカ, INC.は、2009年11月3日に米国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所において、光ディスクドライブ装置の価格カルテルを行ったとする主張に基づき、KI,INC.を原告代表とする集団訴訟の提起を受け、その後、カナダの5州においても同様の集団訴訟の提起を受けております。米国の集団訴訟において、2015年1月に原告のClass Certificationの再申請が認められ、訴訟が進行したことに伴い、2016年3月期において、今後訴訟の解決までに発生する可能性の高い関連費用を合理的に見積り、訴訟損失引当金626百万円を計上しております。以上のほか世界各国で事業活動を行っており、事業を遂行する上で訴訟その他の法的手続に関するリスクを有しております。各国の法制度、裁判制度の違いもあることから、訴訟及び規制当局による措置により、当社グループが当事者となる可能性のある訴訟、法的手続きを予想することは困難であります。重大な法的責任又は規制当局による措置は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑤ 公的規制について

 当社グループの事業活動は、当社グループが事業を行う各国の多様な規制の適用を受けます。このような規制には、投資、貿易、公正な競争、知的財産権、租税、為替、環境・リサイクルに関する規制、安全保障等の理由による輸出制限を含みます。これらの公的規制の変更及び変更に伴う法規制遵守のため、追加的費用が発生した場合、また、万一これらの規制に対する違反等が発生し、罰金、課徴金の納付命令その他の措置が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑥ 製品の品質とその責任について

 当社グループの生産工場は、世界的に認められている品質管理基準により製品の製造を行っております。しかし、当社グループの製品は、高度、複雑な技術を利用したものが増えており、また、外部の供給者からの調達もあるため品質管理へのコントロールは複雑化していることから、すべての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。従いまして、当社グループの製品に欠陥等の問題が生じた場合には、それに関連するコストの発生、当社グループの製品の品質への信頼に影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑦ 製品含有化学物質について

 当社グループの製品は、多数の素材及び部品から構成されており、部品等を外部の供給者から調達していることにより、含有化学物質のコントロールは複雑化しております。当社グループでは、規制化学物質が基準値を超えて製品に含有されることのないよう、検査、確認の徹底を図っていますが、完全な対応は困難であります。万一当社グループの製品に化学物質含有等の問題が生じた場合には、当該問題から生じた損害について当社グループが責任を負う可能性があるとともに、当社グループの製品への信頼、販売活動、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑧ 個人情報、その他情報の流出について

 当社グループは事業活動のため、顧客についての個人情報、技術、営業、その他事業に関する営業秘密を有しております。当社グループにおいては、これらの情報の適切な保護及び管理に努めていますが、万一情報システムの障害、人為的な原因、その他の事態によりこれらの情報が流出した場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態並びに当社グループに対する信頼に悪影響を与える可能性があります。

 

⑨ 競争による影響

 当社グループは、当社グループが事業を行う様々な製品市場と地域市場において、他社との激しい競争に晒されております。当社グループは、新製品の導入や高品質の製品供給等により、顧客満足を得るべく努めていますが、競合他社と品質・性能・価格などについての競争は更に激化することが予想され、その結果、価格の下落等が当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑩ キーデバイスや部材調達の遅れ、供給不足による影響

 当社グループは、他社からキーデバイスや部材を購入し、また他社に一部の設計を委託しておりますが、当社グループ単独の責によらない予想外の事態が発生し、新製品の市場投入が遅れた場合、また生産用部材の供給不足により需要を満たせない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

 

⑪ 知的所有権について

 当社グループは様々な知的所有権を使用しており、それらは当社グループ所有のものであるかあるいは当社グループ若しくは当社グループへの部品等の供給元が正当に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社グループの認識外で第三者の知的所有権を侵害する可能性があります。知的所有権を巡っての係争が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑫ 退職給付債務に対する影響

 退職給付債務は、割引率や長期期待運用収益率等の前提条件に基づく数理計算によって算出されます。経済状況の変化等により実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、その影響額は発生時にその他の包括利益として認識し、即時に利益剰余金に振り替えます。特に金利の低下に伴う割引率の低下や運用利回りの悪化は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑬ 固定資産の減損、投資有価証券の評価について

 当社グループが保有する有形固定資産、無形資産については、当該資産が充分なキャッシュ・フローを生まない場合は、減損が発生する可能性があります。また、当社グループは、取引先等の株式等、有価証券を保有しておりますが、時価のあるその他有価証券は四半期毎に時価に基づき評価を行うため、その時点の時価により財政状態計算書計上額が変動する可能性があり、また時価が著しく低下した場合は減損が発生する可能性があります。減損が発生した場合、あるいは時価の低下により売却損が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑭ 財務制限条項

 安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でシンジケートローン及びコミットメントライン契約を締結しておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、当社がこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮ 資本業務提携に関するリスク

 当社グループでは、親会社の楽器製品の製造販売事業と当社の音響機器事業との間の相乗効果の発揮を意図し資本業務提携を締結しておりますが、これらの提携等が解消された場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑯ 継続企業の前提に関する重要事象等

 当社グループは、当連結会計年度において連結財政状態計算書の資本合計の金額が15億円を下回ったことにより、当連結会計年度末において当社が取引金融機関等との間で締結しているシンジケートローン契約の財務制限条項に抵触することとなりました。
 当該状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、「7財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策」に記載の通り、既に当該重要事象等を解消するための対応策を実施しているとともに、今後の主要取引銀行等の支援体制も十分確保できていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

※ 上記のうち将来に関する事項は、2016年6月21日現在において当社グループが判断したものであります。

※ 上記は当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。当社グループは事業展開上、さまざまなリスクがあることを認識し、それらをできる限り回避するように努めております。しかし、経済情勢、市況、金融市場等に様々な変動が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、主として提出会社に集中しており、提出会社及び現地販売法人において技術動向・市場動向の情報を集め、提出会社にて開発を担当し、国内外の生産拠点にて生産を行っております。

 当連結会計年度における提出会社の研究開発活動は、2事業部に所属し、各事業部に直結した開発部門が市場のニーズに合致した商品をいち早く商品化すべく、研究開発を推進しております。

 当連結会計年度の開発人員は125名で、研究開発費として1,319百万円投入しております。

 当連結会計年度の各事業部における主な研究開発の概況と成果は次のとおりであります。

 

<音響機器事業>

 プロオーディオ市場向けでは、放送局向けにはMADI/DANTEなどフレキシブルなオーディオインターフェースに対応し、ProToolsシステムとの同期運転によるバックアップ録音も可能な1Uサイズ64チャンネルマルチトラックレコーダーDA-6400とオプションとなるMADI、DANTEインターフェースカードを市場導入いたしました。DSLR(デジタル一眼レフカメラ)市場向けにはシリーズ最上位機種となるHDMIコネクターやタイムコード入力機能を搭載しカメラとの同期を可能とし更にマグネシウム合金による軽量、堅牢な筐体を採用することで幅広い現場で多くのカメラと組み合わせて使用可能な高音質6トラックレコーダーDR-701Dに加えて超指向性マイクを搭載し、被写体の音を狙って収録することが可能で且つカメラのアクセサリーシューに装着出来るほどの機動性を備えた軽量かつコンパクトなショットガンマイク一体型カメラ用リニアPCMレコーダーDR-10SGを市場導入いたしました。設備市場向けには業務用DVDプレーヤーの後継として新たにブルーレイやUSBメモリ、SDカードからの再生にも対応しRS-232CやLANからの外部制御も可能な1Uサイズ業務用ブルーレイプレーヤーBD-01Uに加えて幅広い用途に対応できるようライン入力に加えマイク入力の装備や4トラック録音機能を活用したバックアップ録音機能、万が一の電源断でも録音が継続できる単3形電池駆動機能を搭載しシンプルな操作でより安全、確実な録音を実現した1Uサイズ マイク入力搭載 SDカードレコーダーSD-20Mを市場投入いたしました。

 楽器市場向けではUltra-HDDAマイクプリアンプを8基搭載、3モード切換による高い汎用性をもち192kHz対応したUSB3.0/2.0 20IN20OUTオーディオ/MIDIインターフェースCelesonic US-20x20を市場導入しました。また、インターネット生放送やインターネットカラオケなどの用途にも対応できるようASIO/WDMソフトの同時出力に対応したUS-2x2-SC/US-4x4-SC用「TASCAM Software Mixer」を市場導入しました。更にコンパクトボディでワイドレンジ再生、小音量でもクリアなモニターサウンドが得られデスクトップに気軽に設置できる2ウェイパワードモニタースピーカーVL-S3、加えてBluetoothによるワイヤレス再生にも対応し高音質・低遅延のAAC/Qualcomm aptX™コーデックに対応したVL-S3BTを市場導入しました。

 コンシューマオーディオ市場向けでは、最新ハイレゾ音源(DSD 11.2MHz・PCM384kHz/32bit)に対応したUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「UD-503」およびUSB-DAC/ネットワークプレーヤー「NT-503」、DSD 5.6MHz・PCM192kHz/24bitに対応した新たなデザインのポータブルヘッドホンアンプ「HA-P5」を市場導入しました。これらの機種はハイレゾ対応製品の中でも上位モデルに位置づけされる高スペックモデルです。ハイレゾ入門者向けには、ハイレゾ対応(PCM192kHz/24bit)マイクロCDコンポ「HR-X101」を市場導入しました。本製品アンプ部の横幅及びスピーカーの高さを"182mm"という非常にコンパクトなサイズとすることと、上部のメッシュタイプの通気口はハイエンドアンプを思わせるこだわった意匠としました。また、スピーカーもハイレゾ対応としたことで、あらゆるソースに対応した多機能なハイレゾCDマイクロシステムとなります。これらハイレゾ対応製品の対極にあるアナログ製品としてアナログターンテーブルの販売が伸びています。TN-300/350の下位モデル「TN-100(海外)」及び「TN-200(海外)」の市場導入によりアナログターンテーブルの販売台数が大きく拡大、新たに世界で初めて192kHz/24bitの光デジタル出力が可能なモデル「TN-570」の市場導入は、注目度も高く導入後の販売台数も急速に進んでいます。オールインワンタイプのターンテーブルシステム「LP-R550USB」は、国内大手通販での導入をきっかけに売り上げ台数が大きく伸び、ターンテーブルカテゴリー全体での販売台数を大きく引き上げました。

 ハイエンドオーディオ市場向け(ESOTERICブランド)では、最高級シリーズGrandioso(グランディオーソ)に次ぐ準フラッグシップモデルとして、セパレート型SACDプレーヤーP-02X(SACDトランスポート)/D-02X(D/Aコンバーター)、上位モデル02シリーズの設計思想を忠実に踏襲した03シリーズのセパレート型アンプ2機種C-03Xs(プリアンプ)、S-03(ステレオパワーアンプ)、ESOTERICブランド初のネットワークオーディオプレーヤーN-05、一体型アンプの全く新しいシリーズ(Fシリーズ)F-05を市場投入しました。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は864百万円であります。

 

 

<情報機器事業>

 医用画像製品では、メディカルビデオレコーダーUR-4MDの機能を搭載した組み込み小型ボードを商品化し市場導入を開始します。この小型ボードにより、高解像度の静止画・動画の録画・再生機能を画像診断装置へ簡単に付加することができます。停電や事故による電源コードがコンセントから外れた場合のフェイルセイフ記録、バックアップのための内臓ハードディスクの搭載などUR-4MDの機能が全てそろった仕様から、機能を絞ったカスタム仕様にも対応します。

 インフライトエンターテイメント製品では、SDメモリーカードビデオ再生機VE-801SDiを開発し市場導入しました。VE-801SDiは、映像コンテンツのダウンロードを行うことなくSDメモリーカード上の映像コンテンツを直接再生することができます。また、記録媒体として8mm、Hi8、VHSなどを使用している従来製品との高い互換性を有しており、これらビデオ再生機と迅速で無駄のない機器更新を提供します。また、SDメモリーカードオーディオ再生機AE-1600SDiの開発に着手しました。AE-1600SDiも音楽コンテンツのダウンロードを行うことなくSDメモリーカード上の音楽コンテンツを直接再生することができます。CDを使用している従来製品との高い互換性を有し、迅速な機器更新を提供します。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は455百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

資産合計

 当連結会計年度末における資産合計は13,122百万円と前連結会計年度末と比較して1,526百万円減少しました。主な増減は、現金及び現金同等物の減少302百万円、営業債権及びその他の債権の減少653百万円、在庫削減に伴う棚卸資産の減少235百万円であります。

 

負債合計

 当連結会計年度末における負債合計は、12,320百万円と前連結会計年度末と比較して286百万円減少しました。主な増減は、営業債務及びその他の債務の減少244百万円、退職給付に係る負債の増加285百万円、引当金の減少304百万円であります。

 

資本合計

 当連結会計年度末における資本合計は、802百万円と前連結会計年度末と比較して1,240百万円減少しました。主な増減は、為替の円高に伴う在外営業活動体の換算差額の減少によるその他の資本の構成要素の減少329百万円、マイナス金利政策に伴う退職給付の割引率の低下と年金資産の運用の悪化に起因する退職給付に係る負債の増加による利益剰余金の減少694百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失196百万円の計上であります。

 

(2)経営成績の分析

 各事業における経営成績については「業績等の概要」及び「セグメント情報」をご参照下さい。売上収益、営業利益、当期利益の主要な増減については次のとおりであります。

 

1)売上収益

 当連結会計年度の売上収益は、20,455百万円と前連結会計年度よりも21百万円増加しております。音響機器事業の売上収益の増加が影響しました。

 

2)営業利益

 営業利益は、43百万円(前期営業損失1,403百万円)となりました。販売費及び一般管理費の抑制と個別開示項目の減少が主な理由であります。

 

① 販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、7,750百万円と前連結会計年度と比較して311百万円減少しております。これは、主に諸手数料の減少192百万円、研究開発費の減少122百万円によるものであります。

 

② その他の損益

 当連結会計年度のその他の損益は、1百万円と前連結会計年度と比較して25百万円減少しております。当連結会計年度は、特別退職金、特別退職加算金等が減少したことが主な理由です。

 

③ 個別開示項目

 当連結会計年度の個別開示項目は、86百万円と前連結会計年度と比較して953百万円減少しております。当連結会計年度は、前連結会計年度のような訴訟損失引当金繰入額、事業閉鎖に伴う特別退職金等の発生がなかったことが主な理由です。

 

3)当期利益

 当期損失は、190百万円(前期当期損失は1,865百万円)となりました。営業利益の計上と金融費用の減少が主な理由です。

 

① 金融収益

 金融収益は、12百万円と前連結会計年度よりも22百万円減少しております。これは、主に受取利息の減少24百万円によるものであります。

 

② 金融費用

 金融費用は、200百万円と前連結会計年度よりも243百万円減少しております。これは、主に為替差損の減少230百万円によるものであります。

 

 

③ 法人所得税費用

 法人所得税費用は、58百万円と前連結会計年度よりも25百万円増加しております。これは、主に法人税、住民税及び事業税13百万円の増加によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

 

(4)継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策

 当社グループには、「第2 事業の状況 4事業等のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しておりますが、当該事象又は状況を解消すべく資金計画を策定し、取引金融機関等に対しシンジケートローン契約の財務制限条項の適用免除について協議を行いました。その結果、全貸付人より期限の利益喪失請求を行わないことにつき同意を得ております。
 以上のような状況から、当社グループといたしましては、翌連結会計年度における事業継続において不確実性は認められないものと判断しております。