(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、景気の一部に改善の遅れも見られますが、企業収益や雇用環境の改善などを背景に緩やかな回復基調が続いています。また、世界経済は、全体としては緩やかに回復しているものの、米国の金融政策正常化の影響、中国やその他アジア新興国経済の先行き、地政学的リスクの影響など、先行き不透明な状況が続いています。
このような状況の中で当社グループは、音響機器事業のうち、BtoC事業では商品ポートフォリオの再構築を行い、収益性向上を重視した事業運営を進めてまいりました。また、放送・設備市場へTASCAMブランドで展開しているBtoB事業では、国内市場へ機器販売のみならずレコーディング・ソリューション・カンパニーとしての事業拡大を目的とした投資を進めました。事業の選択と集中を完了した情報機器事業については、再参入を遂げた機内エンターテインメント機器の国内外エアラインへの導入を実施し、また医用画像記録再生機器及び計測機器は欧米市場で順調に受注を伸ばしてきました。
当連結会計年度におきましては、売上収益は前期に行った産業用光ディスクドライブ事業の譲渡の影響と円高による為替の影響、音響機器事業の不振により減収となりました。ただし、営業利益については、企業年金制度変更に伴う利益により、前期を上回る結果となりました。
この結果、当社グループの連結会計年度の売上収益は17,346百万円(前期比15.2%減)、営業利益は295百万円(前期比586.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期損失52百万円(前期親会社の所有者に帰属する当期損失196百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 音響機器事業
音響機器事業の売上収益は11,217百万円(前期比14.4%減)となり、セグメント営業利益は646百万円(前期比13.9%減)となりました。
高級オーディオ機器(ESOTERICブランド)は、SACDプレーヤーの新製品やネットワークプレーヤーなどの新規カテゴリー製品が比較的好調に推移しました。輸出はアジア市場の好調を維持、さらに北米、欧州市場が大きく伸長した結果、前期と比較して増収となりましたが為替の影響により減益となりました。
一般オーディオ機器(TEACブランド)は、前期に引き続き、一体型レコードプレーヤーシステムや単品ターンテーブルに各市場で旺盛な需要がありましたが供給が対応できず、また、新製品上市の遅れも影響し、全体としては減収となりましたが、固定費の削減等により赤字幅は縮小しました。
音楽制作・業務用オーディオ機器(TASCAMブランド)は、楽器市場向けにおいて、リニアPCMレコーダー、USBオーディオインターフェイスが欧米以外の地域で好調に推移し、生産コスト削減により利益率が改善しました。マルチトラックレコーダー(DIGITAL PORTASTUDIO)は需要減により低調に推移しました。デジタル一眼レフカメラ用リニアPCMレコーダーは、新製品の導入もあり北米で堅調に推移しました。設備市場向けにおいては、ソリッドステートレコーダー、CDプレーヤーが堅調に推移したものの、全地域でカセットテープ、MiniDiscの旧メディア製品の需要減、新製品の立ち上がりの遅れが影響し低調に推移しました。放送局向け、スタジオ向け機器は案件獲得もあり国内で堅調に推移しました。輸入商品においては、一部ブランドの取扱停止と主力となる新製品が無かった為、売上は低調となりましたが、新規ブランドの取扱開始と円高の影響で利益率が改善しました。しかしながら、全体としては減収減益となりました。
② 情報機器事業
情報機器事業の売上収益は5,067百万円(前期比23.9%減)となり、セグメント営業利益は517百万円(前期比22.2%減)となりました。
売上収益減少の主要因は、産業用光ディスクドライブ事業を前期に事業譲渡したことによるものです。また、セグメント営業利益減少の主要因は前期の官公庁向け大型案件が当期は無かったことによるものです。
航空機搭載記録再生機器は、延伸していた海外顧客向けの大口案件の出荷が完了したこと、また国内大手エアライン向けの機内エンターテインメント機器の導入が完了したことから増収となりました。計測機器はデータレコーダーにおいて鉄道、および重工業への大型プロジェクトが無く、低調に推移しました。センサーは半導体業界向けに好調に推移しましたが、計測機器全体では減収となりました。しかしながら、高性能のデジタル指示計により新たな顧客開拓ができ、販売を伸ばすことができたことは計測機器における今後の市場開拓に大きな足掛かりとなりました。医用画像記録再生機器は国内での消化器内視鏡向け記録機器の販売が堅調に推移しました。手術画像用レコーダーは国内では全国各地域での販売網の構築が完了し、販売を伸ばすことができました。また、海外では欧州で契約した大手医療機器販社による新規顧客の開拓が進んだこと、米国では大手医療機器メーカーとの取引を開始したことなどにより、医用画像記録再生機器全体では増収となりました。ソリューションビジネスは受託開発が好調を維持し増収となりました。一部海外販売子会社で継続している産業用光ディスクドライブは、事業譲渡により減収減益となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比較して427百万円減少し、2,097百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、702百万円のマイナス(前期339百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、棚卸資産の増減額の減少476百万円、マイナス要因として、退職給付に係る負債の増減額の減少1,323百万円であります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、308百万円のプラス(前期183百万円のプラス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、売却可能金融資産の売却による収入524百万円、マイナス要因としては、有形固定資産の取得による支出223百万円であります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は、29百万円のプラス(前期100百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、長期借入れによる収入300百万円、マイナス要因としては、長期借入金の返済による支出81百万円、リース債務の返済による支出92百万円であります。
(3)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
・在外営業活動体の換算差額
IFRSでは、移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロとみなすことを選択することができます。
上記の結果、移行日現在のその他の包括利益累計額のうち、在外営業活動体の換算差額3,430百万円を全額利益剰余金に振り替えております。
・退職給付の調整
日本基準においては数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として認識し、一定年数にわたって償却することによって純利益への振り替えが行われております。IFRSでは数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として認識し即時に利益剰余金に振り替えております。その結果、退職給付に係る調整累計額694百万円を利益剰余金に振り替えております。
・有形固定資産の公正価値評価
IFRS適用にあたってIFRS第1号にあるみなし原価の免除規定を適用し、一部の有形固定資産について移行日現在の公正価値を当該日現在のみなし原価としております。その結果、IFRS移行日における帳簿価額の差額633百万円を利益剰余金に振り替えております。
・有給休暇に係る債務の調整
日本基準においては認識していない有給休暇に係る債務について、IFRSでは未消化の有給休暇について負債認識しております。その結果、IFRSにおける引当金が350百万円増加しております。
・売上収益、売上原価の調整
日本基準では、一部の物品販売取引について出荷時点で収益を認識しておりましたが、IFRSでは物品の引渡時点で収益を認識しております。
その結果、売上収益が184百万円、売上原価が109百万円それぞれ増加しております。
・個別開示項目
当社グループは一時的に発生する特定の収益又は費用について、その金額に重要性がある場合には、経営成績に対する影響を明らかにするために、連結損益計算書において個別開示項目として表示しております。
その結果、売却可能金融資産の公正価値下落に伴う損失86百万円を個別開示項目として表示しております。
当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
・退職給付の調整
日本基準においては数理計算上の差異及び過去勤務費用は発生時にその他の包括利益として認識し、一定年数にわたって償却することによって純利益への振り替えが行われております。IFRSでは数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として認識し即時に利益剰余金に振り替えており、過去勤務費用は発生時に純損益に認識しております。その結果、退職給付に係る調整累計額10百万円を利益剰余金に振り替えております。また853百万円の過去勤務費用及び清算損益を個別開示項目に計上しております。
・有給休暇に係る債務の調整
日本基準においては認識していない有給休暇に係る債務について、IFRSでは未消化の有給休暇について負債認識しております。その結果、IFRSにおける引当金が334百万円増加しております。
・個別開示項目
当社グループは一時的に発生する特定の収益又は費用について、その金額に重要性がある場合には、経営成績に対する影響を明らかにするために、連結損益計算書において個別開示項目として表示しております。
その結果、関係会社の閉鎖に伴う利益80百万円、確定給付企業年金制度の改定に伴う利益853百万円、訴訟和解に伴う損失454百万円を個別開示項目として表示しております。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
音響機器事業 |
3,234 |
△46.9 |
|
情報機器事業 |
1,010 |
△7.5 |
|
その他 |
864 |
36.2 |
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合計 |
5,108 |
△34.7 |
(注)1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当社グループの製品は、原則として需要見込生産であり、該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
音響機器事業 |
11,217 |
△14.4 |
|
情報機器事業 |
5,067 |
△23.9 |
|
その他 |
1,062 |
52.6 |
|
合計 |
17,346 |
△15.2 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
音響機器事業のBtoB事業の拡大とBtoC事業における収益力向上が、引き続き短期的な最重要課題と捉えております。これまでに取り組んだ中国工場や海外販売子会社の構造改革や商品ラインナップの見直し、またマーケティング活動の成果を確実に刈り取ることに加え、競合他社が提供できていない付加価値を提供することで、新規市場での成長と収益安定化を目指してまいります。
そのために、顧客とのコミュニケーションの機会を増やすべく、国内外で人材の配置および体制の構築を進めてまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主として次のようなものであります。
① 経済状況の変動による影響
1)当社グループ製品の需要への影響
当社グループは、日本、米大陸、欧州、アジア等の地域において民生用、産業用製品の販売を行っており、その地域の市場の経済状況により当社製品の需要は影響を受けます。概ね当社グループの民生用製品はその性格上生活必需品とは言えず、一般消費者の可処分所得、嗜好の変化により需要動向が変化し、また産業用製品は主に顧客の設備投資の状況等により需要が変化します。従いまして、日本、米大陸、欧州、アジア等における景気悪化等経済状況の変動、消費者嗜好の変化等による需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
2)当社グループの取引先への影響
経済状況の急激な変動は当社グループの仕入先や販売先の経営にも影響を与えることがあり、当社グループでは、取引先の評価、代替取引先の手当て、与信管理、債権保全等の措置を講じてはおりますが、影響を完全に排除することは困難であります。従いまして、これら取引先の経営状況も当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
3)当社グループの銀行取引への影響
事業の運営のため取引銀行からの借入金の確保は不可欠でありますが、経済状況の変化により、金融機関の貸出し姿勢が厳しくなり、当社グループの取引金融機関からの新規借入金、借入金の継続に支障をきたす状況となった場合、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
② 為替相場の変動による影響
当社グループは海外における生産・販売活動の比重が高いことから外貨建売上・仕入・費用、外貨建の債権債務の割合が大きく、また海外に子会社を保有していることから、下記のように為替相場の変動によって当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
1)営業損益への影響
当社グループの場合、米ドルにつきましては、生産あるいは仕入での割合が高く、また国内販売に対して、円高は営業損益に好影響を与えますが、ユーロとポンドは概ね販売のみであることから、それらの通貨に対する円高は当社グループの営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。また、当社グループの海外子会社の収益及び費用は、連結会計年度の四半期平均レートにて円換算された収益及び費用を積上げており、通常各国通貨に対する円高は売上高、営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。
2)金融費用純額への影響
当社グループは外貨建の債権債務を保有することから、期末日の為替レートの変動により為替差益または為替差損が発生し、金融費用純額に影響をもたらします。一般的に他の通貨(米ドル、ユーロ、ポンド等)に対する円高は当社グループの金融費用純額に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの金融費用純額に好影響をもたらします。当社グループは為替予約および通貨オプションにより短期の為替相場の変動リスクをヘッジしておりますが、急激な為替変動により、為替差損が発生する可能性があります。
3)純資産への影響
当社グループの海外子会社に対しては主として現地通貨にて投資を行っており、期末日の為替レートの変動により為替換算調整勘定が変動し、純資産に影響を与えます。一般的に他の現地通貨に対する円高は純資産の減少となり、円安は純資産の増加をもたらします。
③ 事故・災害等の影響
地震等の自然災害、テロ等の人為的災害、事故、又は新型インフルエンザ等の疫病の各種災害により、当社グループの設備、情報システム、従業員、取引先等の操業に影響が出る可能性があります。これらの災害に際して事業への影響を完全に排除し、復旧対策等を備えることは困難であります。従いまして、このような災害発生時には企業活動が妨げられ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
④ 訴訟その他の法的手続について
当社グループは、世界各国で事業活動を行っており、事業を遂行する上で訴訟その他の法的手続に関するリスクを有しております。各国の法制度、裁判制度の違いもあることから、訴訟及び規制当局による措置により、当社グループが当事者となる可能性のある訴訟、法的手続きを予想することは困難であります。重大な法的責任又は規制当局による措置は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑤ 公的規制について
当社グループの事業活動は、当社グループが事業を行う各国の多様な規制の適用を受けます。このような規制には、投資、貿易、公正な競争、知的財産権、租税、為替、環境・リサイクルに関する規制、安全保障等の理由による輸出制限を含みます。これらの公的規制の変更及び変更に伴う法規制遵守のため、追加的費用が発生した場合、また、万一これらの規制に対する違反等が発生し、罰金、課徴金の納付命令その他の措置が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑥ 製品の品質とその責任について
当社グループの生産工場は、世界的に認められている品質管理基準により製品の製造を行っております。しかし、当社グループの製品は、高度、複雑な技術を利用したものが増えており、また、外部の供給者からの調達もあるため品質管理へのコントロールは複雑化していることから、すべての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。従いまして、当社グループの製品に欠陥等の問題が生じた場合には、それに関連するコストの発生、当社グループの製品の品質への信頼に影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑦ 製品含有化学物質について
当社グループの製品は、多数の素材及び部品から構成されており、部品等を外部の供給者から調達していることにより、含有化学物質のコントロールは複雑化しております。当社グループでは、規制化学物質が基準値を超えて製品に含有されることのないよう、検査、確認の徹底を図っていますが、完全な対応は困難であります。万一当社グループの製品に化学物質含有等の問題が生じた場合には、当該問題から生じた損害について当社グループが責任を負う可能性があるとともに、当社グループの製品への信頼、販売活動、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑧ 個人情報、その他情報の流出について
当社グループは事業活動のため、顧客についての個人情報、技術、営業、その他事業に関する営業秘密を有しております。当社グループにおいては、これらの情報の適切な保護及び管理に努めていますが、万一情報システムの障害、人為的な原因、その他の事態によりこれらの情報が流出した場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態並びに当社グループに対する信頼に悪影響を与える可能性があります。
⑨ 競争による影響
当社グループは、当社グループが事業を行う様々な製品市場と地域市場において、他社との激しい競争に晒されております。当社グループは、新製品の導入や高品質の製品供給等により、顧客満足を得るべく努めていますが、競合他社と品質・性能・価格などについての競争は更に激化することが予想され、その結果、価格の下落等が当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響を与える可能性があります。
⑩ キーデバイスや部材調達の遅れ、供給不足による影響
当社グループは、他社からキーデバイスや部材を購入し、また他社に一部の設計を委託しておりますが、当社グループ単独の責によらない予想外の事態が発生し、新製品の市場投入が遅れた場合、また生産用部材の供給不足により需要を満たせない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑪ 知的所有権について
当社グループは様々な知的所有権を使用しており、それらは当社グループ所有のものであるかあるいは当社グループ若しくは当社グループへの部品等の供給元が正当に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社グループの認識外で第三者の知的所有権を侵害する可能性があります。知的所有権を巡っての係争が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑫ 退職給付債務に対する影響
退職給付債務は、割引率や長期期待運用収益率等の前提条件に基づく数理計算によって算出されます。経済状況の変化等により実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、その影響額は発生時にその他の包括利益として認識し、即時に利益剰余金に振り替えます。特に金利の低下に伴う割引率の低下や運用利回りの悪化は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑬ 固定資産の減損、投資有価証券の評価について
当社グループが保有する有形固定資産、無形資産については、当該資産が充分なキャッシュ・フローを生まない場合は、減損が発生する可能性があります。また、当社グループは、取引先等の株式等、有価証券を保有しておりますが、時価のあるその他有価証券は四半期毎に時価に基づき評価を行うため、その時点の時価により財政状態計算書計上額が変動する可能性があり、また時価が著しく低下した場合は減損が発生する可能性があります。減損が発生した場合、あるいは時価の低下により売却損が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑭ 財務制限条項
安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でシンジケートローン及びコミットメントライン契約を締結しておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、当社がこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 資本業務提携に関するリスク
当社グループでは、親会社の楽器製品の製造販売事業と当社の音響機器事業との間の相乗効果の発揮を意図し資本業務提携を締結しておりますが、これらの提携等が解消された場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑯ 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、シンジケートローン契約の財務制限条項である、『連結の財政状態計算書における資本合計の部の金額を、802百万円以上の金額に維持する』旨の確約、また、『連結の損益計算書上の「個別開示項目前営業利益」に「金融収益」を加算し、「金融費用」を控除し、「持分法による投資損益」を加算し、一過性損益を控除し、「為替換算調整勘定の変動リスクヘッジに伴う為替損益」を控除した金額に関して負の値としない』旨の確約を遵守できず、財務制限条項に抵触することとなりました。
当該状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、「7財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策」に記載の通り、既に当該重要事象等を解消するための対応策を実施しているとともに、今後の主要取引銀行等の支援体制も十分確保できていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
※ 上記のうち将来に関する事項は、2017年6月23日現在において当社グループが判断したものであります。
※ 上記は当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。当社グループは事業展開上、さまざまなリスクがあることを認識し、それらをできる限り回避するように努めております。しかし、経済情勢、市況、金融市場等に様々な変動が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等は次のとおりです。
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相手先 |
国名又は地域 |
契約内容 |
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(アレンジャー兼エージェント) 株式会社三菱東京UFJ銀行 |
日本 |
2016年9月15日期日となっていた既存シンジケートローン契約について、シンジケートローン融資枠2,900百万円(上限)の契約を締結しました。財務制限条項が付されております。 |
当社グループの研究開発活動は、主として提出会社に集中しており、提出会社及び現地販売法人において技術動向・市場動向の情報を集め、提出会社にて開発を担当し、国内外の生産拠点にて生産を行っております。
当連結会計年度における提出会社の研究開発活動は、2事業部に所属し、各事業部に直結した開発部門が市場のニーズに合致した商品をいち早く商品化すべく、研究開発を推進しております。
当連結会計年度の開発人員は115名で、研究開発費として1,207百万円投入しております。
当連結会計年度の各事業部における主な研究開発の概況と成果は次のとおりであります。
<音響機器事業>
プロオーディオ市場向けでは、スタジオ、放送局向けには1Uサイズ64チャンネルマルチトラックレコーダーDA-6400のオプションとして、2枚使用で最大32チャンネルのAES/EBU入出力が可能となる16チャンネルの入出力インターフェースカード「IF-AE16」と2枚使用することで最大32チャンネルのアナログ出力が可能となり、コンパクトな1Uマルチ再生環境を提供する16チャンネルアナログ出力インターフェースカード「IF-AN16/OUT」を市場導入しました。業務用レコーダー向けでは、ブライダル、イベントや番組、舞台、講義やセミナーの録音など、幅広い用途で手軽に高音質に音声収録が可能な軽量、コンパクトなウェアラブルピンマイクレコーダー「DR-10L」を市場導入しました。設備市場向けでは、FTPクライアント/サーバー、録音データの自動アップロードや音素材のダウンロードが可能となるネットワーク機能、iOS/Android端末やPCにインストールされた専用アプリケーションからのリモートコントロールやマイク入力端子を搭載し、録音、再生メディアにデュアルスロットのSDカードとUSBフラッシュメモリを採用して、様々な用途にフレキシブルに対応可能なソリッドステート/ステレオオーディオレコーダー「SS-R250N」とCDメディアの録音、再生まで対応したソリッドステート/CDステレオオーディオレコーダー「SS-CDR250N」や、専用オプションとしてカラーLCDを搭載し、より直感的な操作を実現するポン出しリモートコントロールユニット「RC-SS150」やDanteインターフェースシステムへの導入を可能とする2イン/2アウトのDanteインターフェースカード「IF-DA2」を市場導入しました。また、カセットテープの録音再生、CDの再生に加えて、USBメモリーでの録音再生に対応し、1台で幅広いメディアに対応したラックマウント可能な設備/業務用途に適したカセット、CD、USBメモリーレコーダー/プレーヤー「CD-A580」を市場導入しました。
楽器市場向けでは、かんたん操作で音声演出を楽しめるインターネット生放送向け家庭用放送機器としてMiNiSTUDIOの2機種、高音質マイクも内蔵、インターネット生放送に絞ったシンプルなエントリーモデルのUS-32、モード切り替えで生放送/制作用途の双方に対応しマイク2本の同時使用が可能なハイグレードモデルのUS-42を市場導入しました。更にドライバやファームウェアの更新情報をいち早くお客様へお届けすることを目的とした自動更新機能をVersion 2にて公開、他のUSシリーズへの展開を実施しました。ハンドヘルドレコーダに於いてはS/N100dB超でTASCAMステレオリニアPCMレコーダー史上最良のオーディオパフォーマンス、現場に必要な信頼性と音質を兼ね備えた最上位機種DR-100MK3を市場投入しました。また「もっと使いやすいレコーダー」を世界各地のお客様へお届けできるよう表示の多言語化プロジェクトをDRシリーズで推進、最大で日本語、 英語、 ドイツ語、 フランス語、 イタリア語、 スペイン語、 中国語、 ロシア語の8言語に対応したファームウェアを市場導入しました。
コンシューマオーディオ市場向け(TEACブランド)では、「New Vintage」をキーワードに、ティアックの新しいフラッグラインとしてReference7シリーズ初のモデル、ネットワークCDプリメインアンプ「NR-7CD」を市場導入しました。「NR-7CD」は、最新のネットワークプレーヤー機能(オープンホーム、DSD5.6MHz、PCM192kHz/24bitに対応)、自社製CD専用のメカドライブ、BTL構成のClass-Dアンプ、LDACにも対応したBluetooh再生機能、PCMデジタル音源をDSD11.2MHzにアップコンバートするフルエンシーアルゴリズムを用いたアップコンバート機能、グランド分離接続対応4極ヘッドホン端子など、最新技術を数多く盛り込みました。また、同じくアンプカテゴリーではReference500シリーズ、USB-DAC/プリメインアンプ「AI-503」の市場導入も行いました。「AI-503」はデスクトップオーディオに最適なアンプとして、ソースをパソコン、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)、スマートホンに照準を合わせ、スピーカーリスニングにも興味があるハイエンドヘッドホンユーザーをターゲットとすることで、新たなユーザー層の獲得を目指しました。これら両プリメインアンプは、アンプカテゴリーとしては初のVGP大賞を受賞するなど、市場でも非常に高評価を得ています。また、ハイレゾ対応製品と対極にあるアナログ製品の販売も伸長しています。カセットデッキとCDプレーヤーのコンビネーションモデル「AD-850」を市場導入しました。「AD-850」はカセットやUSBメモリにも録音可能であり、アナログとデジタルの相互メディアコンバートマシーンとしての需要が大きいものと推測しています。アナログターンテーブルカテゴリーでは、ももいろクローバーZとのコラボ製品「TN-100NOFU」を限定販売することで、新しいオーディオファン層にリーチしました。シニア層向けのオールインワンタイプのターンテーブルシステム「LP-R550USB」は、国内大手通販での販売も安定的に継続しており、大手家電量販店への導入・販売拡大にも大きく波及しています。
ハイエンドオーディオ市場向け(ESOTERICブランド)では、一体型アンプの新シリーズ「Fシリーズ」に2モデルF-03A、F-07を追加し、最高級シリーズGrandioso(グランディオーソ)にも新たに一体型SACDプレーヤー(Grandioso K1)と一体型アンプ(Grandioso F1)の2モデルを市場投入しました。また、マスタークロックジェネレーターのシリーズである「Gシリーズ」も刷新し、従来の2モデルから3モデル展開(Grandioso G1、G-01X、G-02X)に拡大しました。更にブランド創立30周年記念モデルとして、限定の「Limited Edition Black Series」6モデル、セパレート型SACDプレーヤーP-05X(SACDトランスポート)/D-05X(D/Aコンバーター)を発売するなど、数多くの新製品を投入しました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は824百万円であります。
<情報機器事業>
インフライトエンタテイメント製品では、SDメモリーカードオーディオ再生機AE-1600SDiを市場導入しました。AE-1600SDiは、オーディオコンテンツのダウンロードを行うことなくSDメモリーカード上のオーディオコンテンツを直接再生することができます。また、CDを使用している従来製品との高い互換性を有し、迅速な機器更新を提供します。
医用画像ファイリング製品では、内視鏡イメージレコーダーMV-7000S/MV-7000Hを商品化し市場導入を開始します。MV-7000Sは、NTSCの標準画質に対応し、静止画の記録に加えMotion JPEG方式による最長10分の動画記録が可能です。MV-7000Hは、高解像度の映像信号の記録に対応し、静止画の記録とMPEG2 TS方式による最大24時間の動画記録が可能です。
計測機器製品では、ポータブルデジタル指示計TD-01 Portableを市場導入しました。TD-01 Portableは、表示画面に視認性に優れたカラー液晶画面を採用、データ収録機能やセンサー断線チェック機能およびTEDS規格対応など、携帯型でありながら高機能を実現しております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は383百万円であります。
(1)財政状態の分析
資産合計
当連結会計年度末における資産合計は11,192百万円と前連結会計年度末と比較して1,930百万円減少しました。主な増減は、現金及び現金同等物の減少427百万円、営業債権及びその他の債権の減少706百万円、在庫削減に伴う棚卸資産の減少495百万円であります。
負債合計
当連結会計年度末における負債合計は、10,554百万円と前連結会計年度末と比較して1,766百万円減少しました。主な増減は、営業債務及びその他の債務の減少376百万円、企業年金制度変更の影響による退職給付に係る負債の減少1,291百万円、引当金の減少656百万円、その他の非流動負債の増加499百万円であります。
資本合計
当連結会計年度末における資本合計は、638百万円と前連結会計年度末と比較して165百万円減少しました。主な増減は、為替の円高に伴う為替換算調整勘定の減少によるその他の資本の構成要素の減少184百万円であります。
(2)経営成績の分析
各事業における経営成績については「業績等の概要」及び「セグメント情報」をご参照下さい。売上収益、営業利益、当期利益の主要な増減については次のとおりであります。
1)売上収益
当連結会計年度の売上収益は、17,346百万円と前連結会計年度よりも3,109百万円減少しております。産業用光ディスクドライブ事業を前期に事業譲渡したことや円高による影響に加え、音響機器事業の売上収益の減少が影響しました。
2)営業利益
営業利益は、295百万円(前期営業利益43百万円)となりました。販売費及び一般管理費の抑制と個別開示項目の利益が主な理由であります。
① 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、7,173百万円と前連結会計年度と比較して577百万円減少しております。これは、主に人件費の減少251百万円、販売手数料の減少55百万円、荷造運搬費の減少58百万円によるものであります。
② その他の損益
当連結会計年度のその他の損益は、136百万円と前連結会計年度と比較して135百万円損失が増加しております。当連結会計年度は、海外子会社の構造改革、子会社の清算に伴う特別退職金等が発生したことが主な理由です。
③ 個別開示項目
当連結会計年度の個別開示項目の利益は、479百万円の利益と前連結会計年度と比較して565百万円増加しております。当連結会計年度は訴訟関連損失が発生したものの、企業年金制度変更に伴う利益が上回ったことが主な理由です。
3)当期利益
当期損失は、32百万円(前期当期損失は190百万円)となりました。営業利益の増加が主な理由です。
① 金融収益
金融収益は、46百万円と前連結会計年度よりも35百万円増加しております。これは、主に受取利息の増加34百万円によるものであります。
② 金融費用
金融費用は、349百万円と前連結会計年度よりも149百万円増加しております。これは、主に為替差損の増加154百万円によるものであります。
③ 法人所得税費用
法人所得税費用は、24百万円と前連結会計年度よりも34百万円減少しております。これは、主に法人税、住民税及び事業税26百万円の減少によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
(4)継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策
当社グループには、「第2 事業の状況 4事業等のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しておりますが、当該事象又は状況を解消すべく資金計画を策定し、取引金融機関等に対しシンジケートローン契約の財務制限条項の適用免除について協議を行いました。その結果、全貸付人より期限の利益行使をしないことにつき同意を得ております。
また、一般オーディオ機器については、低価格帯商品からの撤退による利益率の改善や希望退職の実施による固定費削減等、収益構造の改善を計画することで、今後の主要取引銀行等の支援体制を確保します。
以上のような状況から、当社グループといたしましては、翌連結会計年度における事業継続において不確実性は認められないものと判断しております。