音響機器事業のBtoB事業の成長が、引き続き短期的な最重要課題と捉えております。これまでに国内外で取り組んだ構造改革や商品ラインナップの見直し、またマーケティング活動の成果を確実に刈り取ることに加え、競合他社が提供できていない付加価値を提供することで、新規市場での成長を目指してまいります。
市場ニーズをより正確に把握するために、顧客とのコミュニケーションの機会を増やすべく、国内外で人材の配置および体制の構築を進めてまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主として次のようなものであります。
① 経済状況の変動による影響
1)当社グループ製品の需要への影響
当社グループは、日本、米大陸、欧州、アジア等の地域において民生用、産業用製品の販売を行っており、その地域の市場の経済状況により当社製品の需要は影響を受けます。概ね当社グループの民生用製品はその性格上生活必需品とは言えず、一般消費者の可処分所得、嗜好の変化により需要動向が変化し、また産業用製品は主に顧客の設備投資の状況等により需要が変化します。従いまして、日本、米大陸、欧州、アジア等における景気悪化等経済状況の変動、消費者嗜好の変化等による需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
2)当社グループの取引先への影響
経済状況の急激な変動は当社グループの仕入先や販売先の経営にも影響を与えることがあり、当社グループでは、取引先の評価、代替取引先の手当て、与信管理、債権保全等の措置を講じてはおりますが、影響を完全に排除することは困難であります。従いまして、これら取引先の経営状況も当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
3)当社グループの銀行取引への影響
事業の運営のため取引銀行からの借入金の確保は不可欠でありますが、経済状況の変化により、金融機関の貸出し姿勢が厳しくなり、当社グループの取引金融機関からの新規借入金、借入金の継続に支障をきたす状況となった場合、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
② 為替相場の変動による影響
当社グループは海外における生産・販売活動の比重が高いことから外貨建売上・仕入・費用、外貨建の債権債務の割合が大きく、また海外に子会社を保有していることから、下記のように為替相場の変動によって当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
1)営業損益への影響
当社グループの場合、米ドルにつきましては、生産あるいは仕入での割合が高く、また国内販売に対して、円高は営業損益に好影響を与えますが、ユーロとポンドは概ね販売のみであることから、それらの通貨に対する円高は当社グループの営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。また、当社グループの海外子会社の収益及び費用は、連結会計年度の月次平均レートにて円換算された収益及び費用を積上げており、通常各国通貨に対する円高は売上高、営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。
2)金融費用純額への影響
当社グループは外貨建の債権債務を保有することから、期末日の為替レートの変動により為替差益または為替差損が発生し、金融費用純額に影響をもたらします。一般的に他の通貨(米ドル、ユーロ、ポンド等)に対する円高は当社グループの金融費用純額に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの金融費用純額に好影響をもたらします。当社グループは為替予約および通貨オプションにより短期の為替相場の変動リスクをヘッジしておりますが、急激な為替変動により、為替差損が発生する可能性があります。
3)純資産への影響
当社グループの海外子会社に対しては主として現地通貨にて投資を行っており、期末日の為替レートの変動により為替換算調整勘定が変動し、純資産に影響を与えます。一般的に他の現地通貨に対する円高は純資産の減少となり、円安は純資産の増加をもたらします。
③ 事故・災害等の影響
地震等の自然災害、テロ等の人為的災害、事故、又は新型インフルエンザ等の疫病の各種災害により、当社グループの設備、情報システム、従業員、取引先等の操業に影響が出る可能性があります。これらの災害に際して事業への影響を完全に排除し、復旧対策等を備えることは困難であります。従いまして、このような災害発生時には企業活動が妨げられ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
④ 訴訟その他の法的手続について
当社グループは、世界各国で事業活動を行っており、事業を遂行する上で訴訟その他の法的手続に関するリスクを有しております。各国の法制度、裁判制度の違いもあることから、訴訟及び規制当局による措置により、当社グループが当事者となる可能性のある訴訟、法的手続きを予想することは困難であります。重大な法的責任又は規制当局による措置は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑤ 公的規制について
当社グループの事業活動は、当社グループが事業を行う各国の多様な規制の適用を受けます。このような規制には、投資、貿易、公正な競争、知的財産権、租税、為替、環境・リサイクルに関する規制、安全保障等の理由による輸出制限を含みます。これらの公的規制の変更及び変更に伴う法規制遵守のため、追加的費用が発生した場合、また、万一これらの規制に対する違反等が発生し、罰金、課徴金の納付命令その他の措置が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑥ 製品の品質とその責任について
当社グループの生産工場は、世界的に認められている品質管理基準により製品の製造を行っております。しかし、当社グループの製品は、高度、複雑な技術を利用したものが増えており、また、外部の供給者からの調達もあるため品質管理へのコントロールは複雑化していることから、すべての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。従いまして、当社グループの製品に欠陥等の問題が生じた場合には、それに関連するコストの発生、当社グループの製品の品質への信頼に影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑦ 製品含有化学物質について
当社グループの製品は、多数の素材及び部品から構成されており、部品等を外部の供給者から調達していることにより、含有化学物質のコントロールは複雑化しております。当社グループでは、規制化学物質が基準値を超えて製品に含有されることのないよう、検査、確認の徹底を図っていますが、完全な対応は困難であります。万一当社グループの製品に化学物質含有等の問題が生じた場合には、当該問題から生じた損害について当社グループが責任を負う可能性があるとともに、当社グループの製品への信頼、販売活動、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑧ 個人情報、その他情報の流出について
当社グループは事業活動のため、顧客についての個人情報、技術、営業、その他事業に関する営業秘密を有しております。当社グループにおいては、これらの情報の適切な保護及び管理に努めていますが、万一情報システムの障害、人為的な原因、その他の事態によりこれらの情報が流出した場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態並びに当社グループに対する信頼に悪影響を与える可能性があります。
⑨ 競争による影響
当社グループは、当社グループが事業を行う様々な製品市場と地域市場において、他社との激しい競争に晒されております。当社グループは、新製品の導入や高品質の製品供給等により、顧客満足を得るべく努めていますが、競合他社と品質・性能・価格などについての競争は更に激化することが予想され、その結果、価格の下落等が当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響を与える可能性があります。
⑩ キーデバイスや部材調達の遅れ、供給不足による影響
当社グループは、他社からキーデバイスや部材を購入し、また他社に一部の設計を委託しておりますが、当社グループ単独の責によらない予想外の事態が発生し、新製品の市場投入が遅れた場合、また生産用部材の供給不足により需要を満たせない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑪ 知的所有権について
当社グループは様々な知的所有権を使用しており、それらは当社グループ所有のものであるかあるいは当社グループ若しくは当社グループへの部品等の供給元が正当に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社グループの認識外で第三者の知的所有権を侵害する可能性があります。知的所有権を巡っての係争が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑫ 退職給付債務に対する影響
退職給付債務は、割引率や長期期待運用収益率等の前提条件に基づく数理計算によって算出されます。経済状況の変化等により実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、その影響額は発生時にその他の包括利益として認識し、即時に利益剰余金に振り替えます。特に金利の低下に伴う割引率の低下や運用利回りの悪化は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑬ 固定資産の減損、投資有価証券の評価について
当社グループが保有する有形固定資産、無形資産については、当該資産が充分なキャッシュ・フローを生まない場合は、減損が発生する可能性があります。また、当社グループは、取引先等の株式等、有価証券を保有しておりますが、時価のあるその他有価証券は四半期毎に時価に基づき評価を行うため、その時点の時価により財政状態計算書計上額が変動する可能性があり、また時価が著しく低下した場合は減損が発生する可能性があります。減損が発生した場合、あるいは時価の低下により売却損が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑭ 財務制限条項
安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でシンジケートローン及びコミットメントライン契約を締結しておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、当社がこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 資本業務提携に関するリスク
当社グループでは、親会社の楽器製品の製造販売事業と当社の音響機器事業との間の相乗効果の発揮を意図し資本業務提携を締結しておりますが、これらの提携等が解消された場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑯ 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、当期に業績の改善のため希望退職の募集等の固定費削減施策を実施し、減収ではあるものの営業利益は増益となり、親会社の所有者に帰属する当期利益も改善し黒字化しました。加えて棚卸資産の削減の実施により、前期△702百万円であった営業活動に伴うキャッシュ・フローも△12百万円と大幅に改善しました。しかしながら、主に米国における光ディスクドライブカルテル訴訟の進展(訴訟は既に終結)に伴う訴訟費用の支出約2億円により、当期における営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが継続しています。
当該状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ④ 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策」に記載のとおり、既に当該重要事象等を解消するための対応策を実施しているとともに、今後の主要取引銀行等の支援体制も十分確保できていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
※ 上記のうち将来に関する事項は、2018年6月22日現在において当社グループが判断したものであります。
※ 上記は当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。当社グループは事業展開上、さまざまなリスクがあることを認識し、それらをできる限り回避するように努めております。しかし、経済情勢、市況、金融市場等に様々な変動が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)業績等の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、緩やかな回復基調が続いています。また、世界経済は、全体としては緩やかに回復しているものの、米国の金融政策正常化の影響、中国やその他アジア新興国経済の先行き、地政学的リスクの影響など、先行き不透明な状況が続いています。
このような状況の中で当社グループは、再成長への投資を進める上での課題であった、収益の安定化と財務内容の健全化へ、構造改革の最終フェーズにグループ全体で取組み、一部次期の実現となったものを除き完遂いたしました。具体的には、当社および国内子会社における希望退職を含む、連結従業員数の削減、中国工場の移転、海外販売体制の見直し、連結在庫の大幅な圧縮、企業年金制度の改定、また関係会社の清算や海外遊休資産の売却等を進めてまいりました。これらの取組みにより、損益分岐点の低減と財務体質の改善が図られ、今後の再成長への投資を進める環境が整いました。
当連結会計年度におきましては、売上収益は前期を下回りましたが、希望退職等の実施による固定費削減効果により、本業の利益を表す個別開示項目前営業利益は前期損失から改善し、利益を計上することができました。営業利益につきましては、本業の改善に加え、希望退職に伴う割増退職金等の費用229百万円が発生したものの、希望退職に係る退職給付債務の清算に伴う利益158百万円、企業年金の一部DC化移行に伴う利益129百万円により前期と比較して改善しました。
この結果、当社グループの連結会計年度の売上収益は17,016百万円(前期比1.9%減)、営業利益は330百万円(前期比11.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益249百万円(前期親会社の所有者に帰属する当期損失52百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
1) 音響機器事業
音響機器事業の売上収益は10,227百万円(前期比8.8%減)となり、セグメント営業利益は906百万円(前期比40.1%増)となりました。
高級オーディオ機器(ESOTERICブランド)は、国内販売において第4四半期に上市したSACDプレーヤーとネットワークプレーヤーの新製品や輸入スピーカーが堅調に推移しました。また、輸出も新製品を中心にアジア市場で好調に推移しましたが、第3四半期までの販売の低迷を取り戻すには至らず、前期と比較して減収となりました。しかしながら、固定費の削減などにより増益となりました。
一般オーディオ機器(TEACブランド)は、単品アナログ関連製品に旺盛な需要がありましたが、一体型レコードプレーヤーシステムが前期に比較して低調に推移した結果、全体としては減収となりましたが、固定費の削減などにより赤字幅は縮小しました。
音楽制作・業務用オーディオ機器(TASCAMブランド)は、BtoC事業においては、欧州で堅調に推移したものの、特に米国において主力のハンドヘルドレコーダーやオーディオインターフェースが低調に推移しました。BtoB事業においては、販路の見直しや値上施策により収益改善の取り組みを実施しました結果、特に日本と欧州でCD・ソリッドステート録音再生機器とブルーレイプレーヤーなどの設備向け業務用製品が堅調に推移しました。期初より掲げた目標であるBtoBへの事業シフトに向けた改革を行う中で、低調なBtoC事業の状況や新製品の上市遅れなどもあり、音楽制作・業務用オーディオ機器全体としては減収となりましたが、固定費の削減などにより増益となりました。
2) 情報機器事業
情報機器事業の売上収益は5,455百万円(前期比7.7%増)となり、セグメント営業利益は824百万円(前期比59.4%増)となりました。
航空機搭載用記録再生機器は、機内エンターテインメント機器が海外、国内共に低調であったことから減収となりました。計測機器は、データレコーダー(WX-7000)において大型プロジェクト向け出荷があったことから好調に推移しました。センサーは半導体製造装置向け販売が好調を維持したことから大きく伸長し、計測機器全体では大幅な増収となりました。医用画像記録再生機器は、消化器内視鏡向けの新製品が好調に推移しました。手術画像用レコーダーは海外で大手医療機器メーカーとの契約が取れたことから好調に推移し、医用画像記録再生機器全体では増収となりました。ソリューションビジネスは受託開発が好調に推移しました。一部海外販売子会社で継続している産業用光ディスクドライブは、需要減により減収となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比較して44百万円増加し、2,142百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
1) 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、12百万円のマイナス(前期702百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、棚卸資産の増減額の減少899百万円、マイナス要因として、退職給付に係る負債の増減額の減少754百万円であります。
2) 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、141百万円のプラス(前期308百万円のプラス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、有形固定資産及び無形資産の売却による収入274百万円、マイナス要因としては、有形固定資産の取得による支出195百万円であります。
3) 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は、15百万円のマイナス(前期29百万円のプラス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、短期借入金の純増減額226百万円、マイナス要因としては、長期借入金の返済による支出117百万円、リース債務の返済による支出84百万円であります。
③ 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)
・退職給付の調整
日本基準においては数理計算上の差異及び過去勤務費用は発生時にその他の包括利益として認識し、一定年数にわたって償却することによって純利益への振り替えが行われております。IFRSでは数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として認識し即時に利益剰余金に振り替えており、過去勤務費用は発生時に純損益に認識しております。その結果、退職給付に係る調整累計額10百万円を利益剰余金に振り替えております。また853百万円の過去勤務費用及び清算損益を個別開示項目に計上しております。
・有給休暇に係る債務の調整
日本基準においては認識していない有給休暇に係る債務について、IFRSでは未消化の有給休暇について負債認識しております。その結果、IFRSにおける引当金が334百万円増加しております。
・個別開示項目
当社グループは一時的に発生する特定の収益又は費用について、その金額に重要性がある場合には、経営成績に対する影響を明らかにするために、連結損益計算書において個別開示項目として表示しております。
その結果、関係会社の閉鎖に伴う利益80百万円、確定給付企業年金制度の改定に伴う利益853百万円、訴訟和解に伴う損失454百万円を個別開示項目として表示しております。
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
・退職給付の調整
日本基準においては数理計算上の差異及び過去勤務費用は発生時にその他の包括利益として認識し、一定年数にわたって償却することによって純利益への振り替えが行われております。IFRSでは数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として認識し即時に利益剰余金に振り替えており、過去勤務費用は発生時に純損益に認識しております。その結果、退職給付に係る調整累計額33百万円を利益剰余金に振り替えております。また129百万円の制度移行による利益及び退職給付債務清算に伴う利益158百万円を個別開示項目に計上しております。
・有給休暇に係る債務の調整
日本基準においては認識していない有給休暇に係る債務について、IFRSでは未消化の有給休暇について負債認識しております。その結果、IFRSにおける引当金が336百万円増加しております。
・個別開示項目
当社グループは一時的に発生する特定の収益又は費用について、その金額に重要性がある場合には、経営成績に対する影響を明らかにするために、連結損益計算書において個別開示項目として表示しております。
その結果、割増退職金等の費用229百万円、退職給付債務清算に伴う利益158百万円、退職給付制度変更に伴う利益129百万円を個別開示項目として表示しております。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
音響機器事業 |
2,543 |
△21.4 |
|
情報機器事業 |
1,326 |
31.3 |
|
その他 |
1,131 |
31.0 |
|
合計 |
5,001 |
△2.1 |
(注)1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当社グループの製品は、原則として需要見込生産であり、該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
音響機器事業 |
10,227 |
△8.8 |
|
情報機器事業 |
5,455 |
7.7 |
|
その他 |
1,334 |
25.6 |
|
合計 |
17,016 |
△1.9 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 財政状態の分析
資産合計
当連結会計年度末における資産合計は10,285百万円と前連結会計年度末と比較して907百万円減少しました。主な増減は、営業債権及びその他の債権の増加407百万円、在庫削減に伴う棚卸資産の減少942百万円、無形資産の減少330百万円であります。
負債合計
当連結会計年度末における負債合計は、9,374百万円と前連結会計年度末と比較して1,180百万円減少しました。主な増減は、営業債務及びその他の債務の増加163百万円、企業年金制度変更の影響による退職給付に係る負債の減少756百万円、引当金の減少64百万円、その他の非流動負債の減少551百万円であります。
資本合計
当連結会計年度末における資本合計は、911百万円と前連結会計年度末と比較して273百万円増加しました。主な増減は、為替の円高に伴う為替換算調整勘定の減少によるその他の資本の構成要素の減少27百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益249百万円の計上であります。
② 経営成績の分析
各事業における経営成績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ① 業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」をご参照下さい。売上収益、営業利益、当期利益の主要な増減については次のとおりであります。
1)売上収益
当連結会計年度の売上収益は、17,016百万円と前連結会計年度よりも330百万円減少しております。音響機器事業の売上収益の減少が大きく影響しました。
2)営業利益
営業利益は、330百万円(前期営業利益295百万円)となりました。販売費及び一般管理費の抑制と個別開示項目の利益が主な理由であります。
(a) 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、6,602百万円と前連結会計年度と比較して571百万円減少しております。これは、主に人件費の減少212百万円、荷造運搬費の減少69百万円によるものであります。
(b) その他の損益
当連結会計年度のその他の損益は、44百万円の損失と前連結会計年度と比較して92百万円損失が減少しております。前連結会計年度に発生した、海外子会社の構造改革、子会社の清算に伴う特別退職金等が発生したことが主な理由です。
(c) 個別開示項目
当連結会計年度の個別開示項目の利益は、59百万円の利益と前連結会計年度と比較して420百万円減少しております。前連結会計年度に発生した確定給付企業年金制度の改定に伴う利益が主な理由です。
3)当期利益
当期利益は、269百万円(前期当期損失は32百万円)となりました。金融収益の増加121百万円、金融費用の減少177百万円が主な理由です。
(a) 金融収益
金融収益は、167百万円と前連結会計年度よりも121百万円増加しております。これは、主に為替差益の増加158百万円によるものであります。
(b) 金融費用
金融費用は、173百万円と前連結会計年度よりも177百万円減少しております。これは、主に為替差損の減少164百万円によるものであります。
(c) 法人所得税費用
法人所得税費用は、55百万円と前連結会計年度よりも31百万円増加しております。これは、主に法人税、住民税及び事業税17百万円の増加によるものであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
運転資金及び設備資金につきましては、自己資金または借入金により調達することとしております。借入金につきましては、2017年9月15日期日となっていた既存シンジケートローン契約において、シンジケートローン融資枠2,800百万円(上限)の変更契約を締結しました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を改善するための対応策
当社グループには、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しておりますが、BtoB事業へのシフトや固定費等の削減による業績改善の結果、シンジケート・ローンの財務制限条項も遵守し、引き続き主要取引銀行の支援体制も十分確保できていることから、当社グループといたしましては、翌連結会計年度における事業継続において不確実性は認められないものと判断しております。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等は次のとおりです。
|
相手先 |
国名又は地域 |
契約内容 |
|
(アレンジャー兼エージェント) 株式会社三菱東京UFJ銀行 |
日本 |
2017年9月15日期日となっていた既存シンジケートローン契約について、シンジケートローン融資枠2,800百万円(上限)の変更契約を締結しました。財務制限条項が付されております。 |
(注)株式会社三菱東京UFJ銀行は、2018年4月1日付けで株式会社三菱UFJ銀行に商号変更しております。
当社グループの研究開発活動は、主として提出会社に集中しており、提出会社及び現地販売法人において技術動向・市場動向の情報を集め、提出会社にて開発を担当し、国内外の生産拠点にて生産を行っております。
当連結会計年度における提出会社の研究開発活動は、2事業部に所属し、各事業部に直結した開発部門が市場のニーズに合致した商品をいち早く商品化すべく、研究開発を推進しております。
当連結会計年度の開発人員は95名で、研究開発費として1,014百万円投入しております。
当連結会計年度の各事業部における主な研究開発の概況と成果は次のとおりであります。
<音響機器事業>
プロオーディオ市場向けでは、放送業務仕様の4チャンネルレコーダー/プレーヤーHS-4000にて主要放送局からの要求をベースに、本体での波形表示機能等を追加した有償バージョンアップファームウェアを市場導入しました。1Uサイズ64チャンネルマルチトラックレコーダーDA-6400にて、市場からのリクエストを取り入れ、さらに幅広い分野での導入を可能とする、劇場、アミューズメントでの送出に最適なシアタープレイ機能を中心に14項目の新機能を追加して、ユーザビリティを大幅に向上させたバージョンアップファームウェアVersion2.0を市場導入しました。業務用レコーダー向けでは、動画の音声をより高音質にすることが可能な6トラックリニアPCMレコーダーDR-701Dにて、独SENNHISER社とパートナーシップを締結し、AMBEO VR MICをはじめとしたVRコンテンツの音声収録に最適なアンビソニックマイクの収録に対応した新ファームウェアVersion2.0を市場導入しました。設備市場向けでは、Danteプロトコルを採用し、安定性が高くフレキシブルなシステムの構築に対応した、32チャンネル、16チャンネルアナログライン入出力/DanteコンバーターML-32DとML-16Dや、CD/SDカード、USBメモリー、Bluetooth再生、AM/FMチューナーを搭載し、外部制御に対応した1UマルチプレーヤーCD-400U、店舗、公共施設オフィスなど複数の再生機器やスピーカを設置する複雑な音響システムを集中管理して、複数のエリアにBGMやアナウンスのアサインが可能な業務用ラックマウントミキサーMZ-223/MZ-372を市場導入しました。また、安定性、耐久性に優れたワンウェイのICロジックトランスポートコントロールを採用した録音/再生メカを2系統搭載し、設備音響現場での運用に便利な機能を多数搭載した業務用ダブルカセットデッキ202MKⅦを市場導入しました。SS-250N/SS-CDR250Nにて、より柔軟な運用ができる様に、複数台の本体電源管理・状態監視、ファイル・フォルダーのブラウズおよびプレイリストの管理・編集、タイマーイベントリスト機能の設定が可能なコントロールアプリ『TASCAM SS250 CONTROL』Ver2.0を市場導入しました。
コンシューマーオーディオ市場向け(TEACブランド)では、高音質Reference505シリーズの中核となるUSB DAC/ヘッドホンアンプ UD-505とUSB DAC/ネットワークプレーヤーNT-505を市場導入しました。どちらのモデルもUSB DACとしては、DSD22.5MHz、PCM768kHzの最高スペックに対応し、最新DACチップAK4497を搭載した高音質モデルです。スマートホンなどと手軽に接続できるBluetooth機能では、新たにaptX HDコーデックに対応し、従来から対応しているLDACと合わせ、高音質なBluetooth再生が可能です。NT-505は、ハイエンドオーディオ機器に採用されているOpen Homeプロトコルに対応したネットワークソリューションを搭載した本格派ネットワークプレーヤーです。新ジャンルの製品としては、ハイエンドオーディオ機器で音質アップアイテムとして定着しているマスタークロックジェネレーターをTEACブランドとしては初めて市場導入しました。マスタークロックジェネレーターCG-10Mは、心臓部にTEACオリジナルの超高精度OCXO(Oven Controlled Xtal Oscillator)を搭載し、出力される高精度な10MHzのマスタークロックにUD-505をはじめとしたクロック入力を持つデジタルオーディオ機器を同期させ、音質を向上させる機器で、今後対応機器が増える見込みのクロック同期機能に必要なアイテムとして注目されています。ここ数年好調を維持しているアナログレコード関連機器では、Bluetoothでレコードの音声を出力できるアナログターンテーブルNT-400BTを市場導入しました。雑誌などの媒体で取り上げられる機会も多く、ワイヤレス接続によりレコードプレーヤーの設置を自由にできる利便性も市場から大きく注目されています。コンシューマー機器としては長らく製品リリースのなかった単品録音機器のジャンルでは、SDカードにDSDフォーマットを含むハイレゾ録音ができるハイレゾ・マスターレコーダーSD-500HRと、今となっては貴重なカセットテープの再生録音ができるダブルカセットデッキW-1200を市場導入し、録音機器のTEACを再アピールし、録音ファンから好評を博しています。
ハイエンドオーディオ市場向け(ESOTERICブランド)では、ディスクプレーヤー、アンプに続く3本目の柱として伸長著しいネットワークプレーヤーカテゴリーにおいて、最高峰D/Aコンバーターを搭載するネットワークオーディオプレイヤーN-01と、D/Aコンバーターを搭載せず、USB出力でD/Aコンバーターと接続して使うネットワークオーディオトランスポートN-03Tを市場導入しました。どちらの機種もこれまでのネットワークプレーヤーでは難しいとされた音楽表現がきちんとできるということで、市場での高い評価を得ています。SACDプレーヤーカテゴリーでは、主力機種となるK-01X、K-03Xの後継機種となるK-01Xs、K-03Xsを市場導入しました。最上級機Grandioso-K1の成果を惜しみなく投入し得られた音質は、これまでのデジタルプレーヤーにはないアナログにより近づいた自然な音質という高評価をいただき、先代を上回るスタートとなっています。アンプカテゴリーでは、8年ぶりの新モデルとなるフォノイコライザーアンプE-02を市場導入しました。MCカートリッジのバランス接続という長い歴史のあるアナログレコード再生において見逃されてきた高音質化にチャレンジしたモデルで、MCのバランス接続で得られる音質は、これまで聴いてきたレコードから高い空間表現をはじめ、次元の違う再生が出来る、など市場でも非常に好評価を得ています。
当連結会計年度における研究開発費の金額は690百万円であります。
<情報機器事業>
インフライトエンターテイメント製品では、ポータブルストリーミングサーバーPS-V50の商品化を開始しました。PS-V50は、航空機搭載用の小型軽量の電池駆動式ポータブルサーバーです。機内の任意の場所に設置し、ワイヤレス通信を利用して乗客のPC/タブレット/スマホなどの携帯端末にコンテンツ配信を行います。
医用画像ファイリング製品では、内視鏡イメージレコーダーMV-7000S/MV-7000Hを市場導入しました。MV-7000Sは、NTSCの標準画質に対応し、静止画の記録に加えMotion JPEG方式による最長10分の動画記録が可能です。MV-7000Hは、高解像度の映像信号の記録に対応し、静止画の記録とMPEG2 TS方式による最大24時間の動画記録が可能です。MV-7000では、内視鏡検査中であっても過去に検査した画像をモニターに表示し、たった今内視鏡で撮影した画像と照らし合わせて患部や異常な部位などの変化を確認することができます。
当連結会計年度における研究開発費の金額は324百万円であります。