第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グル―プは、創業以来、一貫して創意と誠実を尊ぶ企業文化のもと、「記録と再生」をコアに据えて事業展開してまいりました。

 当社グル―プは、企業理念を表現したタグラインである「Recording Tomorrow」のもと、レコーディング・ソリューション・カンパニーとして音響機器事業、情報機器事業を両輪とし、お客様の要請に応え、法令・規制を遵守して、魅力ある高品質な製品とサービスを提供し続けるとともに、ステークホルダーの皆様にご満足いただけるよう新しい価値を提供し、人・社会・未来に貢献する企業となることを目指しています。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、目標とする重要な経営指標を営業利益とEBITDAとし、収益性、及びキャッシュ・フロー改善を目指します。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、「BOX+SOLUTION」を戦略骨子とし、機器販売に留まらず、クラウド・IoT・5G等の新技術がもたらす利便性を、ユニークなソリューションとしてエンドユーザーに提供し顧客満足度を高めることで、BtoB事業の安定的な成長を目指します。また、アジア市場、特に中国市場を、BtoB事業のみならずBtoC事業においても重点攻略市場と捉え、マーケティング投資を進めることで、当該地域での成長を加速させます。

 音響機器事業において放送・設備市場へTASCAMブランドで展開しているBtoB事業は、商品ラインナップに映像関連製品やライブサウンド市場向け新製品を加えることで、システムインテグレータ並びにエンドユーザーにワンストップソリューションを提供できるブランドを目指します。音響機器事業のうちESOTERICブランドとTEACブランドで展開しているBtoC事業は、事業規模は追求せず、国内外のオーディオファンをターゲットとした中高級機に特化した製品開発とマーケティング活動を継続することで、ブランド価値の向上と、一層の収益性改善を図ります。

 情報機器事業においては、機内エンターテインメント機器は、ビデオストリーミングサーバーを国内エアラインへ順次導入し、ストックビジネスを創出します。また、海外エアラインへも、コンテンツプロバイダーとの戦略的協業のもと、シェア拡大を進めます。医用画像記録再生機器は、国内においては、好調な機器販売に加え、新規開発のウェブアプリを使った手術動画管理ソリューションの提案を進めます。海外では、欧州・北米市場での更なる製品浸透に加え、アジアや南米市場での拡販を進めます。計測機器は、データレコーダーについては、新たに導入した戦略製品で自動車市場を、現行品で重工、鉄道、防衛の3分野を、それぞれ開拓します。センサー関連製品については、戦略商品であるデジタル指示計で国内外の新規顧客を獲得し、更にネットワーク対応機種を導入することで新規市場を開拓します。

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社グループは、創業以来「記録と再生」をコアに据え、技術革新による記録メディアの変遷とともに、常に高い記録品質を付加価値とする機器を、お客様に提供し続けてきました。しかしながら、インターネットや通信技術の発展に伴い、個人・法人ともに、メディアやその記録再生機器に対するニーズは減少傾向にあります。

 当社グループは、そのようなニーズの変化について、課題と認識する一方で、競合他社と差別化を図る好機と捉え、音響機器・情報機器の両事業においてネットワーク対応機器及びソリューションの提案・提供を急ぐことで、事業成長を目指します。

 新型コロナウイルスの影響は、原材料や商品調達面、また特に欧米を中心とした販売面の両面で、当第4四半期以降に顕在化した新たな課題であり、且つ中長期的な影響をもたらすものと認識しています。商品供給においては、これまでスピーディな機器ラインナップ拡充を目的として取り組んできた外部生産パートナーの活用について、商品の安定供給を図るためにも引続き積極的に進めます。販売面においては、一部商品におけるユーザーの購買チャネルの変化へは、流通形態やマーケティング戦略の見直しを図ることで対応します。他方、新型コロナウイルスはユーザーのニーズそのものにも変化をもたらしております。既に提供を開始したネットワーク対応機器及びソリューションは、新たなニーズの一部を満足させるに留まりますので、当社グループがポスト・コロナ社会に貢献でき、且つ優位性を構築できるような製品・ソリューションの開発に、引続き取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主として次のようなものであります。

① 経済状況の変動による影響

1)当社グループ製品の需要への影響

 当社グループは、日本、米大陸、欧州、アジア等の地域において民生用、産業用製品の販売を行っており、その地域の市場の経済状況により当社製品の需要は影響を受けます。概ね当社グループの民生用製品はその性格上生活必需品とは言えず、一般消費者の可処分所得、嗜好の変化により需要動向が変化し、また産業用製品は主に顧客の設備投資の状況等により需要が変化します。従いまして、日本、米大陸、欧州、アジア等における景気悪化等経済状況の変動、消費者嗜好の変化等による需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

2)当社グループの取引先への影響

 経済状況の急激な変動は当社グループの仕入先や販売先の経営にも影響を与えることがあり、当社グループでは、取引先の評価、代替取引先の手当て、与信管理、債権保全等の措置を講じてはおりますが、影響を完全に排除することは困難であります。従いまして、これら取引先の経営状況も当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

3)当社グループの銀行取引への影響

 事業の運営のため取引銀行からの借入金の確保は不可欠でありますが、経済状況の変化により、金融機関の貸出し姿勢が厳しくなり、当社グループの取引金融機関からの新規借入金、借入金の継続に支障をきたす状況となった場合、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

② 為替相場の変動による影響

 当社グループは海外における生産・販売活動の比重が高いことから外貨建売上・仕入・費用、外貨建の債権債務の割合が大きく、また海外に子会社を保有していることから、下記のように為替相場の変動によって当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

1)営業損益への影響

 当社グループの場合、米ドルにつきましては、生産あるいは仕入での割合が高く、また国内販売に対して、円高は営業損益に好影響を与えますが、ユーロとポンドは概ね販売のみであることから、それらの通貨に対する円高は当社グループの営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。また、当社グループの海外子会社の収益及び費用は、連結会計年度の月次平均レートにて円換算された収益及び費用を積上げており、通常各国通貨に対する円高は売上高、営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。

 

2)金融費用純額への影響

 当社グループは外貨建の債権債務を保有することから、期末日の為替レートの変動により為替差益または為替差損が発生し、金融費用純額に影響をもたらします。一般的に米ドルに対する円高は当社グループの金融費用純額に好影響、円安は当社グループの金融費用純額に悪影響をもたらし、ユーロ、ポンドに対する円高は当社グループの金融費用純額に悪影響、円安は当社グループの金融費用純額に好影響をもたらします。

 当社グループは売上、仕入による外貨建て債権債務につきましては、為替予約及び通貨オプションにより短期の為替相場の変動リスクをヘッジしておりますが、急激な為替変動により、為替差損が発生する可能性があります。

 

3)純資産への影響

 当社グループの海外子会社に対しては主として現地通貨にて投資を行っており、期末日の為替レートの変動により在外営業活動体の換算差額が変動し、純資産に影響を与えます。一般的に他の現地通貨に対する円高は純資産の減少となり、円安は純資産の増加をもたらします。

 

③ 事故・災害等の影響

 地震等の自然災害、テロ等の人為的災害、事故、又は新型インフルエンザ等の疫病の各種災害により、当社グループの設備、情報システム、従業員、取引先等の操業に影響が出る可能性があります。これらの災害に際して事業への影響を完全に排除し、復旧対策等を備えることは困難であります。従いまして、このような災害発生時には企業活動が妨げられ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

④ 訴訟その他の法的手続について

 当社グループは、世界各国で事業活動を行っており、事業を遂行する上で訴訟その他の法的手続に関するリスクを有しております。各国の法制度、裁判制度の違いもあることから、訴訟及び規制当局による措置により、当社グループが当事者となる可能性のある訴訟、法的手続きを予想することは困難であります。重大な法的責任又は規制当局による措置は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑤ 公的規制について

 当社グループの事業活動は、当社グループが事業を行う各国の多様な規制の適用を受けます。このような規制には、投資、貿易、公正な競争、知的財産権、租税、関税、為替、環境・リサイクルに関する規制、安全保障等の理由による輸出制限を含みます。これらの公的規制の変更及び変更に伴う法規制遵守のため、追加的費用が発生した場合、また、万一これらの規制に対する違反等が発生し、罰金、課徴金の納付命令その他の措置が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑥ 製品の品質とその責任について

 当社グループの生産工場は、世界的に認められている品質管理基準により製品の製造を行っております。しかし、当社グループの製品は、高度、複雑な技術を利用したものが増えており、また、外部の供給者からの調達もあるため品質管理へのコントロールは複雑化していることから、すべての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。従いまして、当社グループの製品に欠陥等の問題が生じた場合には、それに関連するコストの発生、当社グループの製品の品質への信頼に影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑦ 製品含有化学物質について

 当社グループの製品は、多数の素材及び部品から構成されており、部品等を外部の供給者から調達していることにより、含有化学物質のコントロールは複雑化しております。当社グループでは、規制化学物質が基準値を超えて製品に含有されることのないよう、検査、確認の徹底を図っていますが、完全な対応は困難であります。万一当社グループの製品に化学物質含有等の問題が生じた場合には、当該問題から生じた損害について当社グループが責任を負う可能性があるとともに、当社グループの製品への信頼、販売活動、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑧ 個人情報、その他情報の流出について

 当社グループは事業活動のため、顧客についての個人情報、技術、営業、その他事業に関する営業秘密を有しております。当社グループにおいては、これらの情報の適切な保護及び管理に努めていますが、万一情報システムの障害、人為的な原因、その他の事態によりこれらの情報が流出した場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態並びに当社グループに対する信頼に悪影響を与える可能性があります。

 

⑨ 競争による影響

 当社グループは、当社グループが事業を行う様々な製品市場と地域市場において、他社との激しい競争に晒されております。当社グループは、新製品の導入や高品質の製品供給等により、顧客満足を得るべく努めていますが、競合他社と品質・性能・価格などについての競争は更に激化することが予想され、その結果、価格の下落等が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑩ キーデバイスや部材調達の遅れ、供給不足による影響

 当社グループは、他社からキーデバイスや部材を購入し、また他社に一部の設計を委託しておりますが、当社グループ単独の責によらない予想外の事態が発生し、新製品の市場投入が遅れた場合、また生産用部材の供給不足により需要を満たせない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑪ 知的所有権について

 当社グループは様々な知的所有権を使用しており、それらは当社グループ所有のものであるかあるいは当社グループ若しくは当社グループへの部品等の供給元が正当に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社グループの認識外で第三者の知的所有権を侵害する可能性があります。知的所有権を巡っての係争が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑫ 退職給付債務に対する影響

 退職給付債務は、割引率や年金資産の運用収益率等の前提条件に基づく数理計算によって算出されます。経済状況の変化等により実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、その影響額は発生時にその他の包括利益として認識し、即時に利益剰余金に振り替えます。特に金利の低下に伴う割引率の低下や運用利回りの悪化は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑬ 固定資産の減損の評価について

 当社グループが保有する有形固定資産、無形資産については、当該資産が充分なキャッシュ・フローを生まない場合は、減損が発生する可能性があります。

 

⑭ 財務制限条項

 安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でシンジケートローン及びコミットメントライン契約を締結しておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、当社がこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮ 新型コロナウイルスの影響について

 世界的に流行している新型コロナウイルス感染症の影響により、当社は原材料及び商品調達面、また販売面の両面で当社業績に悪影響を及ぼし、今後、固定資産の減損等についての判断に影響を及ぼす可能性があります。

 

※ 上記のうち将来に関する事項は、2020年6月25日現在において当社グループが判断したものであります。

※ 上記は当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。当社グループは事業展開上、さまざまなリスクがあることを認識し、それらをできる限り回避するように努めております。しかし、経済情勢、市況、金融市場等に様々な変動が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績等の概要

① 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあり緩やかに回復しておりました。世界経済は全体としては緩やかに回復していましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大に伴う経済活動への影響から、先行きは不透明な状況です。

 このような状況の中で当社グループは、音響機器事業のうち高級オーディオ機器事業は、日本発のNo.1ハイエ

ンドブランドとしての位置づけを国内外で高める努力を継続し、一般オーディオ機器事業は、中高級機を主軸に据

え、競合他社に比べ個性的な製品を創造し、更なる収益力向上を目指してまいりました。音楽制作・業務用オーディオ機器事業では、設備市場においてより広範囲なアプリケーションへ対応するべく製品ラインナップを更に拡充いたしました。情報機器事業においては、医用画像記録再生機器並びに計測機器は前期に引続き海外市場への参入を進めてまいりました。また、新製品の機内エンターテインメント用サーバーの販売を強化いたしました。

 当連結会計年度におきましては、為替相場の変動の影響、新型コロナウイルスの影響等もあり売上収益は減少しました。前期には介護記録システム事業譲渡益があったことから営業利益については減益となりました。

 この結果、当社グループの連結会計年度の売上収益は14,745百万円(前期比6.0%減)、営業利益は286百万円(前期比52.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益27百万円(前期比47.0%減)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

1) 音響機器事業

 音響機器事業の売上収益は9,370百万円(前期比9.8%減)となり、セグメント営業利益は868百万円(前期比21.1%減)となりました。

 高級オーディオ機器(ESOTERICブランド)は8月に上市したSACDプレーヤーの一体型フラッグシップモデルや2月に上市した同カテゴリーの中核機種の販売は計画以上の推移となり利益率も更に改善いたしましたが、他カテゴリーの売り上げ減少と香港の民主化デモや中国のコロナ禍の初期対応の影響で地域の輸出が減少し僅かながらの減収減益となりました。

 一般オーディオ機器(TEACブランド)も、更なる中高級価格帯でハイレゾ関連製品のリファレンス・カテゴリーや録音機関連のフルサイズ・コンポ・カテゴリーへのシフト強化で利益率は大きく改善しましたが、欧米向けの輸出やOEMが低調に推移したため、全体として減収となり、引き続き固定費の削減に努めわずかな減益に留めました。

 音楽制作・業務用オーディオ機器(TASCAMブランド)は、BtoC事業において、欧米を中心にハンドヘルドレコーダーやオーディオインターフェースなどが全般的に低調となりましたが、注力しているBtoB事業においては、新製品のライブレコーディングミキサーやブルーレイプレーヤーの販売が堅調に推移し、前期から成長いたしました。また、第3四半期連結会計期間に続き当第4四半期連結会計期間におきましてもBtoC製品の在庫回転を促進するための販売プロモーションを積極展開いたしましたが、利益率の高いBtoB製品の売上比率が向上したため売上総利益率は改善しました。当第4四半期連結会計期間には新型コロナウイルスの影響によりライブハウスや商業施設向けの新規案件が客先都合により一時凍結されるなどの事態が複数発生いたしました。また、中国工場の稼働遅れから供給不足による受注残も発生いたしました。この結果、音楽制作・業務用オーディオ機器全体としては減収減益となりました。

 

2) 情報機器事業

 情報機器事業の売上収益は4,754百万円(前期比7.8%増)となり、セグメント営業利益は455百万円(前期比53.4%増)となりました。

 航空機搭載記録再生機器は、海外顧客への出荷が好調に推移、また新製品の機内エンターテインメント用サーバーも、新型コロナウイルスの影響による受注減はあったものの、国内エアラインへの販売により、前期比で増収となりました。計測機器は、データレコーダー関連では既存製品の鉄道関連での需要増に加え、新製品のデータロガーの販売が好調に推移しました。センサー関連は大手半導体製造装置メーカー各社への販売が好調に推移した事から、計測機器全体としては増収となりました。医用画像記録再生機器は、消化器内視鏡向けレコーダーは国内のクリニック向けの販売が好調に推移、また手術画像用レコーダーも国内外で好調を維持、特に南米市場の開拓が進行したことから、当第4四半期においては医療現場におけるコロナウイルス対応優先による影響を受けたものの、医用画像記録再生機器全体では増収を確保する事ができました。ソリューションビジネスは、Windows7サポート終了によるPC販売が好調、また受託開発が堅調に推移したことから、増収となりました。一部海外販売子会社で継続している産業用光ディスクドライブは、需要減により減収となりました。

 

② 生産、受注及び販売の実績

1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

音響機器事業

2,841

△9.1

情報機器事業

1,099

16.1

その他

590

△37.7

合計

4,531

△9.8

(注)1 金額は製造原価によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

2) 受注実績

 当社グループの製品は、原則として需要見込生産であり、該当事項はありません。

 

3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

音響機器事業

9,370

△9.8

情報機器事業

4,754

7.8

その他

621

△29.9

合計

14,745

△6.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析

1) 財政状態の分析

資産合計

 当連結会計年度末における資産合計は9,540百万円と前連結会計年度末と比較して224百万円増加しました。主な増減は、IFRS16号「リース」の適用に伴う使用権資産の増加による有形固定資産の増加754百万円、現金及び現金同等物の減少238百万円、その他の投資の減少124百万円であります。

 

負債合計

 当連結会計年度末における負債合計は、8,123百万円と前連結会計年度末と比較して126百万円増加しました。主な増減は、IFRS16号「リース」の適用に伴うリース負債の増加857百万円、その他の流動負債の減少106百万円、退職給付に係る負債の減少596百万円であります。

 

資本合計

 当連結会計年度末における資本合計は、1,417百万円と前連結会計年度末と比較して97百万円増加しました。主な増減は、為替の円安に伴う在外営業活動体の換算差額の増加によるその他の資本の構成要素の増加115百万円親会社の所有者に帰属する当期利益27百万円の計上であります。

 

2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比較して238百万円減少し、1,479百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、158百万円のプラス(前期314百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、減価償却費及び償却費の増加565百万円マイナス要因として、退職給付に係る負債の減少386百万円であります。

 

(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、118百万円のマイナス(前期101百万円のプラス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、投資有価証券の売却による収入100百万円、マイナス要因としては、有形固定資産の取得による支出234百万円であります。

 

(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は、231百万円のマイナス(前期221百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、短期借入金の純増額319百万円、マイナス要因としては、長期借入金の返済による支出143百万円、リース負債の返済による支出340百万円であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。経営者は、これらの見積り、判断及び仮定を過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の金額と異なる場合があります。

 なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎及び3.重要な会計方針」に記載されているとおりであります。

② 経営成績の分析

 各事業における経営成績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ① 業績」及び「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」をご参照下さい。売上収益、営業利益、当期利益の主要な増減については次のとおりであります。

 

1)売上収益

 当連結会計年度の売上収益は、14,745百万円と前連結会計年度よりも937百万円減少しております。音響機器事業の売上収益の減少が大きく影響しました。

 

2)営業利益

 営業利益は、286百万円と前連結会計年度よりも315百万円減少しております。これは、主に前連結会計年度に、個別開示項目の利益を計上していたことによります。

 

(a) 販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、6,225百万円と前連結会計年度と比較して53百万円減少しております。これは、主に人件費の減少32百万円によるものであります。

 

(b) その他の損益

 当連結会計年度のその他の損益は、38百万円の利益(前期その他の損益は3百万円の損失)となりました。これは、主に、前連結会計年度に子会社の清算に伴う損失や特別退職金を計上していたことによります。

 

3)当期利益

 当期利益は、32百万円と前連結会計年度よりも107百万円減少しております。これは、主に営業利益の減少によるものであります。

 

(a) 金融収益

 金融収益は、4百万円と前連結会計年度よりも1百万円減少しております。これは、主に受取配当金の減少1百万円によるものであります。

 

(b) 金融費用

 金融費用は、222百万円と前連結会計年度よりも94百万円減少しております。これは、主に為替差損の減少113百万円によるものであります。

 

(c) 法人所得税費用

 法人所得税費用は、37百万円と前連結会計年度よりも115百万円減少しております。これは、主に法人税、住民税及び事業税108百万円の減少によるものであります。

 

資本の財源及び資金の流動性についての分析

 運転資金及び設備資金につきましては、自己資金または借入金により調達することとしております。借入金につきましては、2019年12月27日期日となっていた既存シンジケートローン契約において、シンジケートローン融資枠2,140百万円(上限)の変更契約を締結しました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、目標とする重要な経営指標を営業利益とEBITDAとし、収益性、及びキャッシュ・フロー改善を目指しております。

 前連結会計年度における営業利益は601百万円であり、EBITDAは694百万円でした。

 当連結会計年度における営業利益は286百万円であり、EBITDAは810百万円でした。

 (当連結会計年度より適用しておりますIFRS第16号「リース」により、使用権資産の減価償却費が354百万円増加している事からEBITDAも増加しております。)

 当社グループは、「BOX+SOLUTION」を戦略骨子とし、機器販売に留まらず、クラウド・IoT・5G等の新技術がもたらす利便性を、ユニークなソリューションとしてエンドユーザーに提供し顧客満足度を高めることで、BtoB事業の安定的な成長を目指すことで、営業利益、EBITDAの改善を目指していきます。

4【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等は次のとおりです。

 

相手先

国名又は地域

契約内容

(アレンジャー兼エージェント)

株式会社三菱UFJ銀行

日本

2019年9月27日期日となっていた既存シンジケートローン契約(上限2,650百万円)について、下記の延長契約を締結しております。

・2019年12月27日期日の延長契約(上限2,650百万円)

・2020年4月27日期日の延長契約(上限2,140百万円)

・2020年9月27日期日の延長契約(上限2,140百万円)

なお、シンジケートローンには財務制限条項が付されております。

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、主として提出会社に集中しており、提出会社及び現地販売法人において技術動向・市場動向の情報を集め、提出会社にて開発を担当し、国内外の生産拠点にて生産を行っております。

 当連結会計年度における提出会社の研究開発活動は、2事業部に所属し、各事業部に直結した開発部門が市場のニーズに合致した商品をいち早く商品化すべく、研究開発を推進しております。

 当連結会計年度の開発人員は94名で、研究開発費として1,110百万円投入しております。

 当連結会計年度の各事業部における主な研究開発の概況と成果は次のとおりであります。

 

<音響機器事業>

 プロオーディオ市場向けでは、最大30MbpsのH.264 Long GOPエンコードを採用し、100Mbpsまたは1Gbpsの標準ネットワークに対応、Full HDビデオストリーム(1920x1080p)の録画・エンコード・ストリーミング・デコードを同時に動作可能なオールインワンの映像配信機器VS-R264、更には4Kビデオストリーム(3840x2160p)の録画・エンコード・ストリーミング・デコードに対応したVS-R265を市場導入しました。

 設備市場向けでは、柔軟なルーティング・ミキシング・ディストリビューションが可能なBluetooth®対応3ゾーン業務用ミキサーMZ-123BTと、8入力/8出力マトリクスミキサー『MX-8A』の壁埋め込み型プログラマブルコントローラRC-W100を市場導入、また公共・文教・商業施設や劇場、アミューズメント及びエンターテイメント事業など、様々な商業設備に適した1Uラックマウントサイズの外部制御可能な業務用ブルーレイプレイヤーBD-MP1を市場導入しました。また、定評のあるTASCAMマルチトラックレコーダー機能を内蔵し、USBオーディオ/MIDIインターフェース、DAWコントロール機能に加えて、ポッドキャスト番組制作に便利なミックスマイナス機能やスマートホン経由でトーク番組への参加を可能にするスマートホン入力など、ユニークな機能を搭載した小型サイズ多機能ミキサーModel12とラックマウント可能なコンパクトなボディを実現し、アナログサウンドの暖かさとデジタルワークフローの機能がベストマッチしたハイブリッドミキシングコンソールModel16を市場導入しました。

 MI市場向けでは、充実した内蔵エフェクター/ミキサー機能に加え、iPadなどのモバイルデバイスにも対応し、ホームレコーディング、スタジオレコーディング、ライブレコーディングなどあらゆる環境に対応したSERIES 102iと最大20チャンネルまでのマルチトラックレコーディングに対応したSERIES 208i、更には2系統のS/MUX光出力端子により、SERIES 102iやSERIES 208iその他ADATまたはS/MUX入力を搭載した様々なUSBオーディオインターフェース製品との接続も可能なHDIAマイクプリアンプ8基搭載のスタジオやステージ用途に最適なマイクプリアンプSERIES 8p Dynaを市場導入しました。

 コンシューマーオーディオ市場向け(TEACブランド)では、高音質Referenceシリーズ初となるパワーアンプカテゴリーの製品AP-505を市場導入いたしました。オランダHypex社のクラスDアンプモジュールにTEAC独自の音質チューニングを施したものを搭載し、高効率と高音質を両立しました。音質と本体サイズを超えたスピーカー駆動力が評価され、音元出版主催のオーディオビジュアルアワードにおいても金賞を受賞するなど、高評価を得ています。アナログレコード関連商品では、入門機ながらもサエク社と共同開発した高音質ナイフエッジトーンアームを搭載したベルトドライブ駆動のTN-3Bを市場導入いたしました。先に市場導入されたダイレクトドライブのTN-4Dとともに入門機の中の高音質プレミアム機として評価されています。またTEACブランドでは初となるフォノイコライザーアンプPE-505を1月にアメリカで開催されたCES、2月に開催されたオーディオフェスタin名古屋にて、参考出品させていただきました。MCカートリッジのバランス接続に対応し、通常のRIAAカーブに加えて、DeccaカーブやColumbiaカーブに対応した趣味性の高いフォノイコライザーで、2020年製品発売予定で開発を進めております。

 ハイエンドオーディオ市場向け(ESOTERICブランド)では、SACDプレーヤーカテゴリーで、新VRDSメカニズムVRDS-ATLASの搭載と、既存のD/Aコンバーターチップを使わず独自開発のディスクリートD/Aコンバーター回路を搭載した一体型プレーヤー、Grandioso K1X、K-01XD、K-03XDを市場導入いたしました。既存機種から数段ステップアップした音質と独自回路の搭載などにより、ブランドの技術力と独自性を大きくアピールすることに成功いたしました。ネットワークオーディオカテゴリーでは、DSD22.5MHz再生に対応したネットワーク再生と、独自のデジタル伝送ES-LINK入力を装備したネットワークDAC N-01XDを市場導入いたしました。こちらの製品も独自ディスクリートD/Aコンバーター回路の搭載と、リニア電源によるネットワークオーディオ入力回路を搭載することで、既存モデルからの大幅な音質アップを達成し、市場での高評価を得ています。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は765百万円であります。

 

<情報機器事業>

 医用画像ファイリング製品では、内視鏡イメージレコーダーMV-1を市場導入しました。MV-1は、新たに「タッチパネル」や「HD/SDリアルタイムコンバート機能」などの機能を追加し従来レコーダーに比べ使い易さを向上させました。消化器内視鏡で検査中の患部の静止画像記録はもちろん、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)など、検査途中で行う処置の過程を記録したいというニーズに応えるため、1080p 60fps Full HDによる動画記録にも対応しました。

 データレコーダー製品では、ひずみ計測アンプAR-LXST1000を市場導入しました。AR-LXST1000は、インテグレーテッドロガーLX-1000のオプション入力アンプです。このアンプにより、自動車、鉄道の計測分野で需要が多い、強度試験に用いられる「ひずみゲージ」、加速度測定に用いられる「ひずみゲージ式加速度センサ」による計測が可能となります。ロードセル・トランスデユーサー関連製品では、カラーグラフィックデジタル指示計TD-9000Tを市場導入しました。TD-9000Tは、荷重(ロードセル)とストローク(変位計)の2入力に対応した荷重管理用デジタル指示計です。24bit、25kHzの高速A/D変換、4.3型タッチパネルモニターを搭載し、直感的な操作性と優れた視認性を実現するとともに、測定中も全ての波形をリアルタイムで確認できるなど現場での利便性を向上させました。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は345百万円であります。