(1)会社の経営の基本方針
当社グル―プは、創業以来、一貫して創意と誠実を尊ぶ企業文化のもと、「記録と再生」をコアに据えて事業展開してまいりました。
当社グル―プは、企業理念を表現したタグラインである「Recording Tomorrow」のもと、レコーディング・ソリューション・カンパニーとして音響機器事業、情報機器事業を両輪とし、お客様の要請に応え、法令・規制を遵守して、魅力ある高品質な製品とサービスを提供し続けるとともに、ステークホルダーの皆様にご満足いただけるよう新しい価値を提供し、人・社会・未来に貢献する企業となることを目指しています。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、目標とする重要な経営指標を営業利益とEBITDAとし、収益性、及びキャッシュ・フロー改善を目指します。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「BOX+SOLUTION」を戦略骨子とし、機器販売に留まらず、クラウド・IoT・5G等の新技術がもたらす利便性を、ユニークなソリューションとしてエンドユーザーに提供し顧客満足度を高めることで、BtoB事業の安定的な成長を目指します。また、アジア市場、特に中国市場を、BtoB事業のみならずBtoC事業においても重点攻略市場と捉え、マーケティング投資を進めることで、当該地域での成長を加速させます。
音響機器事業にてESOTERICブランドとTEACブランドで展開しているプレミアムオーディオは、事業規模は追求せず、国内外のオーディオファンをターゲットとした中高級機に特化した製品開発とマーケティング活動を継続することで、ブランド価値の向上と、一層の収益性改善を図ります。TASCAMブランドで展開している音楽制作・業務用機器は、放送局・ライブサウンド市場向け、またクリエーター市場向けに新製品を加えることで、システムインテグレータやエンドユーザーにワンストップソリューションを提供できるブランドを目指します。
情報機器事業においては、機内エンターテインメント機器は、ビデオストリーミングサーバーを国内エアラインへ順次導入し、ストックビジネスを創出します。また、海外エアラインへも、パートナーとの戦略的協業のもと、シェア拡大を進めます。医用画像記録再生機器は、ハイエンド4K市場の開拓を進めます。国内においては、ウェブアプリを使った手術動画管理ソリューションの提案を進めます。海外では、北米にてグローバルメディカルメーカーの開拓に加え、アジア・南米・ロシア市場の開拓を進めます。計測機器は、データレコーダーについては、新たに導入した戦略製品で自動車市場を、現行品で重工、鉄道、防衛の3分野を、それぞれ開拓します。センサー関連製品については、フィールドバスを特徴とした新製品で、国内外の新規市場を開拓します。
(4)会社の対処すべき課題
当社グループは、創業以来「記録と再生」をコアに据え、技術革新による記録メディアの変遷とともに、常に高い記録品質を付加価値とする機器を、お客様に提供し続けてきました。しかしながら、インターネットや通信技術の発展に伴い、個人・法人ともに、メディアやその記録再生機器に対するニーズは減少傾向にあります。
当社グループは、そのようなニーズの変化について、課題と認識する一方で、競合他社と差別化を図る好機と捉え、音響機器・情報機器の両事業においてネットワーク対応機器及びソリューションの提案・提供を急ぐことで、事業成長を目指します。
新型コロナウイルス感染症の蔓延は、多くのBtoB顧客の新規投資抑制を促し、また世界規模での展示会開催や訪問機会の減少など企業活動を大きく制限する事となりました。BtoC商品については、ユーザーの購買様式の変化が加速するのみならず、ユーザーのニーズそのものにも変化をもたらしております。当社グループはデジタルマーケティング強化によりお客様との繋がりを一層深める事で、ポスト・コロナ社会に貢献でき、且つ優位性を構築できるような製品・ソリューションの開発に、引続き取り組んでまいります。
半導体を中心とした世界的な部品入手難により、市場の需要増への対応に遅れが生じるケースが発生しております。当社グループは、グローバルな製品需給と部品調達を本社SCM本部が一元管理する一方で、各事業にて必要に応じて設計変更や新製品上市計画の組み替えを行うことで足元の商品供給増を図ります。また、中長期的対応として、新製品の部品採用方針の見直しや基幹部品の適切な備蓄、外部生産パートナーの拡大など、需要増減に即応できる製品供給体制の再構築を進めてまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主として次のようなものであります。
① 経済状況の変動による影響
1)当社グループ製品の需要への影響
当社グループは、日本、米大陸、欧州、アジア等の地域において民生用、産業用製品の販売を行っており、その地域の市場の経済状況により当社製品の需要は影響を受けます。概ね当社グループの民生用製品はその性格上生活必需品とは言えず、一般消費者の可処分所得、嗜好の変化により需要動向が変化し、また産業用製品は主に顧客の設備投資の状況等により需要が変化します。従いまして、日本、米大陸、欧州、アジア等における景気悪化等経済状況の変動、消費者嗜好の変化等による需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
2)当社グループの取引先への影響
経済状況の急激な変動は当社グループの仕入先や販売先の経営にも影響を与えることがあり、当社グループでは、取引先の評価、代替取引先の手当て、与信管理、債権保全等の措置を講じてはおりますが、影響を完全に排除することは困難であります。従いまして、これら取引先の経営状況も当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
3)当社グループの銀行取引への影響
事業の運営のため取引銀行からの借入金の確保は不可欠でありますが、経済状況の変化により、金融機関の貸出し姿勢が厳しくなり、当社グループの取引金融機関からの新規借入金、借入金の継続に支障をきたす状況となった場合、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
② 為替相場の変動による影響
当社グループは海外における生産・販売活動の比重が高いことから外貨建売上・仕入・費用、外貨建の債権債務の割合が大きく、また海外に子会社を保有していることから、下記のように為替相場の変動によって当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
1)営業損益への影響
当社グループの場合、米ドルにつきましては、生産あるいは仕入での割合が高く、また国内販売に対して、円高は営業損益に好影響を与えますが、ユーロとポンドは概ね販売のみであることから、それらの通貨に対する円高は当社グループの営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。また、当社グループの海外子会社の収益及び費用は、連結会計年度の月次平均レートにて円換算された収益及び費用を積上げており、通常各国通貨に対する円高は売上高、営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。
2)金融費用純額への影響
当社グループは外貨建の債権債務を保有することから、期末日の為替レートの変動により為替差益または為替差損が発生し、金融費用純額に影響をもたらします。一般的に米ドルに対する円高は当社グループの金融費用純額に好影響、円安は当社グループの金融費用純額に悪影響をもたらし、ユーロ、ポンドに対する円高は当社グループの金融費用純額に悪影響、円安は当社グループの金融費用純額に好影響をもたらします。
当社グループは売上、仕入による外貨建て債権債務につきましては、為替予約及び通貨オプションにより短期の為替相場の変動リスクをヘッジしておりますが、急激な為替変動により、為替差損が発生する可能性があります。
3)純資産への影響
当社グループの海外子会社に対しては主として現地通貨にて投資を行っており、期末日の為替レートの変動により在外営業活動体の換算差額が変動し、純資産に影響を与えます。一般的に他の現地通貨に対する円高は純資産の減少となり、円安は純資産の増加をもたらします。
③ 事故・災害等の影響
地震等の自然災害、テロ等の人為的災害、事故、又は新型インフルエンザ等の疫病の各種災害により、当社グループの設備、情報システム、従業員、取引先等の操業に影響が出る可能性があります。これらの災害に際して事業への影響を完全に排除し、復旧対策等を備えることは困難であります。従いまして、このような災害発生時には企業活動が妨げられ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
④ 訴訟その他の法的手続について
当社グループは、世界各国で事業活動を行っており、事業を遂行する上で訴訟その他の法的手続に関するリスクを有しております。各国の法制度、裁判制度の違いもあることから、訴訟及び規制当局による措置により、当社グループが当事者となる可能性のある訴訟、法的手続きを予想することは困難であります。重大な法的責任又は規制当局による措置は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑤ 公的規制について
当社グループの事業活動は、当社グループが事業を行う各国の多様な規制の適用を受けます。このような規制には、投資、貿易、公正な競争、知的財産権、租税、関税、為替、環境・リサイクルに関する規制、安全保障等の理由による輸出制限を含みます。これらの公的規制の変更及び変更に伴う法規制遵守のため、追加的費用が発生した場合、また、万一これらの規制に対する違反等が発生し、罰金、課徴金の納付命令その他の措置が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑥ 製品の品質とその責任について
当社グループの生産工場は、世界的に認められている品質管理基準により製品の製造を行っております。しかし、当社グループの製品は、高度、複雑な技術を利用したものが増えており、また、外部の供給者からの調達もあるため品質管理へのコントロールは複雑化していることから、すべての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。従いまして、当社グループの製品に欠陥等の問題が生じた場合には、それに関連するコストの発生、当社グループの製品の品質への信頼に影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑦ 製品含有化学物質について
当社グループの製品は、多数の素材及び部品から構成されており、部品等を外部の供給者から調達していることにより、含有化学物質のコントロールは複雑化しております。当社グループでは、規制化学物質が基準値を超えて製品に含有されることのないよう、検査、確認の徹底を図っていますが、完全な対応は困難であります。万一当社グループの製品に化学物質含有等の問題が生じた場合には、当該問題から生じた損害について当社グループが責任を負う可能性があるとともに、当社グループの製品への信頼、販売活動、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑧ 個人情報、その他情報の流出について
当社グループは事業活動のため、顧客についての個人情報、技術、営業、その他事業に関する営業秘密を有しております。当社グループにおいては、これらの情報の適切な保護及び管理に努めていますが、万一情報システムの障害、人為的な原因、その他の事態によりこれらの情報が流出した場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態並びに当社グループに対する信頼に悪影響を与える可能性があります。
⑨ 競争による影響
当社グループは、当社グループが事業を行う様々な製品市場と地域市場において、他社との激しい競争に晒されております。当社グループは、新製品の導入や高品質の製品供給等により、顧客満足を得るべく努めていますが、競合他社と品質・性能・価格などについての競争は更に激化することが予想され、その結果、価格の下落等が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑩ キーデバイスや部材調達の遅れ、供給不足による影響
当社グループは、他社からキーデバイスや部材を購入し、また他社に一部の設計を委託しておりますが、当社グループ単独の責によらない予想外の事態が発生し、新製品の市場投入が遅れた場合、また生産用部材の供給不足により需要を満たせない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑪ 知的所有権について
当社グループは様々な知的所有権を使用しており、それらは当社グループ所有のものであるかあるいは当社グループ若しくは当社グループへの部品等の供給元が正当に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社グループの認識外で第三者の知的所有権を侵害する可能性があります。知的所有権を巡っての係争が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
⑫ 固定資産の減損の評価について
当社グループが保有する有形固定資産、無形資産については、当該資産が充分なキャッシュ・フローを生まない場合は、減損が発生する可能性があります。
⑬ 財務制限条項
安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でシンジケートローン及びコミットメントライン契約を締結しておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、当社がこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 新型コロナウイルスの影響について
世界的に流行している新型コロナウイルス感染症の影響により、当社は原材料及び商品調達面、また販売面の両面で当社業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
※ 上記のうち将来に関する事項は、2021年6月18日現在において当社グループが判断したものであります。
※ 上記は当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。当社グループは事業展開上、さまざまなリスクがあることを認識し、それらをできる限り回避するように努めております。しかし、経済情勢、市況、金融市場等に様々な変動が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)業績等の概要
① 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の防止策を講じるなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があり、感染症が国内外経済に与える影響は依然として不透明な状況です。
このような状況の中で当社グループは、音響機器事業のうち高級オーディオ機器事業は、次世代アンプの要素技術の確立と新規カテゴリーへの挑戦でラインナップを拡充し、海外市場を伸ばす事で堅実な成長路線を目指してまいりました。一般オーディオ機器事業は、中高級機のReferenceシリーズ強化と、特色のあるアナログ製品は、すべてのカテゴリーにおいて新製品が競合に比べ常に個性的な価値を持つ事で、収益向上とブランド・イメージの回復を引き続き目指してまいりました。音楽制作・業務用オーディオ機器事業では、世界各国で連携したデジタルマーケティングの強化及び多数の戦略的新製品の投入により製品ラインナップを更に拡充いたしました。情報機器事業においては、IoTやAIなどの市場の先端技術への取り組みを行う事により、新しい市場への開拓を進めてまいりました。
当連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により売上収益は減少しましたが、固定費削減効果による本業を表わす個別開示項目前営業利益の増益に加え、確定給付企業年金制度の改定に伴う利益及び確定拠出年金制度への移行による損益、減損損失による個別開示項目の影響により、前期と比較して改善しました。
この結果、当社グループの連結会計年度の売上収益は14,589百万円(前期比1.1%減)、営業利益は508百万円(前期比77.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益301百万円(前年同期当期利益27百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
1) 音響機器事業
音響機器事業の売上収益は10,067百万円(前期比7.4%増)となり、セグメント営業利益は1,226百万円(前期比41.3%増)となりました。
高級オーディオ機器(ESOTERICブランド)は、新型コロナウイルス感染症拡大の初期において国内外で販売店の一時閉鎖や都市のロックダウンが影響し一時的に売上は減少しましたが、その後、中国市場を筆頭に海外市場において受注が急激に拡大しました。また新製品を投入したアンプカテゴリーや、音楽配信サービスに対応したネットワークプレーヤーカテゴリー等が順調に推移いたしました結果、全体では増収増益となりました。
一般オーディオ機器(TEACブランド)も、新型コロナウイルス感染症拡大の初期においては、一時的に売上は減少しましたが、その後は日本市場や欧州市場を中心として主にEC販路で巣ごもり需要やテレワーク需要を背景とした販売が好調に推移し、全体としては増収増益となりました。
音楽制作・業務用オーディオ機器(TASCAMブランド)は、BtoC事業において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による巣ごもり需要が継続しました。従来の音楽制作に加え、動画制作やオンラインミーティングなどの音声収録需要が拡大した結果、BtoC販売は年間を通じて好調に推移しました。BtoB事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の中、公共工事案件における一定需要は確保されましたが、民間案件の設備投資は引き続き先送りになるなど、業務用レコーダー・プレーヤーの販売は低調に推移しました。しかしながら、BtoC製品の販売が売上を大幅にけん引した事により、音楽制作・業務用オーディオ機器全体としては増収増益となりました。
2) 情報機器事業
情報機器事業の売上収益は3,977百万円(前期比16.3%減)となり、セグメント営業利益は123百万円(前期比72.9%減)となりました。
航空機搭載記録再生機器は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により国内外の顧客への出荷が低調に推移したことから減収減益となりました。計測機器は、データレコーダーではターゲット市場である鉄道、自動車、重工業分野で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続き予算の凍結や投資延期のため減収となりました。一方センサー関連においては半導体製造装置メーカー及びその他装置メーカーへの販売が好調に推移し増収となりましたが、計測機器全体としては減収となりました。医用画像記録再生機器は、国内消化器内視鏡向けレコーダーはクリニック向けの販売は堅調に推移しました。手術画像用レコーダーは海外ではアジア、特に中国向け出荷が好調、欧州は堅調でしたが、米国での出荷が伸びず低調に推移しました。国内では手術画像管理システムとのソリューション提案など新たな取り組みによる市場開拓が進んだものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により販売減となり、医用画像記録再生機器全体では前年同期比で減収となりました。ソリューションビジネスは、受託開発案件が低調に推移したことから、減収となりました。一部海外販売子会社で継続している産業用光ディスクドライブは、需要減により減収となりました。
② 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
音響機器事業 |
2,989 |
5.2 |
|
情報機器事業 |
1,118 |
1.8 |
|
その他 |
570 |
△3.5 |
|
合計 |
4,678 |
3.2 |
(注)1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2) 受注実績
当社グループの製品は、原則として需要見込生産であり、該当事項はありません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
音響機器事業 |
10,067 |
7.4 |
|
情報機器事業 |
3,977 |
△16.3 |
|
その他 |
544 |
△12.3 |
|
合計 |
14,589 |
△1.1 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
1) 財政状態の分析
資産合計
当連結会計年度末における資産合計は9,651百万円と前連結会計年度末と比較して111百万円増加しました。主な増減は、現金及び現金同等物の増加391百万円、棚卸資産の増加373百万円、営業債権及びその他の債権の減少374百万円、有形固定資産の減少289百万円であります。
負債合計
当連結会計年度末における負債合計は、7,807百万円と前連結会計年度末と比較して316百万円減少しました。主な増減は、営業債務及びその他の債務の増加567百万円、企業年金制度変更に伴う退職一時金制度移換による長期未払金の増加1,149百万円、退職給付に係る負債の減少1,974百万円であります。
資本合計
当連結会計年度末における資本合計は、1,844百万円と前連結会計年度末と比較して427百万円増加しました。主な増減は、為替の円安に伴う在外営業活動体の換算差額の増加によるその他の資本の構成要素の増加114百万円、退職給付の再測定から発生した利益剰余金の増加127百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益301百万円の計上であります。
2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比較して391百万円増加し、1,869百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、866百万円のプラス(前期158百万円のプラス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、減価償却費及び償却費の増加552百万円、長期未払金の増加1,149百万円、マイナス要因として、退職給付に係る負債の減少1,846百万円であります。
(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、164百万円のマイナス(前期118百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、有形固定資産及び無形資産の売却による収入5百万円、マイナス要因としては、有形固定資産の取得による支出169百万円であります。
(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は、314百万円のマイナス(前期231百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、長期借入による収入450百万円、マイナス要因としては、長期借入金の返済による支出184百万円、リース負債の返済による支出362百万円であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。経営者は、これらの見積り、判断及び仮定を過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の金額と異なる場合があります。
なお、重要な会計方針及び見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)判断及び見積りの使用 3.重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績の分析
各事業における経営成績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ① 業績」及び「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」をご参照下さい。売上収益、営業利益、当期利益の主要な増減については次のとおりであります。
1)売上収益
当連結会計年度の売上収益は、14,589百万円と前連結会計年度よりも156百万円減少しております。情報機器事業の売上収益の減少が大きく影響しました。
2)営業利益
営業利益は、508百万円と前連結会計年度よりも221百万円増加しております。これは、主に当連結会計年度に、個別開示項目の利益127百万円を計上したことによります。個別開示項目の主な内容は、退職給付制度変更に伴う利益261百万円、固定資産の減損損失の135百万円の計上です。
(a) 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、5,890百万円と前連結会計年度と比較して335百万円減少しております。これは、主に人件費の減少89百万円、旅費交通費の減少99百万円によるものであります。
(b) その他の損益
当連結会計年度のその他の損益は、14百万円の利益と前連結会計年度と比較して25百万円減少しております。これは、主にその他の営業外収益の増加12百万円、希望退職に伴う損失31百万円を計上したことによります。
3)当期利益
当期利益は、286百万円と前連結会計年度よりも254百万円増加しております。これは、主に営業利益の増加によるものであります。
(a) 金融収益
金融収益は、7百万円と前連結会計年度よりも3百万円増加しております。これは、主に為替差益の増加によるものであります。
(b) 金融費用
金融費用は、173百万円と前連結会計年度よりも49百万円減少しております。これは、主に為替差損の減少32百万円によるものであります。
(c) 法人所得税費用
法人所得税費用は、56百万円と前連結会計年度よりも19百万円増加しております。これは、主に法人税等調整額の増加36百万円によるものであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
運転資金及び設備資金につきましては、自己資金または借入金により調達することとしております。借入金につきましては、2020年9月27日期日となっていた既存シンジケートローン契約において、シンジケートローン融資枠2,140百万円(上限)の変更契約を締結しました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、目標とする重要な経営指標を営業利益とEBITDAとし、収益性、及びキャッシュ・フロー改善を目指しております。
前連結会計年度における営業利益は286百万円であり、EBITDAは810百万円でした。
当連結会計年度における営業利益は508百万円であり、EBITDAは909百万円でした。
当社グループは、「BOX+SOLUTION」を戦略骨子とし、機器販売に留まらず、クラウド・IoT・5G等の新技術がもたらす利便性を、ユニークなソリューションとしてエンドユーザーに提供し顧客満足度を高めることで、BtoB事業の安定的な成長を目指すことで、営業利益、EBITDAの改善を目指していきます。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等は次のとおりです。
|
相手先 |
国名又は地域 |
契約内容 |
|
(アレンジャー兼エージェント) 株式会社三菱UFJ銀行 |
日本 |
2020年9月27日期日となっていた既存シンジケートローン契約(上限2,140百万円)について、下記の延長契約を締結しております。 ・2021年3月27日期日の延長契約(上限2,140百万円) ・2021年9月27日期日の延長契約(上限2,140百万円) なお、シンジケートローンには財務制限条項が付されております。 |
当社グループの研究開発活動は、主として提出会社に集中しており、提出会社及び現地販売法人において技術動向・市場動向の情報を集め、提出会社にて開発を担当し、国内外の生産拠点にて生産を行っております。
当連結会計年度における提出会社の研究開発活動は、2事業部に所属し、各事業部に直結した開発部門が市場のニーズに合致した商品をいち早く商品化すべく、研究開発を推進しております。
当連結会計年度の開発人員は94名で、研究開発費として
当連結会計年度の各事業部における主な研究開発の概況と成果は次のとおりであります。
<音響機器事業>
設備市場向けでは、4Kコンテンツに対応した1Uラックマウントサイズの外部制御可能な業務用ブルーレイ/マルチメディアプレーヤーBD-MP4Kを市場導入しました。
MI市場向けでは、192kHz対応などオーディオ性能を向上させループバック機能、OBSにも対応し、生配信やポッドキャストのインターフェースとしても使用可能な特徴を共通とし、XLRマイク、TRSライン入力を4系統装備したUS-4x4HR、コンボジャック マイク/ライン入力を2系統装備したUS-2x2HR、XLRマイク入力を1系統、TRS ライン/ギター入力1系統装備したUS-1x2HRの3機種をUSBオーディオインターフェース市場へ導入しました。また、ICレコーダー市場に対し会議録音などのビジネスシーンはもちろん、学校での講義や講演、インタビューや語学トレーニングなど、録音メモに便利なレコーダーVR-01と更にワイドFMに対応したFMチューナーを搭載しSDカードを使えるようにしたVR-02を市場導入しました。更に、かんたん操作で各種ネット配信サービスを使った音声演出を楽しめる家庭用放送機器としてUS-42Bを市場導入、適切な感度で配信用途、テレコミュニケーション用途に最適な放送向けダイナミックマイクロフォンTM-70、歌、楽器の録音など汎用的に使いまわせるスタンダードなダイナミックマイクロフォンTM-82を市場導入しました。
コンシューマーオーディオ市場向け(TEACブランド)では、フォノイコライザーアンプPE-505を市場導入しました。MCバランス接続に対応し、高音質レコード再生を実現するとともに、イコライザーカーブの選択や負荷インピーダンス、負荷容量の選択で好みの音質が設定できるなど、高い趣味性を実現しました。ターンテーブルカテゴリーでは、バランス伝送に対応したターンテーブル最上位機種TN-5BBを市場導入しました。PE-505と接続可能なXLRバランス出力端子やナイフエッジトーンアームの搭載、人工大理石、和紙、MDFの組み合わせによる共振低減キャビネットなど、レコード再生を高音質で楽しんでいただける製品となっています。そして、さらに高音質を目指すシリーズとして、Reference700シリーズの開発に着手しており、2021年中にネットワークDAC UD-701NとパワーアンプAP-701の2機種の発売に向けて開発を進めています。
ハイエンドオーディオ市場向け(ESOTERICブランド)では、最上位のGrandiosoシリーズのプリアンプC1Xを市場導入しました。ボリュームコントロールと増幅回路に、新開発の2つのオリジナル素子を搭載し、0.1dBステップのきめ細やかなボリュームコントロールと生演奏に迫る臨場感ある再生音を実現しました。マスタークロックジェネレーターカテゴリーでは、Grandioso G1Xを市場導入しました。新開発の独自ディスクリート発振回路によるOCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator)を搭載し、ディスクリートD/Aコンバーター搭載機種との接続で、音の立体感や音楽性を向上させる効果を実現しました。そして、パワーアンプカテゴリーでは、Grandioso M1Xの開発に着手しました。2020年8月に山梨大学、新日本無線(株)から発表された新技術スーパージャンクション構造バイポーラトランジスターを出力段に搭載したパワーアンプとして、最高音質を目指して開発を進めています。
当連結会計年度における研究開発費の金額は
<情報機器事業>
データレコーダー製品では、インテグレーテッドロガーLX-1000用のCANモジュールAR-LXCAN1000を開発し2021年5月に発売を開始しました。AR-LXCAN1000は、次世代車載ネットワークCAN FDに対応したCANモジュールです。AR-LXCAN1000は多ポートのCAN収録に対応しており、1モジュールで2ポート、LX-1000に最大4モジュールまで実装可能です。このCANモジュールと入力アンプモジュールを組み合わせることで、CANデータとアナログ入力信号(振動・音・ひずみ等)の同時計測が可能になります。CANデータ収録モードは、シグナルモード/丸取りモードを備えており、収録データの量の削減や処理の効率化、試験後に必要なデータの確認・解析の選択ができます。
機内エンターテイメント機器では、Peach Aviation株式会社、並びに朝日放送テレビ株式会社との合同プロジェクトにより、ポータブルストリーミングサーバー Porta Stream PS-V50を用いた機内動画コンテンツやフライトマップ、機内販売のセルフオーダーサービスなどを提供する「機内デジタルサービス」を共同開発しサービスを開始しました。
医用画像記録再生機器では、メディカルビデオレコーダーUR-Xを市場導入しました。UR-Xは、操作性に優れた5インチのタッチスクリーンを搭載し、患者情報の入力や各種設定をタッチパネルで行うことができ、スクリーンからは入力中の手術映像を確認することができます。タッチパネルは手袋をつけたままでも行うことができる抵抗膜方式を採用しています。
当連結会計年度における研究開発費の金額は