第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり緩やかな回復が続くことが期待されますが、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。

 このような状況の中で当社グループは、音響機器事業のうちプレミアムオーディオ機器事業では、ESOTERICブランドにおいて、高音質、高付加価値な製品展開を推し進め、ブランド価値を高めることで、海外市場を伸ばし堅実な成長路線を引き続き目指してまいります。TEACブランドにおいては、引き続き中高級機のReferenceシリーズの更なる強化により、収益とブランドイメージの向上に努めてまいります。輸入ブランドにおいては、ブランドの持つ個性を訴求することで、ブランドの定着を強化してまいります。音楽制作・業務用オーディオ機器事業では、業務用デジタルミキサーを軸としながら、周辺機器のラインナップ拡充も行っており、従来の録音再生機器とともに、更に柔軟で質の高いトータルシステムソリューションの提供を強みとしたBtoB事業の拡大に努めてまいります。また、BtoC事業においては、製品ポートフォリオの選択と集中を進め、付加価値を明確に中高価格帯へ転換し、採算性の向上と市場シェアの拡大を目指してまいります。情報機器事業では、当社のコアコンピテンスである「高度な記録と再生技術」をベースに計測、半導体、医療、移動体の各分野において独自技術や先端技術を組込んだ製品開発を行い、ニッチトップポジションの獲得を進めます。また、積極的な訪問営業により、ターゲット顧客に当社製品に対する投資メリットの理解を促す形で拡販を図るとともに、ユーザーから直接ヒアリングした意見やニーズを新製品の開発に取り込んでまいります。

 当中間連結会計期間におきましては、機内エンターテインメント機器、およびTASCAMブランドBtoC事業の内エントリー向け現行品の販売が低調に推移したことから、売上収益及び営業利益は前年同期と比較して減少しました。また、為替相場の変動に伴い第1四半期に計上した為替差損が差益に転じたことから、親会社の所有者に帰属する中間損失は前年同期と比較して減少しました。

 この結果、当社グループの当中間連結会計期間の売上収益は6,736百万円(前年同期比8.1%減)、営業損失は282百万円(前年同期営業損失47百万円)、親会社の所有者に帰属する中間損失は344百万円(前年同期親会社の所有者に帰属する中間損失368百万円)となりました。

 なお、当社のBtoC事業は第3四半期、BtoB事業は第4四半期にそれぞれの需要期を迎えることから、当社グループの業績は、売上、利益ともに下半期に偏重する傾向があります。

 

 各事業セグメントの業績は次のとおりであります。

1)音響機器事業

 音響機器事業の売上収益は、4,853百万円(前年同期比8.2%減)となり、セグメント営業利益は332百万円(前年同期比33.0%減)となりました。

 プレミアムオーディオ機器(ESOTERICブランド、TEACブランド)は、ESOTERICブランドにおいて、SACDプレーヤー、ネットワークプレーヤーが好調に推移しました。TEACブランドにおいては、新製品のUSB DACと欧州でターンテーブルの販売が好調に推移しました。輸入ブランドにおいては、各ブランドのスピーカーが好調に推移しました。その結果、プレミアムオーディオ機器全体として、前年同期比で増収となりました。

 音楽制作・業務用オーディオ機器(TASCAMブランド)は、BtoB事業において、音響設備工事案件の需要増により主力録音再生機などの販売が好調に推移しましたが、前年同期に業務用ミキサーの海外での販売を開始したことによる反動減もあり、前年同期並みに推移しました。BtoC事業において、マルチトラックレコーダーやビデオグラファー向けレコーダーなどの新製品の受注は好調でしたが、エントリー向け現行品は市中在庫の販売が進まず低調な推移となりました。その結果、音楽制作・業務用オーディオ機器全体では前年同期比で減収となりました。

 

2)情報機器事業

 情報機器事業の売上収益は、1,554百万円(前年同期比2.2%減)となり、セグメント営業損失は102百万円(前年同期営業損失97百万円)となりました。

 計測機器は、データレコーダーの出荷が防衛関連向けを中心に好調に推移、生体測定装置の販売も好調でしたが、センサーおよびデジタル指示計において、コアとなる半導体市場向けが需要回復の遅れにより低調だったことから、カテゴリー全体では前年同期比で減収となりました。医用画像記録再生機器は、国内向けの消化器内視鏡向けレコーダーが低調な推移となりましたが、Full HDレコーダーは堅調に推移、フラッグシップモデルの4K手術画像記録用レコーダーも新たなOEM採用が決まるなど好調に推移し、前年同期比で増収となりました。機内エンターテインメント機器は、欧州やアジア、中東におけるシステムサプライヤーとのパートナーシップ拡大により引合いが大きく増加、国内では航空業界以外の市場開拓も進みましたが、機内サーバーの販売が低調に推移し、前年同期比で減収となりました。ソリューションビジネスは、医用向けサーバーの出荷と受託開発案件の受注が好調に推移し、ネットワーク・インフラの保守も堅調だったことで、前年同期比で増収となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産合計)

 当中間連結会計期間末における資産合計は、11,404百万円と前連結会計年度末と比較して466百万円減少しました。主な増減は、現金及び現金同等物の増加121百万円、営業債権及びその他の債権の減少1,084百万円、棚卸資産の増加711百万円であります。

 

(負債合計)

 当中間連結会計期間末における負債合計は、8,421百万円と前連結会計年度末と比較して124百万円増加しました。主な増減は、社債及び借入金の増加404百万円、営業債務及びその他の債務の減少92百万円、リース負債の減少144百万円であります。

 

(資本合計)

 当中間連結会計期間末における資本合計は、2,984百万円と前連結会計年度末と比較して590百万円減少しました。主な増減は、利益剰余金の減少373百万円、その他の資本の構成要素の減少217百万円であります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して121百万円増加し、1,347百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における営業活動の結果得られた資金は、105百万円のプラス(前年同期211百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、減価償却費及び償却費247百万円、金融収益及び金融費用81百万円、営業債権及びその他の債権の減少額1,054百万円、マイナス要因としては、中間損失344百万円、棚卸資産の増加額873百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における投資活動の結果得られた資金は、85百万円のマイナス(前年同期54百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、有形固定資産及び無形資産の取得による支出85百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における財務活動の結果得られた資金は、150百万円のプラス(前年同期97百万円のプラス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、短期借入金の増加額1,189百万円、マイナス要因としては、長期借入金の返済による支出773百万円、リース負債の返済による支出190百万円であります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当中間連結会計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた対処すべき課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は637百万円であります。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。