第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当連結会計年度は、当社が2022年5月13日に公表いたしました、中期経営計画「B-7030計画」の最終年度に当たりますが、次期以降の中期経営計画については、公表を1年間延期する事といたしました。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、創業以来、一貫して創意と誠実を尊ぶ企業文化のもと、「記録と再生」をコアに据えて事業展開してまいりました。

 当社グループは、企業理念を表現したタグラインである「Recording Tomorrow」のもと、レコーディング・ソリューション・カンパニーとして音響機器事業、情報機器事業を両輪とし、お客様の要請に応え、法令・規制を遵守して、魅力ある高品質な製品とサービスを提供し続けるとともに、ステークホルダーの皆様にご満足いただけるよう新しい価値を提供し、人・社会・未来に貢献する企業となることを目指しています。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、目標とする重要な経営指標を営業利益とフリーキャッシュ・フローとし、収益性、及びキャッシュフロー改善を目指します。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、「ニッチトップ戦略」を全事業共通の基本戦略としており、各事業とも特定領域でトップシェアを獲得したのち関連製品のシステム・ソリューションを展開することで、現行領域および関連新領域における堅実な事業拡大を図ります。

 音響機器事業にてESOTERICブランドとTEACブランドで展開しているプレミアムオーディオは、新たなカテゴリーに挑戦し続け、ブランド価値向上によるファンベースの拡大を目指します。TASCAMブランドで展開している音楽制作・業務用オーディオ機器についても、BtoC事業ではクリエーター向けソリューション、BtoB事業ではミキサーを、それぞれ新たな収益事業軸として育成すべく開発・マーケティング投資を進め、事業成長を目指します。

 情報機器事業は、アンプ・指示計を半導体製造装置向けに加え、リチウムイオン電池製造装置向けなど新たに進出した市場へ展開、グローバルに高いシェアを誇る医用画像記録機器は4K対応機器と手術映像管理ソリューションをラインナップに加えシステム提案を進め、機内エンターテインメント機器は海外のシステムパートナー数を増やすことで、それぞれ事業成長と高付加価値化に伴う収益力向上を図ります。

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社グループは、創業以来「記録と再生」をコアに据え、技術革新による記録メディアの変遷とともに、常に高い記録品質を付加価値とする機器をお客様に提供し続けてきました。しかしながら、インターネットや通信技術の発展に伴い、個人・法人ともにメディアやその記録再生機器に対するニーズは、減少傾向にあります。当社グループは、そのようなニーズの変化について課題と認識する一方で、競合他社と差別化を図る好機と捉え、音響機器・情報機器の両事業においてネットワーク対応機器およびソリューションの提案・提供を急ぎ、一層の高付加価値化による収益力向上と事業成長を目指します。

 当社グループは、記録・再生技術への探究心を原点とした事業活動を通じて環境負荷の低減に努め、持続可能な社会を実現することを使命とし、サステナビリティを推進してまいります。事業を通じた文化と産業への貢献を軸とし、環境面では事業活動に伴うCO2排出量把握や廃棄物の削減を、人的資本面では育成プログラムの推進による人材基盤の強化や女性活躍促進に向けた女性採用比率の向上に取り組んでまいります。

 また、株主の皆様に対する利益還元については、これまでの株主還元方針を継続することとし、自己資本比率が25%を超えることを目安として、配当を実施いたします。次期についても2025年6月26日開催の株主総会におけるご承認を経て配当を継続いたします。更に資本コストや株価を意識した対応も課題であり、将来に向けた取り組みを検討し、収益力向上と事業成長に取り組んでまいります。

 当社グループは、上記のお客様、従業員、社会・環境、株主の皆様の他、金融機関を含むお取引先など全てのステークホルダーに「品質」を約束するブランドとなることで企業価値の持続的成長を目指しており、「品質」向上に向けた短期および中長期の経営課題解決に引き続き取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社は、人々の健康と安全、自然の営みを尊重し、創意と工夫を尊ぶ企業文化のもと、記録・再生技術への探究心を原点とした事業活動を通じて、環境負荷の低減に努め、持続可能な社会を実現することを使命としています。国際社会の一員として、多方面との協力・協調を図り、サステナビリティの達成に貢献してまいります。当社は、2022年4月から2025年3月までの3年間の中期経営計画において、経営課題と対応方針の中にサステナビリティに関する取組を位置付けて活動してまいりました。2026年3月期以降につきましては、その結果も踏まえて内容を見直し、引き続き取り組んでまいります。

 

<全般>

(1)ガバナンス

 当社では、製品の設計・開発・製造、サービス提供を中心とする事業活動のあらゆる場面で、技術的・経済的に可能な範囲で環境に配慮し活動する基本方針とし、取締役会が全体を監督する体制のもと、事業戦略コミッティ(事業戦略コミッティにつきましては、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照下さい)にて具体的方針・活動計画・重要事項の審議・決定がなされた上で、その取組状況に関して、取締役会へ報告されております。

 

(2)リスク・機会の管理方法

 テーマは、実現可能性、当社事業との親和性、期待される効果、将来の発展性等を勘案し、事業戦略コミッティにおいて、目標を含めて決定しております。

 また、同業他社、ユーザー、廃棄物処理関連事業者等と情報を共有しながら、リスク低減効果が期待できる活動に費用・工数を充てて行くこととしております。また、機会についても関連する費用・工数を勘案のうえ、年次事業計画および中期事業計画に照らして親和性のある活動を中心に検討し、事業活動との整合性も高めて行きます。

 

(3)指標および目標

 2022年4月から3年間においては、廃棄物の削減、再生利用促進、再生製品の地域社会への提供等をESG経営目標として掲げ、取り組んでまいりました結果、下記を達成いたしました。2026年3月期以降においてもこの成果を維持するとともに、引き続きCO2排出量の正確な把握や廃棄物の削減を進めてまいります。

・オフィスにおける紙使用量を、2025年3月期には2020年3月期比77%(37万枚以下)とする。

・市場より回収され、従来廃棄されていた修理可能な音響機器の再利用比率を30%とする。

 

<人的資本経営への取組み>

 当社グループは、全てのステークホルダーに「品質」を約束するブランドとなることで企業価値の持続的成長を目指すことを方針としており、その原動力は人材であるとの認識のもと、育成・採用の取組みを進めております。

 

(1)人材育成方針

 人的資本は、当社の経営理念を実現し、当社を持続させていくために最重要な財産であると認識し、個々の人材が持つ思考と経営戦略との連動を図り、経営目標達成・業績向上のための人的基盤を強化してまいります。このため、全社員を対象としたeラーニングシステムを導入するとともに、スタッフ層に対しては能動的に自らを高めるキャリア構築支援研修を、マネジメント層に対してはスタッフ層が力を発揮するための組織力醸成に向けたトレーニングを展開します。

 

(2)社内環境整備方針

 当社では、年齢、性別、国籍、雇用形態の違いや障がいの有無に関わらず、全従業員が能力を十分に発揮しながら働ける環境づくりに取り組んでおります。

 特に、子育て・介護・キャリア開発・社会貢献活動と仕事の両立など、全従業員が多様なライフスタイルに応じた働き方が実現できる制度として、フレックスタイムやテレワークといった柔軟な勤務制度の整備、従業員が家族的責任を果たすための育児・介護・看護等の各種休暇・休職制度の他、利用期限のない積立休暇制度を設け、傷病、介護、不妊治療、育児・看護や社会貢献のために必要な日数を取得できるとしています。

 女性の活躍促進に関しては、女性比率の低い当社の実情を鑑み女性の積極的な採用活動を行っております。

 また、従業員のエンゲージメントを向上させるため、教育と能力発揮の機会を提供するとともに、安全衛生委員会の活動や労働組合との対話を通して継続的な改善を図ります。また、従業員に対するエンゲージメント調査により、毎年効果測定を行います。

 

(3)指標および目標

 当社では、女性社員比率と女性管理職比率を同等とする長期目標を掲げております。また短期的には、2022年3月末時点における女性社員比率19.9%を2025年3月末までに0.4%増加、同、女性管理職比率8.2%を2025年3月末までに1.5%増加させることを目指し、女性社員の積極登用・積極採用等、女性活躍の推進に取り組んでまいりました。2025年3月末においては、グループ内再編等もあったことから、女性社員比率17.7%、女性管理職比率4.2%となり目標達成には至りませんでした。2026年3月期以降におきましては、女性社員比率と女性管理職比率を同等とする長期目標は維持した上で、その達成にはそもそもの女性比率向上を図ることが喫緊の課題であると認識し、新規採用者における女性比率を、2025年3月末現在の女性社員比率である17.7%以上となる「20%以上」を目標として推進してまいります。また、既存社員に対しましても、従来の基幹職・一般職の区分を廃止して管理職登用の候補者の裾野を広げるなどの地道な施策を講じながら、より多くの女性社員の登用を図る環境を整備してまいります。

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主として次のようなものであります。

① 経済状況の変動による影響

1)当社グループ製品の需要への影響

 当社グループは、日本、米大陸、欧州、アジア等の地域において民生用、産業用製品の販売を行っており、その地域の市場の経済状況により当社製品の需要は影響を受けます。概ね当社グループの民生用製品はその性格上生活必需品とは言えず、一般消費者の可処分所得、嗜好の変化により需要動向が変化し、また産業用製品は主に顧客の設備投資の状況等により需要が変化します。従いまして、日本、米大陸、欧州、アジア等における景気悪化等経済状況の変動、消費者嗜好の変化等による需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

2)当社グループの取引先への影響

 経済状況の急激な変動は当社グループの仕入先や販売先の経営にも影響を与えることがあり、当社グループでは、取引先の評価、代替取引先の手当て、与信管理、債権保全等の措置を講じてはおりますが、影響を完全に排除することは困難であります。従いまして、これら取引先の経営状況も当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

3)当社グループの銀行取引への影響

 事業の運営のため取引銀行からの借入金の確保は不可欠でありますが、経済状況の変化により、金融機関の貸出し姿勢が厳しくなり、当社グループの取引金融機関からの新規借入金、借入金の継続に支障をきたす状況となった場合、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

② 為替相場の変動による影響

 当社グループは海外における生産・販売活動の比重が高いことから外貨建売上・仕入・費用、外貨建の債権債務の割合が大きく、また海外に子会社を保有していることから、下記のように為替相場の変動によって当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

1)営業損益への影響

 当社グループの場合、米ドルにつきましては、生産あるいは仕入での割合が高く、また国内販売に対して、円高は営業損益に好影響を与えますが、ユーロとポンドは概ね販売のみであることから、それらの通貨に対する円高は当社グループの営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。また、当社グループの海外子会社の収益及び費用は、連結会計年度の月次平均レートにて円換算された収益及び費用を積上げており、通常各国通貨に対する円高は売上高、営業損益に悪影響を与え、円安は好影響をもたらします。

 

2)金融費用純額への影響

 当社グループは外貨建の債権債務を保有することから、期末日の為替レートの変動により為替差益または為替差損が発生し、金融費用純額に影響をもたらします。一般的に米ドルに対する円高は当社グループの金融費用純額に好影響、円安は当社グループの金融費用純額に悪影響をもたらし、ユーロ、ポンドに対する円高は当社グループの金融費用純額に悪影響、円安は当社グループの金融費用純額に好影響をもたらします。

 当社グループは売上、仕入による外貨建て債権債務につきましては、為替予約及び通貨オプションにより短期の為替相場の変動リスクをヘッジしておりますが、急激な為替変動により、為替差損が発生する可能性があります。

 

3)純資産への影響

 当社グループの海外子会社に対しては主として現地通貨にて投資を行っており、期末日の為替レートの変動により在外営業活動体の換算差額が変動し、純資産に影響を与えます。一般的に他の現地通貨に対する円高は純資産の減少となり、円安は純資産の増加をもたらします。

 

③ 事故・災害等の影響

 地震等の自然災害、戦争、テロ等の人為的災害、事故、又は新型インフルエンザ等の疫病の各種災害により、当社グループの設備、情報システム、従業員、取引先等の操業に影響が出る可能性があります。これらの災害に際して事業への影響を完全に排除し、復旧対策等を備えることは困難であります。従いまして、このような災害発生時には企業活動が妨げられ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

④ 訴訟その他の法的手続について

 当社グループは、世界各国で事業活動を行っており、事業を遂行する上で訴訟その他の法的手続に関するリスクを有しております。各国の法制度、裁判制度の違いもあることから、訴訟及び規制当局による措置により、当社グループが当事者となる可能性のある訴訟、法的手続きを予想することは困難であります。重大な法的責任又は規制当局による措置は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑤ 公的規制について

 当社グループの事業活動は、当社グループが事業を行う各国の多様な規制の適用を受けます。このような規制には、投資、貿易、公正な競争、知的財産権、租税、関税、為替、環境・リサイクルに関する規制、安全保障等の理由による輸出制限を含みます。これらの公的規制の変更及び変更に伴う法規制遵守のため、追加的費用が発生した場合、また、万一これらの規制に対する違反等が発生し、罰金、課徴金の納付命令その他の措置が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑥ 製品の品質とその責任について

 当社グループの生産工場は、世界的に認められている品質管理基準により製品の製造を行っております。しかし、当社グループの製品は、高度、複雑な技術を利用したものが増えており、また、外部の供給者からの調達もあるため品質管理へのコントロールは複雑化していることから、すべての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。従いまして、当社グループの製品に欠陥等の問題が生じた場合には、それに関連するコストの発生、当社グループの製品の品質への信頼に影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑦ 製品含有化学物質について

 当社グループの製品は、多数の素材及び部品から構成されており、部品等を外部の供給者から調達していることにより、含有化学物質のコントロールは複雑化しております。当社グループでは、規制化学物質が基準値を超えて製品に含有されることのないよう、検査、確認の徹底を図っていますが、完全な対応は困難であります。万一当社グループの製品に化学物質含有等の問題が生じた場合には、当該問題から生じた損害について当社グループが責任を負う可能性があるとともに、当社グループの製品への信頼、販売活動、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑧ 個人情報、その他情報の流出について

 当社グループは事業活動のため、顧客についての個人情報、技術、営業、その他事業に関する営業秘密を有しております。当社グループにおいては、これらの情報の適切な保護及び管理に努めていますが、万一情報システムの障害、人為的な原因、その他の事態によりこれらの情報が流出した場合は、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態並びに当社グループに対する信頼に悪影響を与える可能性があります。

 

⑨ 競争による影響

 当社グループは、当社グループが事業を行う様々な製品市場と地域市場において、他社との激しい競争に晒されております。当社グループは、新製品の導入や高品質の製品供給等により、顧客満足を得るべく努めていますが、競合他社と品質・性能・価格などについての競争は更に激化することが予想され、その結果、価格の下落等が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑩ キーデバイスや部材調達の遅れ、供給不足による影響

 当社グループは、他社からキーデバイスや部材を購入し、また他社に一部の設計を委託しておりますが、当社グループ単独の責によらない予想外の事態が発生し、新製品の市場投入が遅れた場合、また生産用部材の供給不足により需要を満たせない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑪ 知的所有権について

 当社グループは様々な知的所有権を使用しており、それらは当社グループ所有のものであるかあるいは当社グループ若しくは当社グループへの部品等の供給元が正当に使用許諾を受けたものであると認識しておりますが、当社グループの認識外で第三者の知的所有権を侵害する可能性があります。知的所有権を巡っての係争が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

⑫ 固定資産の減損の評価について

 当社グループが保有する有形固定資産、無形資産については、当該資産が充分なキャッシュ・フローを生まない場合は、減損が発生する可能性があります。

 

⑬ 財務制限条項

 安定的な資金調達を図るため、金融機関との間でシンジケートローン及びコミットメントライン契約を締結しておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、当社がこれらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、一括返済を求められる等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑭ 新型コロナウイルスの影響について

 新型コロナウイルス感染症については、日本国内においては5類感染症へ移行され経済活動への影響が徐々に低下しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症が再拡大し、各国政府等の要請により、世界経済・当社の事業活動及び取引先の事業活動が停滞する場合、当社は原材料及び商品調達面、また販売面の両面で当社業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

※ 上記のうち将来に関する事項は、2025年6月26日現在において当社グループが判断したものであります。

※ 上記は当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。当社グループは事業展開上、さまざまなリスクがあることを認識し、それらをできる限り回避するように努めております。しかし、経済情勢、市況、金融市場等に様々な変動が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績等の概要

① 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり緩やかな回復が続くことが期待されますが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが高まっています。また、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響も我が国の景気を下押しするリスクとなっています。

 このような状況の中で当社グループは、音響機器事業のうちプレミアムオーディオ機器事業では、ESOTERICブランドにおいて、高音質、高付加価値な製品展開を推し進め、ブランド価値を高めることで、海外市場を伸ばし堅実な成長路線を引き続き目指してまいりました。TEACブランドにおいては、引き続き中高級機のReferenceシリーズの更なる強化により、収益とブランドイメージの向上に努めてまいりました。輸入ブランドにおいては、ブランドの持つ個性を訴求することで、ブランドの定着を強化してまいりました。音楽制作・業務用オーディオ機器事業(TASCAMブランド)では、業務用デジタルミキサーを軸としながら、周辺機器のラインナップ拡充も行っており、従来の録音再生機器とともに、更に柔軟で質の高いトータルシステムソリューションの提供を強みとしたBtoB事業の拡大に努めてまいりました。また、BtoC事業においては、製品ポートフォリオの選択と集中を進め、付加価値を明確に中高価格帯へ転換し、採算性の向上と市場シェアの拡大を目指してまいりました。情報機器事業では、当社のコアコンピテンスである「高度な記録と再生技術」をベースに計測、半導体、医療、移動体の各分野において独自技術や先端技術を組込んだ製品開発を行い、ニッチトップポジションの獲得を進めてまいりました。また、積極的な訪問営業により、ターゲット顧客に当社製品に対する投資メリットの理解を促す形で拡販を図るとともに、ユーザーから直接ヒアリングした意見やニーズを新製品の開発に取り込んでまいりました。

 当連結会計年度におきましては、TASCAMブランドBtoC事業のうちエントリー向けの低調ならびに情報機器事業の半導体製造装置向けの回復遅れにより、原価率の上昇及びその他事業の縮小に伴う減益の挽回が不十分となり、営業利益は前期と比較して減少しました。一方、為替相場の変動に伴い為替差損を計上しましたが前期と比較して損失が減少した事から、親会社の所有者に帰属する当期利益は増加しました。

 この結果、当社グループの連結会計年度の売上収益は15,668百万円(前期比0.0%減)、営業利益は340百万円(前期比23.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益81百万円(前期親会社の所有者に帰属する当期損失53百万円)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

1) 音響機器事業

 音響機器事業の売上収益は11,044百万円(前期比1.0%増)となり、セグメント営業利益は1,219百万円(前期比2.2%減)となりました。

 プレミアムオーディオ機器(ESOTERICおよびTEACブランド)は、ESOTERICブランドにおいて、SACDプレーヤー、ネットワークプレーヤー、フォノアンプが好調に推移しました。TEACブランドにおいては、USB DAC、ターンテーブルカテゴリーが堅調に推移しました。輸入ブランドにおいては、Tannoyブランド、Klipschブランドのスピーカーが好調に推移しました。北米販売の成長もあり、プレミアムオーディオ機器全体では、前期比で増収となりました。

 音楽制作・業務用オーディオ機器(TASCAMブランド)は、BtoB事業において、年間を通じて音響設備工事需要が安定して推移したことにより主力録音再生機と各種周辺機器の販売が好調に推移しました。業務用ミキサーは、海外では前年に販売を開始したことによる反動減があり低調に推移しましたが、次世代IP伝送規格に準拠した放送局案件への導入が進んでおります。BtoC事業においては、クリエイター向け新製品効果により下期において好調な推移となりましたが、米国市場において上期に販売網の再編成を行った結果、市中在庫調整による出荷減が発生し低調に推移しました。その結果、音楽制作・業務用オーディオ機器全体では前期比で減収となりました。

 

2) 情報機器事業

 情報機器事業の売上収益は3,989百万円(前期比1.4%増)となり、セグメント営業利益は209百万円(前期比57.0%増)となりました。

 計測機器は、データレコーダーにおいて、防衛関連向けの大口案件の出荷に加え、第4四半期に上市された新製品の貢献もあり、販売が好調に推移しましたが、センサーおよびデジタル指示計においては、PCやスマートフォン用の半導体需要が緩やかな回復に留まり、当社製品のコア市場である、これらの半導体の製造装置向け販売が低調な推移となったことから、カテゴリー全体では前期比で減収となりました。医用画像記録再生機器は、国内の消化器内視鏡向けレコーダーの出荷が堅調に推移し、フラッグシップモデルの手術画像記録用4Kレコーダーも国内と北米における販売が大きく伸長したことから、前期比で増収となりました。機内エンターテインメント機器は、国内の船舶業界向けの取引が拡大し、機内サーバーも海外パートナー向け販売が開始されましたが、海外エアラインによる大口導入が来期に先送りとなった影響で、前期比で減収となりました。ソリューションビジネスは、医用向けサーバーの出荷が年間を通じて好調に推移し、前期比で増収となりました。

② 生産、受注及び販売の実績

1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

音響機器事業

2,619

△14.5

情報機器事業

1,488

4.9

その他

408

41.7

合計

4,515

△5.3

(注) 金額は製造原価によっております。

 

2) 受注実績

 当社グループの製品は、原則として需要見込生産であり、該当事項はありません。

 

3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

音響機器事業

11,044

1.0

情報機器事業

3,989

1.4

その他

635

△21.6

合計

15,668

△0.0

 

③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析

1) 財政状態の分析

資産合計

 当連結会計年度末における資産合計は10,815百万円と前連結会計年度末と比較して1,056百万円減少しました。主な増減は、現金及び現金同等物の増加325百万円、営業債権及びその他の債権の減少408百万円、棚卸資産の減少554百万円、有形固定資産の減少358百万円であります。

 

負債合計

 当連結会計年度末における負債合計は、7,257百万円と前連結会計年度末と比較して1,039百万円減少しました。主な増減は、営業債務及びその他の債務の減少480百万円、社債及び借入金の減少227百万円、リース負債の減少309百万円であります。

 

資本合計

 当連結会計年度末における資本合計は、3,558百万円と前連結会計年度末と比較して16百万円減少しました。主な増減は、為替の円安に伴う在外営業活動体の換算差額の減少によるその他の資本の構成要素の減少46百万円、退職給付の再測定から発生した利益剰余金の減少22百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益81百万円の計上であります。

 

2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比較して325百万円増加し、1,552百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、1,178百万円のプラス(前期116百万円のプラス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、減価償却費及び償却費494百万円、金融収益及び金融費用215百万円、営業債権及びその他の債権の減少269百万円、棚卸資産の減少509百万円、マイナス要因として、営業債務及びその他の債務の減少486百万円、長期未払金の減少210百万円であります。

 

(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、115百万円のマイナス(前期106百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、有形固定資産及び無形資産の売却による収入2百万円、マイナス要因としては、有形固定資産の取得による支出117百万円であります。

 

(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は、706百万円のマイナス(前期69百万円のマイナス)となりました。主な内訳は、プラス要因として、短期借入金の純増減額815百万円、マイナス要因としては、長期借入金の返済による支出1,022百万円、リース負債の返済による支出375百万円であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。経営者は、これらの見積り、判断及び仮定を過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の金額と異なる場合があります。

 なお、重要な会計方針及び見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)判断及び見積りの使用 及び 3.重要性がある会計方針」に記載しております。

② 経営成績の分析

 各事業における経営成績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ① 業績」及び「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」をご参照下さい。売上収益、営業利益、当期利益の主要な増減については次のとおりであります。

 

1)売上収益

 当連結会計年度の売上収益は、15,668百万円と前連結会計年度よりも4百万円減少しております。その他の事業の売上収益の減少が大きく影響しました。

 

2)営業利益

 営業利益は、340百万円と前連結会計年度よりも105百万円減少しております。

 

(a) 販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、6,413百万円と前連結会計年度と比較して169百万円減少しております。

 

(b) その他の損益

 当連結会計年度のその他の損益は、44百万円の損失と前連結会計年度と比較して63百万円減少しております。これは、主に減損損失54百万円によるものであります。

 

3)当期利益

 当期利益は、81百万円と前連結会計年度よりも134百万円増加しております。

 

(a) 金融収益

 金融収益は、6百万円と前連結会計年度よりも2百万円減少しております。

 

(b) 金融費用

 金融費用は、287百万円と前連結会計年度よりも161百万円減少しております。

 

(c) 法人所得税費用

 法人所得税費用は、22百万円のマイナス(利益方向)と前連結会計年度よりも80百万円減少しております。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 運転資金及び設備資金につきましては、自己資金または借入金により調達することとしております。借入金につきましては、2024年3月15日においてシンジケートローンによるコミットメントライン(上限2,500百万円、2025年3月31日期日 ※延長後の満期日2026年3月31日)及びタームローン(1,300百万円、2028年3月31日期日)を締結しております。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、目標とする重要な経営指標を営業利益とフリーキャッシュ・フローとし、収益性、及びキャッシュ・フロー改善を目指しております。

 当社グループは、「BOX+SOLUTION」を戦略骨子とし、機器販売に留まらず、クラウド・IoT・5G等の新技術がもたらす利便性を、ユニークなソリューションとしてエンドユーザーに提供し顧客満足度を高めることで、BtoB事業の安定的な成長を目指すことで、営業利益、フリーキャッシュ・フローの改善を目指していきます。

5【重要な契約等】

 当連結会計年度において、新たに締結した重要な契約等は次のとおりです。

借入金契約

相手先

国名又は地域

契約内容

株式会社りそな銀行

日本

2024年3月15日において、株式会社りそな銀行をアレンジャーとする以下のシンジケートローン契約を締結しております。トランシェAは、2025年3月31日にコミットメント期限の満期日を迎えましたが、本契約に基づきコミットメント期限が1年間延長されました。

なお、本契約での借入残高は2025年3月31日現在において、2,975百万円であります。

 

① 締結日:2024年3月15日

② アレンジャー兼エージェント:株式会社りそな銀行

③ 参加金融機関:株式会社りそな銀行、株式会社関西みらい銀行、

         株式会社伊予銀行、株式会社八十二銀行、

         株式会社足利銀行、株式会社京葉銀行、

         首都圏リース株式会社、株式会社千葉銀行

④ 組成金額:

     トランシェA(コミットメントライン)2,500百万円

     トランシェB(タームローン)1,300百万円

⑤ 満期日:

     トランシェA(コミットメントライン)2025年3月31日

(借入人は1回に限り、コミットメント期限の延長を請求することができる。)※延長後満期日2026年3月31日

     トランシェB(タームローン)2028年3月31日

⑥ 担保の内容:無担保

⑦ 財務上の特約:

    ・決算期末日における連結財政状態計算書における自己資本比率を10%以上維持

    ・決算期における連結損益計算書における個別開示項目前営業損益の黒字維持

    ・東京証券取引市場における上場維持

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、主として提出会社に集中しており、提出会社及び現地販売法人において技術動向・市場動向の情報を集め、提出会社にて開発を担当し、国内外の生産拠点にて生産を行っております。

 当連結会計年度における提出会社の研究開発活動は、2事業部に所属し、各事業部に直結した開発部門が市場のニーズに合致した商品をいち早く商品化すべく、研究開発を推進しております。

 当連結会計年度の開発人員は102名で、研究開発費として1,217百万円投入しております。

 当連結会計年度の各事業部における主な研究開発の概況と成果は次のとおりであります。

 

<音響機器事業>

 ポータブルオーディオレコーダー市場向けでは、32ビットフロート録音に対応しタイムコードジェネレーター機能を搭載したフィールドレコーダー/タイムコードジェネレーターFR-AV2を市場導入しました。更にBluetooth通信によりスマートフォンなどの専用アプリからのリモート制御やワイヤレスタイムコード同期、ワイヤレス音声モニタリングを可能にするBluetoothアダプターAK-BT2を同時に市場導入しました。また、様々なシーンでの定番機として広く愛用されてきたDR-05XおよびDR-07Xに32ビットフロート録音やUSB Type-Cに対応し音割れしないレコーディングが可能な軽量で持ち運びやすいポータブルハンドヘルドレコーダーDR-05XPおよびDR-07XPを市場導入しました。ミキサー市場向けでは、既に市場導入済みのデジタルミキサーSonicview用としてSMPTE ST2110準拠64入力/64出力のオーディオ伝送と独立した制御ポートに対応したオプションカードIF-ST2110を市場導入しました。また、アナログミキサーの操作性とデジタル技術による機能性を兼ね備え、USBオーディオインターフェースとDAWトランスポートコントロール、更には専用アプリModel Mixer Settings PanelによりUSB経由でPC画面にメーターブリッジを表示可能なレコーディングミキサーModel2400を市場導入しました。更にアナログとデジタル機器をシームレスに繋ぐレコーディングソリューションとして24マルチトラックレコーダーやUSBオーディオインターフェースによるDAWへの録音が可能なStudio Bridgeを市場導入しました。業務用レコーダー市場向けでは、PCM 192kHz、DSD 5.6MHzの2チャンネル録音ハイサンプリング録音に対応した高音質の業務用マスターレコーダー/AD/DAコンバーターDA-3000SDを市場導入しました。設備市場向けでは、USB DACおよびFMチューナーを搭載のほかBluetoothアダプターAK-BT2を装着することでBluetoothでのレシーバー機能や専用アプリによるリモートコントロール機能を拡張可能な業務用SD/USBプレーヤーMP-800Uの開発を完了し2025年5月に市場投入いたします。また、設備音響システムにワイヤレスオーディオ受信機能を拡張することができる、Bluetooth5.1 Class 1採用のハーフラックサイズよりもコンパクトなBluetoothレシーバーRX-BT10の開発を完了し2025年6月に市場導入いたします。

 プレミアムオーディオカテゴリー(TEACブランド)では、Referenceシリーズ、ヘッドホンアンプ/プリアンプHA-507、ステレオパワーアンプAP-507、マスタークロックジェネレーターCG-10M-Xの設計開発を行いました。HA-507では、低能率なヘッドホンも駆動できる強力なヘッドホンアンプ回路を新規設計しました。AP-507では、オランダHypex社製パワーアンプモジュールをベースに独自音質チューニングを行いオリジナルパワーアンプモジュールを設計しました。CG-10M-Xでは、新世代のシャーシコンストラクションを設計し、新たな音質チューニングで高音質化を図りました。

 ハイエンドオーディオカテゴリー(ESOTERICブランド)では、Grandiosoシリーズ、フォノイコライザーアンプGrandioso E1、ネットワークオーディオトランスポートGrandioso N1Tの設計開発を行いました。Grandioso E1では、MCカートリッジからのバランス電流入力回路、光カートリッジ専用入力回路、各種イコライザーカーブに対応するフルディスクリート構成のバリアブルEQゲインアンプ回路を新規設計しました。Grandioso N1Tでは、光ネットワーク接続に対応した第4世代となるネットワークモジュール「ESOTERIC Network Engine G4」、独自デジタル伝送ES-LINK出力回路を新規設計しました。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は909百万円であります。

 

<情報機器事業>

 医用画像録画記録再生機器では、従来製品UR-4MDの後継機種として、UR-4MD-SEの開発を完了し国内市場向けに2025年4月より販売開始いたしました。医療現場におけるサイバーセキュリティ対応の厳格化に伴うUSBデバイスの使用を禁止する施設様への対応として、従来オプション機能としていたネットワーク転送を標準搭載いたしました。また、内蔵HDDを500GBから1TBに増やすことで、データバックアップ機能をさらに強化いたしました。

 広帯域データ記録機器では、従来製品WX-7000シリーズの後継機として、WX-9000シリーズを、2025年1月より販売いたしました。主に航空宇宙、鉄道、電力、防衛などの基幹産業における高帯域、多チャンネル計測でご利用いただくことを目的とした製品で、従来製品WX-7000シリーズと比べ、機能・性能など基本仕様を大幅に改善したことに加え、ランニングコストの低減やユーザービリティの向上を実現しています。

 デジタル指示計機器では、従来製品TD-9000T NPNタイプのPNP出力モデルであるTD-9000T PNPタイプを、2025年1月より発売いたしました。ヨーロッパを中心に需要があるPNPモデルを追加することで、より広い市場ニーズに対応いたしました。

 航空機内エンターテインメント機器では、2024年2月より発売を開始しました航空機内サーバーPortaStreamの第2世代機PS-V50 GEN2に於いて、機内販売、機内サービス、ケータリング管理を自動化した機内デジタルプラットフォームを提供するリーディング企業Forthcode社(インド バンガロール)と、2024年7月より業務提携を開始いたしました。同社のプラットフォーム「nGO Airlines」と連携させることにより、機内販売、サービス、在庫調整、乗員業務効率化、ギャレー運用を自動化させ、PCI DSS(クレジットカード情報セキュリティ基準)に準拠したクレジットカード決済機能もサポートが可能となります。また、航空会社の経営資源管理システム(ERPシステム)からのデータを統合し、シームレスな機内販売及びサービス管理を提供することで、付帯収入による収益性向上を実現します。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は308百万円であります。