文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。
当連結会計年度における国内外の経済環境は、米国の関税率引き上げや、地政学的リスクの高まりなどによる影響が各国に波及し、先行き不透明な状況が継続しましたが、全体としては底堅く推移しました。
当グループは、経営理念「創造 貢献」を軸に、2030年に向け企業価値極大化を目指しております。その実現に向け、コア事業を中心とした着実な成長を図るとともに、収益基盤をさらに強固なものとし、持続的成長に向けた基盤を確立してまいります。
2027年3月期から2029年3月期の3ヶ年中期経営計画では「持続的成長に向けた基盤確立期」と位置付け、新たな成長領域におけるイノベーションと経営基盤強化により、「足元の収益性強化」と「中期の成長基盤確立」の両輪を実現し、グローバルブランドとしての企業価値極大化を図ってまいります。
①収益性強化と成長基盤の確立
1)時計事業………………………「G-SHOCK」と「CASIO WATCH」の2軸ブランド展開による収益極大化を図ってまいります。「G-SHOCK」は、商品ラインアップとブランド力を強化し再成長を目指すとともに若年層のユーザーの獲得を強化してまいります。「CASIO WATCH」は、高単価ラインアップの拡充、現代トレンドとの融合、本質的価値を際立たせたデザイン/商品の進化により、高付加価値化を推進し、女性や新世代を中心としたさらなる拡大に取り組んでまいります。
インド、ブラジル、ASEANなど成長ポテンシャルの高いエリアでの販売を強化し、拡大を加速してまいります。
2)EdTech事業……………関数電卓は、教育現場の意見を反映したユーザーインターフェイスの進化継続、エリア特性に合わせた専用機開発等、商品開発力を強化し、既存市場における普及率拡大と新興国における需要獲得を図ります。また同時に模倣品対策の推進を強化し、売上拡大、収益力強化に取り組んでまいります。
教育のⅠCT化、教科書デジタル化を見据え教育アプリビジネスを強化し、ハードとソフトの融合による市場ポジション確立を目指してまいります。
3)サウンド事業…………………新しい演奏体験の提供による需要創造を図るとともに、抜本的な構造改革により、早期黒字化に取り組んでまいります。
4)新規事業………………………AIペット「Moflin」は、グローバルでの拡大を加速させるとともに、メンタルウェルネス領域で独自のポジションを確立し、パーソナルウェルビーイング領域での事業確立を目指してまいります。
また、持続的な成長を支える経営基盤強化のため、人員構造の適正化と組織構造のスリム化による機動的かつ効率的な事業運営の確立、人的資本経営の強化、経営・事業判断を高度化するDX基盤強化を推進してまいります。R&Dについては体制を強化し、意思決定の迅速化と開発スピードを加速させ、当グループの強みであるコア技術の進化と先端領域(AI、ソフトウェア等)との技術融合により、新規事業創出や先端技術開発に取り組むことで、新たな価値を創出し、中長期的な成長を支えてまいります。
②資本収益性・資本効率性を意識した経営
当グループは、キャピタルアロケーション方針に基づき、財務安全性を確保しながら手元資金を有効活用し、通常設備投資に加え、アライアンスやブランド投資等の戦略投資及び次世代環境投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的向上を図ります。また、資本コストを意識した事業活動の推進及びバランスシートの効率化によりフリー・キャッシュ・フローの創造に努めるとともに、株主還元強化により資本効率性の改善を図ることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。
③事業を通じたサステナブルな社会への貢献
当グループは、パーパスである「驚きを身近にする力で、ひとりひとりに今日を超える歓びを。」を起点に、事業活動を通じた価値創造と社会課題の解決を両立させることを目指し、サステナビリティ経営を推進しております。当グループは、中長期的に取り組むべき経営上及び環境・社会面の重要課題を明確にし、サステナビリティ経営を実効性あるものとするためにマテリアリティを設定しており、サステナビリティ経営の活動指針としております。
マテリアリティは、当グループの持続的な成長と社会への貢献が相互に好循環を生む構造を目指すべく、「事業を通じた価値創造」、「経営資本の増強」、「経営基盤の強化」の3つのグループに整理するとともに、マテリアリティごとに目標及びKPIを設定し、継続的に進捗を管理・開示し推進しております。2027年3月期においては、マテリアリティの達成と中期経営計画が連動するよう、2027年3月期から2029年3月期の3ヶ年目標を新たに策定いたしました。今後も、企業成長と社会発展を両輪として、人々の心と暮らしが豊かな社会を目指してまいります。
④コーポレート・ガバナンス機能の強化・充実
当社は、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、迅速な意思決定や適切な業務執行とともに、経営監視機能の強化を重要課題と位置付けております。取締役会の実効性をさらに高めコーポレート・ガバナンス体制の充実を図るため、2026年6月開催の定時株主総会後における取締役会の体制について、社外取締役比率は56%、女性取締役比率は22%といたします。当グループは企業価値の向上と持続的な成長を実現できる強固な経営基盤を形成するべくコーポレート・ガバナンス機能の強化・充実を推進するとともに、引き続き健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成にも努めてまいります。
当社の経営理念である「創造 貢献」という考え方は、当社独自の強みを最大限に活かし、時代の変化に合わせて常に新しい文化を創造することで、世の中の役に立ち続ける、ということを意味しています。当グループは、この貢献のための創造を通じて、人々の暮らしの中に溶け込み、必要としてくれる人にとって最も大切な存在となるような、新しい価値を生み出し続ける企業を目指しています。
当グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当グループが判断したものであります。
当グループでは気候変動をはじめとする企業と社会の中長期的な持続可能性に係る事項への対応を経営上の重要課題と認識し、事業軸と機能軸の各責任者を主なメンバーとする「サステナビリティ委員会」において十分に議論の上、審議事項および報告事項は、同委員会開催後に「取締役会」へ報告されます。「取締役会」では、当該報告に対する指摘・助言を受けており、以後の施策や取組みに反映することで、重要事項に関する経営としての意思決定や、重要事項の推進状況に対する監督が適切になされる体制を整備しています。
(コーポレート・ガバナンス体制)

当グループでは、気候変動関連等のリスク及び機会について、サステナビリティ推進部門が中心となり、各関連部門と連携しリスク及び機会の識別・評価を行っています。
まず、関係部門との連携のうえ、情報収集、法規制・市場動向等の調査・分析を実施し、リスク及び機会を識別します。識別した重要なリスク及び機会に対しては、「サステナビリティ委員会」において発生可能性や事業への影響度(財務への影響を含む)を踏まえるとともに、機会がもたらす貢献度や実現可能性といった観点も考慮し、評価項目を設定し、各項目に対する重点施策を定め、各施策の達成状況を評価しています。設定した評価項目に関しては、重点施策、対応方針や取組状況について定期的に審議・モニタリングを実施し、継続的に管理しています。特に重要と認識されたリスク及び機会については、リスクマネジメントを統轄する「内部統制委員会」の監督の下、関連組織が相互に連携を取りながら適切に対処しています。
(サステナビリティ方針)
当グループでは、経営理念である「創造 貢献」を大切にし、常に新たなニーズの創造に挑み、世界に新しい価値を生み出してきました。2024年には、経営理念に加えて、当グループが進むべき方向を示す指針としてパーパス・バリューズを策定しました。当グループのサステナビリティ経営とは、従業員一人ひとりがこれらを実践し、力を集結させて新たな価値を創造し、社会に提供していくことで、企業自身の持続的な成長と持続可能な地球・社会づくりへの貢献を両輪で実現することです。その企業価値の向上と持続可能な社会を実現するための経営課題として、マテリアリティを特定し、それぞれのマテリアリティに対して目標とKPIを定めPDCAを回すことで、新たな価値創造に向けた企業体質の強化とリスク管理を実践しています。
(マテリアリティ)
当グループでは、2030年に向けた基本方針や中期経営計画の策定を踏まえ、2023年度にマテリアリティを見直しました。従来のCSR側面でのマテリアリティに、持続的な企業成長を実現するための重要課題を新たに取り込み、『事業を通じた「価値創造」』『「経営資本」の増強』『「経営基盤」の強化』の3つのグループに整理した、計8つのマテリアリティを特定しました。

(マテリアリティ特定プロセス)
マテリアリティの特定にあたっては、まずPEST分析を用いて、当グループにとって重要な外部環境の変化や社会情勢を整理し、イシューリストを作成しました。あわせて、環境・社会側面に関する重要課題については、各種ガイドラインを参照しながらリスト化し、それぞれのリスクと機会を洗い出しました。次に、各課題への対策状況も踏まえて重要度を評価し、「2030年に向けた基本方針」および中期経営計画との整合性を確認し、重要な経営課題と環境・社会側面の重要課題を統合し、3つのグループに整理したマテリアリティの仮説を策定しました。その後、経営層や外部有識者とのセッションを通じて仮説の妥当性を検証し、取締役会での承認を経て、マテリアリティとして確定しました。
(具体的な取り組み)
特定したマテリアリティは、2024年度より目標およびKPIを設定し、年度ごとに実績を確認するとともに、その振り返りを公表しています。今回、2026年度~2028年度における新たな中期経営計画の設定に合わせて、マテリアリティのレビューを実施しました。その結果、各マテリアリティにおける取り組みテーマや主な活動項目を見直し、あらためて目標とKPIを再設定しています。
(※) 詳細については、
ご参照ください。
(マテリアリティとSDGs)
各マテリアリティの取り組みは、SDGsの達成に寄与するものであり、課題の解決とSDGsの達成を目指し、積極的に進めていきます。

(気候変動)
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、当グループが直面する気候変動影響がもたらすリスクと機会について、発生可能性と事業影響度から重要度を評価し、シナリオ分析に基づく評価結果を開示しています。特定されたリスクについては、今後の環境変化を踏まえ、定期的に分析を実施してまいります。
(シナリオ分析に基づく評価結果)
(人的資本投資)
“人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。”(経済産業省)との考えに基づき、産業構造の変化、技術革新の進展、労働者の就業意識・形態の多様化といった外部環境を踏まえ、当社の状況、経営方針、重点戦略に即した人材(人的資本)に対する基本コンセプトと方針を以下のように定め、それに従った各施策を行います。
経営方針:グローバルブランドとして企業価値の極大化を図る
重点戦略:成長基盤の確立・経営基盤の強化
基本コンセプトと方針

①自律人材 ~求められる自律人材とキャリアサポート制度のさらなる充実
当社では、「自ら考え行動し、その成果として会社の成長発展に貢献する」という社員像を求めております。パフォーマンスの高い自律人材に成長してもらうには、自らキャリアを高めたいというキャリア観が必要だとの考えから、2019年より社員の自律的キャリア形成の実現を支援するキャリアサポート制度を開始しました。キャリアサポート制度は、自身のキャリアに対する気づきとインプットを得る機会としての「キャリア研修」を中心に、社内の自発的な異動を支援する「社内公募制度(ジョブチャレンジ)」、より幅広いキャリアの可能性を拡げるために社外転身も視野に含めた「副業兼業制度」、「セカンドキャリア制度」で構成されています。
キャリア研修は、新入社員、2年目社員、30歳、40歳、49歳、55歳を対象に実施しています(2025年度受講実績360名)。社内公募制度では年間10名程度の方が異動しており、自発的なキャリア開発の一助となっております。セカンドキャリア制度も年間複数名の方が毎年申請しており、副業兼業制度ではこれまで80名程度が社外での活動に従事しております。
今後も自律人材育成のため、正社員に占めるキャリア研修実施カバー率、ジョブチャレンジ実施延べ経験人数をKPIに定め、キャリアサポート制度のさらなる充実に努めてまいります。
②マネジメント強化 ~多様な人材のマネジメントを通じた価値創造
全社で高いパフォーマンスを発揮し続けるためには、社外でも活躍できる優秀な人材(自律人材)に、いかに社内で活躍いただくかが重要です。キャリアサポート制度によって育成した自律人材をいかにマネジメントし、成果を生み出す集団にするかは当社にとって喫緊の課題です。上位層の高いマネジメント能力は、その部下たちの能力に影響を与えます。その観点から、部門長研修を実施することでマネジメントレベルの底上げを図っております。併せて次期役員候補育成人数をKPIとして設定し、部門長クラスを対象とした経営幹部育成施策を実施し、役員候補の人材プールを充実させることで、上位層の質向上に努めています。
また、次期女性所属長候補育成人数をKPIとし、ポジティブアクションとして、女性管理職候補の選抜育成施策を実施しています。併せて上記取り組みの結果指標となる管理職に占める女性労働者の割合と、職位による処遇差が明らかになる正社員の男女の賃金の差異をKPIに設定し、適正な状態になるよう改善してまいります。
③健康経営 ~人員構成上の課題より
当社における平均年齢の高まりや年齢中央値、年齢分布などに鑑み、身体的・精神的な充足度の向上や、アブセンティーズムの低減、プレゼンティーズムの改善等を通じた社員一人ひとりのパフォーマンス向上への取り組みは、会社業績への貢献にも寄与するものと考えています。
当社では2022年度に「CASIO健康基本方針」を策定し、人事部を中心に健康保険組合など関係部署と連携しながら、健康経営に関する取り組みを推進しています。その結果、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人」において、大規模法人部門の『ホワイト500』に3年連続で認定されました。
健康経営推進のKPIとして、男性労働者の育児休業及び休暇取得率、健康診断再検査受診率を設定しており、その進捗を踏まえ、2030年度目標の見直しを行うなど継続的な改善に取り組んでいます。なお、2026年度~2028年度のマテリアリティ目標設定にあたり、各KPIについてマテリアリティとの連動性および重要性の観点から再整理を行いました。その結果、従業員との信頼・共感関係づくりにより資する指標への重点化を図る観点から、従来の一部健康指標(適正体重維持者率、喫煙率)については、KPI体系の整理・見直しを行っております。
今後も全社一丸となって、健康意識の向上や職場活性化、生活習慣病対策等の各種施策を推進し、社員の能力発揮および企業価値向上につなげてまいります。
(気候変動)
当グループは、2050年までに当グループの温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指して、2030年に向けた温室効果ガス排出量の削減目標を策定し、SBTi(Science Based Targets initiative) (※)の認証を取得しました。現在の目標値はパリ協定のWB2℃目標に則っていますが、今後はSBTiの基準(1.5℃目標)を含め目標値の見直しを検討してまいります。
(※) 企業の温室効果ガス排出削減目標が、パリ協定が定める水準と整合していることを認定する国際的イニシアティブ
なお、Scope1及びScope2、並びにScope3のいずれも、2024年度実績は計画線で推移しております。
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
(※) 第三者検証を伴う2025年度の確定値は、検証終了次第、
(https://www.casio.co.jp/csr/environment/data/#02)
(人的資本投資)
(注) 1 連結グループすべての会社で画一的な目標値は有しておらず、連結グループにおける集計記載が困難であります。このため、上記指標については、連結グループの主要事業を営む提出会社の取り組み、実績及び目標を記載しております。
2 正社員は正規雇用労働者のうち無期雇用契約社員ではない者であります。
3 健康診断再検査受診率は臨時従業員を含めた実績及び目標を記載しております。
4 「②ジョブチャレンジ実施延べ経験人数」については、2024年度中に実施したグローバルの人員最適化等により、正社員人数が減少したため、2025年度に2030年度目標を引き下げています。
5 「④正社員の男女の賃金の差異」については、当初の2030年度目標を前倒しで達成できる見込みとなったため、2025年度に2030年度目標を引き上げています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスク、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合の影響の内容、当該リスクへの対応策は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
(1) 日本経済及び世界経済の状況
当グループの製品は、日本、アメリカ、ヨーロッパ及びアジアなどの世界各国において販売されており、その需要は各国経済状況の影響を受けております。市況が下降した局面においては、売上の減少や過剰在庫などが発生する可能性があり、とりわけ当グループ製品の大部分が個人消費者を対象としているため、各国の個人消費の動向は当グループ事業に大きく影響しております。当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、その影響を完全に回避することは困難ではありますが、当該リスクへの対応については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、常に市況の動向を見極めながら事業活動を遂行してまいります。
(2) 戦争、テロ、感染症等の要因による社会的混乱
戦争やテロなど当グループによるコントロールができない事態によって、当グループの各種設備や生産拠点等が壊滅的な損害を被る可能性があります。この場合は、当グループの生産体制等に影響を与え、生産・出荷の遅延、営業活動の停滞などにより、売上高が減少し、また、修繕や代替の為に多大な費用を要する可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、特に、中東における地政学リスクの高まりによる世界経済への影響が懸念されます。当該リスクへの対応については、固有の市場状況に応じたきめ細やかなマーケティング活動を展開し、状況に応じて臨機応変な対応に努めるなど、リスク管理を行ってまいります。
(3) 外国為替リスク及び金利リスク
「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の通り、当グループは世界各地で製品の生産販売を行っており、結果として為替レートの変動による影響を受けております。当グループの利益は、円と対象通貨との為替レートが変動した場合に不利益を受ける可能性があり、また、当グループは金利変動リスクにも晒されており、このリスクは全体的な営業費用、調達コスト、金融資産・負債の価値(特に長期債務)に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、その影響を完全に回避することは困難ではありますが、当該リスクへの対応については、為替の変動の影響を軽減し、またこれを回避するために、為替予約取引等の手段を講じてまいります。
(4) 価格変動
当グループの関連業界においては、数多くの企業が国内外の市場シェアをめぐり激しい競争を続けております。短期間における急激な価格変動や、販売価格の下落が長期にわたって続きコストダウン活動がこれに追いつかない場合、当グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクは一部の品目で顕在化しておりますが、当該リスクへの対応については、採算の取れるアイテムの選択、他社との差別化を図って優位性を保持することなどにより、採算を確保するよう努めてまいります。
(5) 新製品
当グループにおいて新製品開発を行うに際し、新製品の開発プロセスは、複雑かつ不確実なものであり様々なリスクを含んでいます。当グループが新たな人気製品を速やかにかつ定期的に発売できなかった場合、あるいは競合他社が当グループと同様の製品を発売し、特にそれが当グループの新製品発売と同時期であった場合は、市場における唯一の先行者、もしくは先行集団の一員として当グループが享受出来たはずの優位性を減少させる可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、新製品の開発スケジュールの管理徹底、市場への投入時期の見極め等により、優位性を保つよう努めてまいります。
(6) 大口顧客との取引
当グループの大口顧客の戦略変更、製品仕様の変更、もしくは注文の解約やスケジュール変更は、当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、顧客との緊密な連携に努めてまいります。
(7) アウトソーシング
当グループは生産効率と営業利益率の改善を目的に、製造・組立工程の相当部分を外部サプライヤーに委託しているため、納入遅延や確実な品質管理が難しくなるといった生産面のリスクが生じる可能性があります。また、当該委託先による関係法令違反や第三者の知的所有権侵害等の問題により、当グループの業績及び製品声価に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、委託先の選定にあたって、技術力や供給能力などについてあらかじめ厳しく審査を行い、信頼できる取引先の選定に努めてまいります。
(8) 技術開発と技術の変化
当グループの事業分野におけるテクノロジーの急激な変化、市場ニーズの激変等から当グループ製品が予想より早く陳腐化する可能性があり、その場合、当グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、当グループの事業分野におけるテクノロジー変化の動向を注視し、技術開発の促進に努めてまいります。
(9) 国際活動及び海外進出に関するリスク
「第1 企業の概況 3 事業の内容」及び「第5 経理の状況 1(1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載の通り、当グループの生産・製品販売の大部分は日本国外で行われております。従って、当グループの財政状態及び経営成績等はかなりの程度、海外の政治経済情勢並びに法制度に影響されます。特に予期しない規則や制度の変更、法令の適用は予測が難しく、当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応については、海外の法改正情報及び各国の規制動向を継続的に収集・分析するとともに、制度変更等による事業への影響を最小限に抑えるべく、適時適切な対応に努めてまいります。
(10) 知的財産
当グループは基本的に自社開発技術を使用しており、特許、商標、及びその他の知的所有権などの組合せにより、テクノロジーの保護を図っていますが、以下のようなリスクが当グループに該当することもあります。
・競合他社による同様の技術の独自開発
・当グループが出願中の特許申請の不承認
・当グループの知的財産の悪用・侵害を防ぐための手段が有効に機能しない場合
・知的財産に関する法規制が当グループの知的財産を保護するのに不充分である場合
・当グループの将来の製品又は技術が他社の知的財産権を侵害しているとされる場合
当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、当グループは基本的に自社開発技術を使用し、特許、商標、及びその他の知的所有権などの組合せにより、テクノロジーの保護を図ってまいります。
(11) 製品の欠陥・訴訟問題
当グループは、創業以来重大なクレームや悪評を受けたことはありませんが、将来において当グループ製品の製造物責任や安全性などを問うクレームが発生しないという保証はありません。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、消費者製品の製造販売会社として、製品そのものの品質にとどまらず、環境保全やリサイクルまで含めた全てを「カシオの品質」と位置付け、お客様にご満足いただける品質をお届けするのが品質保証の役割と考え、厳正なる品質管理を行ってまいります。
(12) 情報管理に関するリスク
当グループは、事業の推進・展開に関連して多くの個人情報や機密情報を保有しております。当該リスクへの対応については、グループ全体のITセキュリティの強化を継続的に実施し、情報の管理について社内規程の整備と周知、従業員に対するセキュリティ教育、サイバー攻撃及びシステム障害に関する保全(予防・監視及び対処・復旧準備)等を講じ、情報管理の強化を図っておりますが、予期せぬ事態により情報が流出する可能性は皆無ではありません。情報が漏洩した場合、営業秘密の流出による競争力の低下及び顧客の信用や社会的信用の低下を招き、当グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。重要なリスクの一つとして、防止策の徹底を図ってまいります。
(13) 提携・合弁・戦略的出資
当グループは、事業の推進・展開を図るため、あるいは経営の効率化を目指すために、国内を含むいくつかの国において提携・合弁・戦略的出資を行っております。これらにあたっては事前に、投資回収や収益性などの可能性について様々な観点から検討しておりますが、相手先の経営環境、経営方針や事業環境の変化等により協力体制の確立が困難となる可能性や、充分な成果が期待できない可能性、また業務統合に想定以上の時間を要する場合もあり、提携や買収が当初の目的を達成できず、当グループの事業展開、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません。当該リスクへの対応については、事前に、投資回収や収益性などの可能性について様々な観点から検討するなど、慎重に進めてまいります。
(14) 当グループが保有する有価証券の価値下落
有価証券への投資において株価・金利等の変動により影響を受ける他、基本的な経済全般の不確実性により、当グループの資産額に大きな影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、その影響を完全に回避することは困難ではありますが、当該リスクへの対応については、保有の意義や合理性について定期的に検証し、慎重に判断してまいります。
(15) その他リスク
上記以外に以下のリスクが顕在化した場合には、将来的に当グループの事業展開、財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性がありますが、当該リスクへの対応については、各種事前対策を定めるとともに、法令を遵守し慎重に進めてまいります。
・IT業界の景気循環性
・必要時における、機器、原材料、利用設備、電力等の妥当なコストでの入手可能性
・退職給付会計に係る法令の改定、制度改訂、運用環境の激変
・税効果会計に係る会計基準の改正、税率変更を含む税制改正
・火災や、地震、洪水などの自然災害(気候変動によって発生するものも含む)や業務上の事故などの発生
また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいて記載しております。
当連結会計年度における売上高は2,762億円(前期比5.5%増)、営業利益は230億円(前期比62.1%増)、売上高営業利益率は8.4%(前期比3.0ポイント増)となりました。また、経常利益は256億円(前期比81.8%増)、税金等調整前当期純利益は262億円(前期比124.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は182億円(前期比126.0%増)、1株当たり当期純利益は80円05銭(前期比44円83銭増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
当グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比140億円増の301億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益262億円(前期116億円)、減価償却費102億円(前期107億円)、運転資金(売上債権、棚卸資産、仕入債務)の減少額27億円(前期65億円)、法人税等の支払額44億円(前期34億円)であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期46億円の収入に対し89億円の支出となりました。主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出166億円(前期83億円)、有形固定資産の売却による収入47億円(前期36億円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入1億円(前期109億円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入19億円(前期はなし)であります。
これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは、前期比4億円増の212億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れ及び返済による純支出76億円などがあった前期と比べて74億円支出が減少し、173億円の支出となりました。主な内訳は、自己株式の取得による支出50億円(前期45億円)、配当金の支払額102億円(前期103億円)であります。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比102億円増の1,506億円となりました。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における国内外の経済環境は、米国の関税率引き上げや、地政学リスクの高まりなどによる影響が各国に波及し、先行き不透明な状況が継続しましたが、全体としては底堅く推移しました。
このような環境のもと、当グループは、2024年3月期から2026年3月期の3ヶ年中期経営計画期間を「収益基盤強化期」と位置付け、成長軌道への転換を図るべく、事業ポートフォリオの整理、全社固定費削減及びガバナンス/執行体制の強化に取り組んでまいりました。最終年度である当連結会計年度は、時計事業を中心とした拡大及び着実な収益基盤の強化により、成長軌道への転換を図ってまいりました。
事業ポートフォリオの改革としては、時計及びEdTech事業に集中するとともに、不採算事業の整理・構造改革を行いました。全社固定費の削減としては、組織構造と固定費構造の適正化を進めてまいりました。ガバナンス/執行体制の強化としては、社外・女性取締役比率向上及び機動力のある執行体制構築を進めてまいりました。
当連結会計年度の当グループ業績は、時計事業における「G-SHOCK」「CASIO WATCH」の2軸戦略が奏功したこと、また、EdTech事業において関数電卓が堅調に推移したことから、増収増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,762億円、営業利益は230億円、経常利益は256億円、親会社株主に帰属する当期純利益は182億円、1株当たり当期純利益(EPS)は80円05銭となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
「G-SHOCK」がエントリーラインの定番モデルである角型フォルムの5000・5600シリーズや、八角形フォルムの2100シリーズが堅調に推移するとともに、「CASIO WATCH」が北米、インド、ASEANを始めグローバルで好調に推移するなど、2軸戦略が奏功し増収となりました。
売上高は1,849億円(前期比11.3%増)、営業利益は271億円(前期比33.8%増)となりました。
(コンシューマ)
サウンドは、市況の厳しさが続き、減収となりました。
売上高は820億円(前期比0.0%減)、営業利益は34億円(前期比57.8%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加などにより、前期比140億円の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入の減少などにより、前期46億円の収入に対し89億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れ及び返済による純支出の減少などにより、前期比74億円の支出減少となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比102億円増の1,506億円となりました。
資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。
当連結会計年度における資金調達について、特記すべき事項はありません。
当グループの資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入費等の製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用に係わる運転資金及び設備投資資金です。なお、営業費用の主なものは、人件費、研究開発費、広告宣伝費であります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当グループは、経営理念「創造 貢献」を軸に、2030年に向け企業価値極大化を目指しております。その実現に向け、コア事業を中心とした着実な成長を図るとともに、収益基盤をさらに強固なものとし、持続的成長に向けた基盤を確立してまいります。2027年3月期から2029年3月期の3ヶ年中期経営計画では「持続的成長に向けた基盤確立期」と位置付け、新たな成長領域におけるイノベーションと経営基盤強化により、「足元の収益性強化」と「中期の成長基盤確立」の両輪を実現し、グローバルブランドとしての企業価値極大化を図ってまいります。
経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標として、売上高、営業利益、営業利益率及びROEについて、目標を定めており、2029年3月期の目標は、売上高3,150億円、営業利益350億円、営業利益率11.1%及びROE10%超としております。また、2027年3月期の計画は、売上高2,950億円、営業利益260億円及び営業利益率8.8%としております。
当連結会計年度においては、計画が売上高2,740億円、営業利益220億円及び営業利益率8.0%に対し、実績は売上高2,762億円、営業利益230億円及び営業利益率8.4%となり、ROEは8.0%となりました。
当グループ(当社及び連結子会社)は、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、独創的な製品の開発を通じて社会に貢献することを目指し、積極的な研究開発活動を行っております。
研究開発体制は、当連結会計年度においては、時計およびEdTech事業の再成長、既存事業の周辺領域の拡大および新事業創出に向けて開発体制を機能本部制から事業部制へ変更しました。また、各事業部およびR&D部門を横断する機能軸の責任者を配置し、組織横断的な開発推進体制を強化しています。
なお、当連結会計年度における研究開発費は
(時計)
当セグメントに係る研究開発費は
◎ 人とAIの共創による独創的なフレーム採用の“MT-G”
耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”の“MT-G”シリーズの新製品として、生成AIによる荷重シミュレーションを活用し、人とAIの共創により異素材を組み合わせた独創的なフレーム採用の「MTG-B4000」を開発しました。当社の市販モデルとして初めて開発工程に生成AI技術を導入し、従来の開発手法では実現困難だった複雑かつ斬新な構造に挑戦しました。人間が作成したデザイン案に対し、長年培ってきた“G-SHOCK”の耐衝撃構造データを読み込ませたAIが荷重シミュレーションを行い、最適な構造を提案します。人の手による検証と改良を重ね、“G-SHOCK”らしい力強さとAIならではの独創的な造形美を兼ね備えたフレームを実現しました。
◎ 設定温度100℃までのサウナで使用可能なサウナー専用腕時計“サ時計”
近年のサウナ人気の高まりを受け、設定温度100℃までのサウナで使用でき、12分計機能を備えたサウナー専用腕時計“サ時計”「SAN-100H」を開発しました。一般的な腕時計は高温多湿な環境に対応できず、サウナに持ち込めないという課題に対し、当社の新規事業提案プログラム「IBP」から生まれた製品です。サウナの経過時間をアナログ針で測れる「サウナモード」(12分計)を搭載し、通常の時計表示からボタンひとつで簡単に切り替えが可能です。100℃までのサウナでも動作する耐熱設計に加えて、防水設計のケースに湿気の入りにくい樹脂を採用し、時計内部が曇りにくい工夫を施しました。
◎ 指輪サイズの“G-SHOCK”で耐衝撃構造と20気圧防水を歴代最小サイズで実現
耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”の新製品として、歴代最小となる指輪サイズに耐衝撃構造と20気圧防水を搭載した「DWN-5600」を開発しました。通常の“G-SHOCK”の約10分の1のサイズながら、“G-SHOCK”初号機の角型フォルムを受け継ぐ「5600」のデザインを、ケースサイズ23.4mm×20mm×7.5mmの指輪サイズに落とし込みました。電池を含む小型部品の採用と、狭いスペースに緻密に配置する高密度実装技術により、耐衝撃構造をより小さなサイズで実現しています。フェイスには「5600」と同じ6桁表示のデジタル液晶を搭載し、時分秒表示、カレンダー、LEDバックライト、ストップウオッチ、デュアルタイムなどの機能を備えています。
(コンシューマ)
当セグメントに係る研究開発費は
◎ 直感的な操作にこだわったグラフ関数電卓「fx-CG100」
2D/3Dのグラフをカラーで描けるグラフ関数電卓の新モデル「fx-CG100」を開発しました。初心者でも直感的に操作できることを重視し、従来のファンクションキーを確認して押す必要があった操作を、カーソルを動かして機能を選び「OK」を押すだけに簡素化しています。また、計算式の画面とグラフの画面を行き来できるタブUIを導入することで、PCのWebブラウザのような操作感を実現しました。鮮やかな高精細フルドットカラー液晶を採用した他、キーの形を従来の長方形から円形に変更し、中心を盛り上がらせることでどの角度からでもスムーズに入力できるようにしました。関数や統計の計算に加え、解析機能やPythonプログラムの作成と実行が可能で、日々の講義での使用や研究をサポートします。
(その他)
当セグメントに係る研究開発費は
上記以外にセグメントに関連づけられない基礎研究に係る研究開発費は698百万円であり、主な成果は次のとおりであります。
◎ ギターストラップに装着し体の動きで直感的に音を操る新感覚のエフェクトコントローラー
ギターストラップに装着し、直感的な操作で音を変化できる新感覚のエフェクトコントローラー「DIMENSION SHIFTER」を開発しました。従来のフットペダルとは異なり、体の動きと連動した直感的な操作が可能で、機材に縛られない自由な演奏表現を実現します。ストラップの張力とバネの反発力を利用した独自の操作システムにより、本体を伸ばすと音が変化する視覚的にも分かりやすい操作感が特徴です。操作情報は無線で送信されるため、ライブステージのさまざまな場所からエフェクターを操作でき、演奏自由度を大幅に向上させています。
◎ 日本語のテキスト入力でAI効果音を生成するWEBサービス「Waves Place」
音楽や動画制作で効果音を活用するクリエイターに向けて、イメージする音を日本語でテキスト入力することで、AI技術によりあらゆる効果音が生成できるWEBサービス「Waves Place」を開発しました。AI技術の研究開発を手掛ける株式会社AIdeaLabと共同で開発した独自のAI効果音生成技術を搭載し、一回の入力で複数のパターンを生成することが可能です。生成した効果音は商用利用が可能でロイヤリティフリーのため、自身が作成するコンテンツで自由に使用できます。また、一度生成した音をベースに、バリエーションを増やす機能や、他のユーザーが生成した類似している音を検索してダウンロードできる機能など、イメージした音に効率的に辿り着けるようサポートします。