文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
(経営方針)
当社は、永年培ってきた電気・電子の技術を主軸とし、機械・化学等の要素技術を複合した新しい分野を切り拓き、豊かな産業社会の実現、地球環境の保全に貢献することを経営の理念として位置付けております。
「親切を送れ」の社是の下、企業理念として「事業活動を通じて「親切を送れ」を実践し、社会の発展に貢献する」と定めております。お客様の生産性、製品品質の向上に寄与することを使命として、お客様に常に満足していただける製品・サービスを提供することにより、ステークホルダーの皆様との共栄を図り社会に貢献することを経営方針といたしております。
当社は、2024年3月期にスタートした中期の経営方針として「体質改善を進め、成長する力強い企業を構築する」をスローガンとして掲げ、景気変動に左右されない安定した収益を確保できる企業体質の構築に努めてまいります。
(経営環境)
世界経済は米国トランプ大統領による関税政策および長期化する世界各地での紛争により下振れリスクも想定される不透明な状況が見込まれます。
国内経済では、政府主導による経済政策により所得環境が改善、また円安に伴う海外からの観光客のインバウンド需要で観光業を中心に回復基調は続いていくものと見込まれます。一方で米国関税引き上げに伴って鉄・アルミや自動車関連企業をはじめとした製造業における市場の不透明さにより設備投資に対する慎重姿勢が強まることが懸念されます。
(経営戦略)
近年、労働人口減少で人手不足が叫ばれ、生産性改善に向けた省人化投資が見込まれるほか、デジタル化投資、カーボンニュートラルの実現に向けた設備更新など、国内製造業の設備投資は一定の割合で需要はあると見込んでおります。
厳しい受注環境が予想される中で期内受注、売上案件の掘り起こしに注力するとともに、大型案件の収益を悪化させない取組みを実施してまいります。また中期的には既存製品を成長製品に進化させる取組みや将来の糧となる新ビジネスの開拓などを今後の重要課題と捉えて取組んでまいります。
・電源装置
カーボンニュートラルの実現に寄与する高効率電源など、製品の更なる改良を進めるとともに小型電源の拡販に力を入れ、受注・売上の確保に努めてまいります。
・表面処理装置
新規・更新提案及びIoT技術を活用した予防保全システムであるCCCS-M(当社製品名)の提案や既存装置の改修提案により、受注・売上の確保に努めてまいります。
・電気溶接機
新機能を搭載した溶接制御装置であるCK5(当社製品名)の市場投入により、更なる受注・売上の確保に努めてまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、持続的な成長と企業価値向上を目指し、お客様のニーズに応える製品やサービスを提供するため、「体質改善を進め、成長する力強い企業を構築する」を基本方針とし、重点項目として以下の3点を策定いたしました。
・厳しい環境を乗り越え営業黒字を達成する
・新製品開発プロジェクト、製品ブラッシュアップの推進をする
・ライフワークバランスを意識し、生産性を高める
受注・売上・利益の確保に向け、以上の施策を実践してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
安定的な収益力を表すものとして「売上高総利益率」及び「売上高経常利益率」を指標として、常に収益の改善に努め、コストの削減意識をもって企業経営に取り組んでまいります。
当社は、120期に向けた中期的な視点に立った経営計画において、サステナビリティ経営の考え方を基本として「体質改善を進め、成長する力強い企業を構築する。」を掲げました。
今、国際社会は気候変動による地球の温暖化、国内情勢に目を向ければ少子化が進む中での労働人口の減少など不透明感が増す中、持続可能な社会づくりに向けた企業の取り組みが一層重要となっています。
不透明感が増す経済環境ですが、私たちは「親切を送れ」の社是の下、企業理念として「事業活動を通じて「親切を送れ」を実践し、社会の発展に貢献する」と定め、お客様の生産性・製品品質の向上に寄与することを使命として、技術力に裏付けされた提案を積極的に行いながら、お客様に常に満足していただける製品・サービスを提供することにより、ステークホルダーの皆様との共栄を図り持続的な社会の発展に貢献することを経営方針といたしております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
マテリアリティの特定は、サステナビリティ経営を継続するための課題として①気候変動への対応、②従業員エンゲージメントの向上、③実効性ある執行体制の確立を掲げ、それぞれ以下の表に示す課題を特定しました。
※TCFDとは、「Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)」の略で、企業などに対し、気候変動に関連する取組みや方針、財務への影響といった情報の開示を推奨する組織のこと
当社は事業活動の透明性を確保し、経営環境の変化に迅速に対応できる組織体制と、公正な経営システムを構築・維持することをガバナンスの基本的な考え方としています。
サステナビリティ経営に関する取組につきましては、取締役会の監督を受けたガバナンス体制の下、サステナビリティを推進する具体的な運営は、コーポレートガバナンス体制のもとで、サステナビリティについても議論し、取組みを進めることとしております。
なお、当社のコーポレートガバナンス体制につきましては、より実効性のある執行体制の確立に向けて、執行部門のマネジメント力の強化とサステナビリティ政策の推進体制を構築するためサステナビリティ推進委員会の設置を検討してまいります。
当社は、サステナビリティ経営の実践に関わるリスク管理については、リスク管理統括委員会を四半期ごとに開催し、企業活動へ重要な影響を及ぼす会社で抱えるリスクを抽出し、優先順位をつけ影響の評価・監視・対策改善を行っております。
TCFDが定義する長期的に大規模な事業転換や投資を必要とするような重大な気候変動リスクについては、今後このリスクについてリスク管理統括委員会において検討・評価し、その他のリスクと機会要因を含めて、当社にとって必要な重要課題の特定について議論を深めてまいります。
「人的資本・多様性に対する取組」
(1)人的資本経営の取組
当社が永続的に成長・発展するために求められる人材像は、必要な人的能力を組織的に開発・伸長させるとともに、経営理念の共有をベースとして、プロとしてより広い視野を持ち専門性を高め変化に素早く対応しお客様の企業価値を高める力を発揮できる人材です。
優秀な人材、多様な人材の採用および人材育成はその根幹をなすもので、人材育成方針と社内環境整備につきましては、中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略の重要な課題として位置付け、経営会議において審議・検討し、取締役会での承認を得て対応しております。
(2)人材育成戦略
当社の人材の育成に関する方針は、以下に記述する3点です。
・企業の社会的使命を認識し、良識と優れた創造力並びに使命感と実行力のある企業人を育成する。
・社員の能力向上に主眼をおき、それぞれ必要な力量を明確にし、必要な力量が不足している場合には、その必要な力量に到達することができるよう計画的に行う。
・教育を全社教育、階層別教育、部門別教育、その他の教育に大別し、これを体系的に行う。
これら方針に基づき、入社時の集中教育から業務を通じたOJT教育、また個々人の知識や能力を高める社外教育を行っております。
人材採用につきましては、新卒・中途採用を含めまして毎年数名の採用を計画的に行う方針です。多様性の確保につきましては、当社は、国籍、性別等にとらわれず人材採用を行いその能力・成果に応じた人事評価を行うことを基本としており、外国籍従業員の採用実績、中途採用者の管理職や取締役への登用の実績があります。新卒採用が厳しさを増す中、中途採用の拡大にも力を入れてまいります。
(3)社内環境整備方針
当社の社内環境整備方針につきましては、健康経営とライフワークバランスを推進する環境整備を進めてまいります。
社員の健康については、健康経営視点でとらえ健康であることが仕事へのモチベーション向上に繋がることから、従業員が健康で働ける環境整備を推進してまいります。また、育児と仕事、仕事と介護など仕事と生活の両立、いわゆるライフワークバランスを推進できる社内環境の整備を重要な経営課題として環境の整備を推進してまいります。健康経営、ライフワークバランスの推進といった経営戦略を実行するためには、従業員が働きがいを感じ、変化に対応しながら新たな挑戦を続けることが重要です。そのために、経営戦略と人事戦略を連動させることにより、一人ひとりが個性を活かして活躍でき、組織の活性化を図る人材育成と女性が活躍できる社内環境整備を進めてまいります。
(4)指標及び目標
2.[サステナビリティに関する考え方及び取組](1)「マテリアリティの特定と取組及び指標」に記載した通りであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、開発型企業として研究開発に重点を置いており、次世代を意識した研究にも積極的に取り組んでおります。研究開発を進めるにあたって、当社独自の研究開発と並行して、産学官連携による研究開発も推進しております。研究開発については、予期せぬ事態によりその費用が過大になった場合や、思うような成果が得られず、当社の製品が顧客に受け入れられなかった場合には、当社の事業、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、ISO9001を軸とした諸規程と体制の整備により品質の確保に努めるとともに、予期せざる製品の瑕疵の顕在化などにより、大きな損失を被った場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社としましては、品質管理体制には万全を期しており、当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、万が一、重大な品質不良によりトラブルが発生した場合には、極めて大きな問題に発展する可能性のある重要リスクであると認識しておりますので、当社としましては、製造物賠償責任保険(PL保険)の付保などによりリスクの低減を図っております。
当社は、受注型企業であり、厳しい受注競争に晒されております。厳しい市場環境であることから、想定以上に製品価格の引き下げを余儀なくされる場合などのリスクが顕在化する可能性は、常にあるものと認識しております。当該リスクにより、当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。
当社としましては、受注競争を優位に進め、顧客の要求する仕様や最短で納入するために、お引き合い段階、受注段階において営業・設計・製造間で連携し、デザイン・レビューを実施しております。そして、設計・製造工程におきましては、ターゲット物件として原価管理に注力し、あらゆる角度からコスト削減を推し進め、価格競争力の強化にも努めております。
当社は、原材料、部品等が調達先から適時・適切に、かつ十分な品質及び量をもって供給されることが必要であります。これらの原材料、部品等の品質上の問題、供給不足及び納入遅延等の発生は、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社としましては、サプライヤーとの密な連携による商品供給体制の見直しなどを経営課題とし、体制強化を図ってまいります。
また、顧客から短納期で要求されることもあり、汎用製品の見込製造を一部採用しております。これにより、在庫部品の余剰在庫、滞留在庫として残った場合、評価損、廃棄損等に繋がる可能性もあります。このように在庫品について多額の評価損等が生じた場合には、当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。
当社としましては、適正な在庫水準の維持と滞留在庫の発生を防止するよう努めております。
当社は、収益基盤の拡大と体質強化に継続的に取り組むため、経営計画を策定しています。経営計画では、一定の定量目標や重点課題を掲げ、進捗状況を逐次確認しながら目標達成に向け取り組んでおります。当社を取巻く事業環境の変化その他様々な要因により目標を修正する可能性や目標を達成できない可能性もあります。
当社としましては、策定時において適切と考えられる情報収集及び分析等を行い、500万円以上の売上予定製番管理やその実施状況を毎月実施される各カンパニー会議において監視しながらリスク低減に努めております。
当社は、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営上の重要な課題と位置付けておりますが、意図せずに法規制や規則等に抵触し、訴訟や規制当局の法的処分を受けることで当社の社会的信用の低下などにより、当社の事業活動の制約が広範囲に及ぶ場合、経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。
当社としましては、内部統制システムの基本方針を定め、同システムの継続的な充実・強化を図っており、その運用評価を毎年検証しております。
当社は、事業活動における重要な情報や顧客から入手した機密情報などを保有しております。当社は、情報セキュリティ対策を講じていますが、予期せぬ事故や障害による情報システムの機能不全や情報の漏洩等の事態が発生する可能性を完全に排除することはできません。かかる事態が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社としましては、機密情報の漏洩及び社外の機密情報の不正持ち込み等を防止するための体制の確立や諸規程の整備を行うとともに、情報システムの安全性確保のための対策を強化してまいります。
(8) 災害等に関するリスク
当社の本社及び生産工場は愛知県名古屋市にあります。同地域を含めた東海地方は、大規模な地震が発生する可能性がある地域とされており、万一大規模地震が発生し、当社の事業活動は操業の中断を余儀なくされ、サプライチェーンに支障をきたす可能性もあります。このような混乱が長期間続いた場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、台風、豪雨、竜巻その他の自然災害や新たな感染症の発生及び蔓延によっても同様に、当社の生産能力に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社としましては、事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するために、定期的な防災訓練の実施及び社員の安否確認等、事業継続計画(BCP)を整備し、被災時の事業活動への影響の極小化を図ってまいります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度における我が国経済は、期の前半はインバウンド需要や企業収益の改善を背景とした雇用・所得環境の改善などにより、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、一部自動車メーカーにおいて品質不正問題が発覚し、生産・出荷停止が行われることとなり、関連する業種を含めた国内景気への悪影響が心配される状況にありました。
一方、期の後半は、米国トランプ大統領の誕生による経済・外交政策や、それを受けた世界経済の行方によっては国内景気の下振れリスクも想定され、先行きに対する不透明感が増大しました。
こうした状況の中で、当社は顧客のニーズに対し的確な提案営業を行い、受注の確保に努めるとともに、製品系列別強化会議等でのコストや進捗の管理、部材や購入品などのコストアップ要因を適切に価格に反映させる取組みを推進してまいりました。しかしながら、受注面においては、自動車関連業界の設備投資に対する慎重な姿勢が影響を及ぼしました。
その結果、当事業年度の受注高は4,151百万円(前年同期比14.5%減)、売上高は4,889百万円(前年同期比25.2%増)となりました。損益については、営業利益235百万円(前年同期比72.2%増)、経常利益245百万円(前年同期比70.5%増)、当期純利益221百万円(前年同期比21.8%増)の計上となりました。
以下主なセグメントの業績についてご説明申しあげます。
(電源機器)
電源機器につきましては、電池業界及び金属表面処理業界などを中心に、様々なニーズにお応えすることで受注確保に取組んでまいりました。その結果、受注高は1,268百万円(前年同期比12.4%減)、売上高は1,424百万円(前年同期比2.6%増)となりました。
(表面処理装置)
表面処理装置につきましては、自動車関連業界、半導体関連業界、建設機械業界などを中心に、新規・更新需要及び既存装置の改修需要に注力して活動をしてまいりました。その結果、受注高は1,818百万円(前年同期比27.7%減)、売上高は2,485百万円(前年同期比66.5%増)となりました。
(電気溶接機)
電気溶接機につきましては、自動車関連業界、鉄鋼業界、建築資材関連などを中心に、新規及び更新需要の掘り起こしに注力してまいりました。その結果、受注高は659百万円(前年同期比8.7%増)、売上高は656百万円(前年同期比14.3%増)となりました。
当事業年度末の財政状態は、次のとおりであります。
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ3百万円減少し5,009百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ159百万円減少し2,653百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ156百万円増加し2,356百万円となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は期首時点に比べて300百万円増加し1,366百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果、収入は530百万円(前年同期は収入8百万円)となりました。
収入の主な内訳は、税引前当期純利益282百万円、売上債権の減少額251百万円などであり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少額208百万円などによるものであります。
投資活動の結果、支出は203百万円(前年同期は収入117百万円)となりました。
収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入42百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出244百万円によるものであります。
財務活動の結果、支出は26百万円(前年同期は支出40百万円)となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額26百万円によるものであります。
a. 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
b. 受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c. 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
経営成績の分析
a.売上高
当事業年度の売上高は4,889百万円で、前事業年度と比較して985百万円(前年同期比25.2%増)増加となりました。セグメント別では大型案件の売上によって表面処理装置の売上が992百万(前年同期比66.5%増)増加いたしました。なお、地域ごとでは、アジア地域含む海外向けの売上高が0百万円減少、国内向けの売上高が985百万円増加いたしました。
b. 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は3,652百万円で、前事業年度と比較して704百万円(前年同期比23.9%増)増加となりました。また、売上高総利益率は25.3%であり、前事業年度と比較して0.8ポイント改善しております。これは、製品系列別強化会議でのコストや進捗の管理、部材や購入品などのコストアップ要因を適切に反映させる取り組みによるものであります。
販売費及び一般管理費は1,001百万円で、前事業年度と比較して181百万円(前年同期比22.2%増)増加となりました。その主な要因としては、退職給付費用が57百万円、給料及び賞与が53百万円増加したことなどによります。
c. 営業利益
当事業年度の営業利益は235百万円(前年同期比72.2%増)となりました。
当社は設備投資動向の影響を受けやすい体質であることを踏まえ、今後、如何にして収益の安定化に向けたビジネスモデルの変革などを行うか、また如何にして電子部品・部材の確保に注力し生産活動を行うかが課題と認識しております。
d. 営業外損益及び経常利益
営業外収益は17百万円で、前事業年度と比較して3百万円(前年同期比29.2%増)増加となりました。これは、前事業年度から受取配当金が3百万円増加したことなどによります。
営業外費用は7百万円で、前事業年度と比較して1百万円(前年同期比22.3%増)増加となりました。
以上の結果、経常利益は245百万円(前年同期比70.5%増)となりました。
e. 特別利益、特別損失および当期純利益
特別利益は38百万円で、投資有価証券売却益を38百万円計上したことによるものであります。
当事業年度における法人税等合計は61百万円となりました。
以上の結果、当期純利益は221百万円(前年同期比21.8%増)となりました。
財政状態の分析
a.資産
流動資産は、前事業年度末に比べて3.3%減少し3,750百万円となりました。これは、主として受取手形が121百万円、前渡金が105百万円減少したことなどによります。
固定資産は、前事業年度末に比べて10.9%増加し1,259百万円となりました。これは、主として建設仮勘定が248百万円増加したことによります。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べて0.1%減少し5,009百万円となりました。
b.負債
流動負債は、前事業年度末に比べて5.8%減少し2,293百万円となりました。これは、主として電子記録債務が177百万円減少したことによります。
固定負債は、前事業年度末に比べて4.6%減少し359百万円となりました。これは、主として資産除去債務が24百万円減少したことによります。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べて5.7%減少し2,653百万円となりました。
c.純資産
純資産合計は、前事業年度末に比べて7.1%増加し2,356百万円となりました。これは、主として利益剰余金が194百万円増加したことによります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、次のとおりです。
資本政策につきましては、財務の健全性など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。
将来の成長のための内部留保については、受注競争力の源泉となる技術力の更なる強化のための設備投資並びに次世代技術・新製品の開発に向けた開発投資や品質向上などを目的とした生産設備への投資等に充当してまいります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を、大規模な設備投資資金の調達につきましては長期借入を基本としております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に当社の運営に必要な運転資金及び設備資金の安定的な調達をしていく考えであります。なお、本社工場の一部建物の建替資金及び資源価格の高騰などに備え、今後も手許流動性と資金調達枠の確保にも努めてまいります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資の取得に関わるものであります。
当事業年度末における借入金等の有利子負債残高は740百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,366百万円となっております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当事業年度において、新たに締結した重要な契約等はありません。
当社は、「親切を送れ」の社是の下、企業理念として「事業活動を通じて「親切を送れ」を実践し、社会の発展に貢献する」と定め、お客様の生産性・製品品質の向上に寄与することを使命として、技術力に裏付けされた提案を積極的に行いながら、お客様に常に満足していただける製品・サービスを提供することにより、ステークホルダーの皆様との共栄を図り持続的な社会の発展に貢献することを経営方針といたしております。
製品開発活動におきましても、こうした経営方針をもとに製品開発を進めてまいりました。現在におきましては、気候変動による地球の温暖化や社会構造の変化が顕在化する中で、カーボンニュートラル社会を実現するための省エネ製品や人手不足を背景とした省人化装置、更にはデジタル技術を組み込んだ生産性向上に寄与するシステム開発が期待されていると考えております。
私たちはこのような社会課題の解決とお客様のニーズに的確に応える商品の開発、改良への取り組みを、技術部門とテーマごとに編成するプロジェクトチームで担当して取り組んでおります。また、新たな技術的研究課題は、経営企画室が担当し、公設の研究機関や大学等との連携でお客様のニーズに的確に応える商品の開発や将来の糧となる種まきを行ってまいりました。
なお、当事業年度は10項目のテーマに取り組んでまいりました。また当事業年度に当社が投入いたしました研究開発費の総額は
従って、2025年3月31日現在国内で保有する特許権は17件、商標権は13件です。(特許権保有17件の内、当事業年度取得0件、商標権保有13件の内、当事業年度取得0件)