第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、人々の豊かな生活を支える小型モーターのリーディングカンパニーであり続けるために、新たな成長段階に向けた創造活動を続けております。

 経営理念:「国際社会への貢献とその継続的拡大」は、当社の遺伝子であり、創業当時から未来永劫受け継がれて行く当社経営の根幹をなす考え方であります。この「経営理念」の実現に至る道筋を「マブチの経営ビジョン」としてまとめ、グループ全体で共有しております。

 経営ビジョンは、「経営理念」に基づく貢献をどのように捉え、いかに具現化するかを「経営基軸」で明確にするとともに、企業活動を遂行する際の行動指針を「経営指針」として明示しております。

 

経営基軸

経営上の意思決定を行ううえでの「規範」となる考え方で、次のとおりであります。

① より良い製品をより安く供給することにより、豊かな社会と人々の快適な生活の実現に寄与する

② 広く諸外国において雇用機会の提供と技術移転を行い、それらの国の経済発展と国際的な経済格差の平準化に貢献する

③ 人を最も重要な経営資源と位置付け、仕事を通じて人を活かし、社会に役立つ人を育てる

④ 地球環境と人々の健康を犠牲にすることのない企業活動を行う

 

経営指針

 経営指針は、「小型モーターの専門メーカーとしてその社会的ニーズを的確に把握し、それに即した製品をより早く、より安く、安定的に供給する」ための当社の企業活動を方向付けるとともに、企業としてどのような行動をとるべきかを示すものであります。

 また、海外拠点経営指針は、当社と進出国との共存共栄をベースとした、海外拠点経営の基本的な考え方を明示したものであります。

 

経営指針

 ① 汎用性を重視した製品を開発し、その最適生産条件を整備する

 ② 価値分析に徹した製品の開発改良と部品・材料共通化を徹底する

 ③ 高度加工技術とムダの極小化によるコストダウンを追求する

 ④ 新市場を開拓し、適正占有率を確保する

 ⑤ 適材適所による人材の活用と業務を通じた人材育成を行う

 ⑥ 環境負荷の極小化と安全の追求を基本とした企業活動を推進する

 ⑦ 長期安定的視点に立つ経営施策を推進する

 

海外拠点経営指針

 ① 長期的な視点に立ち、進出国との共存共栄を図る

 ② 各拠点の強みを活かした国際分業体制を確立し、国際競争力を維持・拡大する

 ③ 社会への貢献を重視するマブチの企業文化の浸透と知識・技術の移転を推進する

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2021年度から2023年度の3ヶ年を計画年度とする中期経営計画において、以下の経営数値目標を掲げております。

 

指標

2021-2023年度 目標

2021年度 実績(前期比)

売上高(年平均成長率)

8%~10%

15.6%

売上高営業利益率

15%以上

10.3%

ROIC(注)

12%以上

6.1%

 

(注)ROIC=(営業利益×(1-実効税率))÷(売掛金+棚卸資産+固定資産(投資有価証券を除く)-買掛金)

 

 

 

(3)会社の経営環境及び対処すべき課題

 次期の見通しにつきましては、世界経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う移動制限の再強化、資源価格及び物流費の高騰、半導体をはじめとする部品の供給不足等の懸念があり、依然として先行きに不透明感があります。米国経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響及びインフレへの懸念はあるものの、堅調な個人消費を背景として、成長の持続が見込まれます。欧州経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大やエネルギー価格の高騰に伴い、成長ペースが鈍化する見込みです。我が国経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響により回復ペースは緩やかなものに留まる見込みです。新興国経済は、中国は外需により輸出が堅調に推移するものと予想されますが、その他の新興国は新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念され、全体として成長ペースは緩やかなものに留まる見通しです。

 当社グループの関連市場におきましては、自動車電装機器市場は、世界の自動車需要の回復を背景に堅調に推移するものと見込まれますが、半導体をはじめとする部品の供給不足及び物流の混乱の影響により不透明感があります。民生・業務機器市場は、各地域市場において需要の増加が見込まれ、全体として回復が予想されます。

 このような経営環境下、当社グループは、次に述べます課題に取り組んでまいります。

 

① パワーウインドウ用モーター事業のシェア拡大

パワーウインドウ用モーターにつきましては、北米自動車メーカー3社のうち2社において既に当社製品を採用いただいておりますが、2021年1月に残る3社目より認証を取得し、ビジネス獲得に向けた取り組みが進捗しました。引き続き、販売拠点のアメリカマブチと生産拠点のメキシコマブチが一体となった拡販活動に取り組み、北米自動車メーカー3社すべてにおける搭載車種拡大を目指してまいります。

また、日系自動車メーカーについては、既に3社に当社製品を採用いただいておりますが、2021年には新たに日系自動車メーカー2社から受注を獲得いたしました。これら4社目、5社目の日系自動車メーカーにおける受注拡大を目指すとともに、既に採用いただいている日系自動車メーカー3社においても、他社からの切り替え及び新型車への搭載によるシェアアップを実現すべく引き続き販売活動を展開してまいります。2021年下期には、ポーランドマブチにて欧州高級自動車向けの量産・販売を開始いたしました。この実績を足掛かりとして、欧州自動車メーカーにおける搭載車種の拡大に向けた取り組みを一層強化してまいります。

パワーウインドウ用モーター市場においては、競争力のある新製品開発への取り組みが、今後のビジネス拡大に大きく影響することから、最新技術を投入した新世代製品を開発し、販売活動に一層注力することでデファクトスタンダードを確立し、更なるシェア拡大を目指してまいります。

 

② 中・小型電装用モーターの拡販・新用途拡大

パワーシート、パーキングブレーキ及びドアクローザー用等の中型電装用モーターについては、標準化戦略に基づき多用途への展開が可能な標準モーターの開発及び販売活動に取り組んでおります。2021年に日系大手のお客様より受注を獲得したパワーシート用においては、リクライナー、ハイト及びチルトアジャスターなどの様々な機構に使用可能な新製品を投入することで、既存のお客様におけるシェアアップと新たなお客様の開拓に取り組んでまいります。

昨今、自動車市場ではEV化への流れが加速しておりますが、このような潮流は、当社の小型・軽量・高効率で静音性に優れた製品ラインナップを高くご評価いただける好機と捉えています。ブラシ付モーターとブラシレスモーターの双方をラインナップしている当社の強みを生かし、お客様の要望に応じたソリューションを提供することで、中型電装用モーターの拡販を図ってまいります。

③ 民生・業務機器用分野における新用途拡販

民生・業務機器用分野において協調ロボット及び移動体用市場は、今後、大きな伸びが期待できる成長市場であり、当社製品の採用実績も増加してきております。当社では、これらの成長市場向けの製品ラインナップの拡充に取り組んでおり、新たな中空構造のブラシレスモーターにて協調ロボット用の受注を獲得いたしました。移動体用ブラシレスモーターにおいても、AGV(自動搬送車)、小型モビリティ及び階段昇降機等の様々な用途にて受注を獲得しております。引き続き、新たなお客様・用途を開拓し、拡販に取り組んでまいります。

また、医療用モーター分野への本格参入を図るべく2021年7月に子会社化した、スイスのマブチモーターエレクトロマグによる高付加価値製品の拡販を通じて、民生・業務機器用モーター事業の成長軌道への回帰を確かなものにしてまいります。

 

④ マブチグローバル経営の推進

当社は、各海外拠点の自主・自立性を向上させ地産地消を推進する「世界5極事業体制」に、拠点間の人材の繋がり及び多様な価値観を活用する「ダイバーシティ」を加えた、「マブチグローバル経営」の推進に取り組んでおります。本社・各拠点間の人材交流を促すための基盤となる人事制度の整備及び各種情報共有や拠点をまたぐ会議体の設定等を通じてグループレベルで相互理解と協力を促進し、グループ各拠点の横の繋がりを強化することに加えて、各拠点内における縦の繋がりを強化するための方針展開施策、教育及び階層を超えたコミュニケーション施策等により会社方針や価値観の理解・共有を図っております。各拠点において強固な開発・生産・販売体制を構築し、高品質な製品をリーズナブルな価格でグローバルに安定的に供給してまいります。

 

⑤ サステナビリティへの取り組み

当社では、SDGs(持続可能な開発目標)を、人を大切にしながら経済的にも成長できる目標と捉えております。事業を通じた社会貢献への取り組みを更に加速するため、2020年7月にサステナビリティ推進委員会を設立しました。委員会では重要課題(マテリアリティ)の特定と当社の強みを活かしたサステナビリティ目標を設定し、取り組みの進捗をモニタリングします。委員長は社長が務め、委員は執行役員及び事業部・本部の組織長より構成され、サステナビリティ課題を横断的に検討・議論していく体制を整えております。2021年には当委員会を5回開催し、気候変動に関する取り組みとしてTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)への賛同表明や太陽光パネルの設置計画、インターナル・カーボン・プライシングの導入等、具体的な施策に関する意思決定を行いました。また、委員会での協議内容について取締役会に2回報告を行いました。

当社は、お客様とのパートナーシップを通じた、安全運転及び交通事故防止機能を搭載した自動車の普及への取り組みをはじめ、事業活動を通じた地球環境や社会課題の解決を重要課題と認識し、その解決に向け、積極的な取り組みを継続してまいります。国際社会が直面している課題の解決にモーター事業を通じて貢献することにより、経営理念「国際社会への貢献とその継続的拡大」の実現を目指し、グループの総力を挙げて取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の判断上重要と思われる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点からこれを記載しております。当社グループは、これらのリスクを認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の損害の低減に努めてまいります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経済状況の変化

 顧客の製品に搭載される当社製品の需要は、当社グループが販売している多様な市場における経済状況の影響を受けます。したがって、日本、北米、欧州、アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小等は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、市場環境や受注状況を取締役会等の重要会議において定期的にレビューするなど、常に最新の市場動向を予測した上で、設備投資や人員・在庫等の適正化を図り、市場への対応力を高めています。

 

(2)為替レートの変動

 海外子会社の財務諸表上の現地通貨建ての項目は、連結財務諸表を作成するために円換算されております。したがって、換算時の為替レートにより円換算後の計上額が影響を受けることになります。特に米ドルに対する円高は当社グループの連結業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。
 当社グループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における現地通貨建ての製造と調達のコストを押し上げます。コストの増加は当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼします。

 当社グループは、為替リスクを測定したうえでヘッジ効果とヘッジコストを勘案し、許容可能な為替リスク量まで為替リスクを軽減するため、社内規定に従い為替予約を利用してヘッジをしています。

 

(3)新製品・新技術の開発

 新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、様々なリスクが含まれます。
 当社グループが市場ニーズの変化を十分に予想できず、魅力ある新製品をタイムリーに開発できない場合、又は当社製品が陳腐化するような技術革新等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、変化の激しい昨今の事業環境下における当社の競争優位性を更に拡大することを目的として研究開発活動に関する組織体制を構築しております。また迅速な意思決定や市場ニーズの変化へのスピード感のある対応、用途市場別の新機種開発対応力の向上、顧客サポートやCS活動のグローバル化対応などを実現するため、営業部門と一体化し、事業部活動の強化発展を推進しています。

 

(4)価格競争

 当社グループは、電気・電子機器、機械等製造業界に属する多様な分野の企業を顧客としておりますが、これら業界における価格競争は大変厳しいものになっております。このような環境下で、価格はすべての分野において大きな競争要因になっており、中国競合メーカーの台頭等もあって、競争はさらに激化しております。直近では、世界的な材料価格及び物流費の高騰が継続しており、不適切な価格設定や、各種コストダウン活動が市況変化に追いつかない場合、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、標準化、省人化をはじめとする知恵と技術を結集し、製品設計・開発段階からのコスト管理、生産技術の改善、部品調達のグローバル化による体系的なコストダウン、適正な価格設定及び付加価値の高い製品の継続的な投入、平均単価及び収益力の維持向上に取り組んでいます。

 

(5)国際的経済取引及び海外進出に潜在するリスク

 当社グループの事業活動の大部分は欧州、北米、アジア各国等で行われております。
 これら海外における事業活動においては、政治・経済環境の変動、インフラストラクチャーの未整備、法律や税務その他の諸制度の変動、社会的混乱等のリスクが内在しております。
 例えば、当社グループは、生産活動の多くを中国及びベトナムにおいて行っております。同国における政治又は法環境の変化、経済状況の変化、雇用環境その他の社会環境変化等、予期せぬ事象の発生が生産・販売活動に大きな問題を生じさせ、これが業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、事業展開する国等の経済・政治・社会的状況に加えて、事業に関連する各国の環境関連規制、製品の安全性・品質関連規制、輸出入関連規制の情報をタイムリーに収集・対応するため、世界5極体制の構築も含めた適時適切な対応を検討・実施しています。

(6)製品の品質

 当社グループのすべての製品について大きな品質問題が発生しないという保証はありません。品質問題が発生した場合、その賠償額は、当社グループ製品を搭載した最終製品の品質に与える影響に左右されます。万一、大規模な製品クレーム又はリコールや製造物責任賠償に繋がるような製品の欠陥が発生した場合は、多額のコストの発生や信用の失墜による売上の低下を招き、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、すべての生産拠点で安定した品質を生みだすために、事業拠点ごとに国際規格ISO9001を認証取得し、マネジメントシステムの継続的な改善と向上に努めるとともに、本社が定めた品質システムを遵守し、高品質な製品の供給に努めています。また、不具合発生時においても根本原因を究明したのち再発防止・未然防止策の実施・徹底をすすめております。

 

(7)知的財産保護

 知的財産の獲得は、当社グループの成長を大きく左右するものと認識しております。しかしながら特定の地域では、固有の事由によって当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があります。その場合、当社グループの知的財産を第三者が無断使用し、類似製品を製造することによって損害を受けることや、その他の技術やノウハウ等が流出し他社で利用されることにより競争優位性を損なう可能性がある一方、当社グループが他社の知的財産を侵害したと主張される可能性もあります。
 知的財産権における保護の失敗や侵害、その他の知的財産の流出は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、製品の拡販・新用途拡大に向け、俯瞰的且つ積極的に知的財産権の獲得・保護を行うことにより、競争優位性の確保を図っております。また、知的財産権の確保だけでなく、権利の流出・侵害といったリスクに対しても、当社グループ従業員に対し、教育などの意識向上施策を広く実施しております。

 

(8)人材獲得と育成

 当社グループは、激しい企業競争を勝ち抜くため、関連分野における能力の高い従業員、殊に高度な科学・技術に通じたエンジニアや、ビジネス戦略、組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成が不可欠であり、世代の交代を超えて常に充実・向上させることが必要であると認識しております。一方で、これら人材の積極的採用と継続的な育成には、コストを必要とします。

 優秀な人材の獲得や人材育成が長期的視点において計画どおりに進まなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、計画的な新卒採用に加え、ニーズに基づいた通年採用を実施しております。また、能力開発を支援する教育制度の拡充、多様な社員の能力が十分に発揮できるよう適性を重視した配置、各部門において早期にスペシャリストを育成するための体系やワークライフバランス支援制度の整備により、社員のモチベーションを高め、社員の定着・育成に努めております。

 

(9)原材料等の調達

 当社グループが外部から調達している原材料等の種類によっては、限られた供給元に依存するものがあり、こうした供給元における事故その他の事由による原材料等の供給中断、需要の急増による供給不足等が発生する可能性があります。これらが長期にわたり代替品の入手が困難な場合、当社グループの生産活動に大きな影響を及ぼし、顧客への製品の納入や品質の確保に支障をきたす可能性があります。また、市況品価格の高騰などにより製造コストの上昇を招くことも考えられます。
 このような事態が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、このようなリスクを回避するため各種の原材料や部品等を複数の事業者から調達し、安定的な供給の維持を図るとともに、CSR調達にも配慮しております。また、一部の素材につきましては適切な先物予約等による価格の安定化を図り、製造コストへの影響を抑制する対策を推進しております。

 

(10)自然災害や事故、感染症の流行

 当社グループは国際分業体制を確立し、世界各国で事業活動を行っており、本社及び各拠点において工場や事務所等の施設・設備を保有しておりますが、災害、事故の発生や感染症の流行等による事業活動中断等の不測の事態が生じた場合は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、事業継続基本計画(BCP)を策定しており、本社及び拠点における災害や事故の発生等のリスクの顕在化防止又は保険の付保を含む損害低減策を講じております。新型ウイルス等の感染症への対応では、当社グループが事業を展開している国・地域において、現地の政府及び自治体等の指導に沿った対応を行っており、当社グループの従業員及びその家族の健康に配慮し、国内外の出張や渡航を原則禁止、在宅勤務や時差出勤の推奨、テレビ会議の活用、社内での三密の防止等に取り組むとともに、事業への影響を最小限に抑えるよう日々努めています。

 

(11)環境対応について

 当社グループは、環境関連諸法令を遵守するとともに有害物資の漏洩防止及び適法適切な廃棄処理を徹底し環境被害の発生防止に努めておりますが、ESGまたはサステナビリティに対する意識の高まりなどにより環境に対する規制が厳しくなり、さらなる環境対応が必要になった場合には当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、本社及び海外生産拠点において、環境管理責任者及び各部門長で構成される環境管理委員会を定期的に開催し、環境情報の共有化及び環境保全活動を効率的に行っています。これに加え、本社及び海外生産拠点の環境管理責任者で構成される環境管理責任者会議を開催し、環境問題に関する情報共有の促進及び環境管理について当社グループ全体で対策を推進しております。また、サステナビリティ中期目標においても、環境負荷の軽減を重要課題として認識し、具体的な目標を設定しております。

 

(12)世界的な気候変動について

 当社グループは、気候変動対策に関して、継続的な省エネルギー施策及び太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの導入に取り組み、CO2排出量の抑制に努めておりますが、世界的な気候変動に伴う異常気象(暴風雨、洪水、干ばつ等)による被害や、温室効果ガス排出に対する規制(排出量取引制度等)が強化された場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会において、「2030年までにCO2排出量を2018年比30%削減」とする中期目標を設定しました。気候変動に関する課題は社会全体で取り組むべき喫緊の課題であり、これまでも当社は太陽光発電システムの設置、排熱を回収して再利用するシステムの採用、及び生産設備の省電力化等のCO2排出量削減の取り組みを推進してまいりました。CO2排出量の削減目標としては、2023年までの目標を設定し削減に取り組んでおりますが、これに加えて2030年までの目標を設定することにより、CO2排出量削減への取り組みを一層加速してまいります。また、気候変動をリスクとしてだけではなく機会としても捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題を解決していくことを目指します。

 気候変動に関する情報開示については、2021年3月に賛同を表明したTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言に基づき、継続的に気候変動の影響の評価及びその情報の開示に取り組んでまいります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1)経営成績

当期における世界経済は、各国の大規模な財政出動の効果及び新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展により緩やかな回復が持続しました。一方、資源価格及び物流費の高騰、半導体の供給不足、並びに東南アジアにおける新型コロナウイルスの感染再拡大により、経済活動の停滞が見られました。米国経済は、部材供給不足の長期化が企業活動の制約となった一方で、ワクチン接種の進展及び潤沢な家計貯蓄が個人消費を下支えし堅調に推移しました。欧州経済は、各国の都市封鎖をはじめとする感染予防対策の緩和により経済活動の正常化が進展し、景気の回復が持続しました。我が国経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う経済活動の停滞により、景気回復のペースは鈍いものとなりました。新興国経済は、東南アジアでは新型コロナウイルスの感染再拡大による経済活動の停滞の影響があったものの、中国経済が輸出の拡大及び電力不足の緩和等を背景に成長を維持し、全体として堅調に推移しました。

当社グループの関連市場におきましては、自動車電装機器市場は、各地域市場の回復が持続し、下期に世界的な半導体の供給不足等による生産調整の影響はあったものの、通期では大幅に増加しました。民生・業務機器市場は、各地域市場における需要が持続し、大幅に増加しました。

このような景況下、当社グループは、「パワーウインドウ用モーター事業のシェア拡大」、「中・小型電装用モーターの拡販・新用途拡大」、「民生・業務機器用分野における新用途拡販」、「グローバル拠点戦略の推進」、「新たな働き方及び人材戦略の推進」を課題に掲げ、取り組んでまいりました。具体的には、「パワーウインドウ用において北米大手自動車メーカー3社目となるお客様からの認証取得」、「パワーシート用において日系大手のお客様より受注獲得」、「EV化に伴い活性化した新用途市場に対して、新製品及び既存製品による対応が進展」、「移動体及び協調ロボット用ブラシレスモーターのラインナップ拡充による受注獲得、並びにマブチモーターエレクトロマグによる医療用モーター分野への本格参入の実現」、「メキシコマブチにて小型電装用モーターの、ポーランドマブチにてパワーウインドウ用モーターの量産・販売をそれぞれ開始、グローバルレベルでの地産地消が進捗」等、売上とシェアの拡大、新市場の開拓及び高品質・高効率化の更なる進展に向けた諸施策を積極的に導入・実現し、将来の事業成長につながる成果を上げることができました。

 

(売上高)

 当期の連結売上高は1,345億9千5百万円(前期比15.6%増)となりました。その大半を占めるモーター売上高は1,345億4千4百万円(前期比15.6%増)であります。

① 自動車電装機器市場

 売上高は982億4千6百万円(前期比16.0%増)と増加しました。パワ-ウインドウ、パワーシート及びパーキングブレーキ用等の中型電装、並びにドアロック、ミラー及びエアコンダンパー用等の小型電装ともに、下期において、世界的な半導体の供給不足及び物流の混乱等による生産調整の影響があったものの、自動車需要の回復を背景として堅調に推移し増加しました。

② 民生・業務機器市場

 売上高は362億9千7百万円(前期比14.5%増)と増加しました。健康・医療用は、歯ブラシ用の中高級セグメントが堅調に推移しました。家電・工具・住設及び事務機器用は、在宅勤務及び巣ごもり需要を背景として堅調に推移し増加しました。

 

(営業利益)

 市況品価格の上昇といった減益要因はあったものの、販売数量の増加、売価・プロダクトミックスの改善といった増益要因により、138億円(前期比7.0%増)となりました。

 

(営業外収支)

 営業外収支は、前連結会計年度の2億2千4百万円の損失(純額)から、当連結会計年度は57億7千万円の収益(純額)となりました。前連結会計年度は為替差損が13億7千1百万円発生していましたが、当連結会計年度は為替差益が28億8千万円となったこと、ならびにスクラップ材料売却収入が9億3千9百万円増加したことなどによるものであります。

 

(特別損益)

 特別損益は、前連結会計年度の12億2千5百万円の収益(純額)から、当連結会計年度は5億3千1百万円の収益(純額)となりました。投資有価証券売却益が14億8百万円減少した一方、生産子会社閉鎖損失が4億4千9百万円減少したことなどによるものであります。

 

(法人税等及び法人税等調整額)

 法人税等及び法人税等調整額の税金等調整前当期純利益に対する比率(税効果会計適用後の法人税率等の負担率)は、前連結会計年度の35.3%に対し、当連結会計年度は29.1%となりました。前連結会計年度は、在外子会社における外貨建て資産および負債から生じる、未実現の為替差損が税金計算に反映されないことなどの影響により大幅に上昇しておりましたが、当期はこのような要因が無く、比率が低下しました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は142億5千1百万円(前期比58.6%増)と前期比で52億6千4百万円の増加となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の135.64円に対し216.75円となりました。

 

(セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容)

 セグメント別の売上高は、「日本」セグメントは128億5千5百万円(前期比11.5%増)、「アジア」セグメントは687億7千万円(前期比16.7%増)、「アメリカ」セグメントは243億2千7百万円(前期比21.9%増)、「ヨーロッパ」セグメントは286億4千1百万円(前期比10.1%増)であります。

 セグメント別の利益又は損失は、「日本」セグメントは55億3千9百万円の利益(前期比31.7%増)、「アジア」セグメントは95億9千7百万円の利益(前期比32.5%増)、「アメリカ」セグメントは6億1千7百万円の利益(前期比42.2%減)、「ヨーロッパ」セグメントは8億7千2百万円の損失(前期は2億4千8百万円の損失)、セグメント間取引消去による調整額は10億8千1百万円(前期は6億3千万円)であります。

 

なお、当連結会計年度の円の平均為替レートは、1US$に対し109.80円であり、前連結会計年度に比べ2.98円の円安となりました。

 

(生産、受注及び販売の実績)

 a.生産実績

小型モーターの生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。  (千個未満の端数切捨て)

 

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

    至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

    至 2021年12月31日)

比較増減

(△は減)

 

数  量

構成比率

数  量

構成比率

数  量

 

 アジア

千個

1,184,596

99.2

千個

1,422,455

98.7

千個

237,858

 アメリカ

9,374

0.8

15,233

1.0

5,859

 ヨーロッパ

120

0.0

3,825

0.3

3,705

合  計

1,194,091

100.0

1,441,514

100.0

247,422

(注)当社グループの生産・販売品目は小型モーター単品であり、価格差も僅少であることから、数量表示のみで記載しております。

 

 b.受注状況

当社グループは、主として需要予測に基づく見込生産方式をとっておりますので記載を省略しております。

 

 c.販売実績

小型モーターの販売実績を用途市場別に示すと、次のとおりであります。  (百万円未満の端数切捨て)

 

前連結会計年度

 (自 2020年1月1日

     至 2020年12月31日)

当連結会計年度

 (自 2021年1月1日

     至 2021年12月31日)

比較増減

(△は減)

 

金  額

構成比率

金  額

構成比率

金  額

 

 自動車電装機器

百万円

84,718

72.8

百万円

98,246

73.0

百万円

13,528

 民生・業務機器

31,692

27.2

36,297

27.0

4,605

合  計

116,411

100.0

134,544

100.0

18,133

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める顧客がないため、記載を省略しております。

 

(2)財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に対して231億4千5百万円増加し、2,857億4百万円となりました。変動の大きかった主なものは、安定供給をみすえたたな卸資産の増加184億円、設備投資等に伴う有形固定資産の増加67億4千6百万円、マブチモーターエレクトロマグエスエー買収に伴う無形固定資産の増加44億3千1百万円、現金及び預金の減少60億1千7百万円等であります。

負債合計は、前連結会計年度末に対して23億3千8百万円増加し、257億9千4百万円となりました。変動の大きかった主なものは、未払法人税等の増加10億9千9百万円、支払手形及び買掛金の増加9億5千5百万円、その他流動負債の増加8億2千9百万円等であります。

純資産合計は、前連結会計年度末に対して208億6百万円増加し、2,599億9百万円となりました。為替換算調整勘定が172億1千4百万円増加、利益剰余金が28億4千3百万円増加しました。

 自己資本比率は、前連結会計年度末の91.0%から、当連結会計年度末は90.9%となっております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前期末から66億5千1百万円減少し、1,035億3千9百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは87億4千3百万円の収入となり、前期に対し99億9千7百万円の減少となりました。税金等調整前当期純利益が62億円増加、売上債権の減少により53億5千6百万円増加したものの、たな卸資産の増加により148億3千7百万円減少、為替差益により68億2千1百万円減少等の要因によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは129億7千万円の支出となり、前期に対し76億6千5百万円の支出増加となりました。固定資産の取得による支出が18億8千6百万円増加したことに加え、マブチモーターエレクトロマグエスエーの株式取得(子会社化)に伴う子会社株式の取得による支出40億8千万円等によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは112億8千5百万円の支出となり、前期に対し3億3千2百万円の支出増加となりました。自己株式の取得による支出が10億8千1百万円増加したことなどによるものです。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入費、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要につきましては、当社グループ製品製造のための生産設備購入や工場建設費用等があります。

 なお、当社グループの運転資金及び設備投資資金は自己資金から賄っており、外部調達はありません。

 

(5)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。

 連結財務諸表を作成するにあたり重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 また連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債及び収益、費用の報告金額に影響を与える仮定、見積り及び判断を必要としており、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りの仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 しかしながら、これらの仮定、見積り及び判断については不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 なお、会計上の見積もりにあたっての新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載しております。

 

(7)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、2021年6月22日開催の取締役会において、スイスの医療機器用モーターメーカーであるエレクトロマグエスエーの株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約書を締結、2021年7月6日に全株式を取得し、子会社化いたしました。

 なお、詳細は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、当社及び万宝至馬達(東莞)有限公司(「アジア」セグメント)で行っており、その内容は次のとおりであります。

 当社の研究開発活動に関する組織体制としては、第一・第二・第三の各製品開発部を民生事業部・電装第一事業部・電装第二事業部内に分散配置し活動を行っております。2020年3月末に電装第一事業部にブラシレスモーター開発部を新設し、ブラシレスモーター開発体制を強化しております。変化の激しい昨今の事業環境下における当社の競争優位性を更に拡大することを目的としております。また、迅速な意思決定や市場変化へのスピード感のある対応、用途市場別の新機種開発対応力の向上、顧客サポートやCS活動のグローバル化対応などを実現するため、営業部門と一体化し、事業部活動の強化発展を推進しています。

 製造本部は、第一生産技術部、第二生産技術部、第三生産技術部の三部体制とし、第一生産技術部は技術開発業務、第二生産技術部は工程設計業務、量産(新機種/既存機種)・工場横断業務、第三生産技術部は生産技術管理・情報業務を実施しております。

 また技術統括直下の組織として技術研究所と技術管理部が配置されています。技術研究所では主に要素技術開発や戦略用途を中心とした新製品開発等の高付加価値業務を担っており、技術管理部は量産製品図面管理や知的財産権の管理等を実施しております。

 一方、万宝至馬達(東莞)有限公司に設置しているR&Dセンターにおいては、各種試験依頼の処理をはじめ、部材評価、図面作図業務、改良設計業務を中心に担当しております。更に、中国地場マーケットへの迅速な製品投入を目的とした既存製品の改良業務及び当社が委託した新製品の開発業務支援も実施しております。

 また、当社モーターの新規分野への参入及び適用用途への対応力強化並びに地産地消の考え方から、競争力のあるものづくりの実現を目指して、次の事項の検討と施策展開を急務と捉え実行しております。

(1)移動体向けブラシレスモーター及びギヤーユニット等の開発と駆動回路の技術強化

(2)従来の省人化に加え、更なる省人化ラインの検討とモノづくり競争力の強化

(3)開発リードタイムの短縮及び開発工数の短縮、削減

 

 次に、各用途の対応状況でありますが、主力分野である自動車電装用途及び、次期注力すべきそれぞれの用途について、事業部体制の下、技術部門及び営業部門が一体となり対応を行っております。

 

移動体、協調ロボット用途

 2021年はブラシレスモーターの新規ラインナップ及びオプションの拡充によって、お客様による採用ご検討や新規成約が大幅に増加しております。

 次期は複数モデル(※1)の量産を開始し、AGVやパーソナルモビリティ、サービス・協調ロボットでの更なる拡販を進めてまいります。

(※1) 移動体用途モーター:3モデル、 協調ロボット用途モーター:4モデル

 

パワーウィンドウ用途

 2020年に続き中国自動車メーカー向けに小型・軽量化を実現する中国拡販用として2モデルの量産を開始いたしました。これにより中国拡販用としては4モデルとなり、今後中国国内における更なる拡販活動を充実させてまいります。また、欧州自動車メーカー向けに1モデルの量産も開始いたしました。欧州域内でも拡販・技術対応を強化してまいります。

 

パワーシート用途

 差別化した小型高トルク製品の投入により、大手のお客様からの採用が拡大し、売上、市場シェアが伸びております。更なるシェア拡大に向けて地域市場による顧客要望の違いを考慮した製品強化及び拡販活動を継続しております。また、リクライナー用の新規ギヤードモーターの開発継続に加え、シートの各ファンクションに相応したモーターを開発しております。

 

バルブ用途

 冷却水などのバルブを精密に制御することによって省エネルギー化に貢献できる製品向けですが、他用途とは異なる水準の高温や振動環境への対応が求められます。既に量産中のRS-4F5、RS-4G5及び、当該モーターのオプション仕様の強化を図ることに加えアクチュエーターの小型・軽量化に貢献すべく、外径24mmの小型バルブ用モーターの量産準備を開始しております。拡販活動を継続すると共に、バルブ用途の各ファンクションに相応したラインナップを拡充すべくモーターの開発に着手しております。

 

その他小型電装用途

 低燃費や利便性を訴求した新規用途の引合いに対応したモーター開発を継続しております。また、既存用途においてはお客様の使い勝手を考慮したカスタマイズにより、次世代の標準モーターを開発しております。

 

 当連結会計年度における研究開発費は4,711百万円、当社所有の産業財産権の総数は742件(国内143件、海外599件)、新規出願件数は国内外合計で70件(国内外、特許・実案・意匠、商標)となっております。

 当社製品の拡販・新用途拡大に向け、俯瞰的且つ積極的に知的財産権の獲得・保護を行うことにより、競争優位性の確保を図っております。また、知的財産権の確保だけでなく、権利の流出・侵害といったリスクに対しても、当社グループ従業員に対し、教育などの意識向上施策を広く実施しております。

 

なお、当連結会計年度における代表的な新製品は次のとおりであります。

 自動車電装用モーター:SZ-286XD

 パワーシートのチルトアジャスター及びランバ―サポート用として開発しました。当社のチルトアジャスター用として最軽量の製品となり、自動車の軽量化による燃費の向上、ひいてはCO2削減に貢献します。