当期における事業環境につきましては、欧州および国内における設備投資需要は概ね横ばいに、米州においては堅調に、それぞれ推移しました。一方で、中国とその影響を受けた一部アジアにおいて減速の動きが拡大したことで、総じて厳しい状況となりました。
このようななか当社グループは、「one FANUC」、「壊れない。壊れる前に知らせる。壊れてもすぐ直せる。」および「サービス・ファースト」をスローガンに掲げ、当社商品およびサービスについてお客様にご安心いただけるための取り組みをグループ一丸となって行い、事業の発展に努めました。
平成27年度における連結業績は売上高が6,234億18百万円(前期比14.6%減)、経常利益が2,293億61百万円 (前期比26.5%減)、当期純利益が1,597億円(前期比23.1%減)となりました。
(注)[事業の状況]における「当期純利益」は、連結損益計算書における「親会社株主に帰属する当期純利益」を指します。
当期の設備投資といたしましては、将来の生産能力増強に備え、栃木県壬生町にCNC・サーボモータ等の新工場の建設を進めるとともに、研究開発における「信頼性向上」と「スピードアップ」を推進するため、本社地区にある研究所の拡張を進めました。
なお、安全柵なしで人とロボットが協働して作業可能な緑のロボット「ファナック ロボット CR-35i A」が、「平成27年度日刊工業新聞十大新製品賞/増田賞」および「日経優秀製品・サービス賞2015 日本経済新聞賞 最優秀賞」を受賞いたしました。
また当社は、フィナンシャル・タイムズ社、アルセロール・ミタル社から、2015年「The FT ArcelorMittal BOLDNESS IN BUSINESS AWARDS」の「Drivers of Change Award」を受賞しました。
(注)「BOLDNESS IN BUSINESS AWARDS」は、ビジョンとリーダーシップを持って勇気と想像力のある決断を行いリスクをとる会社に対する賞です。中でも「Drivers of Change Award」は、会社や産業そのものを変えることを恐れない変革者に贈られる賞とされています。
平成27年4月に当社は新たな株主還元方針を定め、これに基づき配当性向を従来の30%から60%へと引き上げました。またこの還元方針に基づき、平成27年6月に、保有自己株式のうち発行済株式総数の5%超の部分(3,357万株)を消却しました。本年2月には300億円を上限とした自己株式取得の実施を発表し、取得を進めました。
なお、当社グループは、CNCシステムとその応用商品を提供する企業グループとして、単一セグメントの事業を営んでおりますが、商品部門別の状況は以下のとおりです。
CNCシステムの主要顧客である工作機械業界につきましては、中国の需要が大きく落ち込み、またその影響を受けた台湾および韓国の需要も低調に推移しました。また期後半からは、国内においても弱含んだ動きとなりました。これらにより、当社グループのCNCシステムの売上高は減少しました。
レーザにつきましては、国内・海外ともに売上は低調に推移しました。
FA部門の連結売上高は、1,702億11百万円(前期比17.6%減)、全連結売上高に対する構成比は27.3%となりました。
ロボットにつきましては、米州および欧州の売上が引き続き堅調に推移し、中国においても好調でした。また国内においても、期後半より自動車産業向けおよび一般産業向けの売上が伸長いたしました。なお、平成27年11月において、ロボットの累計出荷台数は40万台を達成しました。
ロボット部門の連結売上高は、1,882億95百万円(前期比20.3%増)、全連結売上高に対する構成比は30.2%となりました。
ロボドリル(小型切削加工機)につきましては、期前半においてIT関係の一時的需要が終了しその後も回復がほとんど見られなかったことにより、期中を通じIT関係の一時的需要があった昨年度と比べると、売上が大幅に減少しました。一方、国内および海外のその他の産業向けについては堅調に推移しました。
ロボショット(電動射出成形機)につきましては、中国などの海外を中心に堅調に推移しました。なお平成28年2月において、ロボショットの累計出荷台数は5万台を達成しました。
ロボカット(ワイヤカット放電加工機)につきましては、国内、欧州および中国を中心に堅調に推移しました。
ロボマシン部門の連結売上高は、1,830億11百万円(前期比37.2%減)、全連結売上高に対する構成比は29.4%となりました。
サービスにつきましては、「サービス・ファースト」の方針のもと、世界中における高度なサービスの提供や生涯保守を実践しながら、お客様の工場でのダウンタイムを最小限にするための迅速な保守サービスに努めました。
サービス部門の連結売上高は、819億1百万円(前期比9.0%増)、全連結売上高に対する構成比は13.1%となりました。
連結キャッシュ・フローは、△1,595億74百万円となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は8,316億62百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、1,406億33百万円と、前連結会計年度に比べ822億79百万円減少しました。これは主に税金等調整前当期純利益が減少したことによるものです。
投資活動の結果使用した資金は、1,126億77百万円であり、前連結会計年度に比べ877億51百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。
財務活動の結果使用した資金は、1,695億72百万円であり、前連結会計年度に比べ1,222億58百万円増加しました。これは、主に配当金の支払いが増加したことによるものです。
(当連結会計年度)
生産高(百万円) | 前期比(%) |
532,215 | △24.1 |
(注1) 生産高は、販売価格によっております。
(注2) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(当連結会計年度)
受注高(百万円) | 前期比(%) |
583,538 | △24.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(当連結会計年度)
販売高(百万円) | 前期比(%) |
623,418 | △14.6 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
SAMSUNG ELECTRONICS VIETNAM THAI NGUYEN Co.,Ltd | 93,958 | 12.9 | - | - |
なお、当連結会計年度については、当該割合が10%未満のため記載を省略しております。
今後につきましては、低迷している中国の設備投資需要の回復には暫く時間がかかるとみられるほか、米州の失速懸念や不安定な為替動向等から、依然として厳しく、予断を許さない状況が続くものと思われます。
このような状況に対処するため、当社グループは、「one FANUC」を合言葉に、FA・ロボット・ロボマシンが一体となってのトータルソリューションの提供、および全世界のグループ会社が一体となっての世界中のお客様への対応、という当社グループならではの強みを最大限活かしてまいります。
また、ファナック商品は製造現場でご使用いただく設備であるとの原点に立ち、お客様の工場におけるダウンタイムを最小にし稼働率向上を図るため、「壊れない。壊れる前に知らせる。壊れてもすぐ直せる。」を商品開発において徹底いたします。
そして世界中のどこでもファナックのグローバルスタンダードに基づく高度なサービスを提供すること、お客様が使用し続ける限り保守を続ける「生涯保守」を行うこと、を基本理念とした「サービス・ファースト」を実践してまいります。
さらに上記の基本方針に加え、IoTへの対応強化を加速することで、お客様における製造の効率化を一層推進します。IoTへの対応は、当社グループの新たなビジネスとして今後成長していくことが大いに期待されます。
これらをグループ一丸となって推し進めることにより、お客様による当社グループへの安心と信頼を高め、本業を発展させ、企業として永続するよう地道に努力してまいります。
当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスクを認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存です。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断できたものであります。
当社商品の需要は、当社グループが商品を販売している国の経済状況の影響を受けます。当社商品の需要は主として自動車を中心とする機械工業、IT産業であり、それら産業の設備投資の影響を受けます。景気変動による設備投資需要の変動は激しく、特にそれら産業の景気後退は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の競合会社が存在する国(例えばEU)の通貨が下落した場合、国際市場での競合会社の価格競争力が強まるため、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、製造の大部分を日本で行っている一方、販売の多くの部分を海外において現地通貨建てで行っているため、一般に、他の通貨に対する円高は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社の連結財務諸表は円で表示されているため、当社の外貨建ての資産・負債を円に換算する際、及び当社の海外子会社の財務諸表を円に換算する際、資産・負債の評価額が為替レートにより影響を受けます。
当社は、研究開発に経営の重点を置き、高信頼性、高性能で価格競争力のある新商品の開発を継続していけると考えておりますが、当社グループが属する業界は技術的な進歩が極めて急速であります。従って、以下の場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、CNC・サーボモータ及びこの基幹技術を応用したロボット、ロボマシンという特定の分野に経営資源を集中し、高い信頼性と競争力をもつ商品を開発してまいりました。これによってお客様に貢献することで、当社商品は市場において高い評価をいただいております。
しかし、当社の属する業界においては、世界的に激しい開発競争が行われております。競合企業による低価格の新製品投入などによって、市場における競争が激しくなると、当社の商品の価格競争力を低下させ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
お客様が希望する納期に応えられないことにより注文を失う場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、競争力強化のため、合弁などの形で、多くの会社と共同で活動を行っており、引き続きこのような活動を前向きに活用する予定です。しかし、経営、財務、その他の要因により、このような協力関係を成立または継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社商品には、他社の許諾を受けて使用している特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としているものがあります。これらの特許等について、今後、万一当社が許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾が受けられなくなる場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
知的財産の流出については、可能な限りの防衛策を講じておりますが、研究員の転職やコンピュータウィルス等により当社の商品等の情報が流出し、模倣商品や競合する商品、機能が出現する可能性があります。その場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、当社商品について、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積しておりますが、将来、当社商品又は技術が他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。その場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、優秀な技術者など、必要とする人材を採用、育成し、雇用の維持を図ることができるよう、処遇をより良くすべく対策をとっております。しかし万一、適切な人材の採用ができなくなった場合やその育成に失敗した場合、あるいは専門分野を担当している人員を退職や休職等により欠くことになった場合、専門業務の遂行ができなくなったり、開発力が低下する可能性があります。その場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、日本国及び関係会社が所在する各国の輸出管理法令を遵守し輸出管理を確実に履行するために、輸出管理社内規定を定め、輸出管理体制を整備しております。しかし、万一、輸出管理法令への違反があった場合は、罰則の適用を受けるなどの重大な影響があります。また、当社の直接の法令違反等ではなかったとしても、何らかの原因によって不正輸出等に結果的に関与をした場合は、企業としての社会的責任が問われる可能性があります。また、輸出管理法令の改正あるいは新たな法令の施行が当社の営業活動に制約を与える場合があります。これらに起因した事象が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、世界各国で事業活動を行っております。各国において下記のようなリスクが内在します。
これらの事象は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、商品の重要部品を当社グループ内で製造するよう努めている一方で、当社グループ内で製造していない重要部品はグループ外の他社に依存しています。天災地変や、供給元の事情、市場の状況によってそれら部品の調達に不足が生じた場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
部品や原材料については、国内外の供給元の中で出来るだけ品質が優れた供給元から出来るだけ低価格で調達を進める努力をしていますが、原材料の国際的な市場における価格高騰が進み、購入先から値上げされた場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社商品は資本財であり、研究所、工場を日本国内に集中させ、そこで開発、製造された製品を全世界に供給することにより、効率化を図っております。
地震、富士山噴火等の自然災害や、長時間にわたる停電などが発生した場合に、当社の開発、製造能力に対する影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。また、当社工場から各市場への納入途上において何らかのトラブルが発生した場合、物流コストの増加や納入遅延による売上の機会損失などが生じ得ます。それらの事象が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ISOなど、世界的に認められている品質管理基準に従って各種商品の設計・製造をしておりますが、これらの商品について欠陥が皆無という保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。人身事故、火災事故など重大な事故や、広範囲に影響を及ぼす大規模な事故が発生した場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社商品に障害が発生したり、その障害によりお客様の安全を損ねたりした場合には十分な対策を講じるように務めていますが、その対応が不適切だったことにより、お客様の信用を失ったり、損害賠償請求を受けたり、障害対策費用が多額になったりする場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社では労働災害を防止すべく社員の健康・安全には十分注意を払っておりますが、発生リスクは常に存在しています。こうした労働災害が発生した場合、社員の死傷といった人的損害に加え、作業の一時中断・遅延等に伴う当社商品の納期遅延に伴うお客様への補償等により、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、環境負荷の低減に努めておりますが、事業活動を通じて一切の環境汚染が発生しないという保証はありません。以下による環境汚染が生じた場合、浄化処理費用等の対策費用が発生し、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、環境汚染に関する規制の強化や変更は、対応コストを増加させ、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上の割引率や、年金資産の長期期待運用収益率などの前提条件に基づいて算出しております。しかしながら、運用環境の悪化などにより、実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、あるいは前提条件の変更が必要になった場合には、退職給付費用や債務が増加し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
相手会社名 | 国名 | 契約品目 | 契約内容 | 契約期間 |
シーメンス社 | ドイツ | CNCシステム、CNC自動プログラミング装置、ロボット | 特許実施権の相互供与 | 自 昭和58年4月19日 |
ハードウェア研究所、ソフトウェア研究所、サーボ研究所、レーザ研究所、ロボット研究所、ロボドリル研究所、ロボショット研究所、ロボカット研究所、ロボナノ研究部におきましては、お客様における製造の自動化と効率化に寄与するよう、高信頼性を基本に性能の向上および知能化を進めた、より競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入いたしました。
基礎研究所では、当社商品に適用される次世代要素技術などの研究開発を行っております。
なお当期において、当社は、米国のシスコ社、ロックウェル社および日本のプリファード ネットワークス社と共同で、CNCとロボットのほか周辺デバイスとセンサーを接続して製造の最適化を実現するプラットフォームとして、FANUC Intelligent Edge Link and Drive(FIELD)systemの開発を開始しました。このFIELDシステムは様々な企業が参加できる製造業初のオープン プラットフォームであり、アプリケーション開発者、センサーおよび周辺デバイスメーカ、システムインテグレータ等は、FIELDシステム上で設備効率、生産高、品質を向上させるソリューションを構築することができます。人工知能(機械学習機能)を含む高度な機能を備えたFIELDシステムを活用することで、機械等から収集したデータをネットワークのエッジ(製造現場の領域)でリアルタイムに処理でき、機械が互いに柔軟かつ賢く協調するため、これまでになかった高度な生産システムを実現します。
新たなビジネスモデルとして、今後が大いに期待されます。
当連結会計年度の研究開発費は、345億67百万円となっております。
当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。
CNCシステムにつきましては、高速で高品位な加工を実現するナノCNCである「30iシリーズ」において、優れた操作性により「計画」「加工」「改善」という加工現場での生産性向上の取り組みを一貫して支援する管理ツールとして「i HMI」を開発しました。また工作機械の稼働管理用ソフトウェアとして、パソコン上で動作する「MT-LINK i」を開発しました。これらにより、IoTを促進する生産管理システムの構築が容易になり、工場の稼働率向上などに貢献します。このほか、「30iシリーズ」および「0iシリーズ」において、基本性能を大幅に向上させるなど、様々なレベルアップ、機能追加を行いました。
サーボにつきましては、サーボモータ、スピンドルモータなどにおいて、大型・小型の工作機械のほか航空機部品加工機械など様々な分野向けに拡販すべく、ラインナップの強化、新機能の開発などを行いました。
レーザにつきましては、新たにファイバレーザ発振器「ファナック ファイバレーザ シリーズ」を開発し、2kWから6kWまでのラインナップを揃えました。薄板の高速高精度加工のほか厚板切断や溶接にも対応でき、顧客のニーズにきめ細かく対応することができます。
ロボットにつきましては、安全柵を必要とせず、人との協働作業も可能な緑のロボット「協働ロボット」において5kg/6kg/7kg可搬などの可搬重量の小さいタイプを追加しシリーズの拡充を図りました。また長年にわたるファナックの経験と技術が凝縮された万能知能ロボット「ファナック ロボット R-2000iC シリーズ」において、新たに270kg可搬タイプおよび210kg可搬のロングアームタイプを開発しました。手首可搬力と剛性を向上させたことなどにより、適用用途の拡大が期待されます。さらにR-2000iC シリーズより一回りコンパクトな「ファナック ロボット R-1000iA シリーズ」において、従来よりも狭いスペースでの作業を可能とするなど姿勢自由度の高いタイプを新たに追加しました。これにより製造スペースの効率化を図ることができます。また中型ハンドリング知能ロボット「ファナック ロボット M-20iA」の後継機種として、可搬重量を強化した「ファナック ロボット M-20iB」を開発しました。防塵、防水性能を向上させ、アームをスリム化したことにより、従来よりも多様な作業環境でお使いいただけます。また、様々な当社ロボットに適用できる保守診断機能ツールとして、「ゼロダウンタイム(ZDT)」を開発しました。ロボットの状態を監視し予防保全に役立てることができるため、ロボットの稼働率向上に貢献します。これらをはじめとした新商品、新機能等により、ファナックロボットの適用用途の一層の拡大が期待されます。
ロボドリル(小型切削加工機)につきましては、「ファナック ロボドリル α-DiA シリーズ」において、速い開閉動作を実現できるサーボドアを前面に取り付ける仕様を追加したことにより、既存の側面サーボドア仕様と合わせて、ロボットによる自動化がさらに容易になりました。サイクルタイムの短縮効果などから、今後の拡販が期待されます。
ロボショット(電動射出成形機)につきましては、電動射出成形機「ファナック ロボショット α-SiA シリーズ」において、2種類の樹脂を組み合わせた「二材成形」を可能にするための第二射出装置「ファナック ロボショット SI-20A」を開発しました。これにより医療および自動車分野への拡販が期待されます。
ロボカット(ワイヤカット放電加工機)につきましては、ワイヤカット放電加工機「ファナック ロボカット α-CiA シリーズ」において、室温が大きく変化する環境下でも高い加工精度を維持する熱変位補正機能などにより、金型加工や部品加工の精度を一層高めるための取り組みを行いました。
またロボマシン部門ではIoTへの取り組みの一環として、ロボドリル、ロボショットおよびロボカットにおいて、工場内での稼働状態をパソコンでリアルタイムに管理できるソフトウェア「LINK i」の機能を強化しました。これらにより予防保全が促進され、製造現場での稼働率を向上させることができます。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産、負債および偶発債務ならびに会計期間における収益、費用に影響を与える見積もりを必要としておりますが、実際の結果と異なる場合があります。
中でも連結財務諸表に与える影響が最も大きいと考えられるものは、以下の退職給付債務であります。
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。長期金利の低下や運用利回りの悪化は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
平成27年度における連結業績は売上高が6,234億18百万円(前期比14.6%減)、経常利益が2,293億61百万円 (前期比26.5%減)、当期純利益が1,597億円(前期比23.1%減)となりました。
当期における事業環境につきましては、欧州および国内における設備投資需要は概ね横ばいに、米州においては堅調に、それぞれ推移しました。一方で、中国とその影響を受けた一部アジアにおいて減速の動きが拡大したことで、総じて厳しい状況となりました。
このようななか当社グループは、「one FANUC」、「壊れない。壊れる前に知らせる。壊れてもすぐ直せる。」および「サービス・ファースト」をスローガンに掲げ、当社商品およびサービスについてお客様にご安心いただけるための取り組みをグループ一丸となって行い、事業の発展に努めました。
資産合計は、前連結会計年度末比987億31百万円減の1兆5,128億95百万円となりました。これは、現金及び預金が1,845億74百万円減少したことと、有形固定資産が861億35百万円増加したことが主な理由です。
負債合計は、前連結会計年度末比469億46百万円減の1,779億85百万円となりました。これは、未払法人税等が減少したことが主な要因です。
純資産合計は、前連結会計年度比517億85百万円減の1兆3,349億10百万円となりました。主な減少は、為替換算調整勘定233億98百万円、退職給付に係る調整累計額153億37百万円であります。
営業活動の結果得られた資金は、1,406億33百万円と、前連結会計年度に比べ822億79百万円減少しました。これは主に税金等調整前当期純利益が減少したことによるものです。
投資活動の結果使用した資金は、1,126億77百万円であり、前連結会計年度に比べ877億51百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。
財務活動の結果使用した資金は、1,695億72百万円であり、前連結会計年度に比べ1,222億58百万円増加しました。これは、主に配当金の支払いが増加したことによるものです。
以上のキャッシュフローの増減に現金及び現金同等物に係る換算差額179億58百万円を減算し、連結キャッシュ・フローは、△1,595億74百万円となりました。
当期の所要資金は全て自己資金により充当し、外部からの調達は行っておりません。