第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

ファナックは昭和31年に日本で民間初のNCとサーボ機構の開発に成功して以来、一貫して工場の自動化を追求してまいりました。
 ファナックの基本技術であるNCとサーボから成るFA事業と、その基本技術を応用したロボット事業およびロボマシン事業の三本柱に、IoTを担うオープンプラットフォーム「FIELD system」を加えた事業を基本として、お客様における製造の自動化と効率化を推進することで、国内外の製造業の発展に貢献してまいります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

平成29年度において活発だったIT関係の一時的な需要が平成30年度においては鈍化することが予想され、また国家間の貿易摩擦問題の動向とその影響、為替の動向をはじめとする様々な不透明な要因から、総じて予断を許さない状況が続くものと思われます。
 このような状況においても、当社グループは、会社の将来を見据え、短期的な事象に左右されない、長期的な視点に立った経営を続けてまいります。
 

こうした基本思想のもと当社グループは、「one FANUC」を合言葉に、FA・ロボット・ロボマシンが一体となったトータルソリューションの提供、およびグループ一体となった世界のお客様への対応、という当社グループならではの強みを最大限活かしてまいります。
 また、ファナック商品は製造現場でご使用いただく設備であるとの原点に立ち、お客様の工場におけるダウンタイムを最小にし稼働率向上を図るため、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」を商品開発において徹底いたします。同時に、資本財のサプライヤとしてお客様への供給責任を果たすべく、お客様にご安心いただける生産体制を確保してまいります。
 そして世界中のどこでもファナックのグローバルスタンダードに沿った高度なサービスを提供すること、お客様が使用し続ける限り保守を続ける「生涯保守」を行うこと、を基本理念とした「サービス・ファースト」を実践してまいります。
 また、当社は、AI・IoT技術を、当社が今後も競争力の高い商品を開発し市場投入していくうえで必要不可欠な技術と考えております。当社はこれらの技術をFA・ロボット・ロボマシンの全ての分野に積極的に適用していくことで、お客様における生産の効率化を一層推進します。
 

長期を見据えた以上の方針に加え、当社グループは、グループ全体の競争力を強化しシェアアップを図るため、研究開発力の強化、工場の生産能力増強、サービス体制の充実に全力を尽くしてまいります。
 

当社は、創業以来の基本理念である「厳密」と「透明」を今後もあらゆる面で徹底し、こうした諸施策をグループ一丸となって推し進めることにより、お客様の当社グループへの安心と信頼を高め、永続的な企業となるべく努力してまいります。
 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスクを認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存です。

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断できたものであります。

 

1 経済状況

当社商品の需要は、当社グループが商品を販売している国の経済状況の影響を受けます。当社商品の需要は主として自動車を中心とする機械工業、IT産業であり、それら産業の設備投資の影響を受けます。景気変動による設備投資需要の変動は激しく、特にそれら産業の景気後退は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社の競合会社が存在する国(例えばEU)の通貨が下落した場合、国際市場での競合会社の価格競争力が強まるため、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2 為替レートの変動

当社は、製造の大部分を日本で行っている一方、販売の多くの部分を海外において現地通貨建てで行っているため、一般に、他の通貨に対する円高は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社の連結財務諸表は円で表示されているため、当社の外貨建ての資産・負債を円に換算する際、及び当社の海外子会社の財務諸表を円に換算する際、資産・負債の評価額が為替レートにより影響を受けます。

 

3 新商品開発力

当社は、研究開発に経営の重点を置き、高信頼性、高性能で価格競争力のある新商品の開発を継続していけると考えておりますが、当社グループが属する業界は技術的な進歩が極めて急速であります。従って、以下の場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

① 新たに開発した商品を含め、当社商品又は技術が独自の知的財産権として保護されない場合
② 当社が新技術ならびに業界・市場の変化を正確に予測できず、魅力ある新商品を開発できない、あるいはタイムリーに開発できない場合
③ 他社が画期的な新商品やサービスを開発することによって、性能、機能、価格、信頼性において当社との間に大きな差がついた場合

 

4 価格競争

当社は、CNC・サーボモータ及びこの基幹技術を応用したロボット、ロボマシンという特定の分野に経営資源を集中し、高い信頼性と競争力をもつ商品を開発してまいりました。これによってお客様に貢献することで、当社商品は市場において高い評価をいただいております。

しかし、当社の属する業界においては、世界的に激しい開発競争が行われております。競合企業による低価格の新製品投入などによって、市場における競争が激しくなると、当社の商品の価格競争力を低下させ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 納期

お客様が希望する納期に応えられないことにより注文を失う場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

6 アライアンス、技術供与、資本参加等に関するリスク

当社グループは、競争力強化のため、合弁などの形で、多くの会社と共同で活動を行っており、引き続きこのような活動を前向きに活用する予定です。しかし、経営、財務、その他の要因により、このような協力関係を成立または継続できない場合や、これらの協力関係から十分な成果を得られない場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社の商品、サービスには、他社の許諾を受けて使用している特許や技術、ソフトウェア、商標等を前提としているものがあります。これらの特許等について、今後、万一当社が許容できる条件で、他社からの供与や使用許諾が受けられなくなる場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、資本参加や企業買収については、出資等による多額の費用が発生する可能性や、期待した成果が十分に得られない、または予期しない損失を被る恐れがあります。

 

7 知的財産

知的財産の流出については、可能な限りの防衛策を講じておりますが、研究員の転職等により当社の商品等の情報が流出し、模倣商品や競合する商品、機能が出現する可能性があります。その場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は、当社商品について、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積しておりますが、将来、当社商品又は技術が他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。その場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

8 人材

当社は、優秀な技術者など、必要とする人材を採用、育成し、雇用の維持を図ることができるよう、処遇をより良くすべく対策をとっております。しかし万一、適切な人材の採用ができなくなった場合やその育成に失敗した場合、あるいは専門分野を担当している人員を退職や休職等により欠くことになった場合、専門業務の遂行ができなくなったり、開発力が低下する可能性があります。その場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

9 輸出管理

当社は、日本国及び関係会社が所在する各国の輸出管理法令を遵守し輸出管理を確実に履行するために、輸出管理社内規定を定め、輸出管理体制を整備しております。しかし、万一、輸出管理法令への違反があった場合は、罰則の適用を受けるなどの重大な影響(取引先等の他社が輸出関連法令に基づいて何らかの制約等を受けることにより当社グループが間接的に受けることとなる影響を含みます。)があります。また、当社の直接の法令違反等ではなかったとしても、何らかの原因によって不正輸出等に結果的に関与をした場合は、企業としての社会的責任が問われる可能性があります。また、輸出管理法令の制定、改正あるいは運用等が当社グループの営業活動に制約を与える場合があります。これらに起因した事象が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

10 グローバル マーケットに潜在するその他のリスク

当社は、世界各国で事業活動を行っております。各国において下記のようなリスクが内在します。

① 予期しない法律または規制の変更
② 不利な政治または経済要因
③ テロ、戦争、疫病、天災、その他の要因による社会混乱

これらの事象は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

11 情報セキュリティに関するリスク

当社は、情報セキュリティについて注意を払っていますが、インフラ障害、サイバー攻撃、コンピュータウィルスへの感染等によって、各種業務活動の停止、データの喪失、商品・サービス(顧客に提供済のものを含む)の機能の停止等が生じた場合、対策費用の発生、当社商品の信用の失墜やブランドイメージの毀損などにより、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

12 災害、事故等に関するリスク

当社商品は資本財であり、研究所、工場を日本国内に集中させ、そこで開発、製造された製品を全世界に供給することにより、効率化を図っております。

地震、富士山噴火、火災、大雪等の災害や、長時間にわたる停電その他の事故が発生した場合に、当社の開発、製造に対する影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。また、当社工場から各市場への納入途上において何らかのトラブルが発生した場合、物流コストの増加や納入遅延による売上の機会損失などが生じ得ます。それらの事象が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

13 調達部品におけるリスク

当社は、商品の重要部品を当社グループ内で製造するよう努めている一方で、当社グループ内で製造していない重要部品はグループ外の他社に依存しています。天災地変や、供給元の事情、市場の状況によってそれら部品の調達に不足が生じた場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

部品や原材料については、国内外の供給元の中からできるだけ低価格で調達を進める努力をしていますが、原材料の国際的な市場における価格高騰が進み、購入先から値上げされた場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、国内外の供給元の中からできるだけ品質が優れた部品や原材料の調達を進める努力をしていますが、これらの部品や原材料に万一不良があった場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

14 製品の欠陥等

当社グループは、ISOなど、世界的に認められている品質管理基準に従って各種商品の設計・製造をしておりますが、これらの商品について欠陥が皆無という保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。人身事故、火災事故など重大な事故や、広範囲に影響を及ぼす大規模な事故が発生した場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社商品に障害が発生したり、その障害によりお客様の安全を損ねたりした場合には十分な対策を講じるように務めていますが、その対応が不適切だったことにより、お客様の信用を失ったり、損害賠償請求を受けたり、障害対策費用が多額になったりする場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

15 労働災害、事故

当社では労働災害を防止すべく社員の健康・安全には十分注意を払っておりますが、発生リスクは常に存在しています。こうした労働災害が発生した場合、社員の死傷といった人的損害に加え、作業の一時中断・遅延等に伴う当社商品の納期遅延に伴うお客様への補償等により、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

16 環境汚染に関するリスク

当社グループでは、環境負荷の低減に努めておりますが、事業活動を通じて一切の環境汚染が発生しないという保証はありません。以下による環境汚染が生じた場合、浄化処理費用等の対策費用が発生し、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

① 当社グループの工場敷地において、今後、新たな汚染が判明した場合
② 自然災害、火事等により当社の建物、設備が倒壊し、汚染物質が流出した場合
③ 産業廃棄物の処理業者の違法行為により、不法投棄等の不適切な処理が行われた場合
④ アスベストのように時間の経過、技術の進歩にしたがって問題として顕在化する環境汚染物質が今後発見された場合

また、環境汚染に関する規制の強化や変更は、対応コストを増加させ、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

17 退職給付債務

当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上の割引率や、年金資産の長期期待運用収益率などの前提条件に基づいて算出しております。しかしながら、運用環境の悪化などにより、実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、あるいは前提条件の変更が必要になった場合には、退職給付費用や債務が増加し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の業績の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

a. 財政状態

(資産)

資産合計は、前連結会計年度末比1,643億11百万円増の1兆7,290億80百万円となりました。これは、有形固定資産が794億87百万円、受取手形及び売掛金が546億73百万円増加したことが主な要因です。

(負債)

負債合計は、前連結会計年度末比661億38百万円増の2,614億50百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が168億90百万円、未払法人税等が234億72百万円増加したことが主な要因です。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末比981億73百万円増の1兆4,676億30百万円となりました。これは、利益剰余金が917億23百万円増加したことが主な要因です。

 

 b. 経営成績

当期における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、日本、米州、欧州およびアジアの全ての地域において総じて需要が好調に推移しました。なかでも中国における設備投資需要が活発でした。
 このようななか当社グループは、「one FANUC」、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」および「サービス・ファースト」をスローガンに掲げ、当社商品およびサービスを通じて、信頼性が高く効率的・先進的な生産体制をお客様が安心して構築・維持できるようにするための取り組みをグループ一丸となって推進しました。またAI技術の当社商品への適用を進めると同時に、IoTへの対応として、様々な企業が参加できるオープンプラットフォームであるFIELD system (FANUC Intelligent Edge Link and Drive system) の日本国内における運用を昨年10月から開始しました。
 平成29年度における連結業績は、売上高が7,265億96百万円(前期比35.3%増)、経常利益が2,495億25百万円 (前期比47.8%増)、当期純利益が1,819億57百万円(前期比42.5%増)となりました。

(注)[事業の状況]における「当期純利益」は、連結損益計算書における「親会社株主に帰属する当期純利益」を指します。

また、今後のロボット需要のさらなる拡大に対応するため、茨城県筑西市においてロボット工場の建設を進めるなど、生産能力の増強のための取り組みを行いました。
 さらに、当期におきましては、製造業でのさらなる生産性向上と効率化を目指した製造業向けオープンプラットフォーム「FIELD system」が、「2017年日刊工業新聞十大新製品賞/増田賞」および「2017年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞 日経産業新聞賞」を受賞いたしました。

 

なお、当社グループは、CNCシステムとその応用商品を提供する企業グループとして、単一セグメントの事業を営んでおりますが、商品部門別の状況は以下のとおりです。

 

〔FA部門〕

CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、国内、中国、欧州、インドなどにおいて好調に推移しました。また、その他のアジアにおいても堅調でした。これらの結果、当社グループのCNCシステムの売上高は前年度に比べ大幅に増加しました。なお、平成30年3月において、CNCの累計出荷台数は400万台を達成しました。
 レーザにつきましては、国内、海外ともに低調に推移したものの、引き続きファイバレーザ発振器の拡販に努めました。
 FA部門の連結売上高は、2,222億54百万円(前期比27.0%増)、全連結売上高に対する構成比は30.6%となりました。

 

〔ロボット部門〕

ロボット部門については、米州、欧州および中国向けが引き続き好調に推移し、なかでも中国向けの需要が活発でした。また国内においても堅調に推移しました。これらの結果、ロボット部門全体の売上高は前年度に比べ大幅に増加しました。なお、平成29年11月において、ロボットの累計生産台数は50万台を達成しました。
  ロボット部門の連結売上高は、2,278億27百万円(前期比19.9%増)、全連結売上高に対する構成比は31.3%となりました。

 

〔ロボマシン部門〕

ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)、ロボカット(ワイヤカット放電加工機)のいずれも、自動車産業向けが堅調に推移したほか、IT関係向けも総じて堅調で特に中国等における一時的需要も活発であったことから、売上高は前年度に比べ大きく増加しました。
  ロボマシン部門の連結売上高は、1,901億82百万円(前期比102.5%増)、全連結売上高に対する構成比は26.2%となりました。

 

〔サービス部門〕

サービスにつきましては、「サービス・ファースト」のスローガンのもと、サービス体制の強化、サービス技術の向上、サービスツールの充実、IT技術の導入による効率アップなどを進めながら、世界107ヶ国(平成30年3月末現在)に及ぶ保守対象地域においてお客様の工場でのダウンタイムを最小限にするための迅速な保守サービス活動を行いました。
 また、サービス体制強化の一環として新名古屋サービスセンタを開設したことで、日野支社と合わせてコールセンタとパーツセンタを複数拠点化し、災害等が生じた場合でもお客様へのサービス対応を速やかに行える体制を整えました。
 サービス部門の連結売上高は、863億33百万円(前期比10.8%増)、全連結売上高に対する構成比は11.9%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年度末比488億58百万円減の7,259億3百万円となりました。

 

(各キャッシュ・フローの状況)

営業活動の結果得られた資金は、前年同期比542億77百万円増の1,759億90百万円であり、これは主に税金等調整前当期純利益が増加したことによるものです。

投資活動の結果使用した資金は、前年同期比416億95百万円増の1,302億57百万円であり、これは主に有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。

財務活動の結果使用した資金は、前年同期比28億30百万円増の930億97百万円であり、これは主に配当金の支払額が増加したことによるものです。

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

 

a. 生産実績

  (当連結会計年度)

生産高(百万円)

前期比(%)

644,994

+37.1

 

 

(注1) 生産高は、販売価格によっております。

(注2) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

b. 受注実績

  (当連結会計年度)

受注高(百万円)

前期比(%)

755,524

+34.7

 

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

  (当連結会計年度)

販売高(百万円)

前期比(%)

726,596

+35.3

 

 

(注1)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(注2)  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

    当該割合が10%未満のため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産、負債および偶発債務ならびに会計期間における収益、費用に影響を与える見積りを必要としておりますが、実際の結果と異なる場合があります。

中でも連結財務諸表に与える影響が最も大きいと考えられるものは、以下の退職給付債務であります。

(退職給付債務)

当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。長期金利の低下や運用利回りの悪化は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績等の状況

平成29年度における連結業績は、売上高が7,265億96百万円(前期比35.3%増)、経常利益が2,495億25百万円 (前期比47.8%増)、当期純利益が1,819億57百万円(前期比42.5%増)となりました。

当期における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、日本、米州、欧州およびアジアの全ての地域において総じて需要が好調に推移しました。なかでも中国における設備投資需要が活発でした。
 このようななか当社グループは、「one FANUC」、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」および「サービス・ファースト」をスローガンに掲げ、当社商品およびサービスを通じて、信頼性が高く効率的・先進的な生産体制をお客様が安心して構築・維持できるようにするための取り組みをグループ一丸となって推進しました。またAI技術の当社商品への適用を進めると同時に、IoTへの対応として、様々な企業が参加できるオープンプラットフォームであるFIELD system (FANUC Intelligent Edge Link and Drive system) の日本国内における運用を昨年10月から開始しました。
 

 

b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(財政状態)

(資産)

資産合計は、前連結会計年度末比1,643億11百万円増の1兆7,290億80百万円となりました。これは、有形固定資産が794億87百万円、受取手形及び売掛金が546億73百万円増加したことが主な要因です。

(負債)

負債合計は、前連結会計年度末比661億38百万円増の2,614億50百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が168億90百万円、未払法人税等が234億72百万円増加したことが主な要因です。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末比981億73百万円増の1兆4,676億30百万円となりました。これは、利益剰余金が917億23百万円増加したことが主な要因です。

 

 (キャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、1,759億90百万円と、前連結会計年度に比べ542億77百万円増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益が増加したことによるものです。

投資活動の結果使用した資金は、1,302億57百万円であり、前連結会計年度に比べ416億95百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。

財務活動の結果使用した資金は、930億97百万円であり、前連結会計年度に比べ28億30百万円増加しました。これは、主に配当金の支払額が増加したことによるものです。

以上のキャッシュフローの増減に現金及び現金同等物に係る換算差額△22億83百万円を加算し、連結キャッシュ・フローは、△496億47百万円となりました。
 

 (資本の財源)

当期の所要資金は全て自己資金により充当し、外部からの調達は行っておりません。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

相手会社名

国名

契約品目

契約内容

契約期間

シーメンス社

ドイツ

CNCシステム、CNC自動プログラミング装置、ロボット

特許実施権の相互供与

自 昭和58年4月19日
至 平成30年12月31日

株式会社
Preferred Networks

  日本

  当社商品全般

当社商品等の知能化その他の付加価値向上等のための協業

自 平成27年7月1日
至 平成32年2月29日

 

 

5 【研究開発活動】

当期におきましては、研究開発における「信頼性向上」と「スピードアップ」等を推進するため、引き続き積極的に研究員の採用を進めるとともに、研究所群の拡張を行いました。こうしたなか、ハードウェア研究所、ソフトウェア研究所、サーボ研究所、レーザ研究所、ロボット機構開発研究所、ロボットソフト開発研究所、ロボドリル研究所、ロボショット研究所、ロボカット研究所、ロボナノ研究部におきましては、お客様における製造の自動化と効率化に寄与すべく、高信頼性を基本に性能の向上等を推し進めた、より競争力の高い様々な新商品、新機能を開発し、市場に投入しました。
 基礎研究所では、当社商品に適用される次世代要素技術などの研究開発を行っております。
 また、欧州におけるさらなるシェアアップのため、昨年10月にドイツに研究開発拠点「ファナック ヨーロッパ開発センタ」を新設しました。これにより欧州のお客様のご要望により迅速に対応することができます。
 
 当社は、FA、ロボット、ロボマシンの全商品群において、株式会社Preferred Networksと協力し、AI技術の適用を推し進めています。今後も、AI技術をより具体的に活用することにより、各商品の知能化をさらに進め、他社との差別化、高付加価値化を図ります。
 IoTへの対応としましては、従来のFA、ロボマシンのLINKi機能において機能追加を行うとともに、様々な企業が参加できるオープンプラットフォームであるFIELD system(FANUC Intelligent Edge Link and Drive system)の日本国内における運用を昨年10月に開始しました。FIELD systemは、製造現場の各種機器を接続し、生産性の向上を図るIoT商品で、製造現場のエッジ部分(加工現場、組立現場)で情報をリアルタイムに処理できる点が大きな特長です。
 さらに、FIELD systemとAI技術の組み合わせにより、さらに大きな相乗効果が期待されます。即ち、FIELD systemにPreferred Networks社のAI技術(深層学習技術)を適用することで、各商品の知能化機能の性能がさらに高まり、かつその結果がIoTで共有可能となります。
 

当連結会計年度の研究開発費は、529億56百万円となっております。

 

当連結会計年度における新商品の主な成果は以下のとおりです。

 

CNCシステムにつきましては、高速で高品位な加工を実現するナノCNCである「ファナック 30iシリーズ」およびファナックのグローバルスタンダードCNCである「ファナック 0iシリーズ」において、サイクルタイム短縮を実現する制御技術群である「ファストサイクルタイムテクノロジー」を開発した他、加工性能の強化、機械の使い勝手向上等のための各種機能開発を行いました。このほか、工場内の設備情報を収集し見える化するソフトウェア「MT-LINKi」、モータの動きから機械や加工の状態監視を可能とするソフトウェア「サーボビューア」のレベルアップ・機能追加を行い、IoT技術による稼働率向上を積極的に推進しました。
 サーボにつきましては、サーボモータαi-Bシリーズに超大型モデルを追加しました。これにより大型サーボプレス機市場への拡販が期待されます。このほか、様々な市場向けに拡販すべく、ラインナップの強化、新機能の開発などを行いました。
  レーザにつきましては、ファイバレーザ発振器「ファナック ファイバレーザ シリーズ」において、レーザ光を2分岐出力することで1台のレーザ発振器で2台のロボットへレーザ光を供給できるファイバセレクタの開発などを行いました。レーザロボットシステムの競争力の強化に寄与し今後が期待されます。

 

ロボットにつきましては、高精度かつ高い連続動作性能を特長とし、電子機器の組立や電子部品の高速ハンドリングなどに最適なスカラロボット「ファナック ロボット SRシリーズ」を新たに開発し、商品ラインナップに加えました。また、安全柵を必要とせず、人との協働作業が可能な緑のロボット「協働ロボット」において、15kg可搬モデルを追加しラインナップを拡充しました。さらに、小型軽量でロボットに搭載可能な「3Dビジョンセンサ 3DV/400」を新たに開発しました。従来センサよりも撮像時間を大幅に短縮し、サイクルタイムの短縮に貢献します。これらをはじめとした新商品、新機能等により、ファナックロボットの適用用途の一層の拡大が期待されます。

 

ロボドリル(小型切削加工機)およびロボカット(ワイヤカット放電加工機)につきましては、「ファナック ロボドリル α-DiB シリーズ」および「ファナック ロボカット α-CiB シリーズ」において、機械各部に配置した複数の温度センサからの情報を基に機械学習技術を活用して熱変位を予測し補正する「AI熱変位補正機能」を開発しました。周囲温度の変化に対する加工の安定性が向上し、関連するロボマシン商品の拡販に寄与します。
 ロボショット(電動射出成形機)につきましては、「ファナック ロボショット α-SiA シリーズ」において、深層学習技術を活用して逆流防止弁の摩耗状態を予測する「バックフローモニタ機能」を開発しました。これにより予防保全機能が強化されます。
 ロボナノ(超精密加工機)につきましては、ファナックの最新のFA技術を適用したマシニング系超精密加工機「ファナック ロボナノ α-NMiA」の販売を昨年9月に国内で開始しました。また今後の海外市場への展開に向けて、海外の安全規格への対応を完了させました。